特許第6981234号(P6981234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981234
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】バッテリターミナルカバー
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/591 20210101AFI20211202BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20211202BHJP
【FI】
   H01M50/591
   H01M50/588
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-246291(P2017-246291)
(22)【出願日】2017年12月22日
(65)【公開番号】特開2019-114392(P2019-114392A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴裕
【審査官】 小川 進
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−147415(JP,A)
【文献】 特開2016−015231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/591
H01M 50/588
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるバッテリに取り付けられるバッテリターミナルカバーであって、
前記バッテリに固定される本体部と、
ヒンジを介して前記本体部に連結して設けられ、前記バッテリに取り付けられた螺合部材を覆う遮蔽位置および前記本体部に重ねられた開放位置に回転変位可能とされた可動部と、
前記可動部に設けられた延出部と、を備え、
前記本体部は、前記ヒンジに連結された固定天板部を備え、
前記可動部は、前記ヒンジに連結された可動天板部を備え、
前記延出部は前記可動部よりも前記ヒンジの軸方向に突出した位置に設けられ、
前記可動天板部および前記固定天板部のうち少なくとも一方には、前記可動部が前記開放位置とされたときに他方に対して係止可能な横ずれ規制部を備えるバッテリターミナルカバー。
【請求項2】
前記可動部は、前記開放位置において前記本体部から離間する方向に突出する可動側板部をさらに備え、
前記延出部は前記可動側板部に設けられている請求項1に記載のバッテリターミナルカバー。
【請求項3】
前記可動部が前記開放位置とされたときに、前記可動部が前記本体部に対して鋭角をなして離間するように前記可動部を支持する角度設定部をさらに備える請求項1または請求項に記載のバッテリターミナルカバー。
【請求項4】
前記本体部は、前記ヒンジに連結された固定天板部を備え、
前記可動部は、前記ヒンジに連結された可動天板部を備え、
前記延出部は前記可動部よりも前記ヒンジの軸方向に突出した位置に設けられ、
前記可動天板部および前記固定天板部のうち少なくとも一方には、前記可動部が前記開放位置とされたときに他方に対して係止可能な横ずれ規制部を備え、
前記角度設定部は、前記本体部から上方に突出して設けられており、前記横ずれ規制部は、前記角度設定部の上端部に設けられている請求項に記載のバッテリターミナルカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、バッテリターミナルカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリから突出する端子を保護するためのカバーとして、例えば特許文献1のものが知られている。このバッテリ接続端子保護カバーは、バッテリの側面に沿って配されるヒューズユニット保護部と、ヒューズユニット保護部に対してヒンジ部を介して連結された端子保護部とを備えている。バッテリの上面からはバッテリポストが上方に突出し、その外周には電気接続がボルトで巻締されている。端子保護部は、バッテリポストとボルトの上にクリアランスをもって嵌められてこれらを覆うとともに、バッテリ交換等の作業等の際にはヒンジ部近傍を中心として上方に回動して開くことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−108785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこの構成では、バッテリ交換等のために端子保護部を開き、工具を用いてボルトを緩める際、端子保護部がヒューズユニット保護部から位置ずれする懸念がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示された技術に係るバッテリターミナルカバーは、車両に搭載されるバッテリに取り付けられるバッテリターミナルカバーであって、前記バッテリに固定される本体部と、ヒンジを介して前記本体部に連結して設けられ、前記バッテリに取り付けられた螺合部材を覆う遮蔽位置および前記本体部に重ねられた開放位置に回転変位可能とされた可動部と、前記可動部に設けられ、前記可動部が前記開放位置とされた状態において前記螺合部材を中心として回転された工具が前記車両に接触する前に干渉することで前記工具の回転を規制する工具規制部と、を備える。
【0006】
この構成によれば、螺合部材を中心として回転された工具は工具規制部に当接しそれ以上の回転が規制されるから、工具が車両に当接してこれを傷つけることを防ぐことができる。
【0007】
本明細書に開示された技術に係る実施態様として、次の構成が好ましい。
【0008】
(1)前記本体部は、前記ヒンジに連結された固定天板部を備え、前記可動部は、前記ヒンジに連結された可動天板部を備え、前記工具規制部は前記可動部よりも前記ヒンジの軸方向に突出した位置に設けられ、前記可動天板部および前記固定天板部のうち少なくとも一方には、前記可動部が前記開放位置とされたときに他方に対して係止可能な横ずれ規制部を備える。
【0009】
この構成によれば、工具規制部は可動部よりもヒンジの軸方向に突出した位置に設けられているから、工具からの押圧力が工具規制部から可動部に伝わってヒンジを中心に回転変位する方向に作用し、可動部が本体部から位置ずれする懸念がある。しかしこの構成によれば、可動天板部および固定天板部のうち少なくとも一方に設けられた横ずれ規制部が他方に対して係止するから、可動部の横ずれを規制することができる。これにより、工具規制部の位置ずれを防ぎ、工具の回転を確実に規制することができる。
【0010】
(2)前記可動部は、前記開放位置において前記本体部から離間する方向に突出する可動側板部をさらに備え、前記工具規制部は前記可動側板部に設けられている。
【0011】
この構成によれば、可動部が開放位置とされたときには工具規制部は可動側板部の突出高さ位置に応じて本体部から離間した位置に配置されるから、本体部からの高さ方向において所望される位置に工具規制部を配置することができる。
【0012】
(3)前記可動部が前記開放位置とされたときに、前記可動部が前記本体部に対して鋭角をなして離間するように前記可動部を支持する角度設定部をさらに備える。
【0013】
この構成によれば、可動部が支持される角度に応じて工具規制部が配置されるから、所望される位置に工具規制部を配置することができる。
【0014】
(4)前記角度設定部は、前記本体部から上方に突出して設けられており、前記横ずれ規制部は、前記角度設定部の上端部に設けられている
【0015】
この構成によれば、角度設定部に横ずれ規制部を兼ねさせることができるから、角度設定部と横ずれ規制部とを別々に設ける必要がない。
【発明の効果】
【0016】
本明細書に開示された技術に係るバッテリターミナルカバーによれば、車両内においてバッテリに対し螺合部材を工具によって回転させる際、工具によって車両を傷つけることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1にかかるバッテリターミナルカバーを後方から見た斜視図
図2】アース端子群およびバッテリターミナルを後方から見た斜視図
図3】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーを後方から見た斜視図
図4】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーを前方から見た斜視図
図5】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの側面図
図6】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーを後方から見た斜視図
図7】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの底面図
図8】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの平面図
図9】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの正面図
図10】可動部が開放位置とされたバッテリターミナルカバーの斜視図
図11】可動部が開放位置とされたバッテリターミナルカバーの斜視図
図12】可動部が開放位置とされたバッテリターミナルカバーの側面図
図13】車両内において工具を使用している状態を示す側面図
図14】車両内において工具を使用している状態を示す正面図
図15】工具を使用している状態を示す背面図
図16図14のA−A断面図
図17】実施形態2のバッテリターミナルカバーを後方から見た斜視図
図18】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーを前方から見た斜視図
図19】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの側面図
図20】可動部が遮蔽位置とされたバッテリターミナルカバーの平面図
図21】可動部が開放位置とされた状態を示す断面図
図22】車両内において工具を使用している状態を示す側面図
図23】可動部が開放位置とされた状態を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
実施形態1を、図1から図16によって説明する。
【0019】
本実施形態のバッテリターミナルカバー1は、図1に示すように、車両用バッテリ2の上面側に装着され、図2に示す正極2Aおよびその周辺を覆ってこれらを保護する。以下においてはバッテリターミナルカバー1において、図1に示した状態における上方を上方とし、負極2Bに近い側を前方として説明する。
【0020】
図2に示すように、正極2Aの周辺には、バッテリ端子5と、バッテリ端子5を正極2Aに固定するためのボルト6(螺合部材の一例)と、バッテリ2の上面から側面にかけてL字状に延びるL字端子7とが取り付けられている。バッテリ端子5は、細長い帯板形状をなして正極2Aに巻き付けられている。バッテリ端子5の正極2A側の両端近傍に貫通された螺合孔は、正極2Aの前方に配置されている。ボルト6は螺合孔に螺合され、軸を左右方向に向けている。L字端子7の下端部には、図示しない電線が加締め圧着されている。L字端子7は廻り止め樹脂部品3に嵌め込まれることで、バッテリ2に対して位置決めされている。
【0021】
バッテリターミナルカバー1は、図3から図5に示すように、前後方向における略半分の位置においてヒンジ50を挟んで前後2つの部分に分割されている。以下においては、このうちヒンジ50よりも後側の部分を本体部10といい、前側の部分を可動部20という。また、本体部10のうち、L字端子7およびその周辺部を上方から覆う部分および側方から覆う部分をそれぞれ固定天板部11および固定側板部12といい、可動部20のうち、ボルト6およびその周辺部を上方から覆う部分および側方から覆う部分をそれぞれ可動天板部21および可動側板部22という。
【0022】
固定天板部11と可動天板部21とは、図3図5、および図6に示すように、軸を左右方向とする左右一対のヒンジ50と、一対のヒンジ50の間に設けられたばね部60とによって連結されている。ばね部60は、下方に突出して折れ曲がった形状をなしている。ばね部60はいわゆる反力スプリングであり、外力を自らの弾性力により付勢して跳ねるように展伸状態と屈曲状態とに移行する。
【0023】
図5および6に示すように、本体部10の各固定側板部12は、側方からみて略L字形状をなしている。各固定側板部12には、取付爪部13が下方に延出して設けられている。本体部10は、図1に示すように、各固定側板部12が廻り止め樹脂部品3の上面および側面に当接可能に配置されるとともに、各取付爪部13が廻り止め樹脂部品3に設けられた取付受部3A(図2参照)に嵌め込まれることで、廻り止め樹脂部品3に係止している。
【0024】
可動部20はばね部60の付勢力により、図1に示すように、ボルト6を覆う遮蔽位置と、図10に示すように、ボルト6を外方に露出可能な開放位置との2つの位置に配置可能となっている。可動部20が開放位置とされた状態においては、図16に示すように、可動天板部21は固定天板部11に面接触して配置され、可動側板部22は固定天板部11から離間する方向に突出して配置される。バッテリ2に対し交換等のメンテナンスを行う際には、可動部20を開放位置に配置することで、ボルト6を露出させ、工具Tを用いて螺合または螺合解除することが可能な状態となる。
【0025】
ところで、ボルト6の螺合には比較的大きなトルクが必要であるため、工具Tとしては、柄が長いものが利用される場合が多い。しかし、このような工具Tの柄の部分を車両C内においてボルト6を中心に回転させると、先端を車両Cに当接させて傷つけてしまう懸念がある。
【0026】
そこで、バッテリターミナルカバー1には、工具Tが車両Cに接触するまでの回転軌跡内に突出し、工具Tが車両Cに接触する前に干渉することで工具の回転を規制する工具規制部30(延出部の一例)が設けられている。
【0027】
工具規制部30は、図3および図4に示すように、一対の可動側板部22のうち一方の外面側に延出し、図7に示すように、下方に開口する箱形状をなしている。工具規制部30の後壁31は、図3および図7に示すように、可動部20の後端に設けられた背板部23と面一に設けられている。後壁31の下端31Aは、図4および図10に示すように、可動側板部22の下端(図10の状態における上端)と面一に設けられている。工具規制部30の天井壁32は、図9に示すように、可動側板部22に対して約45度の角度で斜め下方に延びている。以下においては、工具規制部30の後壁31の下端部を回転規制端部31Aという。
【0028】
可動部20が遮蔽位置とされた図1に示す状態においては、工具規制部30は回転規制端部31Aをバッテリ端子5と廻り止め樹脂部品3の間に嵌め込んだ状態で収容される。
【0029】
可動部20が開放位置とされた状態においては、図13に示すように、回転規制端部31Aは固定天板部11の前端の上方に配置されている。この状態において工具Tがボルト6を中心に回転されると、工具Tの柄は、回転規制端部31Aに干渉されて、それ以上の回転が規制される。回転規制端部31Aが工具Tから受けた押圧力は、主に可動側板部22、背板部23等を介して可動天板部21に伝えられ、可動天板部21を介して本体部10に伝えられる。
【0030】
なお、可動側板部22の内側には、図10および図11に示すように、左右一対の補助リブ24が背板部23と平行に設けられている。補助リブ24は、図10に示すように、一側端が可動側板部22と連結され、下端が可動天板部21に連結されている。これにより、補助リブ24は、可動側板部22を内側から支持し、可動側板部22の撓み変形を防いでいる。
【0031】
ここで、ボルト6を回転させる作業はスペースが限られた車両内での作業となるため、工具Tとしては、図14に示すように、頭部から柄にかけて曲げられた形状(いわゆるオフセットタイプ)のものが用いられる場合がある。本実施形態はこれを想定して、上述のように工具規制部30を可動側板部22の外側方(すなわち、可動部20よりもヒンジ50の軸方向に突出した位置)に設けている。
【0032】
この構成では、工具Tは、図14および図15(A)に示すように、可動側板部22の外側方において回転規制端部31Aに当接しこれを押圧するから、その押圧力は、可動天板部21を横ずれさせる方向に作用する。また、ヒンジ50は合成樹脂からなる帯板形状に形成されているから、外力により撓み変形する可能性がある。したがって、工具Tからの押圧力によって、可動天板部21がヒンジ50を中心として回転するように横ずれし、工具規制部30が所望される位置からずれて、工具Tの車両Cへの接触を許容してしまう懸念がある。
【0033】
これを防ぐため、本実施形態のバッテリターミナルカバー1にはさらに、図15(A)および図15(B)に示すように、可動天板部21の横ずれ変位を規制するための横ずれ規制部40が設けられている。横ずれ規制部40は、固定天板部11に設けられた左右一対の横ずれ規制リブ41と、可動天板部21に設けられた左右一対の横ずれ規制凹部42とによって構成されている。
【0034】
横ずれ規制リブ41は、図4に示すように、固定天板部11の両側端において上方に突出し、図5に示すように、前後方向において各取付爪部13の後端位置から固定天板部11の後端位置に亘って前後に延びる形状をなしている。
【0035】
横ずれ規制凹部42は、図4に示すように、可動天板部21において、両側端近傍のうち工具規制部30よりも前側の位置から前端に亘る領域を下方に凹ませた形状をなしている。可動天板部21には、図11に示すように、左右一対の可動側板部22を連結した補強壁部25が設けられ、図7に示すように、下面透視で両横ずれ規制凹部42と交差している。
【0036】
図15(B)に示すように、横ずれ規制リブ41の幅寸法(左右寸法)は、横ずれ規制凹部42に嵌まり込み可能な程度とされている。横ずれ規制リブ41の固定天板部11からの突出高さ寸法は、横ずれ規制凹部42の深さ寸法以下とされている。これにより、可動部20は開放位置において、図15(B)に示すように、横ずれ規制リブ41が横ずれ規制凹部42内に嵌まり込んで横ずれ規制凹部42に係止可能な状態となり、図16に示すように、可動天板部21が固定天板部11に面接触した状態となる。
【0037】
工具Tから工具規制部30に伝わった押圧力によって可動部20が本体部10に対して横ずれしようとした場合には、横ずれ規制凹部42が横ずれ規制リブ41に係止することで、可動部20の横ずれが規制される。
【0038】
以上のように、本実施形態のバッテリターミナルカバー1は、車両に搭載されるバッテリ2に取り付けられるバッテリターミナルカバー1であって、前記バッテリ2に固定される本体部10と、ヒンジ50を介して前記本体部10に連結して設けられ、前記バッテリ2に取り付けられた螺合部材(ボルト6)を覆う遮蔽位置および前記本体部10に重ねられた開放位置に回転変位可能とされた可動部20と、前記可動部20に設けられ、前記可動部20が前記開放位置とされ前記螺合部材6を中心として回転された工具Tが前記車両Cに接触する前に干渉することで前記工具Tの回転を規制する工具規制部30と、を備える。
【0039】
この構成によれば、螺合部材6を中心として回転された工具Tは工具規制部30に当接しそれ以上の回転が規制されるから、工具Tが車両Cに当接してこれを傷つけることを防ぐことができる。
【0040】
また、前記本体部10は、前記ヒンジ50に連結された固定天板部11を備え、前記可動部20は、前記ヒンジ50に連結された可動天板部21を備え、前記工具規制部30は前記可動部20よりも前記ヒンジ50の軸方向に突出した位置に設けられ、前記可動天板部21および前記固定天板部11のうち少なくとも一方には、前記可動部20が前記開放位置とされたときに他方に対して係止可能な横ずれ規制部40を備える。
【0041】
この構成では、工具規制部30は可動部20からヒンジ50の軸方向に突出した位置に設けられているから、工具Tからの押圧力が工具規制部30から可動部20に伝わってヒンジ50を中心に回転変位する方向に作用し、可動部20が本体部10から位置ずれする懸念がある。しかしこの構成によれば、可動天板部21および固定天板部11のうち少なくとも一方に設けられた横ずれ規制部40が他方に対して係止するから、可動部20の横ずれを規制することができる。これにより、工具規制部30の位置ずれを防ぎ、工具Tの回転を確実に規制することができる。
【0042】
また、前記可動部20は、前記開放位置において前記本体部10から離間する方向に突出する可動側板部22をさらに備え、前記工具規制部30は前記可動側板部22に設けられている。
【0043】
この構成によれば、可動部20が開放位置とされたときには工具規制部30は可動側板部22の突出高さ位置に応じて本体部10から離間した位置に配置されるから、本体部10からの高さ方向において所望される位置に工具規制部30を配置することができる。
【0044】
<実施形態2>
次に、実施形態2を図17から図23によって説明する。
【0045】
実施形態2のバッテリターミナルカバー101は、実施形態1の横ずれ規制リブ41と同じ位置に角度設定部170を設けて可動天板部21を固定天板部11に対して鋭角をなすように支持するとともに、角度設定部170の突出端部に横ずれ規制リブ141を兼ねさせた点が、実施形態1と異なる。実施形態1と対応する構成については、実施形態1の符号に100を足した符号を用いるものとする。実施形態1と同じ構成、作用、および効果についてはその説明を省略するものとし、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0046】
角度設定部170は、図19に示すように、実施形態1の横ずれ規制リブ41を上方にさらに突出させた形状とされ、かつその上面は、図19に示すように、前側よりも後側が持ち上がったテーパ面とされている。
【0047】
可動部20が開放位置とされた状態においては、図21に示すように、角度設定部170の上面が横ずれ規制凹部142の底面に面接触する。これにより、可動天板部21は固定天板部11に対してヒンジ50を中心に所定の角度θをなして離間して支持され、全体的にやや前傾姿勢となる。
【0048】
このとき、図22に示すように、回転規制端部31Aは固定天板部11の上面前端から背板部23の高さ寸法だけ上方の位置をPとした場合、位置Pよりも上方であって、位置Pよりも前方の位置に配置される。これにより、工具Tは実施形態1よりも車両Cから離間した位置で回転規制端部31Aに干渉され、それ以上の回転が規制される。
【0049】
またこの状態において、図23に示すように、角度設定部170の上端部が横ずれ規制リブ141として横ずれ規制凹部142に嵌まり込み、横ずれ規制凹部142に係止可能な状態となる。これにより、本実施形態においても、実施形態1と同様に工具規制部30の変位が規制される。
【0050】
以上のように、本実施形態のバッテリターミナルカバー101は、前記可動部20が前記開放位置とされたときに、前記可動部20が前記本体部10に対して鋭角をなして離間するように前記可動部20を支持する角度設定部170をさらに備える。
【0051】
この構成によれば、可動部20が支持される高さ位置に応じて工具規制部30が配置されるから、所望される位置に工具規制部30を配置することができる。
【0052】
また、前記角度設定部170は、前記本体部10から上方に突出して設けられており、前記横ずれ規制部140(横ずれ規制リブ141)は、前記角度設定部170の上端部に設けられている。
【0053】
この構成によれば、角度設定部170に横ずれ規制部140を兼ねさせることができるから、角度設定部170と横ずれ規制部140とを別々に設ける必要がない。
【0054】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような形態で実施することが可能である。
【0055】
(1)実施形態1および実施形態2においては、工具規制部30は可動部20が開放位置とされた状態において上方に突出し、その上端部に工具Tが当接する構成としているが、工具規制部の形状はこれに限らない。例えば、工具として頭部と軸とが平板形状(いわゆるストレートタイプ)のスパナが用いられる場合には、可動部の一方の側板から他方の側板に向かって突出する(例えば、実施形態1および実施形態2における可動部20の後壁31のような形状の)工具規制部としてもよい。要は、可動部が開放位置とされた状態において、工具が車両に接触するまでの回転軌跡内に工具規制部が突出すればよい。
【0056】
(2)実施形態2においては、回転規制端部31Aは実施形態1と同様に可動側板部22の下端と面一に配されているが、例えば角度設定部のみによって回転規制端部を所望される位置に配置できる場合には、可動天板部と同じ高さ位置において側方に延出した形状とすればよい。
【0057】
(3)実施形態1および実施形態2においては、横ずれ規制部40、140を固定天板部11に設けた横ずれ規制リブ41、141と可動天板部21に設けた横ずれ規制凹部42、142とにより構成しているが、横ずれ規制部の構成はこの限りではない。例えば横ずれ規制リブを可動天板部の両側縁から上方に突出して設け、これを本体部の固定天板部の両側縁に側方から係止させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1:バッテリターミナルカバー
10:本体部
11:固定天板部
20:可動部
21:可動天板部
22:可動側板部
30:工具規制部(延出部)
40:横ずれ規制部
50:ヒンジ
T:工具
2:バッテリ
6:ボルト(螺合部材)
140:横ずれ規制部
141:横ずれ規制リ
142:横ずれ規制凹部
170:角度設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23