特許第6981242号(P6981242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6981242端末装置のためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981242
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   H04N1/00 127Z
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-250673(P2017-250673)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-118005(P2019-118005A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 奨
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−213525(JP,A)
【文献】 特開2016−143978(JP,A)
【文献】 特開2016−163280(JP,A)
【文献】 特開2013−240030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、
対象スキャナから対象信号を受信する対象信号受信部であって、前記対象信号は、スキャン対象の原稿を前記対象スキャナに載置するための載置操作が前記対象スキャナに実行された後に前記対象スキャナから継続的に送信され、前記載置操作が前記対象スキャナに実行される前に前記対象スキャナから送信されない、前記対象信号受信部と、
前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記端末装置と前記対象スキャナとの間で対象ネットワークを介した無線通信を実行するために必要な対象通信情報を取得する取得部と、
前記対象通信情報が取得される場合に、前記対象通信情報を利用して、前記対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンを前記対象スキャナに要求するスキャン要求を前記対象スキャナに送信するスキャン要求送信部と、
前記スキャン要求が前記対象スキャナに送信されることに応じて、前記対象ネットワークを介して、前記対象スキャナから、前記原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを受信するスキャンデータ受信部と、
として機能させ
前記対象信号受信部は、
前記載置操作が前記対象スキャナである第1のスキャナに実行される場合に、前記第1のスキャナから第1の信号を前記対象信号として受信し、
前記載置操作が前記対象スキャナである第2のスキャナであって、前記第1のスキャナとは異なる前記第2のスキャナに実行される場合に、前記第2のスキャナから前記第1の信号とは異なる第2の信号を前記対象信号として受信し、
前記取得部は、
前記第1のスキャナから前記第1の信号が受信される場合に、前記端末装置と前記第1のスキャナとの間で前記対象ネットワークである第1のネットワークを介した無線通信を実行するために必要な第1の通信情報を前記対象通信情報として取得し、
前記第2のスキャナから前記第2の信号が受信される場合に、前記端末装置と前記第2のスキャナとの間で前記対象ネットワークである第2のネットワークを介した無線通信を実行するために必要な第2の通信情報であって、前記第1の通信情報とは異なる前記第2の通信情報を前記対象通信情報として取得する、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記対象スキャナを識別する識別情報と、前記対象通信情報と、を対応付けて前記端末装置のメモリに記憶させる記憶制御部と、
前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記対象信号を利用して、前記識別情報を特定する特定部と、として機能させ、
前記取得部は、前記メモリから、特定済みの前記識別情報に対応付けられている前記対象通信情報を取得する、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、
対象スキャナを識別する識別情報と、前記端末装置と前記対象スキャナとの間で対象ネットワークを介した無線通信を実行するために必要な対象通信情報と、を対応付けて前記端末装置のメモリに記憶させる記憶制御部と、
前記対象スキャナから対象信号を受信する対象信号受信部であって、前記対象信号は、スキャン対象の原稿を前記対象スキャナに載置するための載置操作が前記対象スキャナに実行された後に前記対象スキャナから継続的に送信され、前記載置操作が前記対象スキャナに実行される前に前記対象スキャナから送信されない、前記対象信号受信部と、
前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記対象信号を利用して、前記識別情報を特定する特定部と、
前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記メモリから、特定済みの前記識別情報に対応付けられている前記対象通信情報を取得する取得部と、
前記対象通信情報が取得される場合に、前記対象通信情報を利用して、前記対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンを前記対象スキャナに要求するスキャン要求を前記対象スキャナに送信するスキャン要求送信部と、
前記スキャン要求が前記対象スキャナに送信されることに応じて、前記対象ネットワークを介して、前記対象スキャナから、前記原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを受信するスキャンデータ受信部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記対象スキャナから送信される前記対象信号の周波数である第1の周波数を示す周波数情報を含む、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記スキャン要求送信部は、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数が利用される前記対象ネットワークを介して、前記スキャン要求を前記対象スキャナに送信する、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記対象スキャナのデバイス名を含む、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記対象ネットワークは、前記対象スキャナが親局として動作する無線ネットワークであり、
前記対象通信情報は、前記対象ネットワークのSSID(Service Set Identifierの略)を含む、請求項からのいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記対象信号受信部は、前記端末装置の第1のインターフェースを介して、前記対象信号を受信し、
前記スキャン要求送信部は、前記端末装置の第2のインターフェースであって、前記第1のインターフェースとは異なる前記第2のインターフェースを介して、前記スキャン要求を前記対象スキャナに送信し、
前記スキャンデータ受信部は、前記端末装置の前記第2のインターフェースを介して、前記対象スキャナから前記スキャンデータを受信する、請求項1からのいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、
前記端末装置の第1のインターフェースを介して、対象スキャナから対象信号を受信する対象信号受信部であって、前記対象信号は、スキャン対象の原稿を前記対象スキャナに載置するための載置操作が前記対象スキャナに実行された後に前記対象スキャナから継続的に送信され、前記載置操作が前記対象スキャナに実行される前に前記対象スキャナから送信されない、前記対象信号受信部と、
前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記端末装置と前記対象スキャナとの間で対象ネットワークを介した無線通信を実行するために必要な対象通信情報を取得する取得部と、
前記対象通信情報が取得される場合に、前記対象通信情報を利用して、前記端末装置の第2のインターフェースであって、前記第1のインターフェースとは異なる前記第2のインターフェースと前記対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンを前記対象スキャナに要求するスキャン要求を前記対象スキャナに送信するスキャン要求送信部と、
前記スキャン要求が前記対象スキャナに送信されることに応じて、前記端末装置の前記第2のインターフェースと前記対象ネットワークを介して、前記対象スキャナから、前記原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを受信するスキャンデータ受信部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記第1のインターフェースは、マイクであり、
前記対象信号は、超音波信号である、請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記端末装置の動作モードが第1のモードである間に、所定操作がユーザによって前記端末装置に実行される場合に、前記端末装置の動作モードを前記第1のモードから第2のモードに移行させるモード移行部として機能させ、
前記取得部は、
前記端末装置が前記第1のモードで動作する間に、前記対象スキャナから前記対象信号が送信されても、前記対象通信情報を取得せず、
前記端末装置が前記第2のモードで動作する間に、前記対象スキャナから前記対象信号が送信されて前記対象信号が受信される場合に、前記対象通信情報を取得する、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置とスキャナとの間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行するための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報処理装置と、プリンタ及びスキャナを備える電子機器と、の間で通信が実行されることが開示されている。情報処理装置は、スピーカを介して、アドレス情報取得要求である音波信号を送信し、電子機器は、マイクを介して、当該音波信号を受信する。この場合、電子機器は、スピーカを介して、電子機器のIPアドレス等を含む応答信号である音波信号を送信し、情報処理装置は、マイクを介して、当該音波信号を受信する。そして、情報処理装置は、ネットワーク(即ちアクセスポイント)を介して、上記のIPアドレスを宛先として、画像データを含む出力要求を電子機器に送信する。この結果、電子機器は、当該画像データに従った印刷を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−037664号公報
【特許文献2】特開2014−002648号公報
【特許文献3】特開2014−177087号公報
【特許文献4】特開2015−056776号公報
【特許文献5】特開2017−063308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、情報処理装置と電子機器との間で音波信号を利用してスキャンデータの通信を実行することについて、何ら考慮されていない。本明細書では、新規な手法を利用して、端末装置とスキャナとの間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。当該コンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、対象スキャナから対象信号を受信する対象信号受信部であって、前記対象信号は、スキャン対象の原稿を前記対象スキャナに載置するための載置操作が前記対象スキャナに実行された後に前記対象スキャナから継続的に送信され、前記載置操作が前記対象スキャナに実行される前に前記対象スキャナから送信されない、前記対象信号受信部と、前記対象スキャナから前記対象信号が受信される場合に、前記端末装置と前記対象スキャナとの間で対象ネットワークを介した無線通信を実行するために必要な対象通信情報を取得する取得部と、前記対象通信情報が取得される場合に、前記対象通信情報を利用して、前記対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンを前記対象スキャナに要求するスキャン要求を前記対象スキャナに送信するスキャン要求送信部と、前記スキャン要求が前記対象スキャナに送信されることに応じて、前記対象ネットワークを介して、前記対象スキャナから、前記原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを受信するスキャンデータ受信部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、原稿を対象スキャナに載置するための載置操作が対象スキャナに実行された後に、対象スキャナから対象信号が継続的に送信される。このために、端末装置は、対象スキャナから対象信号を受信することができ、この場合、対象通信情報を取得する。そして、端末装置は、対象通信情報を利用して、対象ネットワークを介してスキャン要求を対象スキャナに送信することに応じて、対象ネットワークを介して対象スキャナからスキャンデータを受信する。このように、載置操作が実行された後に対象スキャナから継続的に送信される対象信号を利用して、即ち、新規な手法を利用して、端末装置とスキャナとの間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。
【0007】
上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、端末装置そのもの、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、端末装置と対象スキャナとを備える通信システムも新規で有用である。
【0008】
また、本明細書では、スキャナを開示する。当該スキャナは、原稿載置台を備えるスキャン実行部と、スキャン対象の原稿を前記原稿載置台に載置するための載置操作が前記スキャナに実行された後に、対象信号を継続的に送信する対象信号送信部であって、前記載置操作が前記スキャナに実行される前に前記対象信号は送信されない、前記対象信号送信部と、前記対象信号を受信した端末装置から、前記スキャナと前記端末装置との間で無線通信を実行するための対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンを前記スキャナに要求するスキャン要求を受信するスキャン要求受信部と、前記スキャン要求が受信される場合に、前記原稿のスキャンを前記スキャン実行部に実行させるスキャン制御部と、前記対象ネットワークを介して、前記原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを前記端末装置に送信するスキャンデータ送信部と、を備えてもよい。
【0009】
上記の構成によると、スキャナは、原稿を原稿載置台に載置するための載置操作が実行された後に対象信号を継続的に送信するので、対象信号を受信した端末装置から対象ネットワークを介してスキャン要求を受信することができる。この場合、スキャナは、原稿のスキャンを実行して、対象ネットワークを介してスキャンデータを端末装置に送信する。このように、載置操作が実行された後にスキャナから継続的に送信される対象信号を利用して、即ち、新規な手法を利用して、端末装置とスキャナとの間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。
【0010】
上記のスキャナを実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体、及び、スキャナによって実行される方法も新規で有用である。また、スキャナと端末装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】対応情報を端末装置に登録するための登録シーケンスを示す。
図3】端末装置のスキャナアプリケーションによって実行される処理のフローチャートを示す。
図4】端末装置と第1のスキャナとの間で実現されるケースAのシーケンス図を示す。
図5】端末装置と第2のスキャナとの間で実現されるケースBのシーケンス図を示す。
図6】第2実施例のケースC及びDのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10と、複数個のスキャナ100,200と、を備える。端末装置10及びスキャナ100は、アクセスポイント6(以下では「AP6」と呼ぶ)を介さずにWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式に従った無線接続(以下では「WFD接続」と呼ぶ)を確立して、WFDネットワークを形成することができる。この状態では、端末装置10及びスキャナ100は、WFDネットワークを介して(即ちAP6を介さずに)相互に通信可能である。また、端末装置10及びスキャナ200は、AP6との無線接続(以下では「AP接続」と呼ぶ)を確立して、APネットワークに参加可能である。この状態では、端末装置10及びスキャナ200は、APネットワークを介して(即ちAP6を介して)相互に通信可能である。
【0013】
(端末装置10の構成)
端末装置10は、デスクトップPC(Personal Computerの略)、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等のユーザ端末である。端末装置10は、操作部12と、表示部14と、マイク16と、Wi−Fiインターフェース18と、制御部20と、を備える。各部12〜20は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0014】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を端末装置10に与えることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。マイク16は、音波信号を受信するためのインターフェースである。
【0015】
Wi−Fiインターフェース18は、Wi−Fi方式に従った無線通信を実行するための無線インターフェースである。Wi−Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。Wi−FiI/F16は、特に、Wi−Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしており、WFD方式に従った無線通信(以下では「WFD通信」と呼ぶ)を実行可能である。WFD方式は、Wi−Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。
【0016】
制御部20は、CPU22とメモリ24とを備える。CPU22は、メモリ24に記憶されているプログラム26,28に従って、様々な処理を実行する。メモリ24は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ24は、OSプログラム26と、スキャナアプリケーション28(以下では単に「アプリ28」と呼ぶ)と、対応情報30と、を記憶する。OSプログラム26は、端末装置10の基本的な動作を実現するためのプログラムである。アプリ28は、各スキャナ100,200にスキャンを実行させるためのアプリケーションである。アプリ28は、例えば、各スキャナ100,200のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末装置10にインストールされてもよいし、各スキャナ100,200と共に出荷されるメディアから端末装置10にインストールされてもよい。対応情報30は、1個以上のスキャナ100,200のそれぞれについて、当該スキャナから送信される超音波の周波数を示す周波数情報と、当該スキャナとの無線通信を実行するために必要な通信情報と、が対応付けられている情報である。対応情報30は、後述の図2の処理でメモリ24に記憶される。
【0017】
(スキャナ100,200の構成)
各スキャナ100,200は、スキャン機能を実行可能な周辺機器(即ち端末装置10の周辺機器)である。なお、各スキャナ100,200は、スキャン機能に加えて、印刷機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。
【0018】
スキャナ100は、WFD方式のGroupOwner(以下では「G/O」と呼ぶ)として動作しており、端末装置10とのWFD接続を確立すると、スキャナ100が親局として動作すると共に端末装置10が子局として動作するWFDネットワークを形成する。当該WFDネットワークを識別する識別子であるSSID(Service Set Identifierの略)は、「abc」である。なお、図1等では、WFDネットワークのことを「WFDNW」と記載している。スキャナ100は、操作部112と、表示部114と、スキャン実行部115と、スピーカ116と、Wi−Fiインターフェース118と、制御部120と、を備える。各部112〜120は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0019】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をスキャナ100に与えることができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部114は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。スキャン実行部115は、原稿載置台115aとスキャン機構115bとを備える。原稿載置台115aは、本実施例では、フラットベットタイプの載置台であり、透明板と、透明板を覆う開閉可能なカバー部材と、を備える。変形例では、原稿載置台115aは、さらに、ADF(Auto Document Feederの略)タイプの載置台を備えていてもよい。スキャン機構115bは、CCD方式、CIS方式等の読取りセンサを備える。スピーカ116は、音波を送信可能なインターフェースであり、特に、超音波を送信可能である。本実施例では、超音波は、20KHz以上の周波数を有する音波である。Wi−Fiインターフェース118は、Wi−Fi方式に従った無線通信を実行するための無線インターフェースであり、特に、WFD方式をサポートしている。
【0020】
制御部120は、CPU122と、メモリ124と、を備える。CPU122は、メモリ124に記憶されているプログラム126に従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ24は、ROM、RAM等によって構成される。
【0021】
スキャナ200は、スキャナ100と同様の構成を備える。ただし、スキャナ200は、WFD方式のG/Oとして動作しておらず、AP6とのAP接続を確立する。即ち、スキャナ200は、AP6が親局として動作するAPネットワークに子局として参加する。当該APネットワークにおけるスキャナ200のIPアドレスは、「192.168.1.1」である。
【0022】
上記の各スキャナ100,200は同じベンダによって製造される。そして、スキャナ100がスピーカ116を介して送信可能な超音波の周波数と、スキャナ200がスピーカ(図示省略)を介して送信可能な超音波の周波数と、は異なる。具体的には、スキャナ100の周波数は21KHzであり、スキャナ200の周波数は22KHzである。このように、上記のベンダによって製造される複数個のスキャナ100等のそれぞれは、互いに異なる周波数の超音波を送信する。即ち、各スキャナ100等から送信される超音波の周波数は、各スキャナ100等を識別する情報である。
【0023】
(登録シーケンス;図2
図2を参照して、各スキャナ100,200の対応情報30を端末装置10に登録するための処理を説明する。なお、端末装置10のCPU22及び各スキャナ100,200のCPU122等が処理を実行するが、以下では、理解の容易さの観点から、CPU22等を主体として処理を説明せずに、端末装置10及び各スキャナ100,200を主体として処理を説明する。この点は、後述の図4図6でも同様である。
【0024】
まず、スキャナ100の対応情報30aを端末装置10に登録するための処理を説明する。端末装置10及びスキャナ100の間にはWFD接続が確立されており、端末装置10及びスキャナ100は、WFDネットワークを介して(即ちAP6を介さずに)相互に通信可能である。また、端末装置10は、スキャナ100とのWFD接続を確立する際に、WFDネットワークのSSID「abc」と、WFDネットワークにおけるスキャナ100のIPアドレスと、を取得して、それらの情報をメモリ24に記憶している。
【0025】
S10では、端末装置10は、ユーザからアプリ28を起動する操作を受け付ける。これにより、端末装置10によって実行される以降の各処理は、アプリ28によって実現される。S12では、端末装置10は、アプリ28によって表示部14に表示される画面上において、スキャナの情報を新たに登録することを指示する操作を受け付ける。この場合、S14において、端末装置10は、WFDネットワークを介して、スキャナ100のIPアドレスを送信先として情報要求をスキャナ100に送信する。情報要求は、スキャナ100を識別する情報の送信をスキャナ100に要求する信号である。本実施例では、当該情報は、スキャナ100が送信可能な超音波の周波数を示す周波数情報である。
【0026】
スキャナ100は、S14において、端末装置10から情報要求を受信すると、S16において、WFDネットワークを介して21KHzを示す周波数情報F1を端末装置10に送信する。
【0027】
端末装置10は、S16において、スキャナ100から周波数情報F1を受信すると、S20において、スキャナ100の対応情報30aをメモリ24に記憶する。具体的には、端末装置10は、まず、メモリ24から、端末装置10とスキャナ100との間でWFDネットワークを介した無線通信を実行するために必要な通信情報として、WFDネットワークのSSID「abc」を特定する。そして、端末装置10は、受信済みの周波数情報F1と、特定済みの通信情報であるSSID「abc」と、が対応付けられている対応情報30aをメモリ24に記憶する。これにより、スキャナ100の対応情報30aの登録が完了する。
【0028】
次いで、スキャナ200の対応情報30bを端末装置10に登録するための処理を説明する。端末装置10は、スキャナ100とのWFD接続を切断した後に、AP6とのAP接続を確立する。これにより、端末装置10及びスキャナ200は、APネットワークを介して(即ちAP6を介して)相互に通信可能である。
【0029】
S30及びS32は、上記のS10及びS12と同様である。図示省略しているが、端末装置10は、S32の操作を受け付けると、ブロードキャストの検索信号をAP6に送信して、スキャナ200から応答信号を受信する。これにより、端末装置10は、応答信号に含まれるスキャナ200のIPアドレス「192.168.1.1」を知ることができ、当該IPアドレスをメモリ24に記憶させておく。そして、S34において、端末装置10は、APネットワークを介して、スキャナ200の当該IPアドレスを送信先として情報要求をスキャナ200に送信する。
【0030】
スキャナ200は、S34において、端末装置10から情報要求を受信すると、S36において、APネットワークを介して22KHzを示す周波数情報F2を端末装置10に送信する。
【0031】
端末装置10は、S36において、スキャナ200から周波数情報F2を受信すると、S40において、スキャナ200の対応情報30bをメモリ24に記憶する。具体的には、端末装置10は、まず、メモリ24から、端末装置10とスキャナ200との間でAPネットワークを介した無線通信を実行するために必要な通信情報として、スキャナ200のIPアドレス「192.168.1.1」を特定する。そして、端末装置10は、受信済みの周波数情報F2と、特定済みの通信情報であるIPアドレス「192.168.1.1」と、が対応付けられている対応情報30bをメモリ24に記憶する。これにより、スキャナ200の対応情報30bの登録が完了する。
【0032】
(端末装置10のアプリ処理;図3
続いて、図3を参照して、端末装置10のCPU22がアプリ28に従って実行するスキャン処理を説明する。スキャン処理は、スキャン要求をスキャナ(例えば100)に送信して、スキャナからスキャンデータを受信するための処理である。端末装置10のアプリ28が起動されると、図3の処理が開始される。
【0033】
S50では、CPU22は、非待機モードでの動作を開始する。非待機モードは、超音波信号の受信を待機しないモードである。即ち、CPU22は、非待機モードで動作している間に、スキャナ(例えば100)から超音波信号が送信され、当該超音波信号がマイク16で受信されても、後述の各処理(例えばS62〜S74)を実行しない。
【0034】
S52では、CPU22は、非待機モードから待機モードへの移行を指示する操作を受け付けることを監視する。待機モードは、超音波信号の受信を待機して、超音波信号がマイク16で受信される場合に、後述の各処理(例えばS62〜S74)を実行するモードである。CPU22は、当該操作を受け付ける場合(S52でYES)に、S54において、待機モードに移行する。
【0035】
CPU22は、待機モードに移行すると、S60及びS80の監視を実行する。S60では、CPU22は、スキャナ(例えば100)から超音波信号を受信することを監視する。CPU22は、超音波信号がマイク16で受信される場合に、S60でYESと判断してS62に進む。以下では、ここで受信された超音波信号の送信元のスキャナのことを「対象スキャナ」と呼ぶ。S80では、CPU22は、待機モードの解除を指示する操作、即ち、待機モードから非待機モードへの移行を指示する操作を受け付けることを監視する。CPU22は、当該操作を受け付ける場合(S80でYES)に、S50において、非待機モードに移行する。
【0036】
S62では、CPU22は、S60で対象スキャナから受信された超音波信号を利用して、超音波の周波数を特定する。具体的には、CPU22は、超音波に対してFFT(Fast Fourier Transformation)分析を実行して周波数を特定する。CPU22は、スキャナ100から超音波信号を受信する場合には21KHzを特定し、スキャナ200から超音波信号を受信する場合には22KHzを特定する。
【0037】
S64では、CPU22は、S62で特定された周波数が、メモリ24内の1個以上の対応情報30に含まれる1個以上の周波数情報のいずれかに一致するのか否かを判断する。CPU22は、特定済みの周波数が上記の1個以上の周波数情報のいずれかに一致すると判断する場合(S64でYES)にはS70に進み、特定済みの周波数が上記の1個以上の周波数情報のいずれにも一致しないと判断する場合(S64でNO)にはS70〜S74を実行することなくS60に戻る。例えば、CPU22は、スキャナ100の対応情報30aがメモリ24に記憶されている状態(図2のS20参照)で、スキャナ100から超音波信号を受信する場合には、特定済みの周波数「21KHz」が対応情報30aに含まれる周波数情報F1に一致すると判断して(S64でYES)、S70に進む。
【0038】
S70では、CPU22は、メモリ24から、S64で一致すると判断された周波数情報に対応付けられている通信情報を取得する。例えば、CPU22は、スキャナ100の対応情報30aがメモリ24に記憶されている状態で、スキャナ100から超音波信号を受信する場合には、S64で一致すると判断された周波数情報F1に対応付けられているSSID「abc」を取得する。
【0039】
S72では、CPU22は、S70で取得された通信情報を利用して、Wi−FiI/F18を介して、原稿のスキャンを対象スキャナに要求するスキャン要求を対象スキャナに送信する。例えば、CPU22は、取得済みの通信情報が、スキャナ100が親局として動作するWFDネットワークのSSID「abc」である場合には、SSID「abc」を利用して、スキャナ100とのWFD接続を確立し、WFDネットワークを介してスキャン要求をスキャナ100に送信する。また、例えば、CPU22は、取得済みの通信情報が、スキャナ200のIPアドレス「192.168.1.1」である場合には、当該IPアドレスを送信先として、APネットワークを介してスキャン要求をスキャナ200に送信する。
【0040】
S74では、CPU22は、S72で送信されたスキャン要求に応じて対象スキャナによって原稿のスキャンが実行された後に、Wi−FiI/F18を介して、対象スキャナからスキャンデータを受信する。例えば、CPU22は、S72でスキャン要求をスキャナ100に送信した場合には、WFDネットワークを介してスキャナ100からスキャンデータを受信する。また、例えば、CPU22は、S72でスキャン要求をスキャナ200に送信した場合には、APネットワークを介してスキャナ200からスキャンデータを受信する。
【0041】
CPU22は、S74が終了するとS60に戻り、S60及びS80の監視を再び実行する。即ち、CPU22は、スキャン要求を対象スキャナに送信して対象スキャナからスキャンデータを受信しても、待機モードでの動作を継続する。これにより、CPU22は、新たな原稿が対象スキャナに載置されることに起因して、超音波信号が対象スキャナから再び送信される場合に、S62〜S74の処理を再び実行することができる。
【0042】
(具体的なケース;図4及び5)
続いて、図4及び図5を参照して、図3の処理によって実現される具体的なケースA及びBを説明する。
【0043】
(ケースA;図4
まず、図4を参照して、端末装置10とスキャナ100との間で実現されるケースAを説明する。ケースAの初期状態では、端末装置10とスキャナ100との間にWFD接続が確立されていない。端末装置10は、S100において、アプリ28を起動する操作を受け付ける場合(図3の処理のトリガ)に、非待機モードで動作する。
【0044】
スキャナ100は、S110において、スキャン対象の原稿を原稿載置台115aに載置するための載置操作がスキャナ100に実行されることに応じて、S112において、スピーカ116を介して21KHzの周波数を有する超音波信号の送信を開始する。より具体的には、スキャン実行部115は、原稿が原稿載置台115aに載置されることを検出するセンサを備える。スキャナ100は、当該センサによって原稿の載置が検出されることに応じて、超音波信号の送信を開始する。超音波信号は、載置操作が実行された後にスキャナ100から継続的に送信され、載置操作が実行される前にスキャナ100から送信されない。上記の「継続的に送信」は、超音波信号を連続的に送信することであってもよいし、超音波信号の送信及び停止のセットを繰り返すことであってもよい。また、本実施例では、載置操作は、原稿載置台115aのカバー部材を開いた後に透明板に原稿を載置する操作である。ただし、変形例では、載置操作は、原稿を原稿載置台115aに載置するためにカバー部材を開く操作でもよい。また、別の変形例では、載置操作は、原稿をADF機構に載置する操作であってもよい。即ち、超音波信号は、本実施例のように、原稿が透明板に載置されることに応じて送信されてもよいし、上記の各変形例のように、カバー部材が開かれること又は原稿がADF機構に載置されることに応じて送信されてもよい。
【0045】
端末装置10は、非待機モードで現在動作しているので、スキャナ100から超音波信号が送信されても、メモリ24から、当該超音波信号の周波数に対応する通信情報を取得しない(図3のS60でYESと判断せずS70を実行しない)。端末装置10は、S120において、非待機モードから待機モードへの移行を指示する操作を受け付ける場合(S52でYES)に、待機モードで動作する(S54)。この場合、端末装置10は、S122において、スキャナ100から超音波信号を受信すると(S60でYES)、S124において、超音波信号の周波数である21KHzを特定し(S62)、メモリ24から、21KHzを示す周波数情報F1に対応付けられている通信情報であるSSID「abc」を取得する(S64でYES、S70)。
【0046】
端末装置10は、S130〜S140において、S124で取得されたSSID「abc」を利用して、Wi−FiI/F18を介して、スキャン要求をスキャナ100に送信する(S72)。具体的には、端末装置10は、S130において、Wi−FiI/F18を介して、ブロードキャストによってプローブ要求を送信し、S132において、Wi−FiI/F18を介して、スキャナ100からSSID「abc」を含むプローブ応答を受信する。図示省略しているが、端末装置10は、スキャナ100とは異なるデバイス(例えばAP6)からもプローブ応答を受信し得る。端末装置10は、受信済みの1個以上のプローブ応答の中から、S124で取得されたSSID「abc」を含むプローブ応答、即ち、スキャナ100から受信されたプローブ応答を特定する。これにより、端末装置10は、WFD接続を確立すべき相手デバイスとしてスキャナ100を特定することができる。次いで、端末装置10は、S134において、Wi−FiI/F18を介して、スキャナ100とのWFD接続を確立する。WFD接続は、Provision Discorvery、WPS(Wi-Fi Protected Setupの略)、Authentication、Association、4−Way Handshake等の各種信号の通信を経て確立される。これにより、端末装置10は、スキャナ100が親局(即ちWFD方式のG/O)として動作するWFDネットワークに子局として参加する。そして、端末装置10は、S140において、WFDネットワークを介してスキャン要求をスキャナ100に送信する。WFDネットワークでは、2.4GHz又は5.0GHzの周波数が利用される。従って、端末装置10は、スキャナ100から受信される超音波信号の周波数である21KHzとは異なる周波数(即ち2.4GHz又は5.0GHz)が利用されるWFDネットワークを介して、スキャン要求をスキャナ100に送信する。
【0047】
スキャナ100は、S140において、端末装置10からスキャン要求を受信すると、S142において、超音波信号の送信を停止する。次いで、スキャナ100は、S144において、原稿のスキャンをスキャン実行部115に実行させる。そして、スキャナ100は、S146において、原稿のスキャンによって得られるスキャンデータを端末装置10に送信する。
【0048】
端末装置10は、S146において、スキャナ100からスキャンデータを受信すると(S74)、スキャンデータをメモリ24に記憶する。これにより、ユーザは、端末装置10において、スキャンデータによって表わされる画像を見ることができる。
【0049】
その後、スキャナ100は、S150において、載置操作を再び受け付ける場合に、S152において、21KHzの周波数を有する超音波信号の送信を再び開始する。
【0050】
端末装置10は、S146でスキャンデータを受信しても待機モードでの動作を継続しているので、ユーザから待機モードへの移行を指示する操作を再び受け付けなくも、S152において、スキャナ100から超音波信号を受信すると(S60でYES)、S154において、21KHzを特定し(S62)、SSID「abc」を取得する(S64でYES,S70)。端末装置10は、SSID「abc」によって識別されるWFDネットワークに既に参加しているので(S134)、S130〜S134の処理を再び実行することなく、S160において、スキャン要求をスキャナ100に送信する(S72)。
【0051】
S162〜S166は、S142〜S146と同様である。その後、端末装置10は、S170において、待機モードから非待機モードへの移行を指示する操作を受け付ける場合(S80でYES)に、非待機モードで動作する(S50)。これにより、図4の処理が終了する。
【0052】
(ケースB;図5
続いて、図5を参照して、端末装置10とスキャナ200との間で実現されるケースBを説明する。ケースBの初期状態では、端末装置10及びスキャナ200のそれぞれは、AP6とのAP接続を確立しており、AP6が親局として動作するAPネットワークに子局として参加している。
【0053】
S200〜S222は、スキャナ200が処理を実行する点、及び、超音波信号の周波数が22KHzである点を除いて、図4のS100〜S122と同様である。端末装置10は、S222において、スキャナ100から超音波信号を受信すると(S60でYES)、S224において、超音波信号の周波数である22KHzを特定し(S62)、メモリ24から、22KHzを示す周波数情報F2に対応する通信情報であるIPアドレス「192.168.1.1」を取得する(S64でYES、S70)。
【0054】
端末装置10は、S240において、S224で取得されたIPアドレス「192.168.1.1」を利用して、Wi−FiI/F18を介して、スキャン要求をスキャナ200に送信する(S72)具体的には、端末装置10は、当該IPアドレスを送信先として、APネットワークを介してスキャン要求をスキャナ200に送信する。APネットワークでは、2.4GHz又は5.0GHzの周波数が利用される。従って、端末装置10は、スキャナ200から受信される超音波信号の周波数である22KHzとは異なる周波数(即ち2.4GHz又は5.0GHz)が利用されるAPネットワークを介して、スキャン要求をスキャナ100に送信する。
【0055】
S242〜S246は、スキャナ200が処理を実行する点を除いて、図4のS142〜S146と同様である。S270は、図4のS170と同様である。S270が終了すると、図5の処理が終了する。
【0056】
(第1実施例の効果)
本実施例では、原稿をスキャナ100又は200に載置するための載置操作がスキャナ100又は200に実行された後に、スキャナ100又は200から超音波信号が継続的に送信される(図4のS112、図5のS212)。このために、端末装置10は、スキャナ100又は200から超音波信号を受信することができ(図4のS122、図5のS222)、この場合、通信情報としてSSID「abc」又はIPアドレス「192.168.1.1」を取得する(図4のS124、図5のS224)。そして、端末装置10は、取得済みの通信情報を利用して、WFDネットワーク又はAPネットワークを介して、スキャン要求をスキャナ100又は200に送信することに応じて(図4のS140、図5のS240)、スキャナ100又は200からスキャンデータを受信する(図4のS146、図5のS246)。このように、載置操作が実行された後にスキャナ100又は200から継続的に送信される超音波信号を利用して、即ち、新規な手法を利用して、端末装置10とスキャナ100又は200との間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。特に、本実施例では、ヒトが認識し得る周波数を有する音波ではなく、ヒトが認識不可能な周波数を有する超音波信号が利用される。このために、ユーザに不快感を与えることなく、スキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。また、超音波信号は、スピーカから送信されて、マイクで受信される。スピーカは、一般的なスキャナに通常設けられるインターフェースであり、マイクは、一般的な端末装置に通常設けられるインターフェースである。従って、本実施例によると、端末装置10及びスキャナ100又は200に特別なインターフェースを設けなくても、超音波信号を利用して、端末装置10とスキャナ100又は200との間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。
【0057】
スキャン要求の通信が実行されずにスキャンデータの通信が実行される従来の手法(以下では「第1の手法」と呼ぶ)では、原稿がスキャナに載置された後に、スキャナの操作パネルにおいて、スキャンデータの送信先のデバイスを選択する操作と、スキャン開始ボタンを押下する操作と、が実行される。この場合、スキャナは、当該デバイスからスキャン要求を受信することなく、原稿のスキャンを実行してスキャンデータを生成し、スキャンデータを当該デバイスに送信する。本実施例では、このような第1の手法と比べると、スキャナ100又は200において、端末装置10を選択する操作と、スキャン開始ボタンを押下する操作と、が不要である。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0058】
また、スキャン要求及びスキャンデータの通信が実行される従来の手法(以下では「第2の手法」と呼ぶ)では、原稿がスキャナに載置された後に、端末装置において、スキャナを選択する操作が実行される。この場合、端末装置は、スキャン要求を当該スキャナに送信して、当該スキャナからスキャンデータを受信する。本実施例では、このような第2の手法と比べると、端末装置10において、スキャナ100又は200を選択する操作が不要である。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
(対応関係)
端末装置10、スキャナ100又は200が、それぞれ、「端末装置」、「対象スキャナ」の一例である。マイク16、Wi−FiI/F18が、それぞれ、「第1のインターフェース」、「第2のインターフェース」の一例である。スキャナ100又は200から送信される超音波信号、WFDネットワーク又はAPネットワーク、SSID「abc」又はIPアドレス「192.168.1.1」、周波数情報F1又はF2が、それぞれ、「対象信号」、「対象ネットワーク」、「対象通信情報」、「識別情報」の一例である。21KHz又は22KHzが、「第1の周波数」の一例であり、2.4GHz又は5.0GHzが、「第2の周波数」の一例である。スキャナ100、スキャナ100から送信される超音波信号、SSID「abc」が、それぞれ、「第1のスキャナ」、「第1の信号」、「第1の通信情報」の一例である。スキャナ200、スキャナ200から送信される超音波信号、IPアドレス「192.168.1.1」が、それぞれ、「第2のスキャナ」、「第2の信号」、「第2の通信情報」の一例である。非待機モード、待機モードが、それぞれ、「第1のモード」、「第2のモード」の一例である。非待機モードから待機モードへの移行を指示する操作が、「所定操作」の一例である。
【0060】
図3のS54、S60、S62、S70、S72、S74の処理が、それぞれ、「モード移行部」、「対象信号受信部」、「特定部」、「取得部」、「スキャン要求送信部」、「スキャンデータ受信部」によって実行される処理の一例である。図2のS20及びS40が、「記憶制御部」によって実行される処理の一例である。図4のS112、S140、S144、S146が、それぞれ、「対象信号送信部」、「スキャン要求受信部」、「スキャン制御部」、「スキャンデータ送信部」によって実行される処理の一例である。
【0061】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。図1に示されるように、本実施例では、スキャナ100、スキャナ200は、それぞれ、デバイス名「AAA」、「BBB」を有する。また、メモリ24は、対応情報30a,30bに代えて、対応情報30c,30dを記憶する。対応情報30c,30dは、周波数情報F1,F2に代えてデバイス名「AAA」、「BBB」を含む情報であり、以下のようにしてメモリ24に記憶される。
【0062】
図2のS16において、スキャナ100は、周波数情報F1に代えて、デバイス名「AAA」を端末装置10に送信する。端末装置10は、S16において、スキャナ100からデバイス名「AAA」を受信すると、S20において、デバイス名「AAA」とSSID「abc」とが対応付けられている対応情報30cをメモリ24に記憶する。
【0063】
また、図2のS36において、スキャナ200は、周波数情報F2に代えて、デバイス名「BBB」を端末装置10に送信する。端末装置10は、S36において、スキャナ200からデバイス名「BBB」を受信すると、S40において、デバイス名「BBB」とIPアドレス「192.168.1.1」とが対応付けられている対応情報30dをメモリ24に記憶する。
【0064】
本実施例では、各スキャナ100,200は、同じ周波数(例えば21KHz)を有する超音波信号を送信する。ただし、スキャナ100は、デバイス名「AAA」を含む超音波信号を送信し、スキャナ200は、デバイス名「BBB」を含む超音波信号を送信する。図3のS62において、CPU22は、超音波信号に含まれるデバイス名を特定する。S64において、CPU22は、特定済みのデバイス名が、メモリ24内の1個以上の対応情報に含まれる1個以上のデバイス名のいずれかに一致するのか否かを判断する。S70において、CPU22は、特定済みのデバイス名に対応する通信情報を取得する。
【0065】
(具体的なケース;図6
続いて、図6を参照して、本実施例によって実現される具体的なケースC及びDを説明する。ケースCの初期状態は、図4のケースAの初期状態と同様である。S300,S310,S320は、図4のS100,S110,S120と同様である。スキャナ100は、S322において、所定周波数(例えば21KHz)を有する超音波信号であって、デバイス名「AAA」を含む超音波信号の送信を開始する。
【0066】
端末装置10は、S322において、スキャナ100から超音波信号を受信すると(図3のS60でYES)、S324において、超音波信号に含まれるデバイス名「AAA」を特定し(S62)、メモリ24から、デバイス名「AAA」に対応するSSID「abc」を取得する(S64でYES、S70)。S330〜S346は、図4のS130〜S146と同様である。
【0067】
また、ケースDの初期状態は、図5のケースBの初期状態と同様である。S400,S410,S420は、図5のS200,S210,S220と同様である。スキャナ200は、S422において、所定周波数(例えば21KHz)を有する超音波信号であって、デバイス名「BBB」を含む超音波信号の送信を開始する。
【0068】
端末装置10は、S422において、スキャナ200から超音波信号を受信すると(図3のS60でYES)、S424において、超音波信号に含まれるデバイス名「BBB」を特定し(S62)、メモリ24からデバイス名「BBB」に対応するIPアドレス「192.168.1.1」を取得する(S64でYES、S70)。S430〜S446は、図5のS230〜S246と同様である。
【0069】
本実施例でも、載置操作が実行された後にスキャナ100又は200から継続的に送信される超音波信号を利用して、即ち、新規な手法を利用して、端末装置10とスキャナ100又は200との間でスキャン要求及びスキャンデータの通信を実行することができる。特に、上記の従来の第1及び第2の手法と比べると、ユーザの利便性が向上する。本実施例では、デバイス名「AAA」又は「BBB」が、「識別情報」の一例である。
【0070】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0071】
(変形例1)メモリ24は、複数個の対応情報30a,30bを記憶しなくてもよく、1個の対応情報のみを記憶してもよい。例えば、メモリ24がスキャナ100の対応情報30aのみを記憶する場合には、図4のケースAが実現される。本変形例では、スキャナ100、SSID「abc」が、それぞれ、「対象スキャナ」、「対象通信情報」の一例である。また、例えば、メモリ24がスキャナ200の対応情報30bのみを記憶する場合には、図5のケースBが実現される。本変形例では、スキャナ200、IPアドレス「192.168.1.1」が、それぞれ、「対象スキャナ」、「対象通信情報」の一例である。
【0072】
(変形例2)CPU22は、図3のS50及びS52を省略して、アプリ28が起動されると、非待機モードを経ることなく待機モードで動作してもよい。即ち、「モード移行部」は省略可能である。
【0073】
(変形例3)スキャナ100又は200から送信される音波信号は、超音波信号でなくてもよく、ヒトが認識可能な周波数を有する音波信号でもよい。
【0074】
(変形例4)上記の各実施例では、スキャナ100は、スキャン対象の原稿を原稿載置台115aに載置するための載置操作が実行されることに応じて、超音波信号の送信を開始する(例えば図4のS110)。これに代えて、スキャナ100は、載置操作が実行され、かつ、超音波信号の送信を指示する所定ボタンを押下する操作を受け付ける場合に、超音波信号の送信を開始してもよい。一般的に言うと、「対象信号」は、載置操作が対象スキャナに実行された後に、対象スキャナから継続的に送信される信号であればよい。
【0075】
(変形例5)第1実施例の図2において、端末装置10は、S36において、スキャナ200から周波数情報F2とデバイス名「BBB」との双方を受信してもよい。この場合、端末装置10は、S40において、対応情報30bを記憶する代わりに、周波数情報F2とデバイス名「BBB」とが対応付けられている対応情報を記憶する。そして、図5において、端末装置10は、S224において、IPアドレス「192.168.1.1」に代えてデバイス名「BBB」を取得し、デバイス名「BBB」を図示省略のDNS(Domain Name Systemの略)サーバに送信し、DNSサーバからスキャナ200のIPアドレスを取得する。次いで、端末装置10は、S240において、当該IPアドレスを送信先としてスキャン要求をスキャナ200に送信する。本変形例では、デバイス名「BBB」が、「対象通信情報」の一例である。
【0076】
(変形例6)第2実施例の図2において、端末装置10は、S36において、スキャナ200からデバイス名「BBB」を受信し、S40において、対応情報30cを記憶する代わりに、デバイス名「BBB」のみを記憶してもよい。そして、図6において、端末装置10は、S424において、超音波信号に含まれるデバイス名「BBB」を取得し、取得済みのデバイス名「BBB」とメモリ24内のデバイス名「BBB」とが一致していることを確認し、デバイス名「BBB」を図示省略のDNS(Domain Name Systemの略)サーバに送信し、DNSサーバからスキャナ200のIPアドレスを取得する。次いで、端末装置10は、S240において、当該IPアドレスを送信先としてスキャン要求をスキャナ200に送信する。本変形例では、デバイス名「BBB」が、「対象通信情報」の一例であり、S424が、「取得部」によって実行される処理の一例である。また、「記憶制御部」を省略可能である。
【0077】
(変形例7)端末装置10は、BlueTooth(登録商標)通信を実行するためのBTインターフェースを備えていてもよい。また、スキャナ100も、BTインターフェースを備えていてもよい。この場合、端末装置10は、図2のS16において、スキャナ100から、スキャナ100のデバイス名「AAA」と、スキャナ100のBTインターフェースのMACアドレスと、を受信し、S20において、デバイス名「AAA」とMACアドレスとを対応付けて記憶する。スキャナ100は、載置操作が実行されることに応じて、BTインターフェースを介して、スキャナ100のデバイス名「AAA」を含むBT信号を継続して送信する。端末装置10は、スキャナ100からBT信号を受信すると、BT信号に含まれるデバイス名「AAA」を特定し、メモリ24からデバイス名「AAA」に対応するMACアドレスを取得し、BTインターフェースを介してMACアドレスを利用してスキャナ100とのBT接続を確立する。これにより、端末装置10及びスキャナ100によってBTネットワークが形成される。そして、端末装置10は、BTネットワークを介してスキャン要求をスキャナ100に送信し、BTネットワークを介してスキャナ100からスキャンデータを受信する。本変形例では、スキャナ100のBTインターフェースのMACアドレス、BTネットワークが、それぞれ、「対象通信情報」、「対象ネットワーク」の一例である。
【0078】
(変形例8)スキャナ100は、WFDNWのG/Oとして動作する代わりに、いわゆるSoftAPとして動作してもよい。本変形例では、SoftAPが、「親局」の一例である。
【0079】
(変形例9)上記の各実施例では、CPU22又は122がメモリ24内のプログラム26,28,126を実行することによって、図2図6の各処理が実現される。これに代えて、これらの各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0080】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0081】
2:通信システム、6:アクセスポイント(AP)、10:端末装置、12:操作部、14:表示部、16:マイク、18:Wi−Fiインターフェース、20:制御部、22:CPU、24:メモリ、26:OSプログラム、28:スキャナアプリケーション、30,30a〜30d:対応情報、100:スキャナ、112:操作部、114:表示部、115:スキャン実行部、115a:原稿載置台、115b:スキャン機構、116:スピーカ、118:Wi−Fiインターフェース、120:制御部、122:CPU、124:メモリ、126:プログラム、200:スキャナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6