特許第6981246号(P6981246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981246
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】タイヤの帯状部材の巻き取り装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/00 20060101AFI20211202BHJP
   B65H 23/08 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 39/16 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 23/02 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 23/182 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B29D30/00
   B65H23/08
   B65H39/16
   B65H23/02
   B65H23/182
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-252155(P2017-252155)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-116059(P2019-116059A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立居 卓志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰浩
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−118901(JP,A)
【文献】 特開平09−240893(JP,A)
【文献】 特開2016−043682(JP,A)
【文献】 特開昭57−102330(JP,A)
【文献】 特開平04−351530(JP,A)
【文献】 特開2014−073589(JP,A)
【文献】 特開平08−057979(JP,A)
【文献】 特開2005−053084(JP,A)
【文献】 特開平05−032362(JP,A)
【文献】 特開2004−074730(JP,A)
【文献】 特開平05−301300(JP,A)
【文献】 特開平07−290596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00
B65H 23/08
B65H 39/16
B65H 23/02
B65H 23/182
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ部材を形成する帯状部材をライナーと重ね合わせて巻き取る巻き取り装置であって、
帯状部材送り出し装置と、ライナー送り出し装置と、上記帯状部材と上記ライナーとを巻き取るリールと、制御装置とを備えており、
上記リールが、上記帯状部材と上記ライナーとを巻き取るリール本体と、上記リール本体を巻き取る向きに回転させるリール駆動部とを備えており、
上記ライナー送り出し装置が上記ライナーの送り出しにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備えており、
上記制御装置が、上記ブレーキ装置が付与するブレーキトルクを制御する機能と、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応させて上記ブレーキ装置のブレーキトルクを増大させる機能とを備えている巻き取り装置。
【請求項2】
上記制御装置が、上記ブレーキトルクを制御して上記リールに巻き取られる上記ライナーの張力を一定に維持する機能を備えている請求項1に記載の巻き取り装置。
【請求項3】
上記ブレーキ装置がパウダークラッチブレーキである請求項1又は2に記載の巻き取り装置。
【請求項4】
上記帯状部材送り出し装置が上記リールの巻き取りに従動して上記帯状部材を送り出す機能を備えている請求項1から3のいずれかに記載の巻き取り装置。
【請求項5】
上記帯状部材送り出し装置と上記リールとの間に送りガイドを備えており、
上記送りガイドが上記リール本体の軸方向において上記リール本体に巻き取られる上記帯状部材の位置をずらす機能を備えている請求項1から4のいずれかに記載の巻き取り装置。
【請求項6】
上記送りガイドが上記帯状部材の幅方向側面に当接するガイド本体とこのガイド本体を上記リール本体の軸方向に移動させるガイド駆動部とを備えている請求項5に記載の巻き取り装置。
【請求項7】
タイヤの帯状部材を成形する帯状部材成形工程と、
上記帯状部材をリール本体に巻き取る巻き取り工程と
を備えており、
上記巻き取り工程において、
上記帯状部材と重ね合わされて上記リール本体に巻き取られるライナーにブレーキトルクを作用させ、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応して上記ブレーキトルクを増大させる帯状部材の製造方法。
【請求項8】
上記帯状部材が主部とこの主部の幅方向端部を覆うエッジカバーとを備えており、
上記帯状部材成形工程において、上記主部の幅方向端部にエッジカバーが形成され、
上記巻き取り工程において、上記リール本体の軸方向に巻き取り位置をずらしながら上記帯状部材が上記リール本体に巻かれる請求項7に記載の帯状部材の製造方法。
【請求項9】
上記巻き取り工程において、
上記帯状部材が、上記リール本体の中心線Lrに対する軸方向一方及び他方に振れ幅Daまで巻き取り位置をずらしながら上記リール本体に巻かれ、
上記振れ幅Daが10(mm)以上30(mm)以下にされている請求項8に記載の帯状部材の製造方法。
【請求項10】
上記巻き取り工程において、上記帯状部材が上記リール本体の中心線Lrを幅方向中央とする位置から軸方向一方に振れ幅Daまで移動しながら上記リール本体に巻かれ、その後に軸方向他方に振れ幅Daまで移動しながら上記リール本体に巻かれ、その後に上記帯状部材が上記リール本体の中心線Lrを幅方向中央とする位置まで移動しながら上記リール本体に巻かれるまでを、上記帯状部材の巻き取りの1サイクルとするときに、上記帯状部材が1サイクルで巻き取られる長さが1(m)以上7(m)以下にされる請求項8又は9に記載の帯状部材の製造方法。
【請求項11】
帯状部材の製造工程と、
上記帯状部材が裁断されてゴム部材が得られる裁断工程と、
上記ゴム部材を含むタイヤの各部を形成する部材が組み合わされてローカバーが形成される予備成形工程と、
上記ローカバーが加硫成形されて上記ローカバーからタイヤが得られる加硫工程と
を備えており、
上記帯状部材の製造工程において、
上記帯状部材と重ね合わされてリール本体に巻き取られるライナーにブレーキトルクを作用させ、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応して上記ブレーキトルクを増大させる、タイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの帯状部材の巻き取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの製造方法では、トレッド、サイドウォール、ベルト等のタイヤ各部を形成する帯状部材(以下、タイヤの帯状部材ともいう)が準備される。この帯状部材は、リールに巻かれて保管される。この帯状部材は、未加硫ゴムを含み、変形し易く、粘着し易い。
【0003】
特開平8−57979公報では、この帯状部材がライナーと重ね合わされてリールに巻かれている。ライナーを重ね合わせることで、半径方向に重なり合う部分の粘着が抑制されている。同様に、特開2014−73589公報では、帯状部材としてのストリップが、ライナーに重ね合わされてリールに巻かれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−57979号公報
【特許文献2】特開2014−73589公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11には、図示されないリールに巻かれた状態の、帯状部材としての帯体72とライナー74との断面の一部が例示されている。図11において、左右方向がリールの軸方向であり、上下方向がリールの半径方向である。この帯体72は、主部76と主部76の軸方向端部を覆うエッジカバー78とを備えている。
【0006】
この帯体72とライナー74とは、それぞれ張力を付与されて、リールに巻き取られている。この帯体72は、ライナー74と共に、半径方向に巻き重ねられている。この帯体72とライナー74との巻き取り半径は、巻き重ねられることにより増大する。この巻き取り半径の変化によって、帯体72及びライナー74に作用する張力は変化する。
【0007】
この張力が減少すると、巻き取られた帯体72に弛みを生じる。また、巻き取られたライナー74に弛みを生じる。図11には、これらの弛みによって、巻き取られた帯体72が変形した状態が示されている。この帯体72の変形は、この帯体72から得られるベルト部材の形状精度を損なう。更には、このベルト部材を組み合わせて製造されるタイヤの形状精度を損なう。
【0008】
一方で、リールに巻き取られる帯体72の張力が増大すると、この張力は帯体72に変形を生じさせる。また、ライナー74の張力が増大すると、巻き取られた帯体72が締め付けられる。この締め付けは、帯体72に変形を生じさせる。ここでは、帯体72を例に示したが、この様に、この巻き取りには、タイヤの帯状部材の変形を抑制することが求められる。
【0009】
本発明の目的は、タイヤの帯状部材の変形を抑制する巻き取り装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る巻き取り装置は、タイヤ部材を形成する帯状部材をライナーと重ね合わせて巻き取る。この巻き取り装置は、帯状部材送り出し装置と、ライナー送り出し装置と、上記帯状部材と上記ライナーとを巻き取るリールと、制御装置とを備えている。
上記リールは、上記帯状部材と上記ライナーとを巻き取るリール本体と、上記リール本体を巻き取る向きに回転させるリール駆動部とを備えている。上記ライナー送り出し装置は、上記ライナーの送り出しにブレーキトルクを付与するブレーキ装置を備えている。上記制御装置は、上記ブレーキ装置が付与するブレーキトルクを制御する機能と、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応させて上記ブレーキ装置のブレーキトルクを増大させる機能とを備えている。
【0011】
好ましくは、上記制御装置は、上記ブレーキトルクを制御して、上記リールに巻き取られる上記ライナーの張力を一定に維持する機能を備えている。
【0012】
好ましくは、上記ブレーキ装置は、パウダークラッチブレーキである。
【0013】
好ましくは、上記帯状部材送り出し装置は、上記リールの巻き取りに従動して上記帯状部材を送り出す機能を備えている。
【0014】
好ましくは、この巻き取り装置は、上記帯状部材送り出し装置と上記リールとの間に送りガイドを備えている。上記送りガイドは、上記リール本体の軸方向において、上記リール本体に巻き取られる上記帯状部材の位置をずらす機能を備えている。
【0015】
好ましくは、上記送りガイドは、上記帯状部材の幅方向側面に当接するガイド本体と、このガイド本体を上記リール本体の軸方向に移動させるガイド駆動部とを備えている。
【0016】
本発明に係る帯状部材の製造方法は、タイヤの帯状部材を成形する帯状部材成形工程と、上記帯状部材をリール本体に巻き取る巻き取り工程とを備えている。
上記巻き取り工程において、
上記帯状部材と重ね合わされて上記リール本体に巻き取られるライナーにブレーキトルクを作用させ、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応して上記ブレーキトルクを増大させる。
【0017】
上記帯状部材は、主部と、この主部の幅方向端部を覆うエッジカバーとを備えている。上記帯状部材成形工程において、上記主部の幅方向端部にエッジカバーが形成される。好ましくは、上記巻き取り工程において、上記リール本体の軸方向に巻き取り位置をずらしながら上記帯状部材が上記リール本体に巻かれる。
【0018】
上記巻き取り工程において、上記帯状部材が、上記リール本体の中心線Lrに対する軸方向一方及び他方に振れ幅Daまで巻き取り位置をずらしながら上記リール本体に巻かれる。上記振れ幅Daは、好ましくは10(mm)以上30(mm)以下にされている。
【0019】
上記巻き取り工程において、上記帯状部材が上記リール本体の中心線Lrを幅方向中央とする位置から軸方向の一方に振れ幅Daまで移動しながら上記リール本体に巻かれ、その後に軸方向他方に振れ幅Daまで移動しながら上記リール本体に巻かれ、その後に上記帯状部材が上記リール本体の中心線Lrを幅方向中央とする位置まで移動しながら上記リール本体に巻かれるまでを、上記帯状部材の巻き取りの1サイクルとする。このときに、上記帯状部材が1サイクルで巻き取られる長さは、好ましくは、1(m)以上7(m)以下にされる。
【0020】
本発明に係るタイヤの製造方法は、帯状部材の製造工程と、上記帯状部材が裁断されてゴム部材が得られる裁断工程と、上記ゴム部材を含むタイヤの各部を形成する部材が組み合わされてローカバーが形成される予備成形工程と、上記ローカバーが加硫成形されて上記ローカバーからタイヤが得られる加硫工程とを備えている。
上記帯状部材の製造工程において、上記帯状部材と重ね合わされてリール本体に巻き取られるライナーにブレーキトルクを作用させ、上記ライナーの巻き取り半径の増大に対応して上記ブレーキトルクを増大させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る巻き取り装置では、ライナーの巻き取り半径の変化によって、ライナーに作用する張力が変化することが抑制されている。これにより、リールに巻かれる帯状部材の変形が抑制されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る巻き取り装置がタイヤの帯状部材と共に示された概念図である。
図2図2は、図1の巻き取り装置の使用状態の側面が示された説明図である。
図3図3(a)は図1の巻き取り装置の使用状態の正面が示された説明図であり、図3(b)は図1の巻き取り装置の他の使用状態の正面が示された説明図である。
図4図4は、図1の巻き取り装置の更に他の使用状態の部分拡大図である。
図5図5は、図1の巻き取り装置の更に他の使用状態の部分拡大図である。
図6図6は、図1の巻き取り装置のリールに巻き取られた帯状部材が示された説明図である。
図7図7は、図1の巻き取り装置の帯状部材の巻き取り半径とブレーキ装置のブレーキトルクとの関係が示されたグラフである。
図8図8は、本発明の他の実施形態に係る巻き取り装置の一部がタイヤの帯状部材と共に示された概念図である。
図9図9は、図8の巻き取り装置の送りガイドが示された説明図である。
図10図10(a)は図9の送りガイドの使用状態が示された説明図であり、図10(b)は図9の送りガイドの他の使用状態が示された説明図である。
図11図11は、従来の巻き取り装置のリールに巻き取られた帯状部材が示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0024】
図1には、巻き取り装置2と、帯状部材としての帯体4と、ライナー6とが示されている。ここでは、帯体4の巻き取りを例に説明がされる。
【0025】
この帯体4は、タイヤのベルトを形成する帯状部材である。ベルトは、タイヤのトレッドの半径方向内側に配置される。ベルトは、カーカスの半径方向外側に積層される。ベルトは、カーカスを補強する機能を備える。この帯体4は、主部8と一対のエッジカバー10とを備えている。図示されないが、主部8は、並列された多数のコードと未加硫のトッピングゴムとからなる。エッジカバー10は、未加硫のゴムからなる。この帯体4では、エッジカバー10は、主部8の幅方向の端部8aを覆っている。
【0026】
ライナー6は、例えば、樹脂製の薄いシートからなる。ライナー6は、帯状の形状を備えている。
【0027】
図1の巻き取り装置2は、エッジカバー形成装置12、帯状部材送り出し装置14、ライナー送り出し装置16、リール18、送りガイド20及び制御装置22を備えている。図1の矢印Xが巻き取り装置2の前後方向前向きとして、矢印Yが左右方向右向きとして、矢印Zが上下方向上向きとして説明がされる。
【0028】
エッジカバー形成装置12は、例えば、圧着ロールとして、一対のロール24a、一対のロール24b及び一対のロール24cを備えている。このロール24a、24b及び24cは、エッジカバーテープ26を主部8の幅方向端部8aに圧着する機能を備えている。このエッジカバーテープ26は、未加硫ゴムからなる。このエッジカバーテープ26が主部8に圧着されて、エッジカバー10が形成される。このエッジカバー形成装置12は、主部8の端部8aにエッジカバー10を形成する機能を備えている。このエッジカバー形成装置12は、主部8の端部8aにエッジカバー10を形成する機能を備えていればよい。
【0029】
リール18は、リール本体28及びリール駆動部30を備えている。リール本体28は、帯体4とライナー6とが巻かれる外周面28aを備えている。リール駆動部30は、リール本体28を、帯体4とライナー6とを巻き取る向きに回転駆動する機能を備えている。このリール駆動部30は、回転駆動機、例えばモータを備える。
【0030】
ライナー送り出し装置16は、ライナー6が巻かれている芯部32と、ブレーキ装置としてのパウダークラッチブレーキ34を備えている。心材32の形状は、円筒状である。この心材32の外周面に、ライナー6が半径方向に巻き重ねられている。このライナー送り出し装置16は、リール18がライナー6を巻き取ることで、リール18にライナー6を送り出す機能を備えている。
【0031】
パウダークラッチブレーキ34は、図示されないが、コイルと、固定メンバーと、出力軸と、固定メンバーと出力軸との間に充填される磁性パウダーとを備えている。このコイルに電流が流されない状態では、出力軸の回転による遠心力によって、磁性パウダーは固定メンバーと出力軸との間で、外周側に押し付けられる。これにより、出力軸は固定メンバーからブレーキトルクを受けることなく回転しうる。一方で、このコイルに電流が流された状態では、コイルが励磁される。コイルの励磁で発生する磁束によって固定メンバーと出力軸との間で、磁性パウダーは鎖状に連結される。これにより、出力軸は固定メンバーからブレーキトルクを受ける。このパウダークラッチブレーキ34は、心材32の回転にブレーキトルクを付与する。パウダークラッチブレーキ34は、電流値の大きさを変えることでブレーキトルクを増減させる機能を備えている。
【0032】
帯状部材送り出し装置14は、一対のローラ36と、一対のローラ36に架け渡されたベルト37とを備えている。この帯状部材送り出し装置14は、駆動部及び制動部を備えていない。この帯状部材送り出し装置14は、エッジカバー形成装置12とリール18との間に配置されている。帯状部材送り出し装置14は、リール18が帯体4を巻き取ることで、リール18に帯体4を送り出す機能を備えている。この帯状部材送り出し装置14は、送り抵抗をほとんど生じない様に構成されている。この帯状部材送り出し装置14として、トランスホイールが用いられてもよい。
【0033】
この帯状部材送り出し装置14は、帯体4の送り出すための駆動をしていない。帯状部材送り出し装置14は、帯体4の送り出しを制動していない。この帯状部材送り装置14は、駆動力や制動力を作用させることなく、リール18の巻き取りによって、帯体4を送り出している。本発明では、帯状部材送り出し装置14が、駆動力や制動力を作用させることなく、リール18の巻き取りによって、帯体4を送り出すことを、リール18の巻き取りに従動して帯体4を送り出すと称する。この帯状部材送り出し装置14は、リール18の巻き取りに従動して、リール18に帯体4を送り出す機能を備えている。
【0034】
送りガイド20は、一対のガイド本体としての一対のガイド板38と、一対のガイド板38が取り付けられた連結部40と、ガイド駆動部42とを備えている。一方のガイド板38は、左右方向に延びる連結部40の一方端から延在する。他方のガイド板38は、連結部40の他方端から延在する。一対のガイド板38は、帯体4を間にして配置されている。ガイド駆動部42は、一対のガイド板38及び連結部40を、左右方向に移動させる機能を備えている。このガイド駆動部42は、例えば、ボールネジとモータとを備える。この送りガイド20は、リール本体28の軸方向において、リール本体28に巻き取られる帯体4の位置をずらす機能を備えている。
【0035】
制御装置22は、ブレーキ装置34のブレーキトルクを制御する機能を備えている。この制御装置22は、送りガイド20の一対のガイド板38の移動を制御する機能を備えている。制御装置22は、リール駆動部30の駆動を制御する機能を備えている。
【0036】
図2には、使用状態にある巻き取り装置2の側面が示されている。この使用状態では、帯体4とライナー6とがリール本体28に巻き取られている。この巻き取り装置2では、リール駆動部30が、リール本体28を、帯体4及びライナー6を巻き取る向きに回転させている。これにより、リール本体28が帯体4とライナー6とを巻き取っている。
【0037】
帯状部材送り出し装置14は、リール18が帯体4を巻き取ることによって、帯体4を送り出している。この帯状部材送り出し装置14は、駆動力や制動力を作用させることなく、リール18の巻き取りによって、帯体4を送り出している。この帯状部材送り出し装置14は、リール18の巻き取りに従動して、帯体4を送り出している。
【0038】
ライナー送り出し装置16は、リール18がライナー6を巻き取ることによって、リール18に向かってライナー6を送り出している。このライナー送り出し装置16は、パウダークラッチブレーキ34(図1参照)を備えている。このパウダークラッチブレーキ34は、芯部32の回転を制動している。このライナー送り出し装置16は、ライナー6の送り出しにブレーキトルクを付与している。このブレーキトルクは、リール8に巻き取られるライナー6に張力を付与している。
【0039】
図3(a)には、図2の使用状態にある巻き取り装置2の正面が示されている。この図3(a)の送りガイド20では、ガイド駆動部42がガイド板18を左右方向左側(図3(a)では右側)に移動させている。このガイド板18の移動によって、リール本体28の軸方向において、リール本体28に巻き取られる帯体4の位置が左にずれている。
【0040】
図3(b)には、他の使用状態にある巻き取り装置2の正面が示されている。この図3(b)の送りガイド20では、ガイド駆動部42がガイド板18を左右方向右側(図3(b)では左側)に移動させている。このガイド板18の移動によって、リール本体28の軸方向において、リール本体28に巻き取られる帯体4の位置が右にずれている。
【0041】
図3(a)及び図3(b)の一点鎖線Lrは、リール本体28の軸方向中央を通り、リール本体28の軸線に垂直に交わる中心線を表している。一点鎖線Lgは、軸方向において、一対のガイド板38から等距離にあり、ガイド板38のガイド面38aと平行に延びる中心線を表している。両矢印Daは、ガイド板38の軸方向振れ幅を表している。この振れ幅Daは、リール本体28の軸方向において、中心線Lrと中心線Lgと直線距離として測定される。
【0042】
図4の符号Arは、リール本体28の回転中心を表している。符号Crは、ライナー6と帯体4の外周面とが接する端点を表している。両矢印Rrは、リール18に巻き取られるライナー6の巻き取り半径を表している。この巻き取り半径Rrは、回転中心Arと端点Crとの半径方向距離として測定される。
【0043】
図5の符号Asは、芯部32の回転中心を表している。符号Csは、ライナー6において、リール18に向かって送り出される部分と巻回されている部分の外周面とが接している端点を表している。両矢印Rsは、芯部32から送り出されるライナー6の送り出し半径を表している。この送り出し半径Rsは、回転中心Asと端点Csとの半径方向距離として測定される。
【0044】
図6には、この巻き取り装置2のリール本体28に巻き取られた帯体4とライナー6との断面の一部が示されている。帯体4の断面44aから断面44fは、リール本体28の半径方向において、内側から外側に向かって積み重ねられている。半径方向において、断面44aから断面44fのそれぞれの間には、ライナー6が重ね合わされている。この図6では、半径方向に隣り合う帯体4の断面44aと断面44bとはリール本体28の軸方向において位置がずれている。これにより、この帯体4では、断面44aのエッジカバー10の部分と断面44bのエッジカバー10の部分とが軸方向に位置をずらされている。このエッジカバー10の軸方向のずれによって、主部8の断面44aと断面44bとは、半径方向の間隔が比較的に小さい。断面44bから断面44fでの間隔も、断面44aと断面44bとの間隔と同様にされている。
【0045】
この巻き取り装置2を用いたタイヤの製造方法が説明される。このタイヤの製造方法は、帯状部材製造工程(STEP1)、裁断工程(STEP2)、予備成形工程(STEP3)及び加硫工程(STEP4)を備えている。この帯状部材製造工程(STEP1)は、帯状部材成形工程(STEP11)及び巻き取り工程(STEP12)を備えている。
【0046】
帯状部材成形工程(STEP11)では、図示されないが、並列された多数のコードを未加硫のトッピングゴムで覆った帯状のゴムシートが成形される。このゴムシートでは多数のコードが長手方向に延びている。このゴムシートが長手方向に傾斜した所定角度で、所定間隔に裁断されて、ゴムシート片が形成される。このゴムシート片がつなぎ合わされて主部8が形成される。この主部8では、このゴムシート片の裁断端が幅方向端にされている。これにより、この主部8では、コードは、長手方向に対して傾斜して延在している。
【0047】
更に、この帯状部材成形工程では、主部8の端部8aに、エッジカバーテープ26が被覆される。これにより、主部8の端部8aに、エッジカバー10が形成され、帯体4が形成される。この帯体4は、巻き取り工程に送られる。ここでは、エッジカバー10を形成するベルト部材4を例に説明がされるが、エッジカバー10は形成されなくてもよい。その場合、主部8が帯状部材として、巻き取り工程に送られる。
【0048】
巻き取り工程(STEP12)では、リール駆動部30が、リール本体28を、帯体4を巻き取る向きに回転させる。リール18が、帯体4とライナー6とを重ね合わせて巻き取る。このリール駆動部30は、一定の巻き取りトルクで、帯体4とライナー6とを巻きとる。
【0049】
帯状部材送り出し装置14は、リール18が帯体4を巻き取ることに従動して、帯体4を送り出している。
【0050】
送りガイド20では、ガイド駆動部42が一対のガイド板38及び連結部40を左右方向に移動させる。一対のガイド板38は、中心線Lgがリール本体28の中心線Lrと一致する位置から、軸方向一方に振れ幅Daだけ移動して、図3(a)の状態にされる。これにより、軸方向において、帯体4がリール本体28に巻き取られる位置が中心線Lrから振れ幅Daだけ一方にずれる。一対のガイド板38は、図3(a)の位置に到達すると、軸方向他方に向かって移動させられる。一対のガイド板38は、軸方向他方に振れ幅Daだけ移動して、図3(b)の状態にされる。更に、一対のガイド板38は、中心線Lgがリール本体28の中心線Lrと一致する位置に移動する。一対のガイド板38は、この移動を1サイクルとして、移動を繰り返す。
【0051】
この帯体4は、その幅方向(リール本体28の軸方向)に、位置を変えながら巻き取られる。図6に示されるように、帯体4は、幅方向に位置を変えながら巻き採られる。この帯体4は、一対のガイド板38の移動の1サイクルを巻き取りの1サイクルとして、リール本体28に巻き取られる。
【0052】
この巻き取り装置2では、左右への振れ幅Daは、例えば、それぞれ20(mm)にされる。この巻き取り装置2では、例えば、1サイクルでの帯体4の巻き取り長さは4(m)にされる。一対のガイド板38は、巻き取り長さ4(m)毎に1サイクルの移動を繰り返す。なお、この帯体4の軸方向幅は、一般に、100(mm)以上350(mm)以下である。
【0053】
ライナー送り出し装置16では、リール18が帯体4を巻き取ることによって、ライナー6を送り出している。このライナー送り出し装置16は、ライナー6を送り出す芯部32に、ブレーキトルクを付与する。このブレーキトルクによって、ライナー6の送り出しに制動力が作用する。このライナー6には、所定の張力が作用する。
【0054】
図7には、ライナー6の巻き取り半径Rrと、ライナー送り出し装置16に作用するブレーキトルクTと関係が示されている。図7の横軸はライナー6の巻き取り半径Rrであり、縦軸はブレーキトルクTである。符号Rbはライナー6の巻き取り開始半径を表し、符号Rfはライナー6の巻き取り完了半径を表す。符号Tbはライナー送り出し装置16の初期ブレーキトルクを表し、符号Tfはライナー送り出し装置16の最終ブレーキトルクを表す。この初期ブレーキトルクは、例えば0.05(N・m)以上5(N・m)以下である。最終ブレーキトルクは、例えば1(N・m)以上10(N・m)以下である。
【0055】
この巻き取り装置2では、帯体4とライナー6とがリール本体28に巻き取られることで、ライナー6の巻き取り半径Rrが増大していく。ライナー6の巻き取り半径Rrは、開始半径Rbから完了半径Rfまで増大する。ライナー6の巻き取り半径Rrの増大に対応して、ブレーキトルクTが増大している。このブレーキトルクTは、初期ブレーキトルクTbから最終ブレーキトルクTfまで増大する。
【0056】
この巻き取り装置2では、制御装置22は、ライナー6の開始半径Rb、完了半径Rf、初期ブレーキトルクTb及び最終ブレーキトルクTfを記憶している。更に、制御装置22は、この開始半径Rb、完了半径Rf、初期ブレーキトルクTb及び最終ブレーキトルクTfに基づく、トルク変化率Aを計算し記憶している。このトルク変化率Aは、以下の式(1)で計算される。
A =(Tf−Tb)/(Rf−Rb) (1)
【0057】
この巻き取り装置2では、図示されないが、光学センサーでライナー6の巻き取り半径Rrが測定される。制御装置22は、この巻き取り半径Rrから、以下の式(2)で、ブレーキトルクTを増大させる。
T = A・Rr + Tb (2)
図7には、この様にして、巻き取り半径Rrの増大に対応してブレーキトルクTを増大させる関係が示されている。この巻き取り半径RrとブレーキトルクTとは、一次関数として表される。
【0058】
ここでは、光学センサーで巻き取り半径Rrが測定されたが、これに限られない。例えば、制御装置22に、開始半径Rbから完了半径Rfに至るまで、リール本体28の回転回数がデータとして入力される。このリール本体28の回転回数と、開始半径Rbと、リール本体28の一回転あたりの半径の増加量(帯体4の厚さとライナー6の厚さの和)とから、巻き取り半径Rrが計算されてもよい。
【0059】
この様にして、帯体4とライナー6とが巻回された巻回体が得られる。この巻回体は、次工程に送られる。
【0060】
裁断工程(STEP2)では、リール本体28から帯体4が繰り出される。帯体4が所定の長さに裁断され、ゴム部材としてのベルト部材が得られる。
【0061】
予備成形工程(STEP3)では、トレッドを形成するトレッド部材、サイドウォールを形成するサイドウォール部材等のタイヤの各部を形成する他のゴム部材と、このベルト部材とが組み合わされてローカバーが形成される。
【0062】
加硫工程(STEP4)では、このローカバーが金型内で加硫成形される。この加硫成形によって、ローカバーからタイヤが得られる。
【0063】
このリール18では、リール駆動部30が、リール本体28を一定の駆動トルクで巻き取る向きに回転させる。リール本体28に、帯体4とライナー6とが重ね合わされて巻き取られる。このとき、帯体4及びライナー6とは、この駆動トルクによって、巻き取られる向きに作用する力、巻き取り力を受けている。この巻き取り力は、巻き取られる半径が増大するほど、減少する。
【0064】
ライナー送り出し装置16では、パウダークラッチブレーキ34が、ライナー6の送り出しにブレーキトルクTを付与する。制御装置22は、パウダークラッチブレーキ34のブレーキトルクTを制御する。制御装置22は、ライナー6の巻き取り半径Rrの増大に対応させて、パウダークラッチブレーキ34のブレーキトルクTを増大させる。ライナー6の巻き取り半径Rrの増大に対応して、巻き取りに対する制動力が増大する。この制動力は、その制動力が作用するときに、ライナー6に作用する巻き取り力を超えない大きさで、増大する。
【0065】
この巻き取り装置2では、巻き取り半径Rrの増大によって、ライナー6が受ける巻き取り力が減少する。この巻き取り半径Rrの増大に対応して、ライナー6の制動力が増大する。この制動力の増大は、ライナー6に作用する張力の減少を抑制する。この巻き取り装置2では、ライナー6の張力の変化が抑制されている。
【0066】
このライナー6の張力が強過ぎると、帯体4を強く締め付ける。この強い締め付け力は、帯体4を変形させる。この帯体4の断面形状を損なう。一方で、このライナー6の張力が弱過ぎると、ライナー6に弛みを生じさせる。この弛みは、帯体4の巻き崩れや、帯体4の表面にシワ等の変形を生じさせる。
【0067】
この巻き取り装置2では、ライナー6の張力の変化が抑制されている。ライナー6の張力が強過ぎたり弱過ぎたりすることが抑制されている。この巻き取り装置2では、ライナー6に適正な張力を付与して、帯体4と共に巻き取ることができる。この巻き取り装置2では、ライナー6の張力の変化による、帯体4の変形が抑制されている。
【0068】
この巻き取り装置2では、ライナー6が受ける巻き取り力は、巻き取り半径Rrの増大によって減少する。制御装置22は、この巻き取り半径Rrの増大量に対する制動力の増大量の比を一定にして、制動力を増大させる。これにより、制御装置22は、ライナー6の張力を略一定にしうる。このライナー6の張力を一定に維持することは、帯体4の変形の抑制に寄与する。
【0069】
なお、ライナー6の厚さは帯体4の厚さに比べて極めて小さい。このため、ライナー6の巻き取り半径Rrの変化率に比べて、送り出し半径Rsの変化率は極めて小さい。このため、この制御装置22では、この送り出し半径Rsの減少によるライナー6の制動力の変化を省略して、ブレーキトルクTを計算している。この制動装置22は、この送り出し半径Rsの減少による、ライナー6の制動力の変化を加味して、ブレーキトルクTを計算してもよい。
【0070】
この巻き取り装置2では、ブレーキ装置としてパウダークラッチブレーキ34を備えている。パウダークラッチブレーキ34は、コイルに流される電流の大きさを増減することで、ブレーキトルクを増減しうる。電流の大きさを制御することで、ブレーキトルクを制御できる。このパウダークラッチブレーキ34を用いることで、ライナー6の張力の制御が容易にされている。
【0071】
この巻き取り装置2では、帯状部材送り出し装置14は、リール18の巻き取りに従動して帯体4を送り出す。この帯体4には、帯体4が巻き取られる向きに移動することで自重による抵抗力が発生する。帯状部材送り出し装置14が従動して帯体4を送り出すときに、この帯状部材送り出し装置14は、帯体4に、この送り抵抗をほとんど生じさせない。これによって、帯体4には、大きな張力を生じない。この様に、帯体4は、大きな張力を受けることなく、リール本体28に巻き取られる。帯体4は張力による変形が抑制されている。送り出しによる抵抗力を低減する観点から、帯状部材送り出し装置14には、回転可能なローラ本体の外周に、更に回転可能な複数の小型ローラが周方向に配置された、トランスホイールが用いられてもよい。
【0072】
更に、この帯体4は、張力が一定にされたライナー6と重ね合わされる。これにより、帯体4は、その長手方向において、断面形状が一定にされている。この巻き取り装置2は、帯体4の変形の抑制に寄与する。この帯体4を用いたタイヤの形状精度の向上に寄与する。
【0073】
この巻き取り装置2は、送りガイド20を備えている。この送りガイド20によって、
リール18の軸方向において、帯体4の位置をずらしている。図6に示される様に、帯体4のエッジカバー10が半径方向に重なり会うことが、低減されている。幅方向中央において、帯体4が重なることで生じる隙間は、図11の状態のそれに比べて小さい。この幅方向中央での帯体4の弛みの発生が抑制される。この弛みの発生の抑制は、帯体4の変形を抑制する。この巻き取り装置2は、ライナー6の張力の調整に加えて、このベルト部材4をリール本体18の軸方向に位置をずらして巻き取ることによって、帯体4の変形が更に抑制されうる。
【0074】
この巻き取り装置2では、図6に示される様に、リール本体28の軸方向に帯体4の位置をずらして、帯体4が巻き取られたがこれに限られない。図11に示される様に、リール本体28の軸方向において、帯体4をずらすこと無く、リール本体28に巻き取られてもよい。この巻き取り装置2では、リール本体28に巻き取られるライナー6の張力と帯体4の張力とのバラツキが抑制されている。この張力のバラツキの抑制によって、長手方向においてライナー6や帯体4の部分的な変形が抑制されている。この巻き取り装置2では、軸方向において帯体4をずらすこと無くリール本体28に巻き取っても、帯体4の変形が低減される。
【0075】
この巻き取り装置2では、送りガイド20は、帯体4の幅方向側面に当接する一対のガイド板38と、これらのガイド板38を軸方向に移動させるガイド駆動部30とを備えている。これにより、より確実に、高精度に帯体4の位置を調整しうる。この送りガイド20は、簡易な構成で、帯体4の位置を調整しうる。
【0076】
ここでは、帯体4を例に説明がされたが、この帯状部材は帯体4に限られない。この帯状部材としては、例えば、トレッド部材にされるトレッド帯体、サイドウォール部材にされるサイドウォール帯体、クリンチ部材にされるクリンチ帯体、カーカス部材にされるカーカス帯体、インナーライナー部材にされるインナーライナー帯体等が挙げられる。
【0077】
図8には、本発明に係る他の巻き取り装置52の一部が帯体4と共に示されている。図8の矢印Xが巻き取り装置52の前後方向前向きであり、矢印Yが左右方向右向きであり、矢印Zが上下方向上向きである。矢印Fは、帯体4が送られる向きを表している。この巻き取り装置52について、巻き取り装置2と異なる構成について説明がされる。この巻き取り装置52について、巻き取り装置2と同様の構成についてはその説明が省略される。また、巻き取り装置2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0078】
この巻き取り装置52は、送りガイド20に代えて、送りガイド54を備える他は、巻き取り装置2と同様の構成を備えている。この巻き取り装置52は、エッジカバー形成装置12、帯状部材送り出し装置14、ライナー送り出し装置16、リール18及び制御装置22を備えている。
【0079】
送りガイド54は、3つの送りローラ56と、一対のガイドローラ組立体58と、ローラ60と、図示されないガイド駆動部42とを備えている。帯体4の送り方向に、3つの送りローラ56が間隔をあけて並べられている。この間隔によって、送りローラ56の間に形成される空間に、それぞれガイドローラ組立体58が配置されている。
【0080】
図9に示される様に、それぞれの送りローラ56は、軸62と、複数のローラ本体64とを備えている。軸62は、左右方向に延びている。それぞれのローラ本体64は、円盤状の形状を備えている。このローラ本体64の外周面64aは、半径方向外向きに突出する曲面で形成されている。図9の片矢印Rpは、この外周面64aの曲率半径を表す。複数のローラ本体64は、軸62の軸線に沿って、所定の間隔をあけて並べられている。それぞれのローラ本体64は、軸62を回転軸に回転可能に支持されている。
【0081】
それぞれのガイドローラ組立体58は、一対のガイド本体としての一対のガイドローラ66と、連結部68とを備えている。一方のガイドローラ66は、左右方向に延びる連結部68の一方の端部に取り付けられている。他方のガイドローラ66は、連結部68の他方の端部に取り付けられている。それぞれのガイドローラ66は、帯体4の送り方向と左右方向とに直交する方向を回転軸して回転可能に取り付けられている。図示されないが、一対のガイドローラ組立体58は、ガイド駆動部42によって、左右方向に移動されうる。
【0082】
図10(a)には、ガイド駆動部42によって、一対のガイドローラ66が左右方向左側(図10(a)では右側)移動している。一対のガイドローラ66は、帯体4を間にして配置されている。一対のガイドローラ66は、リール本体28の中心線Lrに対して、振れ幅Daで、左側に移動している。これにより、帯体4はリール本体28の中心線Lrに対して、振れ幅Daで、左側に移動している。図10(a)の一点鎖線Lgは、軸方向において、一対のガイドローラ66から等距離にあり、ガイドローラ66の軸線と平行に延びる中心線を表している。
【0083】
図10(b)には、ガイド駆動部42によって、一対のガイドローラ66が左右方向右側(図10(b)では左側)に移動している。一対のガイドローラ66は、振れ幅Daで、右側に移動している。これにより、帯体4はリール本体28の中心線Lrに対して、軸方向に振れ幅Daで、右側に移動している。
【0084】
送りガイド54では、ガイド駆動部42が一対のガイドローラ組立体58を左右方向に移動させる。一対のガイドローラ66は、軸方向一方に振れ幅Daだけ移動して、図10(a)の状態にされる。これにより、軸方向において、帯体4がリール本体28に巻き取られる位置が中心線Lrから振れ幅Daだけ一方にずれる。一対のガイドローラ66は、図10(a)の位置に到達すると、軸方向他方に向かって移動させられる。一対のガイドローラ66は、軸方向他方に振れ幅Daだけ移動して、図10(b)の状態にされる。更に、一対のガイドローラ66は、中心線Lgがリール本体28の中心線Lrと一致する位置に移動する。一対のガイドローラ66は、この移動を1サイクルとして、移動を繰り返す。
【0085】
この帯体4は、その幅方向(リール本体28の軸方向)に、位置を変えながら巻き取られる。帯体4は、リール本体28に軸方向に位置を変えながら巻き取られる。この巻き取り装置52では、左右への振れ幅Daは、例えば、それぞれ20(mm)にされる。この一対のガイドローラ66は、例えば、1サイクルでの帯体4の巻き取り長さを4(m)にされる。一対のガイドローラ66は、巻き取り長さ4(m)毎に1サイクルの移動を繰り返す。
【0086】
この振れ幅Daを大きくすることで、帯体4ではエッジカバー10の半径方向の重なりを低減しうる。この観点から、この振れ幅Daは、好ましくは10(mm)以上であり、更に好ましくは15(mm)以上である。一方で、この振れ幅Daが大過ぎると、巻き崩れが発生したり、ベルト部材4にシワが発生したりする。この観点から、この振れ幅Daは、好ましくは30(mm)以下であり、更に好ましくは25(mm)以下である。
【0087】
1サイクルでの帯体4の巻き取り長さを小さくすることで、帯体4のエッジカバー10の半径方向の重なりを低減しうる。この観点から、1サイクルでの巻き取り長さは、好ましくは7(m)以下であり、更に好ましくは6(m)以下であり、特に好ましくは5(m)以下である。一方で、1サイクルでの帯体4の巻き取り長さを小さ過ぎると、巻き崩れが発生したり、ベルト部材4にシワが発生したりする。この観点から、1サイクルでの巻き取り長さは、好ましくは1(m)以上であり、更に好ましくは2(m)以上であり、特に好ましくは3(m)以上である。
【0088】
この送りガイド54では、ガイドローラ66が帯体4に当接する。ガイドローラ66は帯体4の送り方向に直交する方向を回転軸して回転可能に取り付けられている。このガイドローラ66は、帯体4の移動を妨げることが抑制されている。
【0089】
この送りガイド54では、帯体4は、送りローラ56によって送られている。この送りローラ56では、複数のローラ本体64が軸方向に並べられている。この送りローラ56は、帯体4との接触面積が小さい。ローラ本体64は軸方向に移動可能にされている。これにより、帯体4の左右方向の移動が容易にされている。ローラ本体64の外周面64aが曲面で形成されているので、帯体4の左右方向の移動が更に容易にされている。この送りローラ56として、トランスホイールが用いられてもよい。このトランスホイールによって、帯体4に送り抵抗をほとんど発生させずに、左右方向の移動が容易にされていてもよい。
【0090】
この送りガイド54では、送りローラ56の数は3つであったが、1つ以上いくつであってもよい。また、ガイドローラ組立体58の数は2つであったが、1つ以上いくつであってもよい。
【実施例】
【0091】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0092】
[実施例1]
図1に示された送りガイドに代えて、図8に示された送りガイドを備える他は、図1に示された巻き取り装置と同様に構成された巻き取り装置が準備された。この巻き取り装置で、図1に示された帯体の巻き取りがされた。この帯体の長さは1000(m)であり、幅は0.2(m)であった。表1に示されるように、この振れ幅Daは左右それぞれに20(mm)であり、1サイクルの巻き取り長さは4(m)であった。
【0093】
[比較例1]
従来の巻き取り装置が準備された。この巻き取り装置で、実施例1と同様に帯体の巻き取りがされた。この巻き取り装置は、送りガイドを備えていない。この巻き取り装置では、ライナーのブレーキトルクの調整はされなかった。
【0094】
[実施例2−3]
左右それぞれの振れ幅Daが表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にされて、帯体が巻き取られた。
【0095】
[実施例4−5]
1サイクルの巻き取り長さが表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にされて、帯体が巻き取られた。
【0096】
[評価]
リール本体に巻き取られた帯体について、巻き崩れの発生及びシワの発生が検査された。この評価では、比較例1の評価結果を基準値3として、他の評価結果を指数として表している。この指数は、5段階評価であり、数値が大きいほど良好である。
【0097】
【表1】
【0098】
表1に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0099】
以上説明された方法は、タイヤの各部を形成するゴムを含む帯体の製造に広く適用されうる。
【符号の説明】
【0100】
2、52・・・巻き取り装置
4・・・帯体
6・・・ライナー
8・・・主部
10・・・エッジカバー
12・・・エッジカバー形成装置
14・・・帯状部材送り出し装置
16・・・ライナー送り出し装置
18・・・リール
20、54・・・送りガイド
22・・・制御装置
24・・・圧着ロール
26・・・エッジカバーテープ
28・・・リール本体
30・・・リール駆動部
32・・・芯部
34・・・パウダークラッチブレーキ
36・・・ローラ
38・・・ガイド板
40、68・・・連結部
42・・・ガイド駆動部
56・・・送りローラ
58・・・ガイドローラ組立体
64・・・ローラ本体
66・・・ガイドローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11