(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の冷却装置では、冷却流体が流れる循環流路を形成するために、冷却管に複数の管を接続させている。そのため、循環流路を形成するための部品数が多く、小型化を図ることが難しい。
【0006】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、小型化を図ることができる冷却装置を提供することにある。あるいは、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記冷却装置を有するプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る冷却装置は、
光学素子を冷却するための冷却装置であって、
複数の基板が積層された積層体を有し、
前記積層体には、光を透過させる流体が循環する循環流路が設けられ、
前記循環流路は、
前記光学素子の入射側または出射側に設けられ、前記光を透過させる窓部と、
前記窓部に接続され、前記流体が蒸発する蒸発部と、
前記流体の熱が放熱される放熱部と、
を有し、
前記窓部、前記蒸発部、および前記放熱部は、前記流体の循環方向に、前記窓部、前記蒸発部、前記放熱部の順で設けられ、
前記窓部、前記蒸発部、および前記放熱部は、前記積層体の内部に設けられている。
【0008】
このような冷却装置では、窓部、蒸発部、および放熱部を一体的に形成することができる。これにより、このような冷却装置では、窓部、蒸発部、および放熱部を一体的に形成しない場合に比べて、循環流路を形成するための部品数を減らすことができる。したがって、このような冷却装置では、小型化を図ることができる。
【0009】
本発明に係る冷却装置において、
複数の前記基板のうちの第1基板には、前記循環流路を構成している第1溝部が設けられていてもよい。
【0010】
このような冷却装置では、第1基板を加工するだけで、容易に循環流路を形成することができる。
【0011】
本発明に係る冷却装置において、
複数の前記基板のうちの第2基板には、前記循環流路を構成している第2溝部が設けられて、
複数の前記基板の積層方向からの平面視において、前記第1溝部と前記第2溝部とは、重なっていてもよい。
【0012】
このような冷却装置では、第1溝部を深くしなくても、所望の断面積を有する循環流路を形成することができる。したがって、このような冷却装置では、例えば、堅牢な第1基板を有することができる。
【0013】
本発明に係る冷却装置において、
複数の前記基板のうちの第1基板と第2基板との間に、複数の前記基板のうちの第3基板が設けられ、
前記第3基板には、前記循環流路を構成している貫通孔が設けられていてもよい。
【0014】
このような冷却装置では、第3基板を加工するだけで、容易に循環流路を形成することができる。
【0015】
本発明に係る冷却装置において、
前記循環流路の前記放熱部と前記窓部とを接続する部分に、前記流体を前記窓部に送るポンプが設けられていてもよい。
【0016】
このような冷却装置では、ポンプが設けられているため、冷却装置の姿勢が変わっても、気液界面が移動し難い。
【0017】
本発明に係る冷却装置において、
前記循環流路の前記放熱部と前記窓部とを接続する部分に、前記流体の流量を制御するオリフィスが設けられていてもよい。
【0018】
このような冷却装置では、オリフィスによって、チャネル部および放熱部に気液界面が位置するように、流体の流量を制御することができる。
【0019】
本発明に係る冷却装置において、
前記循環流路は、前記ポンプが設けられた送液部を有し、
前記オリフィスは、前記循環流路の前記放熱部と前記送液部とを接続する部分に設けられていてもよい。
【0020】
このような冷却装置では、オリフィスおよびポンプによって、放熱部に気液界面が位置するように、流体の流量を制御することができる。
【0021】
本発明に係る冷却装置において、
前記オリフィスを制御する制御部と、
前記流体の流量を計る流量計と、
を有し、
前記制御部は、前記流量計の出力に応じて、前記オリフィスを制御してもよい。
【0022】
このような冷却装置では、制御部によって、例えば、流量計で計られた流量が一定となるように、オリフィスの開口を制御することができる。
【0023】
本発明に係る冷却装置において、
前記オリフィスを制御する制御部と、
前記放熱部における前記流体の液面の高さを計る液位計と、
を有し、
前記制御部は、前記液位計の出力に応じて、前記オリフィスを制御してもよい。
【0024】
このような冷却装置では、制御部によって、例えば、液位計で計られた気液界面の高さが変化しないように、オリフィスの開口を制御することができる。
【0025】
本発明に係るプロジェクターは、
本発明に係る冷却装置を有する。
【0026】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る冷却装置を有することができる。
【0027】
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記光学素子は、液晶パネルであってもよい。
【0028】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る冷却装置によって、液晶パネルを冷却することができる。
【0029】
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記光学素子は、3つ設けられ、
3つの前記光学素子に対応して、前記冷却装置は、3つ設けられていてもよい。
【0030】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る冷却装置によって、液晶パネルを冷却することができる。
【0031】
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記光学素子は、偏光板であってもよい。
【0032】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る冷却装置によって、偏光板を冷却することができる。
【0033】
本発明に係るプロジェクターにおいて、
前記光学素子は、複数設けられ、
複数の前記光学素子のうちの第1光学素子は、液晶パネルであり、
複数の前記光学素子のうちの第2光学素子は、偏光板であり、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との間に、前記窓部が設けられていてもよい。
【0034】
このようなプロジェクターでは、本発明に係る冷却装置によって、液晶パネルおよび偏光板を冷却することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0037】
1. 第1実施形態
1.1. 冷却装置
まず、第1実施形態に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る冷却装置100を模式的に示す断面図である。
図2は、第1実施形態に係る冷却装置100を模式的に示す
図1のII−II線断面図である。なお、
図1,2および後述する
図3〜
図6では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
【0038】
冷却装置100は、光学素子(
図1および
図2では図示せず)を冷却するための冷却装置である。冷却装置100は、
図1および
図2に示すように、例えば、積層体10を有している。
【0039】
積層体10は、複数の基板11が積層されたものである。図示の例では、積層体10は、第1基板11aと、第2基板11bと、を有し、第1基板11aおよび第2基板11bが積層されたものである。第1基板11aは、複数の基板11のうちの第1基板であり、第2基板11bは、複数の基板11のうちの第2基板である。第1基板11aおよび第2基板11bは、Z軸方向に積層されている。第1基板11aおよび第2基板11bは、例えば接着剤などによって、互いに接合されている。第1基板11aおよび第2基板11bは、例えば、ガラス基板などである。第1基板11aおよび第2基板11bは、光Lを透過させる。光Lは、例えば、冷却装置100をプロジェクターに用いる場合、プロジェクターの光源から出射される光である。
【0040】
積層体10には、光Lを透過させる流体2が循環する循環流路20が設けられている。冷却装置100は、循環流路20を有している。図示の例では、積層体10には、循環流路20の全部が設けられている。第1基板11aには、例えば、循環流路20を構成している第1溝部13が設けられている。第1溝部13は、第1基板11aの第1面12に設けられている。第2基板11bは、第2面14を有し、第2面14は、第1面12に接合されている。
【0041】
循環流路20では、流体2が
図1に示す矢印の方向(時計回りの方向)に循環している。流体2は、光Lを透過し、かつ光学素子を冷却することができれば特に限定されないが、例えば、水などである。流体2は、液体状態において光Lを透過させる。流体2は、例えば、潜熱によって光学素子を冷却する。流体2は、光Lの一部のみを透過させてもよいし、光Lの全部を透過させてもよい。なお、流体2としては水に限らず、メタノールやエタノールなどのアルコール類、R1234yfなどのHFO系冷媒、R32やR134aなどのHFC系冷媒、フレオン、フロリナート、プロパンやイソブタンなどの炭化水素、
あるいは二酸化炭素などを用いてもよいし、これらのうち2種以上を混合して用いてもよい。
【0042】
循環流路20のZ軸方向の大きさ(図示の例では、第1溝部13の深さ)は、例えば、0.1mm以上1mm以下であり、好ましくは0.2mmである。循環流路20のZ軸方向の大きさが1mm以下であれば、流体2の温度分布に起因する対流を抑制することができる。
【0043】
循環流路20は、例えば、窓部22と、蒸発部24と、放熱部26と、送液部28と、第1接続部30と、第2接続部32と、第3接続部34と、を有している。窓部22、蒸発部24、放熱部26、送液部28、第1接続部30、第2接続部32、および第3接続部34は、積層体10の内部に設けられている。窓部22、蒸発部24、第1接続部30、放熱部26、第2接続部32、送液部28、および第3接続部34は、流体2の循環方向に、窓部22、蒸発部24、第1接続部30、放熱部26、第2接続部32、送液部28、および第3接続部34の順で設けられている。
【0044】
窓部22は、光学素子の入射側または出射側に設けられ、光Lを透過させる。窓部22が光学素子の光Lの入射側に設けられている場合、光Lは、窓部22を透過した後に、光学素子に入射する。窓部22が光学素子の光Lの出射側に設けられている場合、光Lは、光学素子を通過した後に、窓部22に入射する。窓部22は、光Lの一部のみを透過させてもよいし、光Lの全部を透過させてもよい。
【0045】
窓部22の断面積は、例えば、接続部30,32,34の断面積よりも大きい。ここで、「断面積」とは、流体2の循環方向と直交する面で切断した場合の断面積である。窓部22の断面積の形状は、特に限定されないが、例えば、長方形である。図示の例では、窓部22は、第3接続部34に接続され、流体2が流れる方向に従って、徐々に断面積が大きくなる第1部分22aと、第1部分22aに接続され断面積が一定である第2部分22bと、第2部分22bおよび蒸発部24に接続され徐々に断面積が小さくなる第3部分22cと、を有している。図示の例では、流体2の窓部22および蒸発部24における循環方向は、+Y軸方向である。
【0046】
窓部22は、光Lが照射される光照射部23を有している。図示の例では、第2部分22bは、光照射部23を有している。光照射部23は、例えば、複数の基板11の積層方向(図示の例ではZ軸方向)からの平面視において、光学素子と重なる部分である。
【0047】
窓部22の光照射部23の形状は、例えば、直方体である。光照射部23のX軸方向の最大の大きさは、例えば、10mm以上50mm以下であり、好ましくは32mmである。光照射部23のY軸方向の最大の大きさは、例えば、5mm以上40mm以下であり、好ましくは15mm以下である。光照射部23のZ軸方向の最大の大きさは、例えば、0.1mm以上1mm以下であり、好ましくは0.2mmである。光照射部23の最大の断面積は、例えば、1mm
2以上50mm
2以下であり、好ましくは、6.4mm
2である。
【0048】
窓部22において、流体2は液体である。窓部22において、流体2は、光学素子を冷却し、温度が上昇する。
【0049】
蒸発部24は、窓部22に接続されている。蒸発部24では、流体2が蒸発する。蒸発部24は、例えば、複数のチャネル部24aと、複数のチャネル部24aを連結する連結部24bと、を有している。チャネル部24aは、隔壁部24cによって形成されている。隔壁部24cは、例えば、積層体10の面である。
【0050】
チャネル部24aの断面積S1は、窓部22と蒸発部24との境界Eの断面積S2よりも小さい。図示の例では、断面積S1は、チャネル部24aのXZ平面と平行な面における断面積である。断面積S2は、境界EのXZ平面と平行な面における断面積である。断面積S1は、例えば、チャネル部24aの最小の断面積である。チャネル部24aの最大の断面積は、断面積S2よりも小さい。チャネル部24aの断面積の形状は、例えば、長方形、正方形などの多角形である。断面積S1は、例えば、接続部30,32,34の断面積よりも小さい。チャネル部24aの断面積の形状は、特に限定されず、円、楕円などであってもよい。
【0051】
図示の例では、窓部22と蒸発部24との境界Eは、XZ平面と平行な面における平面視において、隔壁部24cの窓部22側の最端部を含む蒸発部24の断面である。窓部22と蒸発部24との境界EのX軸方向の大きさは、例えば、12mm以上55mm以下であり、好ましくは32mmである。境界EのZ軸方向の大きさは、例えば、0.1mm以上1mm以下であり、好ましくは0.2mmである。境界Eの断面積は、例えば、1.2mm
2以上55mm
2以下であり、好ましくは、7mm
2である。図示の例では、境界Eと窓部22の断面形状および断面積は同じであるが、本発明はこれに限らず、境界Eと窓部22の断面形状および断面積が異なっていてもよい。
【0052】
チャネル部24aのY軸方向の最小の大きさは、チャネル部24aの最小のX軸方向の大きさおよびZ軸方向の最小の大きさよりも大きい。チャネル部24aのX軸方向の最小の大きさは、例えば、0.05mm以上0.5mm以下であり、好ましくは0.2mmである。チャネル部24aの断面積S1は、例えば、0.008mm
2以上0.1mm
2以下である。具体的には、チャネル部24aの断面積S1は、例えば、形状が円の場合、0.008mm
2以上0.785mm
2以下であり、正方形の場合、0.01mm
2以上0.1mm
2以下である。チャネル部24aのY軸方向の最小の大きさは、例えば、0.5mm以上5mm以下であり、好ましくは1mm以下である。チャネル部24aの数は、複数であれば限定されず、例えば、2個以上50個以下であり、好ましくは30個である。流体2は、例えば、チャネル部24aにおいて、+Y軸方向に向かって流れる。
【0053】
チャネル部24aにおいて、液体である流体2は、光学素子からの熱(光学素子から伝わる伝導熱)を窓部22およびチャネル部24aで受け、蒸発して気体となる。そのため、チャネル部24aには、流体2の気液界面(気相と液相との界面、液面)P1が位置し、窓部22は、水封される。これにより、窓部22における流体2の温度は、循環流路20の内部圧力に対応した気液平衡温度近傍に保たれる。
【0054】
連結部24bの断面積は、チャネル部24aの断面積よりも大きい。連結部24bの断面積は、例えば、接続部30,32,34の断面積よりも大きい。連結部24bでは、流体2は気体である。蒸発部24は、例えば、マイクロチャネル熱交換器である。
【0055】
放熱部26の断面積は、例えば、接続部30,32,34の断面積よりも大きい。第1接続部30は、蒸発部24と放熱部26とを接続している。放熱部26では、流体2の熱が放熱される。放熱部26の近傍には、熱交換器40が設けられている。図示の例では、熱交換器40は、放熱部26の+X軸方向側に設けられている。熱交換器40は、放熱部26の流体2の熱を放熱させる。熱交換器40は、例えば、二重になった管の内外で熱交換を行う二重管式熱交換器、シェル(胴体)に多数のチューブ(伝熱管)を収めたシェルアンドチューブ式熱交換機、ヒートシンクなどである。熱交換器40がヒートシンクの場合には、熱交換器40に風を送るフィン(図示せず)が設けられていてもよい。
【0056】
放熱部26では、熱交換器40により流体2の潜熱が放熱されるため、気体である流体
2は、凝縮して液体となる。そのため、放熱部26には、流体2の気液界面P2が位置し、第2接続部32は、水封される。さらに、オリフィス60およびポンプ50によって、気液界面P2は、放熱部26に保たれる。
【0057】
送液部28は、流体2を窓部22へ送るための力が、流体2に加わる部分である。第2接続部32は、例えば、放熱部26と送液部アレイ29(複数の送液部28および複数の送液接続部52からなる部分)とを接続している。第3接続部34は、送液部アレイ29と窓部22とを接続している。送液部アレイ29は、積層体10の内部に設けられている。送液部28の数は、特に限定されないが、図示の例では、送液部28は、3つ設けられ、隣り合う送液部28は、送液接続部52によって接続されている。循環流路20は、送液接続部52を有している。送液部28および接続部32,34,52は、循環流路20の放熱部26と窓部22を接続する部分35を構成している。
【0058】
送液部28では、流体2は液体である。送液部28には、ポンプ50が設けられている。冷却装置100は、ポンプ50を有している。ポンプ50は、流体2を窓部22に送る。ポンプ50は、例えば、圧電効果を利用したダイヤフラムポンプである。ポンプ50の出力は、気液界面P1がチャネル部24aに位置し、かつ気液界面P2が放熱部26に位置するように決定される。
【0059】
冷却装置100は、ポンプ50を制御するポンプ制御部(図示せず)と、冷却装置100の姿勢に関する情報を検出する姿勢検出部(図示せず)と、を有していてもよい。ポンプ制御部は、姿勢検出部の出力に応じて、気液界面P1がチャネル部24aに位置し、気液界面P2が放熱部26に位置するように、ポンプ50の出力を制御してもよい。これにより、冷却装置100の姿勢によって、冷却装置100の冷却効率が変化することを抑制することができる。なお、「冷却装置100の姿勢」とは、例えば、重力方向と、窓部22を透過する光Lが進行する方向と、の角度である。
【0060】
循環流路20は、例えば、第1基板11aを加工する(例えばエッチングする)ことによって形成される。
【0061】
冷却装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0062】
冷却装置100では、窓部22、蒸発部24、および放熱部26は、積層体10の内部に設けられている。そのため、冷却装置100では、窓部22、蒸発部24、および放熱部26を一体的に形成することができる。これにより、冷却装置100では、例えば、窓部22および蒸発部24をガラス基板で形成し、放熱部26を別の基板や管で形成するなど、窓部22、蒸発部24、および放熱部26を一体的に形成しない場合に比べて、循環流路20を形成するための部品数を減らすことができる。したがって、冷却装置100では、小型化を図ることができる。
【0063】
冷却装置100では、第1基板11aには、循環流路20を構成している第1溝部13が設けられている。そのため、冷却装置100では、第1基板11aを加工するだけで、容易に循環流路20を形成することができる。
【0064】
冷却装置100では、循環流路20の放熱部26と窓部22とを接続する部分35に、流体2を窓部22に送るポンプ50が設けられている。そのため、冷却装置100では、冷却装置100の姿勢が変わっても、気液界面P1,P2が移動し難い。
【0065】
冷却装置100では、チャネル部24aの断面積S1は、窓部22と蒸発部24との境界Eの断面積S2よりも小さい。そのため、冷却装置100では、断面積S1が断面積S
2以上の場合に比べて、境界Eにおける流体2の圧力損失が大きくなり、流体2の気液界面P1を、チャネル部24aに維持させることができる。さらに、チャネル部24aが複数設けられているため、蒸発部24において、蒸発部24を規定する積層体10と、流体2の液体の部分と、の接触面積を大きくすることができる。そのため、蒸発部24を規定する積層体10と、流体2の液体の部分と、界面における界面張力によって、気液界面P1をチャネル部24aに維持させることができる。したがって、冷却装置100では、気液界面P1は、窓部22側に移動し難く、窓部22を透過する光Lが、気液界面P1近傍で生じる気泡から受ける影響を低減することができる。その結果、冷却装置100をプロジェクターに用いた場合に、気泡によって映像が乱れることを抑制することができる。
【0066】
冷却装置100では、チャネル部24aの断面積は、0.008mm
2以上0.1mm
2以下であり、窓部22と蒸発部24との境界Eの断面積は、1.2mm
2以上55mm
2以下である。そのため、冷却装置100では、より確実に、気液界面P1をチャネル部24aに維持させることができる。
【0067】
1.2. 変形例
1.2.1. 第1変形例
次に、第1実施形態の第1変形例に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図3は、第1実施形態の第1変形例に係る冷却装置110を模式的に示す断面図である。
【0068】
以下、第1実施形態の第1変形例に係る冷却装置110において、上述した第1実施形態に係る冷却装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に示す第1実施形態の第2,第3変形例に係る冷却装置において、同様である。
【0069】
上述した冷却装置100では、
図2に示すように、第1基板11aには、循環流路20を構成している第1溝部13が設けられ、第2基板11bには、溝部は設けられていなかった。これに対し、冷却装置110では、
図3に示すように、第1基板11aには、循環流路20を構成している第1溝部13が設けられ、第2基板11bには、循環流路20を構成している第2溝部15が設けられている。
【0070】
第2溝部15は、第2基板11bの第2面14に設けられている。複数の基板11の積層方向からの平面視において、第1溝部13と第2溝部15とは、重なっている。第1溝部13および第2溝部15は、互いに連通している。
【0071】
冷却装置110では、第2基板11bには、循環流路20を構成している第2溝部15が設けられている。そのため、冷却装置110では、第1溝部13を深くしなくても(第1溝部13のZ軸方向の大きさを大きくしなくても)、所望の断面積を有する循環流路20を形成することができる。したがって、冷却装置110では、例えば、堅牢な第1基板11aを有することができる。
【0072】
1.2.2. 第2変形例
次に、第1実施形態の第2変形例に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第1実施形態の第2変形例に係る冷却装置120を模式的に示す断面図である。
【0073】
上述した冷却装置100では、
図2に示すように、積層体10は、第1基板11aおよび第2基板11bを有していた。これに対し、冷却装置120では、
図4に示すように、積層体10は、第1基板11a、第2基板11b、および第3基板11cを有している。
第3基板11cは、複数の基板11のうちの第3基板である。
【0074】
第3基板11cは、第1基板11aと第2基板11bとの間に設けられている。第3基板11cは、例えば接着剤などによって、第1基板11aおよび第2基板11bに接合されている。第3基板11cには、循環流路20を構成している貫通孔16が設けられている。貫通孔16は、第3基板11cをZ軸方向に貫通している。図示の例では、第1基板11aよび第2基板11bには、溝部は設けられていない。
【0075】
冷却装置120では、第1基板11aと第2基板11bとの間に第3基板11cが設けられ、第3基板11cには、循環流路20を構成している貫通孔16が設けられている。そのため、冷却装置120では、第3基板11cを加工するだけで、容易に循環流路20を形成することができる。
【0076】
なお、図示はしないが、第1基板11aには、循環流路20を構成している第1溝部が設けられ、第1溝部および貫通孔16は、互いに連通していてもよい。さらに、第2基板11bには、循環流路20を構成している第2溝部が設けられ、第1溝部、第2溝部、および貫通孔16は、互いに連通していてもよい。
【0077】
1.2.3. 第3変形例
次に、第1実施形態の第3変形例に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第1実施形態の第3変形例に係る冷却装置130を模式的に示す断面図である。
【0078】
冷却装置130では、
図5に示すように、チャネル部24aが、Y軸方向において、幅広部25aと、幅狭部25bと、を繰り返した構造を有している点において、上述した冷却装置100と異なる。幅広部25aおよび幅狭部25bは、流体2が流れる方向において、交互に設けられている。
【0079】
幅狭部25bの断面積は、幅広部25aの断面積よりも小さい。幅広部25aおよび幅狭部25bの断面積は、境界Eの断面積よりも小さい。幅広部25aの数および幅狭部25bの数は、特に限定されない。図示の例では、気液界面P1は、幅狭部25bに位置している。
【0080】
冷却装置130では、チャネル部24aの幅広部25aおよび幅狭部25bは、流体2が流れる方向において、交互に設けられている。そのため、冷却装置130では、幅広部25aおよび幅狭部25bが設けられていない場合に比べて、蒸発部24において、蒸発部24を規定する積層体10と、流体2の液体の部分と、の接触面積を大きくすることができる。そのため、冷却装置130では、蒸発部24を規定する積層体10と、流体2の液体の部分と、界面における界面張力によって、気液界面P1は、より窓部22側に移動し難い。
【0081】
2. 第2実施形態
2.1. 冷却装置
次に、第2実施形態に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図6は、第2実施形態に係る冷却装置200を模式的に示す断面図である。
【0082】
以下、第2実施形態に係る冷却装置200において、上述した第1実施形態に係る冷却装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0083】
冷却装置200では、オリフィス60が設けられている点において、上述した冷却装置100と異なる。
【0084】
オリフィス60は、循環流路20の放熱部26と窓部22を接続する部分35に設けられている。具体的には、オリフィス60は、第2接続部(放熱部26と送液部28とを接続する部分)32に設けられている。オリフィス60は、循環流路20を流れる流体2の流量(単位時間当たりに移動する量)を制御する。冷却装置200は、例えば、オリフィス60を有している。オリフィス60によって、第2接続部32は、狭窄部33を有している。オリフィス60は、狭窄部33を形成することができれば、その構造は特に限定されないが、例えば、板状の部材に貫通孔を設けたものである。
【0085】
オリフィス60によって形成される狭窄部33の断面積は、第2接続部32の狭窄部33以外の部分(第2接続部32の他の部分)の断面積よりも小さい。第2接続部32のXZ平面に平行な面における断面は、円であってもよいし、多角形であってもよい。狭窄部33の径は、例えば、0.1mm以上1.5mm以下であり、好ましくは0.2mmである。オリフィス60の絞り比(オリフィス60の断面積/第2接続部32の他の部分の断面積)は、0.02以上0.3以下であり、好ましくは0.04である。第2接続部32の他の部分の径は、例えば、0.5mm以上5mm以下であり、好ましくは1mmである。
【0086】
なお、「狭窄部33の径」とは、狭窄部33の断面形状が円の場合は、直径であり、狭窄部33の断面形状が多角形の場合は、下記式(1)により求めることができる。下記式(1)において、「濡れ辺長」とは、流体に接する流路壁面の周囲長を示す。例えば、流路が、長辺の長さL1、短辺の長さL2の長方形の断面形状であるの場合、濡れ辺長は「2×L1+2×L2」となる。なお、「第2接続部32の他の部分の径」についても同様である。
【0087】
(狭窄部33の径)=4×(狭窄部33の断面積)/(狭窄部33の濡れ辺長) ・・・ (1)
【0088】
オリフィス60の開口の面積(狭窄部33の断面積)の大きさは、気液界面P1がチャネル部24aに位置し、かつ気液界面P2が放熱部26に位置するように決定される。
【0089】
冷却装置200では、例えば、熱交換器40は、放熱部26の+Z軸方向側に設けられている。これにより、例えば熱交換器40が放熱部26の+X軸方向側に設けられている場合に比べて、冷却装置200のX軸方向の大きさを小さくすることができる。なお、
図6では、便宜上、熱交換器40を透視して図示している。
【0090】
冷却装置200では、放熱部26と窓部22との間には、断熱部42が設けられている。断熱部42は、積層体10をZ軸方向に貫通する貫通孔である。断熱部42は、放熱部26から放熱された熱が、窓部22に伝わり難くすることができる。なお、断熱部42に断熱材(図示せず)が充填されていてもよい。
【0091】
冷却装置200は、例えば、以下の特徴を有する。
【0092】
冷却装置200では、循環流路20の循環流路20の放熱部26と窓部22とを接続する部分35に、流体2の流量を制御するオリフィス60が設けられている。そのため、冷却装置200では、オリフィス60によって、チャネル部24aに気液界面P1が位置し、放熱部26に気液界面P2が位置するように、流体2の流量を制御することができる。
【0093】
冷却装置200では、オリフィス60は、循環流路20の放熱部26と送液部28とを接続する部分(第2接続部32)に設けられている。そのため、冷却装置200では、放熱部26に気液界面P2が位置するように、流体2の流量を制御することができる。
【0094】
なお、図示はしないが、上述した冷却装置110,120,130において、冷却装置200のように、オリフィス60が設けられていてもよい。
【0095】
2.2. 変形例
2.2.1. 第1変形例
次に、第2実施形態の第1変形例に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第2実施形態の第1変形例に係る冷却装置210を模式的に示す図である。なお、便宜上、
図7では、熱交換器40の図示を省略している。
【0096】
以下、第2実施形態の第1変形例に係る冷却装置210において、上述した第2実施形態に係る冷却装置200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、以下に示す第2実施形態の第2変形例に係る冷却装置において、同様である。
【0097】
冷却装置210では、
図7に示すように、流量計62と、オリフィス60を制御するオリフィス制御部66と、を有する点において、上述した冷却装置200と異なる。
【0098】
流量計62は、流体2の流量を計る。図示の例では、流量計62は、第1圧力計測部62aと、第2圧力計測部62bと、を有し、第1圧力計測部62aで測定された圧力と、第2圧力計測部62bで測定された圧力と、の差によって、流体2の流量を計る。圧力計測部62a,62bは、例えば、公知の圧力計である。第1圧力計測部62aは、第2接続部32の放熱部26と狭窄部33との間に設けられている。第2圧力計測部62bは、第2接続部32の狭窄部33と送液部アレイ29との間に設けられている。
【0099】
オリフィス制御部66は、流量計62の出力に応じて、オリフィスを制御する。具体的には、オリフィス制御部66は、流量計62で計られた流量が一定となるように、オリフィス60の開口(狭窄部33の断面積)を制御する。オリフィス制御部66は、例えば、IC(Integrated Circuit)などによって実現される。
【0100】
冷却装置210では、オリフィス制御部66は、流量計62の出力に応じて、オリフィス60を制御する。そのため、冷却装置110では、オリフィス制御部66によって、自動的に、例えば、流量計62で計られた流量が一定となるように、オリフィス60の開口を制御することができる。
【0101】
2.2.2. 第2変形例
次に、第2実施形態の第2変形例に係る冷却装置について、図面を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態の第2変形例に係る冷却装置220を模式的に示す図である。なお、便宜上、
図8では、熱交換器40の図示を省略している。
【0102】
冷却装置220では、
図8に示すように、液位計64と、オリフィス60を制御するオリフィス制御部66と、を有する点において、上述した冷却装置200と異なる。
【0103】
液位計64は、放熱部26における流体2の気液界面(液面)P2の高さ(位置)を計る。図示の例では、液位計64は、発光部64aおよび受光部64bを有し、発光部64aから出射された光が気液界面P2の反射し、この反射された光を受光部64bで検出して気液界面P2の高さを計る。なお、液位計64の構成は、特に限定されず、例えば、フ
ロート式の液位計であってもよいし、ダイアフラムが受けた圧力(液圧)を検出して気液界面P2の高さを計る液位計であってもよい。
【0104】
オリフィス制御部66は、液位計64の出力に応じて、オリフィスを制御する。具体的には、オリフィス制御部66は、液位計64で計られた気液界面P2の高さが変化しないように(一定となるように)、オリフィス60の開口(狭窄部33の断面積)を制御する。オリフィス制御部66は、例えば、ICなどによって実現される。
【0105】
冷却装置220では、オリフィス制御部66は、液位計64の出力に応じて、オリフィス60を制御する。そのため、冷却装置220では、オリフィス制御部66によって、自動的に、例えば、液位計64で計られた気液界面P2の高さが変化しないように、オリフィス60の開口を制御することができる。
【0106】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図9は、第3実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す断面図である。
【0107】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る冷却装置を有している。以下では、本発明に係る冷却装置として冷却装置100を有するプロジェクター900について説明する。図示の例では、冷却装置100は、3つ設けられている。なお、便宜上、
図9では、冷却装置100を簡略化して図示している。
【0108】
プロジェクター900は、
図9に示すように、光源装置91と、均一照明光学装置92と、色分離光学装置93と、リレー光学装置94と、光学装置95と、光学部品用筐体96と、投射レンズ97と、を有している。
【0109】
光源装置91は、光源ランプ911から放射された光束(光)を一定方向に揃えて出射し、光学装置95を照明するものである。光源装置91は、光学部品用筐体96に収容されている。光源装置91は、光学部品用筐体96に対する所定位置(光源装置91から出射される光束の中心軸と光学部品用筐体96内に設定された照明光軸Aとが一致する位置)に位置決めされる。光源装置91は、光源ランプ911と、リフレクター912と、を有している。
【0110】
光源ランプ911は、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどである。リフレクター912としては、光源ランプ911から出射された光束を略平行化して反射させるパラボラリフレクターである。なお、リフレクター912としては、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ911から出射された光束を所定位置に収束するように反射させる楕円面リフレクターであってもよい。
【0111】
均一照明光学装置92は、光源装置91から出射された光束を複数の部分光束に分割し、照明領域の面内照度を均一化する光学系である。均一照明光学装置92は、第1レンズアレイ921と、第2レンズアレイ922と、偏光変換素子923と、反射ミラー924と、重畳レンズ925と、を有している。
【0112】
第1レンズアレイ921は、光源装置91から出射された光束を、複数の部分光束に分割する光束分割光学素子である。第1レンズアレイ921は、照明光軸Aと直交する面内にマトリックス状に配列される複数の小レンズを有している。
【0113】
第2レンズアレイ922は、第1レンズアレイ921により分割された複数の部分光束を、集光する光学素子である。第2レンズアレイ922は、第1レンズアレイ921と同
様に、照明光軸Aに直交する面内にマトリックス状に配列される複数の小レンズを有している。
【0114】
偏光変換素子923は、第1レンズアレイ921により分割された各部分光束の偏光方向を、略一方向の直線偏光に揃える偏光変換素子である。偏光変換素子923は、具体的な図示は省略するが、平板状の偏光変換素子アレイと、光束出射側に設置された位相差板と、を有している。
【0115】
偏光変換素子アレイは、偏光方向がランダムな入射光束を2種類の直線偏光光束に分離して出射する。より具体的に、偏光変換素子アレイは、入射光束に対して傾斜配置された複数の偏光分離膜と、各偏光分離膜の間に交互に並行配置された反射膜と、これらの偏光分離膜および反射膜の間に介在配置された板ガラスと、を有している。
【0116】
偏光分離膜は、ブリュースター角が略45°に設定された誘電体多層膜等で構成されている。そして、偏光分離膜は、入射光束において、偏光分離膜の入射面に対して平行な偏光方向を有する一方の直線偏光光束(S偏光光束)を反射し、このS偏光光束と直交する偏光方向を有する直線偏光光束(P偏光光束)を透過するものであり、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離している。反射膜は、例えば、高反射性を有するAl,Au,Ag,Cu,Cr等の単一金属材料や、これら複数種類の金属を含む合金などで構成されている。反射膜は、偏光分離膜で反射された直線偏光光束(S偏光光束)を反射させる。板ガラスは、光束が内部を通過するものである。板ガラスは、例えば、白板ガラスなどで構成されている。
【0117】
位相差板は、偏光分離膜を透過する直線偏光光束(P偏光光束)の偏光方向を90°回転させるものである。位相差板は、偏光変換素子アレイの光束出射側端面において、偏光分離膜に対応する位置に設けられている。
【0118】
重畳レンズ925は、第1レンズアレイ921、第2レンズアレイ922、偏光変換素子923、および反射ミラー924を経た複数の部分光束を集光して光学装置95の後述する3つの液晶パネルの画像形成領域上に重畳させる光学素子である。
【0119】
色分離光学装置93は、2枚のダイクロイックミラー931,932と、反射ミラー933と、を有している。色分離光学装置93は、ダイクロイックミラー931,932により均一照明光学装置92から出射された複数の部分光束を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する。
【0120】
ダイクロイックミラー931,932は、基板上に所定の波長領域の光束を反射させ、他の波長領域の光束を透過させる波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段側に配置されるダイクロイックミラー931は、青色光を反射させ、その他の色光を透過させるミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー932は、緑色光を反射させ、赤色光を透過させるミラーである。
【0121】
リレー光学装置94は、入射側レンズ941と、リレーレンズ943と、反射ミラー942,944と、を有している。リレー光学装置94は、色分離光学装置93のダイクロイックミラー931,932を透過した赤色光を光学装置95まで導く。
【0122】
なお、赤色光の光路にリレー光学装置94が設けられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、青色光の光路の長さを長くしてリレー光学装置94を青色光の光路に用いる
構成としてもよい。
【0123】
ダイクロイックミラー931により分離された青色光は、反射ミラー933により曲折された後、フィールドレンズ926を介して光学装置95に供給される。ダイクロイックミラー932により分離された緑色光は、フィールドレンズ926を介して光学装置95に供給される。赤色光は、リレー光学装置94を構成するレンズ941,943および反射ミラー942,944により集光、曲折されてフィールドレンズ926を介して光学装置95に供給される。
【0124】
なお、光学装置95の各色光の光路前段に設けられるフィールドレンズ926は、第2レンズアレイ922から出射された各部分光束を、各部分光束の主光線に対して平行な光束に変換するために設けられている。
【0125】
光学装置95は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。光学装置95は、3つの液晶パネル(光変調装置)951と、各液晶パネル951の光路前段側に配置される入射側偏光板952と、各液晶パネル951の光路後段側に配置される出射側偏光板953と、クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)954と、を有している。
図9では、赤色光側の液晶パネルを951R、緑色光側の液晶パネルを951G、青色光側の液晶パネルを951Bとしている。
【0126】
入射側偏光板952は、色分離光学装置93で分離された各色光のうち、偏光変換素子923で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。入射側偏光板952は、例えば、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
【0127】
液晶パネル951は、具体的な図示は省略するが、ガラスなどからなる平面視矩形状の一対の基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。液晶パネルでは、液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板952から出射された偏光光束の偏光方向が変調される。
【0128】
出射側偏光板953は、入射側偏光板952と略同様の機能を有し、液晶パネル951を介して出射された光束のうち、一定方向の偏光光を透過させ、その他の光束を吸収する。出射側偏光板953は、例えば、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
【0129】
クロスダイクロイックプリズム954は、出射側偏光板953から出射された色光毎に変調された各色光を合成してカラー画像を形成する。クロスダイクロイックプリズム954は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル951Gから出射され出射側偏光板953を介した色光を透過させ、液晶パネル951R,951Bから出射され出射側偏光板953を介した各色光を反射させる。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム954で形成されたカラー画像は、投射レンズ97によりスクリーンへ拡大投射される。
【0130】
光学部品用筐体96は、光源装置91、均一照明光学装置92、色分離光学装置93、リレー光学装置94、光学装置95、および光学部品用筐体96を収容している。投射レンズ97は、例えば、光学部品用筐体96に取り付けられている。
【0131】
冷却装置100は、例えば、液晶パネル951と、出射側偏光板953と、を冷却する。すなわち、冷却装置100によって冷却される光学素子は、複数設けられ、複数の光学
素子のうちの第1光学素子は、液晶パネル951であり、複数の光学素子のうちの第2光学素子は、出射側偏光板953である。液晶パネル951と出射側偏光板953との間に、冷却装置100の窓部22が設けられている。窓部22は、例えば、液晶パネル951および出射側偏光板953に接触している。冷却装置100は、3つの液晶パネル951に対応して、3つ設けられている。
【0132】
プロジェクター900は、例えば、以下の特徴を有する。
【0133】
プロジェクター900は、小型化を図ることができる冷却装置100を有する。そのため、プロジェクター900は、小型化を図ることができる。
【0134】
プロジェクター900では、液晶パネル951と出射側偏光板953との間に、冷却装置100の窓部22が設けられている。そのため、プロジェクター900では、1つの冷却装置100によって、液晶パネル951および出射側偏光板953を冷却することができる。これにより、プロジェクター900では、液晶パネル951および出射側偏光板953の信頼性を高くすることができる。
【0135】
ここで、入射側偏光板952と出射側偏光板953とでは、出射側偏光板953の方が発熱しやすい。出射側偏光板953は、液晶パネル951での変調に応じて光を吸収するため、入射側偏光板952よりも光の吸収量が多くなりやすいためである。プロジェクター900では、冷却装置100は、出射側偏光板953を冷却するため、冷却装置100が入射側偏光板952を冷却する場合よりも、熱による偏光特性の悪化を抑制することができる。
【0136】
なお、図示はしないが、冷却装置100は、液晶パネル951のみを冷却してもよいし、入射側偏光板952のみを冷却してもよいし、出射側偏光板953のみを冷却してもよいし、偏光板952,953のみを冷却してもよい。
【0137】
また、図示はしないが、液晶パネル951の光路後段側に、液晶パネル951で生じる複屈折による常光と異常光との位相差を補償し、液晶パネル951の明視特性を改善する視野角補償板が設けられていてもよい。
【0138】
また、上記では、光源装置91は、光源ランプ911を含んで構成されている例について説明したが、光源装置91は、例えば、LD(Laser Diode)、SLD(Super Luminescent Diode)、LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子を含んで構成されていてもよい。この場合、半導体発光素子は、3つ設けられ、3つの半導体発光素子は、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を出射してもよい。
【0139】
また、図示はしないが、本発明に係る冷却装置は、プロジェクター以外の装置に含まれる光学素子を冷却してもよい。
【0140】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
【0141】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。