(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に搭載された高電圧バッテリ(2)にリレー(12)を介して接続され、前記高電圧バッテリからの供給電圧を降圧して前記高電圧バッテリよりも低電圧の低電圧バッテリ(6)側に出力する降圧動作と、前記低電圧バッテリからの供給電圧を昇圧して前記高電圧バッテリ側に出力する昇圧動作と、を選択的に実施可能な電力変換部(30)と、
車両に搭載された電子制御装置(10)から通信線(22)を介して入力される指令に従い、前記電力変換部を降圧動作させて前記低電圧バッテリを充電させる降圧制御、及び、前記電力変換部を昇圧動作させて前記高電圧バッテリ側の電力供給経路に設けられたコンデンサ(18)を前記高電圧バッテリの電圧に対応した目標電圧まで充電させる昇圧制御、を実施する制御部(40)と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信線を介して実施される前記電子制御装置との間の通信に異常が生じる通信異常時には、前記コンデンサ及び前記低電圧バッテリの電圧に基づき、前記コンデンサへの充電を行う昇圧制御の実施条件が成立しているか否かを判断し、該判断結果に従い前記降圧制御又は前記昇圧制御を実施するよう構成されている、双方向DCDCコンバータ。
前記制御部は、前記通信異常時には、前記低電圧バッテリの電圧が前記コンデンサへの充電が可能な第1電圧以上で、かつ、前記コンデンサの電圧が充電を要する第2電圧未満である場合に、前記昇圧制御の実施条件が成立していると判断して、前記昇圧制御を実施するよう構成されている、請求項1又は請求項2に記載の双方向DCDCコンバータ。
前記制御部は、前記電力変換部の昇圧動作完了時の前記コンデンサの電圧、及び、当該双方向DCDCコンバータの動作停止時の前記コンデンサの電圧を記憶媒体に記憶し、
前記通信異常時には、前記記憶媒体に記憶された前記コンデンサの電圧に基づき、前記昇圧制御の前記目標電圧を設定するよう構成されている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の双方向DCDCコンバータ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1に示す本実施形態の電源システムは、電気自動車若しくはハイブリッド車に搭載された高電圧バッテリ2から、車両の動力源となるモータ4への電力供給、及び、車両に搭載された各種電気機器の電源となる補機バッテリ6への充電を行うためのものである。
【0026】
なお、高電圧バッテリ2は、商用電源や車両に搭載された発電機から電力供給を受けて動作する充電装置により、所定の高電圧(例えば250V)まで充電される。また、補機バッテリ6は、高電圧バッテリ2に比べて電圧が低い低電圧バッテリであり、双方向DCDCコンバータ20を介して、所定の低電圧(例えば12V)まで充電される。
【0027】
図1に示すように、高電圧バッテリ2からモータ4への電力供給経路には、高電圧バッテリ2側から順に、SMR(システムメインリレー)12、昇圧コンバータ14、主機インバータ16が設けられている。
【0028】
SMR12は、モータ4を駆動制御する電子制御装置(以下、ECU)10によりオン・オフされ、SMR12がオン状態になると、高電圧バッテリ2から昇圧コンバータ14に高電圧が供給される。
【0029】
昇圧コンバータ14は、高電圧バッテリ2から供給された高電圧を昇圧して主機インバータ16に出力し、主機インバータ16は、昇圧コンバータ14からの供給電力によりモータ4駆動用の交流電圧を生成して、モータ4を駆動する。
【0030】
ECU10は、CPU、ROM、RAM等を含むマイコンにて構成されており、車両のメインスイッチがオン状態となって、補機バッテリ6からイグニッション電圧(以下、IG電圧)が供給されることにより起動する。
【0031】
そして、ECU10は、運転者や他の車載装置からモータ4の駆動要求が入力されると、SMR12をオン状態にし、昇圧コンバータ14及び主機インバータ16を制御することで、モータ4を駆動要求に対応した速度で回転させる。
【0032】
また、SMR12から昇圧コンバータ14への電力供給経路17には、補機バッテリ6を充電するための双方向DCDCコンバータ20が接続されている。そして、双方向DCDCコンバータ20とECU10とは、通信線22を介して接続されている。
【0033】
ECU10は、SMR12がオン状態であり、補機バッテリ6への充電が必要なときに、通信線22を介して、双方向DCDCコンバータ20に、補機バッテリ6への充電指令を出力する。
【0034】
すると、双方向DCDCコンバータ20は、その充電指令に従い、高電圧バッテリ2から供給された高電圧を補機バッテリ6充電用の低電圧に変換し、その低電圧を補機バッテリ6に出力することで、補機バッテリ6を充電する。以下、この動作を降圧動作という。
【0035】
また、SMR12から昇圧コンバータ14への電力供給経路17には、SMR12がオフ状態からオン状態に切り換えられたときに、高電圧バッテリ2と電力供給経路17との間の電位差により流れる突入電流を低減するためのコンデンサ18が設けられている。
【0036】
そして、ECU10は、SMR12がオフ状態で、コンデンサ18の電圧(以下、コンデンサ電圧)が低下し、コンデンサ18への充電が必要になると、通信線22を介して、双方向DCDCコンバータに、コンデンサ18への充電指令を出力する。
【0037】
すると、双方向DCDCコンバータ20は、その充電指令に従い、補機バッテリ6から供給される低電圧をコンデンサ18充電用の高電圧に変換し、コンデンサ18に出力することで、コンデンサ18を充電する。以下、この動作を昇圧動作という。
【0038】
この昇圧動作によるコンデンサ18への充電は、上述したプリチャージと呼ばれるものであり、コンデンサ電圧がECU10から指令される目標電圧になるまで実施され、コンデンサ電圧が目標電圧に達し、安定するまで実施される。
【0039】
なお、プリチャージの際にECU10から指令される目標電圧は、高電圧バッテリ2と同じ高電圧であり、コンデンサ18が目標電圧まで充電されることで、SMR12がオン状態に切り換えられたときに流れる突入電流が抑制される。
【0040】
次に、双方向DCDCコンバータ20は、
図2に示すように、上述した降圧動作及び昇圧動作を選択的に実施可能な電力変換部30と、電力変換部30の動作を制御する制御部40とを備える。
【0041】
電力変換部30は、高電圧バッテリ2からの供給電圧を降圧して補機バッテリ6側に出力するための電圧変換用のトランス32と、トランス32の1次巻線に接続されて、高電圧バッテリ2からの供給電圧にて1次巻線に交流電流を流すブリッジ回路33を備える。
【0042】
ブリッジ回路33は、4つのスイッチング素子Q1〜Q4にて構成されたフルブリッジ回路であり、ブリッジ回路33の2つの出力端が、それぞれトランスの1次巻線の両端に接続されている。なお、4つのスイッチング素子Q1〜Q4は、MOSFETにて構成されている。
【0043】
そして、ブリッジ回路33を構成する4つのスイッチング素子Q1〜Q4は、降圧用の駆動回路42を介して、互いに対向するスイッチング素子Q1、Q4、及び、Q2、Q3が交互にオン・オフされる。この結果、トランス32の2次巻線に交流電流が流れる。
【0044】
また、トランス32の2次巻線にはセンタータップが設けられ、センタータップは、補機バッテリ6の負極側の電源ラインに接続されている。そして、トランス32の2次巻線の両端には、それぞれ、MOSFETからなるスイッチング素子Q5、Q6が接続されている。
【0045】
このため、トランス32の2次巻線に流れた交流電流は、スイッチング素子Q5、Q6の寄生ダイオードにより全波整流され、チョークコイルL1を介して、補機バッテリ6の正極側の電源ラインに出力される。
【0046】
なお、補機バッテリ6に接続される正負の電源ラインには、平滑用のコンデンサC2が設けられており、補機バッテリ6は、コンデンサC2にて平滑された直流電圧にて充電される。また、その充電電圧は、トランス32の一次巻線と2次巻線との巻き数比と、駆動回路42によるスイッチング素子Q1〜Q4の駆動デューティ比とにより決まる。
【0047】
そして、制御部40は、駆動回路42を介してスイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフ状態を切り替え、PWM制御することで、電力変換部30を降圧動作させ、補機バッテリ6への充電電圧を制御する。
【0048】
また、双方向DCDCコンバータ20には、トランス32の2次巻線の両端に設けられたスイッチング素子Q5、Q6を交互にオン・オフさせて、2次巻線に交流電流を流すことで、1次巻線に交流電流を流す昇圧用の駆動回路44が設けられている。
【0049】
そして、駆動回路44によりスイッチング素子Q5、Q6が駆動されて、トランス32の1次巻線に交流電流が流れると、ブリッジ回路33を構成するスイッチング素子Q1〜Q4の寄生ダイオードにより全波整流されて、高電圧バッテリ2側に出力される。
【0050】
この結果、高電圧バッテリ側の電力供給経路17に設けられたコンデンサ18は、ブリッジ回路33からの出力にて充電されることになる。なお、電力変換部30には、電力供給経路17の電圧を安定化させるための平滑用のコンデンサC1が設けられており、補機バッテリ6は、コンデンサC2にて平滑された直流電圧にて充電される。
【0051】
そして、制御部40は、駆動回路44を介してスイッチング素子Q5、Q6のオン・オフ状態を切り替え、PWM制御することで、電力変換部30を昇圧動作させ、高電圧バッテリ2側のコンデンサ18への充電電圧を制御する。
【0052】
また、チョークコイルL1は、二次コイルを有するトランスにて構成されている。
そして、チョークコイルL1を構成するトランスの二次コイルは、高電圧バッテリ2側の電力供給経路17の負極側から、ダイオードD1及び二次コイルを介して、電力供給経路17の正極側に至る通電経路を形成するのに利用される。
【0053】
これは、昇圧動作時にスイッチング素子Q5又はQ6がターンオフした際にチョークコイルL1に発生する高電圧にて、二次コイルに電流を流し、この電流によってコンデンサ18を充電できるようにするためである。
【0054】
このように、双方向DCDCコンバータ20の制御部40は、ECU10から通信線22を介して入力される補機バッテリ6への充電指令に従い、駆動回路42を介して電力変換部30のスイッチング素子Q1〜Q4を制御し、電力変換部30を降圧動作させる。
【0055】
また、双方向DCDCコンバータ20の制御部40は、ECU10から通信線22を介して入力されるコンデンサ12への充電指令に従い、駆動回路44を介して電力変換部30のスイッチング素子Q5、Q6を制御し、電力変換部30を昇圧動作させる。
【0056】
そして、制御部40が電力変換部30を降圧動作させる降圧制御、及び、電力変換部30を昇圧動作させる昇圧制御、の実行タイミングや実行期間、或いは、充電の目標電圧等は、ECU10からの充電指令によって設定される。
【0057】
ところで、ECU10からの充電指令は、通信線22を介して制御部40に入力されることから、ECU10と制御部40との間の通信に異常が生じると、制御部40は、ECU10からの指令に従い電力変換部30を制御することができなくなる。
【0058】
そして、このように電力変換部30を制御できなくなると、電力変換部30の昇圧動作によってコンデンサ18を充電できず、コンデンサ18の電圧が低下することから、ECU10は、SMR12をオンして、モータ4を駆動させることができなくなる。
【0059】
そこで、双方向DCDCコンバータ20には、コンデンサ18のコンデンサ電圧VH、及び、補機バッテリ6のバッテリ電圧VBTをそれぞれ検出する電圧検出部34、36や、コンデンサ18への充電電流ICを検出する電流検出部38が設けられている。
【0060】
そして、これら各検出部34、36、38からの検出信号は、制御部40に入力され、通信異常発生時には、制御部40自身が、ECU10からの指令を受けることなく、コンデンサ18へ充電する自己プリチャージの実施条件が成立しているか否かを判断する。
【0061】
すなわち、制御部40は、ECU10と同様、CPU、ROM、RAM等を含むマイコンにて構成されており、コンデンサ電圧VHやバッテリ電圧VBT等に基づき、自己プリチャージの実施条件が成立しているか否かを判断する。
【0062】
そして、自己プリチャージの実施条件が成立しているときには、コンデンサ電圧VHに応じて、制御モードを後述の第1モードから第3モードへと順に切り換えつつ、コンデンサ18を目標電圧まで充電する、自己プリチャージを実施する。
【0063】
なお、自己プリチャージの目標電圧としては、正常時と同様、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧を設定すればよいが、自己プリチャージは、ECU10との間で通信ができないときに実施することから、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧を取得できない。
【0064】
そこで、制御部40は、プリチャージ完了後一定時間が経過してコンデンサ電圧VHが安定したときや、ECU10から降圧動作への切り替え要求があったとき、或いは、SMR12がオフされてECU10が動作を停止するときに、コンデンサ電圧VHを取得する。
【0065】
そして、制御部40は、その取得したコンデンサ電圧VHを、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧として、EEPROM、フラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ46に記憶する。なお、メモリ46は、本開示の記憶媒体に相当する。
【0066】
また、制御部40は、プリチャージ完了時のコンデンサ電圧VH、プリチャージの実施状態、双方向DCDCコンバータ20の異常状態、電流制限値等もメモリ46に記憶する。
【0067】
そして、通信異常が発生すると、制御部40は、自己プリチャージの実施条件の判定、及び、実施条件成立後の自己プリチャージを、メモリ46に記憶された情報を用いて実施する。
【0068】
なお、自己プリチャージは、車両のメインスイッチがオフ状態で、ECU10が動作を停止しているときには、実施する必要がない。このため、自己プリチャージの実施条件の判定時に、ECU10が動作しているか否かを制御部40側で確認できるように、ECU10から制御部40には、通信線22とは異なる電源線24を介して、IG電圧が入力される。
【0069】
また、制御部40には、双方向DCDCコンバータ20自身が正常に動作するか否かを確認できるように、電力変換部30に設けられた温度センサから温度Tempが入力される。
【0070】
以下、このように通信異常発生時に自己プリチャージを実施できるようにするために、制御部40において実施される制御処理について、
図3〜
図8に示すフローチャートに沿って説明する。
【0071】
図3は、通信異常発生時に自己プリチャージを実施するのに用いる各種情報をメモリ46に記憶するために、制御部40において実施される必要情報記憶処理を表している。
図3に示すように、必要情報記憶処理では、S110にて、プリチャージ状態完了設定後の経過時間を計測し、続くS120にて、その経過時間が予め設定された設定時間に達したか、或いは、ECU10から、プリチャージ動作(昇圧動作)から降圧動作への切り替え要求があったか否かを判断する。
【0072】
そして、S120にて、プリチャージ状態完了設定後の経過時間が設定時間に達したと判断されるか、或いは、ECU10から降圧動作への切り替え要求があった判断されると、S130に移行する。
【0073】
S130では、電圧検出部34を介してコンデンサ電圧VHを取得し、メモリ46に記憶する。またS130では、直前に実施したプリチャージの実施状態や、双方向DCDCコンバータ20の異常状態、プリチャージ実施時にECU10から指令された充電電流の電流制限値、等も取得し、メモリ46に記憶する。
【0074】
なお、プリチャージの実施状態は、プリチャージを正常に実施できたか否かを表す情報である。また、双方向DCDCコンバータ20の異常状態は、上述した温度センサにて検出される電力変換部30の温度や双方向DCDCコンバータ20各部の電圧、電流等に基づき、制御部40において実施される自己診断の結果から得られる情報である。
【0075】
そして、続くS140では、現在、電圧検出部34にて検出されているコンデンサ電圧VHを、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧として、メモリ46に記憶し、当該必要情報記憶処理を終了する。
【0076】
また、メモリ46には、工場出荷時等に、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧及び電流制限値の初期値が予め記憶され、その後、制御部40が当該必要情報記憶処理を実行することにより、これら各パラメータが更新される。これは、制御部40が初めて起動した直後から通信異常が発生した場合でも、プリチャージを実施できるようにするためである。
【0077】
一方、S120にて、プリチャージ状態完了設定後の経過時間が設定時間に達しておらず、ECU10から降圧動作への切り替え要求もないと判断された場合には、S150に移行する。
【0078】
S150では、コンデンサ電圧VHが、前回SMR12がオフ状態に切り換えられる前に設定した終了電圧よりも低く、かつ、ECU10から停止要求が通知されたか否かを判断する。
【0079】
そして、S150にて、コンデンサ電圧VHが終了電圧よりも低く、ECU10から停止要求が通知されたと判断されると、S140に移行して、コンデンサ電圧VHを高電圧バッテリ2のバッテリ電圧としてメモリ46に記憶し、当該必要情報記憶処理を終了する。
【0080】
また、S150にて、コンデンサ電圧VHは終了電圧以上であると判断されるか、或いは、ECU10から停止要求は通知されていないと判断された場合には、そのまま当該必要情報記憶処理を終了する。
【0081】
なお、終了電圧は、前回SMR12がオフ状態に切り換えられる前のコンデンサ電圧であり、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧と一致する。従って、S150では、ECU10がSMR12をオフ状態に切り換えて動作を停止することを、コンデンサ電圧VHの低下方向への変化とECU10からの停止要求とに基づき検知し、そのときのコンデンサ電圧VHを高電圧バッテリ2のバッテリ電圧として記憶するようにしている。
【0082】
これは、ECU10が動作を停止する車両停止時に、そのときの高電圧バッテリ2のバッテリ電圧を正確に記憶できるようにするためである。
このため、S150では、ECU10からの停止要求に代えて、ECU10から電源線24を介して入力されるIG電圧の電圧低下に基づき、ECU10が動作を停止することを検知するようにしても、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧を記憶させることができる。
【0083】
次に、
図4は、通信異常発生時に自己プリチャージを実施するか否かを判断するか否かを判定するために、制御部40において実施される自己プリチャージ実施判定処理を表している。
【0084】
図4に示すように、自己プリチャージ実施判定処理では、まず210にて、ECU10との間の通信に異常が発生したか否かを判断し、通信異常が発生していなければ、そのまま当該自己プリチャージ実施判定処理を終了する。
【0085】
S210にて、通信異常が発生していると判断されると、S220に移行して、電源線24を介して入力されるIG電圧が、予め設定された第1許可電圧(例えば10V)以上であるか否かを判断する。
【0086】
IG電圧が第1許可電圧よりも低い場合、ECU10は動作を停止しており、SMR12がオン状態に切り換えられることはないので、S220では、自己プリチャージを実施する必要はないと判断し、そのまま当該自己プリチャージ実施判定処理を終了する。
【0087】
一方、S220にて、IG電圧が第1許可電圧以上であると判断された場合には、S230に移行し、電圧検出部36にて検出される補機バッテリ6のバッテリ電圧は、予め設定された第2許可電圧(例えば11V)以上であるか否かを判断する。
【0088】
そして、補機バッテリ6のバッテリ電圧が第2許可電圧よりも低い場合、S230では、補機バッテリ6からの供給電力を利用してコンデンサ18へのプリチャージは実施できないと判断し、そのまま当該自己プリチャージ実施判定処理を終了する。
【0089】
また、S230にて、補機バッテリ6のバッテリ電圧は第2許可電圧以上であると判断された場合には、S240に移行する。S240では、電圧検出部34にて検出されるコンデンサ電圧VHは、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧と同じ第3許可電圧(例えば250V)よりも低いか否かを判断する。
【0090】
そして、コンデンサ電圧VHが第3許可電圧以上である場合には、コンデンサ18へのプリチャージは不要であるので、そのまま当該自己プリチャージ実施判定処理を終了し、コンデンサ電圧VHが第3電圧よりも低い場合には、S250に移行する。
【0091】
なお、第2許可電圧及び第3許可電圧は、本開示の第1電圧及び第2電圧に相当する。
次に、S250では、上述した必要情報記憶処理によりメモリ46に記憶されたプリチャージの実施状態、及び、双方向DCDCコンバータ20の異常状態に基づき、双方向DCDCコンバータ20は正常で、前回のプリチャージは正常に完了したか否かを判断する。
【0092】
S250にて、前回のプリチャージは正常に完了していないと判断されるか、或いは、双方向DCDCコンバータ20は異常状態であると判断された場合には、自己プリチャージを正常に実施できないので、そのまま当該自己プリチャージ実施判定処理を終了する。
【0093】
次に、S250にて、前回のプリチャージは正常に完了しており、かつ、双方向DCDCコンバータ20は正常であると判断された場合には、S260に移行する。
そして、S260では、上記S210〜S250の一連の処理が実行されて、当該S260の処理が最初に実行されてから、所定の判定時間が経過したか否かを判断し、所定の判定時間が経過していなければ、再度S210に移行する。
【0094】
一方、S210〜250の一連の処理が所定の判定時間の間繰り返し実行されて、S260にて、判定時間が経過したと判断されると、S270に移行する。
そして、S270では、自己プリチャージの実施を許可し、自己プリチャージでの電圧到達通知状態を「未到達」に設定し、プリチャージの再実施状態を「未実施」に設定し、当該自己プリチャージ実施判定処理を終了する。
【0095】
なお、S260にて、判定時間が経過するのを待機するのは、S210〜S250の一連の処理にて、自己プリチャージの実施条件が成立していることを正確に判断するためである。つまり、S260の判定処理によって、ノイズ等の影響により、プリチャージの実施条件が成立したと誤判定されるのを抑制している。
【0096】
次に、
図5は、プリチャージ実施判定処理により、自己プリチャージの実施が許可されているときに、制御部40において実行される、自己プリチャージ実施処理を表している。
【0097】
図5に示すように、自己プリチャージ実施処理では、まずS310にて、コンデンサ電圧VHに基づき、自己プリチャージの制御モードを第1〜第3モードの何れかに設定する、制御モード判定処理を実行する。
【0098】
なお、第1〜第3モードは、コンデンサ電圧VHの領域を低・中・高の3つの領域に分けて、領域毎に制御モードを設定したものであり、低電圧領域では第1モードが設定され、中電圧領域では第2モードが設定され、高電圧領域では第3モードが設定される。
【0099】
そして、続くS320では、S310の制御モード判定処理にて設定された制御モードに応じて、駆動回路44に制御信号を出力することで、電力変換部30を昇圧動作させる、プリチャージ制御処理を実行し、S330に移行する。
【0100】
S320のプリチャージ制御処理は、本開示の昇圧制御を実施する実施する処理であり、駆動回路44に制御信号を出力することで、電力変換部30内のスイッチング素子Q5、Q6を所定デューティ比のPWM信号にて交互にオンさせる。
【0101】
次に、S330では、プリチャージ制御処理でコンデンサ電圧VHが目標電圧に到達することにより、電圧到達通知状態が「到達」に設定されているか否かを判断する。そして、電圧到達通知状態が「到達」であればS340に移行し、「未到達」であれば、S310に移行する。
【0102】
S340では、S320でのプリチャージ制御処理によって、コンデンサ18を正常にプリチャージでき、ECU10によりSMR12がオンされたか否かを判定する、自己プリチャージ状態判定処理を実行する。
【0103】
また、続くS350では、自己プリチャージ状態判定処理の判定結果に基づき、自己プリチャージ状態が「完了」に設定されたか否かを判定し、自己プリチャージ状態が「完了」に設定されていれば、S360に移行する。
【0104】
そして、S360では、電力変換部30に対する動作指示を降圧動作に切り替えて、降圧制御を開始し、当該自己プリチャージ実施処理を終了する。なお、この降圧制御では、通信異常に伴うフェールセーフ時の目標電圧を設定して、補機バッテリ6がその目標電圧となるように、電力変換部30を降圧動作させる。
【0105】
また、S350にて、自己プリチャージ状態は「完了」ではないと判断された場合には、S310に移行して、自己プリチャージを再度実施する。
次に、S310にて実行される制御モード判定処理について説明する。
【0106】
図6に示すように、制御モード判定処理においては、まずS410にて、電圧検出部34にて検出されたコンデンサ電圧VHが、0Vからモード判定電圧Vmode2 までの電圧範囲「0≦VH<Vmode2 」内にあるか否かを判断する。
【0107】
なお、モード判定電圧Vmode2 は、第1モードの低電圧領域と第2モードの中電圧領域との境界を特定する電圧値であり、例えば、
図9に示すマップを用いて設定される。つまり、モード判定電圧Vmode2 は、電圧検出部36にて検出される補機バッテリ6のバッテリ電圧に基づき、そのバッテリ電圧が低いほどが低くなるように設定される。
【0108】
このため、自己プリチャージの実施によってコンデンサ電圧VHが上昇しているときには、バッテリ電圧が低いほど、第1モードから第2モードに移行し易くなる。
S410で、コンデンサ電圧VHが「0≦VH<Vmode2 」の電圧範囲内にあると判断されると、S420に移行して、自己プリチャージの電流指令として、第1モード電流指令値(例えば10A)を設定する。そして、続くS430にて、制御モードを第1モードに設定し、当該制御モード判定処理を終了する。
【0109】
一方、S410で、コンデンサ電圧VHが「0≦VH<Vmode2 」の電圧範囲内にないと判断されると、S440に移行する。
そして、S440では、コンデンサ電圧VHが、モード判定電圧Vmode2 から第2モードの上限電圧Vmax までの電圧範囲「Vmode2 ≦VH<Vmax 」内にあり、かつ、自己プリチャージ状態が「初回」であるか否かを判断する。
【0110】
なお、上限電圧Vmax は、現在の補機バッテリ6のバッテリ電圧と、電力変換部30のトランス32の巻き数比とに基づき設定される、昇圧可能な最大電圧値である。
S440にて、コンデンサ電圧VHが電圧範囲「Vmode2 ≦VH<Vmax 」内にあり、自己プリチャージ状態が初回であると判断されると、S450に移行して、自己プリチャージの電流指令として、第2モード電流指令値を設定する。そして、続くS460にて、制御モードを第2モードに設定し、当該制御モード判定処理を終了する。
【0111】
なお、第2モード電流指令値には、S130の処理にてメモリ46に記憶された電流制限値が利用される。但し、第2モード電流指令値は、予め設定された固定値(例えば20A)であってもよい。
【0112】
次に、S440にて、コンデンサ電圧VHが電圧範囲「Vmode2 ≦VH<Vmax 」内にない、或いは、自己プリチャージ状態が「初回」ではないと判断されると、S470に移行し、現在の自己プリチャージ状態が「初回」であるか否かを判断する。
【0113】
なお、自己プリチャージ状態は、S320のプルチャージ制御処理にて自己プリチャージを開始したときに「初回」に設定され、S340の自己プリチャージ状態判定処理にて自己プリチャージを再開する必要があると判断されたときに「再開」に設定される。
【0114】
S470にて、自己プリチャージ状態が「初回」であると判断されると、S480に移行して、自己プリチャージの電圧指令として、第3モード電圧指令値を設定する。そして、続くS490にて、制御モードを第3モードに設定し、当該制御モード判定処理を終了する。
【0115】
なお、第3モード電圧指令値には、S130の処理にてメモリ46に記憶されたコンデンサ電圧VHと、S140の処理にてメモリ46に記憶された高電圧バッテリ2のバッテリ電圧のうち、低い方の電圧が設定される。これは、自己プリチャージの目標電圧となる第3モード電圧指令値に、現在の高電圧バッテリ2のバッテリ電圧により近い電圧値を設定するためである。
【0116】
次に、S470にて、自己プリチャージ状態が「初回」ではないと判断されると、S500に移行して、自己プリチャージ状態は「再開」であるか否かを判断する。
そして、自己プリチャージ状態が「再開」であれば、S510に移行する。また、自己プリチャージ状態が「再開」でなければ、換言すれば自己プリチャージ状態が「未実施」であれば、そのまま当該制御モード判定処理を終了する。
【0117】
S510では、電圧指令として設定されている前回の電圧指令値を補正し、補正後の電圧指令値を設定して、S490に移行する。
なお、S510での、前回の電圧指令値の補正は、前回自己プリチャージを実施して、コンデンサ電圧VHが電圧指令値である目標電圧に到達してから、所定時間経過後にコンデンサ電圧VHが低下したときの低下電圧に基づき行われる。
【0118】
具体的には、S510では、前回の電圧指令値に対し、低下電圧を所定値N(例えば4)で除算した補正値を加算することで、前回の電圧指令値を補正し、補正後の電圧指令値を、自己プリチャージ再開後の電圧指令として設定する。
【0119】
次に、S320にて実行されるプリチャージ制御処理について説明する。
図7に示すように、プリチャージ制御処理においては、まずS610にて、制御モードは、第1モードであるか否かを判断し、制御モードが第1モードであれば、S620に移行する。
【0120】
S620では、電流検出部38にて検出されるコンデンサ18への充電電流が、S420にて設定した電流指令値に対応した一定電流になるよう、駆動回路44を介して充電電流を制御する電流固定制御を実施し、S700に移行する。
【0121】
次に、S610にて、制御モードは第1モードではないと判断されると、S630に移行して、制御モードは第2モードであるか否かを判断し、制御モードが第2モードであれば、S640に移行する。
【0122】
S640では、コンデンサ18への充電電流を制御するための電流指令値を、現在の電流指令値から、S450にて設定した第2モードでの電流指令値まで一定の傾き(例えば、1A/ms)で徐々に増加させる指令徐変処理を行う。そして、続くS650では、S640にて更新される電流指令値に従い、駆動回路44を介して充電電流を制御する電流指令制御を実施し、S700に移行する。
【0123】
また、S630にて、制御モードは第2モードではないと判断されると、つまり、制御モードが第3モードであれば、S660に移行して、制御モードは第3モードで、かつ、自己プリチャージ状態は「再開」であるか否かを判断する。
【0124】
そして、S630にて、制御モードが第3モードで、自己プリチャージ状態は「再開」ではないと判断されると、S670に移行し、S630にて、制御モードが第3モードで、自己プリチャージ状態は「再開」であると判断されると、S690に移行する。
【0125】
S670では、自己プリチャージの目標電圧を、現在のコンデンサ電圧VHからS480で設定した電圧指令値まで一定の傾き(例えば10V/ms)で徐々に増加させる指令徐変処理を実行し、S680に移行する。
【0126】
また、S690では、自己プリチャージの目標電圧を、前回の電流指令値から補正後の電流指令値へと、S670での傾きよりも小さい一定の傾き(例えば5V/ms)で徐々に増加させる指令徐変処理を実行し、S680に移行する。なお、この処理により、自己プリチャージの再開時には、コンデンサ電圧VHが初回よりもゆっくりと増加することになる。
【0127】
そして、S680では、S670又はS690にて設定される電圧指令値に従い、駆動回路44を介して電電差電圧VHを電圧指令値に制御する電圧指令制御を実施し、S700に移行する。
【0128】
S700では、コンデンサ電圧VHは、S480又はS510にて設定された第3モードでの現在の電圧指令値に対応した目標電圧に到達したか否かを判断し、コンデンサ電圧VHは目標電圧に到達していなければ、S720に移行する。
【0129】
そして、S720では、自己プリチャージ状態は「初回」に設定されているか否かを判断し、自己プリチャージ状態が「初回」に設定されていなければ、S730に移行して、自己プリチャージ状態を「初回」に設定し、当該プリチャージ制御処理を終了する。また、S720にて、自己プリチャージ状態は「初回」に設定されていないと判断されると、そのまま当該プリチャージ制御処理を終了する。
【0130】
また、S700にて、コンデンサ電圧VHは、目標電圧に到達したと判断されると、S710に移行して、電圧到達通知状態を「到達」に設定し、コンデンサ18への充電を停止した後、当該プリチャージ制御処理を終了する。
【0131】
次に、S340にて実行される自己プリチャージ状態判定処理について説明する。
図8に示すように、自己プリチャージ状態判定処理においては、S810にて、上述したS710にて、電圧到達通知状態が「到達」に設定された後の経過時間を計測し、S820にて、その計測した経過時間が、予め設定された判定時間(例えば、10ms)に達したか否かを判断する。
【0132】
そして、経過時間が判定時間に達していなければ、S810に移行し、経過時間が判定時間に達していれば、S830に移行する。
S830では、判定時間経過後の現在のコンデンサ電圧VHが、自己プリチャージの目標電圧である現在の電圧指令値から予め設定された低下判定電圧(例えば20V)を減じた電圧値以下になったか否かを判断する。
【0133】
つまり、S830では、自己プリチャージによりコンデンサ電圧VHが目標電圧に到達して、コンデンサ18への充電を停止した後、判定時間が経過する迄の間に、コンデンサ電圧VHが低下判定電圧以上低下したか否かを判断する。
【0134】
そして、S830にて、コンデンサ電圧VHは低下判定電圧以上低下していないと判断されると、コンデンサ18への充電は完了したと判断して、S840に移行し、自己プリチャージ状態を「完了」に設定して、当該自己プリチャージ状態判定処理を終了する。
【0135】
一方、S830にて、コンデンサ電圧VHは低下判定電圧以上低下していると判断されると、コンデンサ18への充電を再開する必要があると判断して、S840に移行し、自己プリチャージ状態を「再開」に設定し、当該自己プリチャージ状態判定処理を終了する。
【0136】
以上説明したように、本実施形態では、双方向DCDCコンバータ20の制御部40が自己プリチャージ実施判定処理を実行する。
この自己プリチャージ実施判定処理では、
図10に示すように、ECU10との通信異常が発生したときに(時点t1)、自己プリチャージの実施条件が成立しているか否かを判定する。
【0137】
自己プリチャージの実施条件は、ECU10から供給されるIG電圧、補機バッテリ6のバッテリ電圧、コンデンサ電圧VH、過去のプリチャージ実施結果や双方向DCDCコンバータ20の状態等に基づき判定される。
【0138】
また、制御部40は、通信異常が発生していない正常時に、プリチャージ実施後や、昇圧制御から降圧動作への切り替え時、或いは、ECU10の動作停止時、等に、自己プリチャージを実施するのに必要なコンデンサ電圧や電流制限値等をメモリ46に記憶する。
【0139】
そして、制御部40は、自己プリチャージの実施条件が成立したと判定すると(時点t2)、メモリ46に記憶されているコンデンサ電圧や電流制限値等に基づき、自己プリチャージを実施する。
【0140】
このため、本実施形態の双方向DCDCコンバータ20によれば、通信線22の断線等、何等かの原因でECU10との通信に異常が生じ、ECU10からの指令を受信できなくなった場合であっても、電力変換部30を昇圧動作させることができる。
【0141】
また、この昇圧動作、つまり自己プリチャージでは、目標電圧は、
図10に点線矢印で示すように、メモリ46に記憶されているプリチャージ実施後のコンデンサ電圧VH及び高電圧バッテリ2のバッテリ電圧に基づき設定される。
【0142】
従って、自己プリチャージにより、コンデンサ18を高電圧バッテリ2のバッテリ電圧近傍の電圧値まで充電させて、ECU10がMSR12をオンさせた際に流れる突入電流を低減することができる。
【0143】
またECU10は、双方向DCDCコンバータ20との通信異常が発生しても、上記自己プリチャージによってコンデンサ電圧VHが高電圧バッテリ2と略同じ電圧になったことを確認して、MSR12をオンさせることができる。
【0144】
よって、本実施形態の双方向DCDCコンバータ20によれば、ECU10との通信異常が発生しても、ECU10にMSR12をオンさせ、モータ4を駆動させることができるようになる。
【0145】
また制御部40は、通信異常発生時に、自己プリチャージを実施する際、コンデンサ電圧VHに基づき、制御モードを第1モードから第3モードの何れかに設定する。
そして、コンデンサ電圧VHがモード判定電圧Vmode2 よりも低いときに設定される第1モードでは、コンデンサへの充電を予め設定された一定電流で行う電流固定制御を実施する。
【0146】
また、コンデンサ電圧VHがモード判定電圧Vmode2 以上となる第2モードでは、メモリ46に記憶されている電流制限値まで充電電流を徐々に上昇させる、電流指令制御を実施する。このため、第2モードでは、充電電流を徐々に増加させて、第1モードに比べて、コンデンサ18をより早く充電させることができる。
【0147】
また、第2モードの電流指令制御でコンデンサ電圧VHが上限電圧Vmax に達すると、第3モードに切り換えられて、コンデンサ18への充電電圧を第3モードでの目標電圧まで徐々に上昇させる電圧指令制御を実施する。
【0148】
また、この電圧指令制御にてコンデンサ電圧VHが目標電圧である電圧指令値に達すると(時点t3)、コンデンサ18への充電を一旦停止し、その後、所定の判定時間(10ms)の間に低下するコンデンサ電圧VHを監視する。
【0149】
そして、コンデンサ電圧VHの低下電圧が低下判定電圧以上になると(時点t4)、コンデンサ電圧VHの低下電圧に基づき、低下電圧の1/Nを電圧補正量として求め、この電圧補正量を目標電圧である電圧指令値に加算して、電圧指令制御を再実施する。
【0150】
この電圧指令制御の再実施は、
図10に示すように、時点t4以降、コンデンサ電圧VHが電圧指令値に到達し、その後、判定時間内に、コンデンサ電圧VHが低下判定電圧以上低下する度に実施される。
【0151】
そして、電圧指令制御の実施後、コンデンサ電圧VHが低下しなくなると(時点t5)、自己プリチャージを完了し、降圧制御に移行する。
従って、本実施形態の双方向DCDCコンバータ20によれば、コンデンサ電圧VHを、高電圧バッテリ2のバッテリ電圧近傍まで充電できるだけでなく、電圧指令制御の再実施により、コンデンサ18への充電をゆっくりと安全に制御することができるようになる。
【0152】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、
図10に示した自己プリチャージの目標電圧や目標電流は、正常時にメモリ46に記憶したコンデンサ電圧やバッテリ電圧、或いは、電流制限値に基づき設定するものとして説明した。
【0153】
しかし、自己プリチャージの目標電圧や目標電流は、必ずしも正常時に取得した検出値に基づき設定する必要はなく、予め自己プリチャージ用として設定された設定値を用いるようにしても、自己プリチャージは実施できる。
【0154】
また、例えば、上記実施形態では、自己プリチャージの制御モードを第1モードから第3モードに分けて、コンデンサ電圧VHに応じて、電流固定制御、電流指令制御、電圧指令制御を行い、電圧指令制御については、コンデンサ電圧VHの低下に伴い再開するものとして説明した。
【0155】
しかし、通信異常発生時に実施する自己プリチャージは、必ずしも、上記実施形態の手順で実施する必要はなく、例えば、電流指令制御と電圧指令制御とを実施するだけでもよい。
【0156】
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。