特許第6981276号(P6981276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981276
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】負荷分散システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20211202BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   G06F9/50 150A
   G06F1/26
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-11128(P2018-11128)
(22)【出願日】2018年1月26日
(65)【公開番号】特開2019-128864(P2019-128864A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 智博
【審査官】 田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−2929(JP,A)
【文献】 特開2012−128673(JP,A)
【文献】 特開2010−68636(JP,A)
【文献】 特開2000−245076(JP,A)
【文献】 特開2009−60758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/50
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーバ装置と、前記複数のサーバ装置に処理を分散させる負荷分散装置と、を有する負荷分散システムであって、
前記複数のサーバ装置の各々は、
前記負荷分散装置により分散された処理を実行する処理部と、
前記処理部に電力を供給する複数の電源モジュールと、
前記複数の電源モジュールの状態を監視し、前記複数の電源モジュールから供給可能な最大電力を示す最大電力情報を前記負荷分散装置に通知する電源監視部と、
を有し、
前記負荷分散装置は、前記複数のサーバ装置の前記最大電力情報に基づいて、前記複数のサーバ装置への処理の分散を行い、
前記複数のサーバ装置の各々は、前記負荷分散装置により分散された処理の処理負荷に応じて、前記複数の電源モジュールの各々を稼働又は停止させる、
ことを特徴とする負荷分散システム。
【請求項2】
前記複数のサーバ装置は、前記複数の電源モジュールから供給可能な最大電力が減少した場合には、減少した前記最大電力を示す新たな最大電力情報を前記負荷分散装置に通知し、
前記負荷分散装置は、前記新たな最大電力情報を通知したサーバ装置における電力使用量が減少した前記最大電力を超えないように、当該サーバ装置に分散させる処理の処理負荷を低減する、
ことを特徴とする請求項1に記載の負荷分散システム。
【請求項3】
前記複数のサーバ装置の各々は、バッテリ部を有し、
前記バッテリ部は、前記複数の電源モジュールのうち稼働中の電源モジュール又は当該電源モジュールに接続された電源系統のいずれかに障害が発生した場合、前記障害の発生により不足した分の電力を前記処理部に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の負荷分散システム。
【請求項4】
前記複数のサーバ装置は、前記障害が発生した場合において、前記複数の電源モジュールのうち停止中の電源モジュールがある場合には、当該停止中の電源モジュールを稼働させ、
前記バッテリ部は、前記停止中の電源モジュールの稼働に応じて電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項3に記載の負荷分散システム。
【請求項5】
前記複数のサーバ装置の前記電源監視部は、前記障害が発生した場合において、前記障害が発生した電源モジュール及び障害が発生した電源系統に接続された電源モジュールを除く他の全ての電源モジュールが稼働中である場合には、当該他の全ての電源モジュールから供給可能な最大電力を示す新たな最大電力情報を前記負荷分散装置に通知し、
前記負荷分散装置は、前記新たな最大電力情報に基づいて、前記障害が発生したサーバ装置に分散させる処理の処理負荷を低減し、
前記障害が発生したサーバ装置の前記バッテリ部は、前記処理負荷の低減に応じて電力の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の負荷分散システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサーバ装置で処理の負荷を分散して実行する負荷分散システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ等の装置に複数の電源モジュールを設け、電源供給に何らかの障害が発生した場合に備えて、冗長系の電力供給を行うシステムが知られている。例えば、複数の電源モジュール及び冗長系の電力供給系統を有する電力供給装置を効率よく動作させるため、負荷に対して冗長状態で電源モジュールを駆動するとともに、負荷条件に応じて不要な電源モジュールをオフにする制御を行う電力供給装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、複数のサーバからなるクラスタ構成を有し、処理の負荷を複数のサーバ装置で分散して実行する負荷分散システムが知られている(例えば、特許文献2)。これらを組み合わせたシステム、すなわち電源モジュールを複数搭載し電源供給の冗長系を確保したサーバ機器を複数台設置し、各サーバ機器で処理を分散してサービスを提供する負荷分散システムでは、サーバ機器の電源モジュール又は電源モジュールへの電力供給系統に異常が発生した場合、正常稼働中の電源モジュール及び電力供給系統のみを用いてサーバ機器への電力供給を行い、システムを継続して稼働させることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−204240号公報
【特許文献2】特開2010−86145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば最大消費電力を1台で供給することが可能な電源モジュールをサーバ機器に複数搭載した場合、サーバ機器への処理負荷が低い状況では電源モジュールの電力変換効率が低下し、処理性能に対する電力消費が増大するという問題があった。
【0006】
これに対し、複数の電源モジュールで分担してサーバ機器に電力を供給するように構成した場合、サーバ機器への処理負荷に応じて電源モジュールの稼働数を増減させることで、処理性能に対する電力消費を低減させることが可能である。しかし、複数の電源モジュール又は複数の電力供給系統に異常が発生し、サーバ機器が使用する最大消費電力を供給できなくなった場合、異常が発生していない電源モジュールから電力を供給できる場合でも、サーバ機器の動作が直ちに停止し対象のサーバ機器が処理中の結果も失われる。このため、複数のサーバ機器を使用したシステムにおいても、処理に影響が発生する場合があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、消費電力の増大を抑えつつ、供給可能電力が減少した場合にも継続して各サーバ装置に処理を実行させることが可能な負荷分散システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る負荷分散システムは、複数のサーバ装置と、前記複数のサーバ装置に処理を分散させる負荷分散装置と、を有する負荷分散システムであって、前記複数のサーバ装置の各々は、前記負荷分散装置により分散された処理を実行する処理部と、前記処理部に電力を供給する複数の電源モジュールと、前記複数の電源モジュールの状態を監視し、前記複数の電源モジュールから供給可能な最大電力を示す最大電力情報を前記負荷分散装置に通知する電源監視部と、を有し、前記負荷分散装置は、前記複数のサーバ装置の前記最大電力情報に基づいて、前記複数のサーバ装置への処理の分散を行い、前記複数のサーバ装置の各々は、前記負荷分散装置により分散された処理の処理負荷に応じて、前記複数の電源モジュールの各々を稼働又は停止させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る負荷分散システムによれば、消費電力の増大を抑えつつ、電源モジュールの故障等により各サーバ装置における供給可能電力が減少した場合にも、継続して各サーバ装置に処理を実行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例の負荷分散システムの構成を示すブロック図である。
図2】各サーバ装置の電力状態を管理する管理テーブルを模式的に示す図である。
図3】本実施例の負荷分散システムの動作を示すフローチャートである。
図4】本実施例の負荷分散システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0012】
図1は、本実施例の負荷分散システム100の構成を示すブロック図である。負荷分散システム100は、上位装置10、負荷分散装置20及びサーバ装置群30から構成されている。サーバ装置群30は、M個(M;2以上の整数)のサーバ装置(第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−M)を含む。
【0013】
上位装置10は、所定の処理の実行を要求する処理要求を負荷分散装置20に供給する。また、上位装置10は、サーバ装置群30で実行された処理の処理結果を負荷分散装置20から受領する。
【0014】
負荷分散装置20は、上位装置10から供給された処理要求を第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mに分散して配信する負荷分散部21と、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mの電力状態を監視するサーバ電力監視部22と、を有する。
【0015】
負荷分散部21は、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mの各々(以下、各サーバ装置と称する)において電源モジュールから供給可能な最大電力を示す最大電力情報に基づいて、各サーバ装置で処理可能な最大処理量を算出する。そして、負荷分散部21は、算出した各サーバ装置の最大処理量に基づいて、上位装置10からの処理要求に基づく処理を各サーバ装置に分散させて(すなわち、処理負荷を分散させて)配信する。
【0016】
また、負荷分散部21は、各サーバ装置において電源モジュールや電源系統に障害が発生した等の理由により各サーバ装置の供給可能な最大電力が減少した場合には、各サーバ装置における電力使用量が減少した最大電力を超えないように、そのサーバ装置に分散させる処理の処理負荷を低減(軽減)する。
【0017】
サーバ電力監視部22は、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mから各サーバ装置において供給可能(すなわち、処理に使用可能)な最大電力の状態を示す最大電力情報を受信し、各サーバ装置の電力を監視する。例えば、サーバ電力監視部22は、各サーバ装置から受信した最大電力情報に基づく情報を管理テーブルMTに格納し、各サーバ装置において供給可能な電力の管理を行う。
【0018】
図2は、管理テーブルMTに格納される情報の例を模式的に示す図である。管理テーブルMTには、各サーバ装置から受信した最大電力情報に基づいて、例えば各サーバ装置における全電源モジュール及びこれらに接続された電源系統に何も障害がないと仮定した場合の最大電力量に対する現在供給可能な最大電力量の割合(例えば、100%、80%等)を表す情報が最大電力状態として格納される。
【0019】
再び図1を参照すると、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mは、サービス処理部31、負荷監視部32、電源監視部33及びバッテリ部35を含む。また、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mは、N個(N;2以上の整数)の電源モジュール(第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−N)を含む。
【0020】
サービス処理部31は、負荷分散装置20により配信された処理を実行する。サービス処理部31は、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−N又はバッテリ部35から供給された電力に基づいて、処理を実行する。
【0021】
負荷監視部32は、サービス処理部31の処理負荷の状況を監視し、電源監視部33に定期的に通知する。
【0022】
電源監視部33は、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nの状態を監視して全電源モジュールから供給可能な最大電力を算出し、最大電力情報として負荷分散装置20に通知する。第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nやこれらに接続された電源系統に障害が発生し、供給可能な最大電力が減少した場合には、電源監視部33は、減少した新たな最大電力の情報を、最大電力情報として負荷分散装置20に通知する。
【0023】
また、電源監視部33は、負荷監視部32から通知されたサービス処理部31の処理負荷の状況に基づいて必要となる電力量を算出し、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nの各々(以下、各電源モジュールと称する)の電力変換効率が最大となるように、各電源モジュールを稼働又は停止させる。また、電源監視部33は、バッテリ部35の充電を行う。
【0024】
第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nは、夫々が異なる電源系統に接続されている。例えば、第1サーバ装置30−1の第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nは、電源系統1−1〜1−Nに接続されている。第Mサーバ装置30−Mの第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nは、電源系統M−1〜M−Nに接続されている。第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nは、接続された電源系統から供給された電力に対して電力変換を行い、サービス処理部31、負荷監視部32及び電源監視部33に電力を供給する。
【0025】
バッテリ部35は、電源監視部33の制御に応じて、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nにより充電される。バッテリ部35は、例えば第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nやこれらに接続された電源系統に障害が発生した場合に、電源監視部33の制御に応じて不足分の電力をサービス処理部31に供給する。
【0026】
次に、本実施例の負荷分散システム100の動作について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mのうちの1つを単に「サーバ装置」とも称する。
【0027】
サーバ装置の負荷監視部32は、サービス処理部31の処理負荷の状況を監視し、電源監視部33に定期的に通知する。電源監視部33は、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nの動作状態を監視し、供給可能な最大電力の状態を示す最大電力情報を負荷分散装置20に通知する(STEP101)。
【0028】
負荷分散装置20のサーバ電力監視部22は、各サーバ装置から通知された最大電力情報を管理する。負荷分散部21は、最大電力情報に基づいて、各サーバ装置で処理可能な最大処理量を算出する(STEP102)。
【0029】
負荷分散部21は、上位装置10からの処理要求に応じた処理を分散させて第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mに配信する(STEP103)。
【0030】
各サーバ装置のサービス処理部31は、配信された処理を実行する(STEP104)。負荷監視部32は、サービス処理部31の処理負荷の状況を監視し、電源監視部33に通知する。電源監視部33は、通知された処理負荷の状況に基づいて、必要となる電力量を算出する(STEP105)。
【0031】
電源監視部33は、算出した電力量に基づいて、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nの夫々の電力変換効率が最大となるように、各電源モジュールを稼働/停止させる(STEP106)。また、電源監視部33は各電源モジュールを制御し、バッテリ部35の充電を行う(STEP107)。
【0032】
電源監視部33は、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−N又はこれらに接続された電源系統(例えば、電源系統1−1〜1−N)のいずれかに障害が発生したか否かを判定する(STEP108)。障害が発生していないと判定された場合(STEP108:No)、STEP104に戻り、サーバ装置の各部は従前の動作を継続する。
【0033】
一方、第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−N又はこれらに接続された電源系統のいずれかに障害が発生したと判定された場合(STEP108:Yes)、それ以外の全電源モジュール(すなわち、障害が発生している電源モジュール又は障害が発生している電源系統に接続された電源モジュール以外の全ての電源モジュール)が稼働中か否か(STEP109)によってその後のステップが異なる。
【0034】
全電源モジュールが稼働中ではない場合(STEP109:No)、電源監視部33は、停止中の電源モジュールに稼働指示を行う(STEP110)。また、電源監視部33は、バッテリ部35からの電源供給を開始する(STEP111)。
【0035】
電源監視部33は、停止していた電源モジュールが稼働したか否かを判定する(STEP112)。停止していた電源モジュールがまだ稼働していない場合(STEP112:No)、電源監視部33は、バッテリ部35からの電源供給を継続させる。停止していた電源モジュールが稼働すると(STEP112:Yes)、電源監視部33は、バッテリ部35からの電源供給を停止させる(STEP113)。
【0036】
一方、STEP109において、全電源モジュールが稼働中である場合(STEP109:Yes)、負荷分散システム100の動作は図4のフローチャートに示す処理ステップへと移行する。
【0037】
サーバ装置の電源監視部33は、障害の発生により供給が不足する電力分についてバッテリ部35からの電力供給を実行する(STEP201)。
【0038】
電源監視部33は、障害が発生していない電源モジュール(電源系統に障害が発生している場合は、障害が発生している電源系統以外の電源系統に接続された電源モジュール)から供給可能な最大電力を算出し、新たな最大電力情報として負荷分散装置20に通知する(STEP202)。
【0039】
電源監視部33は、バッテリ部35からの電力供給の開始後、バッテリ部35のバッテリ残量が有るかどうか(すなわち、バッテリ部35から電力供給ができるか否か)を継続的に判定する(STEP203)。バッテリ残量がなくなった場合(STEP203:No)、電源監視部33は、配信された処理が実行できないことを負荷分散装置20に通知し(STEP204)、処理を終了する。
【0040】
バッテリ残量が有る場合(STEP203:Yes)、サーバ装置は、バッテリ部35からの電力供給を継続しつつ、負荷分散装置20により処理負荷が低減されるのを待つ。
【0041】
負荷分散装置20のサーバ電力監視部22は、サーバ装置から供給された新たな最大電力情報に基づいて、管理テーブルMTを更新する。負荷分散部21は、新たな最大電力情報に基づいて新たに処理の配信を行い、各サーバ装置における電力使用量が最大電力を超えないように、電源モジュール又は電源系統に障害が発生したサーバ装置に対する処理負荷を低減(軽減)する(STEP205)。
【0042】
サーバ装置のサービス処理部31は、処理負荷が低減された処理を実行する。負荷監視部32は、サービス処理部31の処理負荷の状況を監視し、電源監視部33に通知する。電源監視部33は、処理負荷の低減により、障害が発生していない電源モジュールから供給可能な電力によってサービス処理部31での処理に必要な電力が確保されたか否かを判定する(STEP206)。
【0043】
必要な電力が確保されていないと判定した場合(STEP206:No)、バッテリ部35からの電力供給を継続し、STEP201〜STEP205の処理を繰り返す。一方、必要な電力が確保されたと判定すると(STEP206:Yes)、電源監視部33は、バッテリ部35からの電力供給を停止する(STEP207)。
【0044】
以上のように、本実施例の負荷分散システム100では、負荷分散装置20が第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mの供給可能な最大電力を示す最大電力情報を取得し、取得した最大電力情報に基づいて各サーバ装置に処理を分散して配信する。各サーバ装置の電源監視部33は、サービス処理部31の処理負荷状況に基づいて必要となる電力使用量を算出し、電力変換効率が最大となるように第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−Nを稼働又は停止させる。
【0045】
かかる構成によれば、各サーバ装置は必要となる電力使用量に応じて電源モジュールを稼働/停止させることにより、処理負荷の大小にかかわらず電力変換効率を高い状態に維持することができる。また、電源モジュールを停止させることにより、負荷分散システム全体としての消費電力を削減することができる。
【0046】
また、本実施例の負荷分散システム100では、サーバ装置のいずれかに電源モジュールや電源系統における障害の発生等、供給可能電力の減少が生じた場合、当該サーバ装置はバッテリからの電力供給を行いつつ、減少した供給可能電力の情報を新たな最大電力情報として負荷分散装置に通知する。負荷分散装置は、減少した供給可能電力のもとで処理が可能となるように、当該サーバ装置の処理負荷を低減する。
【0047】
かかる構成によれば、各サーバ装置は、電源モジュールからの供給可能電力の減少が生じた場合にも、電力供給の不足のために動作を停止することなく、継続して処理を実行することが可能となる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、第1サーバ装置30−1〜第Mサーバ装置30−Mがいずれも同じ数の電源モジュール(第1電源モジュール34−1〜第N電源モジュール34−1)を有する場合について説明した。しかし、電源モジュールの数はサーバ装置毎に異なっていても良い。また、電源モジュールにより供給可能な最大電力はサーバ装置毎に夫々異なっていても良い。
【0049】
また、上記実施例では、負荷分散装置20のサーバ電力監視部22が、全電源モジュール及びこれらに接続された電源系統に何も障害がないと仮定した場合の最大電力量に対する現在供給可能な最大電力量の割合を最大電力状態とし、管理テーブルMTに格納して管理する場合について説明した。しかし、これとは異なり、例えば供給可能な最大電力量の具体的な値をそのまま管理テーブルMTに格納して管理する構成としても良い。
【符号の説明】
【0050】
100 負荷分散システム
10 上位装置
20 負荷分散装置
21 負荷分散部
22 サーバ電力監視部
30 サーバ装置群
30−1〜30−M サーバ装置
31 サービス処理部
32 負荷監視部
33 電源監視部
34−1〜34−M 電源モジュール
35 バッテリ部
図1
図2
図3
図4