特許第6981369号(P6981369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981369
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】蓄電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20211202BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   H02J3/32
   H02J7/00 302C
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-108310(P2018-108310)
(22)【出願日】2018年6月6日
(65)【公開番号】特開2019-213361(P2019-213361A)
(43)【公開日】2019年12月12日
【審査請求日】2020年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(72)【発明者】
【氏名】秋田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】綾井 直樹
【審査官】 原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/056503(WO,A1)
【文献】 特開2013−62951(JP,A)
【文献】 特開2014−42415(JP,A)
【文献】 特開2014−207790(JP,A)
【文献】 特開2017−11869(JP,A)
【文献】 特開2012−205490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1蓄電池を有し、電力系統に接続された第1ユニットと、
第2蓄電池を有し、前記第1ユニットと並列に前記電力系統に接続された第2ユニットと、
前記電力系統から供給される電流を検出するセンサと、
制御部とを含み、
前記第1ユニットは、前記センサの検出値に基づき、逆潮流が発生しないように前記第1蓄電池の第1充放電指令値を決定し、
前記制御部は、前記第1充放電指令値と、前記第2ユニットに設定されている前記第2蓄電池の充放電指令値である第2指令値とを加算して得られた合計値を分割して、前記第1ユニット用の充放電指令値である第1指令値及び前記第2ユニット用の充放電指令値である第2指令値を新たに決定し、
前記第1ユニットは、新たに決定された前記第1指令値で前記第1蓄電池の充放電指令値を更新し、
前記第2ユニットは、新たに決定された前記第2指令値で前記第2蓄電池の充放電指令値を更新し、
前記第1ユニットによる更新のタイミングと、前記第2ユニットによる更新のタイミングとは同じである蓄電システム。
【請求項2】
前記第1ユニットによる更新のタイミングと、前記第2ユニットによる更新のタイミングとは、前記電力系統から供給されている交流電圧の値がゼロになるゼロクロスのタイミングである、請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1蓄電池の充放電履歴及び前記第2蓄電池の充放電履歴に応じて、前記第1指令値及び前記第2指令値を新たに決定する、請求項1又は2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1蓄電池の残容量及び前記第2蓄電池の残容量に応じて、前記第1指令値及び前記第2指令値を新たに決定する、請求項1又は2に記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1ユニット及び前記第2ユニットの外部に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に接続され、一旦蓄電池に蓄えた電力を、停電時等に電力変換装置を介して負荷に供給することができる蓄電システムが知られている。太陽光発電システムにも接続され、発電された電力を蓄える蓄電システムも知られている。そのような蓄電システムにおいて、一旦、所定容量の蓄電システムを設置した後に、何らかの理由により大容量の電力を蓄電することが必要になることがある。後掲の特許文献1には、既設の太陽光発電システムにおいて、設置後にバックアップ電源システムの容量の増大を簡易に行なうことができる技術が開示されている。
【0003】
図1を参照して、蓄電ユニット900を含む蓄電システムは、電力系統910に接続され、電力系統910から供給される電力を、パワーコンディショナ(以下、PCS(Power Conditioning System)という)を介して交流から直流に変換して蓄電池(リチウムイオン二次電池等)に蓄える。蓄電池に蓄えられた電力は、リモートコントローラ(以下、リモコンという)904により制御されて、必要に応じて、PCSにより直流から交流に変換されて家庭等の電気機器である負荷912に供給される。逆潮検出CTセンサ906及び908は、電力系統910側に電流が流れる逆潮流を監視するためのCTセンサである。逆潮検出CTセンサ906及び908は設置された配電線に流れる電流(交流)を検出し、対応する情報(電流値等)を蓄電ユニット900に伝送する。蓄電ユニット900は、電力を供給する前に逆潮検出CTセンサ906及び908の情報から、負荷912で消費されている電力を算出する。蓄電ユニット900は、電力系統910から供給される電力が、予めリモコン904により蓄電ユニット900に設定された買電力の目標値になるように、充放電指令値(以下、単に「指令値」ともいう)を決定する。決定された指令値に応じて、PCSは蓄電池の充放電を行なう。例えば、買電力の目標値が50W(ワット)であり、負荷912により消費される電力が500Wであれば、450W不足する(50W−500W=−450W)ので、蓄電ユニット900から負荷912に450Wが供給されるように、指令値は450Wに設定される。
【0004】
蓄電ユニット900から電力を供給している状態では、逆潮検出CTセンサ906及び908の情報から算出される電力と、蓄電ユニット900が供給している電力の合計値が、負荷912の消費電力であるので、逆潮検出CTセンサ906及び908の情報から算出される電力、即ち買電力が目標値よりも低下すれば、買電力が目標値になるように、蓄電ユニット900は供給電力(指令値)を減少させる。
【0005】
図1に示した既設の蓄電システムでは、蓄電容量を増大するために、蓄電池のみで構成される増設ユニットが追加される。図2を参照して、蓄電ユニット900のPCSは、リモコン904による設定変更に応じて、蓄電ユニット900及び増設ユニット902の蓄電池を用いて、電力系統910から供給される電力を蓄える。蓄電ユニット900及び増設ユニット902に蓄えられた電力は、必要に応じて、PCSにより直流から交流に変換されて家庭等の負荷912に供給される。蓄電ユニット900の蓄電池に、増設ユニット902の蓄電池が並列に接続されることにより蓄電容量が大きくなる。したがって、比較的小容量の要望には蓄電ユニット900単体で対応し、要求される容量がより大きければ、増設ユニット902を1台、2台、3台と追加することで対応が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−28884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、増設ユニット902は、蓄電ユニット900とは構成が異なるため、蓄電ユニット900と増設ユニット902とをそれぞれ別の製品番号を付して管理することが必要になる。また、蓄電ユニット900の製造台数と増設ユニット902の製造台数とを調整することも必要になり、煩雑である。さらに、蓄電池の容量は増加するが、PCSの出力容量は変化しないため、蓄電池の増加に対する期待効果が少ない。
【0008】
したがって、本発明は、電力系統に蓄電ユニットを複数並列に接続した構成において、各蓄電ユニットの指令値を更新するタイミングを同期させることができ、複数の蓄電ユニットを効率よく運転することができる蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に係る蓄電システムは、第1蓄電池を有し、電力系統に接続された第1ユニットと、第2蓄電池を有し、第1ユニットと並列に電力系統に接続された第2ユニットと、電力系統から供給される電流を検出するセンサと、制御部とを含み、第1ユニットは、センサの検出値に基づき、逆潮流が発生しないように第1蓄電池の第1充放電指令値を決定し、制御部は、第1充放電指令値と、第2ユニットに設定されている第2蓄電池の充放電指令値である第2指令値とを加算して得られた合計値を分割して、第1ユニット用の充放電指令値である第1指令値及び第2ユニット用の充放電指令値である第2指令値を新たに決定し、第1ユニットは、新たに決定された第1指令値で第1蓄電池の充放電指令値を更新し、第2ユニットは、新たに決定された第2指令値で第2蓄電池の充放電指令値を更新し、第1ユニットによる更新のタイミングと、第2ユニットによる更新のタイミングとは同じである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電力系統に蓄電ユニットを複数並列に接続した構成の蓄電システムにおいて、各蓄電ユニットの指令値を更新するタイミングを同期させることができ、複数の蓄電ユニットを効率よく運転することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来の蓄電システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1の蓄電システムに増設ユニットが追加された構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る系統連系用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る系統連系用蓄電システムを構成する各部の動作の関係を示すシーケンス図である。
図5図5は、指令値の更新タイミングを示すグラフである。
図6図6は、図3のリモコンの動作を示すフローチャートである。
図7図7は、図3の蓄電ユニットの動作を示すフローチャートである。
図8図8は、図3の増設ユニットの動作を示すフローチャートである。
図9図9は、太陽光発電システムを備える系統連系用蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0013】
(1)本発明のある局面に係る蓄電システムは、第1蓄電池を有し、電力系統に接続された第1ユニットと、第2蓄電池を有し、第1ユニットと並列に電力系統に接続された第2ユニットと、電力系統から供給される電流を検出するセンサと、制御部とを含み、第1ユニットは、センサの検出値に基づき、逆潮流が発生しないように第1蓄電池の第1充放電指令値を決定し、制御部は、第1充放電指令値と、第2ユニットに設定されている第2蓄電池の充放電指令値である第2指令値とを加算して得られた合計値を分割して、第1ユニット用の充放電指令値である第1指令値及び第2ユニット用の充放電指令値である第2指令値を新たに決定し、第1ユニットは、新たに決定された第1指令値で第1蓄電池の充放電指令値を更新し、第2ユニットは、新たに決定された第2指令値で第2蓄電池の充放電指令値を更新し、第1ユニットによる更新のタイミングと、第2ユニットによる更新のタイミングとは同じである。
【0014】
上記した従来技術の問題を解決するために、蓄電ユニット900と同じ構成の蓄電ユニットを、図2の増設ユニット902の代わりに追加することが考えられる。追加される蓄電ユニット(以下、追加蓄電ユニットという)は、蓄電ユニット900と同様に、電力系統910に接続され、電力系統910から供給される電力を、追加蓄電ユニット内部のPCSを介して交流から直流に変換して、追加蓄電ユニット内部の蓄電池に蓄える。追加蓄電ユニットの蓄電池に蓄えられた電力は、リモコン904により制御されて、必要に応じて、PCSにより直流から交流に変換されて負荷912に供給される。逆潮流を監視するためのCTセンサは、図1及び図2と同様に、逆潮検出CTセンサ906及び908であればよい。全体としての指令値P0は、逆潮流が発生しない制限の下に決定され、蓄電ユニット900の指令値P1及び追加蓄電ユニットの指令値P2に適切に分割される(P0=P1+P2)ことが必要である。例えば、蓄電ユニット900及び追加蓄電ユニットのいずれか一方が主として使用されるような状態にならないように、充放電容量が同じ程度(P1≒P2)になるように指令値P0は分割される。
【0015】
しかし、追加蓄電ユニットには、逆潮検出CTセンサ906及び908からの情報(電流値)は入力されないので、追加蓄電ユニットはその情報を蓄電ユニット900から受信することが必要になる。その場合、蓄電ユニット900において指令値を更新するタイミングと、蓄電ユニット900からの情報を追加蓄電ユニットが受信して、追加蓄電ユニットにおいて指令値を更新するタイミングとが異なる問題が生じる。指令値の更新のタイミングが異なると、蓄電システムの動作は本来の指令値通りのものにはならない。蓄電ユニット900と追加蓄電ユニットとでそれぞれの指令値を更新するタイミングが異なると、場合によっては逆潮流が発生する状況と判断され、系統保護リレーが解列されてしまう可能性がある。
【0016】
また、リモコン904、蓄電ユニット900、追加蓄電ユニット間の通信制御において、命令の送信主体がリモコン904と蓄電ユニット900とで交互に入れ替わるため、通信制御が複雑になる。
【0017】
これに対して、上記した本発明のある局面に係る蓄電システムでは、従来技術の問題を解決できることに加えて、第1ユニット及び第2ユニットにおいて、指令値を更新するタイミングが異なり、本来の指令値通りの動作にはならない異常を防止することができ、通信制御が複雑になることを防止することができる。
【0018】
(2)好ましくは、第1ユニットによる更新のタイミングと、第2ユニットによる更新のタイミングとは、電力系統から供給されている交流電圧の値がゼロになるゼロクロスのタイミングである。これにより、指令値の更新のタイミングをより正確に揃えることができ、指令値の更新のタイミングが異なり、本来の指令値通りの動作にはならない異常をより一層防止することができる。
【0019】
(3)より好ましくは、制御部は、第1蓄電池の充放電履歴及び第2蓄電池の充放電履歴に応じて、第1指令値及び第2指令値を新たに決定する。これにより、第1ユニット及び第2ユニットの使用頻度(サイクル回数)を同程度にすることができる。
【0020】
(4)さらに好ましくは、制御部は、第1蓄電池の残容量及び第2蓄電池の残容量に応じて、第1指令値及び第2指令値を新たに決定する。これにより、第1ユニット及び第2ユニットの一方の電力が短時間でなくなってしまうことを防止することができる。
【0021】
(5)好ましくは、制御部は、第1ユニット及び第2ユニットの外部に配置されている。これにより、制御部としてリモコン等を利用することができ、第1ユニット及び第2ユニットの現在の指令値をリモコン等に表示してユーザに提示することができる。
【0022】
[本発明の実施形態の詳細]
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0023】
(実施の形態)
[全体構成]
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る系統連系用蓄電システム100は、電力系統112に接続された蓄電ユニット102と、蓄電ユニット102と並列に電力系統112に接続された増設ユニット104と、蓄電ユニット102及び増設ユニット104と通信するリモコン106と、電力系統112からの配電線に配置された逆潮検出CTセンサ108及び110とを含む。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ、PCSと蓄電池(リチウムイオン二次電池等)とを備える。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ、電力系統112から供給される電力を、PCSを介して交流から直流に変換して内部の蓄電池に蓄える。
【0024】
蓄電ユニット102及び増設ユニット104の各PCSは、制御部(CPU、マイコン等)と記憶部(例えば、書換可能な不揮発性メモリ)と通信部とを備えている。各PCSは、リモコン106の通信部と通信を行ない、運転/停止等の指示及び種々の設定値(後述する指令値等)を受信する。各PCSは、受信した設定値を記憶部に記憶し、それを用いてリモコン106からの指示に応じて充放電動作を実行する。
【0025】
リモコン106は、制御部(CPU、マイコン等)と記憶部(例えば、書換可能な不揮発性メモリ)と通信部とを備えている。リモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104と通信し、受信した情報を適宜記憶部に記憶する。
【0026】
ここでは、蓄電ユニット102と増設ユニット104とは、同じ構成であり、蓄電池の容量も同じであるとする。即ち、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は同じ製品として市場に提供されるものである。蓄電ユニット102及び増設ユニット104のそれぞれの蓄電池に蓄えられた電力は、必要に応じて、PCSにより直流から交流に変換され、家庭等における電気機器である負荷114に供給される。
【0027】
逆潮検出CTセンサ108及び110は、電力系統112側に流れる電流である逆潮流を監視するためのCTセンサである。逆潮検出CTセンサ108及び110は設置された配電線に流れる電流(交流)を検出し、対応する情報(電流値等)を蓄電ユニット102に伝送する。蓄電ユニット102は、電力を供給する前に逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報を用いて、電力系統112から供給されている電力を求める。蓄電ユニット102は、電力系統112から供給される電力が、予めリモコン106により蓄電ユニット102に設定された買電力の目標値αになるように、系統連系用蓄電システム100全体の充放電指令値(以下、総指令値ともいう)P0を決定する。即ち、時刻tにおいて、逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報から求めた電力をPとして、P=α+P0となるように、総指令値P0(=P−α)を決定する。総指令値P0は、蓄電ユニット102用の指令値P1及び増設ユニット104用の指令値P2に分割され、それぞれ蓄電ユニット102及び増設ユニット104に設定される。その後、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の蓄電池の残容量が十分あれば、蓄電ユニット102のPCSは指令値P1にしたがって、負荷114に電力を供給し、増設ユニット104は指令値P2にしたがって、負荷114に電力を供給する。これにより、負荷114に供給すべき電力のうち、電力系統112から目標値αの電力が供給され、蓄電ユニット102及び増設ユニット104から残りの電力(P0=P1+P2)が供給される。
【0028】
蓄電ユニット102及び増設ユニット104から電力を供給している状態では、逆潮検出CTセンサ108及び110の情報から求められる電力と、蓄電ユニット102及び増設ユニット104が供給している電力の合計値が、負荷114の消費電力であるので、逆潮検出CTセンサ108及び110の情報から得られる電力、即ち買電力が目標値αよりも低下すれば、買電力が目標値αになるように、蓄電ユニット102は供給電力(指令値)を減少させる。
【0029】
図4を参照して、蓄電ユニット102及び増設ユニット104における指令値の更新に関して説明する。図4においては、下方に向かって時刻が進行する。指令値の更新は、リモコン106が主体となって実行される。
【0030】
リモコン106は、蓄電ユニット102に指令値情報要求(総指令値を要求するコード)を送信する。これを受けて、蓄電ユニット102は、送信すべき指令値を算出してリモコン106に送信する。即ち、蓄電ユニット102は、上記したように、逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報を用いて求めた、電力系統112から供給されている電力Pと、蓄電ユニット102の現在の指令値P1とを加算し、目標値αを減算して得られた値(P+P1−α)を、指令値情報応答としてリモコン106に送信する。
【0031】
リモコン106は、受信した値(P+P1−α)と、後述するように前回増設ユニット104に指示し、記憶部に記憶されている指令値P2とを加算して、総指令値P0(=P+P1−α+P2)を算出する。続いて、リモコン106は、総指令値P0を、例えば所定の比率で分割して、新たに蓄電ユニット102用の指令値P1New及び増設ユニット104用の指令値P2Newを算出し、それぞれの指令値を制御指令値設定で、蓄電ユニット102及び増設ユニット104に送信する。それぞれの指令値を受信した蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、受信したそれぞれの指令値(P1New、P2New)で現在の指令値を、同じタイミングで更新する。同じタイミングで更新するために、例えば、図5に示すように、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は新たな指令値を受信した後、直近の交流周期のゼロクロスで更新する。
【0032】
図5は、電力系統112から供給される電圧波形を示している。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれのPCSにより、電力系統112から供給される電力と同期して電力を供給するので、蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれの内部で特定できる、電力系統112から供給される電圧波形と同位相の電圧波形を、指令値の更新タイミングを決定するために利用することができる。例えば、図5の期間T1において、リモコン106から指令値が送信され、蓄電ユニット102及び増設ユニット104により受信された場合には、ゼロクロスAで、蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれの指令値を更新する。期間T2において、リモコン106から指令値が送信され、蓄電ユニット102及び増設ユニット104により受信された場合には、ゼロクロスBで、蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれの指令値を更新する。これにより、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、それぞれの指令値を同時に更新することができる。同位相の電圧波形のゼロクロスで更新することにより、時刻を指定して更新する場合のように、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の時計を合わせる必要がない。
【0033】
上記では、電圧値が負から正に変化するゼロクロスで指令値を更新する場合を説明したが、これに限定されない。蓄電ユニット102及び増設ユニット104のいずれも、指令値を受信した後に発生する最初のゼロクロスで初期値を更新すればよく、電圧値が正から負に変化するゼロクロスで指令値を更新してもよい。例えば図5であれば、ゼロクロスCで更新してもよい。
【0034】
リモコン106と蓄電ユニット102及び増設ユニット104との間の通信に、ブロードキャストが可能な通信プロトコルが採用されていれば、リモコン106が総指令値P0を均等に分割する場合、即ち、P1New=P2New=P0/2に設定される場合、リモコン106は、個別のユニットを指定して指令値を送信せずに、指令値としてP0/2をブロードキャストしてもよい。これにより、リモコン106による指令値の送信が1回で済み、送信処理に要する時間が短縮される。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はほぼ同時に指令値を受信することができ、より確実に同じゼロクロスで指令値を更新することができる。
【0035】
また、リモコン106が総指令値P0を均等に分割しない場合においても、リモコン106は、指令値をブロードキャスト送信してもよい。例えば、P1New、P2Newの順でそれぞれ所定ビットのデータが格納されるように送信データの構造を定めておけば、送信データを受信した蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、送信データの中からそれぞれに宛てた指令値を読出すことができる。
【0036】
なお、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、リモコン106から送信された指令値を受信したことを確認するコード(ACKコード)を送信しない。蓄電ユニット102及び増設ユニット104からリモコン106に対してACKコードの送信を行なうと、指令値の更新が遅くなるからである。
【0037】
図6〜8を参照して、リモコン106、蓄電ユニット102及び増設ユニット104が行なう処理をより詳細に説明する。図6のフローチャートはリモコン106により実行される。具体的には、リモコン106の制御部が、リモコン106内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0038】
ステップ300において、リモコン106は、蓄電ユニット102に指令値の送信を要求する(図5の指令値情報要求)。これに対して、上記したように、蓄電ユニット102は指令値情報応答(図5)を返す。
【0039】
ステップ302において、リモコン106は、指令値(P+P1−α)を蓄電ユニット102から受信したか否かを判定する。受信した場合、制御はステップ304に移行する。そうでなければ、ステップ302が繰返される。
【0040】
ステップ304において、リモコン106は、ステップ302で受信した指令値(P+P1−α)から、上記したように蓄電ユニット102用の指令値P1New及び増設ユニット104用の指令値P2Newを算出する。
【0041】
ステップ306において、リモコン106は、ステップ304で算出した、指令値P1New及び指令値P2Newをそれぞれ蓄電ユニット102及び増設ユニット104に送信する(図5の制御指令値設定)。このとき、リモコン106は、増設ユニット104用の指令値P2Newを記憶部に記憶する。送信は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104をそれぞれ宛先として、対応する指令値を送信しても、ブロードキャスト送信してもよい。
【0042】
ステップ308において、リモコン106は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、リモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104に対して停止指示を送信し、その後、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ310に移行する。終了の指示は、例えば、ユーザによりリモコン106が操作されたことにより成される。
【0043】
ステップ310において、リモコン106は、上記の処理を繰返し実行するために、タイマをセットする。具体的には、現在時刻を表す情報(以下、単に現在時刻という)を取得し、記憶部に開始時刻として記憶する。
【0044】
ステップ312において、リモコン106は、ステップ310でセットされた開始時刻から所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は予め設定されていればよい。具体的には、現在時刻を取得し、ステップ310で記憶した開始時刻を記憶部から読出し、現在時刻から開始時刻を減算して得られた値が所定時間よりも大きいか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合、制御はステップ300に戻る。そうでなければ、ステップ312が繰返される。
【0045】
以上により、リモコン106は、蓄電ユニット102から指令値を取得して総指令値P0を算出し、総指令値P0から蓄電ユニット102及び増設ユニット104用の指令値(P1New、P2New)を決定し、それぞれの指令値を蓄電ユニット102及び増設ユニット104に送信する処理を、予め定められた時間間隔で繰返し行なうことができる。
【0046】
図7のフローチャートは蓄電ユニット102により実行される。具体的には、蓄電ユニット102の制御部が、蓄電ユニット102内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0047】
ステップ400において、蓄電ユニット102は、リモコン106から指令値の送信要求を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合、制御はステップ402に移行する。そうでなければ、ステップ400が繰返される。
【0048】
ステップ402において、蓄電ユニット102は、上記したように、逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報を用いて、現在時刻における指令値(P+P1−α)を算出する。
【0049】
ステップ404において、蓄電ユニット102は、ステップ404で算出した指令値(P+P1−α)をリモコン106に送信する(図5の指令値情報応答)。
【0050】
ステップ406において、蓄電ユニット102は、リモコン106から指令値(P1New)を受信したか否かを判定する。受信したと判定された場合、制御はステップ408に移行する。そうでなければ、制御はステップ410に移行する。
【0051】
ステップ408において、蓄電ユニット102は、ステップ406で受信した指令値(P1New)で現在の指令値を、上記したように、指令値を受信してから最初のゼロクロスで更新する(例えば、記憶部に記憶されている指令値に、P1Newを上書きする)。蓄電ユニット102のPCSは、更新された指令値に応じた電力を出力する。
【0052】
ステップ410において、蓄電ユニット102は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けたと判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ400に戻る。終了の指示は、例えば、リモコン106から蓄電ユニット102に停止指示を送信することにより成される。
【0053】
以上により、蓄電ユニット102は、リモコン106からの要求に応じて指令値を返信し、新たな指令値を受信して更新することができる。
【0054】
図8のフローチャートは増設ユニット104により実行される。具体的には、増設ユニット104の制御部が、増設ユニット104内部の記憶部から所定のプログラムを読出して実行する。
【0055】
図8のフローチャートは、図7のフローチャートからステップ400〜404が削除されたものである。図8において、図7と同じ番号を付したステップの処理は、主体が蓄電ユニット102から増設ユニット104に変更されるだけで、図7の処理と同じである。したがって、重複説明を繰返さない。
【0056】
増設ユニット104は、蓄電ユニット102と同様に、ステップ406で受信した指令値(P2New)で現在の指令値を、指令値を受信してから最初のゼロクロスで更新することができる(例えば、記憶部に記憶されている指令値に、P2Newを上書きする)。増設ユニット104のPCSは、更新された指令値に応じた電力を出力する。したがって、蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、同じタイミングで指令値を更新することができる。
【0057】
[効果]
同じ製品である蓄電ユニット102及び増設ユニット104を2台並列に接続した構成の系統連系用蓄電システム100において、リモコン106からそれぞれに指示した指令値を、同じタイミングで更新することができる。したがって、蓄電ユニット102と増設ユニット104とで指令値の更新のタイミングが異なり、本来の指令値通りの動作にはならない異常を防止することができる。
【0058】
また、増設ユニット104を備えておらず蓄電ユニット102で構成される蓄電システムにおいて、蓄電容量を増大する必要が生じた場合、蓄電ユニット102と同じ製品である増設ユニット104を接続することにより、容易に蓄電容量を増大することができる。したがって、蓄電ユニット102と同じ製品を、蓄電容量を増設するための増設ユニット104として使用することができ、同じ製品番号で蓄電ユニット及び増設ユニットを管理することができる。蓄電ユニット102及び増設ユニット104それぞれの製造台数を調整する必要がない。また、小型の蓄電ユニットで蓄電システムを構成できるので、設置場所等の制約を受けにくい。
【0059】
また、リモコン106が主体となり、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の指令値を指定するので、例えばリモコン106は、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の現在の指令値を表示してユーザに提示することができる。
【0060】
(変形例)
上記では、リモコンが総指令値P0を算出する場合を説明したが、これに限定されない。例えば上記したように、リモコン106から指令値P1New及びP2Newをブロードキャストで送信する場合、蓄電ユニット102は、増設ユニット104の指令値P2Newを受信して記憶しておけば、P0=P+P1−α+P2Newにより、総指令値P0を算出することができる(Pは電力系統112からの供給電力であり、P1は蓄電ユニット102の現在の指令値であり、αは目標値である)。したがって、リモコン106は、例えば、図4の指令値情報要求では、総指令値P0の送信を蓄電ユニット102に要求し、蓄電ユニット102は、指令値情報応答として、上記のように算出した総指令値P0を、リモコン106に送信してもよい。これにより、リモコン106は、増設ユニット104に送信した指令値を記憶しておかなくても、総指令値P0を蓄電ユニット102から受信し、それを分割して、蓄電ユニット102及び増設ユニット104それぞれの新たな指令値を決定してブロードキャストで送信することができる。蓄電ユニット102及び増設ユニット104はそれぞれ新たな指令値を受信した後、供給している電圧波形の最初のゼロクロスで指令値を更新することができる。
【0061】
上記では、リモコン106が主体となって、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の指令値を送信する場合を説明したが、これに限定されない。蓄電ユニット102が主体となって、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の指令値を算出して送信してもよい。その場合、蓄電ユニット102及び増設ユニット104を直接通信可能な形態にし、蓄電ユニット102から、増設ユニット104に指令値の送信を要求すればよい。蓄電ユニット102は、増設ユニット104から送信される指令値P2を受信して、蓄電ユニット102及び増設ユニット104それぞれの指令値を算出することができる。新たな指令値の算出に関して、蓄電ユニット102は、増設ユニット104から受信した現在の指令値P2に、蓄電ユニット102の現在の指令値P1と、逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報を用いて求めた、電力系統112から供給されている電力Pとを加算し、目標値αを減算して総指令値P0(=P1+P2+P−α)を算出する。蓄電ユニット102は、総指令値P0を分割して算出した新たな指令値P1Newを自己で使用し、新たな指令値P2Newを増設ユニット104に送信する。蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、上記したように同じタイミングで指令値を更新することができる。即ち、増設ユニット104は、新たな指令値P2Newを受信した後、供給している電圧波形の最初のゼロクロスで指令値を更新し、蓄電ユニット102は、増設ユニット104に新たな指令値P2Newを送信した後、供給している電圧波形の最初のゼロクロスで自己の指令値を更新すればよい。
【0062】
また、増設ユニット104が主体となって、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の指令値を算出してもよい。その場合には、上記と同様に蓄電ユニット102及び増設ユニット104を直接通信可能な形態にし、逆潮検出CTセンサ108及び110の検出情報を、蓄電ユニット102に入力する代わりに増設ユニット104に入力すればよい。そのようにすれば、増設ユニット104は、蓄電ユニット102に指令値の送信を要求し、蓄電ユニット102から送信される指令値P1を受信して、蓄電ユニット102及び増設ユニット104それぞれの指令値を算出することができる。即ち、増設ユニット104は、蓄電ユニット102から受信した現在の指令値P1に、増設ユニット104の現在の指令値P2と、逆潮検出CTセンサ108及び110からの情報から求めた、電力系統112から供給されている電力Pとを加算し、目標値αを減算して総指令値P0(=P1+P2+P−α)を算出することができる。増設ユニット104は、総指令値P0を分割して算出した新たな指令値P1Newを蓄電ユニット102に送信し、新たな指令値P2Newを自己で使用すればよい。蓄電ユニット102及び増設ユニット104は、上記したように同じタイミングで指令値を更新することができる。即ち、蓄電ユニット102は、新たな指令値P1Newを受信した後、供給している電圧波形の最初のゼロクロスで指令値を更新し、増設ユニット104は、蓄電ユニット102に新たな指令値P1Newを送信した後、供給している電圧波形の最初のゼロクロスで自己の指令値を更新すればよい。
【0063】
総指令値P0を分割して、蓄電ユニット102用の指令値P1及び増設ユニット104用の指令値P2を算出する場合、それぞれのユニットの運転履歴(充放電のサイクル回数)を考慮して決定することが好ましい。例えば、増設ユニット104を備えていない既設の蓄電システムを一定期間使用した後に、増設ユニット104を増設した場合、例えば、増設ユニット104が主として使用されるように、総指令値P0を分割する(P2>P1)ことが考えられる。その後、一定期間が経過して、増設ユニット104のサイクル回数が蓄電ユニット102のサイクル回数よりも大きくなれば、蓄電ユニット102の使用頻度が高くなるように総指令値P0を分割する(P1>P2)ことが好ましい。これにより、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の使用頻度(充放電のサイクル回数)を同程度にすることができる。
【0064】
また、総指令値P0を分割して、蓄電ユニット102用の指令値P1及び増設ユニット104用の指令値P2を算出する場合、蓄電ユニット102及び増設ユニット104それぞれの蓄電池の残容量を考慮して決定することが好ましい。残容量の少ないユニットに高い指令値が指定されると、蓄えられた電力が比較的短時間でなくなってしまう。したがって、例えば、総指令値P0を、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の残容量の比率で、分割することが好ましい。これにより、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の一方の電力が短時間でなくなってしまうことを防止することができる。
【0065】
また、蓄電ユニット102用の指令値P1及び増設ユニット104用の指令値P2は、それぞれのユニットの運転履歴及び蓄電池の残容量を考慮して、総合的に決定されてもよい。また、ユーザが、リモコン106を操作して、蓄電ユニット102用の指令値P1及び増設ユニット104用の指令値P2の比率を変更できるようにしてもよい。
【0066】
上記では、系統連系用蓄電システム100が、合計2台のユニット(蓄電ユニット102及び増設ユニット104)で構成される場合を説明したが、これに限定されない。増設ユニット104を2台以上備え、合計3台以上のユニットで構成されてもよい。
【0067】
また、図9に示すように、発電システムが接続されていてもよい。系統連系用蓄電システム130は、系統連系用蓄電システム100の構成に加えて、電力系統112に接続された太陽光発電パネル132及びPCS134を備えている。太陽光発電パネル132により発電された電力は、PCS134により交流に変換されて負荷114に供給される。PCS134から供給される電力が、負荷114で消費される電力よりも大きく、電力が余る場合には、余剰電力は蓄電ユニット102及び増設ユニット104により蓄電される。このとき、上記と同様に、蓄電ユニット102及び増設ユニット104の新たな指令値(但し、負の値)を決定して、それぞれの指令値を更新することにより、所定の比率で蓄電ユニット102及び増設ユニット104を充電することができる。
【0068】
上記では、リモコン106が、増設ユニット104に送信した指令値を記憶しておく場合を説明したが、これに限定されない。リモコン106が、蓄電ユニット102に加えて、増設ユニット104に指令値の送信を要求してもよい。そのようにすれば、リモコン106は、増設ユニット104に送信した指令値を記憶しておく必要がなくなる。リモコン106は、蓄電ユニット102から受信した指令値P+P1−αと、増設ユニット104から受信した指令値P2とから、総指令値P0(=P+P1−α+P2)を算出できる。
【0069】
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0070】
100、130 系統連系用蓄電システム
102、900 蓄電ユニット
104、902 増設ユニット
106、904 リモコン
108、110、906、908 逆潮検出CTセンサ
112、910 電力系統
114、912 負荷
132 太陽光発電パネル
134 PCS
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9