特許第6981379号(P6981379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981379
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20211202BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-144061(P2018-144061)
(22)【出願日】2018年7月31日
(65)【公開番号】特開2020-22265(P2020-22265A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2021年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 政徳
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−253055(JP,A)
【文献】 特開2018−042311(JP,A)
【文献】 特開2013−192403(JP,A)
【文献】 特開2006−295997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子を内蔵した半導体モジュール(2)と、
上記半導体モジュールのパワー端子(21)に接続される一対のバスバー(3)と、を有し、
上記一対のバスバーは、一部が互いに厚み方向(Z)に対向配置された本体板部(31)と、該本体板部から分岐して上記パワー端子が接続される複数の端子接続部(32)と、を有し、
上記一対のバスバーの少なくとも一方は、上記複数の端子接続部のそれぞれを含むように環状に形成された複数の環状部(33)を有し、
複数の上記環状部は、上記厚み方向に直交する方向に一直線状に並んで配置されており、上記バスバーは、上記複数の環状部の並び方向に沿った端縁(319)において、上記厚み方向に屈曲した端縁屈曲部(35)を有する、電力変換装置(1)。
【請求項2】
上記一対のバスバーの双方が、それぞれ複数の上記環状部を有する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
上記端子接続部は、上記本体板部に対して上記厚み方向に立設している、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
上記端子接続部は、上記本体板部との間の立上り屈曲部(34)の外側面に、上記本体板部の主面(311)と上記端子接続部の端子配置面(321)との間を繋ぐ曲面部(341)を有し、上記パワー端子の先端と上記端子接続部の先端とは、互いに同じ方向を向いている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
上記端子接続部は、端子配置面(321)の法線方向(X)から見た形状が、上記厚み方向に沿った中心線(C)を基準とした線対称形状を有する、請求項3又は4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールとバスバーとを備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載されるインバータ等の電力変換装置として、スイッチング素子を内蔵した半導体モジュールと、半導体モジュールのパワー端子に接続される複数のバスバーとを備えたものがある(特許文献1参照)。これらのバスバーは、例えばコンデンサ等に接続され、バスバーを介して半導体モジュールに電力が入力されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−109767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電力変換装置においては、近年の小型化、高出力化の要請に伴い、スイッチング速度の高速化、大電流化等が求められている。そのために、バスバーにおけるインダクタンスの低減が一層求められることとなる。
例えば、特許文献1に開示された電力変換装置においては、バスバーの端縁に設けられた接続端子に、パワー端子が接続されている。それゆえ、接続端子の周囲において、電流経路が制限されやすく、インダクタンスを低減し難い。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、インダクタンスを低減することができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、スイッチング素子を内蔵した半導体モジュール(2)と、
上記半導体モジュールのパワー端子(21)に接続される一対のバスバー(3)と、を有し、
上記一対のバスバーは、一部が互いに厚み方向(Z)に対向配置された本体板部(31)と、該本体板部から分岐して上記パワー端子が接続される複数の端子接続部(32)と、を有し、
上記一対のバスバーの少なくとも一方は、上記複数の端子接続部のそれぞれを含むように環状に形成された複数の環状部(33)を有し、
複数の上記環状部は、上記厚み方向に直交する方向に一直線状に並んで配置されており、上記バスバーは、上記複数の環状部の並び方向に沿った端縁(319)において、上記厚み方向に屈曲した端縁屈曲部(35)を有する、電力変換装置(1)にある。
【発明の効果】
【0007】
上記電力変換装置において、上記一対のバスバーの少なくとも一方は、上記複数の端子接続部のそれぞれを含むように環状に形成された複数の環状部を有する。これにより、端子接続部の周囲における電流経路を増加させることができ、バスバーのインダクタンスを低減することができる。
【0008】
以上のごとく、上記態様によれば、インダクタンスを低減することができる電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1参考形態1における、電力変換装置の平面説明図。
図2図1のII矢視相当の、端子接続部とパワー端子との接続部分の正面図。
図3参考形態1における、コンデンサ及び一対のバスバーの斜視図。
図4参考形態1における、コンデンサ及び一対のバスバーの上から見た平面図。
図5参考形態1における、コンデンサ及び一対のバスバーの下から見た平面図。
図6図4のVI−VI線矢視断面相当の、一対のバスバーの断面図。
図7参考形態1における、正極バスバーの一部の平面説明図。
図8参考形態1における、負極バスバーの一部の平面説明図。
図9図8のIX−IX線矢視断面相当の、端子接続部の断面図。
図10参考形態1における、X方向から見た端子接続部の電流経路を示す説明図。
図11参考形態1における、Z方向から見た端子接続部の電流経路を示す説明図。
図12実施形態1における、一対のバスバーの断面図。
図13実施形態1における、コンデンサ及び一対のバスバーの平面図。
図14参考形態2における、電力変換装置の平面説明図。
図15図14のXV−XV線矢視断面相当の、端子接続部とパワー端子との接続部分の断面図。
図16参考形態3における、電力変換装置の平面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
参考形態1
電力変換装置に係る参考形態について、図1図11を参照して説明する。
本形態の電力変換装置1は、図1図2に示すごとく、半導体モジュール2と一対のバスバー3と、を有する。半導体モジュール2は、スイッチング素子を内蔵している。一対のバスバー3は、半導体モジュール2のパワー端子21に接続される。
【0011】
図3図6に示すごとく、一対のバスバー3は、本体板部31と、複数の端子接続部32と、を有する。一対のバスバー3における本体板部31は、一部が互いに厚み方向Zに対向配置されている。複数の端子接続部32は、本体板部31から分岐している。そして、図1図2に示すごとく、端子接続部32には、パワー端子21が接続される。
【0012】
図3図6に示すごとく、一対のバスバー3の少なくとも一方は、複数の端子接続部32のそれぞれを含むように環状に形成された複数の環状部33を有する。本形態においては、図7図8に示すごとく、一対のバスバー3の双方が、それぞれ複数の環状部33を有する。
【0013】
図6に示すごとく、端子接続部32は、本体板部31に対して厚み方向Zに立設している。以下において、本体板部31の厚み方向Zを、単にZ方向ともいう。
図9に示すごとく、端子接続部32は、本体板部31との間の立上り屈曲部34の外側面に、本体板部31の主面311と端子接続部32の端子配置面321との間を繋ぐ曲面部341を有する。そして、パワー端子21の先端と端子接続部32の先端とは、互いに同じ方向を向いている。なお、曲面部341は、例えば、曲率半径がバスバー3の板厚以上となるように形成されている。
【0014】
本形態においては、パワー端子21の先端と端子接続部32の先端とは、Z方向における同じ側を向いている。また、一対のバスバー3の双方の端子接続部32は、Z方向における同じ方向を向いている。便宜的に、これらの端子接続部32の突出方向を上側といい、その反対側を下側という。
【0015】
図10に示すごとく、端子接続部32は、端子配置面321の法線方向Xから見た形状が、厚み方向Zに沿った中心線Cを基準とした線対称形状を有する。以下において、端子配置面321の法線方向Xを、単にX方向ともいう。また、X方向とZ方向との双方に直交する方向を、Y方向という。
【0016】
端子接続部32は、Y方向の2か所に設けた脚部322において、立上り屈曲部34と連続するように、Z方向の上側に立設している。2つの脚部322は、上側において互いに連結されて、一つの端子接続部32を構成している。端子接続部32の上端部は、略台形状に形成されており、Y方向の両側に、それぞれ傾斜端縁323を有し、2つの傾斜端縁323の間に、先端縁324を有する。
【0017】
電力変換装置1は、図1に示すごとく、X方向に並んだ複数の半導体モジュール2を有する。各半導体モジュール2は、スイッチング素子を内蔵したモジュール本体部20と、モジュール本体部20から突出した複数のパワー端子21とを有する。図1図2に示すごとく、複数のパワー端子21の突出方向は、Z方向における上側である。パワー端子21は、板状を有し、その厚み方向が、X方向を向いている。
【0018】
パワー端子21は、X方向において、バスバー3の端子接続部32に重なり合う状態で、端子接続部32に接続されている。パワー端子21と端子接続部32とは、端子接続部32の先端縁324において溶接されている。
【0019】
電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2に電気的に接続されるコンデンサ4を有する。コンデンサ4は、半導体モジュール2に入力される直流電圧を平滑化する平滑コンデンサとして機能する。バスバー3は、コンデンサ4と複数の半導体モジュール2とを接続する。一対のバスバー3としては、正極バスバー3Pと負極バスバー3Nとがある。正極バスバー3Pは、コンデンサ4と、複数の半導体モジュール2の正極のパワー端子21とを接続するバスバー3である。負極バスバー3Nは、コンデンサ4と、複数の半導体モジュール2の負極のパワー端子21とを接続するバスバー3である。
【0020】
一対のバスバー3は、その一端を、コンデンサ4の一対の電極に接続している。すなわち、コンデンサ4の内部に設けられたコンデンサ素子(図示略)の一対の電極に、正極バスバー3Pと負極バスバー3Nとが、それぞれ接続されている。そして、図3に示すごとく、一対のバスバー3は、互いに厚み方向Zに重なり合った状態で、コンデンサ4のポッティング面41から、Y方向に突出している。
【0021】
図3図6に示すごとく、バスバー3の本体板部31は、平板状に形成されており、互いの一部を、Z方向に重ねてある。そして、一対のバスバー3の本体板部31の間には、互いの電気的絶縁を図るために、絶縁板11が介在している。絶縁板11は、例えば、樹脂成形体等によって形成されている。正極バスバー3Pは、絶縁板11の上面側に配置され、負極バスバー3Nは、絶縁板11の下面側に配置されている。
【0022】
バスバー3は、本体板部31の、Y方向におけるコンデンサ4と反対側の端縁付近に、複数の端子接続部32を設けている。2つのバスバー3は、Y方向におけるコンデンサ4と反対側の端縁(以下において、板端縁319という。)の位置が、互いに異なる。本形態においては、負極バスバー3Nが、正極バスバー3Pよりも、コンデンサ4と反対側に延びている。
【0023】
負極バスバー3Nは、正極バスバー3Pの板端縁319よりも、Y方向におけるコンデンサ4と反対側の位置に、複数の端子接続部32を有する。一方、正極バスバー3Pは、負極バスバー3Nと重なる部分において、複数の端子接続部32を形成してなる。これに伴い、図5図6図8に示すごとく、負極バスバー3Nの本体板部31には、正極バスバー3Pの端子接続部32に重なる部位付近に、Z方向に貫通する貫通孔312を設けてある。この貫通孔312を貫通するように、半導体モジュール2の正極のパワー端子21が配置される(図10参照)。
【0024】
図4図5に示すごとく、いずれのバスバー3においても、複数の端子接続部32は、X方向に並んで一直線状に配置されている。複数の端子接続部32は、Y方向の両側において、互いに連結されている。すなわち、複数の端子接続部32における、Y方向の両側に、本体板部31が形成されている。換言すると、本体板部31は、端子接続部32よりも、コンデンサ4側に配置された大面積部317と、板端縁319側に配置された連結部318とを有する。
【0025】
大面積部317は、比較的広い面積にて板状に形成された部分であって、一対のバスバー3の重なり部分を有する。連結部318は、板端縁319に沿ってX方向に連続して形成された部分であり、X方向に並んだ複数の端子接続部32を連結している。端子接続部32は、大面積部317と連結部318との間に形成され、両者と接続されている。これにより、図7図8に示すごとく、バスバー3に、複数の環状部33が形成されている。
【0026】
すなわち、環状部33は、X方向に隣り合う2つの端子接続部32と、大面積部317の一部と、連結部318の一部とによって、環状に連続した部位として、形成されている。また、X方向の一端に配された環状部33は、一つの端子接続部32と、大面積部317の一部と、連結部318の一部とを有する。そして、この環状部33は、端子接続部32に対してX方向に並んで、大面積部317と連結部318との間に形成された並走部316を含むことにより、環状に形成されている。
【0027】
環状部33の内側は、Z方向に貫通した開口部330となっている。この開口部330を貫通するように、各パワー端子21が配置されている。特に、正極のパワー端子21は、負極バスバー3Nの貫通孔312と、正極バスバー3Pの開口部330との双方を、Z方向に貫通するように、配置されている。
【0028】
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置1において、一対のバスバー3の少なくとも一方は、複数の端子接続部32のそれぞれを含むように環状に形成された複数の環状部33を有する。これにより、端子接続部32の周囲における電流経路を増加させることができ、バスバー3のインダクタンスを低減することができる。
【0029】
すなわち、図10図11に示すごとく、端子接続部32を含むように環状部33が形成されていることにより、端子接続部32に、その両側から電流iが流れ込むようにすることができる。つまり、端子接続部32に流れ込む電流iの経路として、端子接続部32における大面積部317からの電流経路と、連結部318からの電流経路との、2つの経路を確保することができる。それゆえ、インダクタンスの低減を図ることができる。
【0030】
また、端子接続部32が、Y方向の両側において、それぞれ大面積部317と連結部318とに接続されているため、溶接時の熱を、Y方向の両側へ分散して逃しやすくなる。この熱の経路は、図10図11に示す矢印iの逆向きとなる。
また、連結部318を設けることにより、端子接続部32が両持ち梁構造となり、バスバー3の剛性を向上させることができる。
【0031】
また、バスバー3が複数の環状部33を有することにより、各パワー端子21を、各環状部33の内側の開口部330に挿通させることができる。これにより、バスバー3と半導体モジュール2との組み付けの際に、端子接続部32とパワー端子21との位置合わせが容易となる。その結果、電力変換装置1の生産性を向上させることができる。
【0032】
また、負極バスバー3Nが複数の貫通孔312を有する。これにより、広い範囲にて一対のバスバー3をZ方向に重ね合わせつつ、正極のパワー端子21と負極のパワー端子21との双方を各バスバー3に容易に接続することができる。
【0033】
また、一対のバスバー3の双方が、それぞれ複数の環状部33を有する。これにより、一対のバスバー3においてインダクタンスの低減を図ることができ、スイッチング損失を一層低減することができる。
【0034】
端子接続部32は、本体板部31に対して厚み方向Zに立設している。これにより、Z方向に立設したパワー端子21と、端子接続部32との接続を、容易かつ確実に行うことができる。
【0035】
端子接続部32は、立上り屈曲部34の外側面に、曲面部341を有する。そして、パワー端子21の先端と端子接続部32の先端とは、同じ方向、すなわちZ方向の上側を向いている。これにより、端子接続部32に対して、下側からパワー端子21を近付けて、端子接続部32とパワー端子21とを重ね合わせる際に、曲面部341をガイド面として機能させることができる。それゆえ、半導体モジュール2とバスバー3との組み付け作業を、より円滑に行うことができる。
【0036】
端子接続部32は、X方向から見た形状が、中心線Cを基準とした線対称形状を有する。これにより、端子接続部32の熱を、Y方向の両側に均等に放熱させることができる。すなわち、端子接続部32の先端縁324にて、パワー端子21との溶接を行ったとき、その熱を、Y方向の両側に均等に逃しやすくなる。その結果、効率的な放熱を可能とし、半導体モジュール2への熱負荷をより効果的に抑制することができる。
【0037】
以上のごとく、本実施形態によれば、インダクタンスを低減することができる電力変換装置を提供することができる。
【0038】
実施形態1
本実施形態は、図12図13に示すごとく、バスバー3が端縁屈曲部35を有する、電力変換装置1の形態である。
複数の環状部33は、厚み方向Zに直交する方向に一直線状に並んで配置されている。本形態においては、X方向に一直線状に、複数の環状部33が並んで配置されている。バスバー3は、複数の環状部33の並び方向、すなわちX方向に沿った端縁において、厚み方向Zに屈曲した端縁屈曲部35を有する。
【0039】
つまり、端縁屈曲部35は、連結部318における端子接続部32から遠い側の端縁に形成されている。そして、端縁屈曲部35は、X方向に連続して形成されている。
また、端縁屈曲部35は、バスバー3の本体板部31からZ方向の上側に突出している。
その他の構成は、参考形態1と同様である。なお、実施形態1以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0040】
本形態においては、連結部318の剛性を向上させることができ、バスバー3の剛性を一層向上させることができる。これにより、バスバー3とパワー端子21との間の接続信頼性を向上させることができる。
その他、参考形態1と同様の作用効果を有する。
【0041】
参考形態2
本形態は、図14図15に示すごとく、バスバー3に、半導体モジュール2の出力端子21Aを貫通させる、貫通窓部36を設けた形態である。
【0042】
すなわち、半導体モジュール2は、直流電力が入力されるパワー端子21P、21Nの他に、交流電力を出力する出力端子21Aを有する。そして、本形態においては、出力端子21Aは、パワー端子21P、21Nと同じ方向、すなわちZ方向の上側に突出している。さらに、出力端子21Aは、パワー端子21P、21Nよりも、コンデンサ4に近い側に配置されている。それゆえ、この出力端子21Aがバスバー3と干渉しないようにすべく、バスバー3に、貫通窓部36を形成してある。
【0043】
図15に示すごとく、貫通窓部36は、一対のバスバー3の双方に、それぞれ複数形成されている。そして、一対のバスバー3は、貫通窓部36同士がZ方向に重なるように配置されている。このZ方向に重なって配置された貫通窓部36を貫通して、出力端子21Aが配置されている。また、出力端子21Aと貫通窓部36の内周縁との間は、空隙が設けられ、出力端子21Aとバスバー3との電気的な絶縁が保たれるよう構成されている。
【0044】
そして、2つのバスバー3よりもZ方向の上側において、出力端子21Aは、出力バスバー(図示略)と接続される。出力バスバーは、回転電機等の交流負荷に電気的に接続される。
その他の構成は、参考形態1と同様である。
【0045】
本形態においては、出力端子21Aとバスバー3との干渉を効果的に防ぐことができる。また、出力端子21Aをコンデンサ4に近い側に配置できるため、省スペース化を図ることができ、電力変換装置1の小型化を図りやすい。
その他、参考形態1と同様の作用効果を有する。
【0046】
参考形態3
本形態は、図16に示すごとく、コンデンサ4とバスバー3との位置関係を、参考形態1とは異ならせた形態である。
すなわち、バスバー3は、コンデンサ4に対して、X方向に隣り合う位置に配置されている。つまり、バスバー3は、コンデンサ4からX方向に突出している。
【0047】
一対のバスバー3は、互いに本体板部31の一部をZ方向に重ね合わせた状態で配置されている。そして、負極バスバー3Nの本体板部31の一部を、正極バスバー3Pよりも、Y方向の一方に突出させるように配置されている。負極バスバー3Nにおいては、正極バスバー3PとZ方向に重ならない部位に、複数の端子接続部32を設けてある。
【0048】
また、複数の半導体モジュール2の積層方向は、X方向であり、半導体モジュール2の主面とコンデンサ4とがX方向に対向している。ただし、半導体モジュール2の主面とコンデンサ4との間に、他の部品が配置されていてもよい。
その他の構成は、参考形態1と同様である。
本形態においても、参考形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
上記実施形態以外にも、各実施形態を種々変形した形態を採用することもできる。
例えば、一対のバスバー3及びパワー端子21の極性を逆にした構成とすることもできる。すなわち、正極バスバー3Pと負極バスバー3Nとを入れ替えて、両者の位置関係及び形状を逆にすることも考えられる。
また、一対のバスバーのうちの一方のみに、複数の環状部を設けた構成とすることもできる。
【0050】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 電力変換装置
2 半導体モジュール
21 パワー端子
3 バスバー
31 本体板部
32 端子接続部
33 環状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16