(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液切部は、重力方向に対して反対方向に向かって延びる第2延出部と、前記第1延出部の延出端部と前記第2延出部の基端部との間を屈曲した状態で繋ぐ屈曲部とをさらに有し、
前記収容部は、前記屈曲部との間に隙間を有した状態で前記屈曲部と対向する底壁を有している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子モジュール。
前記個別収容部は、前記第1延出部に沿って延びる第1側壁と、前記第2延出部に沿って延びる第2側壁とを有しており、前記第1延出部と前記第1側壁との間の隙間寸法は、前記第2延出部と第2側壁との間の隙間寸法よりも小さく設定されている請求項5に記載の端子モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電極間を接続するためのバスバには水滴等の液体が付着することがある。例えば、車両の停車時等にバスバの温度が低下すると、バスバに結露が発生することがある。バスバに付着した水滴等の液体は、電圧検出端子を介して電線に至ると、液体が電線を通じて電圧検出器やECUに浸入し、不具合が生じてしまう。
【0005】
本明細書では、電線に液体が至ることを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される技術は、電極端子に接続される端子接続部と、電線に接続される電線接続部とを有する端子と、前記端子の少なくとも一部を収容するプロテクタとを備え、前記端子における前記端子接続部と前記電線接続部との間には、重力方向に向かって延びる第1延出部を含む液切部を少なくとも1つ有しており、前記プロテクタは、前記液切部を収容する収容部を有している構成とした。
【0007】
このような構成の端子モジュールによると、端子接続部に付着した液体は、液切部の第1延出部を伝って第1延出部の下端部から収容部に貯留されるため、液体が電線接続部に至ることを抑制することができる。これにより、液体が電線に至って、他の機器などに不具合が生じることを抑制することができる。
【0008】
本明細書によって開示される端子モジュールは、以下の構成としてもよい。
前記電極端子は蓄電素子の素子本体に設けられており、前記第1延出部は、前記素子本体の側面に沿って延びている構成としてもよい。
【0009】
このような構成によると、液切部の第1延出部が素子本体の側面に沿って延びているから、例えば、第1延出部が素子本体の上部に配置される場合に比べて、第1延出部の長さ寸法を大きく設定することができる。つまり、液体を電線接続部から離れた位置まで第1延出部によって導くことができるから、液体が電線接続部に至ることをさらに抑制することができる。
【0010】
前記電極端子は前記蓄電素子の素子本体に設けられており、前記収容部は、前記素子本体の側方に配置されている構成としてもよい。
このような構成によると、収容部が素子本体の側方に配置されているから、例えば、収容部が蓄電素子の素子本体の上部に配置される場合に比べて、端子モジュールが取り付けられた蓄電素子全体の高さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
【0011】
前記液切部は、重力方向に対して反対方向に向かって延びる第2延出部と、前記第1延出部の延出端部と前記第2延出部の基端部との間を屈曲した状態で繋ぐ屈曲部とをさらに有し、前記収容部は、前記屈曲部との間に隙間を有した状態で前記屈曲部と対向する底壁を有している構成としてもよい。
【0012】
このような構成によると、第1延出部を伝った液体が液切部の屈曲部と収容部の底壁との間の隙間に表面張力によって引きつけられ、液体が収容部に留まり易くなるから、液体が電線接続部に至ることをさらに抑制することができる。
【0013】
前記端子接続部と前記電線接続部との間には、複数の前記液切部が設けられており、前記収容部は、前記複数の液切部を個別に収容する個別収容部を有している構成としてもよい。
このような構成によると、端子接続部と電線接続部との間には、複数の液切部が設けられているから、液体が電線接続部に至ることを抑制することができる。
【0014】
ところで、例えば、複数の液切部が1つの収容部に一括して収容されている場合には、端子接続部に最も近い液切部から収容部内に落下した液体が底壁を伝って電線接続部に最も近い液切部に至ってしまうことが懸念される。ところが、このような構成によると、各液切部が個別収容部に個別に収容されているから、各液切部から落下した液体が底壁を伝って他の液切部に至ることを防ぐことができる。
【0015】
前記個別収容部は、前記第1延出部に沿って延びる第1側壁と、前記第2延出部に沿って延びる第2側壁とを有しており、前記第1延出部と前記第1側壁との間の隙間寸法は、前記第2延出部と第2側壁との間の隙間寸法よりも小さく設定されている構成としてもよい。
【0016】
このような構成によると、液切部に付着した液体が第1延出部と第1側壁との間の隙間に表面張力によって引き寄せられ、液体を速やかに個別収容部内に引き込むことができる。また、第2延出部と第2側壁との間の隙間寸法は、第1延出部と第1側壁との間の隙間寸法よりも大きくなっているから、第2延出部と第2側壁との間の隙間には表面張力が生じ難くなり、個別収容部内に引き込まれた液体が第2延出部を伝って電線接続部側に至ることを抑制することができる。
【0017】
前記端子接続部と前記電線接続部とは並んで配置されており、前記収容部は、前記端子接続部と前記電線接続部との並び方向に沿って延びる液溜本体部と、前記液溜本体部の延び方向と交差する方向に前記液溜本体部から突出する補助液溜部とを有している構成としてもよい。
【0018】
このような構成によると、液切部から落下する液体の収容領域を大きくすることができるから、収容部に溜まった液体が第2延出部を伝って電線接続部側に至ることを抑制できる。これにより、液体が電線に至って、他の機器などに不具合が生じることを抑制することができる。
【0019】
前記補助液溜部の深さ寸法は、前記液溜本体部の深さ寸法よりも大きく設定されている構成としてもよい。
このような構成によると、液切部から落下する液体の収容領域を大きくすることができる。また、端子が配置される液溜本体部に補助液溜部内に貯留された液体が及ぶことを抑制することができる。これにより、収容部に溜まった液体が第2延出部を伝って電線接続部側に至ることをさらに抑制することができ、液体が電線に至って、他の機器などに不具合が生じることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本明細書によって開示される技術によれば、電線に液体が至ることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術における実施形態1について
図1から
図10を参照して説明する。
本実施形態は、蓄電素子80に接続される端子モジュール10を例示している。なお、以下の説明において、
図1および
図2におけるU方向を上方、D方向を下方とし、R方向を右方、L方向を左方とする。また、
図1および
図2におけるF方向を前方、B方向を後方として説明する。
【0023】
蓄電素子80は、
図2から
図5に示すように、図示しない蓄電要素が収容された扁平な略直方体状の素子本体81を有している。素子本体81は、前後方向両端部に一対の台座部82を有しており、台座部82の上面には、台座部82から上方に向けて突出するボルト状の電極端子83が設けられている。電極端子83には、端子モジュール10の後述する電圧検出端子20が接続されるようになっている。電極端子83に電圧検出端子20を接続するには、電圧検出端子20に電極端子83を挿通するように組み付け、電極端子83にナットNを締め込む。すると、電極端子83と電圧検出端子20とがナットNと台座部82とに挟持されて電気的に接続されるようになっている。
【0024】
端子モジュール10は、
図1から
図5に示すように、蓄電素子80の電圧を検出するための電圧検出端子20と、電圧検出端子20の一部を収容するプロテクタ50とを備えて構成されている。
【0025】
電圧検出端子20は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等の導電性を有する金属板材をプレスなどによって加工することによって形成されている。
【0026】
電圧検出端子20は、
図7から
図9に示すように、蓄電素子80の電極端子83と接続される端子接続部21と、電線Wの端末に接続される電線接続部22と、端子接続部21と電線接続部22とを前後方向に繋ぐ繋ぎ部30とを備えて構成されている。
【0027】
端子接続部21は、平面視略矩形の平板状をなしている。端子接続部21には、板厚方向に貫通する電極挿通孔23が設けられており、電極挿通孔23に蓄電素子80の電極端子83を挿通することにより、端子接続部21を電極端子83に組み付けて電気的に接続することができるようになっている。
【0028】
電線接続部22は、端子接続部21および繋ぎ部30の後方に並んで配置されており、繋ぎ部30の後方に連なるワイヤバレル25と、ワイヤバレル25の後方に連なるインシュレーションバレル26とを有している。電線接続部22は、ワイヤバレル25が電線Wの端末において絶縁被覆W2から露出した芯線W1に圧着され、インシュレーションバレル26が絶縁被覆W2に圧着されることにより、電線Wの端末に接続されている。
【0029】
電線Wは、電圧検出端子20に接続される側とは反対側の端部が図示しないECU(Electronic Control Unit)に接続される。ECUは、マイクロコンピュータ、電子素子等が搭載されたものであって、蓄電素子80の電圧・電流・温度等の検出などを行うための機能を備えた周知の構成である。
【0030】
繋ぎ部30は、前後方向に等幅の板状に形成されており、繋ぎ部30の前端部30Aが端子接続部21の後縁に連なると共に、後端部30Bが電線接続部22の前縁に連なることにより、端子接続部21と電線接続部22との間を前後方向に繋ぐ形態とされている。
【0031】
プロテクタ50は、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。プロテクタ50は、
図5から
図8および
図10に示すように、電圧検出端子20が上方から収容されるロアプロテクタ51と、ロアプロテクタ51に上方から組み付けられるアッパプロテクタ70とを有する。
【0032】
ロアプロテクタ51は、前後に長い平面視略矩形状に形成されており、繋ぎ部30の前端部30Aを収容する第1収容部52と、繋ぎ部30の後端部30Bおよび電圧検出端子20の電線接続部22を収容する第2収容部55とを有している。
【0033】
第1収容部52は、平面視略矩形状の第1載置壁53と、第1載置壁53の左右方向両側縁に立設された一対の第1側壁54とを備えて構成されており、前後方向および上方に開口した形態とされている。
【0034】
第1載置壁53には、端子接続部21の後縁から後方に真っ直ぐ延びる繋ぎ部30の前端部30Aが上方から載置可能とされており、第1載置壁53の左右方向の長さ寸法は、繋ぎ部30の左右方向の長さ寸法よりもやや大きく設定されている。
【0035】
第2収容部55は、平面視略矩形状の第2載置壁56と、第2載置壁56の左右方向両側縁に立設された一対の第2側壁57と、第2載置壁56の後端縁および一対の第2側壁57の後端縁に連なって設けられた第2後壁58とを備えて構成されており、前方および上方に開口した形態とされている。
【0036】
第2載置壁56には、電線接続部22および電線接続部22の前縁から前方に真っ直ぐ延びる繋ぎ部30の後端部30Bが上方から載置可能とされており、第2載置壁56の上下方向の高さ位置は、第1載置壁53の高さ位置と実質的に同じ高さ位置とされている。なお、実質的に同じ高さとは、第2載置壁56と第1載置壁53とが同じ高さである場合を含むと共に、第2載置壁56と第1載置壁53とが異なる高さであっても略同じと認められる場合を含む。
【0037】
第2後壁58には、電線接続部22に接続された電線Wを引き出す電線引出孔58Aが第2後壁58の上端から下方に向かって凹んで形成されている。電線引出孔58Aには、第2載置壁56に繋ぎ部30の後端部30Bおよび電線接続部22が載置された際に、電線Wが挿通され、電線Wが電線引出孔58Aから後方に引き出されるようになっている。
【0038】
アッパプロテクタ70は、
図6および
図7に示すように、平面視略矩形状をなす天井壁71と、天井壁71の左右方向両端縁から下方に延びる一対の上側壁72と、天井壁71の前端縁から下方に延びる上前壁73とを備えて構成されている。アッパプロテクタ70は、ロアプロテクタ51よりも前後左右方向にやや大きく形成されており、アッパプロテクタ70がロアプロテクタ51に組み付けられると、電圧検出端子20の繋ぎ部30および電線接続部22と共にロアプロテクタ51を上方から完全に覆うようになっている。
【0039】
上前壁73は、天井壁71からの延出寸法(上下方向の長さ寸法)がロアプロテクタ51における第1収容部52の高さ寸法よりもやや短く設定されており、アッパプロテクタ70がロアプロテクタ51に組み付けられた状態では、
図5に示すように、上前壁73と第1収容部52の第1載置壁53との間に繋ぎ部30の前端部30Aが挿通される挿通開口59が形成されるようになっている。
【0040】
さて、電圧検出端子20における繋ぎ部30は、複数の液切部31を有しており、プロテクタ50のロアプロテクタ51は、第1収容部52と第2収容部55との間に複数の液切部31を収容する収容部60を有している。
【0041】
複数の液切部31は、
図7から
図9に示すように、繋ぎ部30の前端部30Aと繋ぎ部30の後端部30Bとを前後方向に繋ぐように前後方向に2つに連なっている。
【0042】
各液切部31は、繋ぎ部30の前端部30Aおよび後端部30Bと同一の幅寸法に形成されており、前端部30Aから下方に屈曲されて重力方向である下方に向かって延びる第1延出部32と、第1延出部32の下端縁から後方に向けて円弧状に折り返された屈曲部33と、屈曲部33の後側の上端縁から重力方向に対して反対方向である上方に向かって延びる第2延出部34とを有している。
【0043】
言い換えると、第1延出部32と第2延出部34とは前後方向に対向した状態となっており、屈曲部33は、第1延出部32の延出端部である下端縁と第2延出部34の基端部である下端縁との間を屈曲した状態で繋いでいる。
【0044】
また、液切部31が前後方向に連なる部分は、前側の液切部31における第2延出部34の先端部である後端縁と後側の液切部31における第1延出部32の基端部である上端縁とを円弧状に屈曲した連結部35によって連結されており、連結部35の頂点である上端位置は、繋ぎ部30の前端部30Aおよび後端部30Bの高さ位置とほぼ同じに設定されている。
【0045】
また、第1延出部32および第2延出部34は、
図5に示すように、端子接続部21が蓄電素子80の電極端子83に接続された状態では、素子本体81の台座部82の後方(側方)において台座部82の側面82Aに沿うように下方に延びた状態に配置される。
したがって、繋ぎ部30における各液切部31は、繋ぎ部30の前端部30Aおよび後端部30Bの高さ位置よりも重力方向である下方に配置された状態で素子本体81における台座部82の側面82Aに沿うように上下に蛇行する形態とされている。
【0046】
一方、収容部60は、
図7、
図8および
図10に示すように、第1収容部52および第2収容部55よりも上下方向に大きい箱形状に形成されており、収容部60は、第1収容部52および第2収容部55の左右方向の幅寸法と同一の幅寸法なす平面視略矩形状の底壁61を有している。
【0047】
底壁61の左右方向の両側縁には、
図6に示すように、一対の側壁62が立設されており、一対の側壁62における上端面62Aは、第1収容部52および第2収容部55の上端面51Aと面一状態とされている。
【0048】
したがって、収容部60は、第1収容部52および第2収容部55よりも下方に突出した形態とされ、収容部60は、電圧検出端子20の液切部31と同様に、素子本体81の後方(側方)に配置されるようになっている。
【0049】
収容部60の前壁63は、第1収容部52の第1載置壁53の後端縁から下方に延びて底壁61の前端縁に連なっており、収容部60の後壁64は、第2収容部55の第2載置壁56の前端縁から下方に延びて底壁61の後端縁に連なっている。また、収容部60の一対の側壁62は、第1収容部52の第1側壁54と第2収容部55の第2側壁57とに前後方向に面一状に連なっている。
【0050】
収容部60の内部は、複数の液切部31を個別に収容する複数の個別収容部65に区切られている。
複数の個別収容部65は、前後方向に連なるように並んで配置されている。前後に隣り合う個別収容部65は、収容部60の一対の側壁62を左右方向に延びる仕切壁60Aによって区切られており、前後に隣り合う個別収容部65間を区切る仕切壁60Aは、前側に配される個別収容部65の後壁65Bを構成すると共に、後側に配される個別収容部65の前壁65Fを構成している。
【0051】
また、複数の個別収容部65のうちの最前の個別収容部65の前壁65Fは収容部60の前壁63を構成し、最後の個別収容部65の後壁65Bは収容部60の後壁64を構成している。そして、前後に隣り合う個別収容部65の左右方向両側の側壁65Aは、前後方向に連なることにより、収容部60の左右方向両側の側壁62を構成している。
【0052】
また、繋ぎ部30における液切部31が個別収容部65に個別に収容された状態では、
図5および
図6に示すように、収容部60の底壁61と液切部31の屈曲部33とが、底壁61の厚さ寸法L1よりも小さい隙間寸法L2を有した状態で上下方向に対向する。また、
図5に示すように、個別収容部65の前壁65Fと液切部31の第1延出部32とが前後方向に対向すると共に、個別収容部65の後壁65Bと液切部31の第2延出部34とが前後方向に対向した状態となって、個別収容部65の前壁65Fと第1延出部32との間の隙間寸法L3が、個別収容部65の後壁65Bと第2延出部34との間の隙間寸法L4よりも小さくなるように個別収容部65内に第1延出部32と第2延出部34とが配置されるようになっている。
【0053】
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、端子モジュール10の作用および効果について説明する。
一般に、端子モジュールが接続される電極端子などには、水滴等の液体が付着することがある。例えば、電極端子の温度が低下すると、電極端子に結露が発生することにより、液体が付着する。電極端子に付着した液体は、電圧検出端子を介して電線に至ると、液体が電線を通じて電圧検出器やECUに浸入し不具合が生じることが懸念される。
【0054】
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、本実施形態の構成を見出した。すなわち、本実施形態の端子モジュール10は、電極端子83に接続される端子接続部21と、電線Wに接続される電線接続部22とを有する電圧検出端子20と、電圧検出端子20の少なくとも一部を収容するプロテクタ50とを備え、電圧検出端子20における端子接続部21と電線接続部22との間には、重力方向である下方に向かって延びる第1延出部32を含む液切部31を少なくとも1つ有しており、プロテクタ50は、液切部31を収容し、第1延出部32を伝う液体を貯留する収容部60を有している。
【0055】
すなわち、本実施形態の端子モジュール10によると、電極端子83に付着した液体は、端子接続部21から液切部31の第1延出部32を伝って第1延出部32の下端部から落下して収容部60に貯留される。これにより、液体が電線接続部22に至ることを抑制することができる。
ひいては、液体が電線Wを伝って他の機器など浸入して不具合が生じることを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態によると、液切部31は、重力方向である下方に対して反対方向である上方に向かって延びる第2延出部34と、第1延出部32の延出端縁である下端縁と第2延出部34の基端部である下端縁との間を屈曲した状態で繋ぐ屈曲部33とをさらに有し、収容部60は、屈曲部33との間に隙間を有した状態で屈曲部33と対向する底壁61を有している。
【0057】
つまり、第1延出部32を伝った液体が液切部31の屈曲部33と収容部60の底壁61との間の隙間に表面張力によって引きつけられ、液体が収容部60に留まり易くなるから、液体が電線接続部22に至ることをさらに抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態の電極端子83は蓄電素子80の素子本体81に設けられており、第1延出部32は、素子本体81における台座部82の側面82Aに沿って延びているから、例えば、第1延出部が素子本体の上部に配置される場合に比べて、第1延出部32の長さ寸法を大きく設定することができる。つまり、液体を電線接続部22から離れた位置まで第1延出部32によって導くことができるから、液体が電線接続部22に至ることをさらに抑制することができる。
【0059】
さらに、収容部60は、素子本体81の後方(側方)に配置されているから、例えば、収容部が蓄電素子の素子本体の上部に配置される場合に比べて、端子モジュール10が取り付けられた蓄電素子80全体の高さ寸法が大きくなることを抑制することができる。つまり、蓄電素子80を配置するスペースにおいて高さ寸法に制限がある場合には、非常に有効である。
また、本実施形態は、端子接続部21と電線接続部22との間には、複数の液切部31が設けられているから、液体が電線接続部22に至ることを抑制することができる。
【0060】
ところで、例えば、複数の液切部が1つの収容部に一括して収容されている場合には、端子接続部に最も近い液切部から収容部内に落下した液体が底壁を伝って電線接続部に最も近い液切部から電線接続部に至ってしまうことが懸念される。
ところが、本実施形態の収容部60は、複数の液切部31を個別に収容する個別収容部65を有しているから、各液切部31から落下した液体が底壁61を伝って他の液切部31に至ることを防ぐことができる。
【0061】
さらに、本実施形態の個別収容部65は、第1延出部32に沿って延びる前壁(第1側壁)65Fと、第2延出部34に沿って延びる後壁(第2側壁)65Bとを有しており、第1延出部32と前壁65Fとの間の隙間寸法L3は、第2延出部34と後壁65Bとの間の隙間寸法L4よりも小さく設定されている。
【0062】
つまり、液切部31に付着した液体は、第1延出部32と前壁65Fとの間の隙間に表面張力によって引き寄せられ、液体を速やかに個別収容部65内に引き込むことができる。一方、第2延出部34と後壁65Bとの間の隙間寸法L4は、第1延出部32と前壁65Fとの間の隙間寸法L3よりも大きくなっているから、個別収容部65内に引き込まれた液体が第2延出部34を伝って電線接続部22側に至ることを抑制することができる。
【0063】
<実施形態2>
次に、実施形態2について
図11から
図15を参照して説明する。
実施形態2のプロテクタ150は、実施形態1におけるプロテクタ50の収容部60の左右方向の幅寸法を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0064】
第2実施形態のロアプロテクタ151の収容部160は、端子接続部21と電線接続部22との並び方向に沿って延びる液溜本体部166と、液溜本体部166の延び方向と交差する方向である直交する方向に液溜本体部166から突出する一対の補助液溜部167とを有している。
また、アッパプロテクタ170は、収容部160に合わせて前後方向略中央部が左右方向に突出した形態とされている。
【0065】
液溜本体部166は、
図13から
図15に示すように、第1収容部52および第2収容部55の左右方向の幅寸法とほぼ同じ幅寸法に設定されている。したがって、補助液溜部167は、第1収容部52および第2収容部55よりも左右方向に突出した形態とされている。
【0066】
また、補助液溜部167は、
図11、
図13および
図14に示すように、液溜本体部166よりも下方に突出しており、補助液溜部167の底壁167Aは、液溜本体部166の底壁166Aよりも一段下がった位置に設定されている。したがって、補助液溜部167の上下方向の深さ寸法L5は、液溜本体部166の上下方向の深さ寸法L6よりも大きく設定されている。
つまり、本実施形態の収容部160、ひいては個別収容部165の内部空間は、補助液溜部を設けない場合に比べて大きくなっている。
【0067】
すなわち、本実施形態によると、収容部160が液溜本体部166よりも左右方向および上下方向に突出した補助液溜部167を有しているから、補助
液溜部を設けない場合に比べて、第1延出部32を伝って落下する液体を収容部160内に多く貯留することができると共に、液体が第2延出部34を伝って電線接続部22側に至ることをさらに抑制することができるようになっている。
【0068】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、電圧検出端子20の端子接続部21と電極端子83とをナットNと台座部82とによって締結する構成にした。しかしながら、これに限らず、端子接続部は、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接などによって電極端子に接続する構成にしてもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、電極端子83に接続される電圧検出端子20を一例として示した。しかしながら、これに限らず、隣り合う蓄電素子の電極端子同士を接続するバスバ端子に本明細書で開示した技術を適用してもよい。
【0070】
(3)上記実施形態では、電圧検出端子20が蓄電素子80の電極端子83に接続される構成とした。しかしながら、これに限らず、電圧検出端子をキャパシタなどの電極端子に接続する構成にしてもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、電極端子83に付着する液体を水滴とした。しかしながら、これに限らず、電極端子に付着する液体は、電解液など水滴以外の液体であってもよい。
(5)上記実施形態では、収容部60,160には、液切部31から流れ落ちた液体が貯留される構成とした。しかしながら、これに限らず、収容部には、液切部から流れ落ちた液体を安全な外部領域へ誘導するための排出孔を設けてもよい。