特許第6981405号(P6981405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981405
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】材料および成形品
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   C08J5/04CFG
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-519146(P2018-519146)
(86)(22)【出願日】2017年4月17日
(86)【国際出願番号】JP2017015444
(87)【国際公開番号】WO2017203893
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2020年3月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-105845(P2016-105845)
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】松本 信彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智則
【審査官】 深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−335590(JP,A)
【文献】 特開昭61−219731(JP,A)
【文献】 特開昭61−219734(JP,A)
【文献】 特開昭58−138616(JP,A)
【文献】 特開2010−094896(JP,A)
【文献】 特開2001−294686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/04− 5/10、 5/16
B29B 11/16、15/08−15/14
C08G 69/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並列した連続強化繊維中にポリアミド樹脂が含浸している平状材料であって、
前記連続強化繊維の長手方向に垂直な断面は、長径(D2)/短径(D1)で表わされる扁平率が1.5以上の非円形であり、
前記平状材料の、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、前記連続強化繊維のうち、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角が20度未満である連続強化繊維の割合が、30〜90面積%であり、
前記平状材料の、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、前記連続強化繊維のうち、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角が70度以上である連続強化繊維の割合が70〜5面積%であり、
前記連続強化繊維の並列方向に垂直な方向は、平状材料の幅方向を指すものである、平状材料。
【請求項2】
前記連続強化繊維がガラス繊維である、請求項1に記載の平状材料。
【請求項3】
前記連続強化繊維の長手方向に垂直な断面の面積が、連続強化繊維1本あたり、15〜2000μm2である、請求項1または2に記載の平状材料。
【請求項4】
前記扁平率が1.5〜8である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項5】
前記平状材料の厚さが10〜2000μmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項6】
前記ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項7】
前記平状材料中における連続強化繊維の割合が30〜80質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項8】
表面粗さRaが22μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項9】
耐突き刺し力が8.5N以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料;但し、耐突き刺し力とは、ストログラフに先端径40μmの針を装着し、連続強化繊維の並列方向に対して垂直になるように、平状材料に針を20mm/sの速度で突き刺し、針が貫通する際の最大力の5回の測定値の平均値をいう。
【請求項10】
耐引き裂き力が2.5N以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の平状材料;但し、耐引き裂き力とは、平状材料を繊維長方向に50mm切り出し、幅15mm、長さ70mm、厚み100μmの樹脂フィルムを、接着剤を用いて20mmの長さまで、樹脂フィルムの長手方向の一辺が平状材料の繊維長方向の中心線と一致するように、平状材料の上面と下面に一枚ずつ接着し、さらに樹脂フィルムの残りの部分は、接着剤を用いて樹脂フィルム同士を貼り合わせ、さらに、別の2枚の樹脂フィルムを先に設けた樹脂フィルムに隣接するように、かつ、樹脂フィルムの長手方向の一辺が平状材料の繊維長方向の中心線と一致するように、先の2枚の樹脂フィルムと同様に貼り合わせ、それぞれの樹脂フィルムを、引張速度300mm/分で、樹脂フィルム同士を180度方向に引っ張り、平状材料が繊維長方向に割けた際の最大力の5回の平均値とする。
【請求項11】
UDテープである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の平状材料。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の平状材料を成形してなる成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂と連続強化繊維を用いた材料、および前記材料を用いた成形品に関する。特に、UDテープに有用な材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、成形加工の容易さ、外観、経済性および機械的強度、ならびに、物理的および化学的特性に優れているため、電気機器、電子機器、精密機械、自動車部品、建材および雑貨等の幅広い分野で使用されている。例えば、特許文献1には、ポリアミド樹脂と難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物を、連続強化繊維に含浸させてなる繊維強化樹脂材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−224313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年、用途によっては、耐突き刺し力の高い材料が求められることがある。また、連続強化繊維を配合した材料でも、表面粗さが小さいことが求められる傾向にある。
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、耐突き刺し力が高く、表面粗さが小さい材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、連続強化繊維として断面が扁平形状のものを用い、さらに、材料中の連続強化繊維の断面が所定の配向度を満たすように調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<13>により、上記課題を解決しうることを見出した。
<1>一方向に並列した連続強化繊維中にポリアミド樹脂が含浸している材料であって、前記連続強化繊維の長手方向に垂直な断面は、長径(D2)/短径(D1)で表わされる扁平率が1.5以上の非円形であり、前記材料の、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、前記連続強化繊維のうち、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角が20度未満である連続強化繊維の割合が、30〜90面積%である材料。
<2>前記材料の、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、前記連続強化繊維のうち、前記連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角が70度以上である連続強化繊維の割合が70〜5面積%である、<1>に記載の材料。
<3>前記連続強化繊維がガラス繊維である、<1>または<2>に記載の材料。
<4>前記連続強化繊維の長手方向に垂直な断面の面積が、連続強化繊維1本あたり、15〜2000μm2である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の材料。
<5>前記扁平率が1.5〜8である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の材料。
<6>前記材料の厚さが10〜2000μmである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の材料。
<7>前記ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の材料。
<8>前記材料中における連続強化繊維の割合が30〜80質量%である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の材料。
<9>表面粗さRaが22μm以下である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の材料。
<10>耐突き刺し力が8.5N以上である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の材料;但し、耐突き刺し力とは、ストログラフに先端径40μmの針を装着し、連続強化繊維の並列方向に対して垂直になるように、材料に針を20mm/sの速度で突き刺し、針が貫通する際の最大力の5回の測定値の平均値をいう。
<11>耐引き裂き力が2.5N以上である、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の材料;但し、耐引き裂き力とは、材料を繊維長方向に50mm切り出し、幅15mm、長さ70mm、厚み100μmの樹脂フィルムを、接着剤を用いて20mmの長さまで、樹脂フィルムの長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線と一致するように、材料の上面と下面に一枚ずつ接着し、さらに樹脂フィルムの残りの部分は、接着剤を用いて樹脂フィルム同士を貼り合わせ、さらに、別の2枚の樹脂フィルムを先に設けた樹脂フィルムに隣接するように、かつ、樹脂フィルムの長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線と一致するように、先の2枚の樹脂フィルムと同様に貼り合わせ、それぞれの樹脂フィルムを、引張速度300mm/分で、樹脂フィルム同士を180度方向に引っ張り、材料が繊維長方向に割けた際の最大力の5回の平均値とする。
<12>UDテープである、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の材料。
<13><1>〜<12>のいずれか1つに記載の材料を成形してなる成形品。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、耐突き刺し力が高く、表面粗さが小さい材料を提供可能になった。また、前記材料を用いた優れた成形品を提供可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の材料の断面概略図である。
図2】本発明の材料の連続強化繊維が一方向に並列する様子を示す概略図である。
図3】連続強化繊維の断面の長径(D2)および短径(D1)を示す概略図である。
図4】本発明の材料における、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と連続強化繊維の長径のなす角の関係を示す概略図である。
図5】実施例に記載の耐引き裂き力の測定方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、UDテープとは、Uni Directionの略称であり、一方向強化材料を意味する。
【0009】
本発明の材料は、一方向に並列した連続強化繊維中にポリアミド樹脂が含浸している材料であって、連続強化繊維の長手方向に垂直な断面は、長径(D2)/短径(D1)で表わされる扁平率が1.5以上の非円形であり、前記材料の、連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、連続強化繊維のうち、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と連続強化繊維の長径のなす角(以下、「なす角α」ということがある)が20度未満である連続強化繊維の割合が30〜90面積%であることを特徴とする。例えば、図1に示されるように、材料中の断面において、連続強化繊維の非円形断面の一部が材料面に対し、斜めになるように配向している。このような構成とすることにより、耐突き刺し力が高く、表面粗さが小さい材料が得られる。
この理由は以下の通りであると考えられる。すなわち、上記なす角αが20度未満である連続強化繊維の割合が90面積%を超えると、突き刺し物が材料を貫通する経路上に存在する連続強化繊維の本数が少なくなる。本数が減少することにより、複合材料において強度に顕著に影響するポリアミド樹脂/連続強化繊維の界面が減少し、耐突き刺し力が低くなると考えられる。一方、上記なす角αが20度未満の連続強化繊維の割合が30面積%未満であると、連続強化繊維の形状が表面形状に影響し、表面粗さRaが大きくなってしまう。Raを小さくするためにはポリアミド樹脂を含浸させる際に連続強化繊維間を樹脂で満たして平滑化するよう、ポリアミド樹脂を流動させる、または含浸時間を長くするなどの特別な処置が必要になる。
【0010】
さらに、本発明の構成とすることにより、耐引き裂き力が大きく、連続強化繊維が剥がれにくく、巻出しやすい材料が得られる。
連続強化繊維を剥がれにくくすることにより、繊維が折れて脱離するのを効果的に抑制でき、作業環境の汚染を抑制できる。また、成形品としたときの外観が向上し、成形品の機械的強度を向上させることができる。
さらに、本発明では、材料を巻取体としても、巻出しやすいため、材料が上層や下層へ密着するのを効果的に抑制できる。さらに、本発明の材料は形状的に耐湿性が高いため、巻取体の耐湿性を向上させることが可能になる。
【0011】
本発明の材料は、連続強化繊維が一方向に並列している。一方向に並列とは、例えば、図2に示すように、連続強化繊維21が、連続強化繊維の長手方向(繊維長方向)において同一方向に並んでいることをいう。ここでの同一方向とは、数学的な意味での同一方向に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、連続強化繊維の並列状態に乱れやズレがあってもよいことは言うまでもない。例えば、市販品のUDテープに認められる程度の連続強化繊維の乱れやズレがあっても、本発明における同一方向に含まれる。
【0012】
本発明で用いる連続強化繊維は、長手方向に垂直な断面が、長径(D2)/短径(D1)で表わされる扁平率が1.5以上の非円形である。非円形の断面とは、長円形、楕円形、繭型等の断面が例示され、長円形および楕円形が好ましく、長円形がより好ましい。また、長円形、楕円形、繭型は、数学的な意味での長円形等に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、形状に誤差があってもよいことは言うまでもない。例えば、長円形、楕円形、繭型等の非円形の断面を有する連続強化繊維として販売されている市販品に認められる程度の誤差があっても、本発明における非円形に含まれる。本発明では、前記断面の最も長い部分を長径とし、前記長径に垂直な方向を短径とする。例えば、長円形断面の場合、図3(a)に示されるように、長径(D2)と短径(D1)が定められる。また、繭型断面の場合は、図3(b)に示されるように長径(D2)と短径(D1)が定められる。
扁平率の測定は、連続強化繊維の長手方向に垂直な断面の任意の5か所(5本の繊維)について、長径(D2)と短径(D1)を、それぞれ、光学顕微鏡によって測定し、その平均値を本発明における扁平率とする。
連続強化繊維は、1種類のみでも、2種類以上を用いてもよいが、2種類以上用いる場合、扁平率の異なる連続強化繊維を用いることもできる。この場合の扁平率は、それぞれの連続強化繊維の扁平率を、それぞれの連続強化繊維の含有量に応じて加重平均した値とする。
扁平率は、1.5以上であり、1.8以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。一方、扁平率の上限は、8以下が好ましく、7以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。本発明の材料に含まれる連続強化繊維は、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向の断面において、通常、扁平率が1.2以上のものが90面積%以上を占め、扁平率が1.5以上のものが90面積%以上を占めることがより好ましい。
本発明で用いる連続強化繊維の長径(D2)は、6〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜40μmがさらに好ましく、20〜35μmが一層好ましい。本発明で用いる連続強化繊維の短径(D1)は、3〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましく、5〜10μmがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形品の機械的強度を高く保ちつつ、成形加工性に優れる材料が得られる。
本発明で用いる連続強化繊維の長手方向に垂直な断面の面積は、連続強化繊維1本あたり、15〜2000μm2であることが好ましく、20〜1500μm2であることがより好ましく、50〜500μm2がさらに好ましく、80〜250μm2が一層好ましい。前記断面の面積は、ImageJなどの画像処理ソフトを用いて測定できる。複数の断面形状がある場合は、任意の100つの断面の平均の面積(数平均値)とする。
連続強化繊維の材料等の詳細については、後述する。
【0013】
本発明の材料は、連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、前記連続強化繊維の一部が、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角αが20度未満となるように配向している。
ここで、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向とは、材料中の連続強化繊維によって構成される任意の一層の連続強化繊維の並列方向に対して垂直な断面で切断し、前記断面に現れる、前記任意の一層に対応する方向をいう。後述する実施例で示すように、連続強化繊維を開繊し、ロールやスプレッダーを用いて製造する場合、材料の表面が連続強化繊維の並列方向に垂直な方向に対応するであろう。
本発明の材料における、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と前記連続強化繊維の長径(D2)のなす角αは、例えば、図4に示されるαの角度である。図4において、Aは、連続強化繊維の並列方向に垂直な方向であり、D2は連続強化繊維の長径である。Aと長径(D2)のなす角は2つあるが、小さい方のなす角を本発明におけるなす角αとする。
本発明の材料中の連続強化繊維の断面における、なす角αが20度未満である連続強化繊維の断面の割合の下限は、30面積%以上であり、35面積%以上が好ましい。上記断面の割合の上限は、90面積%以下であり、80面積%以下が好ましく、70面積%以下がより好ましい。
本発明では、さらに、上記なす角αが70度以上である連続強化繊維の断面の割合が70〜5面積%であることが好ましい。このような範囲とすることにより、材料のより優れた表面平滑性とより高い突き刺し力を両立することができる。本発明の材料における、なす角αが70度以上である連続強化繊維の断面の割合の下限は、5面積%以上であり、10面積%以上が好ましく、15面積%以上がより好ましい。上記割合の上限は、70面積%以下であり、50面積%以下が好ましく、40面積%以下がさらに好ましく、30面積%以下が一層好ましく、25面積%以下がより一層好ましい。
また、本発明では、上記なす角αが20度以上70度未満である連続強化繊維の断面の割合が25〜80面積%であってもよく、25〜50面積%であってもよく、30〜40面積%であってもよい。
なお、本発明では、連続強化繊維の並列方向に垂直な断面の少なくとも1つにおいて、上記なす角度αの関係を満たしていればよいが、前記断面の5つ以上において、上記なす角度αの関係を満たしていることが好ましい。
なす角αの測定方法は、後述の実施例に記載の方法に従う。実施例で記載の機器が廃版等により入手不可能な場合、同等の性能を有する他の機器を用いることができる。以下、実施例に記載の測定方法について同様に考える。
【0014】
本発明の材料は、通常、テープ、フィルム、シート等の平状の形状である。本発明では特に、UDテープとして好ましく用いられる。本発明の材料は、芯材等に巻き取られ、巻き取り品として市場に供給される。巻き取られる場合、連続強化繊維の繊維長方向(長手方向)に巻き取られることが好ましい。本発明の材料は巻出しやすいため、巻取体として保存することが相応しい。
本発明の材料は、その厚さの下限が10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましく、150μm以上であることが特に好ましい。前記厚さの上限は、2mm(2000μm)以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましく、250μm以下であることが特に好ましい。ここで、厚さとは、本発明の材料の任意の5点の厚さの平均値をいう。
本発明の材料の幅や長さについては、特に定めるものではないが、UDテープの場合、例えば、幅1〜100cm、長さ1〜1000mとすることができる。
【0015】
本発明の材料は、ポリアミド樹脂が連続強化繊維中に含浸している。本発明では、含浸の状態について、本発明の材料をエポキシ樹脂で包埋し、前記包埋した材料の連続強化繊維の長手方向に垂直な断面を研磨し、断面図を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)(キーエンス社製)を使用して撮影することによって、確認することができる。
さらに、含浸率を求める場合は、得られた材料の断面の写真に対し、ポリアミド樹脂が溶融し含浸した領域を、画像解析ソフトImageJを用いて選択し、その面積を測定して算出することができる。
含浸率=(撮影断面におけるポリアミド樹脂が連続強化繊維に含浸している領域)/(撮影断面積)×100(単位%)として示すことができる。
本発明では、含浸率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
【0016】
本発明の材料は、表面粗さRaが22μm以下であることが好ましく、21μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。また、表面粗さの下限は、0μmが好ましいが、5μm以上、さらには、8μm以上でも十分に実用レベルである。表面粗さの測定方法は、後述の実施例に記載の方法に従う。
本発明の材料の耐突き刺し力は、8.5N以上であることが好ましい。また、耐突き刺し力の上限は特に定めるものではないが、15N以下、さらには、12N以下でも十分に実用レベルである。耐突き刺し力の測定方法は、以下の方法に従って測定される値であり、より具体的には、後述の実施例に記載の方法に従う。
<耐突き刺し力>
耐突き刺し力とは、ストログラフに先端径40μmの針を装着し、連続強化繊維の並列方向に対して垂直になるように、材料に針を20mm/sの速度で突き刺し、針が貫通する際の最大力の5回の測定値の平均値をいう。
【0017】
本発明の材料の耐引き裂き力は、2.5N以上であることが好ましく、2.6N以上であることがより好ましい。また、耐引き裂き力の上限は特に定めるものではないが、5N以下、さらには、4N以下でも十分に実用レベルである。耐引き裂き力の測定方法は、以下の方法に従って測定される値であり、より具体的には、後述の実施例に記載の方法に従う。
<耐引き裂き力>
材料を繊維長方向に50mm切り出し、幅15mm、長さ70mm、厚み100μmの樹脂フィルムを、接着剤を用いて20mmの長さまで、樹脂フィルムの長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線と一致するように、材料の上面と下面に一枚ずつ接着し、さらに樹脂フィルムの残りの部分は、接着剤を用いて樹脂フィルム同士を貼り合わせ、さらに、別の2枚の樹脂フィルムを先に設けた樹脂フィルムに隣接するように、かつ、樹脂フィルムの長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線と一致するように、先の2枚の樹脂フィルムと同様に貼り合わせ、それぞれの樹脂フィルムを、引張速度300mm/分で、樹脂フィルム同士を180度方向に引っ張り、材料が繊維長方向に割けた際の最大力の5回の平均値とする。
【0018】
<ポリアミド樹脂>
次に、本発明で用いるポリアミド樹脂について説明する。
本発明で用いるポリアミド樹脂としては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリアミド66/6T、ポリキシリレンアジパミド、ポリキシリレンセバカミド、ポリキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT、ポリアミド6I/6T、ポリアミド1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸から構成されるポリアミド(1,3−BAC6)、ポリアミド1,3−BAC6I、ポリアミド1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸から構成されるポリアミド(ポリアミド1,3−BAC10)、ポリアミド1,3−BAC10I、ポリアミド1,4−BAC6、ポリアミド1,4−BAC6I、ポリアミド1,4−BAC10、ポリアミドキシリレン6I、ポリアミドキシリレン10I、これらポリアミドを1種類以上含む共重合体、およびこれらポリアミドの混合物等が挙げられる。
【0019】
上記のようなポリアミド樹脂の中でも、成形性、耐熱性の観点から、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂(以下、「XD系ポリアミド」ということがある)であることが好ましい。XD系ポリアミド、ポリアミド11、ポリアミド12などの低吸水性ポリアミドを用いると、得られる立体構造物の発泡をより効果的に抑制することができる。
また、ポリアミド樹脂が混合物である場合は、ポリアミド樹脂中のXD系ポリアミドの比率が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
【0020】
XD系ポリアミドは、好ましくは、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%、より一層好ましくは95モル%以上が、炭素原子数が4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。
【0021】
XD系ポリアミドの原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種類または2種類以上を混合して使用できる。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合は、ジアミン由来の構成単位の50モル%未満であり、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜25モル%、さらに好ましくは5〜20モル%の割合で用いる。
【0022】
ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種類または2種類以上を混合して使用できるが、これらの中でもポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸またはセバシン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
【0023】
上記炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種類または2種類以上を混合して使用できる。
【0024】
ジカルボン酸成分として、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸を用いる場合は、成形加工性、バリア性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸を用いることが好ましい。テレフタル酸、イソフタル酸の割合は、好ましくはジカルボン酸構成単位の30モル%以下であり、より好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは5〜20モル%の範囲である。
【0025】
さらに、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド樹脂を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。
【0026】
本発明で用いるポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)が6,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜28,000であり、さらに好ましくは9,000〜26,000であり、一層好ましくは10,000〜24,000であり、より一層好ましくは11,000〜22,000である。このような範囲であると、耐熱性、弾性率、寸法安定性、成形加工性がより良好となる。
【0027】
なお、ここでいう数平均分子量(Mn)とは、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度[NH2](μ当量/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](μ当量/g)から、次式で算出される。
数平均分子量(Mn)=2,000,000/([COOH]+[NH2])
【0028】
本発明で用いるポリアミド樹脂は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))が、好ましくは1.8〜3.1である。分子量分布は、より好ましくは1.9〜3.0、さらに好ましくは2.0〜2.9である。分子量分布をこのような範囲とすることにより、機械物性に優れた立体構造物が得られやすい傾向にある。
ポリアミド樹脂の分子量分布は、例えば、重合時に使用する開始剤や触媒の種類、量および反応温度、圧力、時間等の重合反応条件などを適宜選択することにより調整できる。また、異なる重合条件によって得られた平均分子量の異なる複数種のポリアミド樹脂を混合したり、重合後のポリアミド樹脂を分別沈殿させることにより調整することもできる。
【0029】
分子量分布は、GPC測定により求めることができ、具体的には、装置として東ソー社製「HLC−8320GPC」、カラムとして、東ソー社製「TSK gel Super HM−H」2本を使用し、溶離液トリフルオロ酢酸ナトリウム濃度10mmol/Lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度40℃、流速0.3mL/分で、屈折率検出器(RI)を用いて測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の値として求めることができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成する。
【0030】
また、ポリアミド樹脂は、末端アミノ基濃度([NH2])が好ましくは100μ当量/g未満、より好ましくは5〜75μ当量/g、さらに好ましくは10〜60μ当量/gであり、末端カルボキシル基濃度([COOH])は、好ましくは150μ当量/g未満、より好ましくは10〜120μ当量/g、さらに好ましくは10〜100μ当量/gのものが好適に用いられる。このような末端基濃度のポリアミド樹脂を用いることにより、ポリアミド樹脂をフィルム状または繊維状に加工する際に粘度が安定しやすく、また、後述のカルボジイミド化合物との反応性が良好となる傾向にある。
【0031】
また、末端カルボキシル基濃度に対する末端アミノ基濃度の比([NH2]/[COOH])は、0.7以下であるものが好ましく、0.6以下であるものがより好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。この比が0.7よりも大きいものは、ポリアミド樹脂を重合する際に、分子量の制御が難しくなる場合がある。
【0032】
末端アミノ基濃度は、ポリアミド樹脂0.5gを30mLのフェノール/メタノール(4:1)混合溶液に20〜30℃で攪拌溶解し、0.01Nの塩酸で滴定して測定することができる。また、末端カルボキシル基濃度を測定するためには、ポリアミド樹脂0.1gを30mLのベンジルアルコールに200℃で溶解し、160℃〜165℃の範囲でフェノールレッド溶液を0.1mL加える。その溶液を0.132gのKOHをベンジルアルコール200mLに溶解させた滴定液(KOH濃度として0.01mol/L)で滴定を行い、色の変化が黄〜赤となり色の変化がなくなった時点を終点とすることで算出することができる。
ポリアミド樹脂の製造方法は、特開2014−173196号公報の段落0052〜0053の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0033】
本発明においては、ポリアミド樹脂の融点は、150〜310℃であることが好ましく、180〜300℃であることがより好ましい。本発明で用いるポリアミド樹脂が融点を2つ以上有する場合、高い方の融点が上記範囲を満たすことが好ましい。
また、降温時結晶化温度は、130〜260℃が好ましく、160〜250℃がより好ましい。
さらに、融点と降温時結晶化温度の差は、20〜60℃が好ましい。このような範囲とすることにより、ポリアミド樹脂の連続強化繊維への含浸性をより向上させることができる。
また、ポリアミド樹脂のガラス転移点は、50〜100℃が好ましく、55〜100℃がより好ましく、さらに好ましくは60〜100℃である。この範囲であると、耐熱性が良好となる傾向にある。
【0034】
なお、本発明における融点、降温時結晶化温度およびガラス転移点は、DSC(示差走査熱量測定)法によって、観測される温度をいう。
示差走査熱量の測定はJIS K7121およびK7122に準じて行うことができる。示差走査熱量計を用い、ポリアミド樹脂を示差走査熱量計の測定パンに仕込み、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、その後10℃/分で30℃まで徐冷し前処理を行った後に測定を行う。測定条件は、昇温速度10℃/分で、300℃で5分保持した後、降温速度−5℃/分で100℃まで測定を行い、ガラス転移点、降温時結晶化温度および融点を求める。
示差走査熱量計としては、島津製作所社製「DSC−60」を用いることができる。
【0035】
本発明の材料は、ポリアミド樹脂を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合、各種物性値は、混合されたポリアミド樹脂の物性値とする。
【0036】
本発明で用いるポリアミド樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を配合してもよい。他の成分としては、離型剤、光安定剤、熱安定剤、エラストマー、顔料、アルカリ、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは2種類以上を併用してもよい。
これらの記載は、国際公開WO2012/128219号パンフレットの段落番号0027、0028、0038〜0054、特開2007−314766号公報、特開2008−127485号公報および特開2009−51989号公報、特開2012−72338号公報等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の材料は、ポリアミド樹脂を20〜70質量%含むことが好ましい。前記ポリアミド樹脂の含有量の下限は、30質量%以上であってもよい。また、前記ポリアミド樹脂の含有量の上限は、60質量%以下であってもよく、さらには55質量%以下であってもよく、よりさらには50質量%未満であってもよく、特には45質量%以下であってもよい。
【0037】
<連続強化繊維>
次に、本発明で用いる連続強化繊維の詳細について述べる。
本発明における連続強化繊維は、長さが10cm以上のものであり、好ましくは長さが1m以上のものをいう。上限については、特に定めるものではないが、芯材への巻きとりやすさの観点から、10000m以下が好ましく、1000m以下がより好ましい。本発明で用いられる連続強化繊維の例は、ロービング状のものである。
本発明に用いる連続強化繊維の材質としては、ガラス繊維、炭素繊維、植物繊維(ケナフ(Kenaf)、竹繊維等を含む)、アルミナ繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、金属繊維(スチール繊維等)、アラミド繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などが挙げられる。なかでも、炭素繊維およびガラス繊維から選択されることが好ましく、ガラス繊維がより好ましい。
【0038】
連続強化繊維は、表面処理剤または集束剤で表面処理したものを用いてもよい。
【0039】
本発明の材料における連続強化繊維の量は、材料の30〜80質量%であることが好ましい。前記連続強化繊維の含有量の下限は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上がさらに好ましい。上記連続強化繊維の含有量の上限は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
また、本発明の材料は、その構成成分の90質量%以上が、ポリアミド樹脂と連続強化繊維からなることが好ましい。
【0040】
<本発明の材料の製造方法>
本発明の材料の製造方法は、ポリアミド樹脂を連続強化繊維に含浸させることを含む。このような構成とすることにより、ポリアミド樹脂と連続強化繊維をコンパウンドする必要がなくなり、コンパウンド時に、連続強化繊維が破損してしまうことを効果的に抑制できる。結果として、機械的強度に優れた成形品を提供可能になる。
【0041】
本発明で用いるポリアミド樹脂を連続強化繊維に含浸させる際のポリアミド樹脂の形状は、フィルム状、繊維状、粉状、溶融状等の各種の形状のものを採用でき、溶融状のものが好ましい。
本発明の好ましい態様の一例として、溶融したポリアミド樹脂を一方向に並列した連続強化繊維に供給し、その後冷却することが挙げられる。より具体的には、連続強化繊維束を等間隔に並べ、各連続強化繊維束を開繊し、開繊した連続強化繊維を、溶融させたポリアミド樹脂と共に、一対の含浸ロール間に入れ、連続強化繊維にポリアミド樹脂を含浸させ、連続強化繊維を所定の方向に配向させ、冷却することによって製造できる。本発明の材料において、連続強化繊維を所定の方向に配向させるためには、例えば、製造時の連続強化繊維の張力や、連続強化繊維を平状にするためのスプレッダーの数やスプレッダーに連続強化繊維が接触する距離を従来とは異なる条件とすることによって達成できる。すなわち、連続強化繊維は、製造時の連続強化繊維の張力が強い方がより均一な方向で並列するが、本発明では、あえて張力を多少弱くし、所望の配向になるように調整することができる。また、スプレッダーの数は多いほど、連続強化繊維はより均一な方向に配列するが、本発明ではあえてスプレッダーの数を減らし、所定の方向に配向させることができる。さらにまた、スプレッダーに連続強化繊維が接触する距離は長いほど、連続強化繊維はより均一な方向に配列するが、本発明ではあえてスプレッダーに連続強化繊維が接触する距離を短くし、所定の方向に配向させることができる。もちろん、連続強化繊維を所定の方向に配向させることができれば、上記以外の方法によって、連続強化繊維の配向を調整してもよい。
ポリアミド樹脂を溶融させる温度は、ポリアミド樹脂の融点等を考慮して適宜定められる。具体的には、本発明で用いるポリアミド樹脂の種類や分子量によっても異なるが、一般に本発明で用いるポリアミド樹脂のガラス転移点+5℃以上の温度から熱分解温度−5℃の温度範囲が好ましい。また、融点を有する本発明で用いるポリアミド樹脂の場合は、融点+5℃以上が好ましく、より好ましくは融点+10℃以上である。上限については、ポリアミド樹脂の熱分解温度−5℃の温度範囲が好ましい。なお、本発明で用いるポリアミド樹脂が融点を2つ以上有する場合、ここでいう融点とは、高温側の吸熱ピークのピークトップの温度である。
また、含浸の際に、加圧も行ってもよい。加圧の際のプレス圧力は5MPa以上が好ましく、6MPa以上がより好ましく、7〜100MPaがさらに好ましい。
このような温度範囲で加熱や加圧することで、本発明で用いるポリアミド樹脂の連続強化繊維への含浸がより良好に行われ、材料およびこれを成形して得られる成形品の物性が向上する傾向にある。
【0042】
<成形品>
本発明の材料は、そのまま用いられることもあるが、通常は、成形、好ましくは加熱成形して成形品として用いられる。成形品として用いられる場合、材料を複数枚積層して、または、他の樹脂材料等と併せて、加熱加工することが好ましい。材料を複数枚積層する場合、材料の連続強化繊維の繊維長方向(長手方向)が直交するように積層することが好ましい。このような構成とすると、得られる成形品の機械的強度がより向上する傾向にある。本発明の材料は、所望の形状およびサイズに切断して、また、これらを複数重ねて加熱加工することも好ましい。加熱加工の際には、材料を金型に入れて成形して成形品を得ることも可能である。
加熱温度は、本発明で用いるポリアミド樹脂の融点+5℃以上が好ましく、より好ましくは融点+10℃以上である。上限については、ポリアミド樹脂の熱分解温度−5℃の温度範囲が好ましい。
また、加圧の際のプレス圧力は1MPa以上が好ましく、3MPa以上がより好ましく、5〜100MPaがさらに好ましい。プレス機は、80〜120tのものが好ましい。
【0043】
本発明の成形品は、最終製品に限らず、複合材料や各種部品も含む趣旨である。本発明における成形品は、携帯電子機器部品、車両および医療機器の部品や、その他の電気回路を含む電子部品、食品および医薬品の容器、ならびに、これらを形成するための複合材料として用いることが好ましい。特に、本発明の成形品は、高い耐衝撃性と剛性、優れた耐熱性を併せ持つうえ、異方性が小さく、反りが小さいものとすることができるため、スマートフォン、タブレット、薄型ノートパソコンなどの内部構造物および筐体として極めて有効である。特に成形品がリブを除く平均肉厚が1.2mm以下(下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.1mm以上)である平板形状の部品に適している。本発明の成形品は、薄肉化しても、高い難燃性を維持できるため、価値が高い。
【0044】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2011−219620号公報、特開2011−195820号公報、特開2011−178873号公報、特開2011−168705号公報、特開2011−148267号公報、特開2015−224313号公報の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0046】
<ポリアミド樹脂>
MXD6:メタキシリレンアジパミド樹脂、三菱ガス化学社製、S6001、融点237℃、降温時結晶化温度173℃、数平均分子量16800
PA6:ポリアミド6、宇部興産製、グレード1022B、融点224℃、降温時結晶化温度189℃
【0047】
MPXD6の合成
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置および窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50Lの反応容器に、精秤したアジピン酸6470g(44.25mol)、次亜リン酸カルシウム12.54g(0.074mol)、酢酸ナトリウム6.45g(0.079mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でアジピン酸を均一に溶融した。次いでメタキシリレンジアミン4172g(30.63mol)とパラキシリレンジアミン1788g(13.13mol)の混合ジアミンを撹拌下で滴下した。この間、反応容器内温は270℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。混合ジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は275℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は278℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は280℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度280℃、樹脂温度279℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約10kgのポリアミド樹脂(以下、「MPXD6」ということがある)を得た。得られたMPXD6は、融点255℃、降温時結晶化温度195℃、数平均分子量17000であった。
【0048】
MPXD10の合成
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置および窒素導入管、ストランドダイを備えた内容積50Lの反応容器に、精秤したセバシン酸8950g(44.25mol)、次亜リン酸カルシウム12.54g(0.074mol)、酢酸ナトリウム6.45g(0.079mol)を秤量して仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.4MPaに加圧し、撹拌しながら20℃から190℃に昇温して55分間でセバシン酸を均一に溶融した。次いでメタキシリレンジアミン4172g(30.63mol)とパラキシリレンジアミン1788g(13.13mol)の混合ジアミンを撹拌下で滴下した。この間、反応容器内温は293℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.42MPaに制御し、生成水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。混合ジアミン滴下終了後、反応容器内圧力0.42MPaにて20分間重縮合反応を継続した。この間、反応容器内温は296℃まで上昇させた。その後、30分間で反応容器内圧力を0.42MPaから0.12MPaまで減圧した。この間に内温は298℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で減圧し、20分間で0.08MPaまで減圧し、分子量1,000以下の成分量を調整した。減圧完了時の反応容器内の温度は301℃であった。その後、系内を窒素で加圧し、反応容器内温度301℃、樹脂温度301℃で、ストランドダイからポリマーをストランド状に取出して20℃の冷却水にて冷却し、これをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂(以下、「MPXD10」ということがある)を得た。得られたMPXD10は、融点213℃、降温時結晶化温度162℃、数平均分子量16300であった。
【0049】
<連続強化繊維>
GF−1:日東紡社製、RSG 60QM−483HS、600TEX 扁平ガラス繊維ロービング(長さ10m以上の連続強化繊維束である)。平均扁平率4の長円形断面を有し、長径28μm、短径7μm、連続強化繊維一本あたりの断面積の数平均値が185μm2である。
【0050】
実施例1
<UDテープの作製>
後述する表に示すポリアミド樹脂および連続強化繊維を用い、下記方法にてUDテープを作製した。
ロービング状のガラス繊維(連続強化繊維)22ロールを等間隔に並べ、スプレッダーを通過させ、200mm幅に広げた。広げたガラス繊維を上下2つの含浸ロール間に入れる際に、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)で溶融させたポリアミド樹脂を供給し、含浸ロール中で、ガラス繊維にポリアミド樹脂を含浸させた。ガラス繊維の配向方向は、スプレッダーの数および、ガラス繊維を引き出す張力を、調整することによって、調整した。その後、冷却ロールで冷却しながら、50m連続して引き取り、円柱状の芯材に巻き取り、UDテープを得た。押出機の設定温度はポリアミド樹脂の融点+40℃、回転数は350回転、引き取り速度は2mm/分とした。得られたUDテープは、幅20cm、平均厚さ220μm、長さ50mであった。得られたUDテープについて、以下の評価を行った。
【0051】
<なす角αが20度未満および70度以上の連続強化繊維の割合の測定>
連続強化繊維の並列方向に垂直な方向(UDテープのテープ面に相当する)と連続強化繊維のなす角が20度未満の範囲にある連続強化繊維の割合(表1において、「20度未満の連続強化繊維の割合」と示す。)および連続強化繊維の並列方向に垂直な方向(UDテープのテープ面に相当する)と連続強化繊維のなす角が70度以上の連続強化繊維の割合(表1において、「70度以上の連続強化繊維の割合」と示す。)を以下の方法に従ってそれぞれ求めた。
【0052】
UDテープを連続強化繊維の長手方向に垂直な断面で切断し、その面を研磨し、断面図を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)(キーエンス社製)を使用して撮影した。得られた断面写真から、任意の250μmx250μmの領域中の5点を対象とし、領域中の全ての連続強化繊維の並列方向に垂直な方向と連続強化繊維の長径のなす角αを測定した。なす角αが20度未満および70度を超える連続強化繊維の割合は、任意に選択した領域内の(なす角αが20度未満および70度を超える連続強化繊維面積)/(全ての連続強化繊維面積)として測定した。結果を表に示す。数値は5面積%刻みで示した。なす角αが20度未満および70度以上の連続強化繊維の割合の単位は、面積%である。
【0053】
<耐突き刺し力>
ストログラフに先端径40μmの針を装着し、材料(UDテープ)の連続強化繊維の並列方向に対して垂直になるように、材料に針を20mm/sの速度で突き刺し、針が貫通する際の最大力を測定した。5回測定し、その平均値を耐突き刺し力とした。耐突き刺し力の単位は、Nである。
ストログラフは、東洋精機社製、ストログラフEIIを用いた。
【0054】
<表面粗さRa>
光学顕微鏡を用いて材料(UDテープ)の表面の500μmx500μmの領域を観測した。表面粗さは観測した面に対して算出した。表面粗さの単位は、μmである。
光学顕微鏡は、キーエンス社製、VK−X100を用いた。
【0055】
<耐引き裂き力>
図5に示すように、材料(UDテープ51)を繊維長方向に沿って長さ50mm、幅50mmの正方形に切り出し、そこに、幅15mm、長さ70mm、厚み100μmのメタキシリレンアジパミド樹脂(MXD6)フィルム52を、接着剤を用いて20mmの長さまで、材料(UDテープ)の上面と下面に一枚ずつ接着し、さらにMXD6フィルム52の残りの部分は、接着剤を用いてMXD6フィルム同士を貼り合わせた。MXD6フィルム52は、長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線53と一致するように設けた。さらに、別の2枚のMXD6フィルム52を先に設けたフィルムに材料の表面上で、MXD6フィルム52面同士が隣接するように(但し、重ならない様に、MXD6フィルム52同士の間に数μm程度の間隔を空けて)かつ、MXD6フィルム52の長手方向の一辺が材料の繊維長方向の中心線53と一致するように、先の2枚のMXD6フィルム52と同様に貼り合わせた。それぞれの貼り合わせたMXD6フィルムにチャックを付け、互いのMXD6フィルムを引張速度300mm/分で図5に示すように、180度方向にストログラフで引っ張った。材料(UDテープ)が裂けた際の最大力を測定した。5回測定し、その平均値を耐引き裂き力とした。図5bは、図5aの材料(UDテープ)の繊維長方向に垂直な断面方向から見た図であり、図5aと図5bの尺度は異なっている。耐引き裂き力の単位は、Nである。
接着剤は、スリーボンド社製、2082Cを、ストログラフは、東洋精機社製、ストログラフEIIを用いた。
【0056】
<連続強化繊維の剥がれやすさ>
連続強化繊維の剥がれやすさは以下の通り評価した。連続強化繊維は自動積層装置にて、下から0度、90度、0度の向きに積層した。
A:連続強化繊維積層時、連続強化繊維が引き裂けず、意図の通りの積層ができた。
B:連続強化繊維積層時、連続強化繊維の一部が引き裂けたものの、意図の通りの積層ができた。
C:連続強化繊維積層時、連続強化繊維の引き裂きが大きく、意図通りの積層ができなかった。
【0057】
<巻出しやすさ>
連続強化繊維の巻出しやすさは以下の通り評価した。連続強化繊維は自動積層装置にて巻き出しした。巻き出し速度は10m/分とした。
A:連続強化繊維巻出し時、問題なく安定して巻き出しできた。
B:連続強化繊維巻出し時、時折抵抗があるものの、問題なく巻き出しできた。
C:連続強化繊維巻出し時、つっかかりが大きく、安定した巻き出し操作ができなかった。
【0058】
<成形品の作製>
上記で得られたUDテープを幅200mm、長さ200mmに切断し、ガラス繊維が直交するように90度ずつ回転させ、交互に並べた18枚のテープを、ポリアミド樹脂の融点+30℃に昇温させた金型内に入れ、100tのプレス機を用い、プレス成形を行った。プレス後、金型に水を流し、80℃まで冷却した後、金型を開いて取り出し、テープを18枚重ねた厚さ4.0mmの成形品を得た。プレス時の金型の温度は融点+30℃、圧力100kgf/cm2(9.8MPa)、プレス時間10分、冷却時間20分とした。
【0059】
<総合評価>
上記各種性能をもとに、実用レベルの観点から総合的に評価した。優れている順で、A、B、Cに分けて評価した。Cは実用レベル外である。
A:操作時の安定性に優れ、使用上の問題がない。
B:操作時に時折負荷がかかったり、テープが折れる音がしたりするが、使用上の問題はない。
C:連続的な操作が不可能である。
【0060】
実施例2〜5、比較例1および比較例2
実施例1において、表1の通りポリアミド樹脂の種類、連続強化繊維の種類、材料中の連続強化繊維の割合、20度未満の連続強化繊維の割合、70度以上の連続強化繊維の割合を変更し、他は、実施例1と同様に行った。
【0061】
【表1】
【0062】
上記実施例のUDテープは、いずれも、厚さ方向の中心部まで概ねポリアミド樹脂が含浸しており、未含浸率は1%以下だった。
【0063】
上記表1から明らかな通り、なす角αが20度未満である連続強化繊維の割合が30〜90面積%の場合、耐突き刺し力が高く、表面粗さが小さく、耐引き裂き力が高く、連続強化繊維が剥がれにくく、UDテープが巻出しやすいことが分かった(実施例1〜5)。これに対し、なす角αが20度未満である連続強化繊維の割合が90面積%を超える場合(比較例1)、耐突き刺し力が低く、かつ、巻出しにくかった。また、なす角αが20℃未満である連続強化繊維の割合が30面積%未満の場合(比較例2)、表面粗さが大きく、耐引き裂き力が小さく、さらに、連続強化繊維が剥がれやすいことが分かった。
【符号の説明】
【0064】
11 連続強化繊維の非円形の断面
21 連続強化繊維
51 UDテープ
52 MXD6フィルム
53 材料の中心線
図1
図2
図3
図4
図5