(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1負極集電層の電気抵抗Ra1は、前記第2負極集電層と重複していない前記柱状負極の前記端面から前記第1負極集電層を経由して前記第2負極集電層に至る最短経路の電気抵抗であり、前記第2負極集電層の電気抵抗Ra2は、前記第2負極集電層の端部から前記第2負極集電層を経由して前記第3負極集電層に至る経路の電気抵抗であり、前記第3負極集電層の電気抵抗Ra3は、前記第3負極集電層の一端から他端に至る経路の電気抵抗であり、
前記第1正極集電層の電気抵抗Rc1は、前記第2正極集電層と重複していない前記正極導電性パターンの前記端面から前記第1正極集電層を経由して前記第2正極集電層に至る最短経路の電気抵抗であり、前記第2正極集電層の電気抵抗Rc2は、前記第2正極集電層の端部から前記第2正極集電層を経由して前記第3正極集電層に至る経路の電気抵抗であり、前記第3正極集電層の電気抵抗Ra3は、前記第3正極集電層の一端から他端に至る経路の電気抵抗である、
請求項1又は2に記載の二次電池。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の二次電池では、負極集電構造や正極集電構造を十分検討されていなかった。そのため、集電を効率的に行うことができず、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度が十分高いとはいえなかった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、分離膜で周囲を囲われた柱状負極が正極内に配置された二次電池において、エネルギー密度を十分高めることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明者らは、分離膜で周囲を囲われた柱状負極が正極内に配置された二次電池において、負極集電構造及び正極集電構造を工夫することによりエネルギー密度を十分高めると共に電池反応のばらつきを抑制できることを見い出し、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本明細書で開示する二次電池は、
負極活物質を含む複数の柱状負極と、
各柱状負極の周囲を囲うように設けられた分離膜と、
正極活物質を含み、隣合う前記分離膜同士の間を埋めるように設けられた正極と、
すべての前記柱状負極の一方の端面が露出するように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層から露出したすべての前記柱状負極の一方の端面を覆うように設けられた第1負極集電層と、
前記第1負極集電層上に間欠的に設けられた複数の低抵抗な第2負極集電層と、
前記第1負極集電層と接触せず、前記第2負極集電層を架け渡すように設けられ、前記第2負極集電層よりも少ない数のより低抵抗な第3負極集電層と、
前記正極の内部で前記柱状負極と交差する方向に配列された複数の正極導電性パターンと、
前記正極のうち前記正極導電性パターンの一方の端面が露出している露出面を覆うように設けられた第1正極集電層と、
前記第1正極集電層上に間欠的に設けられた複数の低抵抗な第2正極集電層と、
前記第1正極集電層と接触せず、前記第2正極集電層を架け渡すように設けられ、前記第2正極集電層よりも少ない数のより低抵抗な第3正極集電層と、
を備えたものである。
【0008】
この二次電池によれば、負極の集電及び正極の集電を効率的に行うことができるため、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を十分高くすることができる。負極集電構造を第1負極集電層のみとした場合には、第1負極集電層を電流が流れる経路の電気抵抗が高いためすべての柱状負極からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すのは難しい。また、正極集電構造を第1正極集電層のみとした場合には、第1正極集電層を電流が流れる経路の電気抵抗が高いためすべての正極導電性パターンからの電流を実用的な電圧低下範囲で流すのは難しい。しかし、ここでは、負極集電構造を、第1負極集電層と、第1負極集電層の上に間欠的に設けられた低抵抗な第2負極集電層と、更に第2負極集電層の上に設けられたより低抵抗な第3負極集電層とで構成したため、すべての柱状負極からの電流を第1負極集電層、第2負極集電層及び第3負極集電層の順に経由して比較的低い電気抵抗で集電することができる。その結果、すべての柱状負極からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すことができる。また、正極集電構造を、第1正極集電層と、第1正極集電層の上に間欠的に設けられた低抵抗な第2正極集電層と、第2正極集電層の上に設けられたより低抵抗な第3正極集電層とで構成したため、すべての正極導電性パターンからの電流を第1正極集電層、第2正極集電層及び第3正極集電層の順に経由して比較的低い電気抵抗で集電することができる。その結果、すべての正極導電性パターンからの電流を実用的な電圧低下範囲で流すことができる。したがって、分離膜で周囲を囲われた柱状負極が正極内に配置された二次電池において、エネルギー密度を十分高めることできる。
【0009】
本明細書で開示する二次電池において、前記柱状負極の前記端面は、前記第2負極集電層と重なるものと重ならないものとが周期的に存在し、前記正極導電性パターンの前記端面は、前記第2正極集電層と重なるものと重ならないものとが周期的に存在し、前記第2負極集電層と前記第2正極集電層とは、オフセットされていてもよい。この二次電池によれば、第2負極集電層と第2正極集電層とはオフセットされているため、電池反応のばらつきを抑制することができる。第2負極集電層と第2正極集電層とがオフセットされていない場合、第2負極集電層と重複している柱状負極の端面と第2正極集電層と重複している正極導電性パターンの端面との間を流れる電流は、最も抵抗の高い第1負極集電層と第1正極集電層の両方を厚み方向に僅かな長さだけ進むのに対し、第2負極集電層と重複していない負極の端面と第2正極集電層と重複していない正極導電性パターンの端面との間を流れる電流は、最も抵抗の高い第1負極集電層や第1正極集電層を面方向に比較的長距離進む。そのため、前者と後者では電気抵抗のばらつきが大きくなる。このように正極−負極間の電気抵抗にばらつきがあると、局所的に電池反応がばらつく原因になるため好ましくない。これに対して、第2負極集電層と第2正極集電層とがオフセットされている場合、どの柱状負極の端面とどの正極導電性パターンの端面との間を流れる電流も、最も抵抗の高い第1負極集電層と第1正極集電層の少なくとも一方を面方向に比較的長距離進む。そのため、電気抵抗のばらつきが抑制される。
【0010】
本明細書で開示する二次電池において、前記第1負極集電層の電気抵抗Ra1は、前記第2負極集電層と重複していない前記柱状負極の前記端面から前記第1負極集電層を経由して前記第2負極集電層(例えば第2負極集電層の中心線)に至る最短経路の電気抵抗であり、前記第2負極集電層の前記電気抵抗Ra2は、前記第2負極集電層の端部から前記第2負極集電層を経由して前記第3負極集電層(例えば第3負極集電層の中心線)に至る経路の電気抵抗であり、前記第3負極集電層の電気抵抗Ra3は、前記第3負極集電層の一端から他端に至る経路の電気抵抗としてもよい。また、前記第1正極集電層の前記電気抵抗Rc1は、前記第2正極集電層と重複していない前記正極導電性パターンの前記端面から前記第1正極集電層を経由して前記第2正極集電層(例えば第2正極集電層の中心線)に至る最短経路の電気抵抗であり、前記第2正極集電層の前記電気抵抗Rc2は、前記第2正極集電層の端部から前記第2正極集電層を経由して前記第3正極集電層(例えば第3正極集電層の中心線)に至る経路の電気抵抗であり、前記第3正極集電層の電気抵抗Ra3は、前記第3正極集電層の一端から他端に至る経路の電気抵抗としてもよい。
【0011】
本明細書で開示する二次電池において、前記柱状負極の前記端面は、周期的に配置され、第2負極集電層は、同一直線上に並んだ複数の前記柱状負極の前記端面と平行になるように且つ隣合う前記第2負極集電層同士の間隔が一定になるように設けられ、前記正極導電性パターンの前記端面は、前記露出面に周期的に配置され、前記第2正極集電層は、同一直線上に並んだ複数の前記正極導電性パターンの前記端面と平行になるように且つ隣合う前記第2正極集電層同士の間隔が一定になるように設けられていてもよい。こうすれば、第2負極集電層も第2正極集電層も周期的な構造になるため作製しやすくなる。
【0012】
本明細書で開示する二次電池において、前記第3負極集電層は、前記第2負極集電層を架け渡すように設けられた1本の導電線であり、前記第3正極集電層は、前記第2正極集電層を架け渡すように設けられた1本の導電線であってもよい。こうすれば、第3負極集電層や第3正極集電層が複数本存在する場合に比べて構成が簡素化される。
【0013】
本明細書で開示する二次電池において、前記正極は、空間充填可能な正多角柱からなる複数の柱状正極を空間充填して得られたものであり、前記分離膜で囲われた前記柱状負極は、前記柱状正極の中心孔に配置されていてもよい。こうすれば、正極を比較的容易に作製することができる。なお、「空間充填」とは、空間内を3次元形状の物体で隙間なく埋め尽くすことをいう。
【0014】
本明細書で開示する二次電池は、固体電解質を用いた全固体電池としてもよいし、電解質液を用いた二次電池としてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本実施形態で開示する二次電池10について図面を用いて説明する。ここでは、説明の便宜のため、リチウムイオンをキャリアとするリチウムイオン二次電池を一例として以下に説明する。
図1は二次電池10の概略構成を示す斜視図、
図2は柱状正極26を空間充填して得られた正極16の斜視図、
図3は分離膜14付きの柱状負極12を有する柱状正極26の斜視図、
図4は一列に並べた分離膜14付きの柱状負極12の斜視図、
図5は第1負極集電層21の経路Pa1の電気抵抗Ra1を求める方法の説明図、
図6は第1正極集電層31の経路Pc1の電気抵抗Rc1を求める方法の説明図である。なお、本実施形態で上下方向、左右方向及び前後方向は
図1、
図2及び
図4に示すとおりとするが、これらは相対的な位置関係を表すために便宜上用いたに過ぎない。
【0017】
二次電池10は、柱状負極12と、分離膜14と、正極16と、負極集電体20と、正極集電体30とを備えている。
【0018】
柱状負極12は、負極活物質を含む円柱体である。二次電池10は、複数の柱状負極12を有している。柱状負極12は、負極活物質である炭素繊維を束ねたものとしてもよいし、炭素繊維を撚ったものとしてもよい。柱状負極12は、二次電池10全体の負極容量の1/n(nは2以上の整数、以下同じ)の容量を有し、n本が負極集電体20の第1負極集電層21に並列接続されている。柱状負極12は、長手方向に垂直な断面の直径が10μm以上200μm以下の範囲であることが好ましい。この直径が10μm以上であれば、電極構造体としての強度を担保することができ安定した充放電ができる。また、この直径が200μm以下であれば、キャリアのイオンの移動距離が長くなりすぎず、高出力性能が得られる。また、この直径がこの範囲であれば、単位体積あたりのエネルギー密度をより高めることができる。あるいは、この範囲であれば、キャリアのイオンの移動距離をより短くすることができ、より大きな電流で充放電を行うことができる。この炭素繊維の長手方向の長さは、二次電池10の用途などに応じて適宜定めることができ、例えば、20mm以上200mm以下の範囲などとしてもよい。炭素繊維の長さが20mm以上であれば、電池容量をより高めることができ好ましく、200mm以下であれば、柱状負極12の電気抵抗をより低減することができ好ましい。柱状負極12の上端面12aは、正極16の上端面に設けられた絶縁層18から露出するように設けられている。すなわち、絶縁層18は、すべての柱状負極12の上端面12aが露出するように設けられている。絶縁層18は、例えば電気絶縁性ポリマーで形成されている。柱状負極12の上端面12aは、絶縁層18に格子状になるように周期的に配置され、左右方向にi個(iは2以上の整数)、前後方向にj個(jは2以上の整数)並んでいる。
【0019】
分離膜14は、柱状負極12の外周面及び下端面を囲うように設けられている。分離膜14は、柱状負極12の上端面12aには設けられていない。分離膜14は、キャリアであるイオン(本実施形態ではリチウムイオン)のイオン伝導性を有し、柱状負極12と正極16とを絶縁するものである。分離膜14としては、イオン伝導性と絶縁性とを有するポリマーが好適である。この分離膜14は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体や、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、及びPMMAとアクリルポリマーとの共重合体などが挙げられる。例えば、PVdFとHFPとの共重合体では、電解液の一部がこの膜を膨潤ゲル化し、イオン伝導膜となる。この分離膜14の厚さは、例えば、絶縁性を確保することを考慮すると、0.5μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、5μm以上であるものとしてもよい。また、分離膜14の厚さは、イオン伝導性の低下を抑制することを考慮すると、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。そのため、分離膜14の厚さは、0.5〜20μmの範囲であることが、イオン伝導性と絶縁性とを両立させる上で好適である。この分離膜14は、例えば、原料を含む溶液へ柱状負極12を浸漬させてその表面にコートすることにより形成されるものとしてもよい。
【0020】
電解液は、本実施形態では、非水系溶媒にリチウムイオンを含む支持塩を溶解したもの(非水系電解液)とした。非水系溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。支持塩としては、例えば、LiPF
6、LiBF
4、LiAsF
6、LiCF
3SO
3、LiN(CF
3SO
2)
2、LiC(CF
3SO
2)
3、LiSbF
6、LiSiF
6、LiAlF
4、LiSCN、LiClO
4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl
4などが挙げられる。このうち、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4などの無機塩、及びLiCF
3SO
3、LiN(CF
3SO
2)
2、LiC(CF
3SO
2)
3などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。
【0021】
正極16は、正極活物質を含み、隣合う分離膜14同士の間を埋めるように設けられている。正極16は、例えば
図2に示すように、正六角柱からなる複数の柱状正極26を空間充填して得られたものとしてもよい。柱状正極26の中心孔26aには、外周面及び下端面が分離膜14で囲われた柱状負極12が配置されている。中心孔26aは、柱状正極26の中心軸に沿って柱状正極26の上端面から下端面の手前まで設けられた有底筒状の孔である。そのため、柱状負極12の外周面及び下端面と、柱状正極26の中心孔26aの内壁及び底面とは、分離膜14によって絶縁されている。
図3に、分離膜14付きの柱状負極12を有する柱状正極26の斜視図を示す。
【0022】
正極16は、正極活物質を含んでいるが、正極活物質が導電性を有さない場合は、導電性を有する導電材を混合して成形したものとしてもよい。正極16は、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材と、結着剤とを混合し成形したものとしてもよい。正極活物質は、例えば、キャリアであるリチウムを吸蔵放出可能な材料が挙げられる。正極活物質としては、リチウムと遷移金属とを有する化合物が挙げられる。こうした化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物やリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物などが挙げられる。具体的には、基本組成式をLi
(1-x)MnO
2(0≦x≦1など、以下同じ)やLi
(1-x)Mn
2O
4などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi
(1-x)CoO
2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi
(1-x)NiO
2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi
(1-x)Co
aNi
bMn
cO
2(a>0、b>0、c>0、a+b+c=1)、Li
(1-x)Co
aNi
bMn
cO
4(0<a<1、0<b<1、1≦c<2、a+b+c=2)などとするリチウムコバルトニッケルマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV
2O
3などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV
2O
5などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。また、基本組成式をLiFePO
4とするリン酸鉄リチウム化合物などを正極活物質として用いることができる。これらのうち、リチウムコバルトニッケルマンガン複合酸化物、例えば、LiCo
1/3Ni
1/3Mn
1/3O
2やLiNi
0.4Co
0.3Mn
0.3O
2などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素、例えば、AlやMgなどの成分を含んでもよい趣旨である。
【0023】
正極16に導電材を含ませる場合、その導電材は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。正極16に結着材を含ませる場合、その結着材は、活物質粒子や導電材粒子を繋ぎ止めて所定の形状を保つ役割を果たすものであれば特に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。一般的な正極活物質は導電性を有さないため、通常、正極16は導電材を混合して作製される。しかし、導電材が混合されるとしても、その導電性は炭素繊維を束ねた柱状負極12に比べて低い。そのため、正極16の内部には、正極導電性パターン17が柱状負極12と接触することなく交差(例えば直交)する方向に複数配列されている。
【0024】
正極導電性パターン17は、上下方向及び前後方向にそれぞれ間欠的に設けられている。正極導電性パターン17は、帯状のパターンであり、
図1で左右方向に並んだ複数の柱状負極12を1つのグループとして、各グループの前面側において上下方向に間欠的にk列(kは2以上の整数)配列されている。正極導電性パターン17の端面17aは、
図1に示すように正極16の左側面に格子状になるように周期的に配置され、前後方向にm個(mは2以上の整数)、上下方向にk個設けられている。正極導電性パターン17は、正極16に比べて導電性が良好な材料で形成されており、そうした材料としては例えば導電材として例示した材料が挙げられる。
図2に示す正極16を作製する場合には、例えば
図4に示すように、左右方向に一列に並んだ複数の柱状正極26(分離膜14付きの柱状負極12を中心孔26aに挿入されたもの)を左右から圧縮して1つのグループとし、そのグループの前面側において左右方向に延びる正極導電性パターン17を上下方向に間欠的に形成し、このように正極導電性パターン17が形成されたグループを前後方向に多数並べた状態で前後から圧縮して正極16としてもよい。
【0025】
負極集電体20は、
図1に示すように、第1負極集電層21と、第2負極集電層22と、第3負極集電層23とを備えたものであり、二次電池10の上部に配置されている。
【0026】
第1負極集電層21は、絶縁層18から露出したすべての柱状負極12の上端面12aと絶縁層18の表面とを覆うように、例えば蒸着、スパッタ、印刷などで形成されている。そのため、第1負極集電層21には、n本の柱状負極12の上端面12aが並列接続されている。第1負極集電層21の材料としては、例えば、カーボンペーパー、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、白金、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性(還元性)を向上させる目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタン、銀、白金、金などで処理したものも用いることができる。第1負極集電層21の形状は、本実施形態では板状とした。
【0027】
第2負極集電層22は、第1負極集電層21上に間欠的に設けられた線状又は板状の部材である。第2負極集電層22は、
図1に示すように、左右方向の同一直線上に並んだ複数の柱状負極12の上端面12aと平行になるように且つ隣合う第2負極集電層22同士の間隔が一定になるように設けられていることが好ましい。
図1では、第2負極集電層22は、同一直線上に並んだ複数の柱状負極12の上端面12aと重なるように設けられており、第2負極集電層22の前後方向のピッチは、柱状負極12の上端面12aの前後方向のピッチの2倍になっている。そのため、左右方向の同一直線上に並んだ複数の柱状負極12の上端面12aは、第2負極集電層22と重なるものと重ならないものとが前後方向に交互に存在する。第2負極集電層22の材料としては、第1負極集電層21で例示した材料の中から適宜使用することができ、第1負極集電層21と同じ材料であってもよいし異なる材料であってもよい。
【0028】
第3負極集電層23は、第1負極集電層21と接触せず、第2負極集電層22を架け渡すように設けられた線状又は板状の部材である。第3負極集電層23は、第2負極集電層22よりも少ない数であり、本実施形態では1本である。第3負極集電層23の材料としては、第1負極集電層21で例示した材料の中から適宜使用することができ、第1負極集電層21や第2負極集電層22と同じ材料であってもよいし異なる材料であってもよい。
【0029】
第1負極集電層21を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Ra1[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Ra1は、第2負極集電層22と重ならない柱状負極12の上端面12aから第1負極集電層21を経由して第2負極集電層22に至る最短経路の電気抵抗とする。具体的には、電気抵抗Ra1は、
図5に示すように、直上に第2負極集電層22が設けられていない柱状負極12の上端面12aの中心線から第1負極集電層21を経由して第2負極集電層22の中心線22cに至る経路Pa1(
図5の網掛けを施した長方形部分)の電気抵抗とする。この経路Pa1は、第1負極集電層21における長さLa1[m]、幅wa1[m]、厚さta1[m]の直方体である。第1負極集電層21の体積抵抗率をρa1[Ωm]とすると、第1負極集電層21の電気抵抗Ra1は、下記式で表される。式中、Sa1は経路Pa1の断面積(=wa1×ta1)である。
Ra1=ρa1×La1/Sa1
【0030】
第2負極集電層22を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Ra2[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Ra2は、第2負極集電層22の端部から第2負極集電層22を経由して第3負極集電層23に至る経路の電気抵抗とする。具体的には、電気抵抗Ra2は、
図1に示すように、第2負極集電層22の端部(右端)から第2負極集電層22を経由して第3負極集電層23の中心線23cに至る経路の電気抵抗とする。第2負極集電層22の体積抵抗率をρa2[Ωm]とすると、電気抵抗Ra2は、下記式で表される。長さLa2[m]と断面積Sa2[m
2]を
図1に示す。
Ra2=ρa2×La2/Sa2(Sa2は第2負極集電層22の断面積)
【0031】
第3負極集電層23を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Ra3[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Ra3は、第3負極集電層23の長手方向の一端から他端に至る電気抵抗とする。第3負極集電層23の体積抵抗率をρa3[Ωm]とすると、電気抵抗Ra3は、下記式で表される。長さLa3[m]と断面積Sa3[m
2]を
図1に示す。
Ra3=ρa3×La3/Sa3(S3は第3負極集電層23の断面積)
【0032】
本実施形態では、電気抵抗Ra1,Ra2,Ra3は、Ra1>Ra2>Ra3の関係を満たす。また、電気抵抗Ra1に対する電気抵抗Ra2の比は0.1以下であり、電気抵抗Ra2に対する電気抵抗Ra3の比は0.1以下であることが好ましい。
【0033】
正極集電体30は、
図1に示すように、第1正極集電層31と、第2正極集電層32と、第3正極集電層33とを備えたものであり、二次電池10の一側面に配置されている。正極集電体30と負極集電体20とは、電気的に絶縁されている。
【0034】
第1正極集電層31は、正極16のうち正極導電性パターン17の一方の端面17aが露出している露出面(
図1で左側面)の全面を覆うように、例えば蒸着、スパッタ、印刷などで形成されている。そのため、第1正極集電層31には、複数の正極導電性パターン17の端面17aが並列接続されている。第1正極集電層31の材料としては、例えば、カーボンペーパー、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、白金、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性(還元性)を向上させる目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタン、銀、白金、金などで処理したものも用いることができる。第1正極集電層31の形状は、本実施形態では板状とした。なお、
図2の正極16に第1正極集電層31を形成する場合には、
図2の正極16のジグザグに折れ曲がった左側面に第1正極集電層31が形成されるため、第1正極集電層31もジグザグに折れ曲がった面になる。
【0035】
第2正極集電層32は、第1正極集電層31上に間欠的に設けられた線状又は板状の部材である。第2正極集電層32は、
図1に示すように、上下方向の同一直線上に並んだ複数の正極導電性パターン17の端面17aと平行になるように且つ隣合う第2正極集電層32同士の間隔が一定になるように設けられていることが好ましい。
図1では、第2正極集電層32は、同一直線上に並んだ複数の正極導電性パターン17の端面17aと重なるように設けられており、第2正極集電層32の前後方向のピッチは、正極導電性パターン17の端面17aの前後方向のピッチの2倍になっている。そのため、上下方向の同一直線上に並んだ複数の正極導電性パターン17の端面17aは、第2正極集電層32と重なるものと重ならないものとが前後方向に交互に存在する。第2正極集電層32と第2負極集電層22とは、オフセットされている。すなわち、第2正極集電層32と第2負極集電層22とは、平行でなく交わらない位置の関係(いわゆる「ねじれの位置」の関係)にある。第2正極集電層32の材料としては、第1正極集電層31で例示した材料の中から適宜使用することができ、第1正極集電層31と同じ材料であってもよいし異なる材料であってもよい。なお、
図2の正極16に第2正極集電層32を形成する場合には、
図2の正極16のジグザグに折れ曲がった左側面から左方に突き出た上下方向に延びる辺に沿って線状に第2正極集電層32を形成する。
【0036】
第3正極集電層33は、第1正極集電層31と接触せず、第2正極集電層32を架け渡すように設けられた線状又は板状の部材である。第3正極集電層33は、第2正極集電層32よりも少ない数であり、本実施形態では1本である。第3正極集電層33の材料としては、第1正極集電層31で例示した材料の中から適宜使用することができ、第1正極集電層31や第2正極集電層32と同じ材料であってもよいし異なる材料であってもよい。
【0037】
第1正極集電層31を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Rc1[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Rc1は、第2正極集電層32と重ならない正極導電性パターン17の端面17aから第1正極集電層31を経由して第2正極集電層32に至る最短経路の電気抵抗とする。具体的には、電気抵抗Rc1は、
図6に示すように、直上に第2正極集電層32が設けられていない正極導電性パターン17の端面17aの中心線から第1正極集電層31を経由して第2正極集電層32の中心線32cに至る経路Pc1(
図6の網掛けを施した長方形部分)の電気抵抗とする。この経路Pc1は、第1正極集電層31における長さLc1[m]、幅wc1[m]、厚さtc1[m]の直方体である。第1正極集電層31の体積抵抗率をρc1[Ωm]とすると、第1正極集電層31の電気抵抗Rc1は、下記式で表される。式中、Sc1は経路Pc1の断面積(=wc1×tc1)である。
Rc1=ρc1×Lc1/Sc1
【0038】
第2正極集電層32を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Rc2[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Rc2は、第2正極集電層32の端部から第2正極集電層32を経由して第3正極集電層33に至る経路の電気抵抗とする。具体的には、電気抵抗Rc2は、
図1に示すように、第2正極集電層32の端部(下端)から第2正極集電層32を経由して第3正極集電層33の中心線33cに至る経路の電気抵抗とする。第2正極集電層32の体積抵抗率をρc2[Ωm]とすると、電気抵抗Rc2は、下記式で表される。長さLc2[m]と断面積Sc2[m
2]を
図1に示す。
Rc2=ρc2×Lc2/Sc2(Sc2は第2負極集電層22の断面積)
【0039】
第3正極集電層33を電流が流れる経路の電気抵抗を、電気抵抗Rc3[Ω]とする。本実施形態では、電気抵抗Rc3は、第3正極集電層33の長手方向の一端から他端に至る電気抵抗とする。第3正極集電層33の体積抵抗率をρc3[Ωm]とすると、電気抵抗Rc3は、下記式で表される。長さLc3[m]と断面積Sc3[m
2]を
図1に示す。
Rc3=ρc3×Lc3/Sc3(Sc3は第3負極集電層23の断面積)
【0040】
本実施形態では、電気抵抗Rc1,Rc2,Rc3は、Rc1>Rc2>Rc3の関係を満たす。また、電気抵抗Rc1に対する電気抵抗Rc2の比は0.1以下であり、電気抵抗Rc2に対する電気抵抗Rc3の比は0.1以下であることが好ましい。
【0041】
以上詳述した本実施形態の二次電池10によれば、3層構造の負極集電体20と3層構造の正極集電体30を採用したことにより柱状負極12及び正極16の集電を効率的に行うことができるため、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を十分高くすることができる。負極集電構造を第1負極集電層21のみとした場合には、第1負極集電層21を電流が流れる経路の電気抵抗が高いためすべての柱状負極12からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すのは難しい。また、正極集電構造を第1正極集電層31のみとした場合には、第1正極集電層31を電流が流れる経路の電気抵抗が高いためすべての正極導電性パターン17からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すのは難しい。しかし、ここでは、負極集電構造を、第1負極集電層21と、第1負極集電層21の上に間欠的に設けられた低抵抗な第2負極集電層22と、更に第2負極集電層22の上に設けられたより低抵抗な第3負極集電層23とで構成したため、すべての柱状負極12からの電流を第1負極集電層21、第2負極集電層22及び第3負極集電層23の順に経由して比較的低い電気抵抗で集電することができる。その結果、すべての柱状負極12からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すことができる。また、正極集電構造を、第1正極集電層31と、第1正極集電層31の上に間欠的に設けられた低抵抗な第2正極集電層32と、第2正極集電層32の上に設けられたより低抵抗な第3正極集電層33とで構成したため、すべての正極導電性パターン17からの電流を第1正極集電層31、第2正極集電層32及び第3正極集電層33の順に経由して比較的低い電気抵抗で集電することができる。その結果、すべての正極導電性パターン17からの電流を実用的な電圧低下範囲で流すことができる。したがって、分離膜14で周囲を囲われた柱状負極12が正極16内に配置された二次電池10において、エネルギー密度を十分高めることできる。
【0042】
また、第2負極集電層22と第2正極集電層32とはオフセットされているため、負極集電体20と正極集電体30とを電源又は負荷を介して接続したときの電池反応のばらつきを抑制することができる。第2負極集電層22と第2正極集電層32とがオフセットされていない場合、
図7に示す二次電池110のように、第2負極集電層22と重複している柱状負極12の上端面12aと第2正極集電層132と重複している正極導電性パターン17の端面17aとの間を流れる電流は、最も抵抗の高い第1負極集電層21と第1正極集電層31の両方を厚み方向に僅かな長さだけ進むのに対し、第2負極集電層22と重複していない柱状負極12の上端面12aと第2正極集電層132と重複していない正極導電性パターン17の端面17aとの間を流れる電流は、最も抵抗の高い第1負極集電層21や第1正極集電層31を面方向に比較的長距離進む。そのため、前者と後者では電気抵抗のばらつきが大きくなる。これに対して、上述した実施形態では、第2負極集電層22と第2正極集電層32とがオフセットされているため、どの柱状負極12の上端面12aとどの正極導電性パターン17の端面17aとの間を流れる電流も、最も抵抗の高い第1負極集電層21と第1正極集電層31の少なくとも一方を面方向に比較的長距離進む。そのため、電気抵抗のばらつきが抑制される。なお、
図7に示す二次電池110も本開示の技術的範囲に属する実施形態の一つである。
【0043】
更に、柱状負極12の上端面12aは、周期的に配置され、第2負極集電層22は、同一直線上に並んだ複数の柱状負極12の上端面12aと平行になるように且つ隣合う第2負極集電層22同士の間隔が一定になるように設けられている。また、正極導電性パターン17の端面17aは、露出面に周期的に配置され、第2正極集電層32は、同一直線上に並んだ複数の正極導電性パターン17の端面17aと平行になるように且つ隣合う第2正極集電層32同士の間隔が一定になるように設けられている。これにより、第2負極集電層22も第2正極集電層32も周期的な構造になるため作製しやすくなる。
【0044】
更にまた、第3負極集電層23は、第2負極集電層22を架け渡すように設けられた1本の導電線であり、第3正極集電層33は、第2正極集電層32を架け渡すように設けられた1本の導電線であるため、第3負極集電層23や第3正極集電層33が複数本存在する場合に比べて構成が簡素化される。
【0045】
そして、正極16は、正六角柱からなる複数の柱状正極26を空間充填して得られたものであり、分離膜14で囲われた柱状負極12は、柱状正極26の中心孔26aに配置されている。そのため、正極16を比較的容易に作製することができる。
【0046】
そしてまた、電気抵抗Ra1に対する電気抵抗Ra2の比は0.1以下であり、電気抵抗Ra2に対する電気抵抗Ra3の比は0.1以下であり、電気抵抗Rc1に対する電気抵抗Rc2の比は0.1以下であり、電気抵抗Rc2に対する電気抵抗Rc3の比は0.1以下であるため、エネルギー密度を一層高めることができる。
【0047】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0048】
例えば、上述した実施形態では、二次電池10のキャリアをリチウムイオンとしたが、特にこれに限定されず、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの2族元素イオンとしてもよい。また、正極活物質は、キャリアのイオンを含むものとすればよい。また、電解液を非水系電解液としたが、水系電解液としてもよい。
【0049】
上述した実施形態では、炭素繊維は、円柱形状である例を説明したが、特にこれに限定されず、四角柱や六角柱などの形状としてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、第1正極集電層31の形状を板状としたが、特に板状に限定されるものではなく、例えば、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチングシート、ガラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などでもよい。第2及び第3正極集電層32,33の形状についても同様である。また、第1〜第3正極集電層31〜33は、3つとも同じ形状であってもよいし、2つが同じ形状で残り1つが異なる形状であってもよいし、3つとも異なる形状であってもよい。
【0051】
上述した実施形態では、第1負極集電層21の形状を板状としたが、特に板状に限定されるものではなく、例えば、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチングシート、ガラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などでもよい。第2及び第3負極集電層22,23の形状についても同様である。また、第1〜第3負極集電層21〜23は、3つとも同じ形状であってもよいし、2つが同じ形状で残り1つが異なる形状であってもよいし、3つとも異なる形状であってもよい。
【0052】
上述した実施形態では、二次電池10として電解液を用いるものを例示したが、電解液を用いない全固体電池としてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、第2負極集電層22の前後方向のピッチは、柱状負極12の上端面12aの前後方向のピッチの2倍としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば3倍とか4倍であってもよい。また、第2正極集電層32の前後方向のピッチは、正極導電性パターン17の端面17aの前後方向のピッチの2倍としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば3倍とか4倍であってもよい。
【0054】
上述した実施形態では、正極集電体30を二次電池10の左側面に設けたが、特にこれに限定されるものではなく、右側面に設けてもよいし、前面あるいは後面に設けてもよいし、下面に設けてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、柱状正極26を正六角柱としたが、空間充填可能な正多角柱であればよく、例えば正三角柱や正四角柱などであってもよい。