(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981460
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】バッフルユニット、これを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20211202BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20211202BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
C23C16/455
H05H1/46 L
H01L21/302 104H
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-220680(P2019-220680)
(22)【出願日】2019年12月5日
(65)【公開番号】特開2021-82798(P2021-82798A)
(43)【公開日】2021年5月27日
【審査請求日】2019年12月5日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145721
(32)【優先日】2019年11月14日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519362963
【氏名又は名称】ピーエスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジュン ヒュン
【審査官】
田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−045910(JP,A)
【文献】
特開平09−223685(JP,A)
【文献】
特表2012−519956(JP,A)
【文献】
特開2019−036513(JP,A)
【文献】
特開平01−156477(JP,A)
【文献】
特開平08−055840(JP,A)
【文献】
特開平08−120469(JP,A)
【文献】
特開2001−077031(JP,A)
【文献】
特開2002−246371(JP,A)
【文献】
特開2004−356587(JP,A)
【文献】
特開2007−273747(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/114363(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/129977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
処理空間を有するハウジングと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記支持ユニットの上部に配置されるバッフルユニットと、を含み、
前記バッフルユニットは、
前記工程ガス及び/又は前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、
前記バッフルの縁領域には、
上部から見る時、その長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた複数の第2ホールが形成され、
前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向がなす傾斜角は、複数の前記第2ホールの間に互いに同一であり、
前記バッフルユニットは、
前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、
前記遮蔽板は、
前記第2ホールを遮る形状を有し、
前記遮蔽板は、
リング形状に提供され、
前記遮蔽板には、
弧形状を有する開口が少なくとも1つ以上形成され、
上部から見る時、前記開口は、前記第2ホールの内側領域と外側領域の中で前記外側領域と重畳される、基板処理装置。
【請求項2】
基板を処理する装置において、
処理空間を有するハウジングと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記支持ユニットの上部に配置されるバッフルユニットと、を含み、
前記バッフルユニットは、
前記工程ガス及び/又は前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、
前記バッフルの縁領域には、
上部から見る時、その長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた複数の第2ホールが形成され、
前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向がなす傾斜角は、複数の前記第2ホールの間に互いに同一であり、
前記バッフルユニットは、
前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、
前記遮蔽板は、
前記第2ホールを遮る形状を有し、
前記装置は、
前記ハウジング、前記支持ユニットを含む工程処理部と、
前記プラズマソースを含み、前記プラズマを発生させて前記処理空間に供給するプラズマ発生部と、を含み、
前記プラズマ発生部は、
前記工程処理部の上部に配置され、
プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーを含み、
前記装置は、
前記プラズマチャンバーの下部に配置され、拡散空間を有する拡散チャンバーをさらに含み、
前記バッフルユニットは、
前記拡散チャンバーに結合され、
前記バッフルには、
結合手段が挿入される第3ホールが形成され、
前記遮蔽板には、
前記第3ホールと対応する位置に形成され、前記結合手段が挿入される結合ホールが形成される、基板処理装置。
【請求項3】
基板を処理する装置において、
処理空間を有するハウジングと、
前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、
工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、
前記支持ユニットの上部に配置されるバッフルユニットと、を含み、
前記バッフルユニットは、
前記工程ガス及び/又は前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、
前記バッフルの縁領域には、
上部から見る時、その長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた複数の第2ホールが形成され、
前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向がなす傾斜角は、複数の前記第2ホールの間に互いに同一であり、
前記バッフルユニットは、
前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、
前記遮蔽板は、
前記第2ホールを遮る形状を有し、
前記装置は、
前記ハウジング、前記支持ユニットを含む工程処理部と、
前記プラズマソースを含み、前記プラズマを発生させて前記処理空間に供給するプラズマ発生部と、を含み、
前記プラズマ発生部は、
前記工程処理部の上部に配置され、
プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーを含み、
前記装置は、
前記プラズマチャンバーの下部に配置され、拡散空間を有する拡散チャンバーをさらに含み、
前記バッフルユニットは、
前記拡散チャンバーに結合され、
前記バッフルには、
結合手段が挿入される第3ホールが形成され、
前記遮蔽板には、
前記第3ホールと対応する位置に形成され、前記結合手段が挿入される結合ホールが形成され、
前記遮蔽板は、
前記バッフルの下部に配置される、基板処理装置。
【請求項4】
上部から見る時、前記バッフルの中心から前記半径方向に沿って描いた仮想の直線は、前記第2ホールの中で少なくとも1つと重畳される請求項1乃至3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2ホールは、
前記バッフルの円周方向に沿って前記縁領域に形成される請求項1乃至3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2ホールは、
前記バッフルの前記縁領域の全体に提供される請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2ホールの傾いた方向は、互いに同一である請求項1乃至3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2ホールは、長ホール形状を有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記遮蔽板は、
上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記外側領域を遮蔽するように提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記遮蔽板は、
上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記内側領域を遮蔽するように提供される請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
プラズマを利用して基板を処理する装置に提供されるバッフルユニットにおいて、
上部から見る時、中心領域には前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、
前記バッフルの縁領域にはその長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた複数の第2ホールが形成され、
前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向がなす傾斜角は、複数の前記第2ホールの間に互いに同一であり、
前記バッフルユニットは、
前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、
前記遮蔽板は、
前記第2ホールを遮蔽するようにリング形状を有し、
前記遮蔽板は、
上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記内側領域を遮蔽するように提供され、
前記遮蔽板には、
弧形状を有する開口が少なくとも1つ以上形成され、
上部から見る時、前記開口は前記外側領域と重畳される、バッフルユニット。
【請求項12】
プラズマを利用して基板を処理する装置に提供されるバッフルユニットにおいて、
上部から見る時、中心領域には前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、
前記バッフルの縁領域にはその長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた複数の第2ホールが形成され、
前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向がなす傾斜角は、複数の前記第2ホールの間に互いに同一であり、
前記バッフルユニットは、
前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、
前記遮蔽板は、
前記第2ホールを遮蔽するようにリング形状を有し、
前記バッフルには、
結合手段が挿入される第3ホールが形成され、
前記遮蔽板には、
前記第3ホールと対応する位置に形成され、前記結合手段が挿入される結合ホールが形成される、バッフルユニット。
【請求項13】
前記バッフルの半径方向から見る時、前記第2ホールの中で隣接する第2ホールの一部領域は、互いに重畳される請求項11または12に記載のバッフルユニット。
【請求項14】
前記第2ホールは、
前記バッフルの円周方向に沿って前記縁領域に形成される請求項11または12に記載のバッフルユニット。
【請求項15】
前記遮蔽板は、
上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記外側領域を遮蔽するように提供される請求項11または12に記載のバッフルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関り、より詳細にはプラズマを利用して基板を処理する基板処理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
プラズマはイオンやラジカル、及び電子等から成されたイオン化されたガス状態を言う。プラズマは非常に高い温度や、強い電界、或いは高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程はプラズマを使用して基板の上の薄膜を除去するアッシング又は蝕刻工程を含む。アッシング又は蝕刻工程はプラズマに含有されたイオン及びラジカル粒子が基板上の膜と衝突又は反応することによって遂行される。
【0003】
図1は一般的な基板処理装置の一部を示す図面である。一般的な基板処理装置2000はチャンバー2100及びバッフル2200を含む。チャンバー2100内には工程ガスが供給される。チャンバー2100内に供給された工程ガスはチャンバー2100内に生成された電磁気場によってプラズマ状態に励起される。チャンバー2100内で生成されたプラズマは複数のホール2202が形成されたバッフル2200を経て基板に伝達される。バッフル2200はチャンバー2100で生成されたプラズマが基板に均一に伝達されるように構成される。
【0004】
チャンバー2100で生成されたプラズマの中で一部はバッフル2200に形成された複数のホール2202を通過する。また、チャンバー2100で生成されたプラズマの中で他の一部はバッフル2200と衝突する。バッフル2200を長時間使用する場合、バッフル2200には熱変形が発生する。バッフル2200に対する熱変形は、プラズマとバッフル2200が衝突しながら、発生する。バッフル2200が熱変形されれば、バッフル2200が膨張しながら、歪み現象(Warpage)が発生する。歪み現象が発生すればバッフル2200は垂直方向に湧き上がるか、或いは下に下がる形状に変形される。このようなバッフル2200の変形によってチャンバー2100を結合させる結合手段2204が提供される領域に隙間が発生する。間隙にプラズマが流入されれば、アーキング(Arcing)現象を発生させることができる。アーキング現象はパーティクル等の不純物を発生させる。発生された不純物は基板に伝達されることができる。基板に伝達された不純物は基板に対する処理が適切に遂行できなくなるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許第10−1200720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は基板を効率的に処理することができるバッフルユニット、及びこれを含む基板処理装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的はバッフルに対する熱変形が発生しても、バッフルとチャンバーとの間に隙間が発生することを最小化することができるバッフルユニット、及びこれを含む基板処理装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的はアーキング現象が発生することを最小化することができるバッフルユニット、及びこれを含む基板処理装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的はパーティクル等の不純物が発生することを最小化することができるバッフルユニット、及びこれを含む基板処理装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は基板を処理するのにおいて、追加的な制御因子を提供するバッフルユニット、及びこれを含む基板処理装置を提供することにある。
【0011】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されることはなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、処理空間を有するハウジングと、前記処理空間で基板を支持する支持ユニットと、工程ガスからプラズマを発生させるプラズマソースと、前記支持ユニットの上部に配置されるバッフルユニットと、を含み、前記バッフルユニットは、前記工程ガス及び/又は前記プラズマが流れる第1ホールが形成されたバッフルを含み、前記バッフルの縁領域には、上部から見る時、その長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた第2ホールが形成されることができる。
【0013】
一実施形態によれば、上部から見る時、前記バッフルの中心から前記半径方向に沿って描いた仮想の直線は前記第2ホールの中で少なくとも1つと重畳されることができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記第2ホールは、前記バッフルの円周方向に沿って前記縁領域に形成されることができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記第2ホールは、前記バッフルの縁領域の全体に提供されることができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記第2ホールの傾いた方向は互いに同一であることができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記第2ホールの傾いた方向と前記バッフルの半径方向とがなす傾斜角は前記第2ホールとの間に互いに同一であることができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記第2ホールは長ホール形状を有することができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記バッフルユニットは、前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、前記遮蔽板は、前記第2ホールを遮る形状を有することができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、リング形状に提供されることができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記外側領域を遮蔽するように提供されることができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記内側領域を遮蔽するように提供されることができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記遮蔽板には、弧形状を有する開口が少なくとも1つ以上が形成され、上部から見る時、前記開口は前記第2ホールの内側領域と外側領域の中で前記外側領域と重畳されることができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記装置は、前記ハウジング、前記支持ユニットを含む工程処理部と、前記プラズマソースと、を含み、前記プラズマを発生させて前記処理空間に供給するプラズマ発生部を含み、前記プラズマ発生部は、前記工程処理部の上部に配置され、プラズマ発生空間を有するプラズマチャンバーを含むことができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記装置は、前記プラズマチャンバーの下部に配置され、拡散空間を有する拡散チャンバーをさらに含み、前記バッフルユニットは、前記拡散チャンバーに結合されることができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記バッフルには、結合手段が挿入される第3ホールが形成され、前記遮蔽板には、前記第3ホールと対応する位置に形成され、前記結合手段が挿入される結合ホールが形成されることができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、前記バッフルの下部に配置されることができる。
【0028】
また、本発明はプラズマを利用して基板を処理する装置に提供されるバッフルユニットを提供する。バッフルユニットは、上部から見る時、中心領域には前記プラズマが流れる第1ホールが形成され、縁領域にはその長さ方向が前記バッフルの半径方向に対して傾いた第2ホールが形成されるバッフルを含むことができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記バッフルの半径方向から見る時、前記第2ホールの中で隣接する第2ホールの一部領域は互いに重畳されることができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記第2ホールは、前記バッフルの円周方向に沿って前記縁領域に形成されることができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記ユニットは、前記バッフルの上部又は下部に配置される遮蔽板をさらに含み、前記遮蔽板は、前記第2ホールを遮蔽するようにリング形状を有することができる。
【0032】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記外側領域を遮蔽するように提供されることができる。
【0033】
一実施形態によれば、前記遮蔽板は、上部から見る時、前記第2ホールの外側領域と内側領域の中で前記内側領域を遮蔽するように提供され、前記遮蔽板には、弧形状を有する開口が少なくとも1つ以上が形成され、上部から見る時、前記開口は前記外側領域と重畳されることができる。
【0034】
一実施形態によれば、前記バッフルには、結合手段が挿入される第3ホールが形成され、前記遮蔽板には、前記第3ホールと対応する位置に形成され、前記結合手段が挿入される結合ホールが形成されることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態によれば、バッフルに対する熱変形が発生しても、バッフルとチャンバーとの間に隙間が発生することを最小化することができる。
【0037】
また、本発明の一実施形態によれば、基板処理装置内でアーキング現象が発生することを最小化することができる。
【0038】
また、本発明の一実施形態によれば、パーティクル等の不純物が発生することを最小化することができる。
【0039】
また、本発明の一実施形態によれば、基板を処理するのにおいて、追加的な制御因子を提供することができる。
【0040】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】一般的な基板処理装置の一部を示す図面である。
【
図2】本発明の基板処理設備を概略的に示す図面である。
【
図3】
図2のプロセスチャンバーの中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッフルユニットを示す平面図である。
【
図5】
図4のバッフルユニットが加熱されて熱膨張する方向を示した図面である。
【
図6】本発明の他の実施形態による基板処理装置を示す図面である。
【
図7】本発明のその他の実施形態に係るバッフルユニットを示す図面である。
【
図8】本発明のその他の実施形態に係るバッフルユニットを示す図面である。
【
図9】本発明の他の実施形態によるバッフルユニットを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面全体に亘って同一な符号を使用する。
【0043】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0044】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0045】
以下、
図2乃至
図9を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0046】
図2は本発明の実施形態の基板処理設備を概略的に示す図面である。
図2を参照すれば、基板処理設備1は設備前方端部モジュール(equipment front end module、EFEM)20及び処理モジュール30を有する。設備前方端部モジュール20と処理モジュール30は一方向に配置される。
【0047】
設備前方端部モジュール20はロードポート(load port)10及び移送フレーム21を有する。ロードポート10は第1の方向11に設備前方端部モジュール20の前方に配置される。ロードポート10は複数の支持部6を有する。各々の支持部6は第2方向12に一列に配置され、工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納されたキャリヤー4(例えば、カセット、FOUP等)が安着される。キャリヤー4には工程に提供される基板W及び工程処理が完了された基板Wが収納される。移送フレーム21はロードポート10と処理モジュール30との間に配置される。移送フレーム21はその内部に配置され、ロードポート10と処理モジュール30との間に基板Wを移送する第1移送ロボット25を含む。第1移送ロボット25は第2方向12に具備された移送レール27に沿って移動してキャリヤー4と処理モジュール30との間に基板Wを移送する。
【0048】
処理モジュール30はロードロックチャンバー40、トランスファーチャンバー50、及びプロセスチャンバー60を含む。
【0049】
ロードロックチャンバー40は移送フレーム21に隣接するように配置される。一例として、ロードロックチャンバー40はトランスファーチャンバー50と設備前方端部モジュール20との間に配置されることができる。ロードロックチャンバー40は工程に提供される基板Wがプロセスチャンバー60に移送される前、又は工程処理が完了された基板Wが設備前方端部モジュール20に移送される前に待機する空間を提供する。
【0050】
トランスファーチャンバー50はロードロックチャンバー40に隣接するように配置される。トランスファーチャンバー50は上部から見る時、多角形の本体を有する。
図2を参照すれば、トランスファーチャンバー50は上部から見る時、五角形の本体を有する。本体の外側には、ロードロックチャンバー40と複数のプロセスチャンバー60が本体の周辺に沿って配置される。本体の各側壁には、基板Wが出入りする通路(未図示)が形成され、通路はトランスファーチャンバー50とロードロックチャンバー40又はプロセスチャンバー60を連結する。各通路には、通路を開閉して内部を密閉させるドア(未図示)が提供される。トランスファーチャンバー50の内部空間にはロードロックチャンバー40とプロセスチャンバー60との間に基板Wを移送する第2移送ロボット53が配置される。第2移送ロボット53はロードロックチャンバー40で待機する未処理された基板Wをプロセスチャンバー60に移送するか、或いは工程処理が完了された基板Wをロードロックチャンバー40に移送する。そして、複数のプロセスチャンバー60に基板Wを順次的に提供するためにプロセスチャンバー60の間に基板Wを移送する。
図3のように、トランスファーチャンバー50が五角形の本体を有する時、設備前方端部モジュール20と隣接する側壁には、ロードロックチャンバー40が各々配置され、残りの側壁には、プロセスチャンバー60が連続して配置される。トランスファーチャンバー50は前記形状のみならず、要求される工程モジュールに応じて多様な形態に提供されることができる。
【0051】
プロセスチャンバー60はトランスファーチャンバー50の周辺に沿って配置される。プロセスチャンバー60は複数に提供されることができる。各々のプロセスチャンバー60内では基板Wに対する工程処理が進行される。プロセスチャンバー60は第2移送ロボット53から基板Wが移送されて工程処理をし、工程処理が完了された基板Wを第2移送ロボット53に提供する。各々のプロセスチャンバー60で進行される工程処理は互いに異なることができる。以下、プロセスチャンバー60の中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置1000(
図3)に対して詳細に説明する。
【0052】
図3は
図2のプロセスチャンバーの中でプラズマ処理工程を遂行する基板処理装置を示す図面である。
図3を参照すれば、基板処理装置1000はプラズマを利用して基板W上に所定の工程を遂行する。一例として、基板処理装置1000は基板W上の薄膜を蝕刻又はアッシングすることができる。薄膜はポリシリコン膜、シリコン酸化膜、及びシリコン窒化膜等の多様な種類の膜である。また、薄膜は自然酸化膜や化学的に生成された酸化膜である。
【0053】
基板処理装置1000は工程処理部200、バッフルユニット300、プラズマ発生部400、及び排気部600を含むことができる。
【0054】
工程処理部200は基板Wが置かれ、基板に対する処理が遂行される処理空間212を提供する。プラズマ発生部400工程ガスを放電させてプラズマ(Plasma)を生成させることができる。プラズマ発生部400は発生させたプラズマを工程処理部200に供給することができる。バッフルユニット300はプラズマ発生部400で生成されたプラズマが処理空間212に均一に伝達されるように構成されることができる。排気部600は工程処理部200の内部に留まる工程ガス及び/又は基板処理過程で発生した反応副産物等を外部に排出することができる。排気部600は工程処理部200内の圧力を設定圧力に維持することができる。
【0055】
工程処理部200はハウジング210及び支持ユニット230を含むことができる。
【0056】
ハウジング210の内部には基板処理工程を遂行する処理空間212を有することができる。ハウジング210は上部が開放され、側壁には、開口(未図示)が形成されることができる。基板Wは開口を通じてハウジング210の内部に出入りする。開口はドア(未図示)のような開閉部材によって開閉されることができる。また、ハウジング210の底面には排気ホール214が形成される。排気ホール214を通じて処理空間212内工程ガス及び/又は副産物を処理空間212の外部に排気することができる。排気ホール214は後述する排気部600を含む構成と連結されることができる。
【0057】
支持ユニット230は処理空間212で基板Wを支持することができる。支持ユニット230は支持プレート232及び支持軸234を含むことができる。支持プレート232は処理空間212で基板Wを支持することができる。支持プレート232は支持軸234によって支持されることができる。支持プレート232は外部電源と連結され、印加された電力によって静電気を発生させることができる。発生された静電気が有する静電気力は基板Wを支持ユニット230に固定させることができる。
【0058】
支持軸234は対象物を移動させることができる。例えば、支持軸234は基板Wを上下方向に移動させることができる。一例として、支持軸234は支持プレート232と結合され、支持プレート232を昇下降して基板Wを移動させることができる。
【0059】
バッフルユニット300は支持ユニット230の上部に配置されることができる。バッフルユニット300は支持ユニット230とプラズマ発生部400との間に配置されることができる。バッフルユニット300は後述する拡散チャンバー440に結合されることができる。バッフルユニット300は結合手段318によって拡散チャンバー440に結合されることができる。バッフルユニット300はプラズマ発生部400で生成されたプラズマが基板Wに均一に伝達されるように構成されることができる。バッフルユニット300はバッフル310を含むことができる。バッフル310に対する詳細な説明は後述する。
【0060】
プラズマ発生部400は工程処理部200の上部に配置されることができる。プラズマ発生部400はハウジング210の上部に位置されることができる。プラズマ発生部400は工程ガスを放電させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを処理空間212に供給することができる。プラズマ発生部400はプラズマチャンバー410、ガス供給ユニット420、電力印加ユニット430、及び拡散チャンバー440を含むことができる。
【0061】
プラズマチャンバー410には上面及び下面が開放された形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410は上面及び下面が開放された円筒形状を有することができる。プラズマチャンバー410はプラズマ発生空間412を有することができる。また、プラズマチャンバー410は酸化アルミニウム(Al
2O
3)を含む材質に提供されることができる。プラズマチャンバー410の上面はガス供給ポート414によって密閉されることができる。ガス供給ポート414はガス供給ユニット420と連結されることができる。工程ガスはガス供給ポート414を通じてプラズマ発生空間412に供給されることができる。プラズマ発生空間412に供給されたガスはバッフル310を経て処理空間212に流入されることができる。
【0062】
ガス供給ユニット420は工程ガスを供給することができる。ガス供給ユニット420はガス供給ポート414と連結されることができる。ガス供給ユニット420が供給する工程ガスはフルオリン(Fluorine)及び/又はハイドロゲン(Hydrogen)を含むことができる。
【0063】
電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412に高周波電力を印加する。電力印加ユニット430はプラズマ発生空間412で工程ガスを励起してプラズマを発生させるプラズマソースである。電力印加ユニット430はアンテナ432、電源434を含むことができる。
【0064】
アンテナ432は誘導結合型プラズマ(ICP)アンテナである。アンテナ432はコイル形状に提供されることができる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部でプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマチャンバー410の外部で螺旋形にプラズマチャンバー410に複数回巻かれる。アンテナ432はプラズマ発生空間412に対応する領域でプラズマチャンバー410に巻かれる。アンテナ432の一端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されることができる。アンテナ432の他端はプラズマチャンバー410の正断面から見る時、プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されることができる。
【0065】
電源434はアンテナ432に電力を印加することができる。電源434はアンテナ432に高周波交流電流を印加することができる。アンテナ432に印加された高周波交流電流はプラズマ発生空間412に誘導電気場を形成することができる。プラズマ発生空間412内に供給される工程ガスは誘導電気場からイオン化に必要とするエネルギーを得てプラズマ状態に変換されることができる。また、電源434はアンテナ432の一端に連結されることができる。電源434はプラズマチャンバー410の上部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の一端に連結されることができる。また、アンテナ432の他端は接地されることができる。プラズマチャンバー410の下部領域と対応される高さに提供されるアンテナ432の他端は接地されることができる。しかし、これに限定されることではなく、アンテナ432の他端に電源434が連結されアンテナ432の一端が接地されてもよい。
【0066】
拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410で発生されたプラズマを拡散させることができる。拡散チャンバー440はプラズマチャンバー410の下部に配置されることができる。拡散チャンバー440は上部と下部が開放された形状を有することができる。拡散チャンバー440は逆ホッパー形状を有することができる。拡散チャンバー440の上端はプラズマチャンバー410と対応される直径を有することができる。拡散チャンバー440の下端は拡散チャンバー440の上端より大きい直径を有することができる。拡散チャンバー440は上端から下端に行くほど、その直径が大きくなることができる。また、拡散チャンバー440は拡散空間442を有することができる。プラズマ発生空間412で発生されたプラズマは拡散空間442を経ながら、拡散されることができる。拡散空間442に流入されたプラズマはバッフル310を経て処理空間212に流入されることができる。拡散チャンバー440にはバッフルユニット300が結合されることができる。拡散チャンバー440にはバッフルユニット300が含むバッフル310が結合されることができる。拡散チャンバー440にはバッフル310が結合手段318によって結合されることができる。
【0067】
排気部600は工程処理部200の内部の工程ガス及び不純物を外部に排気することができる。排気部600は基板W処理過程で発生する不純物を基板処理装置1000の外部に排気することができる。排気部600は処理空間212内に供給された工程ガスを外部に排気することができる。排気部600は排気ライン602及び減圧部材604を含むことができる。排気ライン602はハウジング210の底面に形成された排気ホール214と連結されることができる。また、排気ライン602は減圧を提供する減圧部材604と連結されることができる。これによって、減圧部材604は処理空間212に減圧を提供することができる。減圧部材604はポンプである。減圧部材604は処理空間212に残留するプラズマ及び不純物をハウジング210の外部に排出することができる。また、減圧部材604は処理空間212の圧力を既設定された圧力に維持するように減圧を提供することができる。
【0068】
図4は本発明の一実施形態によるバッフルユニットを示す平面図である。
図4に図示されている一点鎖線又は点線はバッフル310の構成を容易に説明するために表示された仮想の線であり、バッフル310の実際形状を表現することではない。
図4を参照すれば、バッフル310は板形状を有することができる。バッフル310は上部から見る時、円形状を有することができる。バッフル310には第1ホール312、第2ホール314、及び第3ホール316が形成されることができる。
【0069】
第1ホール312には工程ガス及び/又はプラズマが流れることができる。例えば、後述するプラズマ発生部400で生成されたプラズマ等は第1ホール312を経て工程処理部200に伝達されることができる。第1ホール312はバッフル310の中央領域に形成されることができる。バッフル310の中央領域は第2ホール314が形成される領域より内側である領域を意味することができる。第1ホール312は複数に提供されることができる。第1ホール312はバッフル310の上面から下面まで延長されることができる。即ち、第1ホール312はバッフル310の上面及び下面を貫通するように提供されることができる。第1ホール312は上部から見る時、円形状を有することができる。第1ホール312のサイズと位置は多様に変形されることができる。例えば、第1ホール312の中でいずれか一部は第1直径を有することができる。また、第1ホール312の中で他の一部は第2直径を有することができる。また、第1ホール312の中でその他の一部は第3直径を有することができる。第1直径は第2直径より小さい直径である。第2直径は第3直径より小さい直径である。例えば、第1直径を有する第1ホール312はバッフル310の中心領域に提供されることができる。また、第2直径を有する第1ホール312は第1直径を有する第1ホール312の外側に提供されることができる。第2直径を有する第1ホール312は上部から見る時、第1直径を有する第1ホール312を囲むように提供されることができる。また、第3直径を有する第1ホール312は第2直径を有する第1ホール312の外側に提供されることができる。第3直径を有する第1ホール312は上部から見る時、第2直径を有する第1ホール312を囲むように提供されることができる。第1ホール312のサイズ及び位置、及び形状は基板Wの種類、基板W処理に要求される処理条件、又は基板処理装置の種類に応じて多様に変形されることができる。
【0070】
第2ホール314はバッフル310の縁領域に形成されることができる。バッフル310の縁領域は第1ホール312が形成される中央領域より外側である領域を意味することができる。第2ホール314はバッフル310の円周方向に沿ってバッフル310の縁領域に形成されることができる。第2ホール314は縁領域の全体に提供されることができる。バッフル310の中心からバッフル310の半径方向に沿って描いた仮想の直線Lは第2ホール314の中で少なくとも1つと重畳されることができる。即ち、バッフル310の正断面、及びバッフル310の半径方向からバッフル310に見る時、第2ホール314の中で隣接する第2ホール314の一部領域は互いに重畳されるように提供されることができる。また、第2ホール314は長ホール形状を有することができる。第2ホール314はスリット形状を有することができる。また、第2ホール314はバッフル310の上面からバッフル310の下面まで延長されて形成されることができる。即ち、第2ホール314はバッフル310の上面及び下面を貫通するように形成されることができる。
【0071】
第2ホール314はバッフル310の半径方向に対して傾くようにバッフル310に形成されることができる。第2ホール314がバッフル310の半径方向に対して傾いた方向は互いに同一であることができる。第2ホール314が傾いた方向とバッフル310の半径方向がなす傾斜角は第2ホール314の間に互いに同一であることができる。第2ホール314はバッフル310に対してバッフル310が熱膨張する場合、垂直方向に湧き上がるか、或いは、下に下がることを防止する緩衝領域を形成することができる。
【0072】
第3ホール316はバッフル310の縁領域に形成されることができる。第3ホール316は第2ホール314より外側に形成されることができる。第3ホール316には上述した結合手段318が挿入されることができる。第3ホール316は互いに離隔されてバッフル310に形成されることができる。第3ホール316は互いに一定な間隔に離隔されてバッフル310に形成されることができる。第3ホール316はバッフル310の円周方向に沿ってバッフル310に形成されることができる。
【0073】
バッフル310に形成される第1ホール312、第2ホール314、及び第3ホール316が形状及び位置は多様に変形されることができる。バッフル310に形成される第1ホール312、第2ホール314、及び第3ホール316の形状及び位置は基板Wの種類、基板W処理に要求される処理条件、及び基板処理装置1000の種類に応じて多様に変形されることができる。
【0074】
プラズマ発生部400で生成されたプラズマはバッフルユニット300のバッフル310を経て処理空間212に伝達される。具体的に、プラズマチャンバー410内に工程ガスが供給される。プラズマチャンバー410のプラズマ発生空間412に供給された工程ガスはプラズマソースが発生させる電磁気場によってプラズマ状態に励起されることができる。生成されたプラズマはプラズマ発生空間412から拡散チャンバー440の拡散空間442に流入されることができる。拡散空間442に流入されたプラズマは拡散されることができる。拡散されたプラズマはバッフル310を経て処理空間212に伝達されることができる。プラズマが拡散チャンバー440から処理空間212に伝達される過程で、プラズマとバッフル310は互いに物理的に衝突することができる。これによって、バッフル310の温度は上昇することができる。バッフル310の温度が上昇すれば、バッフル310は熱膨張することができる。バッフル310は
図5に図示されたように水平方向に沿って膨張することができる。一般的なバッフルが熱膨張すれば、水平方向に膨張することが困難である。これによって、バッフルの温度が上昇すれば、バッフルは垂直方向に湧き上がるか、或いは下に下がる形状に変形される。このようなバッフルの変形はバッフルとチャンバーとの間に間隙を発生させる。間隙にプラズマが流入されれば、アーキング(Arcing)現象が発生する。アーキング現象はパーティクル等の不純物を発生させる。発生された不純物は基板Wに伝達されて基板Wに対する処理が適切に遂行できなくなるようにする。
【0075】
しかし、本発明の一実施形態によれば、バッフル310の縁領域には複数の第2ホール314が形成される。第2ホール314は互いに組み合わせてバッフル310に緩衝領域を形成する。第2ホール314が緩衝領域を形成することによって、バッフル310の温度が上昇すれば、バッフル310は相対的に水平方向に膨張されることがより容易になる。即ち、バッフル310がプラズマと衝突しても、バッフル310が水平方向に膨張することが可能になってバッフル310と拡散チャンバー440との間に隙間が発生することを最小化することができる。
【0076】
また、本発明の一実施形態によれば、バッフル310の中心からバッフル310の半径方向に沿って描いた仮想の直線Lは複数の第2ホール314の中で少なくとも1つと重畳されることができる。即ち、バッフル310正断面、及びバッフル310の半径方向から第2ホール314に見る時、第2ホール314の中で隣接する第2ホール314の一部領域は互いに重畳されることができる。したがって、バッフル310の領域の中である領域が膨張されても、第2ホール314の中で少なくとも1つ以上の第2ホール314によって膨張が緩衝されることができるので、バッフル310の熱膨張による問題をさらに効果的に防止することができる。また、第2ホール314はバッフル310の半径方向に対して傾くように提供される。このような第2ホール314の形状及び位置はバッフル310の水平方向への膨張をさらに容易になるようにする。
【0077】
図6は本発明の他の実施形態による基板処理装置を示す図面であり、
図7は本発明の他の実施形態によるバッフルユニットを示す図面である。
図6と
図7を参照すれば、バッフルユニット300は遮蔽板330をさらに含むことができる。遮蔽板330はバッフル310の上部又は下部に配置されることができる。例えば、遮蔽板330はバッフル310の下部に配置されることができる。遮蔽板330は第2ホール314の下部に配置されることができる。遮蔽板330はバッフル310の第2ホール314を遮る形状を有することができる。例えば、遮蔽板330は上部から見る時、リング形状に提供されることができる。即ち、上部から見る時、第2ホール314の全ての領域は遮蔽板330によって遮蔽されることができる。また、遮蔽板330には結合ホール332が形成されることができる。結合ホール332は遮蔽板330に複数に形成されることができる。結合ホール332は第3ホール316と対応する位置に形成されることができる。結合ホール332は第3ホール316と対応する形状を有することができる。結合ホール332には結合手段318が挿入されることができる。即ち、結合手段318は結合ホール332と第3ホール316との全てに挿入されることができる。遮蔽板330は結合手段318によってバッフル310と共に拡散チャンバー440に結合されることができる。
【0078】
バッフル310に緩衝領域を形成するために第2ホール314がバッフル310に形成される場合、プラズマ発生部400で生成されたプラズマは第2ホール314を通じて基板Wに伝達されることができる。第2ホール314はバッフル310の縁領域に形成されるので、第2ホール314の下部に提供される基板Wの縁領域はプラズマによって処理されることができる。この場合、基板Wの縁領域がプラズマによって処理されることができる。本発明の他の実施形態によれば、上部から見る時、第2ホール314を完全に遮蔽されるように提供される遮蔽板330を通じて基板Wの縁領域が過処理されることを防止することができる。
【0079】
上述した例では、上部から見る時、第2ホール314の全ての領域は遮蔽板330によって遮蔽されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、処理される基板Wの種類や、基板W処理に要求される処理条件に応じて基板Wの縁領域に対するプラズマ処理がさらに要求される場合もある。具体的に、基板Wの縁領域の中で内側領域に対するプラズマ処理が要求される場合がある。この場合、
図8に図示されたように第2ホール314の下部に配置される遮蔽板330は第2ホール314の一部領域のみを遮蔽するように構成されることができる。上部から見る時、第2ホール314によってバッフル310が開放される領域は、第2ホール314の外側領域と内側領域に分けられる。遮蔽板330は第2ホール314の外側領域と内側領域の中で外側領域を遮蔽するように提供されることができる。即ち、第2ホール314の外側領域は、上部から見る時、遮蔽板330と重畳されることができる。第2ホール314の内側領域は、上部から見る時、遮蔽板330と重畳されなくともよい。遮蔽板330が第2ホール314の外側領域のみを遮蔽すれば、基板Wの縁領域の外側領域と内側領域の中で内側領域に対するプラズマ処理がさらに行われることができる。
【0080】
上述した例では、上部から見る時、第2ホール314の全ての領域は遮蔽板330によって遮蔽されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、処理される基板Wの種類や、基板W処理に要求される処理条件に応じて基板Wの縁領域に対するプラズマ処理がさらに要求される場合もある。具体的に、基板Wの縁領域の中で外側領域に対するプラズマ処理が要求される場合がある。この場合、
図9に図示されたように第2ホール314の下部に配置される遮蔽板330は第2ホール314の一部領域のみを遮蔽するように構成されることができる。上部から見る時、第2ホール314によってバッフル310が開放される領域は、第2ホール314の外側領域と内側領域に分けられる。遮蔽板330は第2ホール314の外側領域と内側領域の中で内側領域を遮蔽するように提供されることができる。即ち、遮蔽板330には開口334が形成されることができる。開口334は遮蔽板330に少なくとも1つ以上形成されることができる。開口334は弧形状を有することができる。遮蔽板330に形成された開口334は第2ホール314の外側領域と内側領域の中で外側領域と重畳されるように提供されることができる。即ち、上部から見る時、第2ホール314の外側領域は開口334と重畳されることができる。また、上部から見る時、第2ホール314の内側領域は遮蔽板330のホールが形成されないブロッキング領域と重畳されることができる。遮蔽板330が第2ホール314の内側領域のみを遮蔽すれば、基板Wの縁領域の外側領域と内側領域の中で外側領域に対するプラズマ処理がさらに行われることができる。
【0081】
また、
図7乃至
図9に図示された遮蔽板330を利用して基板W処理に対する追加的な因子を提供することができる。例えば、基板Wの種類に応じてバッフル310と結合される遮蔽板330を異なるようにすることができる。
図7に図示された遮蔽板330を第1遮蔽板、
図8に図示された遮蔽板330を第2遮蔽板、及び
図9に図示された遮蔽板330を第3遮蔽板として定義すれば、第1基板の処理の時には第1遮蔽板をバッフル310に結合することができる。第2基板の処理の時には第2遮蔽板をバッフル310に結合することができる。第3基板の処理の時には第3遮蔽板をバッフル310に結合することができる。第1基板乃至第3基板は基板の種類が互いに異なるか,或いは基板処理に要求される処理条件が互いに異なる基板である。即ち、バッフル310に結合される遮蔽板330の種類を異なりにして、基板W処理に対する処理条件制御因子を変更することができる。
【0082】
上述した実施形態はプラズマを利用して基板を処理する装置に多様に適用されることができる。例えば、上述した実施形態はプラズマを利用してアッシング工程、蒸着工程、蝕刻工程、又はクリーン工程を遂行する多様な装置に同一又は類似に適用されることができる。
【0083】
以上の詳細な説明は本発明を例示することである。また、前述した内容は本発明の望ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析されなければならない。
【符号の説明】
【0084】
200 工程処理部、
400 プラズマ発生部、
410 プラズマチャンバー、
440 拡散チャンバー、
300 バッフルユニット、
310 バッフル、
312 第1ホール、
314 第2ホール、
316 第3ホール、
330 遮蔽板。