【実施例】
【0028】
以下、本発明の鉄道車両における現在位置情報の補正方法を、添付図面を用いて説明する。
【0029】
例えばシステムのバグによって、走行中の鉄道車両が地上子からの距離程情報を受信できなかったとき、その後の地上子から受信する距離程情報がどの地上子から発信されたものであるのかを判断できない。この場合、走行中の鉄道車両は現在位置情報を補正できなくなって、現在位置を見失うことになる。
【0030】
例えば、
図1〜
図3に示すように、駅1を通過した後に地上子2を3つ読み飛ばし、3つ目の地上子を読み飛ばした後に当該読み飛ばしを検知した場合、地上子からの距離程情報を受信して行う現在位置情報の補正を次の停車駅まで非制御とする。
【0031】
その後、本発明では、鉄道車両の現在位置情報を、以下に説明するように補正する。
現在位置情報の前記補正を非制御とした後、最初に認識した地上子2aと、当該地上子2aから連続して認識した適数の地上子2b…が発信する距離程情報を鉄道車両に搭載した情報処理装置に記憶する。以後、最初に認識した地上子を、最初の地上子という。なお、正常時は、地上子から受信する距離程情報は、走行中の現在位置を確認した後にクリアされる。
【0032】
(連続して認識した4つの地上子が発信する距離程情報を使用して最初の比較で現在位置を補正できた場合:
図1)
前記記憶した、最初の地上子2aと、当該地上子2aから連続して認識した2番目〜4番目の地上子2b〜2dが発信した距離程情報を基に、前記情報処理装置は各地上子間の間隔d1〜d3を算出する。
【0033】
そして、当該算出した間隔(以下、算出間隔という)d1〜d3と、当該走行中の走行経路のデータベースにおける各地上子間の間隔を比較する。
【0034】
図1に示した例のように、最初の比較により両間隔が一致する場所を特定できた場合、前記情報処理装置は当該特定した場所を鉄道車両の現在位置と判断して現在位置情報を補正し、地上子2からの距離程情報を受信して行う補正を再開する。
【0035】
(連続して認識した4つの地上子が発信する距離程情報を使用して最初の比較で両間隔が一致する場所を特定できない場合:
図2、
図3)
一方、前記最初の比較により両間隔が一致する場所を特定できない場合は、比較する最初〜4番目の地上子2a〜2dを更新し、更新した地上子間の間隔を算出する。その後、更新した算出間隔を前記データベース上の各地上子間の間隔と比較する作業を、両間隔が一致する場所を特定できるまで行う。
【0036】
(2回目の比較で現在位置を補正できた場合:
図2)
図2で示した例の場合、最初の比較により、両間隔が一致する場所を特定できなかったので、比較する地上子2a〜2dを更新する。
【0037】
更新する地上子として、
図2は、先に比較した最初〜4番目の地上子2a〜2dのうち最初の地上子2aを、最初に比較した4番目の地上子2dに続く5番目の地上子2eに変更した例である。つまり、最初の地上子2aの次の2番目の地上子2bと、当該2番目の地上子2bと連続する3〜5番目の地上子2c〜2eに更新した例である。この場合、更新した算出間隔d2〜d4を前記データベース上の各地上子間の間隔と比較する。
【0038】
図2に示した例は、2回目の比較で前記算出間隔d2〜d4と前記データベース上の各地上子間の間隔が一致する場所を特定できたので、情報処理装置は当該特定した場所を鉄道車両の現在位置と判断して現在位置情報を補正する。そして、この補正と共に、地上子からの距離程情報を受信して行う補正を再開する。
【0039】
(5回目の比較で現在位置を補正できた場合:
図3)
図3で示した例の場合も
図2の例と同様、最初の比較により、両間隔が一致する場所を特定できなかったので、比較する地上子2a〜2dを更新する。
【0040】
図3は、最初の比較後に再度現在位置を見失った例である。この場合、その後最初に認識した地上子2eと、当該最初の地上子2eから連続して認識した2〜5番目の地上子2f〜2hが発信する距離程情報を基に各地上子間の間隔d5〜d7を算出し、当該算出間隔d5〜d7と当該走行経路のデータベースにおける各地上子間の間隔を比較する。
【0041】
図3の例では、再度現在位置を見失った後の最初の比較(2回目の比較)により、両間隔が一致する場所を特定できなかったので、
図2の例と同様、比較した地上子のうち最初の地上子2eを、前記比較した5番目の地上子2iに続く6番目の地上子2jに変更する。そして、当該更新した算出間隔d6〜d8と前記データベース上の各地上子間の間隔を比較する。
【0042】
以上の作業を算出間隔と前記データベース上の各地上子間の間隔が一致する場所を特定できるまで行う。
図3は5回目に更新した、4番目〜7番目の地上子2h〜2kの算出間隔d8〜d10と前記データベース上の各地上子間の間隔の比較により両間隔が一致する場所を特定できた例である。両間隔が一致する場所を特定できた場合、情報処理装置は当該特定した場所を鉄道車両の現在位置と判断して現在位置情報を補正し、地上子からの距離程情報を受信して行う補正を再開する。
【0043】
ちなみに、発明者らは、5つの走行区間で、データベース上の地上子間の距離程の検索範囲を±500mとした場合に、データベース上の隣接する3つの地上子間の間隔が重複する区間があるか否かを調査した。
【0044】
その結果、2区間重複する走行区間が2つ、3区間重複する走行区間と1区間重複する走行区間が各1つあった。また、重複する区間がない走行区間も1つあった。
【0045】
一方、前記と同じ5つの走行区間で、データベース上の地上子間の距離程の検索範囲を±500mとした場合に、データベース上の隣接する4つの地上子間の間隔が重複する区間があるか否かを発明者らが調査した結果、全ての走行区間で重複する区間がなかった。
【0046】
本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0047】
更新する地上子は、
図2、
図3に示した例と異なり、最初に比較した地上子と複数個の地上子を異ならせてもよい。また、全ての地上子を異ならせてもよい。