(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0014】
(1)本発明の一態様に係る給電制御装置は、スイッチをオン又はオフに切替えることによって、前記スイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、前記スイッチを介して流れる電流の電流経路に設けられている抵抗と、前記抵抗の両端間の電圧値に応じた電圧を出力する差動増幅器と、前記差動増幅器に供給する電力の供給経路の中途、及び、前記抵抗の上流側の一端間に接続される第1キャパシタと、前記供給経路の中途、及び、前記抵抗の下流側の一端間に接続される第2キャパシタとを備える。
【0015】
上記の一態様にあっては、差動増幅器に関して、電力が供給される電力供給端子と、第1抵抗の上流側の一端から電圧が入力される第1入力端子との間では、第1キャパシタを介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、電力供給端子又は第1入力端子で外乱ノイズが混入している期間、電力供給端子及び第1入力端子の電圧値は同様に振動し、電力供給端子及び第1入力端子の電圧値の差分値が変動することは殆どない。また、差動増幅器に関して、電力供給端子と、第1抵抗の下流側の一端から電圧が入力される第2入力端子との間では、第2キャパシタを介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、電力供給端子又は第2入力端子で外乱ノイズが混入している期間、電力供給端子及び第2入力端子の電圧値は同様に振動し、電力供給端子及び第2入力端子の電圧値の差分値が変動することは殆どない。
【0016】
以上のことから、外乱ノイズが混入した場合であっても、電力供給端子及び第1入力端子の電圧値の差分値と、電力供給端子及び第2入力端子の電圧値の差分値とは略一定であり、差動増幅器は適切な電圧を出力する。
【0017】
(2)本発明の一態様に係る給電制御装置は、前記抵抗の上流側の一端に第1端が接続され、前記差動増幅器が出力した電圧の電圧値に応じて、前記第1端及び第2端間の抵抗値が変化する可変抵抗器と、前記可変抵抗器の前記第2端に一端が接続される第2の抵抗とを備え、前記可変抵抗器及び前記第2の抵抗間の接続ノードから電圧が出力される。
【0018】
上記の一態様にあっては、可変抵抗器及び第2の抵抗によって分圧された電圧が出力され、この電圧の電圧値は、抵抗を介して流れる電流の電流値を示す。
【0019】
(3)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記可変抵抗器はトランジスタであり、前記第1端及び第2端間の抵抗値は、前記可変抵抗器の制御端に入力される電圧の電圧値に応じて変化し、前記差動増幅器は前記制御端に電圧を出力する。
【0020】
上記の一態様にあっては、可変抵抗器として、トランジスタが用いられるので、簡単な構成で装置が実現される。
【0021】
(4)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記第1キャパシタの前記供給経路側の一端は、前記第2キャパシタの前記供給経路側の一端に接続される。
【0022】
上記の一態様にあっては、第1キャパシタの一端が第2キャパシタの一端に接続されているので、差動増幅器の電力供給端子及び第1入力端子の間において、電圧の交流成分が第2キャパシタを介して移動することはない。更に、差動増幅器の電力供給端子及び第2入力端子の間において、電圧の交流成分が第1キャパシタを介して移動することはない。
【0023】
(5)本発明の一態様に係る給電制御装置は、第3の抵抗と、第4の抵抗とを備え、前記第1キャパシタは、前記第3の抵抗を介して、前記抵抗の上流側の一端に接続され、前記第2キャパシタは、前記第4の抵抗を介して、前記抵抗の下流側の一端に接続される。
【0024】
上記の一態様にあっては、第3の抵抗及び第1キャパシタによってRCフィルタが形成され、第4の抵抗及び第2キャパシタによってRCフィルタが形成される。第1キャパシタ及び第2キャパシタの他端が接地している場合、接地電位を基準とした第1入力端子及び第2入力端子の電圧値は安定する。第1キャパシタ及び第2キャパシタの他端が、接地されていない場合、電力供給端子及び第1入力端子の電圧値の差分値と、電力供給端子及び第2入力端子の電圧値の差分値とは、より安定する。
【0025】
(6)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記第1キャパシタは、前記第2キャパシタを介して前記供給経路の中途に接続される。
【0026】
上記の一態様にあっては、第1キャパシタは第2キャパシタを介して供給経路の中途に接続されるので、電力供給端子及び第1入力端子の間において、電圧の交流成分は、第1キャパシタ及び第2キャパシタを介して双方向に移動する。
【0027】
(7)本発明の一態様に係る給電制御装置では、前記第2キャパシタは、前記第1キャパシタを介して前記供給経路の中途に接続される。
【0028】
上記の一態様にあっては、第2キャパシタは第1キャパシタを介して供給経路の中途に接続されるので、電力供給端子及び第2入力端子の間において、電圧の交流成分は、第1キャパシタ及び第2キャパシタを介して双方向に移動する。
【0029】
(8)本発明の一態様に係る給電制御装置は、第1インダクタと、第2インダクタと、前記抵抗の両端間に接続される第3キャパシタとを備え、前記第1キャパシタは、前記第1インダクタを介して、前記抵抗の上流側の一端に接続され、前記第2キャパシタは、前記第2インダクタを介して、前記抵抗の下流側の一端に接続される。
【0030】
上記の一態様にあっては、第1キャパシタ及び第2キャパシタの一方と、第3キャパシタ、第1インダクタ及び第2インダクタとによって、パイ型のLCフィルタが形成されている。このため、第1入力端子及び第2入力端子の電圧値の差分値は安定する。
【0031】
(9)本発明の一態様に係る給電制御装置は、前記抵抗の両端間に接続される第4キャパシタを備える。
【0032】
上記の一態様にあっては、第1抵抗の両端間において、電圧の交流成分が第4キャパシタを介して移動する。結果、第1入力端子又は第2入力端子で外乱ノイズが混入している期間、第1入力端子及び第2入力端子の電圧値は同様に振動し、第1入力端子及び第2入力端子の電圧値の差分値が変動することは殆どない。このため、外乱ノイズが混入した場合であっても、第1入力端子及び第2入力端子の電圧値の差分値は略一定であり、差動増幅器は、より適切な電圧を出力する。
【0033】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0034】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は、好適に車両に搭載され、バッテリ10、給電制御装置11及び負荷12を備える。バッテリ10の正極は、給電制御装置11に接続されている。給電制御装置11は、更に、負荷12の一端に接続されている。バッテリ10の負極と、負荷12の他端とは接地されている。
【0035】
バッテリ10は、給電制御装置11を介して負荷12に電力を供給する。負荷12は車両に搭載された電気機器である。バッテリ10から負荷12に電力が供給されている場合、負荷12は作動する。バッテリ10から負荷12への給電が停止した場合、負荷12は動作を停止する。
【0036】
給電制御装置11は、バッテリ10から負荷12への給電を制御する。給電制御装置11には、負荷12の作動を指示する作動信号と、負荷12の動作の停止を指示する停止信号とが入力される。給電制御装置11は、作動信号が入力された場合、バッテリ10及び負荷12を電気的に接続する。これにより、バッテリ10から負荷12に電力が供給され、負荷12が作動する。給電制御装置11は、停止信号が入力された場合、バッテリ10及び負荷12の電気的な接続を遮断する。これにより、バッテリ10から負荷12への給電が停止し、負荷12は動作を停止する。
【0037】
給電制御装置11は、スイッチ20、電流検出回路21、駆動回路22、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)23及び導線A1,A2,A3を有する。マイコン23は、出力部30、入力部31,32、A(Analog)/D(Digital)変換部33、記憶部34及び制御部35を有する。スイッチ20は、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である。
【0038】
スイッチ20のドレインは、導線A1を介して、バッテリ10の正極に接続されている。スイッチ20のソースは、導線A2を介して、電流検出回路21に接続されている。電流検出回路21は、更に、負荷12の一端に接続されている。電流検出回路21及び駆動回路22は、導線A3を介してバッテリ10の正極に接続に接続されている。駆動回路22は、更に、スイッチ20のゲートと、マイコン23の出力部30とに接続されている。駆動回路22は、更に、接地されている。電流検出回路21は、更に、マイコン23の入力部31に接続されている。
【0039】
マイコン23内では、入力部31は、更に、A/D変換部33に接続されている。出力部30、入力部32、A/D変換部33、記憶部34及び制御部35は、内部バス36に接続されている。
導線A1,A2,A3夫々は、例えば、回路基板上に形成される導電パターンである。導線A1,A2,A3夫々の等価回路は、
図1に示すように、インダクタL1,L2,L3で表される。導線A1,A2,A3を有することは、インダクタL1,L2,L3を有することに相当する。
【0040】
スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値以上である場合、ドレイン及びソースを介して電流が流れることが可能である。このとき、スイッチ20はオンである。スイッチ20がオンである場合、バッテリ10及び負荷12が電気的に接続され、スイッチ20及び電流検出回路21を介して、バッテリ10から負荷12に電力が供給される。
【0041】
スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値未満である場合、ドレイン及びソースを介して電流は流れることはない。このとき、スイッチ20はオフである。スイッチ20がオフである場合、バッテリ10及び負荷12の電気的な接続が遮断され、バッテリ10から負荷12への給電が停止する。
【0042】
電流検出回路21及び駆動回路22には、バッテリ10から導線A3を介して電力が供給されている。電流検出回路21及び駆動回路22は、バッテリ10から供給された電力によって作動する。
【0043】
出力部30は駆動回路22にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。出力部30は、制御部35の指示に従って、駆動回路22に出力している電圧を、ハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。
【0044】
出力部30が、駆動回路22に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えた場合、駆動回路22は、接地電位を基準としたゲートの電圧値を上昇させる。これにより、スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値以上に上昇し、スイッチ20はオンに切替わる。結果、負荷12に電力が供給され、負荷12は作動する。
【0045】
出力部30が、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えた場合、駆動回路22は、接地電位を基準としたゲートの電圧値を低下させる。これにより、スイッチ20において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が一定電圧値未満に低下し、スイッチ20はオフに切替わる。結果、バッテリ10から負荷12への給電が停止し、負荷12は動作を停止する。
以上のように、給電制御装置11では、駆動回路22は、スイッチ20をオン又はオフに切替えることによって、スイッチ20を介した給電を制御する。
【0046】
電流検出回路21は、スイッチ20を介して負荷12に流れる電流の電流値(以下、スイッチ電流値という)を検出する。電流検出回路21は、検出したスイッチ電流値を示すアナログのスイッチ電圧値を、マイコン23の入力部31に出力する。入力部31は、電流検出回路21からアナログのスイッチ電圧値が入力された場合、入力されたアナログのスイッチ電圧値をA/D変換部33に出力する。A/D変換部33は、アナログのスイッチ電圧値をデジタルのスイッチ電圧値に変換する。制御部35は、A/D変換部33から、デジタルのスイッチ電圧値を取得する。制御部35が取得したスイッチ電圧値が示すスイッチ電流値は、取得時におけるスイッチ電流値と略一致する。
【0047】
入力部32には、作動信号及び停止信号が入力される。入力部32は、作動信号又は停止信号が入力された場合、入力された信号を制御部35に通知する。
【0048】
記憶部34は不揮発性メモリである。記憶部34には、コンピュータプログラムP1が記憶されている。制御部35は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部35が有する一又は複数のCPUは、コンピュータプログラムP1を実行することによって、スイッチ20を介したバッテリ10から負荷12への給電を制御する給電制御処理を実行する。コンピュータプログラムP1は、制御部35が有する一又は複数のCPUに給電制御処理を実行させるために用いられる。
【0049】
なお、コンピュータプログラムP1は、制御部35が有する一又は複数のCPUが読み取り可能に、記憶媒体E1に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E1から読み出されたコンピュータプログラムP1が記憶部34に記憶される。記憶媒体E1は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクは、CD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、又は、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP1をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP1を記憶部34に記憶してもよい。
【0050】
図2は給電制御処理の手順を示すフローチャートである。制御部35は、周期的に給電制御処理を実行する。まず、制御部35は、入力部32に作動信号が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。制御部35は、作動信号が入力されたと判定した場合(S1:YES)、ハイレベル電圧への切替えを出力部30に指示する(ステップS2)。これにより、出力部30は、駆動回路22に出力している電圧をハイレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22はスイッチ20をオンに切替え、バッテリ10から負荷12に電力が供給され、負荷12が作動する。
【0051】
制御部35は、作動信号が入力されていないと判定した場合(S1:NO)、入力部32に停止信号が入力されたか否かを判定する(ステップS3)。制御部35は、停止信号が入力されたと判定した場合(S3:YES)、ローレベル電圧への切替えを出力部30に指示する(ステップS4)。これにより、出力部30は、駆動回路22に出力している電圧をローレベル電圧に切替える。結果、駆動回路22はスイッチ20をオフに切替え、バッテリ10から負荷12への給電が停止し、負荷12が動作を停止する。
【0052】
制御部35は、ステップS2,S4の一方を実行した後、又は、停止信号が入力されていないと判定した場合(S3:NO)、出力部30がハイレベル電圧を出力しているか否かを判定する(ステップS5)。前述したように、出力部30がハイレベル電圧を出力している場合、スイッチ20はオンである。出力部30がローレベル電圧を出力している場合、スイッチ20はオフである。
【0053】
制御部35は、出力部30がハイレベル電圧を出力していると判定した場合(S5:YES)、A/D変換部33からデジタルのスイッチ電圧値を取得し(ステップS6)、取得したスイッチ電圧値が示すスイッチ電流値が電流閾値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。電流閾値は、一定値であり、予め設定されている。
【0054】
制御部35は、スイッチ電流値が電流閾値以上であると判定した場合(S7:YES)、ローレベル電圧への切替えを出力部30に指示する(ステップS8)。これにより、出力部30は、駆動回路22に出力している電圧をローレベル電圧に切替え、駆動回路22はスイッチ20をオフに切替える。
制御部35は、出力部30がハイレベル電圧を出力していないと判定した場合(S5:NO)、スイッチ電流値が電流閾値未満であると判定した場合(S7:NO)、又は、ステップS8を実行した後、給電制御処理を終了する。
【0055】
以上のように、給電制御装置11では、入力部32に作動信号が入力した場合、駆動回路22はスイッチ20をオンに切替え、負荷12を作動させる。また、入力部32に停止信号が入力された場合、駆動回路22はスイッチ20をオフに切替え、負荷12に動作を停止させる。更に、スイッチ電流値が電流閾値以上である場合、スイッチ20をオフに切替え、スイッチ20を介して過電流が流れることを防止する。
【0056】
制御部35は、ステップS8を実行して給電制御処理を終了した場合、所定の条件が満たされるまで、給電制御処理を実行せず、スイッチ20はオフに維持される。所定の条件は、例えば、給電制御処理が終了してから、入力部32に停止信号及び作動信号がこの順に入力されることである。
【0057】
図3は電流検出回路21の回路図である。電流検出回路21は、差動増幅器40、トランジスタ41、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、第3キャパシタC3、バイパスキャパシタC4、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4及び導線A4,A5を有する。差動増幅器40は、所謂オペアンプであり、電力供給端子、GND端子、プラス端子、マイナス端子及び出力端子を有する。トランジスタ41は、Pチャネル型のFETである。
【0058】
第1抵抗R1の一端は、導線A2を介してスイッチ20のソースに接続されている。第1抵抗R1の他端は、負荷12の一端に接続されている。スイッチ20がオンである場合、電流は、バッテリ10の正極から、導線A1、スイッチ20、導線A2、第1抵抗R1及び負荷12の順に流れる。従って、第1抵抗R1は、スイッチ20を介して流れる電流の電流経路に設けられている。第1抵抗R1は、所謂シャント抵抗である。
【0059】
第1抵抗R1の両端間に第3キャパシタC3が接続されている。第1抵抗R1の上流側の一端は、更に、導線A4及び第3抵抗R3を介して差動増幅器40のマイナス端子に接続されている。第1抵抗R1の下流側の一端は、更に、導線A5及び第4抵抗R4を介して、差動増幅器40のプラス端子に接続されている。差動増幅器40の出力端子は、トランジスタ41のゲートに接続されている。第3キャパシタC3は第4キャパシタとしても機能する。
【0060】
差動増幅器40のマイナス端子は、更に、トランジスタ41のソースに接続されている。従って、トランジスタ41のソースは、第3抵抗R3及び導線A4を介して、第1抵抗R1の上流側の一端に接続されている。トランジスタ41のドレインに、第2抵抗R2の一端が接続されている。第2抵抗R2の他端は接地されている。トランジスタ41のドレインと第2抵抗R2の一端との間の接続ノードは、マイコン23の入力部31に接続されている。差動増幅器40のマイナス端子は、更に、第1キャパシタC1の一端に接続されている。差動増幅器40のプラス端子は、更に、第2キャパシタC2の一端に接続されている。従って、第1キャパシタC1の一端は、第3抵抗R3を介して、第1抵抗R1の上流側の一端に接続され、第2キャパシタC2の一端は、第4抵抗R4を介して、第1抵抗R1の下流側の一端に接続されている。第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端も接地されている。
【0061】
差動増幅器40の電力供給端子は、導線A3を介してバッテリ10の正極に接続されている。差動増幅器40のGND端子は接地されている。差動増幅器40の電力供給端子は、更に、バイパスキャパシタC4の一端に接続され、バイパスキャパシタC4の他端は接地されている。
導線A4,A5夫々は、導線A1,A2,A3と同様に、例えば、回路基板上に形成される導電パターンである。導線A4,A5夫々の等価回路は、インダクタL4,L5で表される。従って、第1キャパシタC1の一端は、インダクタL4を介して、第1抵抗R1の上流側の一端に接続され、第2キャパシタC2の一端は、インダクタL5を介して、第1抵抗R1の下流側の一端に接続されている。導線A4,A5を有することは、インダクタL4,L5を有することに相当する。インダクタL4は第1インダクタとして機能し、インダクタL5は第2インダクタとして機能する。
【0062】
バッテリ10は、導線A3を介して、差動増幅器40に電力を供給する。このとき、電流は、差動増幅器40の電力供給端子に入力され、差動増幅器40のGND端子から出力される。従って、バイパスキャパシタC4の一端は、差動増幅器40に供給する電力の供給経路の中途に接続されている。
【0063】
第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は、バイパスキャパシタC4を介して供給経路の中途に接続されている。従って、第1キャパシタC1は、差動増幅器40に供給する電力の供給経路の中途と、第1抵抗R1の上流側の一端との間に接続されている。第2キャパシタC2は、差動増幅器40に供給する電力の供給経路の中途と、第1抵抗R1の下流側の一端との間に接続されている。第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は接地されているので、第1キャパシタC1の供給経路側の一端は、第2キャパシタC2の供給経路側の一端に接続されている。
【0064】
差動増幅器40は、第1抵抗R1の両端間の電圧値に応じた電圧をトランジスタ41のゲートに出力する。差動増幅器40において、マイナス端子の電位を基準としたプラス端子の電圧値は、第1抵抗R1の両端間の電圧値が高い程、低い。第1抵抗R1の両端間の電圧値がゼロVである場合、マイナス端子の電位を基準としたプラス端子の電圧値は、ゼロVであり、最も高い。差動増幅器40がゲートに出力する電圧の電圧値は、マイナス端子の電位を基準としたプラス端子の電圧値が高い程、即ち、第1抵抗R1の両端間の電圧値が高い程、低い。
【0065】
トランジスタ41は可変抵抗器として機能する。トランジスタ41において、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値が低い程、ソース及びドレイン間の抵抗値は低い。ソース電位を基準としたゲートの電圧値が高い程、ソース及びドレイン間の抵抗値は高い。トランジスタ41のソース、ドレイン及びゲート夫々は、第1端、第2端及び制御端として機能する。
【0066】
差動増幅器40がトランジスタ41のゲートに出力した電圧の電圧値が低い程、即ち、第1抵抗R1の両端間の電圧値が高い程、ソース電位を基準としたゲートの電圧値が低く、トランジスタ41のソース及びドレイン間の抵抗値は小さい。
【0067】
第1抵抗R1の両端間の電圧値は、第1抵抗R1を流れる電流の電流値と、第1抵抗R1の抵抗値との積で表される。第3抵抗R3の抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値よりも十分に大きい。このため、スイッチ20を介して流れた電流の略全てが第1抵抗R1を流れる。このため、第1抵抗R1を流れる電流の電流値は、スイッチ20を介して流れる電流の電流値、即ち、スイッチ電流値と略一致する。
【0068】
また、第1抵抗R1の抵抗値は一定である。このため、第1抵抗R1の両端間の電圧値は、スイッチ電流値が大きい程、高い。従って、スイッチ電流値が大きい程、トランジスタ41のソース及びドレイン間の抵抗値は小さい。
【0069】
なお、第4抵抗R4の抵抗値も、第3抵抗R3の抵抗値と同様に、第1抵抗R1の抵抗値よりも十分に大きい。このため、第1抵抗R1を介して流れる電流の略全て、即ち、スイッチ20を介して流れる電流の略全てが負荷12に流れる。
【0070】
スイッチ20がオンである場合、第3抵抗R3及びトランジスタ41の合成抵抗と、第2抵抗R2とは、バッテリ10の出力電圧を分圧する。第3抵抗R3及びトランジスタ41の合成抵抗と、第2抵抗R2とが分圧した電圧は、トランジスタ41及び第2抵抗R2間の接続ノードからマイコン23の入力部31に出力される。入力部31には、第3抵抗R3及びトランジスタ41の合成抵抗と、第2抵抗R2とが分圧した電圧の電圧値が、アナログのスイッチ電圧値として入力される。合成抵抗は、第3抵抗R3の抵抗値と、トランジスタ41のソース及びドレイン間の抵抗値との和で表される。
【0071】
スイッチ電流値が大きい場合、第1抵抗R1の両端間の電圧値が高く、トランジスタ41のソース及びドレイン間の抵抗値が小さい。このため、スイッチ電圧値は高い。スイッチ電流値が小さい場合、第1抵抗R1の両端間の電圧値が低く、トランジスタ41のソース及びドレイン間の抵抗値は大きい。このため、スイッチ電圧値は低い。
【0072】
第1抵抗R1、第2抵抗R2及び第3抵抗R3夫々の抵抗値を、r1、r2及びr3と記載する。第1抵抗R1を流れる電流の電流値をIrと記載する。この場合、スイッチ電圧値Vsは、下記の式で表され、電流値Irを示す。スイッチ電圧値Vsは、接地電位を基準とした電圧値である。
Vs=(Ir・r1・r2)/r3
【0073】
前述したように、スイッチ20を介して流れる電流の略全てが第1抵抗R1に流れる。このため、電流値Irをスイッチ電流値Isに置き換えることができる。従って、下記の式が成り立つ。
Vs=(Is・r1・r2)/r3
抵抗値r1,r2,r3夫々は一定値である。このため、スイッチ電圧値Vsは、スイッチ電流値Isに比例し、スイッチ電流値Isを示す。
【0074】
以下では、接地電位を基準とした差動増幅器40の電力供給端子の電圧値を電源電圧値と記載する。また、接地電位を基準とした差動増幅器40のマイナス端子及びプラス端子夫々の電圧値を第1入力電圧値及び第2入力電圧値と記載する。電源電圧値、第1入力電圧値及び第2入力電圧値夫々をVp、Vi1及びVi2で表す。
【0075】
バイパスキャパシタC4は電源電圧値Vpの変動を抑制する。
【0076】
第1キャパシタC1の作用を説明する。
図4は、第1キャパシタC1が設けられていない場合における電源電圧値Vp、第1入力電圧値Vi1及び差分値の波形図である。
図4に示す差分値は、電源電圧値Vpから第1入力電圧値Vi1を減算することによって算出される値である。横軸は時間を示す。
【0077】
電源システム1では、交流成分が含まれている外乱ノイズが混入する。外乱ノイズは、例えば、携帯電話機が出力する電磁波である。この電磁波は、例えば、2GHz帯の周波数成分を有する。スイッチ20がオンである状態で外乱ノイズが導線A3に混入したと仮定する。この場合、外乱ノイズの一部は、差動増幅器40の電力供給端子に入力される。これにより、差動増幅器40の電力供給端子に入力される電圧に交流成分が含まれ、電源電圧値Vpは
図4に示すように変動する。
【0078】
また、外乱ノイズの他の一部は、導線A1、スイッチ20、導線A2,A4及び第3抵抗R3の順に伝播し、差動増幅器40のマイナス端子に入力する。これにより、差動増幅器40のマイナス端子に入力された電圧に交流成分が含まれ、第1入力電圧値Vi1も
図4に示すように変動する。
【0079】
まず、差動増幅器40の電力供給端子に入力される外乱ノイズと、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズとが伝播する距離が互いに異なる。このため、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1が外乱ノイズによって変動するタイミングが互いに異なる。更に、差動増幅器40の電力供給端子に入力される外乱ノイズが通過する素子のインピーダンスは、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズが通過する素子のインピーダンスと異なる。このため、差動増幅器40の電力供給端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形は、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形と互いに異なる。
【0080】
結果、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1の差分値は、一定に保たれず、外乱ノイズによって
図4に示すように変動する。従って、外乱ノイズが混入した場合、差動増幅器40が出力している電圧の電圧値は、スイッチ電流値Isとは無関係に変動し、スイッチ電圧値Vsも変動する。差動増幅器40は、誤った電圧を出力する。
【0081】
図5は、第1キャパシタC1が設けられている場合における電源電圧値Vp、第1入力電圧値Vi1及び差分値の波形図である。
図5に示す差分値も、電源電圧値Vpから第1入力電圧値Vi1を減算することによって算出される値である。横軸は時間を示す。
【0082】
第1キャパシタC1が設けられている場合、
図4において矢印で示すように、差動増幅器40の電力供給端子及びマイナス端子間で、第1キャパシタC1及びバイパスキャパシタC4を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、
図5に示すように、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1は、電力供給端子又はマイナス端子で外乱ノイズが混入している期間、同様に振動し、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1の差分値が変動することは殆どない。差分値は略一定である。
【0083】
次に、第2キャパシタC2の作用を説明する。第2キャパシタC2は、第1キャパシタC1と同様に作用する。スイッチ20がオンである状態で外乱ノイズが導線A3に混入したと仮定する。この場合、外乱ノイズの一部は、差動増幅器40の電力供給端子に入力される。これにより、差動増幅器40の電力供給端子に入力された電圧に交流成分が含まれ、電源電圧値Vpは変動する。また、外乱ノイズの他の一部は、導線A1、スイッチ20、導線A2、第1抵抗R1、導線A5及び第4抵抗R4の順に伝播し、差動増幅器40のプラス端子に入力する。これにより、差動増幅器40のプラス端子に入力された電圧に交流成分が含まれ、第2入力電圧値Vi2は、第1入力電圧値Vi1と同様に変動する。
【0084】
第2キャパシタC2が設けられていない場合、差動増幅器40の電力供給端子に入力される外乱ノイズと、差動増幅器40のプラス端子に入力される外乱ノイズとが伝播する伝播経路が互いに異なる。このため、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2が外乱ノイズによって変動するタイミングが互いに異なる。更に、差動増幅器40の電力供給端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形は、差動増幅器40のプラス端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形と互いに異なる。結果、外乱ノイズが混入した場合、差動増幅器40が出力している電圧の電圧値は、スイッチ電流値Isとは無関係に変動し、スイッチ電圧値Vsも変動する。差動増幅器40は、誤った電圧を出力する。
【0085】
第2キャパシタC2が設けられている場合、差動増幅器40の電力供給端子及びプラス端子間で、第2キャパシタC2及びバイパスキャパシタC4を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2は、電力供給端子又はプラス端子で外乱ノイズが混入している期間、同様に振動し、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2の差分値が変動することは殆どない。差分値は略一定である。
【0086】
以上のように、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2が設けられている場合においては、たとえ、外乱ノイズが混入したときであっても、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1の差分値と、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2の差分値とは略一定である。このため、差動増幅器40は、第1抵抗R1の両端間の電圧に応じた適切な電圧を出力し、スイッチ電圧値Vsは、第1抵抗R1の両端間の電圧値、即ち、スイッチ電流値Isを正確に示す。
【0087】
次に、第3キャパシタC3の作用を説明する。
図6は、第3キャパシタC3が設けられていない場合における第1入力電圧値Vi1、第2入力電圧値Vi2及び差分値の波形図である。
図6に示す差分値は、第1入力電圧値Vi1から第2入力電圧値Vi2を減算することによって算出される値である。横軸は時間を示す。
【0088】
スイッチ20がオンである状態で外乱ノイズが導線A2に混入したと仮定する。この場合、外乱ノイズの一部は、導線A4及び第3抵抗R3を介して差動増幅器40のマイナス端子に入力される。これにより、差動増幅器40のマイナス端子に入力される電圧に交流成分が含まれ、第1入力電圧値Vi1は変動する。また、外乱ノイズの他の一部は、第1抵抗R1、導線A5及び第4抵抗R4を介して差動増幅器40のマイナス端子に入力される。これにより、差動増幅器40のプラス端子に入力される電圧に交流成分が含まれ、第2入力電圧値Vi2も変動する。
【0089】
まず、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズと、差動増幅器40のプラス端子に入力される外乱ノイズとが伝播する距離が互いに異なる。このため、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2が外乱ノイズによって変動するタイミングが互いに異なる。更に、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズが通過する素子のインピーダンスは、差動増幅器40のプラス端子に入力される外乱ノイズが通過する素子のインピーダンスと異なる。このため、差動増幅器40のマイナス端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形は、差動増幅器40のプラス端子に入力される外乱ノイズが混入した部分における波形と互いに異なる。
【0090】
結果、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2の差分値は、
図6に示すように変動する。従って、外乱ノイズが混入した場合、差動増幅器40が出力している電圧の電圧値は、スイッチ電流値Isとは無関係に変動し、スイッチ電圧値Vsも変動する。差動増幅器40は、誤った電圧を出力する。
【0091】
図7は、第3キャパシタC3が設けられている場合における第1入力電圧値Vi1、第2入力電圧値Vi2及び差分値の波形図である。
図7に示す差分値も、第1入力電圧値Vi1から第2入力電圧値Vi2を減算することによって算出される値である。横軸は時間を示す。
【0092】
第3キャパシタC3が設けられている場合、
図6において矢印で示すように、第1抵抗R1の両端間で、第3キャパシタC3を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、
図7に示すように、マイナス端子又はプラス端子で外乱ノイズが混入している期間、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2は同様に振動し、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2の差分値が変動することは殆どない。差分値は略一定である。
【0093】
従って、第3キャパシタC3が設けられている場合においては、たとえ、外乱ノイズが混入したときであっても、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2の差分値は略一定である。このため、差動増幅器40は、第1抵抗R1の両端間の電圧に応じたより適切な電圧を出力し、スイッチ電圧値Vsは、第1抵抗R1の両端間の電圧値、即ち、スイッチ電流値Isをより正確に示す。
【0094】
給電制御装置11では、可変抵抗器としてトランジスタ41が用いられている。このため、給電制御装置11は、簡単な構成で実現される。
また、第1キャパシタC1の他端が第2キャパシタC2の他端に接続されている。このため、差動増幅器40の電力供給端子及び第1入力端子間において、電圧の交流成分が第2キャパシタC2を介して移動することはない。更に、差動増幅器40の電力供給端子及び第2入力端子間において、電圧の交流成分が第1キャパシタC1を介して移動することはない。
【0095】
更に、第3抵抗R3及び第1キャパシタC1によって、RCフィルタが形成され、第4抵抗R4及び第2キャパシタC2によって、もう1つのRCフィルタが形成されている。また、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は接地されている。このため、接地電位を基準とした第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2夫々は安定する。
【0096】
(実施形態2)
図8は、実施形態2における電流検出回路21の回路図である。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成は実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には、実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0097】
実施形態2を実施形態1と比較した場合、給電制御装置11が有する電流検出回路21の第1キャパシタC1の接続が異なる。実施形態2では、実施形態1と同様に、第1キャパシタC1の一端は、第3抵抗R3及び導線A4を介して、第1抵抗R1の上流側の一端に接続されている。第1キャパシタC1の他端は、第2キャパシタC2の一端に接続されている。実施形態1で述べたように、バイパスキャパシタC4の一端は、差動増幅器40に供給する電力の供給経路の中途に接続されている。第2キャパシタC2及びバイパスキャパシタC4の他端は接地されている。従って、第1キャパシタC1の他端は、第2キャパシタC2及びバイパスキャパシタC4を介して、供給経路の中途に接続されている。
【0098】
以上のように構成された実施形態2における給電制御装置11では、差動増幅器40の電力供給端子及びマイナス端子間で、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2及びバイパスキャパシタC4を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、実施形態1と同様に、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1は、外乱ノイズが混入している期間、同様に振動し、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1の差分値が変動することは殆どない。
【0099】
更に、第1キャパシタC1、第3キャパシタC3及びインダクタL4,L5によって、パイ型のLCフィルタが形成されている。このため、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2の差分値は、より安定する。
【0100】
実施形態2における給電制御装置11は、実施形態1における給電制御装置11が奏する効果の中で、下記の効果を除く他の効果を同様に奏する。除かれる効果は、第1キャパシタC1の供給経路側の一端が第2キャパシタC2の供給経路側の一端に接続していることによって得られる効果、第3抵抗R3及び第1キャパシタC1によって、RCフィルタが形成されることによって得られる効果、並びに、第4抵抗R4及び第2キャパシタC2によって、もう1つのRCフィルタが形成されることによって得られる効果である。
なお、実施形態2において、インダクタL4,L5夫々は、導線A4,A5に含まれるインダクタ成分に限定されず、素子であってもよい。
【0101】
(実施形態3)
図9は、実施形態3における電流検出回路21の回路図である。
以下では、実施形態3について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成は実施形態1と共通している。このため、実施形態1と共通する構成部には、実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0102】
実施形態3を実施形態1と比較した場合、給電制御装置11が有する電流検出回路21の第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の接続が異なる。実施形態3では、実施形態1と同様に、第1キャパシタC1の一端は、第3抵抗R3及び導線A4を介して、第1抵抗R1の上流側の一端に接続され、第2キャパシタC2の一端は、第4抵抗R4及び導線A5を介して、第1抵抗R1の下流側の一端に接続されている。第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は、バイパスキャパシタC4を介さずに、差動増幅器40の電力供給端子に接続されている。第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は接地されていない。
【0103】
実施形態1で述べたように、バッテリ10は、導線A3を介して、差動増幅器40に電力を供給する。このとき、電流は、差動増幅器40の電力供給端子に入力され、差動増幅器40のGND端子から出力される。従って、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は、差動増幅器40に供給される電力の供給経路の中途に接続されている。第1キャパシタC1の供給経路側の一端は、第2キャパシタC2の供給経路側の一端に接続されている。
【0104】
以上のように構成された実施形態3における給電制御装置11では、差動増幅器40の電力供給端子及びマイナス端子間で、第1キャパシタC1を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。また、差動増幅器40の電力供給端子及びプラス端子間で、第2キャパシタC2を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。
【0105】
また、実施形態1と同様に、第3抵抗R3及び第1キャパシタC1によって、RCフィルタが形成され、第4抵抗R4及び第2キャパシタC2によって、もう1つのRCフィルタが形成されている。更に、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の他端は、接地されず、差動増幅器40に供給される電力の供給経路の中途に接続されている。このため、電源電圧値Vp及び第1入力電圧値Vi1の差分値と、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2の差分値とは、より安定する。
【0106】
実施形態3における給電制御装置11は、実施形態1における給電制御装置11が奏する効果の中で、第3抵抗R3及び第1キャパシタC1によって、RCフィルタが形成されることによって得られる効果と、第4抵抗R4及び第2キャパシタC2によって、もう1つのRCフィルタが形成されることによって得られる効果とを除く他の効果を同様に奏する。
【0107】
(実施形態4)
図10は、実施形態4における電流検出回路21の回路図である。
以下では、実施形態4について、実施形態3と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成は実施形態3と共通している。このため、実施形態3と共通する構成部には、実施形態3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0108】
実施形態4を実施形態3と比較した場合、給電制御装置11が有する電流検出回路21の第2キャパシタC2の接続が異なる。実施形態4では、実施形態3と同様に、第2キャパシタC2の一端は、第4抵抗R4及び導線A5を介して、第1抵抗R1の下流側の一端に接続されている。第2キャパシタC2の他端は、第1キャパシタC1の一端に接続されている。実施形態3で述べたように、第1キャパシタC1の他端は、差動増幅器40に供給される電力の供給経路の中途に接続されている。従って、第2キャパシタC2の他端は、第1キャパシタC1を介して給電経路の中途に接続されている。
【0109】
以上のように構成された実施形態4における給電制御装置11では、差動増幅器40の電力供給端子及びプラス端子間で、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を介して、電圧の交流成分が双方向に移動する。結果、実施形態3と同様に、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2は、外乱ノイズが混入している期間、同様に振動し、電源電圧値Vp及び第2入力電圧値Vi2の差分値が変動することは殆どない。
【0110】
更に、第2キャパシタC2、第3キャパシタC3及びインダクタL4,L5によって、パイ型のLCフィルタが形成されている。このため、第1入力電圧値Vi1及び第2入力電圧値Vi2の差分値は、より安定する。
【0111】
実施形態4における給電制御装置11は、実施形態3における給電制御装置11が奏する効果の中で、下記の効果を除く他の効果を同様に奏する。除かれる効果は、第2キャパシタC2の他端が第1キャパシタC1を介さずに供給経路の中途に接続することによって得られる効果、第3抵抗R3及び第1キャパシタC1によって、RCフィルタが形成されることによって得られる効果、並びに、第4抵抗R4及び第2キャパシタC2によって、もう1つのRCフィルタが形成されることによって得られる効果である。
なお、実施形態4において、実施形態2と同様に、インダクタL4,L5夫々は、導線A4,A5に含まれるインダクタ成分に限定されず、素子であってもよい。
【0112】
なお、実施形態1〜4において、トランジスタ41は、Pチャネル型のFETに限定されず、例えば、PNP型のバイポーラトランジスタであってもよい。この場合、PNP型のバイポーラトランジスタのエミッタ、コレクタ及びベース夫々は、Pチャネル型のFETのソース、ドレイン及びゲートに対応する。
【0113】
更に、トランジスタ41は、Nチャネル型のFETであってもよい。この場合、差動増幅器40のプラス端子が第3抵抗R3及び導線A4を介して第1抵抗R1の上流側の一端に接続され、差動増幅器40のマイナス端子が第4抵抗R4及び導線A5を介して第1抵抗R1の下流側の一端に接続される。差動増幅器40が出力する電圧の電圧値は、第1抵抗R1の両端間の電圧値が高い程、高い。トランジスタ41のドレインは、差動増幅器40のプラス端子に接続され、トランジスタ41のソースは第2抵抗R2の一端に接続される。
【0114】
トランジスタ41のドレイン及びソース間の抵抗値は、ソースの電位を基準としたゲートの電圧値、即ち、差動増幅器40が出力している電圧の電圧値が高い程、小さい。トランジスタ41及び第2抵抗R2間の接続ノードからマイコン23の入力部31に電圧が出力される。トランジスタ41のドレイン及びソース間の抵抗値が小さい程、スイッチ電圧値は大きい。このように構成された給電制御装置11も、実施形態1〜4と同様の効果を奏する。
【0115】
また、トランジスタ41は、NPN型のバイポーラトランジスタ又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。NPNのバイポーラトランジスタのコレクタ、エミッタ及びベース夫々は、Nチャネル型のFETのドレイン、ソース及びゲートに対応する。IGBTのコレクタ、エミッタ及びゲート夫々は、Nチャネル型のFETのドレイン、ソース及びゲートに対応する。
【0116】
更に、第3キャパシタC3は、間接的に第1抵抗R1の両端間に接続されてもよい。一例として、第3キャパシタC3の一端が第3抵抗R3及び導線A4を介して第1抵抗R1の一端に接続され、第3キャパシタC3の他端が第4抵抗R4及び導線A5を介して第1抵抗R1の他端に接続されてもよい。他の一例として、第3キャパシタC3の一端が導線A4を介して第1抵抗R1の一端に接続され、第3キャパシタC3の他端が導線A5を介して第1抵抗R1の他端に接続されてもよい。前述した2つの例に関して、実施形態2,4夫々では、パイ型のLCフィルタを形成するために、第3キャパシタC3とは異なるキャパシタを直接的に第1抵抗R1の両端間に接続してもよい。このキャパシタは第4キャパシタとして機能する。
【0117】
更に、実施形態1〜4において、スイッチ20は、Nチャネル型のFETに限定されず、Pチャネル型のFET、バイポーラトランジスタ又はリレー接点等であってもよい。
また、過電流が流れることを防止する構成は、マイコン23を用いたソフトウェアの構成に限定されず、例えば、コンパレータを用いたハードウェアの構成であってもよい。この場合、コンパレータは、電流検出回路21が出力した電圧の電圧値を一定電圧値と比較し、比較結果に応じてハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力する。電流検出回路21が出力した電圧の電圧値が一定電圧値以上であることを、コンパレータの出力電圧が示している場合、駆動回路22はスイッチ20をオフに切替える。
【0118】
開示された実施形態1〜4はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。