(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6981598
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】液体の容器
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
A47G19/22 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2021-554560(P2021-554560)
(86)(22)【出願日】2021年8月10日
(86)【国際出願番号】JP2021029476
【審査請求日】2021年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2021-67107(P2021-67107)
(32)【優先日】2021年4月12日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月1日、https://twitter.com/keltoto/status/1311632795974815745、https://www.instagram.com/p/CFzSRwDDKtl/ にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月4日、https://toal.shop/ にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年3月27日、https://note.com/keltoto/n/n1e3c025e0044 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月16日、バラいろダンディにて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月12日、ANNニュースにて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年2月27日、ミライヤーにて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月6日、FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/−/91859 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月6日、ヤフーニュース https://news.yahoo.co.jp/.../e9c129644a9884963159 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月2日、ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2010/02/news102.html にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月11日、ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2010/02/news102.html にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月2日、ライブドアニュース https://news.livedoor.com/article/detail/18992497/ にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月2日、grape Japan https://grapee.jp/en/153029 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月2日、BIGLOBEニュース https://news.biglobe.ne.jp/trend/1002/ にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月3日、fundo https://fundo.jp/333906 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月11日、AXIS https://www.axismag.jp/posts/2020/11/303083.html にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月6日、KAI−YOU https://kai−you.net/article/78386 にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月18日、TOPYS https://www.topys.cn/article/31171 にて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521032357
【氏名又は名称】辻尾 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】辻尾 一平
【審査官】
大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3147946(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/22
B65D 1/00〜37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を入れるための透明の容器であって、
表面に一色と別の色との2色の印刷が施され、
前記一色の印刷は前記別の色の液体を示す表示であり、
前記別の色の印刷は前記一色の色の液体を示す表示であり、
前記一色と同じ色の液体を前記容器に注ぐと、当該一色の印刷が同化により視認できなくなり、
前記別の色と同じ色の液体を注ぐと、当該別の色の印刷が同化により視認できなくなる一方前記一色は視認できるようになる、
液体の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を入れ、特に飲料を入れる透明容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスコップなど透明の容器に印刷が施されたものが存在する。それらは意匠的に楽しむことを目的とされており、機能的な意味合いはない。
【0003】
また、演出機能のあるグラスも開発されている。 例えば特許文献1では飲料にプロジェクションする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6679076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術においては専用の装置及び電力が必要であり、導入においてのハードルが高いという問題がある。本発明は上記問題を鑑み、印刷のみで視覚的にも楽しめ、機能性を発揮するグラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の液体の容器は、液体を入れるための透明の容器であって、表面に少なくとも2色の印刷が施され、そのうち一色と同じ色の液体を前記容器に注ぐと、当該一色の印刷が同化により視認できなくなり、前記印刷のうち別の色と同じ色の液体を注ぐと、当該別の色の印刷が同化により視認できなくなる一方前記一色は視認できるようになる、液体の容器である。
【0007】
さらに、前記印刷は2色であり、前記一色の印刷は前記別の色の液体を示す表示であり、前記別の色の印刷は前記一色の色の液体を示す表示であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
このような液体の容器によれば、液体の色によって表示が消え、液体を注ぐことに楽しさを与えると同時に、コップ内の液体が何であるかを伝えることができ、誤飲防止にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1のグラスに牛乳を注いだ状態を示す正面図である。
【
図3】
図1のグラスにコーヒーを注いだ状態を示す正面図である。
【
図4】
図1のグラスにコーヒー牛乳を入れた状態を示す正面図である。
【
図5】
図1のグラスを繁体字で表したグラスを示す正面図である。
【
図6】
図5のグラスに牛乳を注いだ状態を示す正面図である。
【
図7】
図5のグラスにコーヒーを注いだ状態を示す正面図である。
【
図8】
図5のグラスにコーヒー牛乳を入れた状態を示す正面図である。
【
図10】さらに別の実施形態のグラスを示す正面図である。
【
図11】
図10のグラスに牛乳を注いだ状態を示す正面図である。
【
図12】
図11のグラスにコーヒーを注いだ状態を示す正面図である。
【
図13】
図12のグラスにコーヒー牛乳を入れた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の液体の容器の実施形態について説明する。
図1は、実施形態のグラスを表す正面図である。
【0011】
グラス1は、透明のガラスのコップである。印刷の影が中の液体に映るのを最小限にするため、壁面の厚みはなるべく薄い方が望ましく、例えば5ミリ以内である。
【0012】
印刷2は、白い塗料による印刷であり、「珈琲」の文字の印刷2がグラスの壁面、高さ中央より少し上に印刷されている。
【0013】
印刷3は、黒い塗料による印刷であり、「牛乳」の文字の印刷3がグラスの壁面、高さ中央より少し下に印刷されている。特にこの場合は中に白い液体が入ることを想定しているから、印刷の影が中の液体に映るのを最小限にするため、文字の太さ、特に垂直方向の幅はなるべく細い方が望ましい。
【0014】
図2は、
図1のグラス1に牛乳Mを注いだ状態を示す正面図である。牛乳は白いため、「珈琲」の文字の印刷2よりも高く牛乳Mを注ぐと、白く印刷された「珈琲」の文字の印刷2が牛乳Mの色と同化して視認できなくなり、消えたように見える。一方、「牛乳」の文字の印刷3は黒いため、コントラストが強調され、牛乳Mを注いだ状態で、よりはっきりと視認できるようになる。
【0015】
このように、グラス1に牛乳を注ぐと「珈琲」の文字が消え、「牛乳」の文字だけが視認できるから、表示が内容物を表していることになり、文字が消えていく過程の視覚効果を含め手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。
【0016】
一方、
図3は、
図1のグラス1にコーヒーCを注いだ状態を示す正面図である。コーヒーは黒いため、「牛乳」の文字の印刷3よりも高くコーヒーCを注ぐと、黒く印刷された「牛乳」の文字の印刷3がコーヒーCの色と同化して視認できなくなり、消えたように見える。一方、「珈琲」の文字の印刷2よりも高くコーヒーCを注ぐと、「珈琲」の文字の印刷2は白いため、コントラストが強調され、コーヒーCを注いだ状態で、よりはっきりと視認できるようになる。
【0017】
このように、グラス1にコーヒーを注ぐと「牛乳」の文字が消え、「珈琲」の文字だけが視認できるから、表示が内容物を表していることになり、文字が消えていく過程の視覚効果を含め手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。
【0018】
図4は、実施形態のグラス1にコーヒー牛乳CMを入れた状態を示す正面図である。
図4において、グラス1にはコーヒー牛乳CMが注がれているが、コーヒー牛乳は薄茶色であるから、印刷2,3のいずれも同化することなく、すなわち「珈琲牛乳」の文字が表示されることになる。
【0019】
このように、グラス1にコーヒー牛乳を注ぐと「珈琲牛乳」の文字が視認できるから、表示が内容物を表していることになり、上述のコーヒー及び牛乳を注いだ時の視覚効果との一連の流れの中で手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。
図5〜8は、
図1〜4のグラスにおいて「珈琲牛乳」の文字を繁体字で表したものである。構成及び効果については
図1〜4のグラスと同様であるから、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0020】
図5は、別の実施形態のグラス11を示す正面図である。このグラス11は把手を有するジョッキ型であるが、構造としては前出のグラス1と同様であり、白い塗料で「珈琲」の文字の印刷2がグラスの壁面、高さ中央より少し上に印刷されているとともに、黒い塗料で「牛乳」の文字の印刷3がグラスの壁面、高さ中央より少し下に印刷されている。
【0021】
このようなグラス11にコーヒー、牛乳、コーヒー牛乳を注ぐと、それぞれ、「珈琲」の文字、「牛乳」の文字、その両方の文字、が視認できるから、表示が内容物を表していることになり、手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。
【0022】
図6は、さらに別の実施形態のグラス12を示す正面図である。このグラス12は前出のグラス1と同様のグラスであるが、印刷が異なり、白い塗料で「COFFEE」の文字と共にコーヒー豆のイラストの印刷22がグラスの壁面、高さ中央に印刷されているとともに、黒い塗料で「MILK」の文字と共に牛乳瓶の輪郭を模したイラストの印刷32がグラスの壁面、高さ中央の印刷22の左隣に印刷されている。
【0023】
このようなグラス12に牛乳M、コーヒーC、コーヒー牛乳CMを注ぐと、それぞれ、
図11に示すように「MILK」の文字と共に牛乳瓶の輪郭を模したイラスト32、
図12に示すように「COFFEE」の文字と共にコーヒー豆のイラスト22、
図13に示すようにその両方の文字とイラスト、が視認できるから、表示が内容物を表していることになり、手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。
【0024】
以上のように、本発明のグラスによれば、色のついた液体を注いだ際に、表示が内容物を表していることになり、手品的な面白さを生むと同時に、何らの外的な力を加えることなく内容物を表示することができる。印刷手法については、シルク印刷、UV印刷、パッド印刷などがあり得る。本発明のグラスは実施形態に限られない。例えば、印刷の位置は容器の中央付近でなく下部でもよい。容器の形状としては、コップ、グラスのほか、ワイングラス、ピッチャーなどがあり得る。素材としては、ガラス、プラスチック、アクリルなど透明であればよい。2色の色文字の組み合わせとしては、牛乳とコーヒーのような白と黒のほか、紅茶とミルクのような茶色と白なども考えられる。なお、上記の実施形態では白と黒の二色の印刷を用いた飲料用のグラスを用いて説明したが、本発明は飲料用に限らず、また3色以上の印刷であってもよい。色がグラデーションになっている印刷とすることもできる。例えば、試験管にグラデーションの色で印刷し、そこに数字が印刷されている場合、中の液体に検査薬を注ぎpHにより色が変化した際に、グラデーションのうち見えなくなった色の上に付された数字が当該液体のpHを示すといった運用ができる。また、ウイスキーなど色のついたアルコールを水で薄める場合に、グラスに複数色で印刷がしてあれば、ウイスキーの濃度をこれで見分けるといった使い方もでき、ノベルティーとしても適したグラスとなる。
【符号の説明】
【0025】
1 グラス
2 白い印刷
3 黒い印刷
M 牛乳
C コーヒー
CM コーヒー牛乳
【要約】
【課題】 印刷のみで視覚的にも楽しめ、機能性を発揮するグラスを提供する。
【解決手段】白い塗料による印刷であり「珈琲」の文字の印刷2と黒い塗料による「牛乳」の文字の印刷3とを有する透明のグラス1を構成する。
【選択図】
図1