(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981632
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】マウス装置及びスクロールホイールモジュール
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20211202BHJP
【FI】
G06F3/0354 442
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-79520(P2020-79520)
(22)【出願日】2020年4月28日
(65)【公開番号】特開2021-68411(P2021-68411A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2020年5月8日
(31)【優先権主張番号】108137870
(32)【優先日】2019年10月21日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517394315
【氏名又は名称】東莞寶トク電子有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】506195295
【氏名又は名称】寶トク科技股フン有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】盧 賀隆
(72)【発明者】
【氏名】林 錦龍
【審査官】
星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2018/0210562(US,A1)
【文献】
特開2010−108513(JP,A)
【文献】
特開2011−108077(JP,A)
【文献】
特開2017−220071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクロールホイールモジュールを備えるマウス装置であって、
前記スクロールホイールモジュールは、長軸と、スクロールホイールと、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含み、
前記スクロールホイール及び前記エンコーダーホイールはそれぞれ前記長軸の両側に配置され、前記エンコーダーホイールは第1のコード溝モジュールと第2のコード溝モジュールとを有し、
前記スイッチユニットは第1のスイッチと第2のスイッチとを有し、前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールに係合するように配置され、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールに係合するように配置され、前記第1のコード溝モジュールは第1の溝数を有する複数の第1のコード溝を含み、前記第2のコード溝モジュールは第2の溝数を有する複数の第2のコード溝を含み、前記第1のコード溝の第1の溝数と前記第2のコード溝の第2の溝数とは異なる、ことを特徴とするマウス装置。
【請求項2】
ホルダーモジュールをさらに含み、前記スクロールホイールモジュールは前記ホルダーモジュールに配置され、前記スクロールホイールモジュール及び前記ホルダーモジュールは前記マウス装置に配置される、請求項1に記載のマウス装置。
【請求項3】
上カバーと下カバーとをさらに有し、
前記上カバーは第1の開口を有し、
前記下カバーは第2の開口を有し、前記第2の開口により前記スイッチユニットにおけるスイッチが収容され、
前記上カバーは前記下カバーの上方に配置し、それによって前記スクロールホイールモジュール及び前記ホルダーモジュールを収容する収容空間を形成する、請求項2に記載のマウス装置。
【請求項4】
プロセッサをさらに含み、前記プロセッサはプリント回路板に配置され、
前記スクロールホイールモジュールはスクロールホイール信号発生器をさらに含み、前記スクロールホイール信号発生器は前記プロセッサに電気的に接続され、
前記長軸は前記スクロールホイール信号発生器に配置され、
前記スクロールホイールが回転した時、前記スクロールホイール信号発生器は前記スクロールホイールが回転する角速度、角度及び回転方向に基づいてスクロールホイール信号を前記プロセッサに送信し、前記プロセッサは前記スクロールホイール信号に基づいて計算機装置にスクロールホイール制御信号を送信する、請求項1に記載のマウス装置。
【請求項5】
前記ホルダーモジュールは第1のホルダーと第2のホルダーとを有し、前記第1のホルダーは前記スクロールホイールの片側に配置され、前記第2のホルダーは前記スクロールホイールと前記エンコーダーホイールとの間に配置される、請求項2に記載のマウス装置。
【請求項6】
前記スイッチユニットは前記エンコーダーホイールの下方に配置される、請求項1に記載のマウス装置。
【請求項7】
前記第1のコード溝及び前記第2のコード溝はそれぞれ半球状に形成される、請求項1に記載のマウス装置。
【請求項8】
マウス装置に配置されるスクロールホイールモジュールであって、
前記スクロールホイールモジュールは、スクロールホイールと、長軸と、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含み、
前記スクロールホイールは前記長軸の一方の側に配置され、
前記エンコーダーホイールは前記長軸の他方の側に配置され、前記エンコーダーホイールと前記スクロールホイールは所定の間隔をおいて配置され、前記エンコーダーホイールは第1のコード溝モジュールと第2のコード溝モジュールとを有し、前記第1のコード溝モジュール及び前記第2のコード溝モジュールは近接して配置され、前記第1のコード溝モジュールは複数の第1のコード溝を含み、前記第2のコード溝モジュールは複数の第2のコード溝を含み、前記第1のコード溝の溝数と前記第2のコード溝の溝数とは異なり、
前記スイッチユニットは第1のスイッチと第2のスイッチとを有し、前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールにおける複数の第1のコード溝に係合するように配置され、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールにおける複数の第2のコード溝に係合するように配置される、ことを特徴とするスクロールホイールモジュール。
【請求項9】
スクロールホイールモジュールと、ホルダーモジュールとを備えるマウス装置であって、
前記スクロールホイールモジュールは、長軸と、スクロールホイールと、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含み、前記エンコーダーホイールは少なくとも2つのコード溝モジュールを有し、前記少なくとも2つのコード溝モジュールは近接して配置され、前記エンコーダーホイールと前記スクロールホイールは所定の間隔をおいて前記長軸の両側に配置され、
前記スイッチユニットは少なくとも第1のスイッチ及び第2のスイッチを含み、
前記スクロールホイールモジュールは前記ホルダーモジュールに配置され、前記スクロールホイールモジュール及び前記ホルダーモジュールは前記マウス装置に配置され、
前記スイッチユニットが異なる状態に切り替えられると、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのうちの一方は、対応する前記コード溝モジュールに係合するように配置され、前記マウス装置は前記スクロールホイールモジュールの設定により、少なくとも2種類のスクロールホイール制御信号を提供する、ことを特徴とするマウス装置。
【請求項10】
前記スイッチユニットは、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態に切り替えられ、
前記少なくとも2つのコード溝モジュールは、第1のコード溝モジュールと第2のコード溝モジュールとを含み、前記第1のコード溝モジュールは、第1の溝数を有する複数の第1のコード溝を含み、前記第2のコード溝モジュールは、第2の溝数を有する複数の第2のコード溝を含み、
前記スイッチユニットが前記第1の状態にある時、前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールに係合し、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールに係合せず、前記マウス装置は第1の段数のスクロールホイール制御信号を計算機装置に送信し、前記第1の段数と前記第1の溝数とは同じであり、
前記スイッチユニットが前記第2の状態にある時、前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールに係合せず、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールに係合し、前記マウス装置は第2の段数のスクロールホイール制御信号を前記計算機装置に送信し、前記第2の段数と前記第2の溝数とは同じであり、
前記スイッチユニットが前記第3の状態にある時、前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールに係合せず、前記第2のスイッチも前記第2のコード溝モジュールに係合せず、前記マウス装置は第3の段数のスクロールホイール制御信号を前記計算機装置に送信する、請求項9に記載のマウス装置。
【請求項11】
前記第3の段数は段数なしとなる、請求項10に記載のマウス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウス装置及びスクロールホイールモジュールに関し、特に、多種類の段数を有するマウス装置及びスクロールホイールモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
既存のマウスにおいては、スクロールホイールの段数の切替えはスクロールホイールを押し下げることで行うが、マウスの構造が複雑となりコストがかかる。
【0003】
そのため、構造が簡単で低コストなスクロールホイールの段数切替え機能を具備するマウス装置を提供することは、業界において重要な課題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の不足を補うため、マウス装置及びスクロールホイールモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が提供するマウス装置は、スクロールホイールモジュールを備えるマウス装置である。前記スクロールホイールモジュールは長軸と、スクロールホイールと、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含む。前記スクロールホイール及び前記エンコーダーホイールはそれぞれ、前記長軸の両側に配置され、前記エンコーダーホイールは第1のコード溝モジュールと第2のコード溝モジュールとを有する。前記スイッチユニットは第1のスイッチと第2のスイッチとを有する。前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールに係合するように配置され、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールに係合するように配置される。前記第1のコード溝モジュールは、第1の溝数を有する複数の第1のコード溝を含み、前記第2のコード溝モジュールは、第2の溝数を有する複数の第2のコード溝を含む。前記第1のコード溝の第1の溝数と前記第2のコード溝の第2の溝数とは異なる。
【0006】
また、本発明が提供するスクロールホイールモジュールは、マウス装置に配置されるスクロールホイールモジュールである。前記スクロールホイールモジュールはスクロールホイールと、長軸と、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含む。前記長軸は前記スクロールホイールの中央部分に配置される。前記スクロールホイールは前記長軸の一方の側に配置される。前記エンコーダーホイールは前記長軸の他方の側に配置される。前記エンコーダーホイールと前記スクロールホイールは所定の間隔をおいて配置される。前記エンコーダーホイールは第1のコード溝モジュールと第2のコード溝モジュールとを有する。前記第1のコード溝モジュール及び前記第2のコード溝モジュールは近接して配置される。前記第1のコード溝モジュールは複数の第1のコード溝を含み、前記第2のコード溝モジュールは複数の第2のコード溝を含む。前記第1のコード溝の溝数と前記第2のコード溝の溝数とは異なる。前記スイッチユニットは第1のスイッチと第2のスイッチとを有する。前記第1のスイッチは前記第1のコード溝モジュールにおける複数の第1のコード溝に係合するように配置され、前記第2のスイッチは前記第2のコード溝モジュールにおける複数の第2のコード溝に係合するように配置される。
【0007】
本発明はさらにマウス装置を提供する。前記マウス装置はスクロールホイールモジュールと、ホルダーモジュールとを含むマウス装置である。前記スクロールホイールモジュールは長軸と、スクロールホイールと、エンコーダーホイールと、スイッチユニットとを含み、前記エンコーダーホイールは少なくとも2つのコード溝モジュールを有する。前記少なくとも2つのコード溝モジュールは近接して配置される。前記エンコーダーホイールと前記スクロールホイールは所定の間隔をおいて前記長軸の両側に配置される。前記スイッチユニットは少なくとも2つのスイッチを含む。前記スクロールホイールモジュールは前記ホルダーモジュールに配置される。前記スクロールホイールモジュール及び前記ホルダーモジュールは前記マウス装置に配置される。前記スイッチユニットが異なる状態に切り替えられると、前記少なくとも2つのスイッチにおける一つのスイッチは、対応する前記コード溝モジュールに係合するように配置され、前記マウス装置は前記スクロールホイールモジュールの設定により、少なくとも2種類のスクロールホイール制御信号を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による有益な効果の一つは、本発明のスクロールホイールモジュールはエンコーダーホイールによって、多種類の段数のスクロールホイール信号を提供する。構造及び組立ては共に簡単であるため、効果的にコストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態にかかるマウス装置を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュール、下カバー及びプリント回路板を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュール、下カバー及びプリント回路板を示す上面図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュール及び下カバーを示す分解図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかるスイッチモジュールを示す模式図である。
【
図6】
図3の断面線VI−VIに沿った本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュールを示す断面図である。
【
図7】
図3の断面線VII−VIIに沿った本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。
【0011】
下記より、具体的な実施形態で本発明が開示する「マウス装置及びスクロールホイールモジュール」を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神を逸脱しない限りにおいて、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。なお、本明細書において「第1」、「第2」、「第3」等の用語で各種の部品又は信号を説明する可能性があるが、これらの部品又は信号はこれらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は、主として一つの部品と別の部品、又は一つの信号と別の信号を区分するためのものであることを理解されたい。また、本明細書に用いられる「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0012】
[第1の実施形態]
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6及び
図7を参照されたい。
図1は本発明の実施形態によるマウス装置を示す模式図である。
図2は本発明のスクロールホイールモジュール、下カバー及びプリント回路板を示す模式図である。
図3は本発明のスクロールホイールモジュール、下カバー及びプリント回路板を示す上面図である。
図4は本発明のスクロールホイールモジュール及び下カバーを示す分解図である。
図5は本発明のスイッチモジュールを示す模式図である。
図6は
図3の断面線VI−VIに沿った本発明のスクロールホイールモジュールを示す断面図である。
図7は
図3の断面線VII−VIIに沿った本発明のスクロールホイールモジュールを示す断面図である。
【0013】
マウス装置1は上カバー11及び下カバー10を含む。上カバー11は下カバー10の上方に配置され、それによって他の構成要素を収容する収容空間を形成する。マウス装置1はさらにプロセッサ19とプリント回路板12とを含む。プロセッサ19はプリント回路板12に配置される。プリント回路板12は下カバー10に配置される。
【0014】
マウス装置1はさらにスクロールホイールモジュール13及びホルダーモジュール14を含む。スクロールホイールモジュール13はスクロールホイール130と、長軸131と、エンコーダーホイール132と、スイッチユニット133とを有する。
【0015】
スクロールホイール130及びエンコーダーホイール132はそれぞれ、長軸131の両側に配置される。すなわち、スクロールホイール130は長軸131を収容する孔(未図示)を有し、長軸131の一方の側に配置される。エンコーダーホイール132も長軸131を収容する孔1323を有し、スクロールホイール130に相対して長軸131の他方の側に配置される。
【0016】
エンコーダーホイール132は第1のコード溝モジュール1321及び第2のコード溝モジュール1322を有する。
【0017】
図5に示すように、スイッチユニット133は第1のスイッチ1333及び第2のスイッチ1334を含む。第1のスイッチ1333は第1のコード溝モジュール1321に係合するように配置される。第2のスイッチ1334は第2のコード溝モジュール1322に係合するように配置される。第1のコード溝モジュール1321は第1の溝数を有する複数の第1のコード溝(未図示)を含む。第2のコード溝モジュール1322は第2の溝数を有する複数の第2のコード溝(未図示)を含む。第1の溝数と第2の溝数とは異なる。本実施形態において、第1のコード溝モジュール1321は12の第1のコード溝(未図示)を有する。第2のコード溝モジュール1322は24の第2のコード溝(未図示)を有する。他の実施形態において、第1の溝数及び第2の溝数は需要により設計変更ができ、これに制限されない。第1のコード溝モジュール1321及び第2のコード溝モジュール1322は近接して配置される。
【0018】
第1のスイッチ1333及び第2のスイッチ1334はそれぞれ、突出した部材である。エンコーダーホイール132がスクロールホイールと連動して回転する時、第1のスイッチ1333及び第2のスイッチ1334はそれぞれ、第1のコード溝モジュール1321の第1のコード溝(未図示)及び第2のコード溝モジュール1322の第2のコード溝(未図示)に係合する。本実施形態において、スイッチユニット133はエンコーダーホイール132の下方に配置される。また、スイッチユニット133はさらに、ハウジング1331及びスイッチ1332を有する。ハウジング1331は第1のスイッチ1333及び第2のスイッチ1334を収容する。
【0019】
スイッチ1332はハウジング1331の下方に配置される。スイッチ1332の異なる位置の切替えにより、第1のスイッチ1333または第2のスイッチ1334のどちらをハウジング1331から突出させ、第1のコード溝モジュール1321または第2のコード溝モジュール1322に係合させるかを決めることができる。第1のコード溝(未図示)及び第2のコード溝(未図示)はそれぞれ半球状に形成される。
【0020】
本実施形態において、スクロールホイールモジュール13はホルダーモジュール14に配置される。スクロールホイールモジュール13及びホルダーモジュール14はマウス装置1に配置される。
【0021】
図2に示すように、ホルダーモジュール14は第1のホルダー141及び第2のホルダー142を含む。第1のホルダー141はスクロールホイール130の片側に配置される。第2のホルダー142はスクロールホイール130とエンコーダーホイール132との間に配置される。すなわち、長軸131は第1のホルダー141及び第2のホルダー142に配置される。これにより、スクロールホイール130及びエンコーダーホイール132が回転する空間を確保する。
【0022】
図6及び
図7に示すように、スイッチユニット133は第1の状態及び第2の状態を含む。すなわち、スイッチ1332は
図6における第1の位置及び
図7における第2の位置に切り替えられる。
【0023】
スイッチユニット133が第1の状態にある時、前記第1のスイッチ1333は第1のコード溝モジュール1321に係合し、第2のスイッチ1334は第2のコード溝モジュール1322に係合しない。マウス装置1は第1の段数のスクロールホイール制御信号を計算機装置(未図示)に提供する。スクロールホイール制御信号における第1の段数は第1の溝数に等しい。すなわち、スクロールホイール130は回転する時、エンコーダーホイール132の第1のコード溝モジュール1321と第1のスイッチ1333との係合による影響を受ける。
【0024】
スイッチユニット133が第2の状態にある時、第1のスイッチ1333は第1のコード溝モジュール1321に係合せず、第2のスイッチ1334は第2のコード溝モジュール1322に係合する。マウス装置1は第2の段数のスクロールホイール制御信号を計算機装置(未図示)に提供する。スクロールホイール制御信号における第2の段数は第2の溝数に等しい。すなわち、スクロールホイール130が回転する時、エンコーダーホイール132の第2のコード溝モジュール1322と第2のスイッチ1334との係合による影響を受ける。
【0025】
他の実施形態において、スイッチユニット133はさらに、第3の状態を含むことができる。すなわち、スイッチユニット133が第3の状態にある時、第1のスイッチ1333は第1のコード溝モジュール1321に係合せず、第2のスイッチ1334も第2のコード溝モジュール1322に係合しない。マウス装置1は第3の段数のスクロールホイール制御信号を計算機装置(未図示)に提供する。この場合、第3の段数は段数なしとなる。すなわち、スクロールホイール130が回転する時、制限を受けない。エンコーダーホイール132はさらに、2種類以上のコード溝モジュールを含むことができ、例えば3種類または4種類のコード溝モジュールを含むことができる。本発明は特に制限しない。
【0026】
すなわち、本実施形態において、スイッチユニット133は異なる状態に切り替えられるように配置される。スイッチユニット133における2つのスイッチはそれぞれ、エンコーダーホイール132における2つのコード溝モジュールに係合する。マウス装置1はスクロールホイールモジュール13の設定により、少なくとも2種類の段数のスクロールホイール制御信号を提供することができる。
【0027】
また、前記上カバー11は第1の開口を有し、第1の開口によりスクロールホイール130が収容される。
【0028】
前記下カバー10は第2の開口101を有し、第2の開口によりスイッチユニットのスイッチが収容される。
【0029】
スクロールホイールモジュール13はさらに、プロセッサ19に電気的に接続されるスクロールホイール信号発生器134を含み、長軸131はスクロールホイール信号発生器134に配置される。スクロールホイール130が回転した時、スクロールホイール信号発生器134はスクロールホイール130が回転する角速度と、角度と、回転方向とに基づいてスクロールホイール信号をプロセッサ19に送信する。プロセッサ19はスクロールホイール信号に基づいて、スクロールホイール制御信号を計算機装置(未図示)に送信する。
【0030】
[実施形態による有益な効果]
本発明の実施形態による有益な効果の一つとして、本発明の実施形態にかかるスクロールホイールモジュールはエンコーダーホイールによって、多種類の段数のスクロールホイール信号を提供できる。構造及び組立ては共に簡単であるため、効果的にコストを下げることができる。
【0031】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0032】
1:マウス装置
10:下カバー
11:上カバー
12:プリント回路板
13:スクロールホイールモジュール
14:ホルダーモジュール
19:プロセッサ
101:第2の開口
130:スクロールホイール
131:長軸
132:エンコーダーホイール
133:スイッチユニット
134:スクロールホイール信号発生器
141:第1のホルダー
142:第2のホルダー
1321:第1のコード溝モジュール
1322:第2のコード溝モジュール
1323:孔
1331:ハウジング
1332:スイッチ
1333:第1のスイッチ
1334:第2のスイッチ
VI−VI:断面線
VII−VII:断面線