(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981665
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】インテリジェントグラフェンナノ材料を製造する方法ならびに超軽量機械および車両のための使用
(51)【国際特許分類】
B29C 64/314 20170101AFI20211202BHJP
D01F 9/14 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
B29C64/314
D01F9/14
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-553444(P2018-553444)
(86)(22)【出願日】2017年4月12日
(65)【公表番号】特表2019-513914(P2019-513914A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】US2017027228
(87)【国際公開番号】WO2017180757
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2020年4月13日
(31)【優先権主張番号】62/321,572
(32)【優先日】2016年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518300227
【氏名又は名称】グリーン ナノテク ラブズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ティンギン
(72)【発明者】
【氏名】キ,ケヴィン
【審査官】
斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第2687626(EP,A1)
【文献】
特表2015−524883(JP,A)
【文献】
特表2013−527332(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/175880(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/200780(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/147623(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第2889399(EP,A1)
【文献】
国際公開第2015/163820(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/120429(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0043384(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第2014−0036385(KR,A)
【文献】
国際公開第2011/074437(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0037530(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0066201(US,A1)
【文献】
特表2004−532937(JP,A)
【文献】
特表2016−534248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 − 64/40
B33Y 10/00 − 99/00
C01B 32/00 − 32/39
D01F 9/08 − 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフェン粉末、グラフェンフレーク、酸化グラフェン粉末、および酸化グラフェンフレークの少なくともいずれかのある量を溶媒溶液中に界面活性剤と共に分散させる工程;
ナノセルロース繊維およびポリマーの少なくともいずれかの少量を前記溶媒中に添加する工程;ならびに
前記混合物をほぼ均一粘度の溶液を得るために撹拌する工程;前記溶液からある量の炭素繊維を形成する工程を含み、
前記溶液から前記炭素繊維を形成する前記工程が3D印刷機を使用して実施される、グラフェンベースの炭素繊維を製造する方法。
【請求項2】
前記3D印刷機はコンピュータ化されており、および前記溶液を基板上のノズルを通過させるように構成されており;ならびに前記ナノセルロース繊維および前記ポリマーの少なくともいずれかを20℃〜400℃で硬化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、水、アルコール、アセトン、ケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、エチレングリコール(EG)、DMSO、およびこれらの共溶媒のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマーが、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスチレン、アスファルトの一部、エポキシ、ポリカーボネート、および任意の種類のセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、およびポリエチレングリコール、ナイロン、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリルアミド、ならびにポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマーが、ポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)樹脂、およびエポキシシロキサン樹脂のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
添加剤を添加する工程をさらに含み、前記添加剤が、ナノ粒子または金属ナノワイヤまたはスチールナノ粉末、および金属酸化物のうちの少なくとも1つであり、例として、限定されないが、カーボンナノチューブ、Mg、Al、鋼合金粉末、ZrO2、Fe3O4、もしくはMoS2、WS2、MgO、A12O3、およびこれらの組み合わせを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
溶媒に発泡剤を添加する工程をさらに含み、前記発泡剤が、コロホニー、ヘリウム、炭酸アンモニウム、二酸化炭素、テトラメチルアンモニウムアセテート、水素、窒素、重炭酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、過酸化物、硝酸アンモニウム、および塩基性炭酸第二銅のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記炭素繊維をシート状に形成する工程をさらに含み、ここで前記シートは細孔を含み、孔径は1nm〜8μmの範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ある量の形成された炭素繊維を200℃〜2000℃の温度で4時間フローガス環境中でアニールする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ある量の形成された炭素繊維を車両に使用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ある量の3D印刷された炭素繊維複合体を車両に使用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記炭素繊維シートを車両に使用する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ノズルを通過させられる前記溶液が、グラフェンベースの複合体フィラメントを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記グラフェンベースの炭素繊維が、車両の部品に使用されるグラフェンベースの炭素繊維である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記車両が、道路上、空中、および海上の少なくとも1つで走行する車両である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記グラフェンベースの炭素繊維が、パイプに使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記パイプが、液体輸送用の耐腐食性パイプである、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、グラフェンベースの炭素繊維およびインテリジェントグラフェン複合体を用いた道路上、空中、および海上で走行する従来の車両部品の代替部品、ならびにこれらの車両および機械の部品および物品のための成形およびスマート付加製造3D印刷を含む、部品の作成方法へのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
道路上の最新の車両、特に大型のトレーラー、列車、およびトラックを走らせることは、通常、大量の化石燃料を燃やすことを伴い、大量の汚染を大気に放出する。これは、多くの国でPM2.5、PM10などの大気汚染問題を引き起こす。環境およびエネルギー研究機関(EESI)の2015年8月26日に公表された報告書によれば、「人と物資の移動による米国の温室効果ガス(GHG)排出量は約1.8兆トン(27%)であり、全米のオイル使用の約70%(バイオ燃料を除いて、1日当たり約1,310万バレルの石油)である。ガソリンとディーゼルの燃焼がそれぞれ輸送部門の排出量の59%と24%を占めているため、自動車やトラックの排出量を大幅に削減することは気候変動緩和の取り組みにとって不可欠である。(参照:http://www.eesi.org/papers/view/fact−sheet−vehicle−effiency−and−emissions−standards、4/7/2016、東部時間午後3時16分)。現在、車両の燃費はわずか40%程度に抑えられている。高度な設計では、効率を80%に高めることが可能である。炭素繊維と軽量金属を使用した軽量材料によるエアロダイナミクスと軽量化により、耐久性と強度を維持しながら、製造業者は車両重量を減らしエンジン効率を向上させることができる。その一方で、より薄くて小さな車輪と転がり抵抗が低いタイヤは、路面摩擦や空気抵抗を減らし、燃費を向上させる。
【0003】
一方、自動車、航空機、ボート、海上の船舶、および開発中のインテリジェントロボットヒューマンマシン、同様にコンピュータやスポーツ部品などの分野では、機械的強度を維持しながら重量を減らすことに大きな要望がある。製造業者は、トレーラー、およびトラック、車、ならびに上記の機械用の重鋼プレート/ボードを代替するために炭素繊維を使用し始めている。炭素繊維で強化された部品は、軽量で、強く、耐荷重性の構造部品である。自動車メーカーが2025年までに54.5mpg以上の企業平均燃費基準を達成しようとする中、自動車からの重量削減は重要である。従来のトレーラーのいくつかの部品を置き換えるために炭素繊維を使用することにより、重量を車両の40%まで減らせることが証明されている。しかしながら、現在商業化されている炭素繊維は、石油製品から石油精製製造プロセスを経て合成されるため、通常、製造コストが非常に高いポリアクリロニトリル(PAN)のような炭素リッチなポリマーから製造される(米国特許第8808597号、2014)。そのため、炭素繊維車両は初期のマーケティングコンセプトにのみ存在している。従来の炭素繊維製造方法のファクターである重大な汚染、高いエネルギー需要、および時間消費の問題を克服するために、PANまたはPAN製造炭素繊維の代替品を見つけることが不可欠である。
【0004】
本発明は、グラフェンベースの炭素繊維およびグラフェン複合体を使用して、従来のPAN製造炭素繊維と組み合わせるかまたは代替する革新的な技術を提供し、製造コストを劇的に減少させることができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、グラフェンベースの炭素繊維およびグラフェンベースの三次元ナノ構造複合体を使用して、車両および機械部品を柔軟に形成する。これらは主に天然グラファイトから得られる。特定の機能および特性を達成するために、ナノ材料の利用、例えば金属酸化物のナノ粉末または金属ナノワイヤおよびナノセルロースなどをグラフェンと共に使用して複合体繊維または複合体混合物を形成する。繊維を製造したら、これらは適切な樹脂で成形するか、または3D付加製造印刷で直接一体化することによって、所望の機械部品を形成するために使用することができる。グラフェン炭素繊維は、特別なガスおよび不活性または還元環境中での適切なアニーリングによって処理することができ、その結果、プロセス全体にわたって大幅に低コストで高品質のインテリジェント繊維複合体が得られる。この容易な方法は、大量の軽量金属複合体、および特有の用途のために結合された適切な金属酸化物ナノ相を有する機能性ナノ繊維の幅広い形成を革新する。これにより、炭素繊維のコストが減少し、最終製品の特性が良好に強化される。また、本発明は、耐腐食性プラットフォームの生成および強化のための、同様に電気自動車および機械用の強化された高機械特性ボディ部品のための、大量の新規なグラフェン複合体を製造する。本発明は、省エネルギー、より環境に優しい化学プロセス製造、およびより低コストの電気車両、航空機部品、同様に海上の船舶を提供する機会を示す。
【0006】
本発明は、グラフェン炭素繊維およびナノ複合体材料ならびにこれらの組み合わせを使用して、高品質のグラフェンベースの成形部品を形成するための1つの工程を使用することによって作用する。
【0007】
本発明の目的は、グラフェンインテリジェント炭素繊維、または多孔質三次元グラフェンベースのナノ複合体シート、もしくはグラフェンナノ複合体懸濁液を成形およびグリーンケミカル3D付加製造印刷プロセスに使用することによって、グラフェンベースの部品を製造する方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、インテリジェントロボットヒューマン、トラック、トレーラー、列車、バス、トラム、バン、車、航空機、コンピュータケースおよびマザーボード、同様にボートおよび海上の船舶、ならびに薬品および石油精製パイプを含む液体輸送用の耐腐食性パイプのための、新しい分野の用途のためのグラフェンベースのナノ炭素複合体の設計された部品を大量に提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、現行の方法と同じくらい多くの廃棄物および汚染を環境に放出することなく、低温での自動車部品の製造を可能にすることである。
【0010】
本発明の別の目的は、設計された部品を製造するのに要求される製造時間を大幅に短縮することである。
【0011】
本発明の更なる目的は、付加製造3D印刷により、車両用機械部品および物品の製造のための設備要件を減少することである。
【0012】
本発明の別の目的は、他の元素または組成物を添加して生成することができるグラフェンベースの部品または物品を製造することであり、熱伝導率、電気伝導率、耐腐食性などの広範囲にわたる特有および強化された機能的特性ならびにエレクトロニクス、エネルギー効率、環境影響の低減、および製品寿命の向上に使用されることが可能であろう他の多くの特性を有する製品の生成に使用できる。
【0013】
本発明の更なる目的は、炭素繊維を生成するためのオイルおよび石油への依存を低減することである。
【0014】
実用的な方法が、本明細書の発明を実施するための形態にて添付の図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による綿菓子機を介した紡糸によるグラフェンベースの炭素繊維およびそのシートの製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】グラフェン炭素繊維をベースとした車両部品ならびにロボット工学および船舶用物品の成形を介した製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明による市販の付加製造用3D印刷機によるグラフェンナノ複合体部品または物品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図4】多孔質グラフェンナノ複合体シートまたはプレートの製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】多孔質グラフェンシートを用いたグラフェンベースのナノ複合体部品または物品の成型を介した製造方法を示すフローチャートである。
【
図6】機械部品に使用するためのグラフェン繊維の図を提供する。
【
図7】グラフェンゲルおよび硬化したグラフェン機械部品の図を提供する。
【
図8】グラフェンベースのワゴンおよびトロリーモデルの例(従来のスチールワゴンの車体重量の80%を減少)、およびグラフェンフィラメントによる印刷(C%=原子百分率で82%)を提供する。
【
図9】車両の重量を軽くするインテリジェント機械部品または物品を形成するための形状に切断することができるグラフェン−プラスチック発泡体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述の目的は、グラフェンベースの炭素繊維、グラフェンベースの多孔質ナノ複合体プレート、またはグラフェンベースのナノ複合体懸濁液を、コンピュータソフトウェアによってそれぞれ制御される付加製造3D印刷技術による溶液印刷のために使用することによって、本発明により達成される。以下のセクションでは、機械および車両にグラフェンを応用するための革新的な技術を実証する3つのアプローチを示す。
【0017】
アプローチI
グラフェンベースの炭素繊維を出発材料として使用すること
【0018】
グラフェンフレーク粉末または酸化グラフェン粉末は、本プロセスを開始するためのグラフェン材料として使用される。グラフェン粉末を界面活性剤の助剤と共に溶媒に分散させ、少量のナノセルロース繊維、ポリマー、または樹脂、それに加えて添加剤を攪拌しながら溶液に添加して、紡糸のための均一な粘度の混合物を得た。
【0019】
上記および本明細書の他の箇所のように本発明で使用することができる溶媒の例としては、これらに限定されないが、水、アルコール、アセトン、ケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、エチレングリコール(EG)、DMSO、およびこれらの共溶媒が挙げられ、グリーンケミカル製造のためには水およびアルコールが好ましい。
【0020】
上記および本明細書の他の箇所で使用することができるがこれらに限定されないポリマーの例として、高炭素含有ポリマーが添加剤であることが好ましいが、これに限定されない。ポリマーは、例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスチレン、アスファルトの一部、エポキシ、ポリカーボネート、および任意の種類のセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、およびポリエチレングリコール、ナイロン、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリルアミド、ならびにポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などであってよい。
【0021】
上記および本明細書の他の箇所で使用することができる樹脂の例として、ポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)樹脂、およびエポキシシロキサン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
グラフェンベースの炭素繊維は、綿菓子機のような溶液紡糸機による溶液紡糸を使用して作成することができる。次いで、綿菓子製造グラフェン炭素繊維を、まずプログラミング制御によって200〜2000℃、好ましくは1800℃の温度で約4時間、アニーリングのための還元/機能ガスフロー環境で処理する。フローガスは、メタン、ベンゼン、アルカン、および水素、アンモニアなどであってもよいが、これらに限定されない。このプロセスは、炭素繊維の機械的特性および官能基の表面処理を強化して、界面化学官能基形成を強化するためのものである。ある場合には、これらのグラフェンベースの炭素繊維上に不動態層を形成することができる官能基を有するポリマーが表面処理に用いられる。
【0023】
グラフェン繊維シートは、処理された綿菓子グラフェン繊維を真空下に置くことによって得ることができる。グラフェン炭素繊維シートはまた、2017年2月24日に出願された非暫定的な米国特許出願第15/441,972号における本発明者らの先の発明から作成することもできる。2017年2月24日に出願された本出願番号第15/441,972号は、その全体が本明細書に完全に記載されているかのように、参照として、およびあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。同様に、2016年4月13日に出願された米国仮出願番号第62/322,084号は、その全体が本明細書に完全に記載されているかのように、参照として、およびあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0024】
車両および機械用グラフェンベースの炭素繊維部品または物品を作成するために、処理されたグラフェン炭素繊維シートは所望の形状に切断され、所望のモデルに成形するために真空中に置かれる。必要な厚さに基づいて、3〜5枚以上のシートをモデルに積み重ねることができる。次いで、真空下で、上記のような樹脂を注入して、グラフェン炭素繊維シート全体を湿潤させる。次いで、樹脂は約20〜400℃、好ましくは250℃で硬化されてよく、グラフェンベースの炭素繊維部品または物品が形成され、機械または車両のために使用できる状態になる。この物品は、鋼鉄のものと同様の機械的強度を有する。
【0025】
アプローチII
出発材料としてグラフェンフレークまたは酸化グラフェンフレークを使用すること
【0026】
グラフェンフレーク粉末または酸化グラフェン粉末は、本プロセスを開始するためのグラフェン材料として使用される。グラフェン粉末を界面活性剤の助剤と共に上述のような溶媒に分散させ、少量のナノセルロース繊維、上述のようなポリマー、または上述のうち1つのような樹脂、それに加えて添加剤を攪拌しながら溶媒に添加して、溶液印刷のための均一な粘度の混合物を得た。これらの材料は、アプローチ1の上記の選択肢と類似していても同じであってもよい。
【0027】
第2に、付加製造3D印刷のための混合溶液を注入して、ノズルを通過するインクとしてそれを印刷し、ロボット工学、車両、トラム(サイドウォールまたはフードなど)、および船舶部品、または電気自動車、航空機、もしくは鉄道線路を有する列車もしくは非軌道−鉄道線路先進列車(例えば、米国で開発されている非鉄道線路−軌道の磁気列車)のための設計された部品または物品を形成する。特定の実施形態では、グラフェンベースの炭素繊維材料は、3D印刷機で使用するためのフィラメントに形成することができる。したがって、インテリジェント物品は、3D印刷機を介するグラフェンベースの複合体フィラメントを使用する、または光硬化を使用した3D印刷用の非溶媒グラフェン−エポキシ複合体を使用する3D印刷によって構築することができる。
【0028】
第3に、印刷後、印刷された湿った部品を約20〜400℃(好ましくは250℃)までわずかに加熱すると、グラフェンナノ複合体中の混合物から樹脂の硬化によって湿った部品が硬くなる。硬化後の化学結合による3Dネットワークの形成は、機械的強度および他の特性を大幅に強化する。このタイプのグラフェンベースのナノ複合体の構造は、複合体を分子レベルで均一にし、かつしっかりと架橋し、鋼鉄に匹敵する機械的強度である、ナノ構造内部の3次元化学結合ネットワークであり、大型車両の部品にとって不可欠なその耐久性および製品寿命を保証する。
【0029】
さらに、予想外の新しい特性を達成するために、混合物は、金属もしくは非金属のナノ粒子、もしくはナノワイヤ、またはスチールナノ粉末および金属酸化物のような少量の添加物をさらに含んでもよい。例としては、限定されないが、カーボンナノチューブ、Mg、Al、鋼合金粉末、Zr0
2、Fe
30
4、またはMoS
2、WS
2、これらの組み合わせが挙げられ、グラフェンフレーク、適切なポリマー、およびセルロースと混合して印刷する前に混合懸濁液を形成するために使用されてもよい。
【0030】
車両用グラフェンナノ複合体部品または物品の特有の特性を達成するための少量の添加剤の例として、ナノ粒子もしくは金属ナノワイヤもしくはスチールナノ粉末、および金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されず、例としてカーボンナノチューブ、Mg、Al、鋼合金粉末、ZrO
2、Fe
30
4、もしくはMoS
2、WS
2、MgO、A1
20
3、またはこの組み合わせに限定されない。これらの添加剤は、他の用途の中でも、グラフェンフレーク、適切なポリマー、およびナノセルロースと混合して印刷する前に混合懸濁液を形成するために使用されてもよい。
【0031】
アプローチIII
グラフェンベースの多孔質ナノ複合体を出発材料として使用すること
【0032】
処理温度および添加剤に基づいて、アプローチIIの混合物に追加の発泡剤を添加した懸濁液の使用によって、グラフェンベースの炭素ナノ多孔質複合体シートの異なる機械的特性を形成することができる。多孔質シートは、細孔形成剤含有懸濁液を成形型に直接注ぎ、それを放置するかまたは室温から20〜400℃、好ましくは250℃で加熱して、多孔質シートを形成することによって作成することができる。次いで、多孔質シートを、不活性またはフローガス、および特別な還元ガスフロー中で400℃〜2000℃の温度範囲、好ましくは1800℃でアニールする。作成されたグラフェン多孔質シートは、大きい表面積、極めて高い引張り、およびヤング率を有する。孔径は1nm〜8μmの範囲である。
【0033】
発泡/細孔形成剤の例としては、一般にガスを放出する任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、2000℃未満の分解温度を有する有機ポリマー材料もしくは有機低分子材料、または無機低分子であってもよく、コロホニー、ヘリウム、炭酸アンモニウム、二酸化炭素、テトラメチルアンモニウムアセテート、水素、窒素、重炭酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、過酸化物、硝酸アンモニウム、塩基性炭酸第二銅などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
車両および機械用グラフェンベースの炭素ナノ複合体部品または物品を作成するために、処理されたグラフェン多孔質炭素シートは、所望の形状に切断され、所望の成形型に成形するために真空中に置かれる。必要な厚さに基づいて、3〜5枚以上のシートを型に積み重ねることができる。次いで、真空下で、上記のような樹脂を注入して、グラフェン炭素繊維シート全体を湿潤させる。室温から約400℃(好ましくは250℃)での樹脂の硬化後、グラフェンベースの炭素繊維部品または物品が形成され、機械または車両のために使用できる状態になる。物品の機械的強度は鋼鉄に匹敵し、炭素繊維として軽量であり、Al−Mg合金よりもはるかに軽量であり、様々な特有の特性を有する。それは、強度などの優れた機械的特性、ならびに熱伝導率および電気伝導率、放射線遮蔽率、および電磁波、耐腐食性、およびより特有の特性のための調整可能な特性を有する。
【0035】
要約すると、本発明は、機械、ロボット工学、航空機、船舶、および車両(車、トラック、トレーラー、バンなど)それに加えてトラム、および列車のために形成された、鋼鉄に匹敵する機械的強度を有し、炭素繊維として軽量であり、Al−Mg合金よりもはるかに軽量であり、様々な特有の特性を有する大量のグラフェンベースのナノ複合体部品または物品をもたらす。それは、強度などの優れた機械的特性、ならびに熱伝導率および電気伝導率、放射線遮蔽率、および電磁波、耐腐食性などの調整可能な特性を有する。
【0036】
ここで本発明によるグラフェンを炭素繊維に製造する方法の動作フローチャートを示す
図1を参照する。
図1に示すように、本発明の方法は一般に、グラフェンフレークまたは酸化グラフェンを得る工程(S10)、綿菓子機または同様に紡糸をセットアップして繊維を形成する工程(S20)、および200℃〜2000℃、好ましくは1800℃で熱処理を適用する工程(S30)を含む。適用される熱処理を変更することにより、得られる炭素繊維の品質を操作し、強化することができる。得られたままのグラフェン炭素繊維を真空成形型に入れて、最終的にグラフェンベースの炭素繊維シートを作成する(S40)。
【0037】
図2は、本発明による車両部品または物品を形成するためのグラフェン炭素繊維シートの製造方法の動作フローチャートを示す。
図2に示すように、本発明の方法は一般に、成形型内でグラフェン炭素繊維シートを得る工程(S10)、繊維シート積層体を上層を介して形成する工程(S20)、成形型内に真空を適用し、樹脂を注入して20〜400℃、好ましくは250℃で硬化させて部品または物品を形成する工程(S30)、および所望の車両に部品または物品を適用する工程(S40)を含む。好ましい実施形態および本発明の硬化では、加熱プロセスは繊維を空気中で400℃、好ましくは250℃まで加熱する(S30)。
【0038】
図3は、本発明による付加製造3D印刷によるグラフェンベースのナノ複合体部品または物品の製造方法の動作フローチャートを示す。
図3に示すように、本発明の方法は一般に、グラフェンフレークまたは酸化グラフェンを得る工程(S10)、少量の樹脂および他の添加剤と共に溶媒中に均一な懸濁液を形成する工程(S20)、コンピュータによるデジタル制御を有する適応3D印刷機による適応3D印刷技術を適用する工程(S30)、さらに硬化のために20〜400℃、好ましくは250℃の熱処理を適用する工程(S40)、ならびに不活性/フローガス環境で400〜2000℃、好ましくは1800℃の熱処理を適用し、ナノ複合体内部にさらに精製され架橋された形態をもたらす工程(S50)、を含む。
【0039】
図4は、本発明による多孔質グラフェンナノ複合体シートまたはプレートの製造方法の動作フローチャートを示す。本発明の方法は一般に、グラフェンフレークまたはグラファイト酸化物を得る工程(S10)、添加剤およびポリマーおよび細孔形成剤との混合物を形成する工程(S20)、懸濁液を成形型に注ぎ、還元ガスフロー環境で最初に400℃、次いで、2000℃、好ましくは1800℃の熱処理を適用する工程(S30)を含む。大きい表面積、極めて高い引張りおよびヤング率を有するグラフェンベースの多孔質炭素ナノ複合体シートが作成される。孔径は1nm〜8μmの範囲である。
【0040】
図5に示すように、本発明の方法は一般に、成形型内に多孔質グラフェン炭素プレートまたはシートを適用する工程(S10)、プレートまたはシート積層体を上層を介して形成する工程(S20)、成形型内に真空を適用し、樹脂を注入して20℃〜400℃、好ましくは250℃で硬化させて部品または物品を形成する工程(S30)、および所望の車両に部品または物品を適用する工程(S40)を含む。好ましい実施形態および本発明の硬化では、加熱プロセスは繊維を空気中で400℃、好ましくは250℃まで加熱する(S30)。
【0041】
図6は、PANの従来の炭素繊維を使用するように、いくつかのインテリジェントな機械部品を形成するのに使用できる、グラフェン複合体化合物ペレットおよび対応するグラフェンベースの炭素繊維を提供する。PAN炭素繊維と比較して、これらの繊維の加工は低コスト製造である。本発明のインテリジェント物品のみが選択され、その機械的強度はアルミニウム/マグネシウム(Al−Mg)合金、および鋼鉄と同じいくつかの部品と一致する。
【0042】
図7は、グラフェン粉末をエポキシと混合することによって形成されたグラフェンゲルを示す。次いで、低加熱条件で加熱して硬化させ、3D成形による機械物品を形成する。同様の設計された物品および処理は、腐食を避けるために、インテリジェント機械もしくは車両部品、または化学プラントおよび海洋で作業するような液体輸送パイプに使用することができる。グラフェンベースの複合体は、優れた機械的特性を維持しながら、耐腐食性に優れている。
【0043】
図8は、デモ用の3D印刷トロリーまたはワゴンモデルである。3D印刷材料は、グラフェンベースのABS複合体フィラメントである。このモデルは、ボディサイズが10cm×4cm×2cm、印刷の厚さは1mmであるが、重さはわずか0.5グラムである。同じ体積の鋼鉄は重量が約30グラムであり、従来のスチールワゴン重量の80%を削減している。
【0044】
図9は、本発明によりグラフェンゲルに添加された発泡剤を介して製造されたいくつかの写真を示す。これらのグラフェン発泡体は、満足のいく形状に切断することができ、エポキシを使用し、UV光または加熱のいずれかによって硬化された後に形成された機械物品を製造する。