(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981689
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】車載装置、運転情報記録システム、及び送信方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20211206BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20211206BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 D
G07C5/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-87869(P2020-87869)
(22)【出願日】2020年5月20日
(65)【公開番号】特開2021-182301(P2021-182301A)
(43)【公開日】2021年11月25日
【審査請求日】2020年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小林 守
【審査官】
秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−217615(JP,A)
【文献】
国際公開第2018/179154(WO,A1)
【文献】
国際公開第2016/113978(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/09
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得する取得部と、
所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出する検出部と、
前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定する判定部と、
前記判定結果に基づく優良運転情報をサーバに送信する送信部と、
前記減速又は前記停止を行った回数を記録する第1の記録処理部と、
免許証の顔画像を読み取るスキャナと、
前記車両の内部を撮影した第2の撮影画像について、前記免許証から読み取った顔画像に基づく顔認証を行う認証部と、
を備え、
前記送信部は、
前記回数を前記優良運転情報として前記サーバに送信し、
前記第1の記録処理部は、
前記顔認証の成功に応じて前記回数の記録を開始し、
前記送信部は、
前記免許証から読み取った免許証番号と、前記回数とを前記サーバに送信する、
車載装置。
【請求項2】
前記検出部は、
一時停止を行うべきことを表す交通標識を前記所定の検出対象として検出し、
前記判定部は、
前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が停止したか否かを判定する、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記検出部は、
信号機が表示する減速信号を前記所定の検出対象として検出し、
前記判定部は、
前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速したか否かを判定する、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記検出部は、
横断歩道の端部において待機する人物を前記検出対象として検出し、
前記判定部は、
前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が停止したか否かを判定する、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
車載装置と、サーバとを備えた運転情報記録システムであって、
前記車載装置は、
車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得する取得部と、
所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出する検出部と、
前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定する判定部と、
前記判定結果に基づく優良運転情報を前記サーバに送信する送信部と、
前記減速又は前記停止を行った回数を記録する第1の記録処理部と、
免許証の顔画像を読み取るスキャナと、
前記車両の内部を撮影した第2の撮影画像について、前記免許証から読み取った顔画像に基づく顔認証を行う認証部と、
を備え、
前記送信部は、
前記回数を前記優良運転情報として前記サーバに送信し、
前記第1の記録処理部は、
前記顔認証の成功に応じて前記回数の記録を開始し、
前記送信部は、
前記免許証から読み取った免許証番号と、前記回数とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記優良運転情報を受信する受信部と、
前記優良運転情報をデータベースに記録する第2の記録処理部と、を備える、
運転情報記録システム。
【請求項6】
車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得することと、
所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出することと、
前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定することと、
前記判定結果に基づく優良運転情報をサーバに送信することと、
前記減速又は前記停止を行った回数を記録することと、
前記車両の内部を撮影した第2の撮影画像について、前記車両に搭載されたスキャナで免許証から読み取った顔画像に基づく顔認証を行うことと、
を含み、
前記送信することは、
前記回数を前記優良運転情報として前記サーバに送信し、
前記記録することは、
前記顔認証の成功に応じて前記回数の記録を開始し、
前記送信することは、
前記免許証から読み取った免許証番号と、前記回数とを前記サーバに送信する、
送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載装置、運転情報記録システム、及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全でない運転を検出する技術が提案されている。例えば、特許文献1にかかる車両運行評価装置は、各車両から運行データを収集して統計処理を行い、各運転者の癖に起因する安全でない運転操作を検出する。また、特許文献2には、交通標識に基づき適切な運転支援を行う運転支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−192102号公報
【特許文献2】特開2009−301267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、各運転手の優良運転を適切に評価することは難しいという問題があった。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、優良運転情報をサーバに送信することが可能な車載装置、運転情報記録システム、及び送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる車載装置は、車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得する取得部と、所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出する検出部と、前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定する判定部と、前記判定結果に基づく優良運転情報をサーバに送信する送信部とを備える。
【0007】
本開示にかかる運転情報記録システムは、車載装置と、サーバとを備えた運転情報記録システムであって、前記車載装置は、車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得する取得部と、所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出する検出部と、前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定する判定部と、前記判定結果に基づく優良運転情報を前記サーバに送信する送信部と、を備え、前記サーバは、前記優良運転情報を受信する受信部と、前記優良運転情報をデータベースに記録する第2の記録処理部と、を備えるものである。
【0008】
本開示にかかる送信方法は、車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得し、所定の検出対象を前記第1の撮影画像から検出し、前記所定の検出対象を検出した場合、前記第1の撮影画像の時間変化に基づいて前記車両が減速又は停止したか否かを判定し、前記判定結果に基づく優良運転情報をサーバに送信するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、優良運転情報をサーバに送信することが可能な車載装置、運転情報記録システム、及び送信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかる運転情報記録システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる車載装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態2にかかる運転情報記録システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態2にかかる運転情報記録システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる運転情報記録システム300の構成を示すブロック図である。運転情報記録システム300は、車載装置100とサーバ200とを備える。車載装置100及びサーバ200は、ネットワーク400に接続される。ネットワーク400は、有線であっても無線であってもよい。運転情報記録システム300は、複数の車載装置100を備えてもよい。サーバ200は、後述する優良運転情報を車載装置100から受信し、データベースに記録する。
【0012】
図2は、車載装置100の機能構成を示すブロック図である。車載装置100は、車両に搭載され、当該車両の運転手の優良運転を判定する装置である。車載装置100は、取得部101と、検出部102と、判定部103と、送信部104とを備える。取得部101は、車両の外部を撮影した第1の撮影画像を順次取得する。取得部101は、例えば、動画像に含まれる各フレームを、第1の撮影画像として取得してもよい。
【0013】
検出部102は、所定の検出対象を第1の撮影画像から検出する。所定の検出対象は、例えば、一時停止を行うことを表す交通標識、信号機が表示する減速信号、横断歩道の端部において待機する人物等である。検出部102は、検出対象を検出する際に公知の画像認識技術を使用する。
【0014】
判定部103は、検出部102が所定の検出対象を検出した場合、第1の撮影画像の時間変化に基づいて車両が減速又は停止したか否かを判定する。例えば、判定部103は、第1の撮影画像の時間変化が十分小さい場合に車両が減速又は停止したと判定する。また、所定の検出対象が交通標識の場合、判定部103は、交通標識の検出位置の変化が十分小さい場合に、車両が減速又は停止したと判定してもよい。
【0015】
送信部104は、判定部103の判定結果に基づく優良運転情報をサーバに送信する。送信部104は、例えば、車両が減速又は停止を行った回数を優良運転情報としてサーバに送信する。また、送信部104は、車両が減速又は停止した旨を優良運転情報としてサーバ200に送信し、減速又は停止した回数をサーバ200に記録させてもよい。また、送信部104は、優良運転情報及び車両を運転する運転手の識別情報をサーバに送信してもよい。識別情報は、例えば、免許証番号、住所、氏名等である。
【0016】
上述したように、これまでは、各運転手の優良運転を適切に評価することができなかった。実施の形態1にかかる車載装置100は、車両が減速又は停止したか否かを判定し、判定結果に基づく優良運転情報を送信する。したがって、運転情報記録システム300は、サーバ200が受信した優良運転情報に基づき、運転手の優良運転を適切に評価することができる。優良運転の判定は車載装置100が行うため、サーバ200における判定処理、撮影画像の受信処理等は不要である。
【0017】
尚、車載装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる送信方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、取得部101、検出部102、判定部103、及び送信部104の機能を実現する。
【0018】
または、取得部101、検出部102、判定部103、及び送信部104は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。
【0019】
実施の形態2
実施の形態2は、上述した実施の形態1の具体例である。
図3は、実施の形態2にかかる運転情報記録システム300aの構成を示すブロック図である。運転情報記録システム300aは、車載装置100aとサーバ200aとを備える。車載装置100a及びサーバ200aは、ネットワーク400に接続される。車載装置100aは、優良運転記録端末とも呼ぶ。
【0020】
車載装置100aは、スキャナ10及びカメラ20と接続される。スキャナ10は、車両に搭載されたカードリーダーであり、免許証から運転手に関するドライバー情報を読み取る。スキャナ10は画像を読み取る機能と、非接触ICカードのICチップの内容を読み取る機能を持つ。ドライバー情報は、例えば、免許証番号11、免許証顔画像12、住所、氏名等である。スキャナ10は、ユーザが暗証番号を入力するためのキーパッドを備えてもよい。
【0021】
カメラ20は、車両の外部を撮影した第1の撮影画像と、車両の内部を撮影した第2の撮影画像とを撮影する。換言すると、カメラ20は、交通標識等が写った撮影画像と、運転手の顔画像とを撮影する。カメラ20は、第1の撮影画像を撮影する第1カメラと、第2の撮影画像を撮影する第2カメラとで構成されてもよい。
【0022】
車載装置100aは、免許証情報入力部116と、カメラ画像入力部111と、制御部110と、送信部114と、認証部115と、検出部112と、判定部113と、第1記録処理部117とを備える。尚、カメラ画像入力部111は取得部101の一例であり、送信部114は送信部104の一例であり、検出部112は検出部102の一例であり、判定部113は判定部103の一例である。
【0023】
免許証情報入力部116は、スキャナ10が読み取った免許証番号11及び免許証顔画像12を格納する。カメラ画像入力部111は、カメラ20が撮影した第1の撮影画像及び第2の撮影画像を格納する。換言すると、カメラ画像入力部111は、道路標識等が写った撮影画像と、運転手の顔画像とを格納する。
【0024】
制御部110は、各構成要素と、各構成要素間のデータのやりとりとを制御することにより、車載装置100aの動作全体を制御する。検出部112は、第1の撮影画像から、自動認識により所定の検出対象を検出する。判定部113は、第1の撮影画像の時間変化に基づいて、車載装置100aを搭載した車両が減速又は停止したか否かを判定する。
【0025】
第1記録処理部117は、判定部113の判定結果に基づいて、車両が減速又は停止を行った回数を記録する。当該回数を、優良運転情報とも呼ぶ。第1記録処理部117は、後述する第1の顔認証の成功に応じて優良運転情報の記録を開始してもよい。
【0026】
送信部114は、ネットワーク400を介したサーバ200aとの通信を制御する。送信部114は、免許証番号11と、第1記録処理部117が記録した優良運転情報とをサーバ200aに送信する。ここで、送信部114は、後述する第2の顔認証の成功に応じて優良運転情報をサーバ200aに送信してもよい。送信部114は、1日毎に優良運転情報を送信してもよく、運転を開始又は終了したときに優良運転情報を送信してもよい。
【0027】
認証部115は、第2の撮影画像について免許証顔画像12に基づく顔認証を行う。換言すると、認証部115は、第2の撮影画像と免許証顔画像12とを照合し、運転手が免許証に記載された本人であるか否かを認証する。認証部115は、優良運転情報の記録を開始する前の第1の顔認証と、優良運転情報を送信する前の第2の顔認証とを行ってもよい。また、認証部115は免許証の偽造防止の為、免許証番号11、免許証顔画像12と免許証のICチップに格納された免許証番号、免許証顔画像とを照合し、一致するか否かを認証する機能を持つ。
【0028】
サーバ200aは、制御部210と、受信部211と、処理部212と、運転履歴DB(Data Base)220とを備える。制御部210は、各構成要素と、各構成要素間のデータのやりとりとを制御することにより、サーバ200aの動作全体を制御する。
【0029】
受信部211は、ネットワーク400を介した車載装置100aとの通信を制御する。受信部211は、車載装置100aから免許証番号11と優良運転情報とを受信する。処理部212は、免許証番号11と優良運転情報とを対応づけて運転履歴DB220に記録する。処理部212を、第2記録処理部とも呼ぶ。
【0030】
サーバ200aは、免許センター等に設置された端末(不図示)と接続されてもよい。当該端末は、免許証を用いてユーザを認証し、当該ユーザに対して優良運転情報を提示することや、優良運転情報を印刷することができる。事業者は、免許更新時又は免許返時の優良運転情報に基づき運転手に各種サービスの提供を行ってもよい。
【0031】
また、事業者は、運転履歴DB220に基づき各運転手の安全運転の度合いを認定し、当該運転手の自動車保険料に割引を適用してもよい。また、事業者は、運転履歴DB220に基づき物流分野での優良ドライバーの確保を行ってもよい。
【0032】
次に、
図4を用いて、実施の形態2にかかる運転情報記録システム300aの動作について説明する。運転手が、カードリーダーであるスキャナ10に免許証をセットしたものとする。まず、免許証情報入力部116は、免許証から免許証番号11及び免許証顔画像12を読み取る(ステップS101)。
【0033】
次に、認証部115は、免許証情報入力部116が格納した免許証番号11と、免許証のICチップに格納された免許証番号とを照合し、一致した場合は、免許証顔画像12と、免許証のICチップに格納された免許証顔画像とを照合する。照合に成功した場合、認証部115は、免許証顔画像12と、カメラ画像入力部111が格納した第2の撮影画像との照合を行う(ステップS102)。照合に成功した場合、車載装置100aは、優良運転情報の記録を開始する。換言すると、照合に成功した場合、車載装置100aは、優良運転を判定するための各機能を起動する。
【0034】
次に、検出部112は、カメラ画像入力部111が格納した第1の撮影画像から所定の検出対象を検出する(ステップS103)。次に、判定部113は、第1の撮影画像の時間変化に基づき車両が減速又は停止したか否かを判定する(ステップS104)。次に、第1記録処理部117は、車両が減速又は停止した場合に、当該運転を優良運転として記録する(ステップS105)。
【0035】
例えば、検出部112は、一時停止標識を検出する。そして、判定部113は、第1の撮影画像が一定時間変化しなかった場合に、車両が一定期間一時停止したと判定する。このような場合、第1記録処理部117は、当該運転を優良運転として記録することとなる。判定部113は、第1の撮影画像における一時停止標識の位置の変化に基づき停止の判定を行ってもよい。
【0036】
また、検出部112は、黄信号を検出してもよい。判定部113は、第1の撮影画像の変化が十分小さい場合に、車両が減速したと判定する。このような場合、第1記録処理部117は、当該運転を優良運転として記録することとなる。車載装置100aは、黄信号が点滅している場合に上述した動作を行ってもよい。
【0037】
さらに、検出部112は、横断歩道の端部で待機している人物を検出してもよい。判定部113は、第1の撮影画像が一定時間変化しなかった場合に、車両が一時停止したと判定する。このような場合、第1記録処理部117は、当該運転を優良運転として記録することとなる。
【0038】
上述した動作により、車載装置100aに優良運転情報が記録されたものとする。優良運転は、上述した通り、車両が一時停止標識において一時停止した回数、黄信号で減速した回数、横断歩道で停止している人物がいるときに停止した回数等である。
【0039】
認証部115は、カメラ画像入力部111が格納した第2の撮影画像と、免許証顔画像12との照合を行う(ステップS106)。照合に成功した場合、送信部114は、免許証番号11と優良運転情報とをサーバ200aに送信する(ステップS107)。ここで、送信部114は、免許証から読み取った名前、住所等のドライバー情報を識別情報として送信してもよい。最後に、サーバ200aの受信部211は免許証番号11と優良運転情報とを受信し、サーバ200aの処理部212は免許証番号11と優良運転情報とを対応付けて運転履歴DB220に登録する(ステップS108)。
【0040】
運転手が、免許センター等に設置された端末に免許証をかざし、パスワードの入力を行ったものとする。端末は、運転手がパスワードの入力に成功した場合、サーバ200aから免許証番号と対応付けられる優良運転情報を取得し、優良運転情報を印刷する(ステップS109)。運転手は、印刷された情報を提示することにより免許センターでサービスを受けることが可能となる。
【0041】
以下、本実施形態の効果について説明する。自動車の運転において、あおり運転などの交通違反、高齢者の交通事故が社会問題化している。運転者の運転マナーの向上、交通ルールの遵守が求められるが、日々悪質な運転は散見される。交通違反を取り締まる仕組みは自動取締装置、検問など様々あるが、特定の場所以外で交通違反をした人物を捕まえることは困難であった。
【0042】
一方で、交通ルールを遵守している運転手が奨励される仕組みも存在する。しかし、優良運転を判定する仕組みは不十分と考えられる。優良運転の証である免許証のゴールドカードは、運転しなくても取得できてしまうからである。また、交通違反をした人物が、偶然捕まっていない可能性があるからである。
【0043】
実施の形態2にかかる車載装置100aは、交通ルールを遵守し、優良な運転を心がけている運転手を判断し、奨励することができる。また、実施の形態2にかかる車載装置100aにより、優良運転を志す人が増え、安全運転の促進につながり、さらには交通事故の減少につながる可能性がある。
【0044】
さらに、実施の形態2によると、第3者は、優良運転を行った回数に基づき各運転手の運転を適切に評価できる。また、優良運転の回数に基づき様々なサービスを提供することが可能となるため、優良運転を行うことの価値を増加させることができると考えられる。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、車載装置100aは、免許証の代わりにマイナンバーカードの読み取りをおこなってもよい。このような場合、車載装置100aは、自動車ではなく自転車等に搭載されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 スキャナ
11 免許証番号
12 免許証顔画像
20 カメラ
100、100a 車載装置
101、111 取得部(カメラ画像入力部)
102、112 検出部
103、113 判定部
104、114 送信部
110 制御部
115 認証部
116 免許証情報入力部
117 第1記録処理部
200、200a サーバ
210 制御部
211 受信部
212 処理部
220 運転履歴DB
300、300a 運転情報記録システム
400 ネットワーク