(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981690
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】スプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造
(51)【国際特許分類】
B05B 1/30 20060101AFI20211206BHJP
B05B 1/18 20060101ALI20211206BHJP
B05B 9/01 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B05B1/30
B05B1/18 101
B05B9/01
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-88463(P2020-88463)
(22)【出願日】2020年5月20日
(65)【公開番号】特開2021-183298(P2021-183298A)
(43)【公開日】2021年12月2日
【審査請求日】2020年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】507134297
【氏名又は名称】源美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】鄭繼涵
【審査官】
鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3115679(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3110519(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3187893(JP,U)
【文献】
特開2013−103171(JP,A)
【文献】
特開2013−141655(JP,A)
【文献】
特開2011−50827(JP,A)
【文献】
特開2002−119892(JP,A)
【文献】
実開平3−128446(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−17/08
B05D 1/00−7/26
A01G 25/00−25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造であって、ノズル部(2)と、ノズル部(2)に延伸接続されるグリップ部(1)を含み、前記ノズル部(2)は管体(21)を含むとともにスプレーヘッド(23)が組み付けられ、前記管体(21)には吐水路が設けられており、前記グリップ部(1)は入水路(11)を有し、前記入水路(11)は前記ノズル部(2)の吐水路と連通しており、吐水路には分断部(212)が設けられており、前記分断部(212)は吐水路を第1室(211)と第2室(232)に分断し、前記第1室(211)と第2室(232)の間には経路(231)が設けられており、前記吐水路には可動バルブステム(4)が設けられており、前記可動バルブステム(4)は、第1端(41)と、延伸形成される第2端(42)を有し、前記第1端(41)にはスリーブ部(43)が設けられており、前記第2端(42)の近傍位置には拡大部材(44)が設けられているが、前記第2端(42)は前記拡大部材(44)から突出しており、第1端(41)と第2端(42)の間にはバネ(45)が組み付けられており、前記第2端(42)は前記経路(231)の形状と一致しており、且つ、前記第2端(42)は前記経路(231)と係合して封止可能である構造において、
前記ノズル部(2)に設けられた制御装置(3)と、前記制御装置(3)は、押圧部材(31)、位置規制部材(33)及び回転制御部(34)を含み、前記押圧部材(31)は、組付端(311)、位置決め部(312)を有し、前記組付端(311)には貫通孔(313)が設けられており、
前記回転制御部(34)には溝(341)及び複数の段差部が設けられており、
前記可動バルブステム(4)の第1端(41)は、貫通孔(22)を貫通して前記回転制御部(34)の軸孔(346)を経由したあと、前記組付端(311)を貫通し、最後に位置規制部材(33)によって組付端(311)に固定接続され、これにより、前記可動バルブステム(4)の第1端(41)が前記組付端(311)から離脱しないよう規制され、
前記回転制御部(34)は前記管体(21)の基端に対応して組み合わされ、
前記回転制御部(34)は中心線(34a)周りに軸回転し、
前記押圧部材(31)の組付端(311)のうち前記回転制御部(34)に面する側に位置決め部(312)が設けられており、
前記位置決め部(312)は、前記回転制御部(34)における選択されたいずれかの段差部に対応して当接可能であり、段差部のいずれか又は溝を選択して前記位置決め部(312)に対応させるよう前記回転制御部(34)を回転させることで、前記可動バルブステム(4)が軸方向において前方又は後方へ変位するよう調整される結果、前記経路(231)からの前記可動バルブステム(4)の第2端(42)の離開距離が微調整され、これにより、第1室(211)を第2室(232)に向かって開放することで、吐水路からの吐水量を制御するか、吐水を閉止し、
前記位置決め部(312)が前記回転制御部(34)における選択された段差部に対応して当接することで、ノズル部(2)の操作により噴射される各吐水量が持続的に固定されることを特徴とする構造。
【請求項2】
前記複数の段差部は少なくとも2つ以上であり、且つ徐々に高さが増加する請求項1に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【請求項3】
前記複数の段差部は前記組付端(311)に設けてもよく、これに対応して、前記位置決め部(312)は前記回転制御部(34)に設けられ、且つ、前記複数の段差部は前記回転制御部(34)の位置決め部(312)に対応して当接可能である請求項1に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【請求項4】
スプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造であって、
管体(21)と、管体(21)に組み付けられるスプレーヘッド(23)を含むノズル部(2)であって、前記管体(21)には吐水路が設けられており、前記吐水路には、前記吐水路を第1室(211)と第2室(232)に分断する分断部(212)が設けられており、前記分断部(212)には経路(231)が設けられており、前記吐水路には可動バルブステム(4)が設けられており、前記可動バルブステム(4)は、第1端(41)と、延伸形成される第2端(42)を有し、前記第1端(41)にはスリーブ部(43)が設けられており、前記第2端(42)の近傍位置には拡大部材(44)が設けられているが、前記第2端(42)は前記拡大部材(44)から突出しており、第1端(41)と第2端(42)の間にはバネ(45)が組み付けられており、前記第2端(42)は前記経路(231)の形状と一致しており、且つ、前記第2端(42)は前記経路(231)と係合して封止可能であるノズル部(2)と、
延伸端に前記ノズル部(2)が接続されるグリップ部(1)であって、入水路(11)が設けられており、前記入水路(11)が前記ノズル部(2)の吐水路と連通しているグリップ部(1)と、
前記ノズル部(2)と前記グリップ部(1)との交差箇所に設けられる制御装置(3)であって、押圧部材(31)、位置規制部材(33)及び回転制御部(34)を含み、前記押圧部材(31)は、組付端(311)、位置決め部(312)を有し、前記組付端(311)には貫通孔(313)が設けられており、前記回転制御部(34)には溝(341)及び複数の段差部が設けられており、前記可動バルブステム(4)の第1端(41)は、貫通孔(22)を貫通して前記回転制御部(34)の軸孔(346)を経由したあと、前記組付端(311)を貫通し、最後に位置規制部材(33)によって組付端(311)に固定接続され、これにより、前記可動バルブステム(4)の第1端(41)が前記組付端(311)から離脱しないよう規制され、前記回転制御部(34)は前記ノズル部(2)の基端に対応して組み合わされ、前記回転制御部(34)は中心線(34a)周りに軸回転し、前記押圧部材(31)の組付端(311)のうち前記回転制御部(34)に面する側に位置決め部(312)が設けられており、前記位置決め部(312)は、前記回転制御部(34)における選択されたいずれかの段差部に対応して当接可能であり、段差部のいずれか又は溝を選択して前記位置決め部(312)に対応させるよう前記回転制御部(34)を回転させることで、前記可動バルブステム(4)が軸方向において前方又は後方へ変位するよう調整される結果、前記経路(231)からの前記可動バルブステム(4)の第2端(42)の離開距離が微調整され、これにより、第1室(211)を第2室(232)に向かって開放することで、吐水路からの吐水量を制御するか、吐水を閉止し、且つ、前記位置決め部(312)が前記回転制御部(34)における選択された段差部に対応して当接することで、ノズル部(2)の操作により噴射される各吐水量が持続的に固定される制御装置(3)、を含む構造。
【請求項5】
前記複数の段差部は少なくとも2つ以上であり、且つ徐々に高さが増加する請求項4に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【請求項6】
前記複数の段差部は前記組付端(311)に設けてもよく、これに対応して、前記位置決め部(312)は前記回転制御部(34)に設けられ、且つ、前記複数の段差部は前記回転制御部(34)の位置決め部(312)に対応して当接可能である請求項4に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【請求項7】
スプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造であって、
管体(21)を有するノズル部(2)であって、前記管体(21)には吐水路が設けられており、前記吐水路には分断部(212)が設けられており、前記分断部(212)には経路(231)が設けられており、且つ吐水路を第1室(211)と第2室(232)に分断し、前記吐水路には可動バルブステム(4)が設けられており、前記可動バルブステム(4)は、第1端(41)と、延伸形成される第2端(42)を有し、前記第2端(42)は前記経路(231)の形状と一致しており、且つ、前記第2端(42)は前記経路(231)と係合して封止可能であるノズル部(2)と、
前記ノズル部(2)に接続されるグリップ部(1)と、
前記ノズル部(2)と前記グリップ部(1)との交差箇所に設けられる制御装置(3)であって、押圧部材(31)と回転制御部(34)を含み、前記押圧部材(31)は、組付端(311)、位置決め部(312)を有し、前記組付端(311)の一端は前記グリップ部(1)に枢設されており、前記回転制御部(34)には溝(341)と複数の段差部が設けられており、前記可動バルブステム(4)の第1端(41)は、貫通孔(22)を貫通して前記回転制御部(34)を経由したあと前記組付端(311)に組み付けられ、前記可動バルブステム(4)の第1端(41)は前記組付端(311)から離脱することがなく、前記押圧部材(31)の組付端(311)のうち前記回転制御部(34)に面する側には位置決め部(312)が設けられており、前記位置決め部(312)は前記回転制御部(34)における選択されたいずれかの段差部に対応して当接可能であり、前記位置決め部(312)に対応する選択された段差部によって、前記可動バルブステム(4)を軸方向の前方又は後方に特定の位置まで変位させるよう調整する制御装置(3)、を含む構造において、
前記回転制御部(34)は前記ノズル部(2)の基端に対応して組み合わされ、
前記回転制御部(34)は中心線(34a)周りに軸回転し、
段差部のいずれか又は溝を選択して前記位置決め部(312)に対応させるよう前記回転制御部(34)を回転させることで、前記経路(231)からの前記可動バルブステム(4)の第2端(42)の離開距離が微調整され、これにより、第1室(211)を第2室(232)に向かって開放することで、吐水路からの吐水量を制御するか、吐水を閉止し、
前記位置決め部(312)が前記回転制御部(34)における選択された段差部に対応して当接することで、ノズル部(2)の操作により噴射される各吐水量が持続的に固定される、ことを特徴とする構造。
【請求項8】
前記複数の段差部は少なくとも2つ以上であり、且つ徐々に高さが増加する請求項7に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【請求項9】
前記複数の段差部は前記組付端(311)に設けてもよく、これに対応して、前記位置決め部(312)は前記回転制御部(34)に設けられ、且つ、前記複数の段差部は前記回転制御部(34)の位置決め部(312)に対応して当接可能である請求項7に記載のスプレーガンにおける吐水開閉制御及び水量調整構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本創造は、「スプレーガンの吐水量を制御するための構造」に関し、特に、水流量の調整及び段階的制御部材の選択・固定が可能な園芸用のスプレーガンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のスプレーガンは、水量を調整する制御部材と吐水量制御部材の固定構造とが2つの別々の構造となっている。特許文献1の流量調節制御では、流量を調整するための制御部材が、水制御バルブステム、バルブステムバネ、調整ナットからなり、調整ナットの回転により水制御バルブステムを引き動かして吐水量を調整することを開示している。また、特許文献2のスプレーガンの断裂防止構造では、スプレーガン本体の外側に制御部材が枢結されている。且つ、スプレーヘッドが通水口を有する空間を含み、空間の通水口とスプレーガン本体の吐水口とが連通するよう、スプレーヘッドとスプレーガン本体が連結されている。また、ピストンが貫通孔を有し、動作可能に空間内に設けられている。前記ピストンは、周囲に止水リングが設けられて空間の内壁に当接する。また、可動バルブステムがスプレーガン本体の水路内に設けられており、一端がスプレーガン本体を貫通して制御部材に接続されるとともに、他端がストッパとなっている。可動バルブステムとスプレーガン本体との間には付勢バネが設けられており、付勢バネが可動バルブステムを押動することでストッパがピストンの貫通孔を閉塞して止水する。且つ、戻しバネがスプレーヘッドの空間に設けられており、戻しバネの一端がピストンに当接している。また、図面には、スプレーガン本体の外側に押圧部材が設けられることが示されている。前記押圧部材がスプレーガン本体の水制御バルブステムに組み付けられることで、調整部材と位置決め部材が設置されている。前記調整部材と位置決め部材は別々に設けられる2つの制御部材である。前記調整部材は水量の調整の機能を、前記位置決め部材は水量の持続的な放出の制御機能を提供する。
【0003】
そのため、操作者は、これら2つの制御部材を別々に2回操作しなければ、水量調整と持続的な放出の制御の機能を達成することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許出願公開第203775号公報
【特許文献2】台湾特許第M293796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記2つの制御部材を1つの制御部材に集約し、1つの制御部材を1回操作するだけで水量調整及び持続的な放出の制御の機能を達成可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ノズル部とグリップ部を含む。前記ノズル部は吐水噴射機能を有する。また、前記ノズル部は前記グリップ部に接続されており、前記ノズル部と前記グリップ部との交差箇所には制御装置が設けられている。前記グリップ部とノズル部は入水路と吐水路が連通しており、前記吐水路には可動バルブステムが設けられている。前記制御装置は押圧部材と回転制御部を含み、前記押圧部材の一端が前記可動バルブステムの一端に組み付けられている。また、前記回転制御部には複数の段差部が設けられており、前記押圧部材には、前記回転制御部の段差部に対応する位置決め部が設けられている。いずれかの段差部を選択して前記位置決め部に対応させるよう前記回転制御部を回転操作することで、前記可動バルブステムを軸方向の前方又は後方に調整して、吐水のための間隔を微調整する。これにより、吐水路の吐水量を制御することで、ノズルの操作により噴射される各吐水量を規定及びコントロールする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、本発明の他の角度から見た分解斜視図である。
【
図4】
図4は、前記回転制御部が、前記ノズル部の管体の中心軸を支軸として軸回転する際の一部を分解及び拡大した図である。
【
図7】
図7は、本発明における吐水閉止実施時の断面図である。
【
図8】
図8は、本発明における第1段階の吐水の実施例の断面図である。
【
図9】
図9は、本発明における第2段階の吐水の実施例の断面図である。
【
図10】
図10は、本発明における第3段階の吐水の実施例の断面図である。
【
図11】
図11は、本発明における第4段階の吐水の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜
図4を参照して、ノズル部2及びグリップ部1を含む。前記ノズル部2は吐水噴射機能を提供する。また、前記ノズル部2は前記グリップ部1に延伸接続される。ノズル部2は、管体21と、管体21の先端に設けられるスプレーヘッド23を含む。また、管体21は吐水路を囲繞している。前記グリップ部1には入水路11が設けられており、前記入水路11は前記ノズル部2の吐水路と連通している。吐水路には分断部212が設けられており、前記分断部212によって吐水路が第1室211と第2室232に分断されている。
図7に示すように、前記分断部212には経路231が設けられている。また、前記ノズル部2の基端には貫通孔22が設けられており、前記貫通孔22は前記第1室211と連通している。前記第1室211には可動バルブステム4が設けられている。前記可動バルブステム4は、第1端41と、延伸形成される第2端42を有する。前記第1端41にはスリーブ部43が設けられている。また、前記第2端42の近傍位置には拡大部材44が設けられているが、前記第2端42は前記拡大部材44から突出しており、且つ止水リング421が覆設されている。また、第1端41と第2端42の間にはバネ45が組み付けられている。前記第2端42は前記経路231の形状と一致している。且つ、前記第2端42は前記経路231と係合可能であり、前記止水リング421によって前記経路231を封止する。前記可動バルブステム4の第1端41は、貫通孔22を貫通して前記回転制御部34を経由したあと、前記組付端311に組み付けられる。また、前記ノズル部2と前記グリップ部1の交差箇所には制御装置3が設けられている。前記制御装置3は押圧部材31と回転制御部34を含む。前記押圧部材31は組付端311を有し、前記組付端311の一端がグリップ部1に枢結されている。また、前記組付端311には貫通孔313と位置決め部312が設けられており、前記位置決め部312は前記組付端311のうち回転制御部34に面する対応位置に設けられている。前記回転制御部34には、押部347、溝341及び複数の段差部が設けられている。本実施例では、複数の段差部をそれぞれ第1段差部342、第2段差部343、第3段差部344、第4段差部345とするが、本発明の特徴要件はこれに限らない。且つ、前記第4段差部345は第3段差部344よりも高く、前記第3段差部344は第2段差部343よりも高く、前記第2段差部343は第1段差部342よりも高くなっている。前記複数の段差部は、少なくとも2つ以上とし、且つ徐々に高さが増加するものと定義する。前記押部347は、前記回転制御部34の側辺に少なくとも1つ設けられており、回転制御部34の回転移動の調整に用いられる。前記可動バルブステム4の第1端41は、貫通孔22を貫通して前記回転制御部34の軸孔346を経由したあと、前記組付端311の貫通孔313を貫通し、最後に位置規制部材33によって組付端311に固定接続される。これにより、前記可動バルブステム4の第1端41が前記組付端311から離脱しないよう規制する。また、更に蓋部32によって前記組付端311を封止する。
図4に示すように、前記回転制御部34は、前記ノズル部2の基端に対応して組み合わされる。また、前記回転制御部34は中心線34a周りに軸回転する。且つ、前記回転制御部34は、段差部のいずれか又は溝341を選択して前記位置決め部312に対応させるよう回転させられる。本実施例の図面において、前記回転制御部34は、可動バルブステム4を中心支軸として限定的な軸回転を行うが、本図は本発明の回転制御部34の特徴要件を制限するものではない。また、前記位置決め部312は、前記回転制御部34における選択されたいずれかの段差部に対応して当接可能である。段差部のいずれかを選択して前記位置決め部312に対応させるよう前記回転制御部34を回転させることで、前記可動バルブステム4が軸方向において前方又は後方へ変位するよう調整される結果、前記経路231からの前記可動バルブステム4の第2端42の離開距離が微調整される。これにより、第1室211を第2室232に向かって開放し、吐水路からの吐水量を制御する。また、前記位置決め部312が前記回転制御部34における選択された段差部に対応して当接することで、ノズル部2の操作により噴射される各吐水量が持続的に固定される。
【0009】
また、
図5及び
図6に示すように、本発明の他の実施例では、前記複数の段差部を前記組付端311に設けてもよい。前記複数の段差部は、第1段差部342a、第2段差部343a、第3段差部344a、第4段差部345aを含む。また、前記位置決め部312aは前記回転制御部34に設けられる。且つ、前記複数の段差部(第1段差部342a、第2段差部343a、第3段差部344a、第4段差部345a)は、前記回転制御部34の位置決め部312aに対応して当接可能である。この場合にも同様に、前記回転制御部34を回転させることで、選択された第1段差部342a又は第2段差部343a又は第3段差部344a又は第4段差部345aに前記位置決め部312aを対応及び当接させることが可能である。これにより、前記可動バルブステム4が軸方向において前方又は後方へ変位するよう調整される結果、前記経路231からの前記可動バルブステム4の第2端42の離開距離が微調整される。そして、これにより、第1室211を第2室232に向かって開放し、吐水路からの吐水量を制御する。また、前記位置決め部312aが前記選択された段差部に対応して当接することで、ノズル部2の操作により噴射される各吐水量が持続的に固定及び調節される。
【0010】
図7〜
図11を参照して、実施される操作は次の通りとなる。
【0011】
図7は、本発明における吐水閉止状態である。前記押圧部材31を押圧することで前記可動バルブステム4を連動させ、前記押部347を押動することで回転制御部34の回転移動を調整する。これにより、前記回転制御部34を回動させて位置決め部312を前記溝341内に進入させたあと、前記押圧部材31を開放して前記可動バルブステム4を連動させれば、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231を封止することで、第1室211から第2室232への水流が閉止される。
【0012】
本実施例では、放出時の水量を4段階の水量に分けて持続的に放出可能である。
図8は、第1段階の水量で持続的に放出する場合の定量吐水状態である。使用者は、所望の吐水量に応じて前記押圧部材31を押圧し、前記可動バルブステム4を連動させる。すると、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231から離開し、第1室211の水流が第2室232に向けて放出される。続いて、前記押圧部材31を押圧して前記可動バルブステム4を連動させ、前記押部347を押動して回転制御部34の回転移動を調整することで、押圧部材31の位置決め部312を第1段差部342に対応及び当接させる。このとき、前記押圧部材31の組付端311が前記可動バルブステム4を軸方向において後方へ変位させることで、前記可動バルブステム4の第2端42が徐々に前記経路231から離開する。そして、前記押圧部材31を開放すると、前記可動バルブステム4のバネ45が可動バルブステム4をわずかに前方へと引っ張ることで、位置決め部312が第1段差部342に当接する結果、回転制御部34が一時的に動かないよう位置決めされる。このとき、回転制御部34の第1段差部342は押圧部材31の組付端311とわずかな間隔を隔てる。位置決め部312が第1段差部342に当接し、前記押圧部材31の組付端311と回転制御部34がわずかな間隔を隔てることから、前記可動バルブステム4の第2端42は経路231をわずかに開放して第1段階の小水量となり、第1室211から第2室232へと定量で吐水する。そして、最後に、第2室232の水がスプレーヘッド23から噴射される。次に、
図9は、第2段階の水量で持続的に放出する場合の位置決めの例である。第1段階の水量の設定操作と同様に、前記押圧部材31を押圧して前記可動バルブステム4を連動させ、前記押部347を押動して回転制御部34の回転移動を調整することで、前記位置決め部312を第2段差部343に対応及び当接させる。このとき、前記押圧部材31の組付端311が前記可動バルブステム4を軸方向において後方へ変位させることで、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231から更に離開する。そして、前記押圧部材31を開放すると、前記可動バルブステム4のバネ45が可動バルブステム4をわずかに前方へと引っ張ることで、位置決め部312が第2段差部343に当接する結果、回転制御部34が一時的に動かないよう位置決めされる。このとき、回転制御部34の第2段差部343は押圧部材31の組付端311と大きな間隔を隔てる。この場合、通水空間を拡大可能となるため、時間あたりの流体の通過可能流量が増大し、第2段階の中水量となって、第1室211から第2室232へと定量で吐水される。そして、最後に、第2室232の水がスプレーヘッド23から噴射される。次に、
図10は、第3段階の水量で放出する場合の位置決めである。第2段階の水量の設定操作と同様に、前記押圧部材31を押圧して前記可動バルブステム4を連動させ、前記押部347を押動して回転制御部34の回転移動を調整することで、前記位置決め部312を第3段差部344に対応及び当接させる。このとき、前記押圧部材31の組付端311が前記可動バルブステム4を軸方向において後方へ変位させることで、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231から更に離開する。そして、前記押圧部材31を開放すると、前記可動バルブステム4のバネ45が連動して可動バルブステム4をわずかに前方へと引っ張ることで、位置決め部312が第3段差部344に当接する結果、回転制御部34が一時的に動かないよう位置決めされる。このとき、回転制御部34の第3段差部344は、押圧部材31の組付端311と管体21の間隔を大きく隔てる。この場合、通水空間を拡大可能となるため、時間あたりの流体の通過可能流量が増大し、第3段階の大水量となって、第1室211から第2室232へと定量で吐水される。そして、最後に、第2室232の水がスプレーヘッド23から噴射される。次に、
図11は、第4段階の水量で放出する場合の位置決めである。第3段階の水量の設定操作と同様に、前記押圧部材31を押圧して前記可動バルブステム4を連動させ、前記押部347を押動して回転制御部34の回転移動を調整することで、前記位置決め部312を第4段差部345に対応及び当接させる。このとき、前記押圧部材31の組付端311は、前記可動バルブステム4を軸方向において後方へと変位させる。そして、前記押圧部材31を開放すると、前記可動バルブステム4のバネ45が連動して可動バルブステム4をわずかに前方へと引っ張ることで、位置決め部312が第4段差部345に当接する結果、回転制御部34が一時的に動かないよう位置決めされる。このとき、第4段差部345は、押圧部材31の組付端311と管体21の間隔を更に大きく隔て、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231から更に離開する。これにより、前記可動バルブステム4の第2端42が前記経路231から更に離開して通水空間が拡大されることから、時間あたりの流体の通過可能流量が増大し、第4段階の超大水量となって、第1室211から第2室232へと定量で吐水される。そして、最後に、第2室232の水がスプレーヘッド23から噴射される。
【0013】
以上述べたように、本創造は画期的な構造設計を確実に達成するものであり、改良された創造内容を有するとともに、産業上の利用可能性と進歩性を達成可能である。且つ、本創造はいかなる刊行物にもみられず、新規性を有していることから、特許法の関連条項の規定を満たしている。以上より、法に基づき発明特許として出願する。貴局審査官が合法的な特許権を授与くだされば幸いである。
【0014】
以上は本創造の好ましい実施例にすぎず、本創造の実施範囲を限定するものではない。即ち、本創造の特許請求の範囲に基づく均等な変形及び補足はいずれも本創造の特許の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0015】
1 グリップ部
11 入水路
2 ノズル部
21 管体
211 第1室
212 分断部
22 貫通孔
23 スプレーヘッド
231 経路
232 第2室
3 制御装置
31 押圧部材
311 組付端
312 位置決め部
313 貫通孔
32 蓋部
33 位置規制部材
34 回転制御部
34a 中心線
341 溝
342 第1段差部
343 第2段差部
344 第3段差部
345 第4段差部
342a 第1段差部
343a 第2段差部
344a 第3段差部
345a 第4段差部
312a 位置決め部
346 軸孔
347 押部
4 可動バルブステム
41 第1端
42 第2端
421 止水リング
43 スリーブ部
44 拡大部材
45 バネ