(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6981691
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】スプレーガンの制御装置
(51)【国際特許分類】
B05B 1/30 20060101AFI20211206BHJP
B05B 1/18 20060101ALI20211206BHJP
B05B 9/01 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B05B1/30
B05B1/18 101
B05B9/01
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-101280(P2020-101280)
(22)【出願日】2020年6月10日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】507134297
【氏名又は名称】源美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】鄭繼涵
【審査官】
鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3115679(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3110519(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3187893(JP,U)
【文献】
特開2013−103171(JP,A)
【文献】
特開2013−141655(JP,A)
【文献】
特開2011−50827(JP,A)
【文献】
特開2002−119892(JP,A)
【文献】
実開平3−128446(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−17/08
B05D 1/00−7/26
A01G 25/00−25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーガンの制御装置であって、
本体を含み、前記本体は、管部と、前記管部に延設される把持部を含み、前記把持部に操作部材が枢設され、操作者は、前記本体の前記把持部に沿って前記操作部材を把持及び押圧し、
前記管部にはスプレーヘッドが組み付けられ、前記本体には流路が包囲及び設置されており、前記流路は給水部及び延伸する吐水部を有し、前記給水部と前記吐水部との接合箇所に制御アセンブリが設けられており、前記制御アセンブリは、前記流路内の水の流量又は流動の開閉を調整するために用いられ、前記制御アセンブリは、バルブステムとバネ及び位置決め部を含み、前記位置決め部は前記把持部における前記管部に近接する位置に設けられ、前記位置決め部の表面には、順に配列される複数の歯部が設けられており、
前記操作部材は、一端が前記把持部の接続端の位置に枢設されており、前記接続端を支軸として圧縮及び展開するよう操作可能であり、
前記操作部材における枢設箇所の近傍には、移動可能な安全スイッチが設けられており、前記安全スイッチは、前記制御アセンブリの前記位置決め部に接触及び接合するよう配置され、前記位置決め部は前記安全スイッチの位置に対応しており、
前記安全スイッチには押圧部が設けられており、前記押圧部には支軸部が延設されており、前記支軸部は前記操作部材の溝内に枢結され、
前記押圧部は、前記支軸部を中心線として上端と下端に分割され、
前記支軸にはロック部が延設されており、前記ロック部の基端にフック部が形成され、
前記フック部は、前記位置決め部における選択された前記歯部の1つと接合可能であり、前記安全スイッチの前記フック部が前記位置決め部における選択された前記歯部と接合する際、或いは、前記歯部から離脱する際には、前記操作者が指で前記押圧部の前記上端又は前記下端を押圧し、前記押圧部の可動経路は下方且つ内側、或いは上方且つ内側となり、基本的に、両端から延伸する上端と下端が、前記支軸部を中心軸としてシーソーと類似した移動形態をなし、前記安全スイッチは、水流の開閉及び水量の大きさと段階的ロックを操作するためのユニットとしての役割を果たすスプレーガンの制御装置。
【請求項2】
前記位置決め部は第1の面及び第2の面を有し、前記歯部は前記位置決め部の前記第1の面に設けられる請求項1に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項3】
前記歯部は、前記位置決め部の前記第2の面に設置可能である請求項2に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項4】
前記フック部は下方を向いている請求項1に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項5】
前記フック部は上方を向いている請求項1に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項6】
本体及び操作部材を含み、前記本体は、管部と、前記管部に延設される把持部を含み、
前記管部と前記把持部との接続端に、制御アセンブリが包囲及び設置されており、
前記制御アセンブリは、スプレーガンの制御装置を通過する水の流動に関連する制御をスプレーガンの制御装置が実行可能となるよう配置され、
前記制御アセンブリは位置決め部を含み、前記位置決め部は、前記把持部における前記管部に近接する位置に設けられ、前記位置決め部の表面には、列をなすよう複数の歯部が設けられており、
前記操作部材は前記把持部に枢設され、前記操作部材は、第1端と、延伸する第2端を有し、前記操作部材の前記第2端の軸支点が前記把持部における前記接続端の位置に存在し、前記操作部材は前記軸支点を支軸として圧縮及び展開するよう操作可能であるスプレーガンの制御装置において、
前記操作部材における前記第2端に近接する箇所には、移動可能な安全スイッチが設けられており、前記安全スイッチは押圧部を含み、前記押圧部には支軸部が延設されており、前記支軸部は前記操作部材の溝内に枢結され、
前記押圧部は、前記支軸部を中心線として上端と下端に分割され、
前記支軸にはロック部が延設されており、前記ロック部は延伸しており、弾性を有するとともに、基端にフック部が形成されており、前記フック部は前記位置決め部に対応しており、
前記押圧部の可動経路は下方且つ内側、或いは上方且つ内側となり、基本的に、両端から延伸する上端と下端が、前記支軸部を中心軸としてシーソーと類似した移動形態をなすことで、前記安全スイッチは、水流の開閉及び水量の大きさと段階的ロックを操作するためのユニットとしての役割を果たすことを特徴とするスプレーガンの制御装置。
【請求項7】
前記位置決め部は、前記把持部の前記接続端に近接する位置に設けられ、前記位置決め部は第1の面及び第2の面を有し、前記歯部は前記位置決め部の前記第1の面に設けられる請求項6に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項8】
前記歯部は、前記位置決め部の第2の面に設置可能である請求項6に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項9】
前記フック部は下方を向いている請求項6に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項10】
前記フック部は上方を向いている請求項6に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項11】
本体及び操作部材を含み、前記本体は、管部と、前記管部に延設される把持部を含み、
前記管部と前記把持部との接続端に制御アセンブリが包囲及び設置されており、前記制御アセンブリは、スプレーガンの制御装置を通過する水の流動に関連する制御をスプレーガンの制御装置が実行可能となるよう配置されるスプレーガンの制御装置において、
前記制御アセンブリは位置決め部を含み、前記位置決め部は前記把持部における前記管部に近接する位置に設けられ、前記位置決め部の表面には列をなすよう複数の歯部が設けられており、前記操作部材は、軸支点が前記把持部における前記接続端の位置に存在し、前記軸支点を支軸として圧縮及び展開するよう操作可能であり、
前記操作部材における前記軸支点に近接する箇所には移動可能な安全スイッチが設けられており、前記安全スイッチは押圧部を含み、前記押圧部には支軸部が延設されており、前記支軸部は前記操作部材の溝内に枢結され、
前記支軸にはロック部が延設されており、前記ロック部は延伸しており、弾性を有するとともに、基端にフック部が形成されており、前記フック部は前記位置決め部に対応しており、
前記押圧部は、前記支軸部を中心軸として、可動経路が下方且つ内側、或いは上方且つ内側となるよう操作され、シーソーと類似した移動操作形態をなし、
前記フック部は、前記位置決め部における選択された前記歯部の1つと接合可能であり、前記安全スイッチの前記フック部が、前記位置決め部における選択された前記歯部に対し接離することで、前記安全スイッチは、水流の開閉及び水量の大きさの段階的ロックを操作するためのユニットとしての役割を果たすことを特徴とするスプレーガンの制御装置。
【請求項12】
前記位置決め部は、前記把持部の前記接続端に近接する位置に設けられ、前記位置決め部は第1の面及び第2の面を有し、前記歯部は前記位置決め部の前記第1の面に設けられる請求項11に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項13】
前記歯部は、前記位置決め部の第2の面に設置可能である請求項11に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項14】
前記フック部は下方を向いている請求項11に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項15】
前記フック部は上方を向いている請求項11に記載のスプレーガンの制御装置。
【請求項16】
前記フック部は少なくとも1つである請求項11に記載のスプレーガンの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガンの制御装置に関し、特に、操作部材と安全スイッチを押圧することで、手軽にロック状態とロック解除状態を切り替え可能であるとともに、水量の大きさを制御する段階的ロックが可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
散水装置としては、特許文献1が開示するような液体スプレーガンが知られている。当該液体スプレーガンは、本体と操作部材を含む。当該本体は、ハウジングのハンドル部に沿って操作者により把持され、この把持可能な部分をハウジングのハンドル部として規定可能である。当該ハンドル部は、本体の給水口部から吐水口の間まで延設されている。当該操作部材の一端は本体の給水口部に近接して枢結されており、当該操作部材には、操作部材を供給位置にロックするためのボタンが設置されている。また、当該ハウジングの給水口部から吐水口まで延伸する接続箇所には経路が設けられており、当該経路に弁がスライド可能に収容されている。当該弁はバネによって付勢され、起動することで動作可能である。操作レバーは前記弁の閉止位置と最大開放位置の間で回動可能であり、前記装置は、ボタンによって、操作レバーが最大開放位置時のロック及び最小位置時のロックを可能とする。
【0003】
特許文献2は、本体と操作部材を含む。当該本体は、当該本体のハンドル部に沿って操作者により把持され、この把持可能な部分を本体のハンドル部として規定可能である。当該ハンドル部は、本体の吐水口部と給水口部の間に設置可能であり、当該操作部材の一端が本体の給水口部に近接して枢結される。当該操作部材には、吐水口部と給水口部との接続箇所に近接してロックアセンブリが設けられている。使用者は、当該ロック部材によって当該操作部材を所望の位置にロック可能であり、操作部材を簡単に圧縮することで、操作部材の制動機能を容易にロック又は解除可能である。
【0004】
上記2つの既知の特許文献では、いずれも操作部材の一端が本体の給水口部に近接して枢結されている。また、当該操作部材には、吐水口部と給水口部との接続箇所に近接してロックアセンブリが設けられている。しかし、当該ロックアセンブリは操作部材の制動機能を容易にロック又は解除可能とするものであり、経路の水流の開閉という単一的な機能を提供できるにすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7434750号明細書
【特許文献2】欧州特許第3116657号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、改良を施したロック部材の構造を提供する。主たる目的は、実施例において、片手で制御できる操作部材を提供可能とするとともに、当該操作部材を所望の位置にロック可能とすることである。また、水量の大きさを制御可能な段階的ロック機能を更に提供する。本発明で設計する操作部材による人間工学に基づいた操作制御によれば、より省力化した複数の機能を提供可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はスプレーガンを提供する。当該スプレーガンは本体と操作部材を含み得る。操作者は、当該本体の把持部に沿って操作部材を把持及び押圧する。当該本体には流路が包囲及び設置されている。当該流路は給水部及び延伸する吐水部を有し、当該給水部と吐水部の接合箇所に制御アセンブリが設けられている。当該制御アセンブリは、当該スプレーガンが散水機能を制御可能となるよう、水流の流動を制御する。当該操作部材は、第1端と、延設される第2端を有する。当該第2端は当該本体における当該給水部と吐水部との接合箇所の外部に枢結される。当該操作部材には、第2端の枢設箇所に近接して安全スイッチが設けられており、当該安全スイッチは、当該制御アセンブリの位置決め部に接触及び接合するよう配置される。当該ロック位置とロック解除位置は、当該安全スイッチが相対的に移動して当該位置決め部に対し接離することで決定される。当該操作部材の圧縮によって当該安全スイッチは当該ロック位置となり、当該操作部材を圧縮する度に、ロック状態とロック解除状態を切り替え可能である。当該安全スイッチが当該ロック解除位置の場合には、当該操作部材が圧縮されたとしても、当該操作部材を当該ロック解除状態に維持可能である。且つ、当該安全スイッチが当該ロック位置にある場合には、当該安全スイッチが当該位置決め部に接触する。これにより、当該安全スイッチは、当該制御アセンブリを制御することで、水流の流動の開閉及び水量の大きさの段階的ロック制御を順に実施可能となる。
【0008】
以下に、概略的な名詞を用いて本発明を記載するにあたり、ここで参照する図面は複数の付属的な図面とみなす。よって、これらの図面を比率通りに記載する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の安全スイッチと本体の分解図である。
【
図2】
図2は、本発明の安全スイッチと本体の組立図である。
【
図3】
図3は、本発明の安全スイッチの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一部を拡大した断面図である。
【
図7】
図7は、本発明における水流開放の準備操作の実施例を示す。
【
図8】
図8は、本発明における水流開放操作の第1段階のロックの実施例を示す。
【
図9】
図9は、本発明における水流開放操作の第2段階のロックの実施例を示す。
【
図10】
図10は、本発明における水流開放操作の第3段階のロックの実施例を示す。
【
図11】
図11は、本発明におけるロック解除による水流閉止の準備操作の実施例を示す。
【
図13】
図13は、本発明の安全スイッチと位置決め部の他の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照し、一部操作の模式的実施例についてより詳細に説明する。なお、ここで提示する模式的実施例において、本発明は施行され得る法律及び規範を満たしている。また、ここで使用される操作可能な接合とは、直接的又は間接的な接続に関するものと理解すべきである。任意の例において、前記直接的又は間接的な接続によって、機能を有する複数の部材は互いに接続可能となり、或いは、機能を有する複数の部材は操作可能に互いに連結可能となる。
【0011】
ここで記載する一部の例示的実施例では、スプレーガンの改良設計を提供する。
【0012】
本発明における構造の結合及び関係性の特徴を説明する
図1〜
図6を参照する。当該スプレーガンの制御装置は、本体1と操作部材3を含み得る。当該本体1は、操作者が当該本体1の一部に沿って把持可能な把持部11を含む。当該把持部11は給水端11aを有する。当該把持部11には管部12が延設されており、当該管部12にスプレーヘッド121が組み付けられる。当該管部12と当該把持部11との接続箇所は接続端11bとなっている。また、当該本体1には、流路が包囲及び設置されている。当該流路は、当該把持部11に位置する給水部1aと、スプレーヘッド121まで延伸する吐水部2aを含む。当該給水端11aは給水部1aの給水口であり、水管継手を組み付けることで、水源を給水部1aに引き込むことが可能である。当該吐水部2aは、スプレーヘッド121を経由して水を放出するために、当該スプレーヘッド121に接合される。前記スプレーヘッド121には複数の異なる形態のスプレーノズルを設置可能であり、これら複数のスプレーノズルの1つを選択して吐水することが可能である。当該給水部1aと吐水部2aの接合箇所には空間14が設けられており、当該空間14には吐水部2aに通じる経路15が設けられている。当該経路15は、水流を給水部1aから吐水部2aに供給するための連絡経路である。また、空間14の位置には制御アセンブリが設けられている。当該制御アセンブリは、スプレーガンの制御装置が水流の開閉及び水量の大きさを制御する機能を実行可能となるよう配置される。当該制御機能は、スプレーガンの制御装置を通過する給水部1aから吐水部2aまでの水の流動と関連する。
【0013】
本実施例では、
図6に示すように、制御アセンブリは、バルブステム16とバネ17及び位置決め部5を含み得る。当該バルブステム16は、先端161と基端162を有する。当該バルブステム16の先端161は、当該把持部11から外部に延伸する収容溝に嵌設されており、且つ、この先端161は収容溝の外部に伸出している。また、当該基端162の近傍には拡大部163が設けられており、当該基端162は当該空間14に挿設されている。当該拡大部163は当該経路15に挿入されており、且つ、当該経路15の口部にちょうど当接する。当該バネ17は空間14に設けられており、当該バルブステム16の基端162が当該バネ17に当接している。バルブステム16はバネ17に付勢されて、当該経路15において往復変位が可能である。
【0014】
当該位置決め部5は、当該把持部11の接続端11bに近接する位置に設けられている。前記位置決め部5は第1の面5aと第2の面5bを有する。また、当該位置決め部5は当該安全スイッチ4の位置に対応している。当該位置決め部5の第1の面5aには、順に配列される1つ以上の歯部が設けられている。当該歯部は、順に配列される複数の歯部としてもよい。本実施例において、前記1つ以上の歯部は、それぞれ第1歯部51、第2歯部52、第3歯部53である。また、当該操作部材3は、水流操作のための制御ユニットとしての役割を果たす。当該操作部材3は、第1端31と、延伸する第2端32を有する。当該第2端32の軸支点は把持部11における接続端11bの位置に存在し、当該第2端32を支軸として圧縮又は展開するよう操作可能である。当該第2端32における当該把持部11の接続端11bの位置と対向する方向には当接部34が設けられており、当該当接部34がバルブステム16の先端161に当接可能である。
【0015】
操作部材3のうち第2端32に近接する箇所には溝33が設けられており、当該溝33に安全スイッチ4が組み付けられる。当該安全スイッチ4は、水流の開閉及び水量の大きさの段階的ロックを操作するためのユニットとしての役割を果たす。
図3及び
図4に示すように、当該安全スイッチ4には押圧部4aが設けられている。当該押圧部4aには支軸部45が延設されており、当該支軸部45が当該操作部材3の溝33の両側に枢結される。当該押圧部4aは、支軸部45を中心線45aとして上端41と下端42に分割される。また、当該支軸45にはロック部43が延設されている。当該ロック部43は延伸しており、弾性を有するとともに、基端にフック部44が下方に向かって形成されている。当該フック部44は、当該位置決め部5における選択された歯部の1つと接合可能である。当該安全スイッチ4のフック部44が当該位置決め部5における選択された歯部と接合する際、或いは、当該歯部から離脱する際には、操作者が指で当該押圧部4aの上端41又は下端42を押圧する。当該押圧部4aの可動経路は、下方且つ内側、或いは、上方且つ内側となり、基本的には、両端から延伸する上端41と下端42が、支軸部45を中心軸としてシーソーと類似した移動形態をなす。
【0016】
よって、
図5及び
図6の実施例において、操作部材3の第2端32は、当該把持部11の接続端11bの位置に枢結されている。操作部材3が圧縮位置まで枢動すると、操作部材3の当接部34が当該バルブステム16の先端161に接触可能となって、バルブステム16を押動する。そして、バルブステム16の位置が移動することで、水の流動停止、又は水の流動開放、又は水量の大きさを制御する段階的ロックが可能となる。
【0017】
次に、水流の開放操作、又は水流の閉止操作、又は水量の大きさ制御のためのロック操作の実施を示す
図7〜
図12を参照する。
【0018】
図7は、水流開放準備のためのロック動作を示す。操作者は、人差し指6で当該安全スイッチ4の上端41の位置を自然に押圧する。
【0019】
次に、
図8は第1段階の水量ロックの実施を示す。操作者は、人差し指6で当該安全スイッチ4の上端41の位置(図面の矢印で示す方向及び位置)を自然に押圧する。このとき、ロック部43が下方に向かって当該位置決め部5に圧接されるのと同期して、指7で操作部材3を押圧し、把持部11に向かって圧縮させる。すると、これと同時に、当接部34が当該バルブステム16の先端161に接触して内側へ押動するよう案内する。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁からわずかに離脱することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口がわずかに開放される。これにより、給水部1aからの水が吐水部2aへと案内され、最後にスプレーヘッド121から放出される。また、当該ロック部43がスライドし、当該フック部44が当該第1歯部51に噛合すると、当該操作部材3がロックされて第1段階のわずかな吐水量にロックされる。
【0020】
次に、
図9は第2段階の水量ロックの実施を示す。操作者は、人差し指6で当該安全スイッチ4の上端41の位置(図面の矢印で示す方向及び位置)を自然に押圧する。このとき、ロック部43が下方に向かって当該位置決め部5に圧接されるのと同期して、指7で操作部材を押圧し、把持部11に向かって圧縮させる。すると、これと同時に、当接部34が当該バルブステム16の先端161に接触して内側へ押動するよう案内する。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁からわずかに離脱することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口がやや大きく開放される。これにより、給水部1aからの水が吐水部2aへと案内され、最後にスプレーヘッド121から放出される。また、当該ロック部43がスライドし、当該フック部44が当該第2歯部52に噛合すると、当該操作部材3がロックされて第2段階のやや大きな吐水量にロックされる。
【0021】
なお、当該歯部は少なくとも1つの歯部とし、当該フック部44は少なくとも1つとする。
【0022】
次に、
図10は第3段階の水量ロックの実施を示す。操作者は、人差し指6で当該安全スイッチ4の上端41の位置(図面の矢印で示す方向及び位置)を自然に押圧する。このとき、ロック部43が下方に向かって当該位置決め部5に圧接されるのと同期して、指7で操作部材を押圧し、把持部11に向かって圧縮させる。すると、これと同時に、当接部34が当該バルブステム16の先端161に接触して内側へ押動するよう案内する。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁からわずかに離脱することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口が最大限に開放される。これにより、給水部1aからの水が吐水部2aへと案内され、最後にスプレーヘッド121から放出される。また、当該ロック部43がスライドし、当該フック部44が当該第3歯部53に噛合すると、当該操作部材3がロックされて第3段階の最大吐水量にロックされる。
【0023】
続いて、
図11は、水の閉止準備のためのロック操作の実施を示しており、
図12は水流を閉止した状態を示している。操作者が指6で安全スイッチ4の下端42を押圧すると、ロック部43が上方に向かって当該位置決め部5から離脱する。すると、これと同時に、当接部34が外側に向かうことで当該バルブステム16の基端162がバネ17に付勢され、バルブステム16が外側へと移動する。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁を封止することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口が閉止される。これにより、給水部1aから吐水部2aへの水の流動が停止する。
【0024】
上記の実施において、当該安全スイッチ4のロック部43の基端には、下方に向かうフック部44が形成されており、位置決め部5の第1の面5aには1つ以上の歯部が設けられている。しかし、
図13及び
図14に示すような別の構造形式の実施例としてもよい。この実施例では、当該安全スイッチ4のロック部43の基端にフック部44が上方に向かって形成されている。また、当該位置決め部5は第1の面5aと第2の面5bを有し、第2の面5bに順に配列される1つ以上の歯部が設けられている。当該1つ以上の歯部は当該フック部44と接合可能である。また、当該位置決め部5の設置位置は当該安全スイッチ4のロック部43の上方とする。当該1つ以上の歯部は、それぞれ第1歯部51、第2歯部52である。続いて、本実施例における水流開放状態を示す
図13を参照する。水量の段階的ロックを実施操作の一例とすると、操作者は、人差し指6で当該安全スイッチ4の下端42の位置(図面の矢印で示す方向及び位置)を自然に押圧する。このとき、ロック部43のフック部44が上方に向かって当該位置決め部5の第2歯部52に当接するのと同期して、指7で操作部材3を押圧し、把持部11に向かって圧縮させる。すると、これと同時に、当接部34が当該バルブステム16の先端161に接触して内側へ押動するよう案内する。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁からわずかに離脱することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口が最大限に開放される。これにより、給水部1aからの水が吐水部2aへと案内され、最後にスプレーヘッド121から放出される。また、当該ロック部43がスライドし、当該フック部44が当該第2歯部52に噛合すると、当該操作部材3がロックされて最大吐水量にロックされる。このほか、上記のような操作制御によって、ロック部43のフック部44が上方に向かって当該位置決め部5の第1歯部51に当接した場合には、最小吐水量にロックされる。
【0025】
次に、
図14は水の閉止時の実施操作を示す。操作者が人差し指6で当該安全スイッチ4の上端41を押圧し、下方且つ内側へ向かわせると、ロック部43が下方へと向かい、当該フック部44が当該位置決め部5の歯部から離脱する。すると、これと同時に、バルブステム16がロックの押圧力を喪失することで、当該バルブステム16の基端162がバネ17により付勢される。その結果、バルブステム16が外側へと移動すると同時に、当接部34を押動して操作部材3を外側へと展開させる。このとき、バルブステム16の拡大部163が当該経路15の口縁を封止することで、当該空間14における吐水部2aに通じる出口が閉止される。これにより、給水部1aから吐水部2aへの水の流動が停止する。
【0026】
以上述べたように、本発明の構造は、水流の開閉及び水量の大きさの制御という複数の機能を実現可能である。本発明は、開示した特定の実施例に限らず、これらの修正やその他の実施例もまた添付の特許請求の範囲で規定する範囲に含まれるものと解釈される。
【0027】
また、上記の説明内容及び関連の図面については、部材及び/又は機能の組み合わせの脈絡の中で実施例として記載したが、異なる部材及び/又は機能の組み合わせについても好ましい実施例によって提供可能であり、添付の特許請求の範囲で規定する範囲を逸脱することもないと解釈される。この点については、例えば、異なる部材及び/又は機能の組み合わせは、上記で詳細に記載した実施例と比較しても十分に考慮されたものであり、添付の特許請求の範囲に提示されている可能性がある。また、ここで記載した利点、優位性又は課題を解決するための方案の例については、これらの利点、優位性及び/又は解決のための方案は任意の例示的実施例に応用可能であると解釈されるが、全ての例示的実施例に応用されるとは限らない。そのため、ここで記載したあらゆる利点、優位性又は解決のための方案は、全ての実施例又はここで要求した上記実施例に不可欠、必要又は必須であるとみなすべきではない。また、ここでは特定の名詞を用いているが、これらの名詞は一般的且つ記載の便宜上の意味で用いたにすぎず、本発明を制限することを意図していない。
【符号の説明】
【0028】
1 本体
12 管部
3 操作部材
11 把持部
11a 給水端
11b 接続端
121 スプレーヘッド
1a 給水部
2a 吐水部
14 空間
15 経路
16 バルブステム
17 バネ
5 位置決め部
161 先端
162 基端
163 拡大部
5a 第1の面
5b 第2の面
4 安全スイッチ
51 第1歯部
52 第2歯部
53 第3歯部
31 第1端
32 第2端
34 当接部
33 溝
4a 押圧部
45 支軸部
45a 中心線
41 上端
42 下端
43 ロック部
44 フック部
6 人差し指
7 指
【要約】 (修正有)
【課題】スプレーガンの制御装置に関する。
【解決手段】スプレーガンの制御装置であって、本体1及び操作部材3を含む。本体には、本体に沿う把持部11と、延伸する管部12が設けられている。管部にはスプレーヘッド121が組み付けられる。本体には制御アセンブリが包囲及び設置されており、制御アセンブリは、スプレーガンを通過する水流の開閉及び水量の大きさの段階的操作に関する制御機能をスプレーガンが実行可能となるよう配置されている。操作部材は、本体の把持部と管部との接続位置に枢結可能である。操作部材には安全スイッチ4が設けられており、安全スイッチが制御アセンブリと接合する。安全スイッチは、操作部材に対して移動することで、ロック位置とロック解除位置を提供可能であるとともに、水流量の大きさの制御を可能とする。
【選択図】
図1