特許第6981692号(P6981692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6981692
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】照明器具取付装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/03 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   F21V21/03 456
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-105547(P2020-105547)
(22)【出願日】2020年6月18日
【審査請求日】2020年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】520061572
【氏名又は名称】株式会社YML
(74)【代理人】
【識別番号】100188776
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉男
(72)【発明者】
【氏名】村上 治
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−069782(JP,A)
【文献】 特開2009−193821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引掛シーリングローゼットに取り付けられる電源コネクタを有するアダプターと、配線コネクタを有する照明器具本体とを接続する照明器具取付装置であって、
前記アダプターに取り付けられるアダプター取付用プレートと、
前記アダプタ―取付用プレートの下面に設けられた灯具接続具とから構成され、
前記アダプター取付用プレートは、前記アダプターが嵌り込む大きさの内穴を有し、
前記灯具接続具は、底面と前記底面の周囲に立設された側面とを有し、
前記底面に照明器具取付部が設けられ、
前記灯具接続具が、前記底面の周囲に立設された第一の側壁部と、前記第一の側壁部上端外周に周設された第一の鍔部と
前記第一の鍔部の上面に立設された複数の吊下部材とから構成され、
前記複数の吊下部材が前記アダプター取付用プレートの下面に固定されることで、
前記灯具接続具の前記側面に開口部を形成し、
前記開口部を覆う開口部カバーが設けられ、
前記開口部カバーが第三の側壁部と前記第三の側壁部下端の内側に設けられた第三の鍔部とから構成された筒状体を左右に2分割した形状を有し、
前記開口部カバ―は前記第三の側壁部上部内周に設けられた上部係合溝と前記第三の側壁部下部内周に設けられた下部係合溝とを有し、
前記上部係合溝が前記アダプター取付用プレートに、
前記下部係合溝が前記第一の鍔部に各々係合することを特徴とする照明器具取付装置。
【請求項2】
引掛シーリングローゼットに取り付けられる電源コネクタを有するアダプターと、配線コネクタを有する照明器具本体とを接続する照明器具取付装置であって、
前記アダプターに取り付けられるアダプター取付用プレートと、
前記アダプタ―取付用プレート下面に設けられた開口部を有する筒状の灯具接続具と、
前記開口部を覆う開口部カバーとから構成され、
前記アダプター取付用プレートは、前記アダプターが嵌り込む大きさの内穴を備えたリング形状を有し、
前記灯具接続具は、底面と前記底面の周囲に立設された第一の側壁部と、前記第一の側壁部上端外周に周設された第一の鍔部と
前記第一の鍔部の上面に立設された複数の吊下ボルトとから構成され、
前記複数の吊下ボルトの上端が前記アダプター取付用プレートに固定されることで前記開口部を形成し、
前記開口部カバーが、第二の側壁部と前記第二の側壁部下端の内側に設けられた第二の鍔部とから構成される筒状の形状を有し、
前記第二の鍔部内側に前記灯具接続具の前記第一の側壁部以下が挿通され、前記複数の吊下ボルトの内、所定の吊下ボルトが前記第一の鍔部を貫通して前記第二の鍔部に設けられたボルト穴を貫通し、前記所定の吊下ボルトに螺合されたナットで前記第二の鍔部が前記第一の鍔部に固定されることを特徴とする照明器具取付装置。
【請求項3】
前記アダプターは円柱形状であって、前記アダプターは、前記アダプターの水平方向に突出する2個以上の突出部を備え、前記2個以上の突出部は前記アダプターの側面周方向に均等間隔に配置され、
前記アダプター取付用プレートは、前記アダプターの横断面形状に沿った内穴を有し、
前記アダプター取付用プレートの内穴は、前記アダプターの円柱形状に沿った円形穴部と前記2個以上の突出部の形状に沿った切欠穴部とから構成され、
前記アダプターが前記突出部を含めて嵌り込む構造を備え、
前記アダプター取付用プレートを前記アダプターに嵌め込んで、前記アダプター取付用プレートを前記アダプターに対して
回転させることで、前記アダプター取付用プレートを前記アダプタ―の突出部上に載置可能となることを
特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の照明器具取付装置。
【請求項4】
前記アダプター取付用プレートは、ストッパーを有し、
前記ストッパーは、前記アダプター取付用プレートが、前記アダプター取付用プレートを前記アダプターに嵌め込む位置に戻ることを阻止することを
特徴とする請求項3に記載の照明器具取付装置。
【請求項5】
前記ストッパーは、下向きの突起よりなり、
前記突起は、前記アダプター取付用プレートの前記切欠部において、前記アダプター取付用プレートの回転方向と交差する縁に形成されていることを
特徴とする請求項4に記載の照明器具取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に照明器具を取り付けるための照明器具取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から照明器具を天井に固定する方式として、後掲の特許文献1〜3に開示されるように、天井の給電側から伸びる電源コネクタと照明器具側から伸びる配線コネクタとを接続した後に、照明器具取付装置により照明器具を天井に固定するものが採用されている。
【0003】
特許文献1には、 天井に固着されたシーリングローゼットの下面に着脱自在に係止されるプラグ本体の周面に係止段部を有する引掛プラグと、前記引掛プラグを嵌入する嵌入孔と前記嵌入孔の内周面に径方向に出没自在に設けられた一対の係止部材とを備えたアダプター本体と、前記アダプター本体を取り付けた照明器具本体とを備え、前記引掛プラグの係止段部に、前記アダプタ本体の一対の係止部材が着脱自在に係止されることで前記照明器具本体が取り付けられる照明器具取付装置において、前記照明器具本体の外周部の複数箇所に、前記天井面に対して当接する調整用ネジを配したことを特徴とする照明器具取付装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、照明器具と電気的に接続される引掛刃を有した引掛シーリングキャップと、屋内の電気配線に接続された引掛刃用刃受部を有し天井に取り付けられる引掛シーリングボディとを備え、引掛刃を引掛刃用刃受部に嵌合することにより引掛シーリングキャップと引掛シーリングボディが電気的及び機械的に接続される照明器具取付装置において、上方に突出する係合部が引掛シーリングキャップの上面に設けられ、係合部が挿入されるとともに引掛刃が引掛刃用刃受部に嵌合した状態において係合部と係合する係合孔が引掛シーリングボディの下面に設けられたことを特徴とする照明器具取付装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、天井に装着可能なアダプター本体に、照明器具本体と着脱自在に係合する一対の係止部材を出没自在に、且つ、突出方向に付勢して設けると共に、前記係止部材の解除突片をテ−パ−形状とし、前記解除突片のテ−パ−形状にスプリングにより常に前記解除突片のテ−パ−部にスライド可能に当接されるスライド部材を設け、前記係止部材と前記スライド部材とを連動させることでアダプタ−本体下面に設けてある接続コネクタは前記係止部材がアダプタ−本体側面より没入している時は前記スライド部材の内部に隠れ、前記係止部材がアダプタ−本体側面より突出している時、電源接続コネクタは自動に露出し照明器具本体側からの電源コネクタを接続可能にし、照明器具本体側からの電源コネクタを接続することでスライド部材が電源コネクタの端部に当接し移動が規制され係止爪の没入をロックすることを特徴とする天井直付け照明器具取付装置が開示されている。
【0006】
また、後掲の特許文献4には、引掛シーリングに取り付けられ、電源コネクタを有するアダプターと、配線コネクタを有する照明器具とを接続する照明器具取付装置であって、灯具接続具、可動カバー、天井固定金具、間隔調節ボルト、天井接触金具、及び、弾力性材から構成され、灯具接続具は、照明器具が着脱自在に取り付けられると共に、天井固定金具と適宜の間隔をおいて間隔調節ボルトにより連結され、可動カバーは、灯具接続具及び間隔調節ボルトを覆い包むと共に、天井固定金具に着脱自在に取り付けられ、天井固定金具と天井接触金具との間に弾力性材が挟み込まれて一体となり、一体となった天井固定金具、弾力性材及び天井接触金具がアダプターに着脱可能に取り付けられ、灯具接続具と天井固定金具との間に形成された間隔から外部へアダプターの電源コネクタと照明器具の配線コネクタとをそれぞれ引き出すことを可能とした照明器具取付装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−353319号広報
【特許文献2】特開2008−47358号広報
【特許文献3】特開2010−165650号広報
【特許文献4】特開2015−69782号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に開示された照明器具取付装置は、天井の給電線側から伸びる電源コネクタと照明器具側から伸びる配線コネクタとを接続した後、照明器具を照明器具取付装置により天井に固定する構造のものであるため、照明器具を持ち上げながら天井の給電線側から伸びる電源コネクタと照明器具側から伸びる配線コネクタとを接続しなければならず、困難を伴うものであった。すなわち、このコネクタ同士を接続する作業は高所で行うものであり、かつ重量のある照明器具を支えながら片手で接続作業を行う必要があることから、作業性が極めて低いものであった。
【0009】
また、特許文献4に開示された照明器具取付装置は、照明器具を天井に取り付けた後に天井の給電線側から伸びる電源コネクタと照明器具側から伸びる配線コネクタとを接続することができる照明器具取付装置であるが、部品点数が多く、そのために取付作業が複雑であるという欠点があった。
【0010】
そこで本発明は上記の問題点を解決することを課題としており、部品点数を減少させた上で、照明器具を容易に仮止めすることができ、その状態で天井引掛シーリングローゼット側の電源ケーブルと照明器具側の配線ケーブルとを容易に接続することができる照明器具取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、照明器具取付装置を天井に仮止めした後に電源コネクタと配線コネクタとの接続作業を行うための開口部を有することを主な特徴とする。
【0012】
すなわち、第1の本発明の照明器具取付装置は、引掛シーリングローゼットに取り付けられる電源コネクタを有するアダプターと、配線コネクタを有する照明器具本体とを接続する照明器具取付装置であって、アダプターに取り付けられるアダプター取付用プレートと、アダプタ―取付用プレートの下面に設けられた灯具接続具とから構成され、アダプター取付用プレートは、アダプターが嵌り込む大きさの内穴を有し、灯具接続具は、底面と底面の周囲に立設された側面とを有し、底面に照明器具取付部が設けられ、側面に開口部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第1の本発明の照明器具取付装置は、灯具接続具が下面に設けられたアダプタ―取付用プレートの内穴外周が、予め天井に設けられている引掛シーリングローゼットに係合するアダプタ―の外面に設けられた、例えば出没片または尾ネジに係合することで、簡単に天井に固定される。そして、その後に灯具接続具の側面の開口部からアダプター側の電源ケーブルの先端の電源コネクタと灯具側の配線ケーブルの先端の配線コネクタとを簡単に接続することができる。このように、アダプターとアダプタ―取付用プレートの係合により、先ず照明器具を天井から落下しないように保持した後に、作業者は両手で電源コネクタと配線コネクタとの接続作業を行うことができる。
【0014】
さらに、第2の本発明の照明器具取付装置は、第1の本発明において、灯具接続具が、底面の周囲に立設された第一の側壁部と、第一の側壁部上端外周に周設された第一の鍔部と第一の鍔部の上面に立設された複数の吊下部材とから構成され、複数の吊下部材がアダプター取付用プレートの下面に固定されることで、開口部を形成することを特徴とする。
【0015】
複数の吊下部材によって、アダプタ―取付用プレートの下に空間を設けて筒状の灯具接続具を吊下することで、開口部を形成することができる。
【0016】
さらに第3の本発明の照明器具取付装置は、第2の本発明において、吊下部材が、ボルトとボルトに螺合するナットとで構成されていることを特徴とする。ボルトとナットの組み合わせにより、アダプタ―取付用プレートの下に灯具接続具を吊下することで、開口部の上下幅の設定が容易になる。
【0017】
さらに第4の本発明の照明器具取付装置は、第2の本発明において、吊下部材が、板状又は柱状の形状を有することを特徴とする。開口部の上下間隔を一定に設定する場合は、板状又は柱状の吊下部材を採用することで、構造が単純になり部品点数を減らすことができる。
【0018】
さらに第5の本発明の、照明器具取付装置は、第1〜第4のいずれか1つの本発明において、前記開口部を覆う開口部カバーが設けられたことを特徴とする。開口部カバーを設けることで、塵埃の侵入を防止するとともに意匠性の向上を図ることができる。
【0019】
さらに第6の本発明の照明器具取付装置は、第2〜第4のいずれか1つの本発明において、開口部を覆う開口部カバーが設けられ、開口部カバーが、第二の側壁部と第二の側壁部下端の内側に設けられた第二の鍔部とから構成される筒状の形状を有し、第二の鍔部内側に灯具接続具の第一の側壁部以下が挿通され、第一の鍔部の下面に第二の鍔部の上面が接合されることを特徴とする。
【0020】
電源コネクタと配線コネクタとを接続した後に開口部カバーを上方に押し上げて、アダプタ―取付用プレートの下面に固定することで、容易に塵埃の侵入を防止するとともに意匠性の向上を図ることができる。開口部カバーのアダプタ―取付用プレートの下面への固定は、第一の鍔部と第二の鍔部に各々が係合する係合片を設けることで実現できる。また、第一の鍔部の下面から下方に向けて複数のボルトを設けるとともに、第二の鍔部にこれらのボルトが貫通するボルト穴を設けて、ボルト穴を貫通させたボルトにナットを螺合して、第二の鍔部を第一の鍔部に固定することができる。
【0021】
さらに第7の本発明の照明器具取付装置は、第2〜第4のいずれか1つの本発明において、開口部を覆う開口部カバーが設けられ、開口部カバーが第三の側壁部と第三の側壁部下端の内側に設けられた第三の鍔部とから構成された筒状体を左右に2分割した形状を有し、開口部カバ―は第三の側壁部上部内周に設けられた上部係合溝と第三の側壁部下部内周に設けられた下部係合溝とを有し、上部係合溝がアダプター取付用プレートに、下部係合溝が第一の鍔部に各々係合することを特徴とする。
【0022】
左右に分割された開口部カバーを電源コネクタと配線コネクタの接続後に、灯具接続具に左右から挟み込んで装着できるので、開口部カバーの装着が容易である。
【0023】
さらに第8の本発明の照明器具取付装置は、第1〜第7のいずれか1つの本発明において、アダプター取付用プレートがリング形状を有することを特徴とする。この形状を有することにより、円柱状の引掛シーリングローゼットにしっかりと係合する。
【0024】
さらに第9の本発明の照明器具取付装置は、引掛シーリングローゼットに取り付けられる電源コネクタを有するアダプターと、配線コネクタを有する照明器具本体とを接続する照明器具取付装置であって、アダプターに取り付けられるアダプター取付用プレートと、アダプタ―取付用プレート下面に設けられた開口部を有する筒状の灯具接続具と、開口部を覆う開口部カバーとから構成され、アダプター取付用プレートは、アダプターが嵌り込む大きさの内穴を備えたリング形状を有し、灯具接続具は、底面と底面の周囲に立設された第一の側壁部と、第一の側壁部上端外周に周設された第一の鍔部と第一の鍔部の上面に立設された複数の吊下ボルトとから構成され、複数の吊下ボルトの上端がアダプター取付用プレートに固定されることで、開口部を形成し、開口部カバーが、第二の側壁部と前記第二の側壁部下端の内側に設けられた第二の鍔部とから構成される筒状の形状を有し、第二の鍔部内側に灯具接続具の第一の側壁部以下が挿通され、複数の吊下ボルトの内、所定の吊下ボルトが第一の鍔部を貫通して第二の鍔部に設けられたボルト穴を貫通し、所定の吊下ボルトに螺合されたナットで第二の鍔部が第一の鍔部に固定されることを特徴とする。所定の吊下ボルトを灯具接続具の吊下と開口部カバーの固定に兼用することで、部品点数の削減が実現できる。
【0025】
さらに第10の本発明の照明器具取付装置は、第1〜第9のいずれか1つの本発明において、アダプターは、アダプターの側面に水平方向に突出する2個以上の突出部を備え、アダプター取付用プレートは、アダプターの横断面形状に沿った内穴を有することで、アダプターが突出部を含めて嵌り込む構造を備え、アダプター取付用プレートをアダプターに嵌め込んで、アダプター取付用プレートをアダプターに対して回転させることで、アダプター取付用プレートをアダプタ―の突出部上に載置可能となることを特徴とする。
【0026】
アダプター取付用プレートは、アダプターの横断面形状に沿った内穴を備えており、アダプター取付用プレートは、その内穴によってアダプターの下方から嵌り込んで上方に抜ける構造になっている。そしてアダプター取付用プレートはアダプターの下からアダプターの突出部とアダプター取付用プレートの内穴に設けられた切欠部とを合せるようにしてアダプターに嵌めこみ、アダプターからアダプター取付用プレートを上方に抜け出させた後に、アダプター取付用プレートを回転させてアダプター取付用プレートをアダプターの突出部上に載置することができる。
【0027】
さらに第11の本発明の照明器具取付装置は、第10の本発明において、アダプターは円柱形状であって、2個以上の突出部はアダプターの側面周方向に均等間隔に配置され、アダプター取付用プレートの内穴は、アダプターの円柱形状に沿った円形穴部と2個以上の突出部の形状に沿った切欠穴部とから構成されることを特徴とする。
【0028】
さらに第12の本発明の照明器具取付装置は、第10又は第11の本発明において、アダプター取付用プレートは、ストッパーを有し、ストッパーは、アダプター取付用プレートが、アダプター取付用プレートをアダプターに嵌め込む位置に戻ることを阻止することを特徴とする。ストッパーが有ることで、アダプター取付用プレートが振動等で自然に回転してアダプタ―から外れることを防止できる。
【0029】
さらに第13の本発明の照明器具取付装置は、第12の本発明においてストッパーは、下向きの突起よりなり、突起は、アダプター取付用プレートの切欠部において、アダプター取付用プレートの回転方向と交差する縁に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の照明器具取付装置は、照明器具取付装置を天井に固定した後に電源コネクタと配線コネクタとの接続作業を行うための開口部を有するので、照明器具を手で支える必要がなく、両手で電源コネクタと配線コネクタとの接続作業を行うことができる。さらに開口部を覆う開口部カバーを設けた場合は、塵埃の侵入を防止するとともに意匠性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第一実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。
図2】本発明の第一実施例であって、アダプタ―取付用プレートをアダプターに固定した状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。
図3】本発明の第一実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。
図4】本発明の第一実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した外観の斜視図である。
図5】本発明の第二実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の斜視図である。
図6】本発明の第二実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した外観の斜視図である。
図7】本発明の第三実施例であって、引掛シーリングローゼットにアダプターを取り付ける状態を示す斜視図である。
図8】本発明の第三実施例であって、アダプター取付用プレートの構成を示す図である。(a)は裏側から見た底面図、(b)は底面図におけるY-Y線断面図、(c)は正面図である。
図9】本発明の第三実施例であって、アダプター取付用プレートの斜視図である。
図10】本発明の第三実施例であって、アダプター取付用プレートを取り付ける状態を説明する斜視図である。(a)はアダプターの下からアダプター取付用プレートを嵌めこんだ状態を示し、(b)はアダプターを通り抜けたアダプター取付用プレートをアダプターに対して90度回転させた状態を示し、(c)はアダプター取付用プレートを下降させてアダプターの突出部上に載置した状態を示す。
図11】本発明の第三実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面を使って、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の第一実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の斜視図である。図1に示すようにアダプタ―取付用プレート200の下に、灯具接続具300の上端に設けられた第一の鍔部350が吊下ボルト(吊下部材)320a、吊下ボルト(吊下部材)320b、吊下ボルト(吊下部材)320cによって吊下げられている。吊下ボルト(吊下部材)320bに対向する位置にも、吊下ボルト(吊下部材)が設けられているが、図示は省略する。第一の鍔部350の下には円筒状の第一の側壁部340が形成され、第一の側壁部340の下端には照明器具取付部310が形成されている。照明器具取付部310には、照明器具の本体パイプ700が固定されている。なお、本体パイプ700は照明器具本体の最上部であるが、照明器具本体の全体図は省略する。
【0034】
この状態では、開口部カバー400は、本体パイプ700で支えられており、開口部330は覆われていない。アダプタ―110からは電源ケーブル112が引き出され、一方本体パイプ700からは灯具接続具300の内部を通って配線ケーブル510が引き出されていて、電源ケーブル112の先端に電源コネクタ114、配線ケーブル510の先端に配線コネクタ502が設けられている。そして開口部330から電源コネクタ114と配線コネクタ502が引き出されている。
【0035】
図2は、本発明の第一実施例であって、アダプタ―取付用プレートをアダプターに固定した状態を示した構造説明用の斜視図である。図2に示すように、アダプタ―取付用プレート200の内穴210がアダプター110の出没片116と係合している。この状態では照明器具本体が固定された照明器具取付装置100は、天井に固定されており、手で支える必要がない。作業者は、照明器具取付装置100をアダプタ―110に固定した後に、電源コネクタ114と配線コネクタ502とを接続する。
【0036】
図3は、本発明の第一実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。図2の状態から開口部カバー400が上方に持ち上げられる途中の状態を示している。電源コネクタ114と配線コネクタ502とで接続された電源ケーブル112と配線ケーブル510が、灯具接続具300内に収められた後に、開口部カバー400が上方に持ち上げられ、開口部カバー400のボルト穴324aを貫通した吊下ボルト320aに長ナット322aが螺合することで、開口部カバー400の第二の鍔部352が灯具接続具300の第一の鍔部350に固定される。吊下ボルト320cと長ナット322bも同様である。
【0037】
図4は、本発明の第一実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した外観の斜視図である。図3の状態から開口部カバー400を定位置まで持ち上げた状態が図4である。開口部カバー400のボルト穴324aから出ている吊下ボルト320aに長ナット322aが、ボルト穴324bから出ている吊下ボルト320cに長ナット322bが各々螺合されて、開口部カバー400が灯具接続具300に固定される。
【0038】
図5は、本発明の第二実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の斜視図である。図5を用いて本発明の第二実施例を説明する。第二実施例の第一実施例と異なるところは、開口部カバーの形状である。他の構成は第一実施例と同じであるから説明を省略する。
【0039】
灯具接続具300がアダプター110に固定される前の状態を示しているのは図1と同じであるが、開口部カバーが第一実施例と異なり左右に半割された第一の開口部カバー410と第二の開口部カバー420の2つの部品から構成されている。そして第二の開口部カバー420の上部内周に上部係合溝430が、下部内周に下部係合溝440が設けられている。第一の開口部カバーにも同様に係合溝が設けられているが図示は省略する。
【0040】
電源コネクタ114と配線コネクタ502とが接続された後に、第一の開口部カバー410と第二の開口部カバー420とが灯具接続具300の開口部330を覆うように接合される。このとき第二の開口部カバー420の上部係合溝430と下部係合溝440が各々アダプター取付用プレート200の外周と第一の鍔部350の外周に係合する。第一の開口部カバーの上部係合溝(図示省略)と下部係合溝(図示省略)も同様に各々アダプター取付用プレート200の外周と第一の鍔部350の外周に係合する。
【0041】
図6は、本発明の第二実施例であって、開口部カバーを取り付けた状態を示した外観の斜視図である。灯具接続具300の開口部(図示省略)が第一の開口部カバー410と第二の開口部カバー420とによって完全に覆われている。
【0042】
図7は、本発明の第三実施例であって、引掛シーリングローゼットにアダプターを取り付ける状態を示す斜視図である。引掛シーリングローゼット800はその下面に係合孔810を備え、係合孔810が下向きになるように天井に設置される。引掛シーリングローゼット800は天井裏に敷設される屋内配線に接続され、引掛シーリングローゼット800の係合孔810は内部に屋内配線に電気的に接続された端子を備えている。アダプター110は円柱形をしており、その上面には、係合孔810と力学的及び電気的に接続する引掛プラグ850を備え、引掛シーリングローゼット800に矢符aの方向に嵌め込んだ後に矢符bの方向に回転させることで、ワンタッチで装着できる構造になっている。
【0043】
アダプタ―110は、水平方向に突出する突出部118を左右両側に備えており、突出部118の上面は、アダプター取付用プレート200が載置できるように上面に水平面を備えた形状をしている。突出部は2個に限られるものではない。
【0044】
図8及び図9は、アダプター取付用プレート100を示している。アダプター取付用プレート200は、アダプター110の断面形状に沿った内穴210を備え、アダプター110は内穴210によって、アダプター110の下方から嵌り込んで上方に抜ける構造になっている。
【0045】
そして、アダプター取付用プレート200は図10(a)に示すように、アダプター110の下方からアダプター取付用プレート200の内穴210を突出部118が切欠穴部214a及び214bの位置にくるように合せてアダプター110に嵌め込み(矢符c)、次にアダプター110からアダプター取付用プレート200を上方に抜け出させ、図10(b)に示すようにアダプター110上においてアダプター取付用プレート200を90度回転させて(矢符d)、その後下降(矢符e)させるとアダプター110の突出部118上にアダプター取付用プレート200を載置することができる。
【0046】
なお、アダプター取付用プレート200をアダプタ―110の突出部118上に載置した後にアダプター取付用プレート200が振動等で回転して切欠穴部214a、214bがアダプター110の突出部118の位置まで戻ってしまうとアダプター110からアダプター取付用プレート200が脱落してしまう恐れがある。そこで、アダプター取付用プレート200には、図8及び図9に示すように、切欠穴部214a、214bにストッパー202a、202b、202c、202dが設けられている。
【0047】
最後に、図11を用いて第三実施例の構成を説明する。図11は、本発明の第三実施例であって、アダプター取付用プレートをアダプタ―に固定する前の状態を示した構造説明用の一部切欠斜視図である。アダプター取付用プレート200の内穴210には、切欠穴部214bと切欠穴部214bに対向する位置に切欠穴部214a(図示省略)が設けられている。そして、アダプター取付用プレート200の下側には灯具接続具300の上端に設けられた第一の鍔部350が吊下ボルト(吊下部材)320a、320b、320cによって吊下げられている。吊下ボルト(吊下部材)320bに対向する位置にも吊下ボルト(吊下部材)が設けられているが、図示は省略する。
【0048】
アダプター110の側部には突出部118が対向して2箇所に設けられている。そして、この突出部118にアダプター取付用プレート200の切欠穴部214bを合せるようにして照明器具取付装置100を持ち上げて、回転させアダプター取付用プレート200をアダプター110の突出部118の上側に載置することになる。アダプター取付用プレート200とアダプター110以外の構成は図1に示す第一実施例と同じであるため、その説明は省略する。
【符号の説明】
【0049】
100 照明器具取付装置
110 アダプター
112 電源ケーブル
114 電源コネクタ
116 出没片
118 突出部
200 アダプター取付用プレート
202a、202b、202c、202d ストッパー
210 内穴
212 円形穴部
214a、214b 切欠穴部
300 灯具接続具
310 照明器具取付部
320a、320b、320c 吊下ボルト(吊下部材)
322a、322b 長ナット
324a、324b ボルト穴
326a、326b、326c、326d ボルト穴
330 開口部
340 第一の側壁部
342 第二の側壁部
343、344 第三の側壁部
350 第一の鍔部
352 第二の鍔部
353、354 第三の鍔部
400 開口部カバー
410 第一の開口部カバー
420 第二の開口部カバー
430 上部係合溝
440 下部係合溝
502 配線コネクタ
510 配線ケーブル
700 本体パイプ
800 引掛シーリングローゼット
810 係合孔
850 引掛プラグ
a、b、c、d、e 矢符
【要約】
【課題】部品点数を減少させた上で、照明器具を容易に仮止めすることができ、その状態で天井引掛シーリングローゼット側の電源ケーブルと照明器具側の配線ケーブルとを容易に接続することができる照明器具取付装置を提供する。
【解決手段】 引掛シーリングローゼットに取り付けられる電源コネクタ114を有するアダプター110と、配線コネクタ502を有する照明器具本体とを接続する照明器具取付装置100を、アダプター110に取り付けられるアダプター取付用プレート200と、アダプタ―取付用プレート200下面に設けられた筒状の灯具接続具300とから構成する。アダプター取付用プレート200は、アダプター110が嵌り込む大きさの内穴210を有し、灯具接続具300は、側面に開口部330と底面に照明器具取付部310とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11