特許第6981699号(P6981699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981699
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】複合遊星摩擦駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 13/08 20060101AFI20211206BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   F16H13/08 G
   H02K7/116
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-503359(P2020-503359)
(86)(22)【出願日】2018年3月31日
(65)【公表番号】特表2020-515796(P2020-515796A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】EP2018058371
(87)【国際公開番号】WO2018178380
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年10月18日
(31)【優先権主張番号】17164430.5
(32)【優先日】2017年3月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519350731
【氏名又は名称】アイエムシステムズ ホールディング ベスローテン フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】IMSYSTEMS HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ショルシュ、ヤック フロイド
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/113163(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/043579(WO,A1)
【文献】 特開2003−143805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 13/08
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一太陽ホイール(2)と遊星ホイール(3)を含む複合遊星摩擦駆動装置であって、前記第一太陽ホイール(2)が前記遊星ホイール(3)に係合し、この遊星ホイール(3)は第一半径(r1)を有する2つの外部部分(3b)と第二半径(r2)を有する中央部分(3a)を備えて配置され、第二半径(r2)は第一半径(r1)とは異なり、移行領域(3c)が外部部分(3b)と中央部分(3a)との間に設けられており、且つ、外部円環(1)と中央円環(5)が遊星ホイール(3)と駆動係合して設けられており、外部円環(1)は、遊星ホイール(3)の長さに沿って、中央円環(5)が間に配される2つの部分を有し、第一太陽ホイール(2)は遊星ホイール(3)の外部部分(3b)と摩擦係合し、遊星ホイール(3)の前記外部部分(3b)は外部円環(1)の部分と摩擦係合し、中央円環(5)は遊星ホイール(3)の中央部分(3a)と摩擦係合し、遊星ホイール(3)は中空であって外部部分(3b)、移行領域(3c)および中央部分(3a)に跨る全長に沿って不断に圧縮可能である、複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項2】
遊星ホイール(3)の中央部分がアイドリング中空第二太陽ホイール(4)と協働することを特徴とする、請求項1に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項3】
外部アイドリングホイールが遊星ホイール(3)の外部部分(3b)と外部円環(1)の2つの部分との間に配され、中央アイドリングホイールが遊星ホイール(3)の中央部分(3a)と中央円環(5)との間に配されることを特徴とする、請求項1または2に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項4】
外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールが軸方向に整列していることを特徴とする、請求項3に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項5】
外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールが、外部および中央アイドリングホイールの自由な回転を可能にするキャリア構造に取り付けられるが、軸方向に整列した状態を維持することを特徴とする、請求項3または4に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項6】
外部円環(1)の部分が中央円環(5)の周囲に届くアーム(A)によって接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項7】
モーターまたはジェネレーター(6)が第一太陽ホイール(2)に、および外部円環(1)の1つまたは両方の部分に接続される複合遊星摩擦駆動装置であって、当該複合遊星摩擦駆動装置がさらにモーターまたはジェネレーター(6)を含み、その内部に置かれるモーターまたはジェネレーター(6)に十分な空間を残すために第一太陽ホイール(2)が中空であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項8】
モーターまたはジェネレーター(6)が第一太陽ホイール(2)に、および中央円環(5)に接続される複合遊星摩擦駆動装置であって、当該複合遊星摩擦駆動装置がさらにモーターまたはジェネレーター(6)を含み、その内部に置かれるモーターまたはジェネレーター(6)に十分な空間を残すために第一太陽ホイール(2)が中空であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項9】
第一太陽ホイール(2)が物理的に接続される2つの別々の部分で構成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項10】
第一太陽ホイール(2)が接続されていない2つの別々の部分に分けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項11】
複合遊星摩擦駆動装置がさらにモーターまたはジェネレーター(6)を含み、第二太陽ホイール(4)に、および第一太陽ホイール(2)の1つまたは2つの部分に接続されるモーターまたはジェネレーター(6)を置くために、第一太陽ホイール(2)の2つの別々の部分が間に十分な空間を残すことを特徴とする、請求項9または10に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項12】
複合遊星摩擦駆動装置がさらにモーターまたはジェネレーター(6)を含み、第二太陽ホイール(4)に、および外部円環(1)の1つまたは両方の部分に接続されるモーターまたはジェネレーター(6)を置くために、第一太陽ホイール(2)の2つの別々の部分が中空であって間に十分な空間を残すことを特徴とする、請求項10に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項13】
複合遊星摩擦駆動装置がさらにモーターまたはジェネレーター(6)を含み、第二太陽ホイール(4)に、および中央円環(5)に接続されるモーターまたはジェネレーター(6)を置くために、第一太陽ホイール(2)の2つの別々の部分が中空であって間に十分な空間を残すことを特徴とする、請求項10に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項14】
第一太陽ホイール(2)の2つの別々の部分が中央部分まで延在せず、第二太陽ホイール(4)が中実であることを特徴とする、請求項10に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【請求項15】
モーターまたはジェネレーター(6)の外側が遊星ホイールの中央部分(3a)と直接摩擦係合するであろうことを意味する、第二太陽ホイール(4)が排除されて、モーターまたはジェネレーター(6)の外側が第二太陽ホイール(4)として機能することを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の複合遊星摩擦駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一太陽ホイールと遊星ホイールを含む複合遊星摩擦駆動装置であって、前記第一太陽ホイールは前記遊星ホイールに係合し、遊星ホイールは異なる半径を有する部分で構成され、移行領域が前記部分間に設けられており、且つ、前記遊星ホイールで駆動される円環が設けられており、遊星ホイールの部分の1つが第一太陽ホイールと摩擦係合し、円環と摩擦係合し、遊星ホイールのもう1つの部分がもう1つの円環と摩擦係合し、前記遊星ホイールは両方とも中空で、遊星ホイールの部分と移行領域に跨る全長に沿って不断に圧縮可能である、複合遊星摩擦駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、半径が異なり互いに同軸上に接続された、非対称な遊星ローラーを有する遊星摩擦駆動装置を開示する。
請求項1の前提部に基づく非対称型の複合遊星摩擦駆動装置は、特許文献2から知られる。複合遊星摩擦駆動装置は、不連続の歯車を有する従来の複合遊星駆動装置とは十分に区別される。本発明は、このような不連続の歯車を有しない複合遊星摩擦駆動装置に特に限定される。
【0003】
2つの引用した複合遊星摩擦駆動装置の設計または実施には困難がある。概して、摩擦駆動装置は、特に駆動装置が鋼鉄などの非常に硬い材料から作られる場合、効率的に機能するために非常に高い精度を必要とする。鋼鉄は高い応力/ひずみ関係を有するため、わずか1/1000ミリメートル公差を外れただけで、数百または数千ニュートンの圧縮力になり得て、これは材料の破損限度を超えるものである。摩擦駆動装置はまた最小の実用的なサイズを有し、これは使用される材料だけでなく、一方では、伝達する必要があるトルクの総量によって制約される。これは、2つのシリンダーが接触して置かれたときに、それらが互いに接する線が変形しているからである。接触する2つのシリンダーによる最大応力は、最小シリンダーの直径に反比例し、他の全ての条件が同一の場合、これが摩擦駆動装置の設計者に直径がより大きいシリンダーを採用するように促す。このような困難は、第一複合遊星駆動装置を提供することで特許文献3において対処された。
【0004】
しかし、特許文献3で開示された複合遊星摩擦駆動装置にも、遊星ホイールが駆動摩擦装置の駆動時に軸のねじり力を経験しやすいという不利な点がある。ねじりを防ぐ手段がない場合、遊星ホイールは最終的に回転軸に沿って動き、最終的に摩擦駆動装置のハウジングから外れるであろう。特許文献3で説明される解決策のひとつは、ローラーの追加である。もうひとつの解決策は、遊星ホイールにゆるい取付軸を通し、駆動装置の両側の蓋に接続することである。追加部分によって複雑性が増して駆動装置の効率性が下がるため、これらはすべて理想的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−65361号公報
【特許文献2】米国特許第3216285号明細書
【特許文献3】国際公開第2016/043579号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、必要な部分数が少なくて効率性が高まるように、遊星ホイールに対するねじり力を防ぐために内力が均衡された複合遊星摩擦駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の複合遊星摩擦駆動装置であって、各中空遊星ホイールが、好ましくは少なくとも3つの遊星ホイールが、第一半径を有する2つの外部部分と第二半径を有する中央部分で配置されており、第二半径は第一半径とは異なり、移行領域はそれぞれの外部部分と中央部分の間に設けられており、且つ、遊星ホイールと駆動係合にある外部円環と中央円環が設けられており、外部円環は、遊星ホイールの長さに沿って、中央円環が間に配される2つの部分を有し、第一太陽ホイールは遊星ホイールの外部部分と摩擦係合にあり、遊星ホイールの前記外部部分は外部円環の部分と摩擦係合にあり、中央円環は遊星ホイールの中央部分と摩擦係合にある、複合遊星摩擦駆動装置によって達成される。例えば、第二半径は第一半径よりも大きくてもよい。
【0008】
中空遊星ホイールは全長に沿って中空内部を有しているため、バネ式フープのように遊星ホイールが本体全体に沿って圧縮することは可能である。さらに、同一の半径を有して、間に異なる半径を有する中央部分が配置される、2つの外部部分を有する遊星ホイールの構成によって、異なる半径を有する2つの部分のみを有する先行技術の遊星ホイールを使用した操作中に発生する軸のねじり力が均衡される。例えば、遊星ホイールは特に対称的に、即ち、同じ長さの2つの外部部分で構成されてもよい。ただし、対称的ではなくても、即ち、2つの外部部分の長さが異なっていてもよい。この文脈において、「長さ」とは、遊星ホイールの長手方向、言い換えれば、遊星ホイールの本体軸に沿っているか平行である方向における寸法を意味する。したがって、遊星ホイールの長さ方向とは、遊星ホイールの回転軸に平行な遊星ホイールの軸方向である。中空内部とは、それぞれの遊星ホイールの内部にある中空空洞を遊星ホイールが提供することを意味する。一例は管状である。圧縮可能とは、少なくとも1つの遊星ホイールの体積が外力の適用によって減少するという点で、前記外力によって少なくとも1つの遊星ホイールの所定の形状が変形する可能性があることを意味する。好ましくは、本発明による複合遊星摩擦駆動装置は駆動装置内の異なる部分の安定構成が可能になるため、少なくとも3つの遊星ホイールを含む。例えば、3つの遊星ホイールは、遊星ホイールの長手方向に沿って見る場合、三角形に似た配置で配置される可能性がある。ただし、遊星ホイールの数は2つであってもよい。
【0009】
本発明による複合遊星摩擦駆動装置は、その1つの方法が例示的に説明される、様々な方法で駆動してもよい。第一太陽ホイールを駆動させるとき、太陽ホイールとの摩擦係合によって回転運動が遊星ホイールに伝達される。さらに、外部円環も外部円環の部分との遊星ホイールの外部部分の摩擦係合によって駆動させられるであろう。加えて、中央円環も遊星ホイールの中央部分との係合によって駆動させられる。故に、様々な部分の摩擦係合を介して、外部円環と中央円環は第一太陽ホイールによって間接的に駆動させられる。
【0010】

いかなる場合でも、且つ、駆動装置を操作する方法とは関係なく、本発明による複合摩擦駆動装置が摩擦に基づいて駆動するときは、操作中に発生する軸のねじり力が、第一太陽ホイールが遊星ホイールの中央部分の両側で遊星ホイールに摩擦係合するという事実によって、均衡される。故に、遊星ホイールの軸のねじりが回避されて、遊星ホイールは縦軸に沿って動くことがない。さらに、追加のアイドリングホイールおよび/または支持要素が不要なため、特許文献3と比較して使用部分の数が少なく、複合摩擦駆動装置の効率性が高い。
【0011】
本発明の異なる実施形態において、外部円環の1つまたは2つ両方の部分、第一太陽ホイール、および中央円環は異なる機能を持っていてもよい。一般的に、前述部分のひとつは入力要素として機能してよく、ひとつは出力要素として機能してよく、ひとつは固定用土台として機能してよい。したがって、前述部分の機能を変えることで6つの異なる構成が可能である。各部分の変化する機能の結果として、異なる部分への前述の機能の割当ごとにギア比が変化する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、遊星ホイールの中央部分は、好ましくは摩擦係合によって、第一太陽ホイールと協働する。この構成は、入力として、出力として、固定用土台として、またはアイドリング部分、即ち、駆動装置の操作によって動くが追加機能を満たす必要はない部分として機能するかを選択できる追加要素を提供する。外部円環の1つまたは2つ両方の部分、第一太陽ホイール、および中央円環もまたアイドリング要素として機能することができ、それによって駆動装置を操作できる構成の数が24個の異なる選択肢に広がる。さらに、第二太陽ホイールは、遊星ホイールの中央部分に中央円環によって生じる圧力と均衡がとれた圧力を加えることで、遊星ホイールの曲げをさらに防いでもよい。この応力のもうひとつの効果は摩擦係合の改善であり、伝達されるトルクの上昇の許容に繋がる。第二太陽ホイールは好ましくは中空である。ただし、構成に応じて、第二太陽ホイールは中実であってもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、ここから、「典型的な構成」と称する場合、これは好ましい例示的構成または実施形態であり、第一太陽ホイールは入力として機能し、第二太陽ホイールはアイドリング要素として機能し、外部円環の部分は固定用土台として機能し、中央円環は出力として機能する。
【0014】
本発明の実施形態において、外部アイドリングホイールは遊星ホイールの外部部分と外部円環の部分の間に配され、且つ、中央アイドリングホイールは遊星ホイールの中央部分と中央円環の間に配される。外部アイドリングホイールを遊星ホイールの外部部分と外部円環の部分の間に配することが、さらに均衡がとれた力の分布を遊星ホイールに提供し、それによって、摩擦係合を介する第一太陽ホイールから遊星ホイールの外部部分への回転の伝達を確保しながら、軸のねじり力の均衡が改善されることに繋がってもよい。しかし、駆動装置の部分数が増える。
【0015】
この実施形態において、外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールは軸方向に整列していることが好ましい。この配置であれば、力を均衡させることによって軸のねじりを回避するという利点を維持しながら、単純な構成が可能になる。例えば、外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールは、好ましくはキャリア構造に取り付けられてもよく、これで外部および中央アイドリングホイールは自由に回転できるが、軸方向に整列したままである。
【0016】
本発明の一実施形態において、外部円環の部分は、中央円環の周囲に延在するか届くアームまたはポーションによって接続される。この構成によって、外部円環の部分は結合していて、独立して回転することはできない。しかし、いかなる場合でも、外部円環の部分は中央円環に関連して回転してよい。したがって、外部円環の接続される部分は、例えば、入力要素として機能してもよく、中央円環は出力要素として機能してもよく、逆もまた同様である。さらに、他の構成では入力要素もしくは出力要素として、または固定用土台として、またはアイドリング要素として、接続された2つの外部円環の部分を伴う可能性がある。外部円環の部分の共通回転が求められ、小さい体積が設計を促すものではないとき、この選択肢が前後に回転する用途にとって最も簡潔な選択肢である。ただし、ほぼすべての連続して回転する用途にとって、この実施形態は、固定用土台または中央円環に接続される出力に干渉する可能性がある、中央円環の周囲に延在するアームまたはポーションによって生じる限定的な操作角度が理由で、いかなる解決策も提供しない。
【0017】
本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置はモーターまたはジェネレーターを含み、第一太陽ホイールは、第一太陽ホイールの中空内部の中に置かれて、第一太陽ホイールに、好ましくは直接、接続されて、また外部円環の1つまたは両方の部分に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続されるモーターまたはジェネレーターに十分な空間を残すために中空である。例えば、モーターまたはジェネレーターの出力または入力シャフトは、第一太陽ホイールと結合されてもよく、モーターまたはジェネレーターのハウジングは外部円環の1つまたは両方の部分に接続されてもよく、逆もまた同様である。この構成を使用するモーターまたはジェネレーターは、第一太陽ホイールと外部円環の部分との間で相対回転を駆動させることができる。この構成の利点は、第一太陽ホイールからまたは第一太陽ホイールへの、モーターもしくはジェネレーターの力またはトルクの間接伝達によって引き起こされる、より低い望まない摩擦損失の有無に関係なく、前記相対回転が駆動させられることである。これは複合遊星摩擦駆動装置の効率性を向上させる。さらに、前段の実施形態で説明したように、この接続によって、外部円環の部分が、中央円環の周囲に延在するアームまたはポーションを介してそれらに接続することなく独立して回転することを防ぐことができる。これによって、連続回転を必要とする用途が可能になる。
【0018】
本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置はモーターまたはジェネレーターを含み、第一太陽ホイールは、第一太陽ホイールの中空内部の中に置かれて、第一太陽ホイールに、好ましくは直接、接続されて、また中央円環に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続されるモーターまたはジェネレーターに十分な空間を残すために中空である。例えば、モーターまたはジェネレーターの出力または入力シャフトは、第一太陽ホイールと結合されてもよく、モーターまたはジェネレーターのハウジングは中央円環に接続されてもよく、逆もまた同様である。この構成を使用するモーターまたはジェネレーターは、第一太陽ホイールと中央円環との間で相対回転を駆動させることができる。この構成の利点は、第一太陽ホイールと中央円環からまたは第一太陽ホイールと中央円環への、モーターもしくはジェネレーターの力またはトルクの間接伝達によって引き起こされる、より低い望まない摩擦損失の有無に関係なく、前記相対回転が駆動させられることである。これは複合遊星摩擦駆動装置の効率性を向上させる。ただし、モーターまたはジェネレーターと中央円環との間の接続は、外部円環の1つまたは両方の部分の周囲に延在する1つまたは2つのアームまたはポーションを介してのみ作ることができる。駆動装置の中央を通る接続または中央円環の周囲の接続を介して、外部円環の部分が接続されるとき、外部円環の部分の間の接続がモーターまたはジェネレーターと中央円環との間の接続に干渉しない場所に、限定された操作角度が生じるであろう。これは、この実施形態を前後に回転する用途に限定する。
【0019】
本発明の一実施形態において、第一太陽ホイールは、物理的に接続されているか組立時に物理的に接続される、2つの別々の部分で構成されている。結果として、第一太陽ホイールの第一および第二部分は共通回転のみを行ってもよい。この構成には、中空第二太陽ホイールを第一太陽ホイールの周囲に配置しやすいという利点がある。これは、複合遊星摩擦駆動装置の組立と製造の両方を容易にする。
【0020】
本発明の一実施形態において、第一太陽ホイールは、接続されていない2つの別々の部分に分かれている。さらに、2つの別々の部分は中央部分まで延在しない。第一太陽ホイールの第一部分と第二部分の間に機械的接続がない場合、両方の部分は互いに独立して回転できる。結果として、この構成は差動歯車装置に類似している。この構成は組立工程にとって有益で、第一太陽ホイールがアイドリングしているときは共通回転の重要性が低いため、第一太陽ホイールがアイドリング要素として機能する場合は好ましい選択肢である。もうひとつの利点は、第一太陽ホイールの1つまたは両方の部分が中空である場合、内部から第二太陽ホイールに到達できることである。結果として、第二太陽ホイールはアイドリング要素として機能する以外に、入力として、出力として、または固定用土台として機能できるようになり、これは駆動装置の外側の部分と接続できない場合のみに可能な機能である。
【0021】
前段に記載の実施形態に対応する本発明の一実施形態において、第一太陽ホイールの2つの別々の部分は、中空第二太陽ホイールを2つの部分の間に嵌合または配置するために、間に十分な空間を残し、この中空第二太陽ホイールは、モーターまたはジェネレーターを第二太陽ホイールの中に置くために十分な空間を残し、モーターまたはジェネレーターは第一太陽ホイールに、好ましくは直接、接続されて、また第一太陽ホイールの1つまたは両方の部分に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続される。例えば、モーターまたはジェネレーターの出力または入力シャフトは、第二太陽ホイールと結合されてもよく、モーターまたはジェネレーターのハウジングは第一太陽ホイールの1つまたは両方の部分に接続されてもよく、逆もまた同様である。この構成を使用するモーターまたはジェネレーターは、第一太陽ホイールの第一部分もしくは第二部分または両方の部分(物理的に接続されている場合)と第二太陽ホイールとの間で相対回転を駆動してもよい。この構成の利点は、第一太陽ホイールと外部円環の部分からまたは第一太陽ホイールと外部円環の部分への、モーターもしくはジェネレーターの力またはトルクの間接伝達によって引き起こされる、より低い望まない摩擦損失の有無に関係なく、前記相対回転が駆動させられることである。これは複合遊星摩擦駆動装置の効率性を向上させる。モーターまたはジェネレーターを第一太陽ホイールの両方の部分に接続する構成のもうひとつの利点は、共通回転(一定の用途にとって望ましい)を強制する接続が駆動装置内部で作られることである。結果として、中央円環を超えて延在する、外側に接続がないことが求められ、これがより小さな体積と、最大操作角度に関する規制が無くなることに繋がる。
【0022】
この実施形態について、第一太陽ホイールの2つの部分を中実にするかは任意である。これは、複合遊星摩擦駆動装置の組立と製造の両方を容易にする。ただし、第一太陽ホイールの2つの部分が中実の場合、モーターまたはジェネレーターは、ケーブルを介して駆動装置の外側の電源またはシンクに接続することができず、少なくとも容易なことではない。ひとつの選択肢は、内部でバッテリーを使用することである。もうひとつの選択肢は、第一太陽ホイールの2つの部分を導電材料から作り、1つの部分を正極に、もう1つの部分を負極に接続することである。これによって、モーターまたはジェネレーターの配線を第一太陽ホイールの対応する部分に接続することで、バッテリーを使用せずにモーターまたはジェネレーターを作動させることが可能になる。
【0023】
上述のとおり、第一太陽ホイールが接続されていない2つの別々の部分に分かれる、本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置はモーターまたはジェネレーターを含み、第一太陽ホイールの2つの別々の部分は中空で、モーターまたはジェネレーターを第二太陽ホイールの中に置くために十分な空間を残す中空第二太陽ホイールをこれらの間に嵌合または配置するために、間に十分な空間を残し、モーターまたはジェネレーターは第一太陽ホイールに、好ましくは直接、接続されて、また外部円環の1つまたは両方の部分に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続される。例えば、モーターまたはジェネレーターの出力または入力シャフトは、第二太陽ホイールと結合されてもよく、モーターまたはジェネレーターのハウジングは外部円環の1つまたは両方の部分に接続されてもよく、逆もまた同様である。この構成を使用するモーターまたはジェネレーターは、外部円環の1つまたは両方の部分と第二太陽ホイールとの間で相対回転を駆動してもよい。この構成の利点は、第二太陽ホイールと外部円環の部分からまたは第二太陽ホイールと外部円環の部分への、モーターもしくはジェネレーターの力またはトルクの間接伝達によって引き起こされる、より低い望まない摩擦損失の有無に関係なく、前記相対回転が駆動させられることである。一般的に、ここでアイドリング要素として機能する第一太陽ホイールと、ここで入力として機能する第二太陽ホイールを除き、典型的な構成ですべての部分が機能するとき、駆動装置は、摩擦係合しているすべての部分の寸法を同一に維持しながら、典型的な構成の機能を使用するときよりも高いギア比を達成することができる。この実施形態は、この高いギア比の構成に特に適している。
【0024】
上述のとおり、第一太陽ホイールが接続されていない2つの別々の部分に分かれる、本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置はモーターまたはジェネレーターを含み、第一太陽ホイールの2つの別々の部分は中空で、モーターまたはジェネレーターを第二太陽ホイールの中に置くために十分な空間を残す中空第二太陽ホイールをこれらの間に嵌合または配置するために、間に十分な空間を残し、モーターまたはジェネレーターは第一太陽ホイールに、好ましくは直接、接続されて、また中央円環に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続される。例えば、モーターまたはジェネレーターの出力または入力シャフトは、第二太陽ホイールと結合されてもよく、モーターまたはジェネレーターのハウジングは中央円環に接続されてもよく、逆もまた同様である。この実施形態において、中央円環は固定用土台として機能する可能性が最も高く、これは第二太陽ホイールが入力として機能することを意味する。外部円環の部分と、おそらく第一太陽ホイールの部分との間に互いに干渉しないような接続、またはモーターまたはジェネレーターと中央円環との間の接続を作るには、複雑な構造が求められる。結果として、この実施形態が好適な用途はまだ見つかっていない。
【0025】
モーターまたはジェネレーターが中空第二太陽ホイールの内部に置かれて第二太陽ホイールに直接接続され、また第一太陽ホイールの1つもしくは両方の部分、外部円環の1つもしくは両方の部分、または中央円環に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続される本発明の各実施形態について、第二太陽ホイールを排除してモーターまたはジェネレーター自体を第二太陽ホイールとして機能させることが可能である。即ち、モーターまたはジェネレーターのハウジングの外側が遊星ホイールの中央部分と摩擦係合し、モーターまたはジェネレーターおよび特にこれらの出力もしくは入力シャフトもまた、第一太陽ホイールの1つもしくは両方の部分、外部円環の1つもしくは両方の部分、または中央円環に、例えばフレームまたは1つもしくはそれ以上の他の中間相互接続要素を介して、接続される。この構成には、例えば、モーターまたはジェネレーターが第一太陽ホイールの2つの部分の間に容易に置かれてもよい、という利点がある。モーターまたはジェネレーターが第二太陽ホイールと第一太陽ホイールの1つまたは両方の部分に接続される場合、第一太陽ホイールの部分はモーターまたはジェネレーターを内部に置くために中空である必要はない。これは、複合遊星摩擦駆動装置の組立と製造の両方を容易にする。
【0026】
上述の第一太陽ホイールが2つの部分に分かれる本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置は、第一太陽ホイールの2つの別々の部分が中央部分まで延在しないことと第二太陽ホイールが中実であることで特徴づけられる。
【0027】
本発明の一実施形態において、複合遊星摩擦駆動装置は、第二太陽ホイールが排除されることと、モーターまたはジェネレーターの外側が第二太陽ホイールとして機能することで特徴づけられ、これはモーターまたはジェネレーターの外側が遊星ホイールの中央部分と直接摩擦係合するであろうことを意味する。
【0028】
本発明の目的は必要な部分数を減らすことだが、特許文献3で説明されているとおりに外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールを含む本発明の一実施形態を作ることは可能である。これは、他の遊星ホイールに関連して遊星ホイールを先進または後退させることを防ぐ。
【0029】
本発明は、本発明の範囲を限定しない、本発明による複合遊星摩擦駆動装置の例示的な実施形態の図面を参照して、以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による装置の第一実施形態を示す側断面図。
図2】外部円環の2つの部分を接続し、中央円環に入力シャフトと同軸の出力シャフトを設けている、装置の一構成を示す側断面図。
図3図2による装置の上面図。
図4】装置内に入力モーターを含む本発明の一構成を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図において同じ参照番号が使用される場合、これらの番号は必ず同じ部分を指す。
図1は、本発明の基本実施形態を断面図で示す。具体的には、図1は、第一太陽ホイール2、2つの中空遊星ホイール3、アイドリング中空第二太陽ホイール4、中央円環5が中に配置されている、外部円環1の2つの部分を示す。この概略図では、明確にするために、周囲への接続はすべて省略されている。実際には、本発明による複合遊星摩擦駆動装置を外部環境に接続するには膨大な数の方法がある。
【0032】
2つの遊星ホイール3は、中央部分3aと、遊星ホイールの長手軸に沿って中央部分3aの両側にある2つの外部部分3bを含む。外部部分3bには第一半径r1があり、これはそれぞれの遊星ホイールの長手軸に垂直に見える。中央部分3aには、第一半径r1とは異なり、例示では、好ましくはより大きい、第二半径r2がある。中央部分3aは、それぞれの移行領域3cを介して外部部分3bに接続されている。さらに、第一太陽ホイール2は、遊星ホイール3の外部部分3bと摩擦係合している。加えて、外部円環1の2つの部分と中央円環5は、2つの遊星ホイール3と駆動係合するように構成されている。具体的には、各遊星ホイール3の外部部分3bが、外部円環1の2つの部分と摩擦係合している。中央円環5は、各遊星ホイール3の中央部分3aと摩擦係合している。各遊星ホイール3は中空で、外部部分3b、移行領域3cおよび中央部分3aに跨る全長に沿って不断に圧縮可能である。
【0033】
さらに、各遊星ホイール3の中央部分3aは、例えば摩擦係合によって、アイドリング中空第二太陽ホイール4と協働する。アイドリング中空第二太陽ホイール4は、第一太陽ホイール2に軸方向に整列しており、第一太陽ホイール2の円周表面に設けられた円周のくぼみに配置されている。くぼみは、第一太陽ホイール2の隣接部よりも小さな半径を有するため、中空第二太陽ホイール4の半径に嵌合する。さらに、各遊星ホイール3の中央部分3aは、外部部分3bよりも大きな半径r2を有するため、第一太陽ホイール2のくぼみの寸法に嵌合し、部分的にくぼみ内に配置される。アイドリング中空第二太陽ホイール4が使用されなかった場合、遊星ホイール3の中央部分3aは、第一太陽ホイール2に接触しない。
【0034】
図1の複合遊星摩擦駆動装置が、遊星ホイール3のそれぞれの外部部分3bと外部円環1の2つの部分との間に配される、外部アイドリングホイールを含むことも可能である。さらに、中央アイドリングホイールは遊星ホイール3の中央部分3aと中央円環5との間に配されてもよい。この場合、外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールは両方とも軸方向に整列している。外部アイドリングホイールと中央アイドリングホイールが、外部および中央アイドリングホイールの自由な回転を可能にするキャリア構造に取り付けられることも可能である。
【0035】
図1に記載の駆動装置の構成要素または構成部分、即ち外部円環1の2つの部分の1つもしくは両方、第一太陽ホイール2、第二太陽ホイール4、または中央円環5は、すでに概説したとおり、異なる機能を有してもよい。一般的に、前述部分のひとつは入力要素として機能してよく、ひとつは出力要素として機能してよく、ひとつは固定用土台として機能してよく、ひとつはアイドリングであってもよい。特に、これは第二太陽ホイール4がすべての構成においてアイドリングでなくてもよいことを意味する。各部分の変化する機能の結果として、各部分への前述の機能の割当の変化ごとにギア比が変化する。典型的な構成は、すでに定義したとおり、第一太陽ホイール2が入力要素として機能し、第二太陽ホイール4がアイドリング部分として機能し、外部円環1の2つの部分が固定用土台として機能し、中央円環5が出力として機能する構成である。これは、固定用土台として機能するとき、外部円環1の部分を互いに接続するのに有益であってもよい。後者は図2図3に示される。図2は、図1の実施形態と類似した実施形態の側面図を示す。図3は、図2と同一の実施形態を上面図で示す。図2では、図1の外部円環1の2つの部分が互いに接続されている。さらに、中央円環5は外部シャフトが備えられたアームAを含む。ただし、この構成では、全出力回転は不可能である。
【0036】
外部円環1がアイドリング要素として使用される場合、外部円環1の2つの部分は接続されている必要がないことに留意すべきである。
図4は、第一太陽ホイール2が中空であることによって、中にモーター6が置かれる空洞Cを設けている、本発明による複合遊星摩擦駆動装置のもうひとつの実施形態を非常に概略的に示す。モーター6の出力シャフト8は、それによって入力要素として機能している第一太陽ホイール2に直接接続されている。さらに、モーター6のハウジング9は、土台として機能する外部円環1への、例えばボルト7によって実現される、フレームに接続されている。ただし、モーター6のハウジング9は、外部円環1の代わりに中央円環5に接続されることも可能である。モーター6の出力シャフト8は、それによって入力要素として機能している中央円環5または外部円環1のいずれかに接続されることも可能である。この場合、モーター6のハウジング9は、土台として機能する第一太陽ホイール2に接続されていてもよい。モーター6のハウジング9が遊星ホイール2に結合され、出力シャフト8がボルト7を介して外部円環1に結合されることも可能である。ただし、反対の状況も可能である。第一太陽ホイール2内に設けられた空洞Cによって、モーター6、例えばモーターのハウジング9を、ボルト7を介して、それによって固定用土台として機能する外部円環1に固定することができる。図1の実施形態と同様に、多くの構成がモーター6を第一太陽ホイール2内に配置して実現されてもよく、この構成はモーター6の出力シャフト8とハウジング9が接続されている部分に大きく依存する。
【0037】
さらに、第一太陽ホイール2は第一および第二部分を含んでもよい。これらの2つの部分は物理的に、即ち機械的に、接続されていてもよく、または接続されていなくてもよい。第一太陽ホイール2の第一および第二部分が互いに接続されていない場合、第一太陽ホイール2の第一および第二部分は両方とも、これらの間に配置されている空洞Cを設けてもよい。さらに、モーター6は前記空洞に置かれている。モーター6、例えばモーターのハウジングまたは出力シャフトは、第一太陽ホイール2の2つの部分の1つまたは両方へのフレームを介して、第二太陽ホイール4および、例えばモーターの出力シャフトまたはハウジングに直接接続されていてもよい。代替手段として、モーター6、例えばモーターのハウジングまたは出力シャフトは、出力円環として機能してもよい、少なくとも1つの外部円環1へのフレームを介して、第二太陽ホイール4および、例えばモーターの出力シャフトまたはハウジングに接続されていてもよい。第三の代替手段として、モーター6、例えばモーターのハウジングまたは出力シャフトは、中央円環5へのフレームを介して、第二太陽ホイール4および、例えばモーターの出力シャフトまたはハウジングに直接接続されていてもよい。第一太陽ホイール2の第一および第二部分は、円環5の平面内で互いに間隔があけられていてもよく、第二太陽ホイール4は中実であってもよい。
【0038】
第一太陽ホイール2が単一部分のみを含む場合、第二太陽ホイールの実装は、3Dプリントまたはレーザー焼結のような付加的な製造技術によって、好ましくは第一太陽ホイール2と共に、実際に実現されてもよい。3Dプリントを利用しない場合、アイドリング第二太陽ホイール4を中央に備えた第一太陽ホイール2を製造することは不可能になる。これに対処する複数の選択肢は、以下を含むが、これに限定されない。
【0039】
駆動装置の底面から頂点まで届く1つの第一太陽ホイールを作る。ここで、「頂点」は図4にある本発明の実施形態の上部に関連し、「底面」は図4の下部に関連する。底面のみに大半径を有し、中央および頂点部分に、第二太陽ホイール4を通すのに必要な小半径を有する。大半径を有する第二太陽ホイールは、第一太陽ホイールを第二太陽ホイールに通して頂点に置く。例えばボルトで、これらを結合する空間を作り出すために、いずれも頂点で遊星ホイールよりも長くなるように延ばすことができる。
【0040】
もうひとつの選択肢は、底面と中央部分に嵌合する1つの中実の太陽ホイールと、頂点部分に嵌合するもう1つの中実の太陽ホイールを作ることである。次に、ボルトが、これらに接続するために、これらの両方の端から端まで延在する。
【0041】
第三の選択肢は、底面と頂点部分のみに嵌合する2つの中実の太陽ホイールを作ることである。この場合、1つはもう1つに従い、同様に機能するであろう。不利な点は、内力の均衡が失われることである。この構成において、アイドリング太陽ホイール4は同様に中実に作ることができる。
【0042】
本発明は、本発明の複合遊星摩擦駆動装置の例示的な実施形態を参照して、前部で論じられているが、本発明は、本発明の要旨を逸脱することなく多くの方法で変化する可能性がある、この特定の実施形態に限定されない。したがって、論じられた例示的な実施形態は、それに厳密に従って添付の請求項を解釈することに使用されないものとする。それどころか、実施形態は、請求項をこの例示的な実施形態に限定する意図はなく、添付の請求項の語句を説明することだけを意図している。したがって、本発明の保護の範囲は、添付の請求項のみに従って解釈されるものとし、請求項の語句において可能性がある曖昧さは、この例示的な実施形態を使用して解決されるものとする。
図1
図2
図3
図4