(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981713
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】ハンダ吸い取り器の吸引ポンプ
(51)【国際特許分類】
B23K 1/018 20060101AFI20211206BHJP
F04B 9/127 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B23K1/018 A
F04B9/127
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-104017(P2019-104017)
(22)【出願日】2019年5月16日
(65)【公開番号】特開2020-185610(P2020-185610A)
(43)【公開日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591089198
【氏名又は名称】小松 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小松 伸一
【審査官】
正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−103063(JP,U)
【文献】
実公昭14−016934(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/018
F04B 9/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉袋(3)で密閉された内側に容積確保板(7)を配し、更に容積確保板(7)の内側に、上固定板(8)と下固定板(9)を配する、上固定板(8)は上引き板(1)に密閉袋(3)の外側から固着し、下固定板(9)は下引き板(2)に密閉袋(3)の外側から固着する、上引き板(1)と下引き板(2)の間隔を広めることによって、エアーノズル(5)から空気を吸い込む、この吸引力により溶けたハンダを空気と一緒に吸い込むハンダ吸い取り器の吸引ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のプリント基板の補修に使われるハンダ吸い取り器に使われる吸引ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の修理で電子部品を取り外すときに、ハンダごてでハンダ付けされている部位のハンダを溶かし、それを吸い取る工具が必要です。
利き手でハンダごてを持ち、もう片方の手でボタンを押すと、バネの力で吸引するハンダ吸い取り器がある。
ハンダを吸い取る前に、バネを伸ばして吸引する力を溜める操作によって、ハンダを吸い取る強い吸引力を得る仕組みである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハンダを吸い取る前にかならず、バネを伸ばして吸引する力を溜める操作をしなければならない煩わしさがあった。
本発明は、足踏み動作の足を下ろす操作で、溶融しているハンダを吸い取る強い吸引力を発生する、簡単で低価格な吸引ポンプを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第6図より、密閉袋(3)で密閉された内側に容積確保板(7)を配し、更にその内側に、上固定板(8)と下固定板(9)を配する、上固定板(8)は上引き板(1)に密閉袋(3)の外側から皿ネジ(10)で固着し、下固定板(9)は下引き板(2)に密閉袋(3)の外側から皿ネジ(10)で固着する構造である。
【0005】
第7図において、第1図に示す密閉袋(3)に内蔵している容積確保板(7)の形を示し、密閉袋(3)で閉じられている内容量が平で最小の容積であることを示す。
第8図において、第2図に示す密閉袋(3)に内蔵している容積確保板(7)の形を示し、密閉袋(3)で閉じられている内容量が正方体に近い最大の容積であることを示す。
容積確保板(7)は、上引き板(1)と下引き板(2)の間隔によって、つまり、第7図の最小容量から第8図の最大容量の変形によって、比例的に容量が変化するものである。
【0006】
第9図において、上引き板(1)が本体側板(12)に固定し、フック(11)がペダル(13)に繋がれて、さらに、エアノズル(5)に、ホース(14)を接続し、ハンダを吸着するハンダフィルター(15)と吸い取り口(16)を結び、ハンダ吸い取り器を構成するのを示す。
【発明の効果】
【0007】
ペダル(13)に足をのせていなければ、第7図の様に容積確保板(7)が平らになり、密閉袋(3)の容積が最小になる。
ペダル(13)に足をのせて徐々に押し込んでいき、最後には、第8図の様に容積確保板(7)が立方体の形になり、密閉袋(3)の容積が最大になる。
このペダル(13)に足をのせて押し込む度合いによって密閉袋(3)の容積も比例的に変化する。
これは、精密に吸い込み量を調節できることであり、瞬間に押し込むときに最大限の吸い込む力が発生するということである。
精密な吸い込み量と、最大の吸い込む力が、足の踏み込み方で調整でき、ハンダごてを片手にハンダの溶け具合いを見ながら、吸い取り口(16)をあてて、ペダル(13)を踏み込む操作で、ハンダを取り除くことができる。
足を離せば、輪ゴム(6)の締め付けにより、排気弁(4)により、密閉袋(3)内の空気はすぐに排出され、第1図の様にすぐに復帰する。
ペダル(13)の操作により、ハンダの吸い取りが、ハンダごてを取り外したい部品に当てるだけで、連続的に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図7】本発明の容積確保板の最小容量の上面,正面図である。
【
図8】本発明の容積確保板の最大容量の上面,正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1図において、密閉袋(3)を挟んだ、上引き板(1)と下引き板(2)を、輪ゴム(6)が締めている様子を示す。
第2図において、上引き板(1)を固定して、下引き板(2)を下方向に引くと、輪ゴム(6)が伸び、密閉袋(3)が変形している様子を示す。
【0010】
第3図において、AとA’、BとB’、CとC’は、それぞれ接着し密閉状の密閉袋(3)になる。
密閉袋(3)は、ゴムなどの柔らかい材料とする。
第4図において、DとD’、EとE’、FとF’は、それぞれ接着し容積確保板(7)になる。
容積確保板(7)は、ポリプロピレンなどの硬くて折り曲げに強い材料とする。
【0011】
第5図と第6図において、上引き板(1)と上固定板(8)が、密閉袋(3)と容積確保板(7)を挟んで、皿ネジ(10)で固定し、さらに、下引き板(2)と下固定板(9)が、密閉袋(3)と容積確保板(7)を挟んで、皿ネジ(10)で固定するのを示す。
【0012】
第9図において、上引き板(1)が本体側板(12)に固定し、フック(11)がペダル(13)に繋がれて、さらに、エアノズル(5)に、ホース(14)を接続し、ハンダを吸着するハンダフィルター(15)と吸い取り口(16)を結び、ハンダ吸い取り器を構成するのを示す。
【符号の説明】
【0010】
1 上引き板 2 下引き板
3 密閉袋 4 排気弁
5 エアーノズル 6 輪ゴム
7 容積確保板 8 上固定板
9 下固定板 10 皿ネジ
11 フック 12 本体側板
13 ペダル 14 ホース
15 ハンダフィルター 16 吸い取り口