【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、複数の埋め込み構造物を互いの状況で視覚化するための改善された方法を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1による画像データセットを視覚化する方法、請求項13による画像データセットを視覚化するシステム、及び請求項14によるコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0008】
本発明の第1の態様により、画像データセット(詳細には、医用画像データセット)を視覚化するための方法が提供され、視覚化データセットは、少なくとも第1のオブジェクトと第2のオブジェクトを有する三次元構成を表示し、
第1組のパラメータ(即ち、参照組のパラメータ)を第1のオブジェクトに割り当てるステップと、
第2組のパラメータ(即ち、インコンテキスト組の分類パラメータ)を第2のオブジェクトに割り当てるステップと、
医用画像データセットを、第1のサブ領域(即ち、参照サブ領域)と第2のサブ領域(即ち、インコンテキストサブ領域、詳細には関心領域)に分割するステップと、
三次元構成の視覚化をボリュームレンダリング法(VRM)によって、詳細には、レイキャスティング法又はボリュームパストレーシング法によって提供するステップとを含み、第1組のパラメータが、第1のオブジェクトを視覚化するための第1のサブ領域に適用され、第2組のパラメータが、第2のオブジェクトを視覚化するための第2のサブ領域に適用される。
【0009】
最新技術とは対照的に、本発明による方法は、第2のオブジェクトの第2のサブ領域内にある部分を切り抜く代わりに、第2のオブジェクト又は少なくとも第2のオブジェクトの第2のサブ領域内の部分を視覚化することを可能にする。詳細には、第2のサブ領域内で第1のオブジェクトの少なくとも一部分が、同時に切り抜かれる。換言すると、本発明による方法により、視覚化データが、一方では、第1のオブジェクトの第1の視覚化サブ領域内にある部分を、詳細には画面上に示し、他方では同時に、第2のオブジェクトの第2の視覚化サブ領域内にある部分を、詳細には画面上に示す。プロセッサが提供され、プロセッサは、少なくとも、ボリュームレンダリング法(VRM)によって三次元構成の視覚化を提供するように構成され、第1のオブジェクトの第1の視覚化サブ領域内の視覚化部分と、第2のオブジェクトの第2の視覚化サブ領域内の視覚化部分を、ワークステーションの画面などの画面上に表示することが好ましい。詳細には、第1の視覚化サブ領域と第2の視覚化サブ領域は、画面上に互いに隣接する。その結果、第1のオブジェクトの内部構造(例えば、肝臓などの臓器の内部構造)を第1の仮想化サブ領域内に表示でき、同時に、第2のオブジェクトの少なくとも一部分が、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの間の相対位置を識別するために第2の視覚化サブ領域内で視覚化される。第1のオブジェクトは、好ましくは臓器であり、第2のオブジェクトは、血管又は埋没物である。また、第2のオブジェクトが、第1のオブジェクト(即ち、臓器)内にある腫瘍であることが考えられる。詳細には、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトが、第1のサブ領域と第2のサブ領域の上に延在する。明瞭にするために、熟練者は、本発明が第1のオブジェクトと第2のオブジェクトに限定されず、任意数のオブジェクトに拡張されうることを理解されたい。
【0010】
一般に、第1組のパラメータ及び/又は第2組のパラメータが、ボリュームレンダリング法の一部であり、即ち、これらのパラメータは、ボリュームレンダリング法に組み込まれ、ボリュームレンダリング法の出力に影響を及ぼしうる。第1組のパラメータ及び/又は第2組のパラメータを、第1のオブジェクト及び/又は第2のオブジェクトの画像化特徴(ハウンズフィールドスケールで対応
するレンジのような特徴)に適応させることによって、第1のサブ領域内の第1のオブジェクトと第2のサブ領域内の第2のオブジェクト上に視覚化プロセス(詳細には、ボリュームレンダリング法)を集中できる。詳細には、所定の照明及びカメラパラメータ化においてレイ
経路がボリューム内に進められるとき、クリッピング、分類及び照明の複合効果が蓄積される。第1組のパラメータが第1のオブジェクトに最適化され、第2組のパラメータが第2のオブジェクトに最適化されることが好ましい。詳細には、用語「最適化」は、ボリュームレンダリング法(VRM)によって第1のオブジェクトの値がゼロでなくなり、第2のオブジェクトの値がほとんどゼロになるように、第1組のパラメータが選択されることを意味する。例えば、第1のパラメータセットと第2のパラメータセットは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトにそれぞれ割り当てられた様々なハウンズフィールド
のレンジに基づいて選択される。
【0011】
第2のサブ領域は、画像データセットの、第1のオブジェクト内で見えるように切り抜かれた部分を表わすことが好ましい。更に、画像データセットは、コンピュータトモグラフィ(CT)又は磁気共鳴(MR)によって生成されたデータセットなどの医用画像データセットであることが好ましい。例えば、データセットは、三次元又は四次元データセットである。それにより、データセットは、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトの各ボリューム要素の密度(即ち、密度値)を含む。密度は、物理的密度、光学的密度、屈折率及び/又は
強度値、色、透明性及び/又は不透過値でよく、スカラー値、ベクトル又はテンソルとして示されうる。
【0012】
第1のオブジェクトの空間関係とコンテキスト(即ち、第2のオブジェクトの位置)を知ることによって、外科医は、血管を傷つけることなく、最良角度でオブジェクトに近づくことを決定できる。更に、外科医は、患者が手術可能かどうかを早く決定でき、また患者に、行っていることとリスクが何かを示すことができる。更に、難しい事例で未熟な外科医と学生を訓練できる。
【0013】
本発明の更に有利な実施形態及び特徴は、以下の記述で明らかにされるように、従属クレームによって示される。本明細書に記載されていない更なる実施形態を示すために、必要に応じて、様々な請求カテゴリの特徴が組み合わされうる。
【0014】
好ましい実施形態によれば、第1のサブ領域と第2のサブ領域両方のボリュームレンダリング法に、1組のクラシファイヤリソースが使用される。同じクラシファイヤリソースを使用することによって、メモリ使用量とコンピュータメモリ内へのフェッチ量が最小化され、したがって、描写速度を改善する。用語「クラシファイヤリソース」は、本発明の文脈では、画像データセットの対応
強度値を、明るさ、
強度、色、透明度及び/又は不透明度値にマッピングする基本色パレットを表す。クラシファイヤを適用することによって、様々な
強度値によって特徴付けられる内部構造が見えるようになる。この手法で、速度とメモリが最適化され、領域全体に色統一性がよりよく確保される。更に、実行時に適用される各サブ領域の様々な種類のオフセットと材料を有する同じクラシファイヤリソースを使用することによって、ボリュームレンダリング法は、領域ごとに完全に独立したリソースセットの使用よりも単純化され、利用可能な計算時間を利用して、パストレーシングアルゴリズムでより高品質な対話型画像を実行でき、その結果、より正確なフォトリアリスティック描写が生成される。
【0015】
好ましい実施形態では、第1組のパラメータ及び/又は第2組のパラメータのパラメータが、材料パラメータ(即ち、分類パラメータ)である。材料パラメータは、例えば、画像データセットのボリューム要素に割り当てられた組織若しくは領域密度重量、又は組織若しくは領域固有の拡散、光沢、反射、屈折、透過度、放射率、位相関数を定義するパラメータである。
【0016】
画像データセットが、クリッピング要素(詳細には、クリッピング面)によって第1のサブ領域と第2のサブ領域に分割されることが好ましい。それにより、クリッピング要素は、第1のサブ領域と第2のサブ領域の境界を画定し、クリッピング要素は、詳細には、画面上の第1の視覚化サブ領域と第2の視覚化サブ領域を分割する視覚化されたクリッピング面を指す。詳細には、クリッピング要素は、第1のオブジェクトの視覚化部分が画面上に表示されないように配置され方向付けされる。換言すると、クリッピング要素は、内部構造又は第1のオブジェクトを分析するために第1のオブジェクト内を通る。また、クリッピング要素又は視覚化クリッピング要素が、少なくとも部分的に曲げられることが考えられる。例えば、クリッピング要素の輪郭が、第1及び/又は第2のオブジェクトの形状に適応される。ユーザがクリッピング要素の好きな輪郭を選択できることが好ましい。また、このクリッピング要素に加えて更に他のクリッピング要素が提供されることが考えられる。したがって、例えば、第1のオブジェクトの一部分をクリッピング要素によって切り抜くことに加えて、第2のオブジェクトの一部分を更に他のクリッピング要素によって切り抜くことができる。
【0017】
好ましい実施形態によれば、
第1組のパラメータを第1のサブ領域内にあるサンプリング点に割り当てるステップ、及び/又は、
第2組のパラメータを第2のサブボリューム内にあるサンプリング点に割り当てるステップを含むボリュームレンダリング法が提供される。そのようなボリュームレンダリング法は、パストレーシングボリュームレンダリング法としても知られ、レイ
経路をボリューム内に進めてレイ
経路に沿って各交差サンプリング点をサンプリングし、レイ
経路は、ボリューム内の構造物ではね返るか透過するか反射し、最終的に光に遭遇したときに見えるようになる。
【0018】
好ましくは、ボリュームレンダリング法は、更に、
サンプリング点が第2のサブ領域内にあり、かつ詳細には非コンテキストモードが選択されている場合に、レイ
経路に沿ったサンプリング点を無視するステップと、
第1のサブ領域内のサンプリング点に第1組の分類パラメータを適用するステップと、
詳細にはインコンテキストモードが選択された場合に、第2組の分類パラメータを第2のサブ領域内のサンプリング点に適用するステップとを含む。
【0019】
したがって、第2の視覚化サブ領域内の第2のオブジェクトを選択的に表示でき有利である。詳細には、第2のオブジェクトの視覚化部分は、非コンテキストモードでは、視覚化された第2のサブ領域内に表示されず、コンテキストモードでは、視覚化された第2のサブ領域内に表示される。従って、例えば、第2の視覚化サブ領域内の第2のオブジェクトの部分が、第1のオブジェクトの第1の視覚化サブ領域内の部分のビューを妨げるとき、ユーザは、非コンテキストモードとコンテキストモードを切り替えることができる。
【0020】
複雑な照明効果を含むために、更に、各サンプリング点又は画像化データセットのボリューム要素における散乱イベント(散乱光の方向が統計的に分散された)を考慮できる。好ましくは、散乱イベントが、モンテカルロシミュレーションによって実現され、最終照明値は、複数の光線の各照明値の統計的平均化の結果である。
【0021】
好ましくは、MPRモードが提供され、MPRモードでは、多断面変換(MPR)が、クリッピング要素(詳細には、クリッピング面)上に付加的に示され、好ましくは選択的不透過値がMPRモード描写ステップ中であることが好ましい。一般に、多断面変換は、第1及び/又は第2の臓器の二次元断面として視覚化され、断面は、第1及び/又は第2のオブジェクトのクリッピング要素の現在位置に対応する。詳細には、半透明埋め込みMPRは、放射線技師(MPRの二次元断面ビューに使用される)と外科医(三次元視覚化に使用される)の両方に対応するために、クリッピング要素の表面、好ましくはクリッピング面上にマッピングされる。サンプリング点がクリッピング要素上にある場合、MPRモードステップで不透過値が確認される。不透過値に基づいて、MPRサンプリング点が見えるかどうかが決定される。例えば、MPRがサンプリング点で完全に不透明なとき、MPR値が、サンプリング点における
経路に適用される。MPRが半透明の場合は、MPR値が記憶され、レイがその経路をボリューム内に続ける。その
経路を終了した後で、記憶されたMPR値が、MPR透過度値を表わすために終了
経路に割り当てられた値と組み合わされる。また、クリッピング面の現在位置又は向きに対応する二次元断面が別々に表示されることが考えられる。例えば、現在のクリッピング要素の二セクション断面は、ボリューム視覚化の隣りに表示される。
【0022】
好ましい実施形態では、クリッピング要素が移動可能であり、サンプリングの量が、クリッピング要素(10)の移動中に減少されることが好ましい。クリッピング要素を移動させることによって、第1のサブ領域と第2のサブ領域を変化させ、従って第1の視覚化サブ領域と第2の視覚化サブ領域を変化させうる。プロセッサは、ユーザがクリッピング要素をシフト又は回転できるか、クリッピング要素が自動的にシフト又は回転されるように構成されることが好ましい。したがって、平面がシフトされるときにオブジェクト内を検索するために、よく知られているスクロール及び「メルトスルー」効果が提供される。更に、プロセッサは、視覚化された三次元構成を回転させるように構成される。
【0023】
クリッピング要素上にあるサンプリング点のサンプリング繰り返しは、第2のサブ領域及び/又は第1のサブ領域内にあるサンプリング点のサンプリング繰り返しよりも大きいことが好ましい。詳細には、クリッピング要素上にMPRのクリーンでノイズの少ないビューを達成し、従ってクリーンなメルトスルー効果を達成するために、MPRステップが正確に実行される。クリッピング要素の後ろで繰り返す繰り返しの数を少なくすることによって、クリッピング要素の後ろのオブジェクトはノイズが多くなるが、クリッピング要素の近く又はその上の視覚化構造が正確になる。更に、第1のオブジェクト及び/又は第2のオブジェクトが、境界におけるより高い精度を保証するためにクリッピング要素の近くにあるとき、バイナリサーチなどの改良が行われることが考えられる。
【0024】
別の好ましい実施形態では、準備ステップでデータセットが選択され、データセットは、画像データセットとメタデータ情報を含む。メタデータ情報を組み込むことによって、追加情報をプロセッサに提供できる。追加情報は、例えば、第1のオブジェクト及び/又は第2のオブジェクトに関する情報、患者又は疾病に関する情報を含む。プロセッサは、画像データセットを視覚化する方法が自動的に適応されるように構成されることが好ましい。また、データセットがメタデータ情報を含まない場合に、メタデータ情報を組み込むためのワークフローが提供されることが考えられる。
【0025】
好ましくは、用語「自動的に」は、例えばトレーニングされたニューラルネットから得られた検出器が、スキャンタイプ(例えば、動脈、静脈、門脈、コントラストタイプ)などの関連メタデータ情報を検出するために使用されることを示す。詳細には、検出は、ラベル付き画像データセットの調査によるトレーニングに基づく。従って、より信頼できるメタデータ情報を使用して、デフォルトセットのパラメータの微調整、例えば、血管系が動脈相データセットなどの高コントラストを含むかどうかに基づいて、第1と第2の領域のクラシファイヤパラメータ間の関係と変化量を自動的に決定できる。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、第1組のパラメータと第2組のパラメータの割り当ては、好ましくはメタデータ情報に基づいて自動的に実行される。第1のオブジェクトにはデフォルトの第1組のパラメータがあり、第2のオブジェクトにはデフォルトの第2組のパラメータがあることが好ましい。これらのデフォルトセットのパラメータは、メタデータ情報が第1及び/又は第2のオブジェクトを示すときに、プロセッサによってデフォルトで使用される。この方法を個別の画像データセットとその特定の特性に適応させるために、ユーザは、デフォルトセットのパラメータを修正できることが好ましい。
【0027】
更に他の好ましい実施形態では、好ましくはメタデータ情報と詳細には画像内の特徴に基づいて、画像データセットが、第1のサブ領域と第2のサブ領域に自動的に分割される。例えば、メタデータ情報は、臓器内の腫瘍の位置を含み、クリッピング要素は、クリッピング要素が腫瘍の最良ビューを得るために第1のオブジェクトを適正位置で分割するように方向付けされる。クリッピング要素の位置及び/又は向きの選択は、トレーニングされたネットワークのデータベースに基づいており、データベースは、類似の事例でクリッピング要素の位置及び/又は向きを含むことが好ましい。また、クリッピング要素の輪郭が、詳細には検出器の使用によって、メタデータ情報に基づいて自動的に選択されることが考えられる。
【0028】
例えば、医用画像ヘッダ及び他の添付情報からの指示などのメタデータ情報が提供され、この情報は、画像内容と共に、第1の臓器を識別し、画像データセットを第1のサブ領域と第2のサブ領域に自動分割するために使用される。次に、腫瘍などの潜在的疾病が、第1の臓器の分析、詳細には
強度テクスチャ分析を実行することによって大雑把に識別される。最後に、クリッピング面が、前向きで識別腫瘍に対して所望位置に位置決めされ、周囲の血管(即ち、第2のオブジェクト)が表示される。
【0029】
別の好ましい実施形態では、分類パラメータが、メタデータ情報に基づいて又はワークフローによって選択される。
【0030】
本発明の別の態様は、画像データセット(詳細には、医用画像データセット)を視覚化するためのシステムであり、視覚化データセットは、少なくとも第1のオブジェクトと第2のオブジェクトがある三次元構成を表示し、
第1組の分類パラメータを第1のオブジェクトに割り当て、
第2組の分類パラメータを第2のオブジェクトに割り当て、
表示可能なボリュームを第1のサブ領域と第2のサブ領域に分割し、
ボリュームレンダリング法(詳細には、パストレーシング法)によって三次元構成の視覚化を提供するよう構成された装置を含んでおり、第1組の分類パラメータが第1のサブ領域に適用され、第2組の分類パラメータが第2のサブ領域に適用される。システムは、プロセッサ、画面などの表示装置、及び/又は人間機械インタフェースとしての入力装置を含むことが好ましい。
【0031】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラム製品がプログラマブル装置のメモリにロードされたときに本発明による方法のステップを実行するためのコンピュータプログラム製品である。
【0032】
更に他の利点及び特徴は、添付図面を参照して本発明による分析方法の以下の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。個々の実施形態の個々の特徴は、本発明の範囲内で互いに組み合わされうる。