特許第6981736号(P6981736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000002
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000003
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000004
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000005
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000006
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000007
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000008
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000009
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000010
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000011
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000012
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000013
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000014
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000015
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000016
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000017
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000018
  • 特許6981736-樹脂隆起部自動低減システム 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981736
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】樹脂隆起部自動低減システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/10 20060101AFI20211206BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20211206BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20211206BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20211206BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20211206BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G05D1/10
   B64C39/02
   B64D47/08
   B64F5/10
   G01N21/84 B
   G05B19/418 Z
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-118840(P2016-118840)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-54486(P2017-54486A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2019年6月10日
(31)【優先権主張番号】14/747,222
(32)【優先日】2015年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, グレゴリー エル.
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0210997(US,A1)
【文献】 特開2012−181194(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0010007(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104648512(CN,A)
【文献】 特開2014−153359(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/168729(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0018525(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0043303(US,A1)
【文献】 特表2011−530692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D1/00−1/12
B64C 39/02
B64D 47/08
B64F 5/10
G01N 21/84
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、該装置は、
前記装置による複合材構造体(204)の点検作業中、前記複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する無人搬送機(220)と、
前記無人搬送機(220)に物理的に付随した表面点検センサシステム(303)と、
前記無人搬送機(220)及び前記表面点検センサシステム(303)と通信する、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)と、
前記無人搬送機(220)に物理的に付随した不均一低減システム(224)であって、許容誤差の範囲外(238)にあると識別された不均一(214)を低減するため、前記無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が制御する不均一低減システム(224)と、
を備え、前記無人搬送機(220)が、前記表面(212)上の表面突起をまたぐように構成された脚を備えるクローラーである、装置。
【請求項2】
前記表面点検センサシステム(303)が、前記装置の前記作業中に前記複合材構造体(204)の前記表面(212)に関する点検情報(228)を生成し、且つ前記無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の前記無人搬送機(220)の動きを自律的に制御し、前記表面点検センサシステム(303)から前記点検情報(228)を受信し、前記点検情報(228)を用いて、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)のスキャンを行う、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表面点検センサシステム(303)が、前記無人搬送機(220)と一群の無人搬送機(234)のうちの少なくとも一方の、現在の位置(216)に関する位置情報(230)を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
位置(216)が識別されたときに、前記無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、点検情報(228)を用いて、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)のスキャンを開始する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記表面点検センサシステム(303)が、
位置(216)における、望ましい量よりも多い量の樹脂(304)の存在を識別する材料識別装置(300)、及び
前記位置(216)において前記表面(212)の測定プロファイル(306)を識別する表面スキャナ(302)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記表面点検センサシステム(303)は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記無人搬送機(220)が六脚類である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複合材構造体(204)は、ビークルの部品、航空機の部品、航空機、翼、胴体部、エンジンカウル、水平安定板、客室フロア、及び自動車用フード、のうちの1つから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
表面(212)上の表面突起をまたぐように構成された脚を備えるクローラーである無人搬送機(220)を、複合材構造体(204)の表面(212)上の位置(216)に自動的に移動することと、
前記無人搬送機(220)に物理的に付随した表面点検センサシステム(303)で、前記位置(216)において、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)に関する点検情報(228)を自動的に生成することと、
前記位置(216)において、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)を、前記点検情報(228)を用いて自動的にスキャンすることと、
前記無人搬送機(220)に物理的に付随した不均一低減システム(224)で、許容誤差の範囲外(238)にある前記不均一(214)を自動的に低減することと
を含む、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の前記不均一(214)を低減する方法。
【請求項10】
前記不均一(214)を自動的にスキャンすることが、
前記点検情報(228)に基づいて測定プロファイル(306)を識別することと、
比較(316)を形成するため、前記測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較することと、
前記不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきであるかどうかを前記比較(316)に基づいて判定することと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合に、前記位置(216)にタグ付けすること
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)は、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の前記無人搬送機(220)の動きを自律的に制御する、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記表面点検センサシステム(303)が、樹脂(304)の存在を識別する材料識別装置(300)、及び前記表面(212)の測定プロファイル(306)を識別する表面スキャナ(302)を備える、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記表面点検センサシステム(303)は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択される、請求項に記載の方法。
【請求項15】
樹脂(304)低減システムによる複合材構造体(204)の点検作業中、前記複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する無人搬送機(220)と、
前記樹脂(304)低減システムの前記作業中、表面点検センサシステム(303)が前記複合材構造体(204)の前記表面(212)に関する点検情報(228)を生成する、前記無人搬送機(220)に物理的に付随した表面点検センサシステム(303)と、
前記無人搬送機(220)に物理的に付随した不均一低減システム(224)と、
前記樹脂(304)低減システムの前記作業中、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、前記複合材構造体(204)の前記表面(212)上の前記無人搬送機(220)の動きを自律的に制御し、前記表面点検センサシステム(303)から前記点検情報(228)を受信し、前記点検情報(228)に基づいて、測定プロファイル(306)を識別し、比較(316)を形成するため、前記測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきかどうかを前記比較(316)に基づいて判定し、許容誤差の範囲外(238)と識別された前記不均一(214)を低減するため、前記不均一低減システム(224)を制御し、次いで、前記不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合、位置(216)に材料で物理的にマーキングすること、前記位置(216)の座標を記憶すること、または前記位置(216)の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実施することによって、前記不均一(214)の前記位置(216)をタグ付けし、それによって前記不均一(214)の効率的な低減を可能にする、前記無人搬送機(220)及び前記表面点検センサシステム(303)と通信する前記無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)と、
を含む、樹脂低減システムであって、
前記無人搬送機(220)が、前記表面(212)上の表面突起をまたぐように構成された脚を備えるクローラーである、樹脂低減システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して複合材構造体に関し、具体的にはビークル用の複合材構造体に関する。さらに具体的には、本開示は、航空機用の複合材構造体上の樹脂隆起部を点検し低減する方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
航空機用の複合材翼の製造において、テープ及び織物を積層することから来る小鋸歯状突起の影響を低減するため、当て板が使用され得る。当て板は、移行エリアを平滑化するためにもまた、使用され得る。
【0003】
しかし、これらの当て板は、当て板端部に沿って隆起部の形成を引き起こし得る。望ましいよりも大きいサイズを有し得る隆起部を識別するため、点検が実施され得る。望ましくない樹脂隆起部を引き起こし得る他の工程には、バギングによるしわ、並びに、コボンド接着及びコキュア接着された部品間の移行エリアが含まれる。さらに、複合材構造体の再加工や廃棄によって、航空機の製造コストが、望ましくない額にわたって増大する可能性がある。
【0004】
したがって、上記の問題点の少なくとも幾つかと、他の起こり得る問題点とを考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。限定しないが例として、時間の増大や費用の増大を伴う技術的問題、安全の問題、人間工学上の問題、または、複合材構造体の再加工もしくは廃棄を伴うそれらの組み合わせを考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態は、装置であって、当該装置による複合材構造体の点検作業中に、当該複合材構造体上を移動する無人搬送機(AGV)と、当該無人搬送機に付随する表面点検センサシステムと、当該無人搬送機及び当該表面点検センサシステムと通信する、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラと、を備える装置を提供し得る。
【0006】
本開示の別の実施形態は、複合材構造体の表面上の不均一を低減するための方法を提供する。無人搬送機は、複合材構造体の表面上の位置に、自動的に移動し得る。当該位置における複合材構造体の表面に関する点検情報は、表面点検センサシステムによって自動的に生成され得る。当該位置における複合材構造体の表面上の、許容誤差の範囲外にある不均一は、点検情報を使用して自動的にスキャンされ得、それによって不均一を効率的に低減することが可能である。
【0007】
本開示のさらなる別の実施形態は、樹脂低減装置による複合材構造体の点検作業中に、当該複合材構造体表面上を移動し得る無人搬送機と、当該無人搬送機に付随する表面点検センサシステムと、当該無人搬送機に付随した不均一低減システムと、当該無人搬送機及び表面点検システムと通信する、無人搬送機/表面点検システム用コントローラと、を備える樹脂低減装置を備え得る。表面点検センサシステムは、樹脂低減システムの動作中に、複合材構造体の表面に関する点検情報を生成し得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラは、樹脂低減システムの動作中に、複合材構造体の表面上の無人搬送機の動きを自律的に制御し得、表面点検センサシステムから点検情報を受信し得、点検情報に基づいて測定プロファイルを識別し得、比較を形成するため、測定プロファイルを予想プロファイルと比較し得、不均一が許容誤差の範囲外にあり低減されるべきかどうかを比較に基づいて判定し得、不均一が許容誤差の範囲外にあり低減されるべきである場合、不均一をどの程度低減するかを比較に基づいて識別し得、許容誤差の範囲外と識別された不均一を低減するため、不均一低減システムを制御し得る。次いで、コントローラは、不均一が許容誤差の範囲内になるまで低減されるべきではない場合、不均一の効率的な低減のため、当該位置に材料で物理的にマーキングすること、当該位置の座標を記憶すること、または当該位置の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実行することによって、不均一の位置にタグ付けをし得る。
【0008】
本開示のさらに別の例示的実施形態は、複合材構造体の表面上の樹脂を低減するための方法を含み得る。点検位置は、複合材構造体の表面上の位置における、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出することによって、識別し得る。無人搬送機は、複合材構造体の表面上の位置に、自動的に移動し得る。無人搬送機は、表面に接触せずに表面上を移動するか、または表面に接触した状態で表面上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造物の表面上を移動する。無人搬送機は、自律クローラー(autonomous crawler)、航空ドローン、無人地上ビークル、及び無人航空ビークルのうちの1つから選択され得る。複合材構造体の表面上の無人搬送機の動きは、コントローラによって自動的に制御され得る。当該位置における複合材構造体の表面に関する点検情報は、センサシステムによって自動的に生成され得る。センサシステムは、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択され得る。方法は、点検情報に基づいて測定プロファイルを識別することにより、当該位置における複合材構造体の表面上の許容誤差の範囲外にある不均一を、点検情報を用いて自動的にスキャンし得る。測定プロファイルは、比較を形成するため、予測プロファイルと比較され得る。方法は、比較に基づいて、不均一が許容誤差の範囲外にあり、低減されるべきかどうかを決定し得る。さらに、方法は、不均一が許容誤差の範囲外にあり低減されるべき場合に、比較に基づいて、どれだけの不均一を低減すべきかを識別し得る。不均一が許容誤差の範囲外にある場合、不均一が許容誤差の範囲内になるまで、不均一のサイズは不均一低減システムによって低減され得る。これによって、望ましくない不均一の効率的な低減が可能になる。不均一低減システムは、研磨装置、隆起部低減システム、レーザ低減システム、エンドエフェクタ、またはレーザシステムの少なくとも1つから選択され得る。不均一が許容誤差の範囲内になるまで低減されるべきではない場合、当該位置に材料で物理的にマーキングすること、当該位置の座標を記憶すること、または当該位置の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実行することによって、当該位置は自動的にタグ付けをされ得る。無人搬送機と一群の無人搬送機のうちの少なくとも一方の、現在の位置に関する位置情報は、自動で生成され得る。表面上における無人搬送機の動きは、センサシステムから受信した位置情報を用いて制御され得る。
【0009】
特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態において単独で実現することが可能であるか、または以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細が理解され得る、さらに別の実施形態において組み合わされることが可能である。
【0010】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規の機能は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、例示的な実施形態と、好ましい使用モードと、そのさらなる目的及び特徴とは、添付図面を参照して本開示の例示的な実施形態の後述の詳細な説明を読むことによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な一実施形態による複合材製造環境の図解である。
図2】例示的な一実施形態による複合材製造環境のブロック図である。
図3】例示的な一実施形態による、望ましくない不均一を検出するデータフロー図である。
図4】例示的な一実施形態による移動点検ユニットの図解である。
図5】例示的な一実施形態による移動点検ユニットの別の図解である。
図6】例示的な一実施形態による、航空ドローンの形態の移動点検ユニットの図解である。
図7】例示的な一実施形態による航空ドローンの図解である。
図8】例示的な一実施形態による移動点検ユニットの図解である。
図9】例示的な一実施形態による移動点検ユニットの別の図解である。
図10】例示的な一実施形態による、ある位置上における移動点検ユニットの図解である。
図11】例示的な一実施形態による、樹脂隆起部を低減する移動点検ユニットの図解である。
図12】例示的な一実施形態による、複合材構造体の表面上の望ましくない不均一を低減するプロセスのフロー図である。
図13】例示的な一実施形態による、複合材構造体の表面上の望ましくない不均一を低減するプロセスの、より詳細なフロー図である。
図14】例示的な一実施形態による、望ましくない不均一を低減するために識別する、プロセスのフロー図である。
図15】例示的な一実施形態による、複合材構造体の表面上の樹脂を低減するプロセスのフロー図である。
図16】例示的な一実施形態による、不均一が許容誤差範囲外にあって低減されるべきかどうかを決定するプロセスのフロー図である。
図17】例示的な一実施形態による航空機の製造及び保守方法の図解である。
図18】例示的な一実施形態による航空機の製造及び保守方法を用いて、製造された航空機の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態では、1または複数の異なる検討事項が、認識され考慮に入れられている。限定しないが例として、例示的な実施形態では、航空機用の複合材翼の製造においては、テープまたは織物を積層することから来る鋸歯状突起の影響を低減し移行エリアを平滑化するために使用される当て板によって、樹脂隆起部が形成されるという結果につながり得るということが、認識され考慮に入れられている。例示的な実施形態では、これらのタイプの隆起部が、樹脂隆起部を研磨するといった作業を通じてサイズを低減され得ることが、認識され考慮に入れられている。
【0013】
現在は、繊維の中まで研磨してしまう懸念のため、作業人員が翼の瑕疵を点検し得、手作業で研磨を実施し得る。ある場合には、回転研削アタッチメント付き空気動力工具といった研磨ツールが、作業人員によって用いられ得る。余剰の樹脂を除去するためのこのタイプの処理は、非常に労働集約的である。さらに、例示的な実施形態では、樹脂の低減に際して、翼内の繊維の中まで研磨してしまうことは望ましくない可能性があることが、認識され考慮に入れられている。過研磨によって、再加工の量が増大するか、複合材翼を廃棄するという結果につながり得る。
【0014】
例示的な実施形態では、硬化複合材部品は、硬化複合材部品に対する衝撃に起因する不均一の発生が生じやすいことが、認識され考慮に入れられている。このタイプの不均一は、目視発見困難な衝撃損傷(BVID)と呼ばれ得る。例示的な実施形態では、硬化複合材部品に対して実施される手作業は、このタイプの不均一の原因になり得ることが、認識され考慮に入れられている。
【0015】
例示的な実施形態ではまた、作業人員に、翼の上を移動させ点検及び研磨を実施させることによって、人間工学上の問題が発生すると同時に、翼の上に望ましくない不均一がさらに発生する可能性があることが、認識され考慮に入れられている。この結果、例示的な実施形態では、複合材翼の製造は、航空機用の他の複合材構造体の製造と同様、複合材構造体の表面から樹脂を除去するために現在使用されている処理を用いると、望ましいよりも余計に時間とコストがかかり得ることが、認識され考慮に入れられている。
【0016】
こうして、この例示的な実施形態によって、複合材部品の表面上の不均一を低減するための方法及び装置が提供される。限定しないが例として、複合材構造体の表面上の望ましくない不均一を低減する処理が、実施され得る。無人搬送機(AGV)は、複合材構造体の表面上の位置に、自動的に移動し得る。センサシステムによって、当該位置における複合材構造体の表面に関する点検情報が、自動的に生成される。当該位置における複合材構造体の表面上の、許容誤差の範囲外にある不均一は、点検情報を使用して、本方法によって自動的にスキャンされ得、それによって望ましくない不均一を効率的に低減することが可能である。
【0017】
ここで図面(特に図1)を参照すると、例示的な一実施形態による複合材製造環境が示されている。この実施例では、複合材製造環境100は翼102を含み得る。示されるように、翼102は、航空機用の複合材翼104であり得る。翼102は、内側モールドライン106及び外側モールドライン108を有し得る。
【0018】
示されるように、移動点検ユニット110は、翼102の内側モールドライン106の表面112上を移動し得る。この実施例では、移動点検ユニット110には、クローラー113、クローラー114、クローラー116、クローラー118、及び航空ドローン120が含まれる。
【0019】
この実施例では、移動点検ユニット110は、表面112上を移動し得、表面112を点検し得る。限定しないが例として、樹脂隆起部122の形態の不均一121がクローラー113によって位置を特定されたとき、クローラー113は、不均一121が許容誤差の範囲外から許容誤差の範囲内へと変えられ得るかどうかを判定し得る。クローラー113は、樹脂隆起部122が、翼102内の繊維(図示せず)に到達することなく研磨されることによって、サイズを低減し得るかどうかを判定し得る。
【0020】
翼102内の繊維(図示せず)の中まで研磨することなく、樹脂隆起部122のサイズが低減され得る場合、クローラー113は、樹脂隆起部122を低減するための研磨作業を実施し得る。そうでない場合、後で再調査または分析するため、クローラー113は樹脂隆起部122にマーキングし得る。
【0021】
この実施例では、一部の移動点検ユニット110は、許容誤差の範囲外にある翼102の不均一の位置を特定するように構成され得る。別の一部の移動点検ユニット110は、これらの位置に移動し得、翼102上で位置を特定された不均一が許容誤差の範囲内になるように、再加工を実施し得る。
【0022】
次に図2を見ると、例示的な一実施形態による複合材製造環境のブロック図が示されている。図1の複合材製造環境100は、図2でブロック形態で示されている複合材製造環境200の一実装形態の具体例であり得る。
【0023】
示されるように、複合材製造環境200には、構造物管理システム202が含まれる。構造物管理システム202は、複合材構造体204を点検するために用いられ得る。この実施例では、複合材構造体204は種々の形態をとり得る。限定しないが例として、複合材構造体204は、ビークルの部品、航空機の部品、航空機、翼、胴体部、エンジンカウル、水平安定板、客室フロア、自動車用フード、または他の好適な構造体、のうちの1つから選択され得る。
【0024】
限定しないが例として、複合材構造体204は、ビークル206用であり得る。構造物管理システム202によって点検される際、複合材構造体204は部分的に製造中であってもよく、完成されていてもよい。さらに、構造物管理システム202によって点検される際、複合材構造体204はビークル206から分離していてもよく、ビークル206に取り付けられていてもよい。
【0025】
構造物管理システム202の点検は、一群の移動点検ユニット208によって実施され得る。本書で使用される場合、アイテムに関連して「の一群」を用いた場合には、1または複数のアイテムを意味する。限定しないが例として、「移動点検ユニット208の一群」は、1または複数の移動点検ユニット208であり得る。
【0026】
一実施例では、移動点検ユニット(複数)208の中の移動点検ユニット210は、移動点検ユニット210による複合材構造体204の点検作業中、複合材構造体204の表面212上を移動し得る。示されるように、移動点検ユニット210は、位置216において複合材構造体204の表面212を点検し得る。具体的には、移動点検ユニット210は、位置216において複合材構造体204の表面212上の不均一214を捜索し得る。
【0027】
この実施例では、位置216は、複合材構造体204上の位置であり得る。限定しないが例として、この例において位置216は、点またはエリアであり得る。位置216がエリアである場合、当該エリアは、円、正方形、長円、四辺形、不規則形、または他の形態であり得る。
【0028】
この実施例では、移動点検ユニット210は、移動点検ユニット210が独立して動作している際、自律的であると考えられ得る。限定しないが例として、移動点検ユニット210は、移動点検ユニット210が作業人員(図示せず)からの命令または誘導なしで動く場合に、自律的であると考えられ得る。別の例として、移動点検ユニット210は、移動点検ユニット210が作業人員(図示せず)からの命令または誘導なしで表面212を点検する場合に、自律的であると考えられ得る。限定しないが例として、移動点検ユニット210は、自律クローラーであり得る。
【0029】
この実施例では、移動点検ユニット210は幾つかのコンポーネントを含み得る。示されるように、移動点検ユニット210は、無人搬送機220、センサシステム222、不均一低減システム224、及び、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226を含み得る。
【0030】
無人搬送機220は、移動点検ユニット210内の他のコンポーネント用のプラットフォームであり得る。示されるように、無人搬送機220は、移動点検ユニット210による複合材構造体204の点検作業中、複合材構造体204の表面212上を移動する。表面212上を移動することによって、無人搬送機220は、表面212と接触してもよく、表面212の上方にあってもよく、表面212と接触しなくてもよく、またはその組み合わせであってもよい。示されるように、無人搬送機220は、表面212に接触せずに表面212上を移動するか、または表面212に接触した状態で表面212上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造体204の表面212上を移動し得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1または複数の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの一つだけが必要とされてもよいということを意味する。換言すると、「〜のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせ、及び幾つかのアイテムが、列挙された中から使用され得ることを意味するが、列挙されたアイテムの全てが必要とされる訳ではないことを意味する。アイテムとは、特定の対象物、物品、またはカテゴリであり得る。
【0032】
限定しないが例として、「アイテムA、アイテムB、またはアイテムCのうちの少なくとも一つ」は、アイテムA、「アイテムA及びアイテムB」、またはアイテムBを含むことができる。この例はまた、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムC」、または「アイテムB及びアイテムC」も含むことができる。言うまでもなく、これらのアイテムの任意の組み合わせが存在し得る。
幾つかの実施例では、「〜のうちの少なくとも1つ」は、限定しないが例として、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB及び7個のアイテムC」、または他の好適な組み合わせであってよい。
【0033】
無人搬送機220が航空ドローン、無人航空ビークル、または、空中を移動する他の好適な無人搬送機である場合、無人搬送機220は、表面212と接触せずに表面212の上を移動し得る。無人搬送機220が自律クローラー、無人地上ビークル、または、表面212に直接接触して移動する移動システムを有する他の好適な無人搬送機である場合、無人搬送機220は、表面212と接触しながら表面212の上を移動し得る。さらなる別の実施例では、無人搬送機220は、複合材構造体204に取り付けられていてよいレール(図示せず)上を移動するビークルであり得る。
【0034】
無人搬送機220は、種々の形態をとり得る。限定しないが例として、無人搬送機220は、クローラー、自律クローラー、航空ドローン、無人地上ビークル(UGV)、無人航空ビークル(UAV)、または他の好適なタイプのプラットフォーム、のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0035】
この実施例では、センサシステム222はハードウェアシステムであり得る。示されるように、センサシステム222は、無人搬送機220に付随し得る。種々の例において、1つのコンポーネントが別のコンポーネントと「付随する」場合、その付随性は、図示される具体例における物理的な付随性である。限定しないが例として、第1のコンポーネント、即ちセンサシステム222は、第2のコンポーネントに固定されること、第2のコンポーネントに接着されること、第2のコンポーネントに取り付けられること、第2のコンポーネントに溶接されること、第2のコンポーネントに締結されること、またはその他何らかの好適な方法によって第2のコンポーネントに接続されること、のうちの少なくとも1つによって、第2のコンポーネント、即ち無人搬送機220に物理的に付随しているとみなされ得る。第1のコンポーネントはまた、第3のコンポーネントを用いて第2のコンポーネントに接続されてもよい。第1のコンポーネントはまた、第2のコンポーネントの一部として、第2のコンポーネントの延長部として、またはその両方として形成されることにより、第2のコンポーネントに物理的に付随しているとみなされてもよい。
【0036】
移動点検ユニット210の動作中、センサシステム222は、複合材構造体204の表面212に関する点検情報228を生成し得る。センサシステム222は、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226と通信し得、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226に対して点検情報228を送信し得る。
【0037】
センサシステム222はまた、表面212の点検実施のために位置216を識別するのにも用いられ得る。限定しないが例として、位置216の識別は、位置216またはその付近の、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、ストリンガ、リブ、構造物、無線ID識別(RFID)チップ、または他の目標物もしくはタグのうちの少なくとも1つを検出するセンサシステム222によって行われ得る。
【0038】
センサシステム222は位置情報230を生成し得、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226に対して位置情報230を送信し得る。位置情報230は、無人搬送機220の動きを制御するため、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって用いられ得る。
【0039】
示されるように、センサシステム222はまた、移動点検ユニット208の、無人搬送機220と一群の無人搬送機234のうちの少なくとも一方の位置232に関する位置情報230も生成し得る。この例では、位置232は、移動点検ユニット208の、無人搬送機220と一群の無人搬送機234のうちの少なくとも一方の、現在の位置であり得る。
【0040】
示されるように、センサシステム222は、1または複数の装置またはシステムを用いて実装され得る。限定しないが例として、センサシステム222は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、ビデオカメラ、または他の好適なシステム、のうちの少なくとも1つから選択され得る。本明細書で用いられる場合、システムは、1または複数の装置から形成されていてよい。
【0041】
この実施例では、不均一低減システム224はハードウェアシステムであり得、無人搬送機220に付随し得る。不均一低減システム224は、複合材構造体204の表面212上の、許容誤差の範囲外238にある不均一236を低減し得る。低減は、研磨、研削、削磨(abrasive reduction)、レーザアブレーション、プラズマエッチング、または他の好適な手法、のうちの少なくとも1つを通じて実施され得る。
【0042】
示されるように、許容誤差238は、幾つかの異なる方法で選択され得る。限定しないが例として、許容誤差238は、設計仕様、安全規制、及び、許容誤差238を選択するための指針を提供し得る他の情報源を用いて選択され得る。限定しないが例として、樹脂隆起部は、インターフェースエリアにおいては約0.003インチ未満である必要があり得る。別の例として、樹脂隆起部は、ツールエリアにおいては約0.01インチ未満である必要があり得、バギングの横エリアにおいては約0.02インチ未満である必要があり得る。
【0043】
示されるように、不均一低減システム224は、研磨装置、隆起部低減システム、レーザ低減システム、エンドエフェクタ、レーザシステム、アブレーションシステム、トリミングシステム、切断システム、または他の好適なシステム、のうちの少なくとも1つから選択され得る。この例では、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、無人搬送機220、センサシステム222、及び不均一低減システム224と通信し得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、移動点検ユニット210の動作中、これらのコンポーネントのうちの1または複数のものの動作を制御し得る。
【0044】
限定しないが例として、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、複合材構造体204の表面212上の無人搬送機220の動きを自律的に制御し得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、センサシステム222から受信した位置情報230を用いて、無人搬送機220の動きを制御し得る。
【0045】
移動点検ユニット210の動作中、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、センサシステム222から点検情報228を受信し得、複合材構造体204の表面212上の、許容誤差の範囲外238にある不均一214が、望ましい方法で許容誤差の範囲内239になるまで低減できるかどうかを、点検情報228を用いて判定し得る。示されるように、不均一214のサイズ240が望ましいよりも大きい場合に、不均一214は許容誤差の範囲外238にあり得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、不均一214が許容誤差の範囲外238から許容誤差の範囲内239になるように不均一214のサイズ240を低減するために、不均一低減システム224を制御し得る。
【0046】
示されるように、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで実装され得る。ソフトウェアが用いられる場合、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって実施される動作は、プロセッサユニットといったハードウェア上で実行されるように構成されたプログラムコードとして実装されてよい。ファームウェアが用いられる場合、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって実施される動作は、プロセッサユニット上で実行されるよう、プログラムコード及びデータとして実装され、固定記憶域に保存されてよい。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226の動作を実施するように動作する回路を含み得る。
【0047】
この実施例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理装置、または、幾つかの動作を実施するよう構成された他の何らかの適切なタイプのハードウェアの形態をとり得る。プログラマブル論理装置を用いる場合、装置は、幾つかの動作を実施するように構成されてよい。装置は、幾つかの動作を実施するよう、後で再構成されてもよく、または恒久的に構成されてもよい。限定するものではないが、例えばプログラマブル論理装置には、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の好適なハードウェア装置が含まれる。加えて、これらのプロセスは、無機コンポーネントと統合された有機コンポーネントに実装され得、且つ、全体が人間以外の有機コンポーネントで構成され得る。限定しないが例として、これらのプロセスは、有機半導体上に回路として実装されてよい。
【0048】
示されるように、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、種々のレベルの知能を有し得る。限定しないが例として、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、移動点検ユニット210を自律的に動作させるプロセスを含み得る。これらのプロセスは、人工知能(AI)プロセス、神経回路網、または他の好適なプロセスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0049】
ある場合には、許容誤差の範囲外238にある不均一214を、許容誤差の範囲内239になるまで低減するべきではない。例えば、ある場合には、低減によって不均一214で繊維が露出する結果となり得る。この実施例では、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、不均一214が許容誤差の範囲内239になるまで低減され得ない場合に、不均一214の位置216にタグ付けし得る。位置216にタグ付けする際、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、位置216に物理的にマーキングすること、位置216の座標を記憶すること、位置216の方向を記憶すること、または位置216を識別するための他の好適な動作、のうちの少なくとも1つを実施し得る。
【0050】
限定しないが例として、移動点検ユニット210は、マーカーユニット242も含み得る。マーカーユニット242は、無人搬送機220に付随した物理的な装置であり得、位置216にマーキングし得る。
【0051】
限定しないが例として、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、位置216において表面212に材料244でマーキングするため、マーカーユニット242の動作を制御し得る。示されるように、材料244は、インク、テープ、塗料、ラベル、または位置216において表面212にマーキングするための他の材料、のうちの少なくとも1つから選択され得る。この結果、不均一214が許容誤差の範囲内239になるまで低減されるべきでない場合に、許容誤差の範囲外238にある不均一214をどのように扱うかを決定するため、後続の点検が実施され得る。
【0052】
別の例では、移動点検ユニット210は、無人搬送機220に付随し得る通信システム246を含み得る。通信システム246は、移動点検ユニット210とコンピュータシステム250との間の情報交換248を促進し得る。
【0053】
コンピュータシステム250は、1または複数のデータ処理システムを含み得る。1よりも多いコンピュータが存在する場合、これらのコンピュータは、通信媒体252を介して相互に通信し得る。通信媒体252は、有線接続、光学接続、無線接続、またはそれらの組み合わせによるネットワークであり得る。データ処理システムは、コンピュータ、サーバーコンピュータ、ワークステーション、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、または他の好適なデータ処理システム、のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0054】
示されるように、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226、センサシステム222、及び不均一低減システム224は、フィードバックループを形成し得る。この実施例では、センサシステム222は、不均一低減システム224の動作を制御するために無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって用いられる、点検情報228を生成し得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、許容誤差の範囲外238にある不均一214を低減するため、不均一低減システム224を制御し得る。センサシステム222は、不均一214の低減中、不均一214の低減に関するフィードバックとして、点検情報228の生成を継続し得る。不均一214が許容誤差の範囲内239にある場合、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、不均一214の低減を中断するため、不均一低減システム224を制御し得る。
【0055】
通信システム246は、通信媒体252通じてコンピュータシステム250と通信し得る。交換される情報248は、移動点検ユニット210のタスク、点検結果、不均一214の位置の表示、位置216の画像、表面212の地図、位置216の座標、位置216の方向、または他の好適な情報、のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0056】
さらに、移動点検ユニット210は、移動点検ユニット(複数)208のうちの他のものと通信し得る。この通信は、通信媒体252を通じたもの、または移動点検ユニット208間の直接のもの、またはこれらの組み合わせであり得る。示されるように移動点検ユニット208は、互いに、点検作業254を協調して実施し得る。
【0057】
この協調は、複合材構造体204を点検するために移動点検ユニット(複数)208が一緒に作業する、集団行動を含み得る。この協調は、点検及び不均一の低減のために、表面212上の位置(複数)256を分担または選択することを含み得る。このように、移動点検ユニット(複数)208は、群れ258として動作し得る。
【0058】
このように、移動点検ユニット210を使用する不均一低減システム224によって、不均一214が許容誤差の範囲外238から許容誤差の範囲内239に変わるように、不均一214の効率的な低減が可能になる。不均一214が樹脂隆起部である場合、移動点検ユニット210は、樹脂低減システムであり得、特に、樹脂隆起部低減システムであり得る。この結果、複合材構造体の再加工または廃棄によって、時間、費用、または時間と費用両方の増大を伴って技術的問題を解決する、1または複数の技術的解決法が存在し得る。
【0059】
次に図3を参照すると、例示的な実施形態による、望ましくない不均一を検出するためのデータフローの図が示されている。実施例においては、複数の図中で同一の参照番号が使用され得る。こうして種々の図中で参照番号が繰り返して使用される場合には、種々の図中の同一のエレメントを表している。
【0060】
この実施例では、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、センサシステム222から点検情報228を受信し、複合材構造体204の表面212上に不均一214が存在するかどうかを判定するため、点検情報228を用いる。例えば、点検情報228は、不均一214が樹脂隆起部323であるかどうかを判定するために用いられ得る。他のタイプの不均一236を識別するためにも、点検情報228は使用され得る。限定しないが例として、点検情報228は、異物損傷(FOD)、表面212上の繊維322、繊維を含む皺、または他のタイプの不均一236を識別するために用いられ得る。
【0061】
示されるように、センサシステム222は、表面点検センサシステム303を含み得る。この示された例では、材料識別装置300及び表面スキャナ302が、表面点検センサシステム303を形成する。この具体例では、材料識別装置300は、望ましい量よりも多い量305で存在している樹脂304の存在を識別するように構成され得る。言い換えれば、材料識別装置300は、不均一214内の樹脂304の量305が許容誤差の範囲外238にあるかどうかを判定し得る。
【0062】
材料識別装置300は、存在する樹脂304の量305を識別するのに用いられ得る点検情報228を生成するように構成され得る。限定しないが例として、材料識別装置300は、赤外線カメラ、近赤外線(NIR)画像カメラ、または他の好適な装置のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0063】
示されるように、表面スキャナ302は、表面212の測定プロファイル306を含むか、または表面212の測定プロファイル306を識別するため無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって用いられ得る、点検情報228を生成するように構成され得る。表面スキャナ302は、レーザスキャナ、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、立体カメラ、または他の好適な装置、のうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0064】
示される例では、表面スキャナ302は、測定プロファイル306を生成し得、点検情報228の中で、測定プロファイル306を無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226に送信し得る。別の実施例では、センサシステム222が点検情報228を送信し得、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226が、点検情報228に基づいて測定プロファイル306を生成し得る。
【0065】
測定プロファイル306といったプロファイルは、物体を通る垂直面上に形成された、(複合材構造体204といった)物体の輪郭または断面であり得る。プロファイルは、単一の断面であるか、または三次元のプロファイルを形成する複数の断面であり得る。限定しないが例として、測定プロファイル306は、等高線地図、三次元標高チャート、三次元表面地図、または他の好適な、位置216における表面212の寸法表示であり得る。
【0066】
示されるように、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、不均一214内の樹脂304の位置216を識別し得る。この具体的な実施例では、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、存在する樹脂304の量305が閾値量310よりも大きい場合に、材料識別装置300によって生成される点検情報228に基づいて樹脂304の位置を特定するように構成され得る。示されるように、存在する樹脂304の量305が閾値量310よりも大きい場合、樹脂304は、許容誤差の範囲外238にあると考えられ得る。
【0067】
閾値量310は、位置216において、樹脂304が樹脂過多であると考えられる場合のレベルであり得る。樹脂304の量305によって複合材構造体204の性能が望ましくない結果となる場合や、複合材構造体204が望むように上手く機能しない場合、複合材構造体204が全く機能しない場合、またはそれらの組み合わせである場合に、樹脂304は、樹脂過多であると考えられ得る。例えば、樹脂304の体積の繊維322の体積に対する比率が、指示された体積許容誤差311よりも高い場合に、樹脂304は樹脂過多であると考えられ得る。
【0068】
示されるように、不均一214内の樹脂304が表面212にとって望ましい高さ312を上回っているか、または、複合材構造体204(図示せず)の表面212から、望ましい高さ312を下回って埋め込まれているかどうかを判定するために、測定プロファイル306は用いられ得る。例えば、内側モールドライン、外側モールドライン、またはその両方の表面上で、望ましいよりも高い可能性がある隆起部といった突出部に関しては、懸念が存在し得る。不均一214は、当て板、バギングの襞、突出部、接合部、または他の原因といった種々の原因に起因し得る。
【0069】
限定しないが例として、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、比較316を形成するため、測定プロファイル306を予想プロファイル314と比較し得る。一実施例では、測定プロファイル306は、内側モールドラインといった、表面212の測定された即ち実際のプロファイルであり得る。
【0070】
予想プロファイル314は、位置216における表面212の、予定された寸法317であり得る。予想プロファイル314は、幾つかの異なる方法で取得され得る。限定しないが例として、予想プロファイル314は、平坦な表面であるか、既知の曲面を持った表面であり得る。別の例では、予想プロファイル314は、モデル318に基づき得る。比較316によって、表面212が望ましい高さ312より高いかどうかが判定され得る。
【0071】
この実施例では、表面212はまた、望ましい高さ312より低くてもよい。この場合、再加工は実施されない。代わりに、位置216における表面212は、さらなる点検のためマーカーユニット242を用いてタグ付けされ得る。
【0072】
この実施例では、予想プロファイル314は、様々な根拠から得られてよい。限定しないが例として、予想プロファイル314は、複合材構造体204のモデル318、複合材構造体204の仕様320、または他の好適な根拠、のうちの少なくとも1つから得られてよい。
【0073】
不均一214の樹脂304が許容誤差の範囲外318にある場合、不均一214は、望ましい高さ312より上であり得る。この場合、樹脂304の一部または全部を除去する際に、複合材構造体204内の繊維322の除去または露出のうちの少なくとも1つが回避されるのであれば、不均一214は、許容誤差の範囲内239になるまで低減され得る。言い換えれば、不均一214を低減する際、繊維322を研削または研磨することは、回避され得る。
【0074】
樹脂304が望ましい高さ312を下回る場合、樹脂304は樹脂隆起部323でなくてよい。代わりに、樹脂304は樹脂304の窪み324であってよい。この場合、樹脂304は除去され得ない。樹脂304が望ましい高さ312よりも下である場合、窪みが存在し得、将来の処理のため、マーカーユニット242を用いてタグ付けされ得る。これらのエリアは通常、樹脂欠乏ではなく、ツール内の窪みか、または層の不整合に起因し得る。
【0075】
こうして、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、不均一214内の樹脂304が、許容誤差の範囲外238にある樹脂隆起部323であるかどうかを判定し得る。さらに、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、樹脂隆起部323が望ましい高さ312よりも大きい場合に、樹脂隆起部323を望ましい高さ312まで低減し得るかどうかを判定し得る。
【0076】
この実施例では、不均一214が樹脂過多ではない隆起部である場合、当該隆起部は、中に繊維が存在する皺であり得る。不均一214が樹脂隆起部の形態で樹脂過多である場合、樹脂隆起部323内に繊維は存在しない見込みである。
【0077】
示されるように、材料識別装置300は不均一214が樹脂過多であるかどうかを判定し、一方、表面スキャナ302は隆起部の存在を識別する。このようにして、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、樹脂隆起部323が望ましい高さ312より上である場合、不均一214を低減するための望ましい方法で、不均一低減システム224を制御し得る。
【0078】
この実施例は、複合材構造体の再加工または廃棄によって、時間、費用、または時間と費用両方の増大を伴って技術的問題を解決する方法によって、複合材構造体204の再加工のための方法及び装置を提供し得る。示されるように、移動点検ユニット210は、点検及び、不均一214を低減する再加工を実施し得る。示されるように、この低減によって、許容誤差の範囲外238にある不均一214が、許容誤差の範囲内239になるまで低減され得る。移動点検ユニット208が、群れ258として協調して複合材構造体204の点検を実施する場合に、時間、費用、または費用及び時間のさらなる低減が起こり得る。
【0079】
図1〜2の複合材製造環境200及びこの環境における種々のコンポーネントの図解は、例示的な実施形態が実装され得る方法に対して、物理的または構造的な限定を示唆することを意図していない。図示したコンポーネントに加えてまたは代えて、他のコンポーネントを使用してもよい。幾つかのコンポーネントは不要であってよい。さらに、幾つかの機能的コンポーネントを図示するために、ブロックが提示されている。例示的実施形態において実装される場合、1または複数のこれらのブロックは、結合、分割、または異なるブロック図に結合且つ分割され得る。
【0080】
限定しないが例として、移動点検ユニット210に加えてまたは代えて、他のタイプの点検ユニットもまた構造物管理システム202内で用いられ得る。一実施例では、移動点検ユニット210は、不均一の位置において表面212上に置かれたものであり得る。
【0081】
限定しないが別の例として、移動点検ユニット210用コントローラ226は、無人搬送機220に物理的に付随していても、いなくてもよい。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226は、無人搬送機220、別の無人搬送機(図示せず)、またはコンピュータシステム250、のうちの少なくとも1つから選択された位置内に配置されていてよい。
【0082】
また、表面スキャナ302は、測定プロファイル306を生成するために無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226によって用いられ得るデータを、点検情報228の中で送信し得る。さらに別の実施例では、センサシステム222は、複合材構造体204の表面212上を航行するのに用いられ得る位置情報230を生成するために用いられ得る、カメラもまた含み得る。別の実施例では、センサシステム222は、位置情報230を生成する全地球測位システム(GPS)を含み得る。
【0083】
さらに別の実施例では、移動点検ユニット(複数)208の一部が、位置256を点検するように構成され得る。移動点検ユニット(複数)208の別の一部は、不均一236を許容誤差の範囲内239に導くための再加工または他の作業を実施するため、不均一236が許容誤差の範囲外238にあると判明した位置256に到着するように構成され得る。移動点検ユニット(複数)208によって実施されるこの協調的な作業は、群れ258として実施され得る。
【0084】
ここで図4を参照すると、例示的な実施形態による、クローラーの形態の移動点検ユニットの例示が示されている。移動点検ユニット400は、この例では、図1のクローラー113といった、クローラー402であり得る。示されるように、クローラー402は、図2のブロック形態で示した移動点検ユニット210の物理的実装の一例であり得る。
【0085】
本図に示されるように、クローラー402は幾つかの異なるコンポーネントを有し得る。限定しないが例として、クローラー402は、無人搬送機404、コントローラ406、通信システム408、レーザスキャナ410、研削機412、及びマーカーユニット413を含み得る。
【0086】
この実施例では、無人搬送機404は、六脚類414の形状のクローラー402であり得る。示されるように六脚類414は、本体428に付随した脚416、脚418、脚420、脚422、脚424、及び脚426を有し得る。こうして、クローラー402は歩行によって移動し得る。示されるように、脚416、脚418、脚420、脚422、脚424、及び脚426は、クローラー402が、ストリンガ(図示せず)といった表面上の突起をまたぐことに役立つ。さらに、当て板間にある隆起(図示せず)を点検するため、クローラー402はまた、当て板(図示せず)が除去される前にも配備され得る。
【0087】
コントローラ406は無人搬送機404に付随し得、図2にブロック形態で示す無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226の物理的実装の例であり得る。コントローラ406は、無人搬送機404、通信システム408、レーザスキャナ410、研削機412、及び本図に示されていない他のコンポーネントと通信し得る。作業の点検及び再加工を実施するため、コントローラ406は、これらの種々のコンポーネントの動作を制御し得る。
【0088】
この実施例では、通信システム408は無線通信システムであり得る。通信システム408は、限定しないが例として、移動点検ユニット208(図示せず)及びコンピュータシステム250(図示せず)といった他の装置と、情報交換を行い得る。
【0089】
レーザスキャナ410は、図3にブロック形態で示す表面スキャナ302の実装形態の一例であり得る。研削機412は、ロボット式アーム430を通じて無人搬送機404に付随し得る。示されるように、研削機412は、図2のブロック形態で示した不均一低減システム224の物理的実装の一例であり得る。
【0090】
示されるように、マーカーユニット413は、必要に応じて位置452にマーキングするため、インク450を塗布し得る。インク450は、さらなる点検または分析のため、位置452に目印を付け得る。ある実施例では、マーカーユニット413は省略され得る。
【0091】
次に図5を参照すると、例示の実施形態による、移動点検ユニット400の別の例示が示されている。本図では、図4の線5−5の方向から見た、移動点検ユニット400が示されている。
【0092】
移動点検ユニット400の本図では、近赤外線(NIR)カメラ500が、無人搬送機404に付随して、見えていてよい。近赤外線カメラ500は、図3にブロック形態で示す材料認識装置300の実装形態の一例でありうる。
【0093】
この実施例で示されるように、シャッター502が本図中に見えている。シャッター502は、近赤外線カメラ500のレンズ504に付随している。シャッター502は、研削機412を用いて研削が行われているときに発生する粉じん(図示せず)を遮断するために動作し得る。別の実施例として、シャッター506は、レーザスキャナ410上のレンズ508に付随している。同様に、シャッター506は、研削の間に発生する、レンズ508上の粉じんの蓄積(図示せず)からレンズ508を保護し得る。研削によって発生する粉じんは、移動点検ユニット400が動作していない場合、または別の位置もしくは別の複合材構造体に移動してしまった場合、孔形成、トリミング、または他の機器を用いた他の好適な作業といった、他の作業の間に清掃され得る。
【0094】
ここで図6を参照すると、例示的な実施形態による、航空ドローンの形態の移動点検ユニットの例示が示されている。移動点検ユニット600は、例えば図1の航空ドローン120といった、航空ドローン602であり得る。示されるように、航空ドローン602は、図2にブロック形態で示した移動点検ユニット210の物理的実装の一例であり得る。
【0095】
本図に示されるように、航空ドローン602は幾つかの異なるコンポーネントを有し得る。限定しないが例として、本図では、航空ドローン602は、無人搬送機604、コントローラ606、通信システム608、研削機610、及びマーカーユニット611を含み得る。
【0096】
この実施例では、航空ドローン602は、本体620に付随した、ローターユニット612、ローターユニット614、ローターユニット616、及びローターユニット618を有し得る。こうして、航空ドローン602は飛行によって移動し得る。
【0097】
コントローラ606は、無人搬送機604に付随し得る。示されるように、コントローラ606は、図2にブロック形態で示す無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226の物理的実装の例であり得、無人搬送機604、通信システム408、研削機610、及び本図に示さない他のコンポーネントと通信し得る。点検及び再加工の作業を実施するため、コントローラ606は、これらの種々のコンポーネントの動作を制御し得る。
【0098】
この実施例では、通信システム608は無線通信システムであり得る。通信システム608は、限定しないが例として、移動点検ユニット208(図示せず)及びコンピュータシステム250(図示せず)といった他の装置と、情報交換を行い得る。
【0099】
研削機610は、ロボット式アーム622を通じて無人搬送機604に付随し得る。示されるように、研削機610は、図2のブロック形態で示した不均一低減システム224の物理的実装の一例であり得る。示されるように、マーカーユニット611もまた、ロボット式アーム622上に配置され得る。
【0100】
この実施例では、航空ドローン602は、着地し、研削中、スタンド構造物615を用いて立っている。研削中、ローターユニット612、ローターユニット614、ローターユニット616、及びローターユニット618は、停止されていてよい。ローターユニット612、ローターユニット614、ローターユニット616、及びローターユニット618は、粉じん(図示せず)を吹き飛ばすため、動作していてもよい。
【0101】
次に図7を参照すると、例示の一実施形態による、航空ドローン602の例示が示されている。図6の線7−7の方向から見た、航空ドローン602が示されている。
【0102】
航空ドローン602の本図では、他のコンポーネントも見えていてよい。示されるように、当該コンポーネントには、レーザスキャナ700及び近赤外線カメラ702が含まれる。
【0103】
レーザスキャナ700は、無人搬送機604に付随し得る。示されるように、レーザスキャナ700は、図3にブロック形態で示す表面スキャナ302の実装形態の一例であり得る。
【0104】
航空ドローン602の本図では、近赤外線カメラ702もまた、見えていてよい。近赤外線カメラ702は、無人搬送機604に付随し得る。近赤外線カメラ702は、図3にブロック形態で示す材料認識装置300の実装形態の一例であり得る。
【0105】
この実施例で、赤外線カメラ702からノズル706が延伸していてよい。レーザスキャナ700から、ノズル708が延伸していてよい。ノズル706は、赤外線カメラ702のレンズ710上から粉じん(図示せず)を除去するか、またはレンズ710上に粉じんが形成されないために、空気(図示せず)を吹き出すように構成され得る。ノズル708は、レーザスキャナ700のレンズ712上から粉じんを除去するか、またはレンズ712上に粉じんが形成されないために、空気を吹き出すように構成され得る。
【0106】
示されるように、研削中に発生する粉じんは、他の後続する作業中に清掃され得る。例えば、粉じんの清掃は、トリミング、孔形成、または他の作業の後に行われ得る。
【0107】
ここで図8を参照すると、例示的な実施形態による移動点検ユニットが図示されている。移動点検ユニット800は、図2にブロック形態で示した移動点検ユニット210の物理的実装の一例であり得る。この実施例では、移動点検ユニット800の移動は、複合材構造体806の表面805上の構造体802及び構造体804によって誘導され得る。示されるように、構造体802及び構造体804は、限定しないが例として、ストリンガ807及びストリンガ808であり得る。
【0108】
本図に示されるように、移動点検ユニット800は幾つかの異なるコンポーネントを有し得る。限定しないが例として、移動点検ユニット800は、無人搬送機810、コントローラ812、通信システム814、レーザスキャナ816、及び研削機816、を含み得る。
【0109】
この実施例では、無人搬送機810は、本体828に付随した脚820、脚822、脚824、及び脚826を有する四脚811であり得る。脚820は電動車輪システム830を有し得、脚822は電動車輪システム832を有し得、脚824は電動車輪システム834を有し得る。脚826もまた、本図に示さない電動車輪システムを有していてよい。このようにして、無人搬送機は、複合材構造体806の表面805上を移動し得る。
【0110】
コントローラ812は無人搬送機810に付随し得、図2にブロック形態で示す無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226の物理的実装の例であり得る。コントローラ812は、無人搬送機810、通信システム814、レーザスキャナ816、研削機818、及び本図に示されていない他のコンポーネントと通信し得る。作業の点検及び再加工を実施するため、コントローラ812は、これらの種々のコンポーネントの動作を制御し得る。
【0111】
この実施例では、通信システム814は無線通信システムであり得る。通信システム814は、限定しないが例として、図2の移動点検ユニット208(図示せず)及びコンピュータシステム250(図示せず)といった他の装置と、情報交換を行い得る。
【0112】
レーザスキャナ816は、図3にブロック形態で示す表面スキャナ302の実装形態の一例であり得る。研削機818は、ロボット式アーム840を通じて無人搬送機810に付随し得る。示されるように、研削機818は、図2のブロック形態で示した不均一低減システム224の物理的実装の一例であり得る。
【0113】
次に図9を参照すると、例示の実施形態による、移動点検ユニット800の別の例が示されている。本図では、図8の線9−9の方向から見た、移動点検ユニット800が示されている。
【0114】
移動点検ユニット800の本図では、近赤外線(NIR)カメラ900が見えていてよい。近赤外線(NIR)カメラ900は、無人搬送機810に付随し得る。近赤外線カメラ900は、図3にブロック形態で示す材料認識装置300の実装形態の一例であり得る。
【0115】
本図では、ノズル902が赤外線カメラ900に付随していてよい。ノズル902は、赤外線カメラ900のレンズ904上に粉じん(図示せず)が形成されるのを防止するように、またはレンズ904から粉じんを除去するように、空気(図示せず)を吹き出し得る。ノズル906は、レーザスキャナ816上に配置され得る。ノズル906は、レンズ908上に粉じんが形成されるのを防止するように、またはレンズ908から粉じんを除去するように、空気を吹き出し得る。
【0116】
図10〜11は、例示的な一実施形態によって、樹脂隆起部を低減する図である。図10では、例示的な一実施形態によって、移動点検ユニット800が位置1000上に示されている。この実施例では、樹脂1002は位置1000にあり得る。
【0117】
示されるように、移動点検ユニット800は、ストリンガ807及びストリンガ808に沿って位置1000まで移動している。この実施例では、コントローラ812によって制御される近赤外線カメラ900は、位置1000において樹脂1002を識別し得る。レーザスキャナ816は、複合材構造体806の表面805をスキャンするため、レーザビーム1004を発射する。
【0118】
このようにして、コントローラ812は、樹脂1002が樹脂隆起部1006であるかどうか、また樹脂隆起部1006が望ましい高さ1010より大きい高さ1008を有するかどうか、を判定し得る。限定しないが例として、近赤外線カメラ900は、樹脂1002がどこに配置されているか、及び樹脂1002が樹脂過多と考えられるかどうかを、コントローラ812に識別させてよい。レーザスキャナ816は、表面805のプロファイルをコントローラ812に識別させてよい。これら2つのデータは、樹脂1002が樹脂隆起部1006であるかどうかを判定するために用いられ得る。
【0119】
次に図11は、例示的な一実施形態による、樹脂隆起部を低減する移動点検ユニットの図解である。本図では、研削機818は、樹脂隆起部1006上まで移動してきており、樹脂隆起部1006を研削することによって樹脂隆起部1006を低減するように操作され得る。
【0120】
研削機818によって実施される研削の量は、漸進的であってよい。樹脂隆起部1006の一部が除去された後で、点検が行われてよい。限定しないが例として、近赤外線カメラ900及びレーザスキャナ816は、樹脂隆起部1006の高さ1008が望ましい高さ1010であるかどうかを判定するために、コントローラ812によって操作され得る。言い換えれば、樹脂隆起部は、許容誤差の範囲外238から範囲内239になるように、研削され得る。
【0121】
図4〜5内の移動点検ユニット400の図、図6〜7内の移動点検ユニット600の図、及び図8〜11内の移動点検ユニット800の図は、図2の移動点検ユニット210の実装例として提供されており、例において移動点検ユニット210が実装され得る方法を限定することは意図されていない。
【0122】
限定しないが例として、移動点検ユニット800は、複合材構造体806に取り付けられていてよいレールシステム上のレールの形態をとる構造物802及び構造物804上で、誘導され得る。さらなる別の例では、無人搬送機404が、脚、ローターユニットまたは電動車輪システムに加えてまたは代えて、トラック、吸引カップ、または他の移動メカニズムを用いるものとして、移動点検ユニット210が実装され得る。別の例として、ストリンガ807及びストリンガ808は、Iビーム形の断面を有する。他の実施例では、ストリンガ807及びストリンガ808は、T字形の断面、L字形の断面、C字形の断面、J字形の断面、Z字形の断面、帽子形の断面、またはストリンガ807及び808の断面として好適な他のタイプの断面といった、他のタイプの断面を有し得る。
【0123】
同様に示されるように、移動点検ユニットはマーカーユニット413を有し、移動点検ユニット600はマーカーユニット611を有する。この実施例では、移動点検ユニット800はマーカーユニットを含んでいない。
【0124】
次に図12を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材構造体の表面上の望ましくない不均一を低減するプロセスのフロー図が示されている。本図に示すプロセスは、図2にブロック形態で示す複合材製造環境200において実装され得る。限定しないが例として、このプロセスは、図2の構造物管理システム202内の移動点検ユニット210を用いて実装され得る。
【0125】
プロセスは、無人搬送機220を、複合材構造体204の表面212上の位置216まで自動的に移動させることによって、開始し得る(工程1200)。プロセスは、センサシステム222によって、位置216における複合材構造体204の表面212に関する点検情報228を自動的に生成し得る(工程1202)。プロセスは、点検情報228を用いて、複合材構造体204の表面212上の許容誤差の範囲外238にある不均一214を自動的にスキャンし得る(工程1204)。
【0126】
プロセスは、不均一低減システム224によって許容誤差の範囲外238にある不均一214を自動的に低減し得(工程1206)、プロセスはその後終了する。このプロセスは、許容誤差の範囲外238から許容誤差の範囲内239への不均一214の効率的な低減を可能にし得る。
【0127】
次に図13を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材構造体の表面上の望ましくない不均一を低減するプロセスの、より詳細なフロー図が示されている。本図に示すプロセスは、図2にブロック形態で示す複合材製造環境200において実装され得る。具体的には、このプロセスは、図2の構造物管理システム202内の移動点検ユニット210を用いて実装され得る。
【0128】
プロセスは、複合材構造体204上で、移動点検ユニット210を一地区に集合させることによって開始し得る(工程1300)。工程1300では、移動点検ユニット210は、移動点検ユニット210が複合材構造体204上のどこに配置されているかを識別し得る。プロセスは、次いで、移動点検ユニット210を位置216まで航行させ得る(工程1302)。この実施例では、位置216は、限定しないが例として、カウルエリアであり得る。
【0129】
この実施例では、位置216は、幾つかの異なる方法で識別され得る。限定しないが例として、位置216は、位置216またはその付近の、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、構造物、無線ID識別(RFID)チップ、ストリンガ、リブ、または他の目標物もしくは表示、のうちの少なくとも1つを用いて識別され得る。
【0130】
次いでプロセスは、センサシステム222内の材料識別装置300を用いて、位置216における樹脂過多である不均一214内の樹脂304を識別し得る(工程1304)。プロセスはまた、位置216において、表面スキャナ302を用いて表面212の測定も行い得る(工程1306)。示されるように、工程1304及び工程1306は、許容誤差の範囲外238にある不均一214をスキャンし得る。スキャンは、移動点検ユニット210が位置216で静止している間、位置216に対して移動している間、またはそれらの組み合わせの間に実施され得る。
【0131】
プロセスは、不均一214における樹脂304の識別結果及び、位置216における不均一214の表面212の測定値を用いて、不均一214が再加工され得るかどうかを判定し得る。限定しないが例として、工程1308における不均一214の表面212の測定値は、望ましい高さ312よりも大きいかどうかによって、不均一214内の樹脂304が許容誤差の範囲外238にあるかどうかを判定するために用いられ得る。不均一214が望ましい高さ312よりも大きい場合、不均一214は樹脂隆起部323であり得、再加工され得る。不均一214が再加工され得る場合、不均一214は、不均一低減システム224を用いて低減され得る(工程1310)。
【0132】
工程1310では、不均一214は、研磨、研削、または、不均一214のサイズ240を低減するための他の好適な低減処理によって低減され得る。この実施例では、不均一214のサイズ240の低減は、樹脂304の除去によって起こり得る。この低減は、ある既定量によるものであり得、不均一214の完全な除去に帰結しなくてよい。当該既定量は、樹脂304の除去によって、繊維322の除去または露出のうちの少なくとも1つもまた生じ得るという可能性を低減するように、選択されたものであり得る。
【0133】
次に、プロセスは、表面スキャナ302を用いて表面212の測定を行い得る(工程1312)。サイズ240の低減が十分であるか否かについての判定が行われ得る(工程1314)。このようにして、工程1314は、樹脂隆起部323が許容誤差の範囲内239にあるか許容誤差の範囲外238にあるかを判定し得る。
【0134】
示される例においては、この判定は、樹脂304が樹脂隆起部323から除去された後になされているが、工程1314は、プロセス中の任意の時点で実施され得る。例えば、工程1314における判定は、樹脂隆起部323が低減された後に樹脂隆起部323が許容誤差の範囲内239にあるかどうかを判定することに加えてまたは代えて、樹脂隆起部323の低減が行われている間になされてよい。
【0135】
工程1314で、サイズ240の低減が、樹脂隆起部323が許容誤差の範囲内329になるほどのものであった場合、プロセスは終了し得る。サイズ240の低減が不十分である場合、サイズ240のさらなる低減がなされるべきかどうかに関する判定がなされ得る(工程1316)。工程1316は、樹脂隆起部323が許容誤差の範囲外238にある場合、樹脂隆起部323のさらなる低減によって繊維322が露出するかどうかを判定するために実施され得る。さらなる低減を行うことができる場合、プロセスは工程1308に戻り得る。このようにして、不均一214は、繊維322の研磨または研削といった望ましくない結果を回避する方法で、漸進的に低減されてよい。
【0136】
再び工程1316を参照すると、さらなる低減がなされるべきではない場合には、位置216はタグ付けされ(工程1318)、プロセスはその後終了する。このようにして、他のタイプの再加工が実施され得るかどうか、または複合材構造体204が却下される必要があり得るかどうかを判定するため、位置216はさらに検査されてよい。さらに、再び工程1308を参照すると、不均一214が低減されるべきではない場合、プロセスは工程1318に進んでもよい。
【0137】
次に図14を参照すると、低減するために望ましくない不均一を識別する、例示の実施形態によるプロセスのフロー図が示されている。図14に示すプロセスは、図2にブロック形態で示す複合材製造環境200において実装され得る。
【0138】
具体的には、プロセスは、図2の構造物管理システム202内の無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226を用いて実装され得る。プロセスは、無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226内で、複合材構造体204の表面212上の位置216の点検情報228を用い得る。図14に示したプロセスは、図13の工程1308の実装の一例である。
【0139】
プロセスは、位置216において望ましい量よりも大きい樹脂304を識別することによって開始し得る(工程1400)。言い換えれば、工程1400は、位置216における樹脂304が、位置216におけるある許容誤差よりも大きい凝縮度を有しているかどうかを判定し得る。例えば、プロセスは、位置216における樹脂304が樹脂過多であるかどうかを判定し得る。この識別は材料識別装置300によってなされ得、材料識別装置300は近赤外線(NIR)カメラであってよい。樹脂304の量が閾値量310よりも大きいか否かについての判定が行われ得る(工程1402)。
【0140】
樹脂304の量が閾値量310よりも大きい場合、樹脂304は、許容誤差の範囲外238にある不均一214の一部であり得る。不均一214内の樹脂304が位置216に位置している表面212に関して、測定プロファイル306が識別され得る(工程1404)。示されるように、測定プロファイル306は、表面スキャナ302によって生成される点検情報228に基づいて識別され得る。
【0141】
示されるように、比較316を形成するため、測定プロファイル306は予想プロファイル314と比較され得る(工程1406)。樹脂304の量が望ましい高さ312よりも大きいか否かについての判定が行われ得る(工程1408)。不均一214の樹脂隆起部323内の樹脂304が許容誤差の範囲外238にあるかどうかを判定するために、工程1408が用いられ得る。
【0142】
不均一214内の樹脂304が望ましい高さ312よりも大きい場合、不均一214内の樹脂304が許容誤差の範囲外238にあるという第1の表示がなされ得(工程1410)、プロセスはその後終了する。そうでない場合、不均一214内の樹脂304は再加工されるべきではないという第2の表示がなされ得(工程1412)、プロセスはその後終了する。
【0143】
この場合、樹脂304は望ましい高さ312よりも大きくない。工程1414においては、樹脂304は表面212より下であってよく、複合材構造体204が望ましい性能を保持する方法で除去されない可能性がある。この例では、不均一214は許容誤差の範囲外238にあるかもしれないが、不均一214の位置216は表面212より下であり、研削による不均一214の再加工を実現困難にし得る。この結果、他の点検または再加工が必要であり得る。
【0144】
工程1402を再び参照すると、樹脂304の量が閾値量310よりも大きくない場合、プロセスは工程1414に進んでもよい。この場合、樹脂304は除去される必要がなくてよい。図14のプロセスは、複合材構造体204の表面212上の任意の数の位置256用の点検情報228を処理するため、任意の回数、反復され得る。
【0145】
これより図15を参照すると、例示的な一実施形態による、複合材構造体204の表面212上の樹脂304を低減するプロセスのフロー図が示されている。図15に示すプロセスは、図2の複合材製造環境200において実装され得る。このプロセスは、図2の移動点検ユニット210を用いて実装され得る。
【0146】
このプロセスは、複合材構造体204の表面212上の位置216における、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別(RFID)チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出することによって、点検位置216を識別することによって開始し得る(工程1500)。プロセスは、移動点検ユニット210の無人搬送機404を、複合材構造体204の表面212上の位置216まで移動させ得る(工程1502)。工程1502で、無人搬送機404は、表面212に接触せずに表面212上を移動するか、または表面212に接触した状態で表面212上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造物204の表面212上を移動し得る。この例では、無人搬送機220は、自律クローラー、航空ドローン、無人地上ビークル、及び無人航空ビークルのうちの1つから選択され得る。無人搬送機/表面点検センサシステム用コントローラ226はまた、複合材構造体204の表面212上の無人搬送機220の動きも自律的に制御し得る。
【0147】
プロセスは、センサシステム222によって、位置216の点検情報228を生成し得る(工程1504)。センサシステム222は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0148】
プロセスはまた、点検情報228を用いて、許容誤差の範囲外238にある位置216において、樹脂304が存在するかどうかを判定し得る(工程1506)。限定しないが例として、プロセスは工程1506で、許容誤差の範囲外238にある不均一214内の樹脂304の位置216を材料識別装置300を用いて識別し得、表面スキャナ302を用いて位置216の表面212の測定プロファイル306を識別し得、繊維322を損傷することなく樹脂304のサイズ240を許容誤差の範囲内239になるまで低減できるかどうかを判定する。言い換えれば、プロセスは、許容誤差の範囲外238にある不均一214内の樹脂304が、樹脂隆起部323の形態であるか、または表面212より下に埋め込まれているのかを判定し得る。
【0149】
再び工程1506を参照すると、不均一214内の樹脂304が許容誤差の範囲外238にある場合、プロセスは、不均一214が許容誤差の範囲内239になるまで、不均一低減システム224によって樹脂304のサイズ240を低減し得(工程1508)、次いでプロセスは工程1500に戻る。再び工程1506を参照すると、樹脂214が許容誤差の範囲内239にある場合にもまた、上記のとおり、プロセスは工程1500に戻る。この結果、望ましくない不均一338の効率的な低減が可能になり得る。
【0150】
次に図16を参照すると、例示的な一実施形態による、不均一が許容誤差範囲外にあって低減されるべきかどうかを判定するプロセスのフロー図が示されている。図16に示すプロセスは、移動点検ユニット210内で実装され得る。
【0151】
プロセスは、材料識別装置300及び表面スキャナ―302が、位置216における不均一214に関する点検情報228を生成することによって、開始し得る(工程1600)。プロセスは、不均一214内の樹脂304の量305を識別し得る(工程1602)。プロセスはまた、位置216における不均一214の表面212の測定プロファイルも識別し得る(工程1604)。
【0152】
プロセスは、測定プロファイル306が不均一214内の隆起部の存在を示すかどうかを判定し得る(工程1606)。工程1606における判定は、測定プロファイル306を予想プロファイル314と比較することによって実施され得る。この例において、隆起部が存在する場合、表面212は望ましいプロファイルを有しない。
【0153】
隆起部が存在する場合、プロセスは、当該隆起部内の不均一214内の樹脂304が、樹脂過多であるかどうかを判定し得る(工程1608)。工程1608で、樹脂304が樹脂過多である場合、当該樹脂は樹脂隆起部323であり得る。この場合、プロセスは、不均一214が許容誤差の範囲外にあり、削減されるべきであることを示し得(工程1610)、プロセスはその後終了する。
【0154】
再び工程1608を参照すると、隆起部内の不均一214内の樹脂304が樹脂過多でない場合、プロセスは不均一214が許容誤差の範囲外にあるが低減されるべきではないことを示し得(工程1612)、プロセスは、その後終了する。再び工程1606を参照すると、隆起部の存在が検出されない場合、プロセスは不均一が許容誤差の範囲外になく、また低減されるべきではないことを示し得(工程1614)、プロセスは、その後終了する。
【0155】
図示した種々の実施形態におけるフロー図及びブロック図は、例示的な一実施形態における、装置及び方法の幾つかの可能な実装の構造、機能、及び工程を示している。これに関して、フロー図またはブロック図内の各ブロックは、工程もしくはステップの、モジュール、セグメント、機能、または一部分のうちの少なくとも1つを表わし得る。限定しないが、例として、1または複数のブロックは、プログラムコードとしてハードウェア内に、またはプログラムコードとハードウェアの組合せとして、実装されてよい。ハードウェア内に実装された場合、限定しないが例として、ハードウェアは、フロー図またはブロック図の1または複数の工程を実施するように製造または構成された、集積回路の形態をとり得る。プログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実装された場合、この実装はファームウェアの形態をとり得る。
【0156】
例示の一実施形態の幾つかの代替的な実装においては、ブロックに記載された1または複数の機能は、図中に記載の順序を逸脱して発生してよい。限定しないが例として、ある場合には、連続して示されている2つのブロックがほぼ同時に実施されることもあり得、または、含まれる機能によっては、時としてブロックが逆順に実施されることもあり得る。さらに、フロー図またはブロック図で示されているブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0157】
例えば、工程1606において、隆起部が検出されなかった場合、プロセスは、樹脂304が樹脂過多であるかどうかを、なお判定し得る。この場合、樹脂304が樹脂過多であって隆起部が存在しない場合は、プロセスは、樹脂304の窪み324の存在を示し得る。
【0158】
本開示の例示的な実施形態は、図17に示される航空機の製造及び保守方法1700と、図18に示される航空機1800に関連して記載され得る。航空機の製造及び保守方法1700は、製造前段階に、航空機1800の仕様及び設計1702、並びに材料の調達1704を含み得る。製造段階では、航空機1800のコンポーネント及びサブアセンブリの製造1706とシステムインテグレーション1708とが行われる。その後、航空機1800は認可及び納品1710を経て運航1712に供される。顧客により運航1712される間に、航空機1800には、定期的な整備及び保守1714(改造、再構成、改修なども含み得る)が予定される。
【0159】
航空機の製造及び保守方法1700の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/またはオペレーター(例えば顧客)によって、実施または実行され得る。本書の目的にとっては、システムインテグレータは、限定されることなく任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含み得、第三者は、限定されることなく任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0160】
図18に示すように、航空機の製造及び保守方法1700によって製造された航空機1800は、複数のシステム1804及び内装1806を有する機体1802を含み得る。高レベルシステム1804の例には、推進システム1808、電気システム1810、油圧システム1812、及び環境システム1814のうちの1または複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれ得る。航空宇宙産業の例を示したが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業にも適用されうる。
【0161】
本書中で実施される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法1700の1または複数の任意の段階で採用され得る。例えば、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1706中の製造プロセスに対応するコンポーネントまたはサブアセンブリは、航空機1800の運航中に製造されるコンポーネントまたはサブアセンブリと同様の方法で、製作または製造され得る。さらに、1または複数の装置の実施形態、方法の実施形態、またはこれらの組み合わせは、許容誤差の範囲外の樹脂隆起部といった不均一を低減するため、製造段階、即ちコンポーネント及びサブアセンブリの製造1706、並びにシステムインテグレーション1708の段階で利用されてよい。例示的な実施形態を用いることにより、航空機1800の、組立が実質的に促進されるか、またはコストが実質的に減少する。同様に、1または複数の装置の実施形態、方法の実施形態、またはそれらの組み合わせは、許容誤差の範囲外にある不均一を低減するため、航空機1800の整備及び保守1714中に利用されてよい。
【0162】
こうして、例示的な実施形態によって、複合材構造体204の再加工の方法及び装置が提供され得る。一実施例では、複合材構造体の再加工または廃棄によって生じる、時間、費用、または時間と費用両方の増大を伴う技術的問題は、移動点検ユニット210によって解決され得る。移動点検ユニット(複数)208が、群れ258として協調して複合材構造体204の点検を実施する場合に、時間、費用、または費用及び時間のさらなる低減が起こり得る。
【0163】
種々の例示的実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、または開示された形態の実施形態に限定することを、意図しているわけではない。動作及び工程を実施するコンポーネントが、種々の実施例によって説明される。例示的な一実施例においては、コンポーネントは、記載された動作や工程を実施するように構成され得る。限定しないが例として、コンポーネントは、コンポーネントによって実施されるとして実施例中に記載された動作や工程を実施する能力をコンポーネントに提供する構造のための、構成または設計を有し得る。
【0164】
ゆえに、要約すると、本発明の第1の態様により、下記が提供される。
【0165】
A1.装置であって、当該装置による複合材構造体(204)の点検作業中、複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する無人搬送機(220)と、
無人搬送機(220)に付随した表面点検センサシステム(303)と、
無人搬送機(220)及び表面点検センサシステム(303)と通信する、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)と、
を備える装置。
【0166】
A2.無人搬送機(220)に付随した不均一低減システム(224)であって、許容誤差の範囲外(238)にあると識別された不均一(214)を低減するため、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が不均一低減システム(224)を制御する、不均一低減システム(224)
をさらに備える、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0167】
A3.装置であって、表面点検センサシステム(303)が、当該装置の作業中に複合材構造体(204)の表面(212)に関する点検情報(228)を生成し、且つ無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、複合材構造体(204)の表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを自動的に制御し、表面点検センサシステム(303)から点検情報(228)を受信し、点検情報(228)を用いて、複合材構造体(204)の表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)のスキャンを行う、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0168】
A4.許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)をスキャンする際、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、点検情報(228)に基づいて測定プロファイル(306)を識別し、比較(316)を形成するため、測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきであるかどうかを比較(316)に基づいて判定し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきである場合、不均一(214)をどの程度低減するかを比較(316)に基づいて識別する、段落A3に記載の装置もまた、提供される。
【0169】
A5.不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、不均一(214)の位置(216)にタグ付けする、段落A2に記載の装置もまた、提供される。
【0170】
A6.位置(216)へのタグ付けに際して、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、位置(216)に材料で物理的にマーキングすること、位置(216)の座標を記憶すること、または位置(216)の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実施する、段落A5に記載の装置もまた、提供される。
【0171】
A7.表面点検センサシステム(303)が、無人搬送機(220)と一群の無人搬送機(234)のうちの少なくとも一方の、現在の位置(216)に関する位置情報(230)を生成する、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0172】
A8.無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、表面点検センサシステム(303)から受信した位置情報(230)を用いて表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを制御する、段落A7に記載の装置もまた、提供される。
【0173】
A9.位置(216)が識別されたときに、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、点検情報(228)を用いて、複合材構造体(204)の表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)のスキャンを開始する、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0174】
A10.表面点検センサシステム(303)が、位置(216)において、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出した場合に、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が点検する位置(216)を識別する、段落A8に記載の装置もまた、提供される。
【0175】
A11.不均一低減システム(224)は、研磨装置、隆起部低減システム、レーザ低減システム、エンドエフェクタ、レーザシステム、アブレーションシステム、トリミングシステム、または切断システム、のうちの少なくとも1つから選択される、段落A2に記載の装置もまた、提供される。
【0176】
A12.表面点検センサシステム(303)が、
位置(216)において、望ましい量よりも多い量の樹脂(304)の存在を識別する材料識別装置(300)、及び
位置(216)において、表面(212)の測定プロファイル(306)を識別する表面スキャナ(302)を備える、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0177】
A13.表面点検センサシステム(303)は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択される、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0178】
A14.無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)は、無人搬送機(220)、別の無人搬送機(220)、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つから選択された位置(216)に配置される、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0179】
A15.無人搬送機(220)は、自律クローラー、航空ドローン、無人地上ビークル、及び無人航空ビークルのうちの1つから選択される、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0180】
A16.複合材構造体(204)は、ビークルの部品、航空機の部品、航空機、翼、胴体部、エンジンカウル、水平安定板、客室フロア、及び自動車用フード、のうちの1つから選択される、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0181】
A17.無人搬送機(220)は、表面(212)に接触せずに表面(212)上を移動するか、または表面(212)に接触した状態で表面(212)上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する、段落A1に記載の装置もまた、提供される。
【0182】
A18.不均一低減システム(224)は、無人搬送機(220)に取り外し可能に付随し、無人搬送機(220)は不均一低減システム(224)を不均一(214)の上に配置する、段落A2に記載の装置もまた、提供される。
【0183】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0184】
B1.無人搬送機(220)を、複合材構造体(204)の表面(212)上の位置(216)に自動的に移動することと、
表面点検センサシステム(303)で、位置(216)における複合材構造体(204)の表面(212)に関する点検情報(228)を自動的に生成することと、
位置(216)において、複合材構造体(204)の表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)を、点検情報(228)を用いて自動的にスキャンすることと、
を含む、複合材構造体(204)の表面(212)上の不均一(214)を低減する方法。
【0185】
B2.不均一(214)の効率的な低減が可能である、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0186】
B3.不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にある場合に、不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで、不均一低減システム(224)によって不均一(214)のサイズを低減すること
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0187】
B4.不均一(214)を自動的にスキャンすることが、
点検情報(228)に基づいて測定プロファイル(306)を識別することと、
比較(316)を形成するため、測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較することと、
不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきであるかどうかを比較(316)に基づいて判定することと、
不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきである場合、不均一(214)をどの程度低減するかを比較(316)に基づいて識別することと、を含む、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0188】
B5.不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合に、位置(216)にタグ付けすること
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0189】
B6.不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合に、位置(216)へのタグ付けが、
位置(216)に材料で物理的にマーキングすること、位置(216)の座標を記憶すること、または位置(216)の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実施することを含む、段落B4に記載の方法もまた、提供される。
【0190】
B7.無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、複合材構造体(204)の表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを自律的に制御する、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0191】
B8.表面点検センサシステム(303)が、無人搬送機(220)と一群の無人搬送機(234)のうちの少なくとも一方の、現在の位置(216)に関する位置情報(230)を生成する、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0192】
B9.無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、表面点検センサシステム(303)から受信した位置情報(230)を用いて表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを制御する、段落B8に記載の方法もまた、提供される。
【0193】
B10.表面点検センサシステム(303)が、位置(216)において、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出した場合に、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が点検する位置(216)を識別する、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0194】
B11.不均一低減システム(224)は、研磨装置、隆起部低減システム、レーザ低減システム、エンドエフェクタ、レーザシステム、アブレーションシステム、トリミングシステム、または切断システム、のうちの少なくとも1つから選択される、段落B3に記載の方法もまた、提供される。
【0195】
B12.表面点検センサシステム(303)が、樹脂(304)の存在を識別する材料識別装置(300)、及び表面(212)の測定プロファイル(306)を識別する表面スキャナ(302)を備える、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0196】
B13.表面点検センサシステム(303)は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択される、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0197】
B14.無人搬送機(220)は、自律クローラー、航空ドローン、無人地上ビークル、及び無人航空ビークルのうちの1つから選択される、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0198】
B15.複合材構造体(204)は、ビークルの部品、航空機の部品、航空機、翼、胴体部、エンジンカウル、水平安定板、客室フロア、及び自動車用フード、のうちの1つから選択される、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0199】
B16.無人搬送機(220)は、表面(212)に接触せずに表面(212)上を移動するか、または表面(212)に接触した状態で表面(212)上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する、段落B1に記載の方法もまた、提供される。
【0200】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0201】
C1.樹脂(304)低減システムによる複合材構造体(204)の点検作業中、当該複合材構造体(204)の表面(212)上を移動する無人搬送機(220)と、
樹脂(304)低減システムの作業中、表面点検センサシステム(303)が複合材構造体(204)の表面(212)に関する点検情報(228)を生成する、無人搬送機(220)に付随した表面点検センサシステム(303)と、
無人搬送機(220)に付随した不均一低減システム(224)と、
樹脂(304)低減システムの動作中、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が、複合材構造体(204)の表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを自律的に制御し、表面点検センサシステム(303)から点検情報(228)を受信し、点検情報(228)に基づいて測定プロファイル(306)を識別し、比較(316)を形成するため、測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきかどうかを比較に基づいて判定し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきである場合、不均一(214)をどの程度低減するかを比較(316)に基づいて識別し、許容誤差の範囲外(238)と識別された不均一(214)を低減するため、不均一低減システム(224)を制御し、次いで、不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合、位置(216)に材料で物理的にマーキングすること、位置(216)の座標を記憶すること、または位置(216)の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実行することによって、不均一(214)の位置(216)にタグ付けし、それによって不均一(214)の効率的な低減を可能にする、無人搬送機(220)及び表面点検センサシステム(303)と通信する無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)と、
を含む、樹脂低減システム。
【0202】
C2.表面点検センサシステム(303)が、位置(216)において、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出した場合に、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)が点検する位置(216)を識別する、段落C1に記載の樹脂低減システムもまた、提供される。
【0203】
C3.無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)は、無人搬送機(220)、別の無人搬送機(220)、またはコンピュータシステムのうちの少なくとも1つから選択された位置(216)に配置される、段落C1に記載の樹脂低減システムもまた、提供される。
【0204】
C4.複合材構造体(204)は、ビークルの部品、航空機の部品、航空機、翼、胴体部、エンジンカウル、水平安定板、及び客室フロア、のうちの1つから選択される、段落C1に記載の樹脂低減システムもまた、提供される。
【0205】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0206】
D1.複合材構造体(204)の表面(212)上の位置(216)において、ペンで付けた印、塗料、ステッカー、テープ、目印、構造物、無線ID識別チップ、ストリンガ、またはリブのうちの少なくとも1つを検出することによって、点検するための位置を識別することと、
無人搬送機(220)は、複合材構造体(204)の表面(212)に接触せずに表面(212)上を移動するか、または表面(212)に接触した状態で表面(212)上を移動するか、のうちの少なくとも1つによって、複合材構造物(204)の表面(212)上を移動し、無人搬送機(220)は、自律クローラー、航空ドローン、無人地上ビークル、及び無人航空ビークルのうちの1つから選択され、無人搬送機(220)/表面点検センサシステム用コントローラ(226)は、複合材構造体(204)の表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを自動的に制御する、無人搬送機(220)を複合材構造体(204)の表面(212)上の位置(216)に自動的に移動することと、
表面点検センサシステム(303)は、近赤外線画像カメラ、レーザスキャナ、可視光線カメラ、立体カメラ、触覚センサシステム、物理プローブ、マイクロ計測プローブ、有色白色光センサ、またはビデオカメラのうちの少なくとも1つから選択される、表面点検センサシステム(303)によって、位置(216)における複合材構造体(204)の表面(212)に関する点検情報(228)を自動的に生成することと、
点検情報(228)に基づいて測定プロファイル(306)を識別し、比較(316)を形成するため測定プロファイル(306)を予想プロファイル(314)と比較し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきかどうかを比較(316)に基づいて判定し、不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にあり低減されるべきである場合、不均一(214)をどの程度低減するかを比較(316)に基づいて識別することによって、位置(216)において、複合材構造体(204)の表面(212)上の、許容誤差の範囲外(238)にある不均一(214)を、点検情報(228)を用いて自動的にスキャンすることと、
不均一(214)が許容誤差の範囲外(238)にある場合に、不均一低減システム(224)によって、不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで不均一(214)のサイズを低減することであって、それによって不均一(214)の効率的な低減を可能にし、不均一低減システム(224)は、研磨装置、隆起部低減システム、レーザ低減システム、エンドエフェクタ、レーザシステム、アブレーションシステム、トリミングシステム、または切断システムのうちの少なくとも1つから選択される、低減することと、
不均一(214)が許容誤差の範囲内(239)になるまで低減されるべきではない場合、位置(216)に材料で物理的にマーキングすること、位置(216)の座標を記憶すること、または位置(216)の方向を記憶すること、のうちの少なくとも1つを実行することによって、位置(216)に自動的にタグ付けすることと、
無人搬送機(220)と一群の無人搬送機(234)のうちの少なくとも一方の現在の位置(216)に関する位置情報(230)を自動的に生成することと、
表面点検センサシステム(303)から受信した位置情報(230)を用いて、表面(212)上の無人搬送機(220)の動きを自動的に制御することと、
を含む、複合材構造体(204)の表面(212)上の樹脂(304)を低減する方法。
【0207】
当業者には、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の例示的な実施形態によって、他の好ましい実施形態に比較して異なる特徴が提供され得る。選択された1または複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するために、及び他の当業者に対して、様々な実施形態の開示内容と考慮される特定の用途に適した様々な修正の理解を促すために、選択及び記述されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18