(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レーザセンサ(20)、前記信号線(24)、および前記第1のシャッタ(22)は、前記レーザセンサ(20)および前記光路(18)の出発点のそれぞれに同時に到達する両方とも前記指定のしきい値よりも大きい放射束を有している第1および第2の光ビーム(18a、18b)に応答し、前記第1のシャッタ(22)が、前記信号線(24)を介した前記レーザセンサ(20)からの前記作動信号の受信に応答して、他方の光の該第1のシャッタ(22)への入射に先立って不透明になるように構成されている、請求項1に記載の像生成装置(10)。
前記光路(18)は、前記レーザセンサ(20)の近傍から前記第1のシャッタ(22)へと移動する光について飛行時間遅延を生じさせるように構成され、前記レーザセンサ(20)、前記信号線(24)、および前記第1のシャッタ(22)は、高放射束の前記レーザセンサ(20)への到達の時点から前記第1のシャッタ(22)が不透明になる時点までのシャッタ遅延を生じるように構成され、前記飛行時間遅延は、前記シャッタ遅延よりも大きい、請求項1または2に記載の像生成装置(10)。
前記光路(18)に沿って配置された第2のミラー(32)をさらに備え、前記光路(18)に沿って移動する光は、前記第1のミラー(28)の第1の部分、前記第2のミラー(32)、および前記第1のミラー(28)の第2の部分に順に入射し、前記第1のシャッタ(22)は、前記第1のミラー(28)の前記第2の部分から前記イメージセンサ(14)まで延びている前記光路(18)の一部分に沿って配置されている、請求項4に記載の像生成装置(10)。
前記光路(18)に沿って配置された第2のミラー(32)をさらに備え、前記光路(18)に沿って移動する光は、前記第1のミラー(28)、次いで前記第2のミラー(32)に、順に入射し、前記第1のシャッタ(22)は、前記第1のミラー(28)から前記第2のミラー(32)まで延びる前記光路(18)の第1の部分および前記第2のミラー(32)から前記イメージセンサ(14)まで延びる前記光路(18)の第2の部分と交差している、請求項4に記載の像生成装置(10)。
前記光路(18)に沿って配置された第2のミラー(32)をさらに備え、前記光路(18)に沿って移動する光は、前記第1のミラー(28)、次いで前記第2のミラー(32)に、順に入射し、前記第1のシャッタ(22)は、前記第2のミラー(32)から前記イメージセンサ(14)まで延びる前記光路(18)の一部分に沿って配置されている、請求項4に記載の像生成装置(10)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で図面を参照するが、図面において、類似の構成要素には、異なる図であっても同じ参照番号が付されている。
【0014】
保護システムの例示の実施形態が、以下で或る程度詳しく説明される。しかしながら、実際の実施例のすべての特徴が、本明細書において説明されるわけではない。そのような実際の実施形態の開発において、システム関連およびビジネス関連の制約など、実施例ごとにさまざまであると思われる開発者の具体的目標を達成するために、幾多の実施例ごとの決定を行わなければならないことを、当業者であれば理解できるであろう。さらに、そのような開発の努力が、複雑かつ時間のかかるものであるかもしれないが、それでもなお本開示の恩恵を被る当業者にとって日常の仕事にすぎないと考えられることを、理解できるであろう。
【0015】
設計により、像生成装置は、レンズまたはミラーを使用して光をイメージセンサへと集める。
図1が、レンズ12と、イメージセンサ14と、ハウジング16とを有する像生成装置10aを示している。ハウジング16は、入射光が像生成装置10aの焦点面への経路において伝播する開口を有している。
図1における矢印は、レンズ12によってイメージセンサ14の一部分へと集められることによって光の強度を強めているそれぞれの入射光線18の光路18を示している(他の光線は、図面が混み合わないようにするために図示されてない)。これが、像における高放射束の光源の位置に対応する画素において、強度を強める。このようにして、構造表面にとって無害な光が、イメージセンサ14において損傷を引き起こすような強度を有する可能性がある。
【0016】
この問題を解決するための1つの手法が、
図2に示されており、
図2は、レンズ12と、イメージセンサ14と、レーザセンサ20と、シャッタ22とを有しており、これらの構成要素がハウジング16へと直接的または(図示されていない支持手段によって)間接的に取り付けられていてよい像生成装置10bを示している。レーザセンサ20が、像生成装置の視野内の高放射束の光の存在を検出する。レーザセンサ20は、高放射束の光が検出されたとき、信号線24を介してシャッタ22へと作動信号を送信する。この作動信号の受信に応答して、シャッタ22が不透明になることで、入射光の少なくとも一部を像生成装置10bの焦点面に配置されたイメージセンサ14に達しないように遮る。
【0017】
図2に示される手法は、軍事の状況において一般的に遭遇される強い光を遮るためには充分でないかもしれない。この不充分さの理由は、以下の3つの遅延、すなわち(1)レーザセンサの応答時間Δt
sensor(いずれのレーザセンサも、高放射束の光の到達を検出して信号を送信するために或る程度の時間を必要とする)、(2)信号の通行時間Δt
transit(信号は、レーザセンサ20からシャッタ22まで移動しなければならないが、0.3メートル/ナノ秒という光の速度よりも速く移動することはできない)、および(3)シャッタの応答時間Δt
response(いかなるシャッタも、瞬時に閉じることは不可能であり、信号が到着してから不透明になるまでに或る程度の反応時間が必要であり、反応時間の短いシャッタほど高価である)にある。これらの遅延が合計され、高放射束の光がレーザセンサ20に到達してからシャッタ22が不透明になるときまでの総シャッタ遅延である単一の値Δt
shutterを生むことができる。
【0018】
図3Aは、異なる強度I
1およびI
2の2つのレーザ攻撃について、イメージセンサにおける光強度を時間に対して示したグラフである。
図3Bは、同じレーザ攻撃について、同じイメージセンサにおける温度を時間に対して示したグラフである。
【0019】
図3AにおいてI
1と標記されたプロットは、時刻t
0において始まる比較的低い強度の攻撃を表している。
図3BにおいてT
1(t)と標記されたプロットは、焦点面における対応する温度を表している。時刻t
0において始まって、温度は、初期値T
0から損傷しきい値T
damageに向かって上昇する。このしきい値に達する前に、シャッタ22が時刻t
closeにおいて閉じる。温度の上昇が止み、イメージセンサ14は生き残る。
【0020】
図3AにおいてI
2と標記されたプロットは、より高い強度の攻撃を表している。
図3BにおいてT
2(t)と標記されたプロットは、焦点面における対応する温度を表している。上述のように、温度が初期値T
0から上昇するが、より高い強度I
2に鑑みて、温度は弱い攻撃の場合よりも速く上昇する。温度は、t
closeにおいてシャッタ22が閉じるよりも前に、損傷しきい値T
damageを超える。この場合、イメージセンサ14が損傷し、あるいは破壊される可能性がある。対照的に、下記で詳しく説明される保護システムは、最強の強度の光であっても焦点面を損傷させる前に阻止することができる。
【0021】
図4が、第1の実施形態による保護システムを備えた像生成装置10cの構造的および機能的な態様を示している。像生成装置10cは、以下の構成要素、すなわちレンズ12(または、他の像形成用の光学部品)と、イメージセンサ14(または、他のイメージセンサ)と、ミラー28(または、他の経路方向変更用の光学部品)と、レーザセンサ20と、シャッタ22(電気光学式、機械式、など)と、信号線24(配線、同軸ケーブル、または光ファイバ)と、開口を有するハウジング16aと、バッフル26とを備えている。
図4に示されるとおり、ミラー28は、レンズ12からの光をイメージセンサ14へと反射させる。シャッタ22は、閉じられたときに、イメージセンサ14を保護するために光の経路を遮る。レーザセンサ20の付近の地点からミラー28を経由するシャッタ22までの光路長は、レーザセンサ20からシャッタ22までの信号線24の長さよりもはるかに長い。細長いハウジング16aが、構成部品および光路を囲んで保護している。バッフル26が、回折、塵埃、またはレンズ12上の他の傷によって散乱させられた光が、レーザセンサ20の付近の地点からミラー28を経由するシャッタ22までの光路長よりも短い光路長を有する経路を介してシャッタ22へと到達することを、阻止する。
【0022】
図4に示される実施形態によれば、像生成装置10cを入射する高放射束の光から保護するためのプロセスは、以下の主要なステップを含む。
(1)(開口の付近に配置された)レーザセンサ20が、指定のしきい値を上回る放射束を有する光を検出する。
(2)指定のしきい値に達し、あるいは指定のしきい値を超える場合、レーザセンサ20は、信号線24を介してシャッタ22へと(電気的または光学的な)作動信号を送信する。
(3)一方で、高放射束の光は、ハウジング16aを通って長い光路によって移動する。この光路の第1の部分18a(
図4において第1の矢印によって示されており、長さΔs
1を有している)が、レーザセンサ20の近傍の地点からミラー28まで延びており、この光路の第2の部分18b(
図4において第2の矢印によって示されており、長さΔs
2を有している)が、ミラー28からシャッタ22まで延びている。
(4)レーザセンサ20からの作動信号の受信に応答して、シャッタ22が不透明になる。
(5)高放射束の光が(今や不透明な状態である)シャッタ22に達するとき、入射光を、イメージセンサ14の損傷を防止するために充分に遮ることができる。
(6)レーザセンサ20は、光のレベルが指定のしきい値を再び下回ったことを検出すると、シャッタ22の開放を生じさせる(すなわち、シャッタ22を透明にする)作動解除信号を送信する。
【0023】
動作において、光路長Δsは、飛行時間遅延Δs/cを強いるように充分に長く、ここでcは光の速度であり、この飛行時間遅延は、総シャッタ遅延Δt
shutterよりも大きい。すなわち、
Δs/c>Δt
shutter (1)
である。
【0024】
図4に示されるとおりの2つの行程からなる光路について、Δt
shutterのすべての構成要素を示すと、この式は
(Δs
1+Δs
2)/c>Δt
sensor+Δt
transit+Δt
response (2)
となり、
ここでΔs
1は、レーザセンサ20の近傍の地点からミラー28までの光路長であり、Δs
2は、ミラー28からシャッタ22までの光路長である。
【0025】
本明細書に開示の種々の像生成装置の共通の構成要素を、以下の個別に表題が付けられた小区分において、より一般的に説明する。
【0026】
[イメージセンサ]
イメージセンサ14は、可視または赤外の波長に対して敏感な電荷結合素子(CCD)などの入射光を電気信号に変換する多数の素子を含む凝視焦点面アレイを備えることができる。代案においては、1画素カメラ(圧縮撮像システム)、撮像用光電子増倍管、ビジコン管、光化学フィルム、などであってもよい。
【0027】
[像形成用の光学部品]
像形成用の光学部品は、像を生成するために光をイメージセンサへと集めるレンズ、ミラー、またはこれらの組み合わせであってよい。
図4に示されるレンズ12などの単一の光学要素であってよく、あるいは色収差補正レンズ、ニュートン式(Newtonian)ミラーシステム、またはシュミット−カセグレン(Schmidt−Cassegrain)のレンズ−ミラーの組み合わせであってよい。
【0028】
[経路方向変更用の光学部品]
経路方向変更用の光学部品は、光の方向を変化させるミラー28などの光学要素を備えることができる。好ましくは、方向が、少なくとも90°変化させられる。これは、像を形成する光およびイメージセンサを損傷させかねない光を含む。光の方向を変えることで、光の経路長を、シャッタ信号の経路長よりもはるかに長くすることができる。
図4に示されるとおりの単一の平坦なミラー28の他に、この光学要素は、反射プリズム、複数のミラー、またはこれらの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態(後でさらに詳しく説明される)においては、ミラーが湾曲しており、像形成用の光学部品の一部である。
【0029】
[レーザセンサ]
レーザセンサは、像生成装置とおおむね同じ視野を有する感光電子デバイスである。充分に高放射束の光が自身の視野内に現れると、レーザセンサは、迅速に、典型的にはナノ秒未満で、信号を発する。
図4に見られるように、好ましくは、レーザセンサ20は、レーザセンサ20からシャッタ22までの信号線24が短くなるように、シャッタ22の近くに配置される。レーザセンサ20は、典型的には、高放射束の光にだけ反応すればよいため、イメージセンサ14よりもはるかに感度が低い。また、イメージセンサ14と比べて、より高い放射エネルギを有する光に曝されても生き残ることができる。典型的なレーザセンサは、しきい値処理の機能を有するプロセッサと、光検出器と、レンズまたは指向性をもたらす他の集光要素とを備える。
【0030】
[シャッタ]
シャッタ22は、2つの状態を有する装置である。一方の状態において、シャッタ22は、光の通過を少なくとも部分的に阻止する。他方の状態において、シャッタ22は、光の通過を許す。シャッタ22は、ポッケルス(Pockels)セル、カー(Kerr)セル、ファラデー(Faraday)変調器、または(液晶表示装置において用いられている技術と同様の)アクティブマトリクス液晶格子などの高速動作の磁気光学または電気光学デバイスを囲む交差させた偏光子を備えることができる。シャッタ22に作動信号の受信および応答のために可能な限り多くの時間を与えるために、シャッタ22は、典型的にはイメージセンサ14に隣接し、レーザセンサ20のできるだけ近くに位置する。
【0031】
[信号線]
図4に示されるとおり、信号線24は、レーザセンサ20からの信号をシャッタ22へと運ぶ。信号線24は、レーザセンサ20からシャッタ22まで、できる限り直接的な経路をとるように構成される。光信号において、信号線24は、光ファイバ(信号の速度は〜2x10
8m/s)であってよく、あるいは信号が3x10
8m/sで移動する自由空間経路(おそらくは、中空管で遮蔽される)であってよい。電気信号において、信号線24は、できる限り高い信号速度を達成するために、単位長さ当たりのインダクタンスおよびキャパシタンスが最小となるように構成される。
【0032】
[ハウジング]
レーザセンサ20からの作動信号を受信して状態を変化させるための時間を、シャッタ22に与えなければならない。光がイメージセンサ14に到達するまでに要する経路を長くすることで、これが可能にされる。使用可能ないくつかのハウジングの設計が存在する。重要な要素は、光が移動しなければならない距離と、信号が移動しなければならない距離との対比である。0.3メートル/ナノ秒において、2メートルの経路が、6ナノ秒の遅延をもたらす。
図4に示されるハウジング16aを、ミラー28をレーザセンサ20およびシャッタ22の各々から1メートルに配置することによって、1メートルの長さで2メートルの経路を実現するように設計することができる。
【0033】
次に、保護システムを備える像生成装置の別の実施形態を、本明細書に開示される考え方を現実にすることができる種々のやり方を説明する目的で、詳しく説明する。
【0034】
いくつかの代案の実施形態においては、機械式の第2のシャッタが存在する。機械式のシャッタは、高放射束の光がイメージセンサに到達するよりも前に作動するには低速すぎるが、ひとたび閉じられると、光の100%を遮断する。手頃な電気光学式のシャッタは、典型的には光の100%を遮断することがないため、いくつかの代案の実施形態は、両方の種類のシャッタを前後に並べて使用し、すなわち電気光学式のシャッタが、光の大部分を遮るように迅速に動作し、その後に機械式のシャッタが、残りの光を遮る。
【0035】
図5が、第2の実施形態による保護システムを備えた像生成装置10dの構造的および機能的な態様を示している。この実施形態において、保護システムは、より低速な機械式のシャッタ22aを、より高速な電気光学式のシャッタ22bの「上流」に備えている。機械式のシャッタ22aは、電気光学式のシャッタ22bよりも頑丈(すなわち、丈夫)であるため、
図5に示されるとおり、機械式のシャッタ22aが、より弱くかつより高価につく電気光学式のシャッタ22bを高放射束の光への長時間の暴露から保護するように配置される。
【0036】
図6が、機械式のシャッタ22aの追加が、イメージセンサ14の保護にどのように役立つのかを示している(レーザセンサ20から機械式のシャッタ22aまでの信号線は、図中での混乱を避けるために図示されていない)。電気光学式のシャッタ22bについての総シャッタ遅延がΔt
shutter_1であることから、電気光学式のシャッタ22bは、時刻t
close_1において閉じるが、光の100%を遮るわけではないため、イメージセンサ14(または、他のイメージセンサ)の温度は、ゆっくりと上昇し続ける。機械式のシャッタ22aについての総シャッタ遅延Δt
shutter_2が、電気光学式のシャッタ22bについての総シャッタ遅延Δt
shutter_1よりも長いことに鑑み、機械式のシャッタ22aは、電気光学式のシャッタ22bが閉じる時刻t
close_1よりも遅い時刻t
close_2において閉じる。閉じた機械式のシャッタ22aが光の100%を遮るため、イメージセンサ14(または、他のイメージセンサ)における温度は、それ以上は上昇しない(すなわち、損傷が生じうる温度T
damageに達しない)。
【0037】
多くの像生成システムは、カセグレンの光学的構成を使用する。カセグレン反射器は、光学望遠鏡において頻繁に用いられる凹面の一次ミラー30と凸面の二次ミラー32との組み合わせである。対称形のカセグレン反射器においては、両方のミラーが、光軸を中心にして整列させられ、一次ミラー30が、通常は中心に穴を含むことで、光が接眼レンズ、カメラ、または光検出器へと到達できるようにしている。
図7が、シャッタ22を二次ミラー32の近くに有する保護システムを備えるカセグレン像生成装置10e(例えば、カセグレン反射器を有する望遠鏡)の構造的および機能的な態様を示している。
図7は、経路方向変更用の光学要素および像形成用の光学要素の両方としてのカセグレン一次ミラー30の使用を示している。入射光線は、ハウジング16bを通過するそれぞれの長い光路によって移動する。2つの光線についてのそれぞれの光路の第1の部分18aが、レーザセンサ20の近傍の地点から一次ミラー30まで延び、2つの光線についてのそれぞれの光路の第2の部分18bが、一次ミラー30から二次ミラー32まで延び、2つの光線についてのそれぞれの光路の第3の部分18cが、二次ミラー32からイメージセンサ14まで延びている。
【0038】
図7に示した実施形態の利点は、光が、イメージセンサ14までの経路の途中でシャッタ22を2回通過する点にある。これは、シャッタ22の有効不透明度を高め、すなわち1回の通過において光の90%を遮るシャッタ22は、2回の通過において光の99%を遮る。これは、安価なシャッタが、より高価なシャッタと同様に働くことを可能にする。
【0039】
図7に示した実施形態の欠点は、シャッタ22の周囲のハードウェアが、一部の光を遮り、望遠鏡の性能を低下させることにある。
図8が、この欠点を回避する代案を示している。この実施形態においては、カセグレン像生成装置10fが、シャッタ22を一次ミラー30の背後かつイメージセンサ14の前方に配置して有する保護システムを備えている。シャッタ22を一次ミラー30の背後に配置することで、余分なシャッタハードウェアが光路の外に置かれる。いくつかの用途において、これは、
図7に示した実施形態がもたらす2回通過の利点が失われるにもかかわらず、好ましいかもしれない。
【0040】
図9が、さらなる実施形態によるシャッタ22をレーザセンサ20の近くに有する保護システムを備えているニュートン式の像生成装置10g(例えば、ニュートン式望遠鏡)の構造的および機能的な態様を示している。入射光は、凹面の一次ミラー30によって平坦な斜めの二次ミラー32aへと反射および集光され、次いで二次ミラー32aが、集光されたビームをイメージセンサ14へと反射させる。この光学的構成は、シャッタ22をハウジング16cの開口の背後かつレーザセンサ20のきわめて近くに位置させ、余分なシャッタハードウェアを光路の外に保つ。
【0041】
図10が、複数の経路方向変更用の光学部品によってきわめて長い光路を生み出している別の実施形態によるシャッタ22を有する保護システムを備えた像生成装置10hの構造的および機能的な態様を示している。像生成装置10hは、以下の構成要素、すなわちレンズ12と、イメージセンサ14と、ミラー28aおよび28bと、レーザセンサ20と、シャッタ22と、信号線24と、開口を有するハウジング16dと、1対のバッフル26aおよび26bとを備えている。
図4に矢印によって示されるとおり、第1のミラー28aが、レンズ12からの光をミラー28bへと反射させ、ミラー28bが、ミラー28aからの光を再びミラー28aへと反射させ、ミラー28aが、ミラー28bからの光をシャッタ22に向かって反射させる。シャッタ22は、不透明であるときに、イメージセンサ14を保護するために光の経路を少なくとも部分的に遮る。レーザセンサ20の付近の地点からシャッタ22までの光路長は、レーザセンサ20からシャッタ22までの信号線24の長さよりもはるかに長い。より具体的には、入射レーザ光は、ハウジング16dを通る長い光路によって移動する。この光路の第1の部分18a(
図10において第1の矢印によって示されている)が、レーザセンサ20の近傍の地点からミラー28aまで延びており、この光路の第2の部分18b(第2の矢印によって示されている)が、ミラー28aからミラー28bまで延びており、この光路の第3の部分18c(第3の矢印によって示されている)が、ミラー28bからミラー28aまで延びており、最後にこの光路の第4の部分18d(第4の矢印によって示されている)が、ミラー28aからシャッタ22まで延びている。
【0042】
図4、
図5、および
図7〜
図9に示した実施形態においては、像生成装置が、光路において1つまたは2つの大きな方向の変更を有している。
図10に示される実施形態は、多数の経路方向変更用の光学部品を使用することで、限られた物理的空間においてきわめて長い光路を生み出している。説明を簡単にするために、ここに示されているバージョンは、光路をおおむね単一の平面内に保っており、光路において交差する行程を有していない。より複雑な実施形態は、例えば星形または三次元の網目にて交差する光路の行程を有することにより、装置の体積を最小限にする。反射面が多数であると、かなりの光学誤差が持ち込まれる可能性があるため、いくつかの実施形態は、誤差を補正するためにシャッタとイメージセンサとの間に補償の光学系を使用する。
【0043】
これまでに述べた実施形態においては、装置が、折り曲げられた光路を備えていた。イメージセンサへの高放射束の光の到達を遅らせる別のやり方は、高い屈折率を有する物質を使用することによって飛行時間を遅延させることである。
【0044】
図11が、さらなる代案の実施形態による像生成装置10iの構造的および機能的な態様を示している。この構成においては、光路18の一部が、高い屈折率nを有する透明な物質34(固体、液体、または気体)で満たされている。すなわち、物質における光の速度が、例えば1.33(水)〜4.0(遠赤外の撮像装置に用いられるゲルマニウム)またはそれ以上(ボーズ−アインシュタイン(Bose−Einstein)凝縮体などの珍しい物質)の係数にて遅くされる。このようにして、光路が、ハウジング16eの内部に配置された高屈折率の物質34によって実質的に長くされる。信号線24に沿って伝播する信号は、遅くされることがないため、真空における光の速度と同じ速さで移動することができる。充分な長さの光路を考えると、作動信号は、高放射束の光よりも充分に早くシャッタ22に到達する。シャッタ22は、以下の関係
nΔs/c>Δt
shutter (3)
が真実であるときは常に、光がシャッタ22に到達するよりも前に不透明になる(すなわち、閉じる)。
【0045】
より一般的には、光路は、複数の行程を含むことができ、各々の行程iは、長さΔs
iおよび屈折率n
iを有する。この場合、適切な関係は
(Σn
iΔs
i)/c>Δt
shutter (4)
であり、ここでΣは、すべての行程の合計を意味する。
【0046】
いくつかの実施形態は、折り曲げられた光路および高屈折率の物質で少なくとも部分的に満たされた光路の両方を使用することができる。加えて、経路方向変更用の要素がプリズムである場合、プリズムの屈折率が少なくとも1.3であり、したがってプリズムを通って移動する光は、かなりの遅延を被る。いくつかの実施形態において、プリズムは、大きな内部経路長を有しかつ著しく大きい屈折率を有する材料を取り入れるように設計される。
【0047】
上述の実施形態の各々は、像形成用の光学部品とイメージセンサとの間にシャッタを有している。いくつかの実施形態、典型的には像形成用の光学部品が短い焦点距離を有する実施形態において、像形成用の光学部品は、シャッタとイメージセンサとの間(すなわち、シャッタの「下流」)に位置してもよい。経路方向変更用の光学部品およびレーザセンサは、シャッタの「上流」のままであると考えられる。
【0048】
像形成用の光学部品をシャッタの「下流」に置く特別な場合が、人間である観察者を保護する実施形態であり、すなわち像形成用の光学部品およびイメージセンサの両方が、人間の眼の一部である。先行技術が、多数の形態のペリスコープを含んでおり、すなわち潜水艦において用いられ、戦車、要塞、および海軍艦艇の武装した砲塔において用いられ、塹壕戦において用いられ、さらには警察による秘密の監視において用いられるペリスコープを含んでいる。
図12が、シャッタ22を人間である観察者6の眼の前方に配置して有し、延ばされた光路をさらに有している保護システムを備えるペリスコープ8の構造的および機能的な態様を示す図である。ペリスコープ8を通る延ばされた光路は、高放射束の光が人間である観察者6の眼に到達する前にシャッタ22が閉じることを可能にする。
【0049】
図12に示される実施形態においては、通常のペリスコープの構造が、光路を長くするために観察者の眼の下方に延ばされている(ペリスコープの光学系の他の部品は、分かりやすくするために省略されている。このより長い経路は、高放射束の光がシャッタ22に達するよりも前にレーザセンサ20からの信号がシャッタ22に到達することを可能にする。この光路の第1の部分18a(
図12において第1の矢印によって示されている)は、レーザセンサ20の近傍の地点からミラー36まで延びており、この光路の第2の部分18b(第2の矢印によって示されている)は、ミラー36からプリズム38の第1の小平面まで延びており、この光路の第3の部分18c(第3の矢印によって示されている)は、プリズム38の第1の小平面からプリズム38の第2の小平面まで延びており、最後にこの光路の第4の部分18d(第4の矢印によって示されている)が、ミラー28aからシャッタ22まで延びている。
【0050】
他の実施形態(図示せず)において、ペリスコープの前面の開口は、人間である観察者と同じ高さに位置することができる。これらの実施形態において、要点は、障害物を越えての観察ではなく、むしろ単に観察者の眼を高放射束のレーザ光または他の高放射束の光から保護することにある。
【0051】
シャッタの閉鎖に関して、他の基準を採用することができる。作動のしきい値は、放射の強度(例えば、ワット/ステラジアン)、照度(ワット/平方メートル)、または輝度(ワット/ステラジアン/平方メートル)にもとづくことができる。わずかに異なるレーザセンサを、放射輝度または放射照度のいずれが検出されるのかに応じて採用することができる。放射照度を検出するために、レーザセンサは、ただ1つの光検出器を備えることができる。放射輝度を検出するために、レーザセンサは、集光要素と、多数の画素を有する感光チップと、或る1つの画素における光の量がしきい値を超える場合に作動信号を発するプロセッサとを備えなければならない。
【0052】
対レーザの保護のための手段を有する像生成装置および機器を、種々の実施形態に関連して説明したが、その構成要素について、本明細書における教示から離れることなく、種々の変更および均等物による置き換えが可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。加えて、多数の変更を、本明細書に開示の考え方および具体化を個別の状況に合わせるために行うことができる。したがって、特許請求の範囲によって包含される主題は、開示された実施形態に限定されるものではない。
【0053】
以下に記載される方法の請求項を、その請求項に記載される各ステップをアルファベットによる順番(請求項におけるアルファベットによる順番付けは、先行して記載されたステップを参照する目的で使用されているにすぎない)または記載のとおりの順番で実行する必要があると解釈してはならない。また、2つ以上のステップのいずれかの部分を同時または交互に実行することを、排除するように解釈してはならない。