(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0020】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0021】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動(更新表示など)可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
【0022】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
【0023】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する。
【0024】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。
【0025】
また、画像表示装置5の画面上には、表示エリア5HL、5HRも配置され、表示エリア5HLには、実行が保留されている第1特図ゲームに対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示され、表示エリア5HRには、実行が保留されている第2特図ゲームに対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して保留表示画像ともいう。
【0026】
特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。
【0027】
また、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2特図保留記憶数を表示する。
【0028】
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0029】
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
【0030】
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(
図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
【0031】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0032】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0033】
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(
図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0034】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
【0035】
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、
図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
【0036】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0037】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0038】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0039】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
【0040】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
【0041】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0042】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行、保留の管理、後述の大当り遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0043】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0044】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン、演出制御コマンド、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
【0045】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0046】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0047】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
【0048】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0049】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。
【0050】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出であり、飾り図柄の可変表示を含む)を実行する機能を有する。
【0051】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0052】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0053】
演出制御部CPU120は、上記演出を実行するための処理中に、主基板11からの主基板11からの演出制御コマンドに基づいて画像系演出の実行(実行の開始)を表示制御部123に指示する。画像系演出は、画像表示装置5に演出画像を表示する演出であり、演出画像に合わせた音声出力や、演出画像に合わせた遊技効果ランプ9の点灯/消灯も適宜含む。
【0054】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの画像系演出の実行指示に基づき、画像系演出の実行を開始する。画像系演出の実行では、例えば、映像信号を供給することで画像表示装置5に演出画像を表示する。
【0055】
また、表示制御部123は、画像系演出を実行するときに、画像系演出に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号をランプ制御基板14に供給したりする。音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0056】
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0057】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0058】
(遊技の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
【0059】
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
【0060】
普図ゲームで停止表示(導出)される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
【0061】
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
【0062】
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
【0063】
第1特図保留記憶数(保留された第1特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数(保留された第2特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
【0064】
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
【0065】
特図ゲームで停止表示(導出)される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「6」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
【0066】
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
【0067】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が複数回(ここでは、15回)実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
【0068】
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が、「非確変」のときには「6」、「確変」のときには「7」の大当り図柄が停止表示される。
【0069】
なお、大当り種別が「非確変」、「確変」、「15R非確変」のときの「大当り」を、順次、「非確変大当り」、「確変大当り」ともいい、これらに基づく大当り遊技状態を順次、「非確変大当り遊技状態」、「確変大当り遊技状態」ともいう。
【0070】
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。非確変大当り遊技状態が終了したあとは、確変状態に制御されない。
【0071】
確変大当り遊技状態が終了した後又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで継続する。
【0072】
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の変動させる期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
【0073】
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0074】
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
【0075】
(演出の進行など)
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも画像系演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0076】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
【0077】
また、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出(画像系演出の一例)が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
【0078】
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、15R確変大当りのときに「7」、15R非確変大当りのときに「5」)が揃って停止表示される。
【0079】
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
【0080】
この実施の形態では、他の画像系演出として、例えば、大当り期待度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。また、大当り遊技状態中にも、画像系演出として、例えば、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。また、画像系演出として、例えば、特図ゲーム等が実行されていないときにはデモ(デモンストレーション)画像が表示される。その他、画像系演出として、後述の背景画像(特に、飾り図柄の可変表示などの他の演出の背景を構成する画像)が再生されたり、後述の切替演出及び報知演出などが実行されたりする。
【0081】
(パチンコ遊技機1の主要な動作)
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
【0082】
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、RAM102などに一時記憶され、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
【0083】
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
【0084】
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、大入賞口扉用のソレノイド82の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて演出制御コマンドの送信設定を行う。特別図柄プロセス処理の詳細は、後述する。
【0085】
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器20、普図保留表示器25C、普通電動役物用のソレノイド81の制御を含む。)である。
【0086】
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
【0087】
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。
図3に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。演出制御コマンドは、MODEデータ及びEXTデータから構成されている。
【0088】
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
【0089】
コマンド81XX(H)は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の変動パターン(特図や飾り図柄の変動時間(特図変動時間)及び可変表示結果の表示時間(停止図柄表示時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」(EXTデータ、「XX」について同じ)には、各変動パターンを示す数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
【0090】
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果を示す数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
【0091】
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに可変表示結果を導出することを指定するものである。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
【0092】
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出の一部を構成し、大当り遊技状態の開始時に実行され、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
【0093】
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時(大当り中演出後)に実行され、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
【0094】
コマンドA5XX(H)は、遊技状態を指定(通知)する遊技状態指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、現在の遊技状態を示す数値が設定される(例えば、通常状態(低確低ベース状態)なら「00」、低確高ベース状態なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時等に送信される。
【0095】
コマンドC000(H)は、第1特図ゲームの保留数である第1特図保留記憶数を1つ加算することを指定(通知)する第1特図保留記憶数加算指定コマンドである。コマンドC100(H)は、第2特図ゲームの保留数である第2特図保留記憶数を1つ加算することを指定(通知)する第2特図保留記憶数加算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
【0096】
コマンドC200(H)は、第1特図保留記憶数を1つ減算することを指定(通知)する第1特図保留記憶数減算指定コマンドである。コマンドC300(H)は、第2特図保留記憶数を1つ減算することを指定(通知)する第2特図保留記憶数減算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時(変動開始時)に送信される。
【0097】
コマンドC4XX(H)は、第1始動入賞発生時に行われる先読み判定(始動入賞時判定)の判定結果を指定する第1入賞時判定結果指定コマンドである。コマンドC5XX(H)は、第2始動入賞発生時に行われる先読み判定(始動入賞時判定)の判定結果を指定する第2入賞時判定結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、先読み判定の判定結果を示す数値が設定される(詳細は後述)。これらコマンドを入賞時判定結果指定コマンドと総称することがある。入賞時判定結果指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
【0098】
コマンドC600(H)は、デモ画像を表示することを指定する客待ちデモ指定コマンドである。このコマンドは、特図ゲームを実行しないときに送信される。
【0099】
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理(例えば、
図5)を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0100】
(始動入賞判定処理:ステップS101)
CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオン(スイッチ処理の判定結果を参照する。各種スイッチのオン判定について同じ)であるかを判定する(ステップS201)。オンの場合(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数(例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっているかを判定する(ステップS202)。所定の上限値になっていない場合(ステップS202;No)、第1始動入賞が発生したとして、RAM102に設けられた始動口バッファのバッファ値(始動口バッファ値)を1に更新する(ステップS203)。
【0101】
第1始動口スイッチ22Aがオフの場合(ステップS201;No)、第1特図保留記憶数が上限値である場合(ステップS202;No)、第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定し(ステップS204)、オンの場合(ステップS204;Yes)、第2特図保留記憶数(例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっているかを判定する(ステップS205)。所定の上限値になっていない場合(ステップS205;No)、第1始動入賞が発生したとして、RAM102に設けられた始動口バッファ値を2に更新する(ステップS206)。なお、第2始動口スイッチ22Bがオフの場合(ステップS204;No)、所定の上限値になっている場合(ステップS205;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。
【0102】
ステップS203、S206のあと、CPU103は、始動口バッファ値が1であれば(第1始動入賞発生)、第1特図保留記憶数を1増加させ、始動口バッファ値が2であれば(第2始動入賞発生)、第2特図保留記憶数を1増加させる(上記カウンタのカウント値を1増加させる)(ステップS207)。
【0103】
その後、乱数回路104やRAM102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される乱数値のうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS209)。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、第1特図保留記憶部(RAM102に設けられる。始動口バッファ値が1のとき)又は第2特図保留記憶部(RAM102に設けられる。始動口バッファ値が2のとき)の空きエントリの先頭にセット(格納)される(ステップS210)。
【0104】
第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部は、それぞれ、例えば、始動入賞の発生順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3を保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、上記のように第1特図保留記憶部又は第2特図保留記憶部へ保留データを格納することで、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報。ここでは、保留データ)が保留記憶として記憶される。
【0105】
その後、入賞時乱数値判定処理を行う(ステップS211)。
図6は、入賞時乱数値判定処理の一例のフローチャートである。CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるかを判定する(ステップS402)。大当りフラグは、RAM102に設けられ、可変表示結果を「大当り」に決定したときから、大当り遊技状態が終了するまでオンになるフラグである。
【0106】
大当りフラグがオンでないとき(ステップS402;No)、現在の遊技状態が高確高ベース状態であるかを判定する(ステップS403)。遊技状態は、RAM102に設けられた確変フラグ及び時短フラグにより特定できる。確変フラグは、確変状態のときにオンとなり、非確変状態のときにオフとなる。時短フラグは、時短状態のときにオンとなり、非時短状態のときにオフとなる。確変フラグ及び時短フラグがともにオン状態のとき、遊技状態は、高確高ベース状態である。
【0107】
高確高ベース状態であるとき(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が2であるか(つまり、第2始動入賞発生か)を判定し(ステップS404A)、2の場合(ステップS404A;Yes)、時短残回数(時短状態において実行可能な特図ゲームの回数。RAM102に設けられた時短回数カウンタによりカウントする)が4回以下であるかを判定する(ステップS404B)。
【0108】
4回以下でない場合(時短残回数が4回よりも多い場合)(ステップS404B;No)、今回第2特図保留記憶部に格納した乱数値MR1及びMR3に基づいて、今回保留された特図ゲーム(当該乱数値MR1等により実行される特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」であるか、当該特図ゲームの変動パターンが何であるかを判定する(ステップS405)(当該判定を先読み判定ともいう。)。具体的には、後述の特別図柄通常処理(ステップS110)における確変時の大当り抽選、後述の変動パターン設定処理(ステップS111)における変動パターンの抽選と同様の処理(各抽選で使用されるテーブルと、乱数値との比較により、可変表示結果や変動パターンを判定する)を行い、今回保留された特図ゲームの可変表示結果や変動パターンを判定する(当該判定結果は、前記の抽選結果と同じになる)。
【0109】
その後、ステップS405での判定結果が、今回保留された特図ゲームの可変表示結果が「大当り」で、変動パターンが「スーパーリーチ」を指定するもの(後述のPB3−3又はPB3−4)であるかを判定する(ステップS406)。「大当り」で「スーパーリーチ」の場合(ステップS406;Yes)、その旨(スーパーリーチ(大当り))を判定結果として指定する第2入賞時判定結果指定コマンド(C502)の送信設定を行う(ステップS407)。
【0110】
ステップS405での判定結果が「大当り」で「スーパーリーチ」でない場合(ステップS406;No)、ステップS405での判定結果が、今回保留された特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」で、変動パターンが「スーパーリーチ」(後述のPA3−3又はPA3−4)を指定するものであるかを判定する(ステップS408)。「ハズレ」で「スーパーリーチ」の場合(ステップS408;Yes)、その旨(スーパーリーチ(ハズレ))を判定結果として指定する第2入賞時判定結果指定コマンド(C503)の送信設定を行う(ステップS409)。
【0111】
ステップS405での判定結果が「ハズレ」で「スーパーリーチ」でない場合(ステップS408;No)、ステップS405での判定結果が、今回保留された特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」で、変動パターンが「非リーチ」を指定するもの(後述のPA2−1)であるかを判定する(ステップS410)。「ハズレ」で「非リーチ」の場合(ステップS410;Yes)、その旨(非リーチハズレ)を判定結果として指定する第2入賞時判定結果指定コマンド(C501)の送信設定を行う(ステップS411)。
【0112】
大当りフラグがオンの場合(ステップS402;Yes)、高確高ベース状態でない場合(ステップS403;No)、始動口バッファ値が2でない場合(ステップS404A;No)、時短残回数が4回以下でない場合(ステップS404B;Yes)、ステップS405での判定結果が「ハズレ」で「非リーチ」でない場合(ステップS410;No)、「その他」(判定無しを含む)を判定結果として指定する第1入賞時判定結果指定コマンド(C400)(始動口バッファ値が1のとき)又は第2入賞時判定結果指定コマンド(C500)(始動口バッファ値が2のとき)の送信設定を行う(ステップS412)。
【0113】
ステップS407、S409、S411、又は、S412のあとは、第1特図保留記憶数加算指定コマンド(始動口バッファ値が1のとき)又は第2特図保留記憶数加算指定コマンド(始動口バッファ値が2のとき)の送信設定を行い(ステップS415)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0114】
本実施の形態では、後述のように先読み判定の判定結果に基づいて報知演出が実行されるが、当該入賞時乱数値判定処理では、高確高ベース状態のとき、かつ、第2始動入賞に対して先読み判定が行われるので、報知演出は高確高ベース状態のとき、かつ、ターゲット(先読み判定や報知演出の対象となる特図ゲーム)が第2特図ゲームであるときに、実行される。また、先読み判定は、第1始動入賞発生時には行われないので、第1入賞時判定結果指定コマンドは、必ず、「その他」を指定するコマンドとなる。同様に、高確高ベース状態以外のときの第2入賞時判定結果指定コマンドは、必ず、「その他」を指定するコマンドとなる。また、当該先読み判定は、高確高ベース状態が終了する間際(高ベース状態が終了する前の4回の特図ゲーム)で制限されるので、報知演出は高確高ベース状態が終了する間際での実行が制限(禁止を含む。制限について同じ)される。また、大当り発生時(大当り遊技状態中を含む)にも先読み判定は行われないので、大当り発生時には、報知演出の実行が制限される。
【0115】
ステップS211のあと、始動口バッファ値を判定し(ステップS212)、「1」であれば、始動バッファ値をクリアし(0にし)(ステップS214)、ステップS204の処理を行う。始動口バッファ値が「2」であれば、始動バッファ値をクリアし(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。
【0116】
(特別図柄通常処理:ステップS110)
特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。特別図柄通常処理において、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」以外であるときに、第2特図ゲームを実行するため、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す。読み出された数値データは、RAM102の変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第2特図保留記憶数を1減算させ、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを1エントリずつ上位にシフトさせる。このときには、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」(今回実行される特図ゲームが第2特図ゲームであることを示す値)に更新する。
【0117】
第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図ゲームを実行するため、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す。読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第1特図保留記憶数を1減算し、第2特図保留記憶部のときと同様に第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。また、変動特図指定バッファ値を「1」(今回実行される特図ゲームが第1特図ゲームであることを示す値)に更新する。上記一連の処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
【0118】
変動特図指定バッファ値の更新後には、特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)を、抽選により、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(大当り抽選)。一例として、ROM101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(非確変状態(確変フラグがオフ)のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変状態(確変フラグがオン)のときに参照される)が参照される。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR1に基づいて、第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。)。なお、CPU103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。「抽選」とは、このような乱数値とテーブルとを用いて決定結果をランダムに決定することをいう。
【0119】
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。「大当り」の場合、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットし、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を抽選により決定する。当該抽選では、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR2と、「確変」及び「非確変」を決定結果とするテーブル(ROM101に用意されている)と、が用いられる。「確変」、「非確変」それぞれの決定割合は任意である(例えば、「確変」を60%、「非確変」を40%とする)。その後、CPU103は、RAM102に設けられた大当り種別バッファに、決定した大当り種別を格納する。
【0120】
特図表示結果が「大当り」ではない場合や、大当り種別を格納した場合、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する。具体的には、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄(「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じた大当り図柄(「6」(非確変)又は「7」(確変))を確定特別図柄に決定する。その後、特図プロセスフラグの値を「1」に更新し、特別図柄通常処理を終了する。
【0121】
第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には、デモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、客待ちデモ指定コマンドが送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
【0122】
(変動パターン設定処理:ステップS111)
変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する。そして、大当りフラグがオンである場合には、大当り時の変動パターンを抽選により決定する。一方、大当りフラグがオフである場合には、ハズレ時の変動パターンを抽選により決定する。変動パターンは、特図変動時間及び停止図柄表示時間や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。特図変動時間は、特図を変動させる時間である。停止図柄表示時間は、特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)を表示する時間である。なお、停止図柄表示時間の経過で次の特図ゲームが開始されるので、特図変動時間での変動と停止図柄表示時間での可変表示結果の表示とを、まとめて1変動ということもある。
【0123】
図7は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4がある。
【0124】
PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間及び停止図柄表示時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターン(時短時に選択されるパターン)である。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチAの実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチBの実行を指定する。
【0125】
大当り時の変動パターンの抽選、ハズレ時の変動パターンの抽選では、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3が使用される。また、大当り時の変動パターンの抽選では、
図8の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。また、非時短時(時短フラグがオフ時)でハズレ時の変動パターンの抽選では、
図9(A)の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。また、時短時(時短フラグがオン時)でハズレ時の変動パターンの抽選では、
図9(B)の決定割合を実現するテーブル(ROM101に用意される)が使用され、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンに決定(選択)する。
【0126】
図8及び
図9を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2−1(
図7参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。また、時短状態のときの非リーチハズレの変動パターンは、PA2−1のみが選択されるので、時短時の非リーチハズレの1変動の時間(特図変動時間+停止図柄表示時間)は、2.5秒+0.5秒=3.0秒で固定される。
【0127】
上記抽選後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(
図7参照)に応じたタイマ初期値をRAM102の所定のタイマに設定する。また、今回決定した変動パターンに応じた停止図柄表示時間をRAM102の所定の記憶領域に格納する。その後、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに送信する。これにより、特図ゲームが開始される。
【0128】
その後、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果、1減算後の第1又は第2特図保留記憶数などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる。変動開始時コマンドは、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンド、遊技状態指定コマンド(確変フラグ及び時短フラグの状態に応じたEXTデータが設定される)を含み、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数減算指定コマンド、遊技状態指定コマンド(確変フラグ及び時短フラグの状態に応じたEXTデータが設定される)を含む。その後、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから、変動パターン設定処理を終了する。
【0129】
(特別図柄変動処理:ステップS112)
特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。CPU103は、上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか(特図変動時間が経過したか)を判定し、0になっていないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。前記タイマ値が0になったときには、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」は「−」、「非確変」は「6」、「確変」は「7」)を停止表示(導出)させ、上記所定の記憶領域に格納した停止図柄表示時間に対応するタイマ値を上記所定のタイマに初期値として設定し、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
【0130】
(特別図柄停止処理:ステップS113)
特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。CPU103は、上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか(停止図柄表示時間が経過したか)を判定し、0になってない場合には、本処理を終了する(なお、可変表示結果の図柄の表示を維持する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給してもよい)。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合(つまり、停止図柄表示時間での可変表示結果の表示が終了した場合)であって、大当りフラグがオン(大当り時)のときは、時短フラグ、確変フラグなどをリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合(つまり、停止図柄表示時間での可変表示結果の表示が終了した場合)であって、大当りフラグがオフ(ハズレ時)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の特図ゲームが実行されたかを判定し(RAM102に設けられた時短回数カウンタにより特図ゲームの回数をカウントする)、所定回数の特図ゲームが実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし(この場合に、時短フラグをオフにしたあとの遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行ってもよい)、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。所定のタイマのタイマ値が0になっている場合(つまり、停止図柄表示時間での可変表示結果の表示が終了した場合)であって、「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の特図ゲームが未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
【0131】
(大当り開放前処理:ステップS114)
大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。CPU103は、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
【0132】
(大当り開放中処理:ステップS115)
大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンになった回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理を行って、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
【0133】
(大当り開放後処理:ステップS116)
大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
【0134】
(大当り終了処理:ステップS117)
大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が予め設定されているエンディング待ち時間(演出制御基板12で実行されるエンディングの実行時間に対応する時間)に達したか、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する。エンディング待ち時間が終了していないときには、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が終了した場合には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が「確変」であるかを判定する。大当り種別は、大当り種別バッファに格納されている。大当り種別が「確変」である場合、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に係わらず、時短回数カウンタに初期値(時短状態において実行可能な特図ゲームの回数、例えば、100)として設定するとともに(時短回数カウンタのカウント値は、例えば、特別図柄停止処理ごとに1減算される。これにより、時短状態において実行される特図ゲームの回数がカウントされ、時短状態において実行可能な所定回数の特図ゲームが実行されたかを判定できる)、時短フラグをオン状態にする。その後、大当りフラグをオフし、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して、本処理を終了する。
【0135】
(その他)
上記一連の処理において、ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。また、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の特図ゲーム等が終了したことになるので、タイマ、各種フラグの状態などの各種データ(次の特図ゲームに持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
【0136】
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12の演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理を実行する。この処理は、所定期間(例えば10ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(10ms)ごと)に実行される。また、演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理とは別に、I/O125の所定の入力ポートから演出制御コマンドを受信したときには、当該演出制御コマンドを受信コマンドとして例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。
【0137】
演出制御メイン処理は、演出制御コマンド解析等処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数処理を含む。演出制御用CPU120は、演出制御コマンド解析等処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンドを読み出して解析して当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、解析により特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う(詳細は後述)。演出制御プロセス処理は、演出制御コマンドに応じて演出の実行を表示制御部123に指示する処理(演出の実行やその態様の決定を含む。)である(詳細は後述)。演出用乱数更新処理は、演出制御に用いる演出用乱数値をソフトウェアにより更新する処理である。
【0138】
(演出制御コマンド解析等処理)
演出制御用CPU120は、演出制御コマンド解析等処理において、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析して(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。受信コマンドが複数の場合には、それぞれのコマンドについて演出制御コマンド解析等処理を行う。
【0139】
例えば、受信した(特定された)演出制御コマンドが、第1変動開始指定コマンド、第2変動開始指定コマンド、図柄確定指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンド、又は、第2特図保留記憶数減算指定コマンドである場合には、各コマンドに対応してRAM122に設けられた各受信フラグのうち、当該コマンドに対応する受信フラグをオンにする。例えば、受信した演出制御コマンドが第1変動開始指定コマンドであれば、第1変動開始指定コマンド受信フラグをオンにする。
【0140】
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンドである場合には、各コマンドに対応してRAM122に設けられた各コマンド格納領域のうち、当該コマンドに対応する格納領域に当該コマンドを格納する。例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば、変動パターン指定コマンド格納領域に、当該変動パターン指定コマンドを格納する。
【0141】
上記各受信フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、演出制御プロセス処理での受信確認等で使用される。これらのコマンドは、適宜のタイミング(対象のコマンドの受信確認等がそれ以降必要なくなったタイミング等)で消去されるものとする。
【0142】
受信した演出制御コマンドが、遊技状態指定コマンドである場合には、当該コマンドが指定する遊技状態に応じて、RAM122に設けられた高確フラグ(RAM確変状態のときにオンになるフラグ)、高ベースフラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)の状態を切り替える。なお、高確フラグ、高ベースフラグのいずれかの状態を変更した場合(遊技状態の変更があった場合)には、変更後の遊技状態に応じた背景画像を表示する指示(背景画像を変更する指示)を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該指示を受け、背景画像を変更する。このようにして、画像表示装置5に表示される背景画像(飾り図柄の可変表示等の背景を構成する画像)は、遊技状態に応じて変更される。
【0143】
受信した演出制御コマンドが、第1特図保留記憶数加算指定コマンドのときには、第1保留表示画像を1つ増やす指示を表示制御部123に供給する。受信した演出制御コマンドが、第2特図保留記憶数加算指定コマンドのときには、第2保留表示画像を1つ増やす指示を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、第1保留表示画像又は第2保留表示画像を1つ増やす表示制御を行う。
【0144】
受信した演出制御コマンドが、第1入賞時判定結果指定コマンドである場合には、RAM122に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファ(
図10(A))に当該コマンドを格納する。受信した演出制御コマンドが、第2入賞時判定結果指定コマンドである場合には、RAM122に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファ(
図10(B))に当該コマンドを格納する。第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファは、それぞれ、受信順(始動入賞順)に第1又は第2保留表示番号「1」〜「4」(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部の保留番号と対応している)に対応させて、第1又は第2入賞時判定結果指定コマンドを記憶する。第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された各コマンドは、保留されている特図ゲーム(及び飾り図柄の可変表示)に対応したものである。なお、第1始動入賞時コマンドバッファ、第2始動入賞時コマンドバッファには、第1保留表示番号、第2保留表示番号の各番号に対応し、切替演出実行情報、報知演出実行情報を格納する格納領域も設けられている(これらについては、後述する)。なお、第1入賞時判定結果指定コマンドは、報知演出の実行に使用されないので、第1始動入賞時コマンドバッファは設けなくてもよい。また、第1始動入賞時コマンドバッファに、替演出実行情報、報知演出実行情報の格納領域を設けなくてもよい。
【0145】
受信した演出制御コマンドが、客待ちデモ指定コマンドである場合、デモ画像を表示する画像系演出であるデモ演出の実行指示を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、デモ演出を実行する(例えば、当該実行指示を受けてから30秒をカウントし、30秒経ったらデモ画像の映像信号を画像表示装置5に供給することを開始し、それによりデモ画像の表示を開始する)。
【0146】
(演出制御プロセス処理)
演出制御プロセス処理(
図11参照)では、演出制御用CPU120は、報知演出・切替演出実行設定処理(ステップS161)を実行したあと、RAM122に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。なお、以下の処理では、コマンドの受信確認(ステップS671の受信の判定等)が行われる。コマンドの受信確認は、対応する受信フラグがオンになっているか否か、又は、対応する格納領域にコマンドが格納されているか否かにより行う。例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグがオンのときには、第1変動開始指定コマンドを受信したと判定できる。例えば、変動パターン指定コマンド格納領域にコマンドが格納されているときには、変動パターン指定コマンドを受信したと判定できる。また、以下では、特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して、可変表示ともいう(特図ゲームと飾り図柄の可変表示は同期しており、同期する両者を1つものと捉えることができる)。
【0147】
(報知演出・切替演出実行設定処理:ステップS161)
報知演出・切替演出実行設定処理(
図12)は、報知演出及び切替演出の実行を設定するための処理である。報知演出は、画像表示装置5に表示されている背景画像(上記のように遊技状態に応じて切り替えられる背景画像)に関連して実行される。背景画像は、一連の映像として再生される。切替演出は、報知演出の実行タイミングにおいて、背景画像が所望の再生位置(後述の特定シーンの再生位置)になるように、背景画像の再生位置を切り替える演出である。ここで、背景画像、報知演出、切替演出を説明する。
【0148】
(背景画像)
背景画像は、
図13に示すように、複数の図形が右から左に順次移動していく一連の映像(図形が配置された帯状の画像が右から左へと移動していく映像)として再生される。1周期分の背景画像の最後(帯状の画像の右端)と最初(帯状の画像の左端)とはつながっており、背景画像は、ループして表示される。つまり、背景画像は、一連の映像として繰り返し再生(ループ再生)される。
【0149】
(報知演出)
報知演出は、再生中の背景画像(一連の映像)が特定シーンになったとき(一連の映像の再生位置が特定の位置になったとき)に実行される。報知演出としては、報知演出A〜Cがあり、報知演出Aは、当該一連の映像の再生位置が再生位置A5(特定シーンAが再生表示される位置)になったときに実行され、報知演出Bは、当該一連の映像の再生位置が再生位置B5(特定シーンBが再生表示される位置)になったときに実行され、報知演出Cは、当該一連の映像の再生位置が再生位置C5(特定シーンCが再生表示される位置)になったときに実行される(
図14、
図15)。
【0150】
報知演出Aは、特定シーンA(
図15(A)参照)で表示されている図形画像G1を急激に大きくする演出である(
図23(F)も参照)。報知演出Bは、特定シーンB(
図15(B)参照)で表示されている図形画像G2を急激に大きくする演出である。報知演出Cは、特定シーンC(
図15(C)参照)で表示されている図形画像G3を急激に大きくする演出である。これら報知演出は、スーパーリーチへとつながっている(発展する)。
【0151】
報知演出は、その種類によらず、スーパーリーチが実行される可変表示中に実行され、より具体的には、当該可変表示の開始から4秒後に実行開始される(
図21等も参照)。この実行タイミングは、固定である。従って、可変表示の開始から4秒後に、特定シーンが表示(再生)される必要がある。なお、報知演出を実行する可変表示は、ターゲットとも呼ばれる。
【0152】
(切替演出)
切替演出は、報知演出の実行タイミング(ターゲットの可変表示の開始から4秒後)における背景画像の再生位置が、前記特定シーンを表示する再生位置にくるよう、背景画像の再生位置を前もって、前記特定シーンを表示する再生位置よりも前の再生位置に切り替える演出である。切替演出は、砂嵐の画像を表示することで背景画像を隠してから(視認性を低下させてから)、背景画像の再生位置を切り替える演出である(つまり、砂嵐の画像を表示後、背景画像のシーンが切り替わる。
図23等も参照。)。切替演出の実行タイミングは、予め設定されており、報知演出を実行すると決定したあと最初に実行される可変表示の開始と同時に実行が開始される。切替演出の実行時間は、0.5秒であり、切替演出の終了時に背景画像の再生位置が切り替わる(
図21等も参照)。従って、前記最初に実行される可変表示の開始から0.5秒経過のタイミングで背景画像の再生位置の切り替えが起こる(
図21等も参照)。このような関係から、切替演出で切り替わる再生位置(切り替え先の再生位置ないしシーン)は、報知演出を実行する可変表示よりも前の第2特図ゲームの保留数、報知演出の種類により異なる(この点については後述する)。
【0153】
(報知演出・切替演出実行設定処理の処理内容)
演出制御用CPU120は、第2特図保留記憶数加算指定コマンドを受信しているかを判定する(ステップS671)。当該コマンドを受信している場合(対応する受信フラグがオンの場合)(ステップS671;No)、RAM122に用意された報知演出実行フラグ(報知演出を実行するときにオンになるフラグ)がオンであるかを判定する(ステップS672)。オンでない場合(ステップS672;No)、報知演出を実行し得るので、第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている第2入賞時判定結果指定コマンドのうち、最も大きい第2保留表示番号の第2入賞時判定結果指定コマンド(最も新しく受信したコマンド。以下、判定対象のコマンドともいう)が「スーパーリーチ(大当り)」又は「スーパーリーチ(ハズレ)」を指定しているか(C502又はC503)を判定する(ステップS674)。
【0154】
判定対象のコマンドが「スーパーリーチ(大当り)」又は「スーパーリーチ(ハズレ)」を指定する場合(ステップS674;Yes)、当該コマンドの第2保留表示番号が「1」であるかを判定する(ステップS675A)。「1」でない場合には(ステップS675A;No)、当該コマンドよりも前の第2入賞時判定結果指定コマンド(当該コマンドの第2保留表示番号が「4」なら、その前の「1」〜「3」のコマンド)が全て、「非リーチハズレ」を指定しているかを判定する(ステップS675B)。
【0155】
第2保留表示番号が「1」である場合(ステップS675A;Yes)、又は、「非リーチハズレ」を指定している場合(ステップS675B;Yes)、報知演出及び切替演出を実行すると決定し、実行する報知演出の種類(報知演出A〜Cのいずれか)を抽選により決定する(ステップS676)。当該抽選では、乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のうちのいずれかの乱数値と、ROM121に用意された報知演出種類決定用の第1テーブル(判定対象のコマンドが「スーパーリーチ(大当り)」を指定している場合)又は第2テーブル(判定対象のコマンドが「スーパーリーチ(ハズレ)」を指定している場合)とが使用される。第1テーブル、第2テーブルでは、決定結果として報知演出A〜Cが設定されており、例えば、
図16の決定割合を実現するように構成されている。
図16に示すように、大当り期待度は、報知演出C>報知演出B>報知演出Aの順となっている。
【0156】
その後、ステップS676で決定した報知演出の種類、判定対象のコマンドの第2保留表示番号(判定対象のコマンドに対応する可変表示(ターゲット)の前に実行される可変表示の数(ターゲット前の第2特図ゲームの保留数)に応じて、切替演出により切り替える背景画像の再生位置(切り替え先の再生位置)を決定する(ステップS678)。上述のように(
図21等も参照)、報知演出の実行タイミングは、ターゲットの可変表示の開始後4秒で固定されている。一方、切替演出実行後の背景画像の切替タイミングは、報知演出を実行すると決定した本処理終了後最初に実行される可変表示(第2保留表示番号が1のコマンドに対応する可変表示)の開始タイミングから0.5秒後のタイミングである。また、ターゲットの可変表示よりも前に実行される可変表示は、無しか、全て非リーチハズレの変動(特図変動時間+停止図柄表示時間=合計3秒の変動)である。このような関係から、切り替え先の再生位置は、特定シーンの再生位置からT時間遡った位置であり、T=H(ターゲット前に実行される可変表示の数(第2保留表示番号を1減じた値))×3.0(非リーチハズレの1変動の時間)+0.5(切替演出を実行する可変表示の開始タイミングから再生位置が切り替わるまでの時間)−4.0(ターゲットの可変表示の開始から報知演出の実行開始タイミングまでの時間)で求めることができる。
【0157】
報知演出の種類、判定対象のコマンドの第2保留表示番号、切り替え先の再生位置、報知演出実行時の再生位置(特定シーンの再生位置)の関係を
図17に示す(
図14等も参照)。
【0158】
判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「1」の場合(ターゲット前の第2特図ゲームの保留数が0の場合)、切替演出による切り替え先の再生位置は、再生位置A5(報知演出Aを実行する場合)、再生位置B5(報知演出Bを実行する場合)、再生位置C5(報知演出Cを実行する場合)それぞれから、3.5秒遡った再生位置A4、B4、B4それぞれとなる。
【0159】
判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「2」の場合(ターゲット前の第2特図ゲームの保留数が1の場合)、切替演出による切り替え先の再生位置は、再生位置A5(報知演出Aを実行する場合)、再生位置B5(報知演出Bを実行する場合)、再生位置C5(報知演出Cを実行する場合)それぞれから、6.5秒遡った再生位置A3、B3、B3それぞれとなる。
【0160】
判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「3」の場合(ターゲット前の第2特図ゲームの保留数が2の場合)、切替演出による切り替え先の再生位置は、再生位置A5(報知演出Aを実行する場合)、再生位置B5(報知演出Bを実行する場合)、再生位置C5(報知演出Cを実行する場合)それぞれから、9.5秒遡った再生位置A2、B2、B2それぞれとなる。
【0161】
判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「4」の場合(ターゲット前の第2特図ゲームの保留数が3の場合)、切替演出による切り替え先の再生位置は、再生位置A5(報知演出Aを実行する場合)、再生位置B5(報知演出Bを実行する場合)、再生位置C5(報知演出Cを実行する場合)それぞれから、12.5秒遡った再生位置A1、B1、B1それぞれとなる。
【0162】
ステップS678では、
図17の関係を示すテーブルと参照することにより、又は、上記Tの関係式を用いることにより、切替演出により切り替える先の再生位置(特定シーンの再生位置から遡った位置)を決定する。
【0163】
ステップS678のあとは、上記での決定結果を示す切替演出実行情報と、報知演出実行情報とを、第2始動入賞時コマンドバッファに格納する(ステップS679)。切替演出実行情報は、切替演出を実行する旨と、当該切替演出により切り替え先の再生位置とを示し、第2保留表示番号「1」に対応して格納される。報知演出実行情報は、上記で決定した報知演出の種類を示し、判定対象のコマンド(当該コマンドの第2保留表示番号)に対応して格納される。切替演出実行情報に対応するコマンドに対応した可変表示が切替演出を実行する可変表示であり、報知演出実行情報に対応するコマンド(判定対象のコマンド)に対応した可変表示が報知演出を実行する可変表示となる。
【0164】
その後、報知演出実行フラグをオンにする(ステップS680)。第2特図保留記憶数加算指定コマンドの受信がないとき(ステップS671;No)、報知演出実行フラグがオンのとき(ステップS672;Yes)、判定対象のコマンドが判定対象のコマンドが「スーパーリーチ(大当り)」又は「スーパーリーチ(ハズレ)」以外を指定する場合(ステップS674A;No)、報知演出・切替演出実行設定処理を終了する。
【0165】
(可変表示開始待ち処理:ステップS170)
可変表示開始待ち処理は、RAM122に設けられた演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。演出制御用CPU120は、変動開始時コマンド(特に、第1又は第2変動開始指定コマンド)を受信しているかを判定する。上記コマンドを受信していない場合、変動開始時コマンドの受信が未だ無いとして当該処理を終了する。上記コマンドを受信している場合、変動開始時コマンドを受信しているとして、飾り図柄の可変表示を開始すべく、演出プロセスフラグの値を「1」に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0166】
(可変表示開始設定処理:ステップS171)
可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理(これから実行する飾り図柄の可変表示の態様や可変表示結果、当該可変表示中に実行する演出等を決定する処理)である。
図18は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0167】
演出制御用CPU120は、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン)及び今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS321)。なお、最終停止図柄は、例えば、変動パターンと可変表示結果との組み合わせに応じて予め用意されており、抽選等により決定される(乱数値は、乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のいずれかを使用する)。
【0168】
ステップS321のあとは、第1始動入賞時コマンドバッファ(第1変動開始指定コマンドを受信している場合)又は第2始動入賞時コマンドバッファ(第2変動開始指定コマンドを受信している場合)から、第1又は第2保留表示番号「1」に対応したデータ(第1又は第2入賞時判定結果指定コマンド、切替演出実行情報(格納されている場合)と、報知演出実行情報(格納されている場合))を読み出し、第1又は第2保留表示番号「2」〜「4」に対応したデータをそれぞれ1つ上位の第1又は第2保留表示番号「1」〜「3」に対応した格納領域にシフトさせる(ステップS322)。読み出したデータは、RAM122の当該変動バッファに格納される。
【0169】
その後、ステップS322で読み出されて当該変動バッファに格納されたデータに切替演出実行情報が含まれるかを判定する(ステップS323)。切替演出実行情報が含まれる場合(ステップS323;Yes)には、切替演出を実行すると決定し(ステップS324)、切替演出実行情報が示す切替先の再生位置をRAM122の所定バッファに格納する(ステップS325)。なお、この実施の形態では、第1特図ゲームについて切替演出、報知演出は実行されないので、ステップS322で読み出したデータが第1始動入賞時コマンドバッファに格納されていたものである場合には、当該変動バッファに格納されたデータに切替演出実行情報は含まれない(後述のステップS341の報知演出実行情報についても同様)。
【0170】
切替演出実行情報が含まれない場合(ステップS323;No)、現在が高確高ベース状態であるかを、高確フラグ及び高ベースフラグの状態に基づいて判定する(ステップS331)。高確高ベース状態のときには(ステップS331;Yes)、ガセの切替演出(背景画像の再生位置の切り替えが無い又は再生位置の切り替えはあるが報知演出が実行されない切替演出)の実行の有無等を抽選により決定する(ステップS332)。当該抽選では、乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のうちのいずれかの乱数値と、ROM121に用意されたガセの切替演出決定用のテーブルとが使用される。当該テーブルでは、決定結果として、実行無し、切替演出A1〜A4、切替演出B1〜B4、切替演出C1〜C4、切替演出Dが設定され、
図19の決定割合を実現するように構成されている。「実行無し」は、ガセの切替演出を実行しない決定結果である。「切替演出A1」は、切替演出後に背景画像の再生位置を再生位置A1に切り替える切替演出を実行する決定結果である。同様に、「切替演出A2〜A4、B1〜B4、C1〜C4」それぞれは、切替演出後に背景画像の再生位置を再生位置A2〜A4、B1〜B4、C1〜C4それぞれに切り替える切替演出(
図19の備考参照)を実行する決定結果である。「切替演出D」は、切替演出後に背景画像の再生位置を切り替えない切替演出を実行する決定結果である。
図19の決定割合でも分かるように、高確高ベース状態では、切替演出が高い確率で実行され、その中で背景画像の切替無しの切替演出Dが高い確率で実行される(つまり、演出上、切替演出を構成する砂嵐の画像は、高頻度で実行される)。
【0171】
その後、ステップS332にて切替演出を実行すると決定したかを判定し(ステップS333)、実行すると決定した場合(ステップS333;Yes)実行すると決定した切替演出の種類に応じた切り替え先の再生位置(切替演出Dの場合には、切り替え無しの情報)を前記所定バッファに格納する(ステップS334)。
【0172】
ステップS325、ステップS334、切替演出を実行しないと決定した場合(ステップS333;No)、高確高ベース状態でない場合(ステップS331;No)、ステップS322で読み出されて当該変動バッファに格納されたデータに報知演出実行情報が含まれているかを判定する(ステップS341)。含まれている場合(ステップS341;Yes)、当該報知演出実行情報が示す種類の報知演出(報知演出A〜Cのいずれか)を実行すると決定する(ステップS342)。報知演出実行情報が含まれていない場合(ステップS341;No)、ステップS342のあとは、リーチ演出等の他の画像系演出の実行の有無や、実行する画像系演出の態様等を決定する(ステップS343)。具体的には、ROM121に予め用意された各種テーブルと、演出用乱数値のうちの任意の乱数値と、を用いた抽選により、予告演出(大当り期待度を予告する演出であり、高ベースのときと、低ベースのときとで、演出態様を異ならせてもよい。)等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、表示結果や変動パターン等に応じて異なるテーブルを参照することにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度(スーパーリーチの実行期待度等も含む)を異ならせる。また、今回の変動パターンがリーチを指定するものである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄を構成する飾り図柄でリーチを成立させたときのリーチ演出)を実行すると決定する。
【0173】
その後、演出制御用CPU120は、ステップS322で実行すると決定した画像系演出(リーチ演出、予告演出、報知演出等)の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップS344)。具体的に、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、演出制御プロセスタイマ(RAM122に設けられ、可変表示の実行開始からの経過時間を計測するためのタイマ)に初期値として設定するとともに、実行すると決定した画像系演出の種類や態様等を特定する演出特定データと、当該画像系演出の実行開始タイミングを演出制御プロセスタイマのタイマ値との比較により示す実行タイミング特定タイマ値(実行する画像系演出と変動パターン(特図変動時間)との関係で予め設定されている。報知演出であれば、可変表示開始から4秒経過したタイミングを示すタイマ値)と、を、対応付けてRAM122のタイマ値格納領域に格納する。演出制御用CPU120は、実行すると決定した画像系演出が複数有る場合には、各画像系演出について、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
【0174】
その後、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示(画像系演出)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する(ステップS345)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させる(これ以降、表示制御部123は、演出制御用CPU120とは別個に飾り図柄の可変表示を実行する。他の演出についても表示制御部123が演出制御用CPU120とは別個に実行する。)。また、上記切替演出の実行を決定しているときには、当該切替演出の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する(このときには、RAM122に設けられた切替演出フラグをオンする)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させるのに合わせて切替演出を実行する(なお、切替演出の実行中、背景画像の再生は一時停止される)。
【0175】
そして、今回第1変動開始指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像を1つ減らす指示を表示制御部123に供給し、今回第2変動開始指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像を1つ減らす指示を表示制御部123に供給する(ステップS346)。これにより、画像表示装置5の画面では、第1保留表示画像を1つ減らす場合には、最も左の第1保留表示画像が消去され、他の第1保留表示画像が左に1つずつシフトし、第2保留表示画像を1つ減らす場合には、最も左の第2保留表示画像が消去され、他の第2保留表示画像が左に1つずつシフトする。その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS326)、可変表示開始設定処理を終了する。
【0176】
(可変表示中処理:ステップS172)
可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。
図20は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
【0177】
可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。
【0178】
タイマ値が0でない場合、つまり、特図変動時間(飾り図柄の可変表示の実行期間でもある)が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が、切替演出の実行中であって当該切替演出の終了タイミングであるかを判定する(ステップS552)。具体的には、切替演出フラグがオンで、演出制御プロセスタイマのタイマ値が可変表示の開始から0.5秒を経過したことを示すタイマ値(変動パターンに応じて予め定められていればよい)であるか否かで当該判定を行う。終了タイミングである場合(切替演出フラグがオンで、演出制御プロセスタイマのタイマ値が可変表示の開始から0.5秒を経過したことを示すタイマ値である場合)(ステップS552;Yes)、切替演出の終了タイミングになったので、背景画像の再生位置を上記所定バッファに格納された再生位置に切り替えて背景画像を再生再開する指示(背景画像の切り替え指示)を表示制御部123に供給する(ステップS553)。表示制御部123は、当該指示を受け、切替演出を終了させるとともに、背景画像を、再生位置を切り替えて再生再開する(再生位置は、背景画像を構成する各フレームに付されたフレーム番号、背景画像のタイムコード等により管理される)。これにより、切替演出による背景画像の再生位置の切り替えが実現される。所定バッファに切り替え無しの情報が格納されている場合には、背景画像の再生位置を切り替え無しに再生再開する指示を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該指示を受け、切替演出を終了させるとともに、背景画像を切り替え無しで再生再開する。これにより、背景画像の切り替え無しのガセの切替演出(切替演出D)の実行が実現する。
【0179】
ステップS553のあとは、所定バッファの記憶内容をクリアするとともに、切替演出フラグをオフにリセットする(ステップS554)。
【0180】
ステップS554のあと、現在が前記切替演出の終了タイミングでない場合(ステップS552;No)、現在が報知演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップS555)。ここでは、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が上記のタイマ値格納領域に格納されており、かつ、当該実行タイミング特定タイマ値に対応する演出特定データが報知演出を特定しているときに、現在が報知演出の開始タイミングであると判定する。報知演出の開始タイミングである場合(ステップS555;Yes)、演出特定データが特定する種類の報知演出(報知演出A〜Cのいずれか)の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップS556)。表示制御部123は、当該指示を受けて報知演出A〜Cのいずれかの実行を開始する(当該タイミングで表示されている背景画像は、報知演出を実行開始するときの特定シーンとなっている)。
【0181】
現在が報知演出の開始タイミングでない場合(ステップS555;No)、ステップS556のあとは、現在がステップS343で設定した他の画像系演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップS552)。ここでは、当該判定を、上記のタイマ値格納領域に格納されている実行タイミング特定タイマ値が、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するか判定することにより行う。
【0182】
上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が格納されている場合には、対応する画像系演出(スーパーリーチなどを含む)の開始タイミングであるので(ステップS557;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている演出特定データが特定する画像系演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップS558)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、演出特定データが特定する画像系演出を開始させる。なお、表示制御部123は、複数の画像系演出それぞれを異なるレイヤーで別個に実行する(背景画像は、最後尾のレイヤーに表示する)。
【0183】
画像系演出の実行開始タイミングでない場合(ステップS557;No)、ステップS558のあとは、可変表示中処理を終了する。
【0184】
ステップS551において、タイマ値が0である場合、つまり、特図変動時間が経過した場合(ステップS551;Yes)、主基板11からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了する。
【0185】
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、表示制御部123に最終停止図柄(確定飾り図柄)の導出を指示する(ステップS572)。表示制御部123は、当該実行指示を受け、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の可変表示を終了させて確定飾り図柄(可変表示結果)を導出させる。その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間(例えば、停止図柄表示時間に対応した時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定する(ステップS573)。その後、演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップS576)、可変表示中処理を終了する。
【0186】
(特図当り待ち処理:ステップS173)
特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から当り開始指定コマンドを受信しているかを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信している場合には、「大当り」が発生したことになるので、大当り中演出(ファンファーレを含む。)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、ファンファーレを含む大当り中演出(画像系演出)を開始させる。そして、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
【0187】
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。具体的には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
【0188】
(当り中処理:ステップS174)
当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。当り中処理において、演出制御用CPU120は、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、本処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信している場合、エンディングの実行指示(実行開始の指示)を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、当該実行指示を受け、エンディング(画像系演出)を開始させる。また、エンディングの演出実行時間(エンディング待ち時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定し、演出プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
【0189】
(エンディング処理:ステップS175)
エンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。エンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、本処理を終了する。タイマ値が「0」のときは、エンディング待ち時間が経過し、エンディングが終了したことになるので、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
【0190】
(その他)
なお、上記一連の処理(ステップS170〜S175)において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
【0191】
(切替演出、報知演出、背景画像の関係)
図21(A)は、判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「4」のとき(ターゲット前に実行される第2特図ゲームが3つの場合)に報知演出Aを実行すると決定した場合の、切替演出、報知演出、各可変表示(変動)、背景画像等の時系列を示す図である。この場合、ターゲットの3つ前の非リーチ変動(特図変動時間(2.5秒)+停止図柄表示時間(0.5秒))の開始時から切替演出が実行される(実行時間は、0.5秒間)。切替演出によって切り替えられる背景画像の再生位置(切り替え先)は、報知演出Aを実行する再生位置A5から12.5秒遡った再生位置A1である(
図17等も参照)。切り替え後、2.5秒後に最初の非リーチ変動が終了し、その後、2回の非リーチ変動が実行され(2回の非リーチ変動で6秒経過する)、その後ターゲットの可変表示が実行され、実行開始後4秒で報知演出Aが開始される。このタイミングで、再生位置の切り替え後12.5秒が経過しており、当該報知演出Aの実行開始時の背景画像の再生位置はちょうど再生位置A5となっており、特定シーンAが背景画像として表示されていることになる。報知演出Aの実行時間は、1.0秒であるが、それ以上に長くてもよい(報知演出B〜Cも同様)。
【0192】
図21(B)は、判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「3」のとき(ターゲット前に実行される第2特図ゲームが2つの場合)に報知演出Aを実行すると決定した場合の、切替演出、報知演出、各可変表示(変動)、背景画像等の時系列を示す図である。この場合、ターゲットの2つ前の非リーチ変動(特図変動時間(2.5秒)+停止図柄表示時間(0.5秒))の開始時から切替演出が実行される(実行時間は、0.5秒間)。切替演出によって切り替えられる背景画像の再生位置(切り替え先)は、報知演出Aを実行する再生位置A5から9.5秒遡った再生位置A2である(
図17等も参照)。切り替え後、2.5秒後に最初の非リーチ変動が終了し、その後、1回の非リーチ変動が実行され(1回の非リーチ変動で3秒経過する)、その後ターゲットの可変表示が実行され、実行開始後4秒で報知演出Aが開始される。このタイミングで、再生位置の切り替え後9.5秒が経過しており、当該報知演出Aの実行開始時の背景画像の再生位置はちょうど再生位置A5となっており、特定シーンAが背景画像として表示されていることになる。
【0193】
図21(C)は、判定対象のコマンドの第2保留表示番号が「1」のとき(ターゲット前に実行される第2特図ゲームが0の場合)に報知演出Aを実行すると決定した場合の、切替演出、報知演出、各可変表示(変動)、背景画像等の時系列を示す図である。この場合、ターゲットの変動開始時から切替演出が実行される(実行時間は、0.5秒間)。切替演出によって切り替えられる背景画像の再生位置(切り替え先)は、報知演出Aを実行する再生位置A5から3.5秒遡った再生位置A4である(
図17等も参照)。切り替え後、3.5秒後(変動開始後4秒)で報知演出Aが開始される。このタイミングで、再生位置の切り替え後3.5秒が経過しており、当該報知演出Aの実行開始時の背景画像の再生位置はちょうど再生位置A5となっており、特定シーンAが背景画像として表示されていることになる。
【0194】
上記関係は、他の場合についても同様である。また、この実施の形態では、報知演出実行で、背景画像が停止され、報知演出後のスーパーリーチでは、スーパーリーチ用の背景画像が表示されることになる(当該背景画像は、スーパーリーチ等を実行していないときの背景画像と共用であってもよい)。スーパーリーチ後には、元の背景画像に戻るものとする(再生の再開位置は、上記背景画像の停止位置であればよい)。
【0195】
(ガセの切替演出について)
図22は、ガセの切替演出を実行する場合の切替演出、各可変表示(変動)、背景画像等の時系列を、ガセでない切替演出を実行する場合と対比して説明する図である。
図22(A)は、ガセでない切替演出を実行する場合の図であり、説明は
図21(B)と同様である。
図22(B)は、背景画像の切り替えがないガセの切替演出(切替演出D)を実行した場合の図である。この場合、ガセの切替演出が実行されても、その終了後に背景画像の再生位置は切り替わらずに、その再生が再開される。なお、当該ガセの切替演出は、ガセでない切替演出と同様、可変表示の最初0.5秒間で実行される。なお、当該ガセの切替演出は、可変表示開始時に実行が決定される。
図22(C)は、背景画像の切り替えはあるが報知演出が実行されないガセの切替演出(ここでは、切替演出A2とする。)を実行した場合の図である。この場合、ガセの切替演出が実行されると、その終了後に背景画像の再生位置は切り替わり(ここでは、
図22(A)に合わせて再生位置A2に切り替わるものとする)、その再生が再開される。なお、当該ガセの切替演出は、ガセでない切替演出と同様、可変表示の最初0.5秒間で実行される。また、当該ガセの切替演出は、可変表示開始時に実行が決定される。
図22(C)の場合、背景画像の再生位置が再生位置A5になっても、報知演出が実行されない(ここでは、スーパーリーチの変動はなく、代わりに非リーチ変動が続いている)。
【0196】
(演出画面例)
図23は、演出画面の一例を示す図である。
図23(A)は、切替演出が実行される可変表示の1つ前の変動が終了し、可変表示結果(「5 6 4」)が導出表示されている図(切替演出直前の図)である。このとき、第1特図ゲームの保留数が2つで(第1保留表示画像5HAが2つ表示されている)、第2特図ゲームの保留数が3つである(第2保留表示画像5HBが3つ表示されている)とする。第2保留表示画像5HB(T)は、ターゲットの可変表示に対応する。また、図形が右から左へ移動する背景画像が再生表示されている。
【0197】
図23(A)の状態から、次の飾り図柄の可変表示(変動)が開始されると(第2特図ゲームの保留が消化される)、これと同時に切替演出が実行される(
図23(B))。このとき、第2保留表示画像5HBは1つ減り、第2保留表示画像5HB(T)等が左にシフトする。なお、この実施の形態では、背景画像等がよく見えるように、飾り図柄は、可変表示中(可変表示結果の導出前まで)において、半透明で表示(可変表示)される。一方、可変表示結果として停止表示されているとき(例えば、
図23(A))の飾り図柄は、当該飾り図柄の視認性を確保するため非透明で表示される。切替演出は、例えば、砂嵐の画像を背景画像の表示レイヤーよりも前に位置するレイヤーに表示して背景画像を隠す演出として実行される(飾り図柄の可変表示や保留表示画像を表示するレイヤーは、最前面とする)。これにより、背景画像の視認性が低下している。切替演出実行中、背景画像は一時停止となっている。
【0198】
実行中の切替演出が、ガセでない切替演出の場合、または、背景の切り替え有りのガセの切替演出(ここでは、切替演出A2とする)の場合、背景画像の再生位置が切り替わる(ここでは、再生位置A2に切り替わり、再生が再開されるものとする)(
図23(C))。実行中の切替演出が、背景の切り替え無しのガセの切替演出(切替演出D)の場合、背景画像の再生位置が切り替わらない(以降、背景画像の再生がそのまま再開され継続される)(
図23(D))。
【0199】
背景画像の再生位置の切り替わりが行われた場合、当該切替演出がガセでない場合(報知演出が実行される場合)、可変表示(第2特図ゲーム)が順次実行され、ターゲットの可変表示が実行されると、当該ターゲットの可変表示の開始から4秒後(つまり、報知演出Aの実行時間)に背景画像の再生位置が再生位置A5(特定シーンAの表示)となり(
図23(E))、図形画像G1が急激に大きくなる報知演出A(このとき、飾り図柄の可変表示にてリーチも成立する。)が実行される(
図23(F))。そして、報知演出からスーパーリーチに発展する。
【0200】
背景画像の再生位置の切り替わりが行われた場合で、前記切替演出がガセの場合(報知演出が実行されない場合)、例えば非リーチハズレの可変表示が順次実行され(ここでは、第2特図ゲームが全て実行され、第1特図ゲームが実行される)、背景画像の再生位置が再生位置A5(特定シーンAの表示)となっても(
図23(G))、報知演出は実行されず、背景画像等はそのまま再生され、可変表示も順次実行される(
図23(H))。
【0201】
(実施形態上の効果等)
(効果1)
この実施の形態では、背景画像を利用した報知演出が実行され、当該報知演出からスーパーリーチが実行されるので、遊技の興趣が向上する。そして、報知演出を実行する際には、当該報知演出を実行する将来のタイミングに特定シーンが表示されるよう、切替演出により背景画像の再生位置を切り替えるので(つまり、当該切り替えから報知演出の実行タイミングまでの尺に合わせた背景画像に切り替えるので)、報知演出を違和感なく実行することができ、遊技の興趣が向上する。また、切替演出は、背景画像を一旦隠すので、背景画像の切り替わりが目立たなくなり、見た目上違和感なく、切替演出を実行できる。
【0202】
(効果2)
また、切替演出による背景画像の切り替えは、背景画像の再生位置の切り替えであり、切り替え後は再度背景画像が再生され、背景画像とは全く異なる無関係の画像に切り替わる訳でないので、切り替えにより生じ得る違和感を低減できる。
【0203】
(効果3)
報知演出を実行する可変表示(ターゲット)よりも前の可変表示を全て非リーチハズレの変動として、その実行時間(特図変動時間+停止図柄表示時間)を3秒に固定しているので、切替演出によって背景画像を切り替える際の切り替え先の再生位置を容易に特定でき、再生位置の切り替えを適切に行うことができる(処理負担が軽減される)。さらにここでは、ターゲットの可変表示における報知演出の実行タイミングも、開始4秒後に固定しているので、切り替え先の再生位置をさらに容易に特定できる(処理負担が軽減される)。
【0204】
(効果4)
報知演出を複数種類用意し(報知演出A〜C)、各報知演出で、実行タイミング(実行するときの背景画像の特定シーン)やその態様が異なるので、演出を多様化でき、遊技の興趣が向上する。また、報知演出は、種類に応じて大当り期待度が異なるので、報知演出への注目を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0205】
(効果5)
さらに、ガセの切替演出を用意することで、切替演出の実行=報知演出の実行という結びつきを弱くすることができ、演出が単調になることを防止できる。特に、背景画像の再生位置の切り替えがあるガセの切替演出(切替演出A1〜A5、B1〜B5、C1〜C5)により、背景画像の再生位置の切り替え頻度を上げることができ、遊技の興趣が向上する。また、背景画像の再生位置の切り替えがないガセの切替演出(切替演出D)を高頻度(
図19参照)で実行することで、切替演出は演出上、普通に実行されるものだと遊技者に認識させることができ、切替演出の特別感を低下させ、報知演出が実行されたときの唐突感を演出することができる。
【0206】
(効果6)
また、飾り図柄は、変動中(切替演出の実行中を含む)に半透明で表示され、視認性が低下しており、その結果、背景や切替演出の視認性が飾り図柄によって低下してしまうという不都合を防止できる。
【0207】
(本明細書が開示する構成、上記実施形態の変形例)
以下、本明細書が開示する上記実施の形態を一例とする構成、上記実施形態の変形例を説明する。以下の変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。なお、上記実施の形態の構成や下記の構成は、上記「発明が解決しようとする課題」等に係る構成であるか否かに関わらず、どの構成であっても省略できる(その場合には、別の発明となりうる)。
【0208】
(1)遊技を行う遊技機であって、
遊技を行う遊技機であって、
一連の映像(例えば、図形が右から左へ移動する背景画像、
図13)を再生する再生手段(例えば、背景画像を再生する表示制御部123など)と、
前記一連の映像のうちの特定映像(例えば、特定シーンA、
図15(A))に関連した演出であって、特定演出(例えば、スーパーリーチ)が実行されることを報知する報知演出(例えば、報知演出A)を実行する報知演出実行手段(例えば、ステップS676、S342、S556など)と、
前記報知演出が実行される場合に、再生中の前記一連の映像を、前記報知演出の実行タイミング(例えば、ターゲットの可変表示の開始から4秒後のタイミング)に合わせて前記特定映像が再生される所定映像(前記4秒後のタイミングに再生位置A5が到来するよう、背景画像の再生位置(
図17等参照)を、第2特図ゲームの保留数に応じて再生位置A1〜A4のいずれかに切り替えて再生される背景画像)に切り替える切替手段(例えば、ステップS678、
図17、ステップS345、ステップS553)と、を備え、
前記切替手段は、前記一連の映像を前記所定映像に切り替える際に、前記一連の映像の視認性を低下させる(例えば、砂嵐の画像により背景画像を隠す。
図23(F)参照)、
遊技機。
【0209】
一連の映像は、ミュージックビデオなどの動画(実写、アニメーションは問わない)などであってもよい。また、背景画像ではなく、所定の演出画像(例えば、特定の演出モードで再生される映像)を構成するものであってもよい。一連の映像は、ループ再生される映像全体の他、1回再生される1つの動画などであってもよい(ループ再生される背景画像のうち、1周期の上記背景画像を一連の画像として捉えてもよい)。なお、ループ再生は、上記背景画像のように最初と最後とがつながった画像を動画として再生し続けることの他、所定の動画を一旦最後まで再生し、その後、当該所定の動画を最初から再生し直すこと(所定の動画の最後の画像から、当該所定の動画の最初の画像に切り替わる。)も含む。一連の映像は、キャラクター等が順次登場してくるものなどであってもよい。報知演出が実行される一連の映像として、上記では、高確高ベース状態の背景画像1種類のみであったが、一連の映像を複数用意し(例えば、演出モードごとに異なる背景とする)、各一連の映像内に、当該一連の映像ごとに異なる特定映像を設け、報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、背景画像として、キャラAが登場するものと、キャラBが登場するものと、を用意し、特定映像として、キャラAが近づく映像と、キャラBが逃げる映像と、を用意してもよい。このようなことにより、演出を飽きさせず、遊技の興趣を向上させることができる。上記では、一連の映像を高確高ベース状態の背景画像としているが、当該一連の映像は、他の遊技状態(例えば、通常状態かつ特別な演出モードのとき)における背景等でもよい。一連の映像は、第1の動画を所定回数再生し、その後、第1の動画と関連する第2の動画を所定回数再生し、その後、第1の動画を再度所定回数再生するものなど、互いに関連する各動画を所定回数ずつ順次再生していくものでもよい。一連の映像として、ある動画(互いに関連する各動画を所定回数ずつ順次再生した映像、上記実施形態の背景画像を含む)を所定回数再生し(所定回数は、1回を含む。複数回再生する場合には、ループ再生する)、その後に他の一連の映像が再生(ループ再生含む)されるものであってもよい。この場合、例えば、切替演出による切り替え先の再生位置は、再生中の一連の映像の再生位置とするとよい(例えば、一連の映像それぞれについて報知演出を用意し、切り替え先の再生位置は、当該報知演出との関係で、一連の映像ごとに予め定められているものとする。)(なお、切り替え先を、再生中でない他の一連の映像の再生位置としてもよいが、切り替え先を、再生中の一連の映像の再生位置にした方が、見た目上違和感が少ない場合がある)。
【0210】
特定演出は、各種リーチ演出の他、先読み予告(先読み判定に基づいて実行されるターゲットの大当り期待度等を予告する演出)、大当り確定の報知演出、各種の予告演出、疑似連などであってもよい。
【0211】
特定映像に関連した演出である前記の報知演出は、当該特定映像の少なくとも一部の画像を用いた演出(上記実施の形態のように画像を前記一連の映像(背景画像)とは異なるように変化させる演出など)、特定映像内の画像の動き等に応じて当該特定映像から分岐して一連の映像とは異なる他の所定映像が再生される演出(例えば、キャラクターが遊技者に向かって攻撃するシーンが特定映像として再生されているときに、当該攻撃により画面がひび割れる画像を再生する演出(画面のひび割れからが報知演出))などであればよい。
【0212】
報知演出は、特定演出を実行することを直接的に又は間接的に報知するものであればよく、例えば、メッセージ等により、特定演出が実行されることを直接報知するもの、報知演出が実行される場合には特定演出が実行されることで当該特定演出が実行されることを間接的に報知するもの、報知演出から特定演出に発展することで当該特定演出が実行されることを間接的に報知するものなどであればよい。報知演出は、例えば、画面がひび割れ、その背後からスーパーリーチの演出画像が登場する演出(スーパーリーチに発展させるためのつなぎの演出であることにより、スーパーリーチの実行を報知する演出)などであってもよい。
【0213】
所定映像は、上記実施の形態では、背景画像(一連の映像)の一部であるが、最後に特定映像が表示(再生)される、前記一連の映像とは異なる他の映像(例えば、図形が上記背景画像とは異なる動きをする映像)であってもよい。
【0214】
一連の映像を所定映像に切り替える際に、一連の映像の視認性を低下させることの他の例としては、映像を例えば半透明等にする、画面を一時真っ暗にして映像を表示しないようにする、エフェクト処理(例えば、高速の点滅等)等により映像が表しているものを認識困難にする、映像にモザイクをかける、映像をぼやかすなどがある。なお、上記では、切替演出実行時に、背景画像の再生を一時停止しているが、切替演出の裏で背景画像を再生し続けてもよい。
【0215】
(2)前記所定映像は、前記一連の映像のうちの一部を構成する映像である(例えば、背景画像)。
【0216】
上記実施の形態では、映像の切り替え時に背景画像の再生位置を変更しているが、所定映像と一連の映像とは、同じ内容であればよく、異なるデータとして用意してもよい。例えば、
図21(A)の場合、再生位置A1から再生位置A5までの映像のデータを、高確高ベース時で通常再生される背景画像のデータとは別に用意し、切替演出後、前記映像のデータを再生することで前記の所定映像への切り替えを実現してもよい(他の報知演出についても同様)。また、切替演出と所定映像とを一連の動画データとして用意してもよい。この場合には、切替演出実行開始から、当該一連の動画データが再生され、例えば、
図21(A)の場合、切替演出→再生位置A1から再生位置A5までの映像の再生が実現される。
【0217】
(3)前記報知演出は、所定回数の可変表示が実行されたあとの特定の可変表示にて実行され(例えば、
図21)、
前記切替手段は、前記所定回数の可変表示の表示結果がいずれもハズレのときに、前記一連の映像を前記所定映像に切り替える(例えば、ステップS675B、
図21など)。
【0218】
なお、上記(3)とは別の例として、飾り図柄の可変表示開始時に、当該可変表示を対象に報知演出の実行の有無等を決定してもよい。
【0219】
報知演出は、上記実施の形態では、第2特図ゲームをターゲットにして実行されているが、第1特図ゲームをターゲットにして実行されてもよい。この場合、例えば、通常状態の背景画像の特定画像に関連させた報知演出を実行する。
【0220】
(4)前記特定映像は、複数設けられ(例えば、特定シーンA〜C)、
前記報知演出実行手段は、複数の前記特定映像のいずれかに対応させて前記報知演出(例えば、報知演出A〜C)を実行する。
【0221】
なお、複数の特定映像それぞれについて、報知演出の態様が異なってもよい。例えば、報知演出Aでは、特定シーンAの図形画像G1を大きくし、報知演出Bでは、特定シーンBの図形画像G2を小さくしてもよい。
【0222】
なお、報知演出として、ガセの報知演出を用意してもよい。例えば、報知演出は実行されるがスーパーリーチ等の特定演出は実行されないパターンがあってもよい(例えば、図形画像G1が大きくなるが、その後、元の大きさに戻るなどのガセの報知演出)。この場合、報知演出の種類(報知演出A〜C、特定映像の再生位置等)に応じて、特定演出が実行される割合を異ならせてもよい。また、上記の実施の形態では、高確高ベースのスーパーリーチの実行時には、必ず報知演出を実行し、報知演出経由でスーパーリーチを実行するようにしているが、報知演出無しでスーパーリーチが実行されるパターンがあってもよい。
【0223】
(5)前記報知演出は、前記切替手段により前記一連の映像が前記所定映像に切り替えられたときであっても、実行されないことがある(例えば、切替演出A1〜A4)。
【0224】
ガセの切替演出の実行の有無やその種類(例えば、切り替え先の映像(再生位置)など。切り替え無しの切替演出Dを含めてもよい。)に応じて大当り期待度を異ならせてもよい。切替演出の態様を複数種類設け、その態様に応じて、一連の映像が切り替えられる割合、大当り期待度等を異ならせてもよい。
【0225】
(6)前記一連の映像を表示する表示手段で識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、表示制御部123)を備え、
前記可変表示実行手段は、少なくとも前記報知演出が実行されるときに、前記識別情報の視認性を低下させる(例えば、半透明で表示する)。
【0226】
識別情報の視認性を低下させるとは、識別情報を半透明にする他、背景画像等を見やすくするため識別情報を縮小表示することなどであってもよい。
【0227】
(7)なお、演出を制御する演出制御基板12では、パチンコ遊技機1に停電などによる電断が起きた場合に、それまでのRAM122の記憶内容が消えてしまう(一般にバックアップがないため)。従って、第2始動入賞時コマンドバッファに報知演出実行情報等が格納されているときに、電断等によりRAM122の記憶内容が消去されてしまうと、報知演出実行情報等も消去されてしまう。このような場合、ターゲットの可変表示で報知演出が実行されず(背景画像の再生位置も調整できないため)、いきなりスーパーリーチが始まってしまう不都合が生じることがある。このため、例えば、主基板11から電断復旧コマンド等、電断からの復旧を通知するコマンドが送信されてきたときには、演出制御用CPU120がRAM122に設けられた復旧フラグをオンするようにし、変動パターンがスーパーリーチを指定している可変表示を開始する際(ステップS171の実行時)の遊技状態が高確高ベース状態で、当該復旧フラグがオンであれば、当該可変表示において、当該可変表示の開始タイミング又はその後の所定タイミングからスーパーリーチの実行開始タイミングまでの期間において、報知演出等とは別の代替の演出を実行してもよい。このように、電断復旧時は、特定演出が実行されるまで、報知演出の代わりに代替演出(例えば、特定演出が実行されることを報知する演出等)を実行するようにしてもよい。また、変動パターンがスーパーリーチを指定している可変表示を開始する際(ステップS171の実行時)の遊技状態が高確高ベース状態で、当該復旧フラグがオンの場合であって、電断からの復旧により背景画像の表示がすでに再開されている又は当該可変表示の開始時に再開される場合、当該可変表示実行開始時(ステップS171の実行時)に、切替演出及び報知演出の実行を決定して設定してもよい(判定対象の第2保留表示番号が1であるとして、ステップS676やS678と同様の処理を行えばよい。例えば、
図16の入賞時判定結果を、当該可変表示の表示結果に置き換えて報知演出の種類を決定し、
図17の第2保留表示番号=1のときの切替先の再生位置を、今回の切替演出による切り替え先の再生位置として特定する)。なお、報知演出や切替演出の実行等の決定を、ターゲットの可変表示実行時に行ってもよく(ステップS676やS678と同様の処理をステップS171において行う。この場合、例えば、
図16の入賞時判定結果を、当該可変表示の表示結果に置き換えて報知演出の種類を決定し、
図17の第2保留表示番号=1のときの切替先の再生位置を、今回の切替演出による切り替え先の再生位置として特定する)、この場合には、復旧フラグを用いずに、電断復旧後において報知演出等を適切に実行できる(この例のように、報知演出や切替演出は、先読み判定に基づいて実行される先読み演出ではなく、可変表示の実行時に実行の有無等が決定される当該変動演出(実行中の可変表示を対象とした演出)としてもよい)。また、電断復旧があった場合に、主基板11側で、バックアップされている保留データ(乱数値MR1〜MR3)を全てスキャンして先読み判定しなおし、第1入賞時判定結果指定コマンド、第2入賞時判定結果指定コマンドを送信し、演出制御基板12側で、送信されてきた第1入賞時判定結果指定コマンド、第2入賞時判定結果指定コマンドを第1始動入賞時コマンドバッファ、第2始動入賞時コマンドバッファに格納し直し、これらコマンドに基づいて報知演出等の実行を決定し直してもよい。
【0228】
(8)例えば、演出制御用CPU120は、ステップS161にて、報知演出の種類を決定せずに報知演出の実行の有無のみ決定し、報知演出を実行すると決定したときには、判定対象のコマンドの第2保留表示番号に応じて切り替え先の再生位置を複数特定する(例えば、第2保留表示番号が「4」であれば、再生位置A1、B1、C1を特定する(
図17参照))。特定された当該再生位置は、表示制御部123に通知され記憶される。切替演出の実行時に、表示制御部123は、現在の背景画像の再生位置を確認し、そのときに記憶されている再生位置(例えば、再生位置A1、B1、C1)のうち、現在の再生位置に最も近い再生位置(例えば、再生位置A1、B1、C1それぞれのフレーム番号と、現在の再生位置のフレーム番号とに基づいて確認できる)を、切替演出による切り替え先の再生位置に決定してもよい。
【0229】
(9)プレミア(例えば、大当り確定)の切替演出を用意してもよい。この場合、当該切替演出により、それまで再生されていた一連の映像(背景画像等)を、当該映像とは異なる特別な映像に切り替えてもよい。
【0230】
(10)識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示と表現してもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
【0231】
(11)先読み判定は、演出制御基板12側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12において先読み判定を行ってもよい。
【0232】
(12)上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
【0233】
(13)本発明は、スロットマシンにおける演出実行手段、遊技球を封入した封入式のパチンコ遊技機における演出実行手段等にも適用可能である。
【0234】
(14)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
【0235】
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。