特許第6981826号(P6981826)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981826
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】エアフロー構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20211206BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20211206BHJP
   E06B 7/02 20060101ALI20211206BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20211206BHJP
   E04B 2/88 20060101ALN20211206BHJP
【FI】
   E04B1/76 200A
   E05D15/06 118
   E06B7/02
   F24F13/02 C
   !E04B2/88
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-177618(P2017-177618)
(22)【出願日】2017年9月15日
(65)【公開番号】特開2019-52482(P2019-52482A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000152424
【氏名又は名称】株式会社日建設計
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長井 千興
(72)【発明者】
【氏名】杉山 俊一
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−073664(JP,A)
【文献】 特開2005−048426(JP,A)
【文献】 特開2000−257197(JP,A)
【文献】 特開2010−144475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/76
E04B 2/88
E05D 15/06
E06B 3/32,3/50
E06B 7/02
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外側に面する外側ガラス面体と、
前記外側ガラス面体の室内側に形成された内側ガラス面体と、
前記外側ガラス面体と前記内側ガラス面体との隙間であるキャビティ空間と、を備えるエアフロー構造であって、
前記内側ガラス面体は、複数のガラス板を板面同士が面一になるように並設することにより形成されていて、
前記複数のガラス板は、床面から隙間をあけた状態で配設されており、
隣り合う前記ガラス板同士の間には、地震時の変形を吸収することができる大きさのシール材、または隙間が設けられていて、
前記複数のガラス板のうちの少なくとも1枚は、面外移動させた後に横移動させることが可能となるように上端部において吊持された移動式ガラス板であることを特徴とする、エアフロー構造。
【請求項2】
床面から上側に突出することで前記移動式ガラス板を固定するストッパーが、当該移動式ガラス板の真下に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のエアフロー構造。
【請求項3】
前記移動式ガラス板は、前記内側ガラス面体の上方に形成されたレールに沿って移動可能な吊具によって吊持されており、
前記吊具は、前記レールを走行する走行手段を備えていて、
前記レールは、前記走行手段が走行するレール本体と、前記レール本体の室内側に形成されて、前記走行手段を係止する係止手段と、を備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアフロー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフロー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
高層建物の軽量化、外観意匠の向上、室内側からの眺望の確保を目的として、ガラスカーテンウォールが採用される場合がある。一方、ガラスカーテンウォールは、コンクリート壁に比べると断熱性が劣るため、建物の冷暖房効率が低下してしまう。そのため、建物の外面に面する外側ガラス面体の室内側に内側ガラス面体を設けるダブルスキン構造やエアフロー構造を採用することで、空調負荷の低減化を図る場合がある(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。ダブルスキン構造やエアフロー構造は、外側ガラス面体と内側ガラス面体との間に形成されたキャビティ空間(空気層)により遮熱性能の向上を図るものである。また、ダブルスキン構造では、キャビティ空間の下部から取り入れた外気を上部から排気させることで夏期におけるキャビティ空間内の温度上昇を抑制する。一方、エアフロー構造では、キャビティ空間の下部から室内空気を取り込み上部から排気することで、キャビティ空間内の温度を一定に保っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−106598号公報
【特許文献2】特開2007−100437号公報
【特許文献3】特開2005−048425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダブルスキン構造やエアフロー構造では、キャビティ空間の定期的なメンテナンスや清掃を目的として、内側ガラス面体に、開閉扉等を設ける場合がある。開閉扉を設けるためには、サッシを採用するのが一般的であるが、サッシを採用すると、窓枠の存在によって室内側からの眺望が低減してしまう。また、回転式の開閉扉(開き戸)は支持構造が複雑になる。一方、スライド式の開閉扉(引き戸)は、左右に隣接する他のガラス板に対して面外方向にずらした状態(引き違い方式)で設置されているため、内側ガラス面体が面一にならず、室内景観が低下する。
このような観点から、本発明は、眺望を妨げる部材を極力少なくし、かつ、室内景観に優れたエアフロー構造を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明のエアフロー構造は、建物の外側に面する外側ガラス面体と、前記外側ガラス面体の室内側に配置された内側ガラス面体と、前記外側ガラス面体と前記内側ガラス面体との隙間であるキャビティ空間とを備えるものである。前記内側ガラス面体は、複数のガラス板を板面同士が面一になるように並設することにより形成されていて、前記複数のガラス板は、床面から隙間をあけた状態で配設されており、隣り合う前記ガラス板同士の間には地震時の変形を吸収することができる大きさのシール材または隙間が設けられている。そして、前記複数のガラス板のうちの少なくとも1枚は、面外移動させた後に横移動させることが可能となるように上端部において吊持された、移動式ガラス板であることを特徴とする。
【0006】
かかるエアフロー構造によれば、移動式ガラス板を備えているため、キャビティ空間のメンテナンスが可能である。移動式ガラス板は、面外移動させた後に横移動させるものであるため、通常時においては隣接する他のガラス板と板面同士が面一となるように配設することができる。しかも、移動式ガラス板は吊持されているため、眺望を妨げる部材(窓枠やヒンジ等)を極力少なくすることができ、したがって、室内景観が低下することはない。
【0007】
床面から上側に突出することで前記移動式ガラス板を固定するストッパーが、当該移動式ガラス板の真下に形成されていれば、上端部において吊持された移動式ガラス板の揺れを防止することができる。そのため、移動式ガラス板および支持部材の負担を軽減することができる。
また、前記移動式ガラス板の支持手段としては、前記内側ガラス面体の上方に形成されたレールを走行可能な走行手段を備えた吊具を採用することができる。なお、前記レールは、前記走行手段が走行するレール本体と、前記レール本体の室内側に形成されて、前記走行手段を係止する係止手段とを備えているのが望ましい。この構成においては、移動式ガラス板を面外移動させると、走行手段が係止手段からレール本体上に移動するため、移動式ガラス板の横移動が可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエアフロー構造によれば、眺望を妨げる部材を極力少なくし、かつ、室内景観に優れた建物を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るエアフロー構造の一部を示す斜視図である。
図2】(a)エアフロー構造の一部を示す平断面図、(b)は同正面図である。
図3】(a)はレールの側面図、(b)はレールの平面図である。
図4】移動式ガラス板の吊具およびレールを示す断面図である。
図5】ストッパーの詳細を示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B矢視図、(c)は(a)のA−A断面図である。
図6】(a)〜(c)は移動式ガラス板を移動させる際の各段階を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態のエアフロー構造1は、図1に示すように、外側ガラス面体2と、内側ガラス面体3と、キャビティ空間4とを備えている。
外側ガラス面体2は、建物の外側に面して複数のガラス板(外ガラス板21,21,…)を並設することにより形成されている。外側ガラス面体2は、建物の構造体ではなく、いわゆるガラスカーテンウォールを構成している。外側ガラス面体2は、建物の外面に沿って形成された枠材22に外ガラス板21を嵌め込むことにより形成されている。また、外ガラス板21同士は、板面同士が面一になるように並設されている。なお、外側ガラス面体2を構成する外ガラス板21(枠材22)の大きさは限定されるものではない。また、外ガラス板21の固定方法は限定されるものではない。さらに、本実施形態では、外側ガラス面体2(枠材22)を各フロア(階層)毎に形成するが、外側ガラス面体2は、複数のフロアに跨って形成されていてもよい。
【0011】
内側ガラス面体3は、外側ガラス面体2の内側(室内R側)において複数のガラス板(内ガラス板31,31,…)を並設することにより形成されている。本実施形態の内側ガラス面体3は、各フロア(各階層)毎に形成されている。内ガラス板31同士は、板面同士が面一になるように並設されている。複数の内ガラス板31は、床面Fから隙間(通気口33)をあけた状態で配設されている。隣り合う内ガラス板31同士の間には、シール材(ガスケット)32が介設されている。シール材32の幅(太さ)は、景観を妨げることがないように、なるべく細くするのが望ましいが、地震時等の変形を吸収することができる程度の大きさを確保するものとする。なお、シール材32は必要に応じて設置すればよく、省略してもよいが、シール材32を省略する場合には、地震時等の変形を吸収することが可能な程度の隙間を内ガラス板31同士の間に形成しておくことが好ましい。
【0012】
図2(a)および(b)に示すように、内側ガラス面体3には、キャビティ空間4と室内Rとを連通する開口部34が形成されている。開口部34には、移動式ガラス板35が設置されている。内側ガラス面体3に設ける移動式ガラス板35の数(開口部34の数)は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
移動式ガラス板35は、その上端部において吊持されている(図3(a)参照)。移動式ガラス板35は、移動可能に構成されており、移動式ガラス板35が移動することで、開口部34が開閉される。一方、移動式ガラス板35以外の内ガラス板31は、床面Fに所定の間隔をあけて形成された土台36に載置されているとともに、上端部が固定されていて、移動不能に設けられている。開口部34に隣接する内ガラス板31(開口部34の左右に配置された内ガラス板31)の開口部34側の側縁および移動式ガラス板35の両側縁には、シール材(パッキン)32が設置されている。なお、シール材32は、内ガラス板31および移動式ガラス板35のいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0013】
本実施形態の移動式ガラス板35は、図3(a)に示すように、上端部の左右2か所において、吊具6によって吊持されている。吊具6は、天井に固定されたレール5上を走行する。なお、移動式ガラス板35を吊持する吊具6の数は、複数であれば、限定されるものではない。
吊具6は、図4に示すように、吊具本体61と、レール5を走行する走行手段62とを備えている。吊具本体61の上部は走行手段62を支持していて、吊具本体61の下端部は移動式ガラス板35の上端部に固定されている。
【0014】
本実施形態の吊具本体61は、コ字状を呈していて、レール5の上下および一方の側面を覆うように配設されている。すなわち、吊具本体61は、レール5を囲うように配設されている。吊具本体61の上側の第一片63には、走行手段62を保持する凹部64が形成されている。本実施形態の走行手段62は、球体を備えたいわゆるボールキャスターである。なお、走行手段62の構成は限定されるものではなく、例えば、車輪であってもよい。吊具本体61の下側の第二片65には、下向きに延びる取付部66が形成されている。取付部66は、移動式ガラス板35の板面に添設される板状部材である。取付部66には、固定ピン67を挿通するための貫通孔が形成されている。吊具6は、取付部66の貫通孔と移動式ガラス板35の上部に形成された貫通孔とに挿通した固定ピン67により移動式ガラス板35に固定されている。第一片63と第二片65とは、第三片68により連結されている。第三片68は、レール5の高さ寸法よりも大きな高さを有した板状部分である。
【0015】
本実施形態のレール5は、図3(b)に示すように、走行手段62が走行するレール本体51と、レール本体51の室内R側に形成されて、走行手段62を係止する係止手段52とを備える金属部材からなる。なお、レール5を構成する材料は、移動式ガラス板35を支持する強度を備えていれば、限定されるものではない。
レール5は、図4に示すように、取付部材53を介して天井Cに固定されている。取付部材53は、横板54と縦板55とを備える断面逆L字状部材であって、横板54を天井Cに添設させた状態で、横板54を貫通するボルト58を利用して天井Cに固定されている。レール5は、レール面板56とレール面板56の下面に形成された取付板57とを備えていて、断面逆L字状を呈している。レール5は、ボルト58により取付板57を縦板55に固定することで、取付部材53に固定されている。取付部材53の下端には、化粧天板Cが取り付けられている。
【0016】
レール本体51と係止手段52は、レール面板56の上面に形成されている。レール本体51は、走行手段62の走行路であって、走行手段62の球体の外径と同径の半円筒状の溝である。レール本体51は、図3(b)に示すように、レール面板56の室外側の縁(図3(b)において上側の縁)と平行に形成された直線部51aと、直線部51aに対して傾斜した傾斜部51bと、レール面板56の室内側の縁(図3(b)において下側の縁)と平行に形成された一端部51cとを備えている。すなわち、レール本体51は、一端部51c(図3(b)において左側端部)を除いて、レール面板56の室外側の縁に沿って形成された溝である。本実施形態のレール本体51は、移動式ガラス板35の幅の2倍程度の長さを有している。なお、レール本体51の長さは、移動式ガラス板35を移動させた際の開口部34の幅を考慮して決定するが、開口部34の幅として人が通れる程度の大きさを確保することができれば限定されるものではなく、例えば、移動式ガラス板35の幅+50cmとしてもよい。
【0017】
係止手段52は、走行手段62の球体を保持するための凹部(窪み)である。係止手段52は、球体の外径と同径の球面を有している(図4参照)。本実施形態では、レール面板56の中央部において、レール本体51の室内側に係止手段52が1か所形成されている。係止手段52は、一端部51cの延長上に位置している。なお、係止手段52は、レール本体51の室外側に形成されていてもよい。また、係止手段52の数は限定されるものではなく、吊具6の数に応じて適宜形成すればよい。
【0018】
移動式ガラス板35の下方(真下)には、図5(a)〜(c)に示すように、ストッパー7が形成されている。ストッパー7は、床面Fから上側に突出することで、移動式ガラス板35を固定する。
本実施形態のストッパー7は、床面Fに立設された長方形状の板状部材である。ストッパー7は、床面Fの下側に設けられた横軸71により回転可能に軸支されている。ストッパー7は、立設させた状態で、通気口33の高さよりも大きな高さを有している。ストッパー7を、横軸71を中心に回転させると、ストッパー7の高さは、通気口33の高さよりも小さくなる。なお、本実施形態では、ストッパー7を倒した際に、少なくともストッパー7の一部が収納される長方形状の穴Fが床面Fに形成されている。
【0019】
移動式ガラス板35の下端には、保護材37が固定されている。保護材37には、下向きに開口する凹部38が形成されている。ストッパー7を立設させると、図5(c)に示すように、保護材37の凹部38にストッパー7の上部が挿入されることで、移動式ガラス板35の下端に係止される。一方、ストッパー7を90°回転させると、ストッパー7が保護材37の凹部38から抜け出して、移動式ガラス板35とストッパー7との係止状態が解除される。なお、ストッパー7の構成は限定されるものではない。
【0020】
キャビティ空間4は、図1に示すように、外側ガラス面体2と内側ガラス面体3との間に形成された空間であって、空気層を形成する。キャビティ空間4の大きさ(幅)は限定されるものではないが、本実施形態では、内部において作業員がメンテナンス等の作業を行うことが可能な程度の大きさを確保する。内側ガラス面体3と床面Fとの間に形成された通気口33からキャビティ空間4に取り入れた空気は、キャビティ空間4の上方に形成された排気口(図示せず)から排出する。排気口から排出された空気は、室内Rの空調等に接続されたダクト(図示せず)に誘導される。このように、本実施形態の建物は、室内Rの空気がキャビティ空間4を介して、循環されている。なお、キャビティ空間4には、必要に応じてブラインドやカーテン等の遮光設備や、照明等を設置してもよい。また、キャビティ空間4に取り込まれた空気は、必ずしも室内Rに戻す必要はなく、建物外に排気してもよい。
【0021】
キャビティ空間4内におけるメンテナンス時等には、移動式ガラス板35を移動させて、開口部34から出入りする。
移動式ガラス板35を移動させる際には、まず、ストッパー7による固定を解除する(図5参照)。次に、図6(b)に示すように、移動式ガラス板35を室外側に押し出す(面外移動させる)。移動式ガラス板35を押し出すと、移動式ガラス板35の他端側(図面において右側)に固定された吊具6の走行手段62が、係止手段52からレール本体51に移動する(図3(a)および(b)参照)。このとき、移動式ガラス板35は、一端側が室内R側で他端側が室外側となるように傾斜した状態となる。次に、図6(c)に示すように、移動式ガラス板35を横移動させる(図面において右方向に移動させる)。移動式ガラス板35に横方向の力を加えると、走行手段62,62がレール本体51に沿って移動し、移動式ガラス板35が隣接する他の内ガラス板31の室外側に重なった状態となる。
作業後は、移動式ガラス板35を逆方向(図面において左方向)に横移動させた後、室内側に引き込む(面外移動させる)。こうすることで、他端側の走行手段62がレール本体51から係止手段52に移動し、図6(a)に示すように、移動式ガラス板35の板面が、隣接する他の内ガラス板31の板面と面一になる。
【0022】
本実施形態のエアフロー構造1によれば、移動式ガラス板35を備えているため、キャビティ空間4のメンテナンスが可能である。移動式ガラス板35は、面外移動させた後に横移動させるものであるため、通常時においては隣接する他の内ガラス板31と板面同士が面一となるように配設することができ、景観性に優れている。
また、移動式ガラス板35は吊持されているため、眺望を妨げる部材(窓枠やヒンジ等)を極力すくなることができ、したがって、室内景観が低下することはない。
また、床面Fから上側に突出するストッパー7によって移動式ガラス板35を固定することで、上端部において吊持された移動式ガラス板35の揺れを防止することができる。そのため、移動式ガラス板35および支持部材の負担を軽減することができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
レール本体51は、全長にわたって直線であってもよい。この場合には、吊具6の位置(数)に応じて、複数の係止手段52をレール本体51の室内側に形成しておく。
また、前記実施形態では、移動式ガラス板35を面外移動させる際に、他端側のみを室外側に移動させたが、移動式ガラス板35の面外移動はこれに限定されるものではなく、移動式ガラス板35を面外方向に平行移動させてもよい。
また、移動式ガラス板35を面外移動させる際には、室内側に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 エアフロー構造
2 外側ガラス面体
21 外ガラス板
22 枠材
3 内側ガラス面体
31 内ガラス板(ガラス板)
32 シール材
33 通気口
34 開口部
35 移動式ガラス板(ガラス板)
4 キャビティ空間
5 レール
51 レール本体
52 係止手段
6 吊具
61 吊具本体
62 走行手段
7 ストッパー
C 天井
F 床面
R 室内
図1
図2
図3
図4
図5
図6