(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イベント終了検知部は、前記車両の走行開始を検知した場合には、前記イベントの終了を表す入力操作がない場合でも、前記イベントの終了と認識し、前記計時部の計時をリセットする、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載器。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラック、バス、タクシー車両などの運行を管理する企業等においては、各車両の運行状態を管理したり、各車両を運転する乗務員毎に労務管理や安全運転管理を行う必要がある。
【0003】
したがって、実際の車両の運行状況を把握可能にするために、運行記録計であるデジタルタコグラフのような車載器が各車両に搭載される。このような車載器は、様々な運行データを自動的に収集し、例えばメモリカードのような記録媒体に運行データを記録し保存する。
【0004】
また、例えば特許文献1の運行管理システムは、連続走行時間が制限時間を超えそうな時、事前に事務所側の管理者が乗務員に注意するために役立つ技術を示している。すなわち、デジタルタコグラフは、車両の連続走行時間Taを計時し、連続走行時間Taが、制限時間T2より30分前に設定された予告時間T1に達した場合、予告イベントを事務所PCに送信する。事務所PCは、予告イベントを受信すると、表示部の画面に連続走行予告警報のメッセージを緊急情報として表示する。
【0005】
また、特許文献2の車載記録装置および管理システムは、乗務員の労務管理において、状況に応じて変化する可能性のある「休息時間」についても乗務員を正しく管理するための技術を示している。すなわち、車載記録装置は、計時部と、運転者による入力操作を受け付ける操作箇所を複数有する操作部と、複数の操作箇所それぞれに対する入力操作に応じて計時部に異なる時間長を計時させるデータ処理部と、計時部による計時が終了したことを運転者に報知する音声インタフェースとを備える。また、車載記録装置は計時が終了したときに、それを表す終了情報を無線通信部を介して事務所PCに送信する。時間調整モードにおいては、複数の操作箇所それぞれに対し、指定された任意の時間長の割り当てを許容する。また、計時を開始してからそれが終了するまでの間に、残り時間の長さを表す情報を報知する。
【0006】
また、特許文献3の運行記録装置及び運行管理システムは、車両の運行管理の観点から必要性が低い運行データを外部機器に提供することを防止するための技術を示している。すなわち、運行記録装置は、乗務員IDと車両の運行に関する情報とを含む運行データを記録すると共にその運行データを外部機器に提供する制御部を備える。制御部は、乗務員IDを取得できない場合において車両が運行されたとき、乗務員が未特定であるとの情報を含む仮運行データを記録すると共に、車両の運行が所定の有効条件を満たせば仮運行データを外部機器に提供し、車両の運行が有効条件を満たさなければ仮運行データを外部機器に提供しない。有効条件として、車両の運行時間が閾値時間以上であるか否か、及び車両の移動距離が閾値距離以上であるか否か、の少なくとも一方が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1の技術を採用する場合には、乗務員の連続走行時間が法令で定められた上限を超えないように管理できる。また、特許文献2の技術を採用する場合には、乗務員の「休息時間」を管理できるので、乗務員の労務管理が容易になる。また、特許文献3の技術を採用することにより、車両の運行中のデータ記録を適切に管理できる。
【0009】
しかしながら、車両が停止している状況において、乗務員や作業者が実施する作業等については、想定外の事象の発生を検知するための技術が存在せず、そのような機能はデジタルタコグラフ等の車載器にも備わっていない。
【0010】
例えば、様々な荷物をトラックで輸送するような車両運行業務においては、荷主の倉庫等で乗務員や他の作業者が荷物をトラックに積み込んでから、事前に定めたスケジュールに従い、目的地に向けてトラックの運行を開始することになる。ところが、荷物をトラックの荷台に積み込む作業(荷積み)において想定外の事象が発生する可能性も考えられる。例えば、乗務員、作業者、荷物等が荷台から転落したり、乗務員や作業者が荷物の間に挟まれたりするような作業中の事故が発生するかも知れない。
【0011】
このような事故が発生した場合には、負傷者を直ちに救助する必要がある。しかし、例えば乗務員が一人で荷積み作業していたような場合は、他の誰も事故の発生を知ることができないし、事故の発生を誰かに通報することもできない可能性がある。また、車両の運行を管理している管理者も、通常は運行データを事後的に解析することにより遅れが発生していたことを把握するようになっており、また、ネットワークを介してリアルタイムで運行データを受信しているとしても、車両の運行がスケジュールよりも少し遅れていることだけしか把握できず、事故の発生を知ることはできない。
【0012】
また、荷積み、荷下ろしなどの作業に限らず、例えば乗務員の休憩時間中に、強盗や災害などの被害に遭って負傷するような想定外の事象が発生するかもしれない。その場合も、当該乗務員以外の誰も被害の発生を知ることができないし、それを誰かに通報することもできない可能性がある。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の停止中における作業中の事故の発生のような、想定外の事象に素早く対応するために役立つ車載器および作業管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載器および作業管理システムは、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 車両に搭載した状態で使用される車載器であって、
前記車両の停止中に、前記車両の乗務員もしくは作業員の行動に関する1つ以上のイベントの開始操作を検知するイベント開始検知部と、
前記イベントの開始操作を検知した後の経過時間を計時する計時部と、
前記イベントの終了を検知するイベント終了検知部と、
前記経過時間が事前に定めた異常を表す閾値を超えた場合に、当該異常の発生を表す情報を前記車両の外部に対して報知する報知部と、
を備え
、
前記車載器の筐体には、前記経過時間及び前記閾値を表示する表示領域が設けられている、
ことを特徴とする車載器。
【0015】
(2) 1つ以上のイベントの開始を表す情報をユーザが入力するための第1操作部と、
1つ以上のイベントの終了を表す情報をユーザが入力するための第2操作部と、
を有し、前記イベント開始検知部は前記第1操作部の入力を検知し、前記イベント終了検知部は前記第2操作部の入力を検知する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車載器。
【0016】
(3) 前記第1操作部および前記第2操作部の各々は、少なくとも前記車両に対する荷積作業のイベント開始および終了に対応付けた操作ボタンを有する、
ことを特徴とする上記(2)に記載の車載器。
【0017】
(4) 前記イベント終了検知部は、前記車両の走行開始を検知した場合には、前記イベントの終了を表す入力操作がない場合でも、前記イベントの終了と認識し、前記計時部の計時をリセットする、
ことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の車載器。
【0018】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の車載器と、前記車載器が無線信号を用いて外部に報知する情報を受信する少なくとも1つの外部装置とを含み、
前記外部装置は、前記車載器から受信した情報を、事前に定めた管理者端末宛てに送信する、
ことを特徴とする作業管理システム。
【0019】
上記(1)の構成の車載器によれば、イベントの開始操作からその終了までの経過時間を管理しているので、例えば転落事故のような想定外の事象の発生を確実に検出し、車両の外部に報知できる。したがって、作業中の事故発生等の際に、乗務員が特別な操作をしなくても、管理者等がその異常を把握でき、救助等の行動を素早く行うことが可能になる。
【0020】
上記(2)の構成の車載器によれば、第1操作部に対するユーザの入力操作と、第2操作部に対するユーザの入力操作とに基づいて、作業等のイベントの開始および終了の時間を正しく把握できるので、経過時間に基づいて事故発生等の事象の有無を検知することが容易になる。
【0021】
上記(3)の構成の車載器によれば、ユーザが操作ボタンを操作した場合に、車両に対する荷積作業のイベント開始および終了の時間を正しく把握できるので、荷積作業における事故発生等の事象の検知が容易になる。
【0022】
上記(4)の構成の車載器によれば、荷積作業等の終了時に乗務員が終了のボタン操作を忘れた場合でも、車両の運行開始に伴って作業の終了が自動的に認識される。そのため、作業中の事故等が発生していないにもかかわらず、乗務員の操作ミスにより誤って異常の通知が送信されるのを防止できる。
【0023】
上記(5)の構成の作業管理システムによれば、例えば管理者用の事務所PCが動作していない状況であったり、管理者が休憩中であったとしても、異常の発生を電子メール等を用いて管理者に通知することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の車載器および作業管理システムによれば、車両の停止中における作業中の事故発生のような想定外の状況を検知して自動的に管理者等に通知することができる。したがって、必要に応じて被害者の救助等の行動を素早く行うことが可能になる。
【0025】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0028】
<システムの構成例>
本発明の実施形態における作業管理システム5の構成例を
図1に示す。なお、この作業管理システム5は、車両の運行管理に必要な機能も有している。
【0029】
本実施形態の作業管理システム5は、例えばトラック運送会社等の事業者の設備として導入される。作業管理システム5は、主にトラックのような輸送用車両の乗務員や、荷積み、荷下ろし等の作業を行う作業者の作業を管理したり、車両の運行状況を管理するために利用される。また、この作業管理システム5は、車載器として各車両に搭載した状態で使用される運行記録装置(以下、デジタルタコグラフという)10と、事務所PC30と、これらの間を接続する無線通信網とを含む。
【0030】
事務所PC30は、企業等の事務所に設置された汎用のコンピュータ装置で構成され、車両の運行状況を管理する。ネットワーク70はパケット通信が可能なインターネット網である。サーバ81、無線基地局8、および事務所PC30がネットワーク70に接続されている。
【0031】
無線基地局8は、例えば携帯電話網のように広域無線通信が可能な移動体無線通信サービスを提供する通信事業者の設備である。デジタルタコグラフ10は、無線基地局8と接続するための通信部24を備えている。サーバ81は、デジタルタコグラフ10と事務所PC30との間の通信を中継したり、車両の運行管理、乗務員の労務管理などに必要な通信サービスを行うために利用される。なお、サーバ81は例えば通信サービスを提供する所定のデータセンタ内に設置してもよいし、インターネット上の任意の箇所に配置してもよいし、企業内のローカルネットワーク(LAN)上に配置してもよい。
【0032】
デジタルタコグラフ10は、車両に搭載され、基本的な機能として、出入庫時刻、走行距離、走行時間、走行速度、速度オーバー、エンジン回転数オーバー、急発進、急加速、急減速等の運行データを記録する。
【0033】
また、本実施形態のデジタルタコグラフ10は、車両の停止中における乗務員等の作業や休憩の異常を監視する機能も搭載している。デジタルタコグラフ10は、CPU11、不揮発メモリ26A、揮発メモリ26B、記録部17、カードI/F18、音声I/F19、時計ICなどにより構成されるRTC21、SW入力部22及び表示部27を有する。
【0034】
CPU11は、デジタルタコグラフ10の各部を統括的に制御する。不揮発メモリ26Aは、CPU11によって実行される動作プログラム等を格納する。
記録部17は、運行データや映像等のデータを記録する。カードI/F18には、乗務員が所持するメモリカード65が挿抜自在に接続される。CPU11は、カードI/F18に接続されたメモリカード65に対し運行データ、映像等のデータを書き込む。音声I/F19には、内蔵のスピーカ20が接続される。スピーカ20は、警報等の音声を発する。
【0035】
RTC21は、現在時刻を計時する計時部として機能する。勿論、CPU11内のタイマなどRTC21以外の手段により計時部を構成してもよい。SW入力部22には、出庫ボタン、入庫ボタン、開始ボタン、終了ボタン等の各種ボタンの操作に連動してオンオフするスイッチの信号が入力される。表示部27は、LCD(liquid crystal display)で構成され、通信や動作の状態の他、警報、各種時間等を表示する。
【0036】
また、デジタルタコグラフ10は、速度I/F12A、エンジン回転I/F12B、外部入力I/F13、センサ入力I/F14、アナログ入力I/F29、GPS受信部15、カメラI/F16、通信部24及び電源部25を有する。
【0037】
速度I/F12Aには、車両の速度を検出する車速センサ51が接続され、車速センサ51からの速度パルスが入力される。車速センサ51は、デジタルタコグラフ10にオプションとして設けられてもよいし、デジタルタコグラフ10とは別の装置として設けられてもよい。エンジン回転I/F12Bには、エンジン回転数センサ(図示せず)からの回転パルスが入力される。外部入力I/F13には、外部機器(図示せず)が接続される。
【0038】
センサ入力I/F14には、加速度(G値)を検知する(衝撃を感知する)加速度センサ(Gセンサ)28が接続され、Gセンサ28からの信号が入力される。Gセンサとしては、加速度による機械的な変位を、振動として読み取る方式や光学的に読み取る方式を有するものが挙げられるが、特に限定されない。また、Gセンサは、車両前方からの衝撃を感知する(減速Gを検知する)他、左右方向からの衝撃を感知しても(横Gを検知しても)よいし、車両後方からの衝撃を感知しても(加速Gを検知しても)よい。Gセンサは、これらの加速度を検知可能なように、1つもしくは複数のセンサで構成される。
【0039】
アナログ入力I/F29には、エンジン温度(冷却水温)を検知する温度センサ(図示せず)、燃料量を検知する燃料量センサ(図示せず)等の信号が入力される。CPU11は、これらのI/Fを介して入力される情報を基に、各種の運転状態を検出する。
【0040】
GPS受信部15は、GPSアンテナ15aに接続され、GPS衛星から送信される信号を受信し、現在位置(GPS位置情報)を取得する。
【0041】
カメラI/F16には、車両に設置され、車両の周辺(例えば前方)を撮像して画像データを取得する車載カメラ23が接続される。車載カメラ23は、例えば魚眼レンズを通して撮像される撮像面に例えば30万画素、100万画素、200万画素が配置されたイメージセンサを有する。イメージセンサは、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサやCCD(電荷結合素子)センサなど公知のセンサで構成されている。車載カメラ23で撮像された映像(画像データ)は、記録部17に時系列に記録されるが、所定時間分だけ記録されるように繰り返し上書きされる。この所定時間は、例えば事故発生時、事故の状況が分かるように、事故発生前後の数秒間(例えば、2秒、4秒、10秒等)に相当する時間である。カメラ23で撮像される画像は、静止画でもよいし動画であってもよい。事故発生前後の映像は、後述するように、事務所PC30の表示部33に表示される。
【0042】
また、車載カメラ23は、車両の前方の他、車両の後方、左側方、右側方を撮像可能なように、複数設けられたものでもよいし、各方向を撮像する複数のイメージセンサが1つの筐体に収容されたものでもよい。従って、車載カメラ23は、車両前方の映像の他、左右方向の映像、後方の映像も同時に撮像可能である。
【0043】
なお、車両の前方、左右方向、後方の撮像に限らず、車載カメラ23は、任意の角度方向(例えば45°方向)の映像を撮像可能であってもよい。また、車載カメラ23は、可視光を撮像する以外に、夜間でも撮像可能なように、赤外線カメラを備えてもよい。
【0044】
通信部24は、広域通信を行い、携帯回線網(モバイル通信網)を介して無線基地局8に接続されると、無線基地局8と繋がるインターネット等のネットワーク70を介して、事務所PC30と通信を行う。電源部25は、イグニッションスイッチのオン等によりデジタルタコグラフ10の各部に電力を供給する。また、イグニッションスイッチのオンオフ状態を表す二値信号をCPU11に出力する。
【0045】
車両の運行中にデジタルタコグラフ10は当日の運行データをメモリカード65に記録する。通常は、車両が入庫した後で、乗務員がメモリカード65をデジタルタコグラフ10から取り外して事務所に持ち帰り、事務所PC30に装着する。これにより、メモリカード65に保持されている当日の運行データが事務所PC30に読み込まれデータ処理される。なお、通信部24の無線通信機能を利用してメモリカード65の運行データを事務所PC30に転送する場合には、メモリカード65をデジタルタコグラフ10から取り外す必要はない。
【0046】
本実施形態では、車両が停止している状態で、乗務員等が荷積み作業、荷下ろし作業などを実施する場合や、休憩する場合の異常の有無を監視する機能が通信制御部11aとしてCPU11に備わっている。この通信制御部11aは、後述するように、車両停止中の異常を検知した場合には、該当するイベントの情報を通信部24を利用して、無線通信によりサーバ81を経由して事務所PC30へ自動的に送信する。また、車両停止中の異常を検知する条件のデータが送信条件テーブルTB1に予め保持されている。
【0047】
この送信条件テーブルTB1は、例えば不揮発メモリ26A上の記憶領域に割り当ててもよいし、メモリカード65上の記憶領域に割り当ててもよい。但し、送信条件を必要に応じてユーザが変更できるように、データの書き換えが可能なフラッシュメモリなどの記憶領域に送信条件テーブルTB1を配置することが望ましい。
【0048】
送信条件テーブルTB1は、イベントの種類、あるいはボタン毎にそれぞれ割り当てた最大時間の長さを表すデータを保持している。この最大時間は、予め予定されている作業所要時間等に比べて十分に大きい値に定められる。したがって、作業等を開始してからその終了が検知されるまでの間の経過時間が前記最大時間を超えた場合には、何らかの異常が発生しているとみなすことができる。
【0049】
一方、事務所PC30は、汎用のオペレーティングシステムで動作するPCにより構成されている。事務所PC30は、運行管理装置として機能(車両停止中の異常監視機能も含む)し、CPU31、通信部32、表示部33、記憶部34、カードI/F35、操作部36、出力部37、音声I/F38及び外部I/F48を有する。
【0050】
CPU31は、事務所PC30の各部を統括的に制御する。通信部32は、ネットワーク70を介してデジタルタコグラフ10と通信可能である。また、通信部32は、ネットワーク70に接続された各種のデータベース(図示せず)とも接続可能であり、必要なデータを取得可能である。
【0051】
表示部33は、運行管理画面の他、車両の停止中に検知した異常、事故映像やハザードマップ等を表示する。記憶部34は、デジタルタコグラフ10から受信した映像を表示したり車両の位置情報を地図上に表示するためのシステム解析ソフトウェア等、各種プログラムを格納する。
【0052】
カードI/F35には、メモリカード65が挿抜自在に装着される。カードI/F35は、デジタルタコグラフ10によって計測され、メモリカード65に記憶された運行データを入力する。操作部36は、キーボードやマウス等を有し、事務所の管理者の操作を受け付ける。出力部37は、各種データを出力する。音声I/F38には、マイク41及びスピーカ42が接続される。事務所の管理者は、マイク41及びスピーカ42を用いて音声通話を行うことも可能であり、車両の事故が発生した場合、救急や警察等への連絡を行う。
【0053】
外部I/F48には、外部記憶装置(ストレージメモリ)54が接続される。外部記憶装置54は、事故地点データベース(DB)55、運行データDB56、ハザードマップDB57を保持する。事故地点データベース(DB)55には、デジタルタコグラフ10から送信される、事故発生時の車両のGPS位置情報(緯度,経度)が登録される。運行データDB56には、運行データとして、出入庫時刻、速度、走行距離等の他、急加減速、急ハンドル、速度オーバー、エンジン回転数オーバー等が記録される。ハザードマップDB57には、過去に事故が発生した地点(事故地点)を表すマークが地図に重畳して記述された地図データが登録される。なお、このハザードマップには、天災等の災害が想定される地域や避難場所等が記述されてもよい。
【0054】
<システムの特徴的な機能の説明>
<操作部の構成例>
図1に示したデジタルタコグラフ10は、車両が停止している状況において乗務員等の作業、休憩等に関する異常を監視し、異常を検知した場合にそれを事務所PC30等へ通知するための特別な機能を有している。この特別な機能に関する乗務員の操作を可能にするための操作部80が、デジタルタコグラフ10の筐体の前面パネルに配置されている。この操作部80の具体例を
図2に示す。
【0055】
図2に示した操作部80は、乗務員が操作可能な位置に配置された3個の開始ボタンBT1A、BT1B、BT1C、終了ボタンBT2、および表示領域27aを備えている。3個の開始ボタンBT1A、BT1B、およびBT1Cは、それぞれ荷積み作業、荷下ろし作業、および休憩の開始を表す情報を入力する機能を有している。終了ボタンBT2は、荷積み作業、荷下ろし作業、および休憩の終了を表す情報を入力する機能を有している。表示領域27aは、最大時間表示27bおよび経過時間表示27cを表示する機能を有している。
【0056】
開始ボタンBT1A、BT1B、BT1C、および終了ボタンBT2は、それぞれの操作に連動してオンオフする図示しないスイッチと接続されている。そして、これらのスイッチの信号がデジタルタコグラフ10のSW入力部22を介してCPU11に入力される。表示領域27aは表示部27に含まれている。
【0057】
<通信動作の概要>
本発明の実施形態における作業管理システム5の通信動作の概要を
図3に示す。
図3の通信動作について以下に説明する。
【0058】
車両75に搭載されているデジタルタコグラフ10は、車両75が停止している状態で乗務員が行う作業等を監視することができる。例えば、操作部80の開始ボタンBT1Aが乗務員により押下されると、デジタルタコグラフ10の通信制御部11aが荷積み作業の監視を開始する。ここで、通信制御部11aが経過時間の計時を開始すると共に、荷積み作業の開始を表すメッセージMS11を無線通信によりサーバ81へ送信する。
【0059】
サーバ81は、デジタルタコグラフ10からメッセージMS11を受け取ると、作業開始情報を含むメッセージMS21を事務所PC30へ送信する。事務所PC30は、サーバ81からメッセージMS21を受け取ると、作業開始情報を画面に表示する。
【0060】
一方、開始した作業等の終了を検知する前に、その経過時間が事前に定めた最大時間を超えた場合には、デジタルタコグラフ10の通信制御部11aが異常を検知し、例えば「作業オーバー(時間の超過)通知」を表すメッセージMS12をサーバ81へ送信する。サーバ81は、メッセージMS12を受け取ると、例えば「作業オーバー情報」を含むメッセージMS22を事務所PC30に送信する。更に、サーバ81は、メッセージMS23として電子メールを事務所PC30および管理者の携帯端末82にそれぞれ送信する。電子メールの宛先を表すメールアドレスの情報については、予めサーバ81のデータベース上に登録しておいてもよいし、デジタルタコグラフ10の送信条件テーブルTB1に登録しておいてもよい。また、電子メールの代わりにショートメッセージなど別の情報伝達方法を用いてもよい。
【0061】
事務所PC30は、メッセージMS22を受け取ると、例えば「作業オーバー情報」や、作業開始遅れを表す情報を画面上に表示して管理者に知らせる。また、事務所PC30は「作業オーバー情報」を含む電子メールを受信してその内容を画面に表示することもできる。また、所定の管理者は自分の携帯端末82により「作業オーバー情報」を含む電子メールを受信してその内容を確認することもできる。
【0062】
例えば、荷積み作業中に車両からの転落などの事故が発生して乗務員や作業員が動けなくなったような場合には、デジタルタコグラフ10が作業終了を認識する前に、経過時間が最大時間を超過したこと、すなわち異常に長いことを検知してメッセージMS12を送信する。したがって、管理者は事務所PC30の画面表示、あるいは管理者の携帯端末82の表示により荷積み作業中の異変に気づくことになる。
【0063】
<具体的なシステムの動作>
本発明の実施形態における作業管理システム5の具体的な動作例を
図4に示す。
図4に示した動作について以下に説明する。
【0064】
デジタルタコグラフ(デジタコ)10の通信制御部11aは、開始ボタンBT1A、BT1B、BT1Cのいずれかのユーザ押下による信号をS11で検知して、荷積み作業等の開始を認識する。
【0065】
そして、通信制御部11aは押下された開始ボタンBT1A〜BT1Cに割り当てられた作業開始イベント情報をS12でメッセージMS11として送信する。また、ここで通信制御部11aは経過時間の計数を開始する。
【0066】
また、通信制御部11aは現在の経過時間を送信条件テーブルTB1に保持されている最大時間と比較して、作業オーバー、すなわち異常の有無をS13で識別する。異常ありの場合はS14に進み、異常なしであればS15に進む。
【0067】
また、通信制御部11aは作業終了の有無をS15で識別する。すなわち、終了ボタンBT2のユーザ押下による信号を検知した場合に作業終了とみなしてS16に進む。また、終了ボタンBT2の操作がない場合でも、例えば車速信号の監視により、車両の移動開始を検知した場合には自動的に作業終了と認識する。
【0068】
通信制御部11aは、S13で異常ありを検知した場合は、S14で作業オーバーのイベント情報をメッセージMS12としてサーバ81へ送信する。また、通信制御部11aはS15で作業終了を認識した場合は、経過時間の計数をリセットし、S16で作業終了のイベント情報をメッセージMS13としてサーバ81へ送信する。
【0069】
一方、サーバ81はデジタルタコグラフ10から送信されるメッセージMS11を受信すると、このメッセージをS21で処理して作業開始イベントを認識し、事務所PC30宛てにメッセージMS21を送信する。事務所PC30は、サーバ81から送信されるメッセージMS21を受信すると、このメッセージをS31で処理して作業開始を表す情報を画面に表示する。
【0070】
サーバ81はデジタルタコグラフ10から送信されるメッセージMS12を受信すると、このメッセージをS22で処理して作業オーバーのイベントを認識し、事務所PC30宛てにメッセージMS22を送信する。更に、サーバ81は電子メールをメッセージMS23として事務所PC30および管理者の携帯端末82宛てにそれぞれ送信する。事務所PC30は、サーバ81から送信されるメッセージMS22を受信すると、このメッセージをS32で処理して作業オーバー、すなわち作業の異常を表す情報を画面に表示する。
【0071】
サーバ81はデジタルタコグラフ10から送信されるメッセージMS13を受信すると、このメッセージをS23で処理して作業終了のイベントを認識し、事務所PC30宛てにメッセージMS24を送信する。事務所PC30は、サーバ81から送信されるメッセージMS24を受信すると、このメッセージをS33で処理して作業終了を表す情報を画面に表示する。
【0072】
<作業管理システム5の利点>
図1に示した作業管理システム5においては、車両が停止している状態における荷積み作業、荷下ろし作業、休憩などの際に、開始から終了までの経過時間の異常をデジタルタコグラフ10が監視することができる。また、開始、終了、異常発生などのイベントを表すメッセージをデジタルタコグラフ10が車両外部の装置宛てに送信するので、事務所PC30等を操作する管理者等は作業などの状況をほぼリアルタイムで把握できる。特に、作業中に事故や災害等の想定外の事象が発生したような場合に、乗務員が状況を連絡できない状況であったとしても、メッセージが自動的に送信されるので、その異常を管理者側で把握できる。
【0073】
また、作業等の終了時に乗務員が終了ボタンBT2の操作を忘れた場合であっても、通信制御部11aは車両の移動開始を検知すると作業の終了として自動認識する(S15)ので、単なる操作ミスにより誤った「作業オーバー」のメッセージが管理者側に届くのを避けることができる。
【0074】
また、
図2に示すように、デジタルタコグラフ10側で最大時間表示27bや経過時間表示27cを表示したり、「作業オーバー」に関連するメッセージを表示することにより、乗務員は作業監視機能の動作状況を把握できる。したがって、単なる乗務員の操作ミスにより誤った「作業オーバー」のメッセージが管理者側に届くのを避けることができる。
【0075】
また、メッセージMS23としてサーバ81から送信される電子メールの宛先は管理者側の事務所PC30や管理者の携帯端末82であるので、乗務員が電子メールを操作する必要はない。これにより乗務員の操作を減らし、車両運行上の安全性を確保できる。
【0076】
なお、
図1および
図3に示した作業管理システム5においてはサーバ81を利用する場合を想定しているが、サーバ81を省略し、デジタルタコグラフ10が事務所PC30および管理者の携帯端末82に対して直接メッセージを送信するように構成してもよい。
【0077】
また、例えば
図2に示した終了ボタンBT2を省略し、開始ボタンBT1A、BT1B、BT1Cに終了ボタンBT2と同等の機能を割り当ててもよい。例えば、開始ボタンBT1A、BT1B、BT1Cのそれぞれの機能が「開始」および「終了」に操作毎に交互に切り替わるように変更すれば、特別な終了ボタンBT2は不要になる。
【0078】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車載器および作業管理システムの特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に搭載した状態で使用される車載器であって、
前記車両の停止中に、前記車両の乗務員もしくは作業員の行動に関する1つ以上のイベントの開始操作を検知するイベント開始検知部(S11)と、
前記イベントの開始操作を検知した後の経過時間を計時する計時部(S12、S13)と、
前記イベントの終了を検知するイベント終了検知部(S15)と、
前記経過時間が事前に定めた異常を表す閾値を超えた場合に、当該異常の発生を表す情報を前記車両の外部(サーバ81、事務所PC30)に対して報知する報知部(S16)と、
を備えることを特徴とする車載器(デジタルタコグラフ10)。
【0079】
[2] 1つ以上のイベントの開始を表す情報をユーザが入力するための第1操作部(開始ボタンBT1A、BT1B、BT1C)と、
1つ以上のイベントの終了を表す情報をユーザが入力するための第2操作部(終了ボタンBT2)と、
を有し、前記イベント開始検知部は前記第1操作部の入力を検知し、前記イベント終了検知部は前記第2操作部の入力を検知する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車載器。
【0080】
[3] 前記第1操作部および前記第2操作部の各々は、少なくとも前記車両に対する荷積作業のイベント開始および終了に対応付けた操作ボタン(開始ボタンBT1A、終了ボタンBT2)を有する、
ことを特徴とする上記[2]に記載の車載器。
【0081】
[4] 前記イベント終了検知部は、前記車両の走行開始を検知した場合には、前記イベントの終了を表す入力操作がない場合でも、前記イベントの終了と認識し、前記計時部の計時をリセットする(S15、S16)、
ことを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の車載器。
【0082】
[5] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の車載器(デジタルタコグラフ10)と、前記車載器が無線信号を用いて外部に報知する情報を受信する少なくとも1つの外部装置(サーバ81、事務所PC30)とを含み、
前記外部装置は、前記車載器から受信した情報を、事前に定めた管理者端末(管理者の携帯端末82)宛てに送信する(S22)、
ことを特徴とする作業管理システム。