(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態に係る医用画像診断システムを説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断システム100の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像診断システム100は、架台10と、搬送部20と、レール30と、寝台80と、コンソール90とを有する。
【0010】
ここで、架台10と、寝台80と、コンソール90とを併せて医用画像診断装置1と呼ぶ場合がある。なお、以下では、医用画像診断装置が、X線CT(Computed Tomography)装置である場合を説明する。また、
図1に示すように、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を定義する。すなわち、X軸は水平方向を示し、Y軸は鉛直方向を示し、Z軸は架台10の進行方向を示す。なお、
図1中において、進行方向を破線AAにて示す。直交座標系において、矢印で示す方向を正方向とする。
【0011】
架台10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線の検出データから投影データを収集する。寝台80は、被検体Pを載せる。コンソール90は、操作者によるX線CT装置の操作を受け付けるとともに、架台10によって収集された投影データからCT画像データを再構成する。
【0012】
レール30は、架台10の走行路である。
図1に示すように、レール30は、床40に設けられる。レール30は、搬送部20が走行可能な材質で構成されればよく、例えば架台10の重みに耐えられることが望ましい。一例をあげると、レール30にはラックが形成される。
【0013】
搬送部20は、架台10を搬送する。例えば、搬送部20は、駆動機構としてピニオンを有する。すなわち、搬送部20のピニオンがレール30に形成されたラック上を回転することで、搬送部20は、レール30上を移動する。そして、このような医用画像診断システムでは、架台10が搬送部20によってレール30上を走行し、寝台80に載置された被検体Pの撮影位置まで移動する。
【0014】
このような、医用画像診断システム100では、例えば、架台10は、搬送部20を介してレール30上を走行し、寝台80に載置された被検体Pを撮影可能な位置まで移動する。そして、X線CT装置は、寝台80に載置された被検体Pを撮影する。続いて、架台10は、医師が手術を行うスペースを確保できるように搬送部20を介してレール30上を走行し寝台80から離れた位置まで移動する。続いて、医師などの利用者は、例えば、X線CT装置が撮影した医用画像を用いて手術部位を特定し、特定した部位を手術する。また、特定した部位が医師によって手術された後、手術された部位の撮影を行う場合がある。かかる場合、架台10は、搬送部20を介してレール30上を走行し、寝台80に載置された被検体Pを撮影可能な位置まで再び移動する。
【0015】
ここで、架台が自走するタイプのX線CT装置では、架台を自走させるための電力を供給する必要がある。まず、
図2及び
図3を用いて、搬送部及び架台への給電方法について説明する。
図2及び
図3は、従来技術に係る医用画像診断システムを示す側面図である。例えば、
図2及び
図3では、架台10を進行方向に対して側面から見た場合を示す。すなわち、
図2及び
図3は、
図1の破線AAで示した断面に対応する図である。また、
図2及び
図3では、架台10と、搬送部20と、レール30とを図示している。
【0016】
図2及び
図3に示すように、レール30は、床40に設けられる。このレール30は、配線格納スペース31を有する。搬送部20は、図示しない外部電源と接続された配線ケーブル70から電力の供給を受ける。また、配線ケーブル70は、ケーブルガイド部材71によって保護されている。そして、
図2及び
図3に示すように、配線ケーブル70は、架台10の走行に応じて屈曲する。すなわち、架台10が自走する度に配線ケーブル70には動きが生じる。
【0017】
このような動きによって、配線ケーブル70の被覆が劣化したり、導体が断線したりする。このようなことから、配線格納スペース31には配線ケーブル70の屈曲耐久性を考慮した深さが必要となる。この一方で、自走する架台10を設置するためには、床下を掘る工事が必要となる。多くの病院で施工を可能にするために、できるだけ床掘りを浅くしたいという要望があった。しかし、ケーブル70の屈曲耐久性がネックとなり、床掘りを浅くできない。
【0018】
そこで、配線ケーブル70の被覆の劣化や導線が断線するリスクを軽減して床掘りを浅くするためには、例えば、スリップバーとブラシとを用いた給電方法が考えられる。
図4及び
図5は、従来技術に係る給電方法を説明するための図である。
図4及び
図5では、架台10の正面方向から見た、スリップバー150と、ブラシ160との断面図を示す。また、
図4ではスリップバー150とブラシ160とが非接触状態である場合を示し、
図5ではスリップバー150とブラシ160とが接触状態である場合を示す。
【0019】
図4及び
図5に示すように、スリップバー150は、スリップバー絶縁材151と、スリップバー導体152とを有する。また、ブラシ160は、ブラシ絶縁体161と、ブラシ導体162とを有する。なお、スリップバー150は、外部電源と接続され、レール30の少なくとも一部に設けられ、ブラシ160は、搬送部20の少なくとも一部に設けられる。そして、
図5に示すように、スリップバー導体152とブラシ導体162とが接触することにより、スリップバー150とブラシ導体162とが通電し、外部電源からの電力を搬送部20及び架台10へと供給する。このように、スリップバー150とブラシ160とを用いた給電方法は、接触型の電力伝送方式である。
【0020】
しかしながら、
図4及び
図5に示すスリップバー150とブラシ160とを用いた接触型の電力伝送方式では、スリップバー150に埃や水滴が溜まり、絶縁不良を起こす懸念がある。また、スリップバー150とブラシ160との位置がずれてしまうと、架台10が重量物であるがゆえに、絶縁材を容易に破壊し、絶縁が保てなくなるリスクがある。更に、スリップバー150とブラシ160との位置がずれるとスリップバー150とブラシ160との接触面積が減るため、電圧降下が発生し、期待した電力量を送電できなくなる。そして、スリップバー150がむき出しの状態なので、サービスマンが誤って手を乗せると感電事故の恐れがある。したがって、
図4及び
図5に示す形状のままでは、電気安全の面で製品化は難しい。
【0021】
このようなことから、第1の実施形態に係る医用画像診断システム100では、例えば、スリップバーには山型の形状を設け、ブラシにはスリップバーの山型の形状に噛み合う傾斜を設ける。
図6及び
図7は、第1の実施形態に係る医用画像診断システム100を示す側面図である。
図6及び
図7では、架台10を進行方向に対して側面から見た場合を示す。すなわち、
図6及び
図7は、
図1の破線AAで示した断面に対応する図である。また、
図6及び
図7では、架台10と、搬送部20と、レール30と、スリップバー50と、ブラシ60とを図示している。
【0022】
図6及び
図7に示すように、スリップバー50は、配線ケーブル70を介して外部電源と接続され、レール30の少なくとも一部に設けられる。また、スリップバー50は、レール30内において、架台10の走行方向に対して延伸する。ブラシ60は、搬送部20の少なくとも一部に設けられる。そして、ブラシ60は、スリップバー50上の任意の位置においてスリップバー50と嵌合する。これにより、ブラシ60は、スリップバー50と通電する。すなわち、スリップバー50が、ブラシ60の任意の位置で嵌合することにより、外部電源からの電力がブラシ60に供給され、ブラシ60は、外部電源からの電力を搬送部20及び架台10へと供給する。
【0023】
そして、搬送部20は、供給された電力を用いて駆動機構を駆動させて動力を発生させて、架台10をレール30上で走行させる。なお、スリップバー50は、第1の通電部の一例であり、ブラシ60は、第2の通電部の一例である。なお、
図6及び
図7では、スリップバー50とブラシ60とが嵌合している断面を破線BBで示す。
【0024】
図8及び
図9は、第1の実施形態に係る給電方法を説明するための図である。
図8及び
図9では、スリップバー50と、ブラシ60とを示す。また、
図8ではスリップバー50とブラシ60とが非接触状態である場合を示し、
図9ではスリップバー50とブラシ60とが接触状態である場合を示す。
図8及び
図9は、
図6及び
図7の破線BBで示した断面に対応する図である。なお、
図8では、説明の便宜上、スリップバー50とブラシ60とが非接触状態である場合を示すが、医用画像診断システム100においてスリップバー50とブラシ60とは常に接触状態である。
【0025】
図8及び
図9に示すように、スリップバー50は、スリップバー絶縁材51と、スリップバー導体52とを有する。また、ブラシ60は、ブラシ絶縁体61と、ブラシ導体62とを有する。また、スリップバー50には、架台10の走行方向に対して直交する方向のうち水平方向において、スリップバー50のスリップバー導体52が間隔を空けて複数配置される。
【0026】
ここで、スリップバー50は、
図8及び
図9に示すように、スリップバー導体52は、山型形状53を有している。
図8では、各スリップバー導体52が有する山型形状53の頂点56を図示している。また、各スリップバー導体52において、架台10の走行方向に対して直交する方向のうち水平方向の端部57と端部58とを図示している。
図8に示すように、スリップバー導体52において、2つの端部(端部57及び端部58)を結ぶ直線(
図8中の破線)と、2つの端部のそれぞれとスリップバー導体52の頂点56とを結ぶ形状の接線とのなす角度が共に90度以下である。
【0027】
このようにスリップバー50のスリップバー導体52が山型形状53を有することにより、埃や水滴が自重で落下する。この結果、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりすることを防止できる。
【0028】
また、ブラシ60のブラシ導体62は、山型形状53と噛み合う傾斜63を有している。すなわち、ブラシ60は、スリップバー50の山型形状53と嵌合する形状を有するブラシ導体62を有する。スリップバー導体52の山型形状53とブラシ導体62の傾斜63とが噛み合うことにより、スリップバー導体52とブラシ導体62との接触面積が増加し、位置がずれを防止できる。
【0029】
また、スリップバー50には、
図8及び
図9に示すように、スリップバー導体52の外側に溝54が設けられる。ここで、スリップバー50には、水平方向においてスリップバー導体52の2つの端部のうち少なくとも一方の端部の外側に溝54が設けられればよい。この溝54は、スリップバー導体52の頂点56よりも鉛直方向に低い位置に設けられる。これにより、スリップバー導体52に埃や水滴が付着した場合、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりせずに、埃や水滴が溝54に落ちる。
【0030】
また、スリップバー50には、
図8及び
図9に示すように、水平方向において導体の2つの端部のうち少なくとも一方の端部の外側に隔壁55が設けられる。より具体的には、
図8及び
図9に示すように、スリップバー50には、水平方向において溝54の外側に隔壁55が設けられる。この隔壁55は、絶縁材から構成される。また、この隔壁55は、スリップバー導体52の頂点56よりも鉛直方向の高い位置に延伸する。そして、ブラシ60には、この隔壁55の一部を格納する領域が形成される。
【0031】
図10は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、医用画像診断装置1は、架台10と、寝台80と、コンソール90とを有する。
【0032】
架台10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線に関するデータを収集する装置であり、X線高電圧装置11と、X線発生装置12と、X線検出器13と、データ収集回路14と、回転フレーム15と、架台制御装置16とを有する。また、架台10において、
図10に示すように、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を定義する。すなわち、X軸は水平方向を示し、Y軸は鉛直方向を示し、Z軸は架台10が非チルト時の状態における回転フレーム15の回転中心軸方向を示す。
【0033】
回転フレーム15は、X線発生装置12とX線検出器13とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、架台制御装置16によって被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
【0034】
X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置である。X線発生装置12は、X線管12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cとを有する。
【0035】
X線管12aは、X線高電圧装置11から高電圧の供給を受けて、陰極(フィラメントと呼ぶ場合もある)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射する真空管であり、回転フレーム15の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。すなわち、X線管12aは、X線高電圧装置11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。
【0036】
また、X線管12aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。例えば、X線管12aは、X線高電圧装置11の制御により、フル再構成用に被検体Pの全周囲でX線を連続曝射したり、ハーフ再構成用にハーフ再構成可能な曝射範囲(180度+ファン角)でX線を連続曝射したりすることが可能である。また、X線管12aは、X線高電圧装置11の制御により、予め設定された位置(管球位置)でX線(パルスX線)を間欠曝射したりすることが可能である。また、X線高電圧装置11は、X線管12aから曝射されるX線の強度を変調させることも可能である。例えば、X線高電圧装置11は、特定の管球位置では、X線管12aから曝射されるX線の強度を強くし、特定の管球位置以外の範囲では、X線管12aから曝射されるX線の強度を弱くする。
【0037】
ウェッジ12bは、X線管12aから曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ12bは、X線管12aから被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管12aから曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ12bは、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジは、ウェッジフィルタ(Wedge Filter)や、ボウタイフィルタ(Bow-tie Filter)とも呼ばれる。
【0038】
コリメータ12cは、鉛板等によって構成され、一部にスリットを有する。例えば、コリメータ12cは、X線高電圧装置11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲をスリットにより絞り込む。
【0039】
なお、X線発生装置12のX線源は、X線管12aに限定されるものではない。例えば、X線発生装置12は、X線管12aに代えて、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームと衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとによって構成されてもよい。
【0040】
X線高電圧装置11は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路から構成され、X線管12aに印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管12aが照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置から構成される。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。例えば、X線高電圧装置11は、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線高電圧装置11は、コンソール90の処理回路97から制御を受ける。
【0041】
架台制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される処理回路とモータ及びアクチュエータ等の駆動機構から構成される。架台制御装置16は、コンソール90に取り付けられた入力インターフェース91もしくは架台10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台10の動作制御を行う機能を有する。例えば、架台制御装置16は、入力信号を受けて回転フレーム15を回転させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線管12aとX線検出器13とを旋回させる制御や、架台10をチルトさせる制御、及び寝台80及び天板82を動作させる制御を行う。架台制御装置16は、コンソール90の処理回路97から制御を受ける。
【0042】
また、架台制御装置16は、X線管12aの位置を監視しており、X線管12aが所定の回転角度(撮影角度)に到達するとデータ収集回路14に対してデータの取り込みを開始するタイミングを示すビュートリガ信号を出力する。例えば、回転撮影における全ビュー数が2460ビューである場合、架台制御装置16は、X線管12aが円軌道上を約0.15度(=360/2460)移動する毎にビュートリガ信号を出力する。
【0043】
X線検出器13は、例えば、X線管12aの焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子(「センサ」或いは単に「検出素子」とも言う)が配列された複数のX線検出素子列から構成される。X線検出器13は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向に複数配列された構造を有する。X線検出器13の各X線検出素子は、X線発生装置12から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号(パルス)をデータ収集装置14へと出力する。この電気信号(パルス)の波高値は、X線光子のエネルギー値と相関性を有する。なお、各X線検出素子が出力する電気信号のことを検出信号とも言う。
【0044】
また、X線検出器13は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとから構成される間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータから構成され、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶にて構成される。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板で構成される。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管等の光センサから構成される。ここで、光センサは、例えばSiPM(Silicon photomultiplier)である。なお、X線検出器13は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子から構成される直接変換型の検出器であっても構わない。
【0045】
データ収集回路14(DAS:Data Acquisition System)は、X線検出器13の各検出素子から計数処理の結果を収集して、検出データを生成する回路である。言い換えると、データ収集回路14は、X線検出器13による計数結果を収集する。ここで、検出データは、例えば、サイノグラムである。サイノグラムとは、X線管12aの各位置において各検出素子130に入射した計数処理の結果を並べたデータである。データ収集回路14は、ビュートリガ信号に同期して、X線検出器13から各ビュー角度における計数処理の結果を収集して、サイノグラムを生成する。データ収集回路14は、計数処理の結果を、一定間隔(ビュー)毎に出力もしくは記憶回路95に保存する処理と、計数処理の結果をリセットする処理とを繰り返すことにより、ビュー1周分のデータを取得する。
【0046】
また、データ収集回路14は、X線検出器13に対して各種制御信号を送信する。データ収集回路14は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を有する。また、データ収集回路14は、例えば、リジッドフレキシブル基板によってX線検出器13と接続される。リジッドフレキシブル基板は、部品を搭載する硬さと強度を持ったリジッド配線板部分と、折り曲げ可能なフレキシブル配線板とを一体化した基板である。FPGAは、例えば、架台制御装置16からビュートリガ信号を受信し、受信したビュートリガ信号に基づいて、X線検出器13を制御する。
【0047】
なお、データ収集回路14から出力されたデータを検出データと称し、検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、チャネル間のゲイン補正処理、パイルアップ補正処理、応答関数補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生データと称する。また、検出データ及び生データを総称して投影データと称する。
【0048】
寝台80は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、寝台駆動装置81と、天板82と、基台83と、ベース(支持フレーム)84とを備えている。
【0049】
天板82は、被検体Pが載置される板である。ベース84は、天板82を支持する。基台83は、ベース84を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置81は、被検体Pが載置された天板82を天板82の長軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム15内に移動するモータあるいはアクチュエータである。なお、寝台駆動装置81は、天板82をX軸方向にも移動可能である。
【0050】
なお、天板移動方法は、天板82だけを移動させてもよいし、寝台80のベース84ごと移動する方式であってもよい。また、立位CTである場合には、天板82に相当する患者移動機構を移動させる方式であってもよい。
【0051】
なお、架台10は、例えば、天板82を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台10は、天板82を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。なお、以下の実施形態では、架台10と天板82との相対位置の変化が天板82を制御することによって実現されるものとして説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、架台10が自走式である場合、架台10の走行を制御することによって架台10と天板82との相対位置の変化が実現されてもよい。また、架台10の走行と天板82とを制御することによって架台10と天板82との相対位置の変化が実現されてもよい。
【0052】
コンソール90は、操作者によるX線CT装置の操作を受け付けるとともに、架台10によって収集された計数結果を用いてX線CT画像データを再構成する装置である。コンソール90は、
図10に示すように、入力インターフェース91と、ディスプレイ92と、記憶回路95と、処理回路97とを有する。
【0053】
入力インターフェース91は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路97に出力する。例えば、入力インターフェース91は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース91は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。
【0054】
ディスプレイ92は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ92は、処理回路97によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ92は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。
【0055】
記憶回路95は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。記憶回路95は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。
【0056】
処理回路97は、例えば、システム制御機能971、前処理機能972、再構成処理機能973、画像処理機能974、スキャン制御機能975、及び表示制御機能976を実行する。ここで、例えば、
図10に示す処理回路97の構成要素であるシステム制御機能971、前処理機能972、再構成処理機能973、画像処理機能974、スキャン制御機能975、及び表示制御機能976が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路95内に記録されている。処理回路97は、例えば、プロセッサであり、記憶回路95から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路97は、
図10の処理回路97内に示された各機能を有することとなる。
【0057】
システム制御機能971は、入力インターフェース91を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路97の各種機能を制御する。
【0058】
前処理機能972は、データ収集回路14から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、チャネル間のゲイン補正処理、パイルアップ補正処理、応答関数補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施して生データを生成する。
【0059】
再構成処理機能973は、前処理機能972にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってX線CT画像データを生成する。再構成処理機能973は、再構成したX線CT画像データを記憶回路95に格納する。なお、全てのビンの情報を画素毎に加算して全エネルギー情報を含むデータから再構成したX線CT画像データのことを「ベース画像」とも言う。
【0060】
ここで、フォトンカウンティングCTで得られる計数結果から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、再構成処理機能973は、例えば、特定のエネルギー成分のX線CT画像データを再構成することができる。また、再構成処理機能973は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのX線CT画像データを再構成することができる。
【0061】
また、再構成処理機能973は、例えば、各エネルギー成分のX線CT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データを生成する。また、再構成処理機能973は、例えば、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。再構成処理機能973が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
【0062】
また、X線CTの応用として、物質ごとにX線の吸収特性が異なることを利用して、被検体Pに含まれる物質の種別、存在量、密度等を弁別する技術がある。これを、物質弁別と言う。例えば、再構成処理機能973は、投影データに対して物質弁別を行い、物質弁別情報を得る。そして、再構成処理機能973は、物質弁別の結果である物質弁別情報を用いて物質弁別画像を再構成する。
【0063】
再構成処理機能973は、CT画像を再構成するには、フルスキャン再構成方式及びハーフスキャン再構成方式を適用可能である。例えば、再構成処理機能973は、フルスキャン再構成方式では、被検体Pの周囲一周、360度分の投影データを必要とする。また、再構成処理機能973は、ハーフスキャン再構成方式では、180度+ファン角度分の投影データを必要とする。以下では、説明を簡単にするため、再構成処理機能973は、被検体Pの周囲一周、360度分の投影データを用いて再構成するフルスキャン再構成方式を用いるものとする。
【0064】
画像処理機能974は、入力インターフェース91を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能973によって生成されたX線CT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像やレンダリング処理による3次元画像等の画像データに変換する。画像処理機能974は、変換した画像データを記憶回路95に格納する。
【0065】
スキャン制御機能975は、架台10で行なわれるCTスキャンを制御する。例えば、スキャン制御機能975は、X線高電圧装置11、X線検出器13、架台制御装置16、データ収集回路14及び寝台駆動装置81の動作を制御することで、架台10におけるスキャンの開始、スキャンの実行、及びスキャンの終了を制御する。具体的には、スキャン制御機能975は、位置決め画像(スキャノ画像、スキャノグラム)を収集する撮影及び診断に用いる画像を収集する本撮影(スキャン)における投影データの収集処理をそれぞれ制御する。
【0066】
ここで、スキャン制御機能975は、2次元のスキャノ画像及び3次元のスキャノ画像を撮影することができる。例えば、スキャン制御機能975は、X線管12aを0度の位置(被検体Pに対して正面方向の位置)に固定して、天板82を定速移動させながら連続的に撮影を行うことで2次元のスキャノ画像を撮影する。或いは、スキャン制御機能975は、X線管12aを0度の位置に固定して、天板82を断続的に移動させながら、天板82の移動に同期して断続的に撮影を繰り返すことで2次元のスキャノ画像を撮影する。また、スキャン制御機能975は、被検体Pに対して正面方向だけでなく、任意の方向(例えば、側面方向など)から位置決め画像を撮影することができる。例えば、X線管12aが90度の位置(被検体Pに対して側面方向の位置)で撮影した場合、被検体Pの側面からの撮影がなされ、2次元のスキャノ画像が得られる。なお、X線管12aの位置は、必要であれば、任意の複数の位置から撮影可能である。
【0067】
また、スキャン制御機能975は、スキャノ画像の撮影において、被検体Pに対する全周分の投影データを収集することで、3次元のスキャノ画像を撮影する。例えば、スキャン制御機能975は、ヘリカルスキャン或いはノンヘリカルスキャンによって被検体Pに対する全周分の投影データを収集する。ここで、スキャン制御機能975は、被検体Pの胸部全体、腹部全体、上半身全体、全身などの広範囲に対して本撮影よりも低線量でヘリカルスキャン或いはノンヘリカルスキャンを実行する。ノンヘリカルスキャンとしては、例えば、ステップアンドシュート方式のスキャンが実行される。
【0068】
表示制御機能976は、記憶回路95が記憶する各種画像データを、ディスプレイ92に表示するように制御する。
【0069】
上述したように、第1の実施形態によれば、スリップバー50のスリップバー導体52が山型形状53を有することにより、埃や水滴が自重で落下する。この結果、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりすることを防止できる。
【0070】
また、上述した第1の実施形態によれば、スリップバー導体52の山型形状53とブラシ導体62の傾斜63とが噛み合うことにより、スリップバー50とブラシ60との接触面積が増加し、位置がずれを防止できる。この結果、スリップバー50とブラシ60との位置ずれによって、スリップバー絶縁材51及びブラシ絶縁体61を破壊するリスクを著しく低減することができる。更に、スリップバー導体52とブラシ導体62との接触面積が増加することにより、電圧降下を低く抑えることができる。
【0071】
また、上述した実施形態によれば、スリップバー導体52に埃や水滴が付着した場合、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりせずに、埃や水滴が溝54に落ちる。この結果、溝54を清掃するだけで、埃や水滴を除去することができる。すなわち、第1の実施形態によれば、清掃を容易化することができる。
【0072】
また、上述した実施形態によれば、隔壁55を設けることで、作業者は手足をスリップバー50に容易に挿入することができなくなる。すなわち、作業者の不注意等による意図しないスリップバー50への手足の挿入を防止できる。この結果、作業者の感電リスクを大きく低減することが可能になる。
【0073】
(その他の実施形態)
実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
【0074】
上述した第1の実施形態では、スリップバー50のスリップバー導体52には山型の形状を設け、ブラシ60のブラシ導体62にはスリップバー導体52の山型の形状に噛み合う形状を設ける場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スリップバー50のスリップバー導体52には半円型の形状を設け、ブラシ60のブラシ導体62にはスリップバー導体52の半円型の形状に噛み合う形状を設けてもよい。
図11及び
図12は、その他の実施形態に係る通電部を示す断面図である。
【0075】
図11及び
図12では、スリップバー50と、ブラシ60とを示す。また、
図11ではスリップバー50とブラシ60とが非接触状態である場合を示し、
図12ではスリップバー50とブラシ60とが接触状態である場合を示す。
図11及び
図12は、
図6及び
図7の破線BBで示した断面に対応する図である。なお、
図11では、説明の便宜上、スリップバー50とブラシ60とが非接触状態である場合を示すが、医用画像診断システム100においてスリップバー50とブラシ60とは常に接触状態である。
【0076】
図11及び
図12に示すように、スリップバー50は、スリップバー絶縁材51と、スリップバー導体52とを有する。また、ブラシ60は、ブラシ絶縁体61と、ブラシ導体62とを有する。なお、スリップバー50は、第1の通電部の一例であり、ブラシ60は、第2の通電部の一例である。
【0077】
ここで、スリップバー50は、
図11及び
図12に示すように、スリップバー導体52は、半円型形状53aを有している。
図11では、各スリップバー導体52が有する半円型形状53aの頂点56を図示している。また、各スリップバー導体52において、架台10の走行方向に対して直交する方向のうち水平方向の端部57と端部58とを図示している。
図11に示すように、スリップバー導体52において、2つの端部(端部57及び端部58)を結ぶ直線(
図11中の破線)と、2つの端部のそれぞれとスリップバー導体52の頂点56とを結ぶ形状の接線とのなす角度が共に90度以下である。
【0078】
このようにスリップバー50が半円型形状53aを有することにより、埃や水滴が自重で落下する。この結果、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりすることを防止できる。
【0079】
また、ブラシ60のブラシ導体62は、半円型形状53aと噛み合う形状63aを有している。すなわち、ブラシ60は、スリップバー50の半円型形状53aと嵌合する形状63aを有するブラシ導体62を有する。スリップバー50の半円型形状53aとブラシ60の形状63aとが噛み合うことにより、スリップバー50とブラシ60との接触面積が増加し、位置がずれを防止できる。この結果、スリップバー50とブラシ60との位置ずれよって、スリップバー絶縁材51及びブラシ絶縁体61を破壊するリスクを著しく低減することができる。更に、スリップバー50とブラシ60との接触面積が増加することにより、電圧降下を低く抑えることができる。
【0080】
また、スリップバー50には、
図11及び
図12に示すように、スリップバー導体52の外側に溝54が設けられる。ここで、スリップバー50には、水平方向においてスリップバー導体52の2つの端部のうち少なくとも一方の端部の外側に溝54が設けられればよい。この溝54は、スリップバー導体52の頂点56よりも鉛直方向に低い位置に設けられる。これにより、スリップバー導体52に埃や水滴が付着した場合、スリップバー導体52に埃や水滴が積もったり溜まったりせずに、埃や水滴が溝54に落ちる。この結果、溝54を清掃するだけで、埃や水滴を除去することができるので、清掃を容易化することができる。
【0081】
また、スリップバー50には、
図11及び
図12に示すように、水平方向において導体の2つの端部のうち少なくとも一方の端部の外側に隔壁55が設けられる。より具体的には、
図11及び
図12に示すように、スリップバー50には、水平方向において溝54の外側に隔壁55が設けられる。この隔壁55は、絶縁材から構成される。また、この隔壁55は、スリップバー導体52の頂点56よりも鉛直方向の高い位置に延伸する。そして、ブラシ60には、この隔壁55の一部を格納する領域が形成される。
【0082】
このように、スリップバー50のスリップバー導体52には山型の形状を設け、ブラシ60のブラシ導体62にはスリップバー導体52の山型の形状に噛み合う形状を設けてもよいし、スリップバー50のスリップバー導体52には半円型の形状を設け、ブラシ60のブラシ導体62にはスリップバー導体52の半円型の形状に噛み合う形状を設けてもよい。また、スリップバー50のスリップバー導体52にはテーパー型の形状を設け、ブラシ60のブラシ導体62にはスリップバー導体52のテーパー型の形状に噛み合う形状を設けてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、スリップバー50のスリップバー導体52において、2つの端部のそれぞれとスリップバー導体52の頂点とを結ぶ形状とのなす角度が共に90度以下である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スリップバー導体52には三角形の形状を設け、ブラシ導体62にはスリップバー導体52の三角形の形状に噛み合う形状を設けてもよい。すなわち、スリップバー50のスリップバー導体52において、2つ端部を結ぶ直線と、2つの端部のそれぞれとスリップバー導体52の頂点とを結ぶ形状の接線とのなす角度のうち少なくとも一方が90度以下であればよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、ブラシ60は、スリップバー50と通電し、外部電源からの電力を搬送部20及び架台10へと供給するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。ブラシ60は、スリップバー50と通電し、外部電源からの電力を搬送部20にのみ供給するようにしてもよい。かかる場合、架台10には、スリップバー50及びブラシ60とは独立した給電方式で電力が供給される。
【0085】
上述した実施形態においては、医用画像診断装置がX線CT装置である場合を想定して説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、架台を有する医用画像診断装置であれば、同様に適用することができる。例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、PET装置とMRI装置とが一体化されたPET−MRI装置等にも、同様に適用することができる。
【0086】
また、上述した実施形態においては、架台10と搬送部20とが独立して設けられる場合について説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、架台10に搬送部20が内蔵されてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態においては、レールの数が2つである例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、レールの数は、1つでも、あるいは3つ以上でもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、スリップバー50には、溝54及び隔壁55が設けられる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スリップバー50には、溝54及び壁55のいずれか一方のみが設けられてもよい。また、スリップバー50には、溝54及び壁55が設けられなくてもよい。また、スリップバー50の一方の端部がアースに接続されていてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、スリップバー50には間隔を空けてスリップバー導体52が複数配置される場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スリップバー50には、スリップバー導体52が1つ配置されてもよい。
【0090】
また、上述した実施形態においては、寝台80は床面に固定で据え付けられる例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、寝台80が搬送部を内蔵する、若しくは、寝台に搬送部が外付けされてもよい。かかる場合、寝台80は、床面に形成されたレール上を走行する。
【0091】
また、上述した実施形態においては、搬送部20は、ラック&ピニオン方式でレール30上を走行する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、搬送部20は、駆動機構として車輪を有し、車輪によってレール30上を走行してもよい。或いは、搬送部20は、駆動機構としてスクリューを有し、スクリューが回転することによってレール30上を走行してもよい。
【0092】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、医用画像診断装置が走行するレールの電気的堅牢性と安全性とを確保しつつ、レールの床堀を浅くすることができる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。