(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
ねじり歪の付与された光ファイバを含む複数の光ファイバをテープ化装置に供給すること、前記テープ化装置において、隣接する前記光ファイバを長手方向に間欠的に連結させること、及び、前記ねじり歪を解放させて、撚られた光ファイバテープを製造することを行うことを特徴とする光ファイバテープの製造方法が明らかとなる。このような製造方法によれば、自然状態で撚られた光ファイバテープを製造できる。
【0013】
前記テープ化装置には、同じ方向の前記ねじり歪の付与された複数の前記光ファイバが供給され、複数の前記光ファイバに付与された前記ねじり歪を一緒に解放させて、撚られた光ファイバテープを製造することが望ましい。これにより、光ファイバが均等になる。
【0014】
前記テープ化装置に供給される前記光ファイバには、一方向に前記ねじり歪が付与されていることが望ましい。これにより、自然状態で一方向撚りされた光ファイバテープを製造できる。
【0015】
前記光ファイバに付与されている前記ねじり歪は、1m当たり2880度以下であることが望ましい。これにより、偏波モード分散(PMD)を抑制できる。
【0016】
前記テープ化装置に供給される前記光ファイバには、SZ方向に前記ねじり歪が付与されていることが望ましい。これにより、自然状態でSZ撚りされた光ファイバテープを製造できる。
【0017】
前記ねじり歪の付与された前記光ファイバを前記テープ化装置に供給する複数のファイバ供給部と、それぞれの前記ファイバ供給部を制御するコントローラーとを備え、前記コントローラーは、それぞれの前記光ファイバの前記ねじり歪の反転箇所が同じタイミングで前記テープ化装置に供給されるように、前記ファイバ供給部を同期制御することが望ましい。これにより、自然状態でSZ撚りされた光ファイバテープを製造できる。
【0018】
前記光ファイバに付与されている前記ねじり歪は、1m当たり1440度以下であることが望ましい。これにより、偏波モード分散(PMD)を抑制できる。
【0019】
複数の光ファイバと、隣接する前記光ファイバの間を長手方向に間欠的に連結する連結部とを備えた間欠連結型光ファイバテープであって、ねじり力を加えない自然状態において、一方向撚りされていることを特徴とする間欠連結型光ファイバテープが明らかとなる。このような間欠連結型光ファイバテープによれば、ねじり力を加えなくても、光ファイバテープの撚られた状態を維持できるため、便利である。
【0020】
前記自然状態において、捻回ピッチが50〜800mmの範囲内で一方向撚りされていることが望ましい。これにより、伝送損失の悪化を抑制できる。
【0021】
複数の光ファイバと、隣接する前記光ファイバの間を長手方向に間欠的に連結する連結部とを備えた間欠連結型光ファイバテープであって、ねじり力を加えない自然状態において、撚り角度が270〜720度の範囲内でSZ撚りされていることを特徴とする間欠連結型光ファイバテープが明らかとなる。このような間欠連結型光ファイバテープによれば、ねじり力を加えなくても、光ファイバテープの撚られた状態を維持できるため便利であるとともに、伝送損失の悪化を抑制できる。
【0022】
前記自然状態において、前記撚り角度が360度以下でSZ撚りされていることが望ましい。これにより、光ケーブルの中間分岐時に光ファイバテープの取り出し性を向上させることができる。
【0023】
前記撚り角度をA(度)、撚り方向の反転箇所の間隔をB(mm)とし、捻回ピッチCをC=360×B/Aとするとき、前記自然状態において、前記捻回ピッチが50〜800mmの範囲内でSZ撚りされていることが望ましい。これにより、伝送損失の悪化を抑制できる
【0025】
<構成>
図1Aは、第1実施形態の光ケーブル10の断面図である。この光ケーブル10は、いわゆるスロットレス型光ケーブルである。光ケーブル10は、光ファイバユニット11と、外被21と、一対の抗張力体22と、を有する。
【0026】
光ファイバユニット11は、撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて集合させたユニット(光ファイバ束)である。光ファイバユニット11を構成する複数枚の光ファイバテープ12は、一方向撚り又はSZ撚りが施されることによって、集合されている。光ケーブル10は、光ファイバユニット11を1つだけ有していても良いし、複数有していても良い。光ケーブル10が複数の光ファイバユニット11を有する場合には、それぞれの光ファイバユニット11は、不図示のバンドル材によって識別可能に束ねられていることが望ましい。光ファイバユニット11を構成する光ファイバテープ12の構成については、後述する。
【0027】
外被21には一対の抗張力体22が埋設されている。外被21の中央部に収容空間が形成されており、その収容空間に光ファイバユニット11が収容されている。外被21には、リップコード等の他の部材が埋設されても良い。また、外被21の収容空間には、押え巻きテープや充填材などの他の部材が収容されても良い。
【0028】
図1Bは、他の光ケーブル10’の断面図である。この光ケーブル10’は、いわゆるスロット型光ケーブルである。光ケーブル10’のスペーサ23には複数のスロット24(溝)が形成されており、スペーサ23には、それぞれ光ファイバユニット11が収容されている。撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて集合させた光ファイバユニット11は、このようにスロット型の光ケーブル10’に用いても良い。
【0029】
図2Aは、4心の間欠連結型の光ファイバテープ12の説明図である。
図2Aの右図は、左側の斜視図のA−A及びB−Bにおける断面図である。
図2Bは、12心の間欠連結型の光ファイバテープ12の説明図である。
【0030】
以下の説明では、
図2Aに示す通り、各方向を定義する。すなわち、光ファイバテープ12の長手方向のことを単に「長手方向」と呼ぶ。なお、光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13を横に並べて配置した状態(
図2Aに示す状態)での光ファイバ13に平行な方向を「長手方向」と呼ぶこともある。また、
図2Aに示す状態での複数の光ファイバ13の並ぶ方向を「幅方向」と呼ぶ。また、
図2Aに示す状態での光ファイバテープ12のテープ面に垂直な方向を「厚さ方向」と呼ぶ。
【0031】
間欠連結型の光ファイバテープ12は、複数の光ファイバ13を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープ12である。隣接する2心の光ファイバ13は、連結部17によって連結されている。隣接する2心の光ファイバ13を連結する複数の連結部17は、長手方向に間欠的に配置されている。また、光ファイバテープ12の複数の連結部17は、長手方向及び幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。連結部17は、接着剤となる紫外線硬化樹脂を塗布した後に紫外線を照射して固化することによって、形成されている。なお、連結部17を熱可塑性樹脂で構成することも可能である。隣接する2心の光ファイバ13間の連結部17以外の領域は、非連結部19(分離部)になっている。非連結部19では、隣接する2心の光ファイバ13同士は拘束されていない。連結部17の幅方向には非連結部19が配置されている。これにより、光ファイバテープ12を丸めて筒状(束状)にしたり、折りたたんだりすることが可能になり、多数の光ファイバ13を高密度に収容することが可能になる。
【0032】
間欠連結型の光ファイバテープ12は、
図2Aや
図2Bに示すものに限られるものではない。例えば、光ファイバテープ12の心数を変更しても良い。また、間欠的に配置されている連結部17の配置を変更しても良い。
【0033】
図3A及び
図3Bは、第1実施形態の4心の間欠連結型の光ファイバテープ12の別の説明図である。
【0034】
本実施形態の光ファイバテープ12は、
図3Aに示す状態(光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13が幅方向に並ぶ状態)では、光ファイバ13に予めねじり力が付与されている。言い換えると、
図3Aに示す状態では、光ファイバ13に予めねじり歪が付与されている。ねじり力(ねじり歪)の付与されている光ファイバ13は、光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13のうちの1本でも良いし、2本以上でも良いし、全部であっても良い。予めねじり力(ねじり歪)の付与された光ファイバ13の数が増えるほど、光ファイバ13のねじり歪の量に対する光ファイバテープ12の撚り角度が大きくなるので有利である。ここでは、全部の光ファイバ13に一方向のねじり歪が予め付与されているものとする。なお、全部の光ファイバ13にねじり力(ねじり歪)を予め付与するようにすれば、光ファイバ13が均等になるので、望ましい。
【0035】
光ファイバ13に付与されたねじり力(ねじり歪)を解放する際には、
図3Aに示すように、光ファイバ13が長手方向を軸として捩られることになる。この結果、
図3Bに示すように、光ファイバテープ12が撚られた状態になる。本実施形態では、一方向のねじり力(ねじり歪)が光ファイバ13に予め付与されており、一方向のねじり力(ねじり歪)を解放すると、
図3Bに示すように、光ファイバテープ12が一方向に撚られた状態になる。複数本の光ファイバ13にねじり力(ねじり歪)を予め付与する場合、同じ方向のねじり力(ねじり歪)がそれぞれの光ファイバ13に付与されている。これにより、それぞれの光ファイバ13に付与されていたねじり力(ねじり歪)を一緒に解放することができ、この結果、
図3Bに示すように、光ファイバテープ12が一方向に撚られた状態になる。
【0036】
本実施形態では、
図3Aに示す状態(光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13が幅方向に並ぶ状態)を維持するためには、光ファイバ13に付与されたねじり歪の復元に抗うように、光ファイバテープ12にねじり力を付与する必要がある。逆に、光ファイバテープ12を自然状態(光ファイバテープ12に力を加えない状態)にすると、
図3Bに示すように、光ファイバテープ12が一方向に撚られた状態になる。
【0037】
図3Cは、第1実施形態の12心の間欠連結型の光ファイバテープ12の別の説明図である。12心の場合も、4心の場合と同様に、一方向のねじり力(ねじり歪)が光ファイバ13に予め付与されており、一方向のねじり力(ねじり歪)を解放すると、光ファイバテープ12が一方向に撚られた状態になる。また、
図3Cに示すように、心数が多い場合には(光ファイバテープ12の幅が広い場合には)、光ファイバテープ12が幅方向に曲がった状態(丸まった状態)で、光ファイバテープ12が撚られた状態になる。これは、心数が多い場合、仮に光ファイバテープ12が幅方向に曲がらずに捻回すると、外側の光ファイバ13(幅方向の端部の光ファイバ13)と内側の光ファイバ13(幅方向の中央部の光ファイバ13)との線長差が広がってしまうためだと考えられる。つまり、この線長差が小さくなるように、光ファイバテープ12が幅方向に曲がる(丸まる)ものと考えられる。また、心数が多くなる場合だけでなく、光ファイバテープ12の捻回ピッチが小さくなるほど、光ファイバテープ12が幅方向に曲がりやすくなる。なお、「捻回ピッチ」とは、
図3Bに示すように、光ファイバテープ12が360度捻られるまでの長手方向の長さ(mm)である。
【0038】
第1実施形態のように、光ファイバテープ12が自然状態において一方向撚りされる場合(
図3B参照)には、捻回ピッチは、50〜800mmの範囲内であることが望ましい。なお、捻回ピッチが800mmを越えると、光ファイバテープ12を撚る効果が得られにくくなり、伝送損失が悪化してしまう。一方、捻回ピッチが50mm以下になると、光ファイバテープ12の変形量が大きくなるため、一括融着が困難になってしまう。
【0039】
上記の通り、撚られた光ファイバテープ12の断面では、
図3Bに示すように複数の光ファイバ13が横一列に並んだ状態(シート状態)でも良いし、
図3Cに示すように幅方向に丸まった状態(束状態)でも良い。なお、自然状態(光ファイバテープ12に力を加えない状態)では光ファイバテープ12が
図3Bに示すようにシート状であっても、光ファイバテープ12に幅方向の力を加えることによって光ファイバテープ12が束状態になるように変形させることも可能である。なお、撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて集合させると、光ファイバテープ12に力が加わるため、光ファイバテープ12が幅方向に丸まったり折れ曲がったりして、束状態に変形することになる。
【0040】
<製造方法1>
図4Aは、第1実施形態の間欠連結型の光ファイバテープ12を製造するテープ製造装置30の説明図である。
【0041】
テープ製造装置30は、
図3Bに示す間欠連結型の光ファイバテープ12を製造するための装置である。テープ製造装置30は、ファイバ供給部31と、テープ化装置33と、引き取り装置37と、テープ用ドラム38とを有する。
【0042】
ファイバ供給部31は、光ファイバ13をテープ化装置33に供給する装置である。なお、12心の光ファイバテープ12を製造する場合には、ファイバ供給部31は12台になる。本実施形態のファイバ供給部31は、ねじり力(ねじり歪)の付与された状態で光ファイバ13をテープ化装置33に供給する。ファイバ供給部31は、ファイバ用ドラム31Aと、送出部31Bとを有する。ファイバ用ドラム31Aは、光ファイバ13の長手方向を軸として回転しつつ、光ファイバ13を供給する。ファイバ用ドラム31Aが送出部31Bに対して回転(長手方向を軸とする回転)することによって、光ファイバ13にねじり力(ねじり歪)が付与される。送出部31Bは、ねじり力(ねじり歪)の付与された状態で光ファイバ13をテープ化装置33に送り出す装置である。
【0043】
4台のファイバ供給部31のそれぞれのファイバ用ドラムは、長手方向を軸として、それぞれ同じ方向に回転する。それぞれの光ファイバ13には、同じ方向のねじり力(ねじり歪)が付与される。これにより、それぞれの光ファイバ13のねじり歪を一緒に解放することが可能になる。
【0044】
テープ化装置33は、光ファイバ13の間に連結部17を間欠的に形成して、間欠連結型の光ファイバテープ12を形成する装置である。
図5A及び
図5Bは、テープ化装置33の説明図である。テープ化装置33は、塗布部34と、除去部35と、光源36とを有する。
【0045】
塗布部34は、連結材を塗布する装置である。連結材は、例えば紫外線硬化樹脂であり、連結材が硬化することによって連結部17が形成される。塗布部34は、隣接する光ファイバ13の間に連結材を塗布する。塗布部34は、液状の連結材を充填させたコーティングダイスに複数の光ファイバ13を挿通させることによって、長手方向にわたって、隣接する光ファイバ13の間に、液状の連結材を塗布する。本実施形態では、光ファイバ13は、ねじり力(ねじり歪)の付与された状態で、コーティングダイスに挿通されることになる。また、本実施形態では、光ファイバ13は、ねじり力(ねじり歪)の付与された状態で、隣接する光ファイバ13との間に連結材を塗布されることになる。
【0046】
除去部35は、塗布部34によって塗布された連結材の一部を残しつつ、一部を除去する装置である。除去部35は、凹部351Aを有する回転刃351を有しており(
図5A参照)、光ファイバ13の供給速度に合わせて回転刃351を回転させる。塗布部34によって塗布された連結材は、回転刃351の外縁によって除去されるが、回転刃351の凹部351Aでは連結材が残留する。なお、連結材の残留した部位が連結部17(
図2A参照)となり、連結材の除去された部位が非連結部19となる。
【0047】
光源36は、紫外線硬化樹脂で構成された連結材に紫外線を照射する装置である。光源36は、仮硬化用光源36Aと、本硬化用光源36Bとを有する。仮硬化用光源36Aは、本硬化用光源36Bよりも上流側に配置されている。連結材は、仮硬化用光源36Aから紫外線を照射されると、仮硬化する。仮硬化した連結材は、完全には硬化していないが、表面では硬化が進行した状態になる。本硬化用光源36Bは、仮硬化用光源36Aよりも強い紫外線を照射して連結材を本硬化させる。本硬化した紫外線硬化樹脂は、内部まで硬化した状態になる(但し、本硬化した連結材(連結部17)は適度な弾性を有しており、間欠連結型の光ファイバテープ12を丸めて筒状にすることは可能である)。
【0048】
図5Bに示すように、塗布部34及び除去部35から出た直後の光ファイバ13は、互いに間隔が空いている。この状態で仮硬化用光源36Aが連結材に紫外線を照射し、連結材を仮硬化させる。テープ化装置33は、連結材の仮硬化後に、光ファイバ13の間隔を徐々に狭めて、複数の光ファイバ13を並列に並べてテープ状に集線する。なお、連結材が仮硬化しているため、連結材の除去された部分(分離部)同士が接触しても、連結せずに済む。また、本硬化前であるため、連結材で連結された領域においても光ファイバ13の間隔を狭めること(集線)が可能である。本硬化用光源36Bが紫外線を照射して連結材が本硬化すれば、
図2Aに示す光ファイバテープ12が製造される。この段階の光ファイバテープ12では、ねじり力(ねじり歪)の付与された光ファイバ13が間欠的に連結されている。
【0049】
引き取り装置37は、テープ化装置33から光ファイバテープ12を引き取る装置である。引き取り装置37は、光ファイバ13に付与されたねじり歪の復元に抗うように、光ファイバテープ12にねじり力を付与しながら、テープ化装置33から光ファイバテープ12を引き取る。このため、引き取り装置37の上流側(テープ化装置33と引き取り装置37との間)では、光ファイバテープ12は、
図3Aに示す状態(光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13が幅方向に並ぶ状態)が維持されている。一方、引き取り装置37は、光ファイバ13に付与されているねじり力(ねじり歪)を解放するように、テープ用ドラム38に光ファイバテープ12を送り出す。このため、引き取り装置37の下流側(引き取り装置37とテープ用ドラム38との間)では、光ファイバテープ12は、
図3Bに示す状態(光ファイバテープ12が撚られた状態、光ファイバテープ12にねじり力を加えていない自然状態)となる。
【0050】
テープ用ドラム38は、光ファイバテープ12を巻き取る部材である。テープ用ドラム38は、光ファイバ13に付与されたねじり力を解放するように、長手方向を軸として回転する。このため、テープ用ドラム38には、
図3Bに示す状態の光ファイバテープ12が巻き回される。テープ用ドラム38は、光ファイバ13に付与されたねじり力を解放させるため、ファイバ用ドラム31Aの回転に同期して、長手方向を軸にして回転することになる。
【0051】
図4Bは、第1実施形態の光ケーブル10を製造するケーブル製造装置40の説明図である。
【0052】
ケーブル製造装置40は、
図1Aに示す光ケーブル10を製造するための装置である。本実施形態では、複数のテープ供給部41と、集合装置43と、押出機44と、冷却機45と、ケーブル用ドラム46とを有する。
【0053】
テープ供給部41は、光ファイバテープ12を供給する装置である。本実施形態では、テープ供給部41は、既に撚られた状態(
図3Bに示す状態)の光ファイバテープ12を集合装置43に供給する。集合装置43には、複数のテープ供給部41からそれぞれ光ファイバテープ12が供給されることになる。つまり、集合装置43には、撚られた複数枚の光ファイバテープ12が供給されることになる。
【0054】
集合装置43は、撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて集合させる装置である。集合装置43は、複数枚の光ファイバテープ12を一方向又はSZに撚り合わせて光ファイバユニット11を形成し、光ファイバユニット11を押出機44に供給する。
【0055】
押出機44は、光ケーブル10の外被21を押出成形する装置である。押出機44には、光ファイバユニット11とともに、抗張力体供給部42から抗張力体22が供給される。冷却機45は、光ケーブル10の外被21を冷却する装置である。ケーブル用ドラム46は、光ケーブル10を巻き取る部材である。ケーブル用ドラム46には、
図1Aに示す光ケーブル10が巻き回されることになる。
【0056】
本実施形態では、テープ供給部41は、自然状態で撚られた状態になっている光ファイバテープ12を集合装置43に供給しており、集合装置43は、自然状態で撚られた状態になっている光ファイバテープ12を撚り合わせて光ファイバユニット11を形成することになる。このため、本実施形態では、光ファイバテープ12が自然状態で撚られた状態になっているので、撚られた状態を維持するために光ファイバテープ12にねじり力を付与し続ける必要が無いため、テープ供給部41や集合装置43(若しくは、テープ供給部41と集合装置43との間の供給経路)を簡素化できる。なお、光ファイバユニット11が、撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて集合させて構成されているため、光ケーブル10の湾曲時の伝送損失を抑制できるとともに、光ケーブル10の細径化を図ることができる。
【0057】
上記の説明では、ファイバ供給部31のファイバ用ドラム(光ファイバ13を巻き回したドラム)を光ファイバ13の長手方向を軸として回転させることによって、光ファイバ13の長手方向を中心軸としてドラム軸を旋回させて、光ファイバ13にねじり歪を付与している。但し、光ファイバ13にねじり歪を付与する方法は、これに限られるものではない。例えば、
図6に示すように、ファイバ用ドラムのドラム軸と回転軸とを直交させ、回転軸を中心としてドラム軸を回転させることによって、光ファイバ13にねじり歪を付与しても良い。なお、前述のテープ用ドラム38(
図4A参照)においても、長手方向を中心軸としてドラム軸を旋回させる代わりに、ドラム軸と直交する回転軸を中心としてドラム軸を回転させても良い。また、次に説明するように、光ファイバ13にねじり歪を付与する方法は、光ファイバ用ドラムを回転させる方法に限られるものではない。
【0058】
<製造方法2>
図7は、第1実施形態の別のテープ製造装置30の説明図である。ここでは、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪が付与される。
【0059】
ファイバ供給部31は、プリフォーム311と、加熱炉312と、コーティング装置313と、硬化装置314と、複数のガイドローラー315(315A〜315D)とを有する。プリフォーム311は、光ファイバ13の母材(ガラスロッド)である。加熱炉312は、プリフォーム311を溶融延伸させるためにプリフォーム311を加熱する炉であり、例えば電気炉である。コーティング装置313は、紡糸直後の光ファイバに樹脂をコーティングする装置である。加熱炉312とコーティング装置313との間で光ファイバが冷却されることになる。硬化装置314は、コーティング装置313でコーティングした樹脂を硬化させるための装置であり、例えば紫外線照射装置である。ガイドローラー315は、光ファイバの経路を構成するローラーである。
【0060】
複数のガイドローラー315のうちの最上流側に配置されている第1ガイドローラー315Aは、プリフォーム311から紡糸された光ファイバが最初に接触する部材となる。
図7の点線枠の中には、第1ガイドローラー315Aの近傍の説明図が示されている。第1ガイドローラー315Aは、光ファイバ13の経路に対して回転軸が傾斜するように配置されている。これにより、第1ガイドローラー315Aにおいて、光ファイバ13にねじり力(トルク)が付与される。つまり、第1ガイドローラー315Aは、ねじり力(トルク)を光ファイバ13に付与するトルク付与部材となる。
【0061】
第1ガイドローラー315Aよりも上流側には、紡糸された光ファイバに接触するものがないため、第1ガイドローラー315Aが光ファイバ13にねじり力を付与すると、プリフォーム311から紡糸された直後の光ファイバ(プリフォーム311から第1ガイドローラー315Aまでの間の光ファイバ)が捩られた状態になる。言い換えると、捩られた状態でコーティング工程(コーティング装置313)や硬化工程(硬化装置314)を経て光ファイバ13が製造されることになる。このように製造された光ファイバ13には、ねじり歪が残留する。
【0062】
なお、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪を付与する方法は、
図7に示す方法に限られるものではない。例えば、第1ガイドローラー315Aで光ファイバ13にトルクを付与する代わりに、光ファイバ13の長手方向を軸としてプリフォーム311を回転させることによって、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪を付与しても良い。
【0063】
このように、ねじり歪の付与された光ファイバ13が、ファイバ供給部31からテープ化装置33に供給されることになる。そして、既に説明したように、テープ化装置33には、ねじり力(ねじり歪)の付与された状態の光ファイバ13がファイバ供給部31から供給され、テープ化装置33において、隣接する2心の光ファイバ13の間に長手方向に間欠的に連結部17が形成されることになる。
【0064】
ところで、偏波モード分散(PMD)の抑制を目的として、紡糸工程で光ファイバ13にトルクを付与する場合がある(例えば特許文献3参照)。但し、この目的で予めねじり歪の付与された光ファイバ13を用いて光ファイバテープ12を形成しても、それぞれの光ファイバ13のねじり方向がバラバラであるため、光ファイバ13のねじり歪を解放しても、自然状態で一方向撚りの光ファイバテープ12にはならない。
【0065】
本実施形態のように一方向に撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて光ファイバユニット11を構成する場合、光ファイバテープ12の捻回ピッチ(
図3B参照)は、800mm以下であることが望ましい。自然状態において捻回ピッチが800mm以下に撚られた状態になる光ファイバテープ12を形成するためには、偏波モード分散(PMD:複屈折による信号の分散)の抑制を目的として紡糸工程で光ファイバ13にトルクを付与する場合と比べて、光ファイバ13に付与するねじり力(トルク)を大きく設定し、光ファイバ13に予め付与するねじり歪を大きく設定する必要がある。一方、光ファイバ13に付与するねじり歪が大き過ぎると、偏波モード分散(PMD)が問題になるおそれがある。この点について、本願発明者は、光ファイバ13(光ファイバ素線)に付与するねじり歪(一方向)が1m当たり2880度以下であれば、PMDの測定値であるq値が0.070となり、所定の基準値以下(0.08以下)におさまることを確認した。そして、本願発明者は、光ファイバ13(光ファイバ素線)に付与するねじり歪(一方向)を1m当たり2880度以下として、自然状態において1m当たり720〜3600度に一方向撚りした光ファイバテープ12を製造可能であることを確認した。なお、上記のPMDのq値は、JIS C 6870−3(又はIEC60793−1−48)に準拠した値であり、全測定データから4個の値をランダムに抽出し、これを10万回行いて求めた正規分布関数に基づいて求めた値である。
【0066】
===第2実施形態===
図8は、第2実施形態の間欠連結型の光ファイバテープ12の説明図である。
図8には示されていないが、隣接する2心の光ファイバ13の間には、長手方向に間欠的に連結部17が形成されている。また、光ファイバテープ12の複数の連結部17は、長手方向及び幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。また、連結部17の幅方向には、非連結部19が配置されている。
【0067】
第2実施形態の光ファイバテープ12は、自然状態(光ファイバテープ12に力を加えない状態)にすると、図に示すように、光ファイバテープ12がSZ方向に撚られた状態になる。図中の点線で示す部位では、光ファイバテープ12の撚り方向が反転している。
【0068】
以下の説明では、撚り方向の反転箇所(図中の点線の箇所)の長手方向の間隔(mm)のことを「反転ピッチ」と呼ぶことがある。また、或る反転箇所(図中の点線の箇所)から次の反転箇所までの間(反転ピッチ間)で光ファイバテープ12の撚られる角度のことを「撚り角度」と呼ぶことがある。また、光ファイバテープ12が360度捻られるまでの長手方向の長さ(mm)のことを「捻回ピッチ」と呼ぶことがある。図中には、撚り角度が360度としてSZ撚りされた光ファイバテープ12が示されている。撚り角度が360度未満の場合があるため、本実施形態では、捻回ピッチは、1回転分(360度分)に相当する長さ(mm)として算出する。具体的には、撚り角度をA(度)、反転ピッチをB(mm)としたとき、捻回ピッチC(mm)は、C=360×B/Aとして算出する。撚り角度が360度の場合、反転ピッチと捻回ピッチは等しくなる。
【0069】
第2実施形態の光ファイバテープ12は、光ファイバテープ12を構成する複数の光ファイバ13が幅方向に並ぶ状態(シート状態)では、光ファイバ13に予めSZ方向にねじり歪が付与されている。SZ方向にねじり歪の付与された光ファイバ13は、複数の光ファイバ13のうちの1本でも良いし、2本以上でも良いし、全部であっても良い。ここでは、全部の光ファイバ13にSZ方向のねじり歪が予め付与されているものとする。
【0070】
光ファイバ13に付与されたねじり歪を解放する際には、光ファイバ13が長手方向を軸として捩られることになる。第2実施形態では、SZ方向のねじり力(ねじり歪)が光ファイバ13に予め付与されており、このSZ方向のねじり力(ねじり歪)を解放すると、長手方向の所定間隔毎にねじり方向を反転しながら光ファイバ13が捩られることになる。この結果、第2実施形態では、
図8に示すように、光ファイバテープ12がSZ方向に撚られた状態になる。
【0071】
複数本の光ファイバ13にねじり力(ねじり歪)を予め付与する場合、同じ方向のねじり力(ねじり歪)がそれぞれの光ファイバ13に付与されている。本実施形態のように複数本の光ファイバ13にSZ方向のねじり力(ねじり歪)を予め付与する場合には、長手方向の同じ位置において、ねじり歪の方向を反転させている。これにより、それぞれの光ファイバ13に付与されていたねじり力(ねじり歪)を一緒に解放することができ、この結果、
図8に示すように、光ファイバテープ12がSZ方向に撚られた状態になる。
【0072】
第2実施形態のように、光ファイバテープ12が自然状態においてSZ撚りされる場合(
図8参照)には、撚り角度は、270〜720度の範囲内であることが望ましく、270度〜360度の範囲内であることが更に望ましい。撚り角度がこの範囲内であれば、光ケーブル10の湾曲時の伝送損失を抑制できる。なお、撚り角度が270度未満の場合には、伝送損失の抑制効果が得られにくくなる。また、撚り角度が大きすぎても伝送損失が悪化することがあるため、720度以下であることが望ましい。また、光ケーブルの中間分岐時に光ファイバテープの取り出し性を向上させるためには、撚り角度が360度以下であることが更に望ましい。
【0073】
ところで、偏波モード分散(PMD)の抑制を目的として、紡糸工程で光ファイバ13にトルクを付与する場合がある(例えば特許文献3参照)。但し、この目的で光ファイバ13に付与されるねじり歪は小さいため、仮にこのような光ファイバ13を用いて光ファイバテープ12を形成しても、自然状態での光ファイバテープ12の撚り角度は、10〜20度程度である(本実施形態の光ファイバテープ12は、この撚り角度と比べて撚り角度が極端に大きい)。このような撚り角度が10〜20度の光ファイバテープ12では、撚り角度が270度未満であるため、伝送損失の抑制効果がほとんど得られない。
【0074】
第2実施形態のようにSZ方向に撚られた複数枚の光ファイバテープ12を撚り合わせて光ファイバユニット11を構成する場合には、光ファイバテープ12の捻回ピッチ(
図8参照)は、50〜800mmの範囲内であることが望ましい。なお、捻回ピッチが800mmを越えると、光ファイバテープ12を撚る効果が得られにくくなり、伝送損失が悪化してしまう。一方、捻回ピッチが50mm以下になると、光ファイバテープ12の変形量が大きくなるため、一括融着が困難になってしまう。
【0075】
光ファイバテープ12の撚り角度を270〜360度の範囲内にするためには、偏波モード分散(PMD)の抑制を目的として紡糸工程で光ファイバ13にトルクを付与する場合と比べて、光ファイバ13に付与するねじり力(トルク)を大きく設定し、光ファイバ13に予め付与するねじり歪を大きく設定する必要がある。一方、光ファイバ13に付与するねじり歪が大き過ぎると、偏波モード分散(PMD)が問題になるおそれがある。この点について、本願発明者は、光ファイバ13(光ファイバ素線)に付与するねじり歪(SZ方向)が1m当たり1440度以下であれば、PMDの測定値であるq値が0.070となり、所定の基準値以下(0.08以下)におさまることを確認した。また、この範囲のSZ方向のねじり歪を光ファイバ13に付与すれば、光ファイバテープ12を撚り角度270〜360度の範囲内でSZ撚りすることが可能である。
【0076】
図9は、第2実施形態のテープ製造装置30の説明図である。第2実施形態においても、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪が付与される。
【0077】
第2実施形態のファイバ供給部31は、第1実施形態と同様に、プリフォーム311と、加熱炉312と、コーティング装置313と、硬化装置314と、複数のガイドローラー315(315A〜315D)とを有する。第2実施形態では、第1ガイドローラー315Aの回転軸は、光ファイバ13の経路に対して揺動する。これにより、第1ガイドローラー315Aにおいて、光ファイバ13にねじり力(トルク)が付与されるとともに、ねじり力の方向が間欠的に反転する。このように製造された光ファイバ13には、ねじり歪が残留すると共に、ねじり歪の方向が所定間隔で反転することになる。
【0078】
図中のコントローラー50は、テープ製造装置30の制御を司る制御部であり、4台のファイバ供給部31を制御する。第2実施形態では、コントローラー50は、4台のファイバ供給部31から同じ供給速度で光ファイバ13を供給させるとともに、4台のファイバ供給部31の第1ガイドローラー315Aを同期させて、揺動させている。言い換えると、コントローラー50は、テープ化装置33に供給される複数の光ファイバ13のねじり歪が同じ方向になり、それぞれの光ファイバ13のねじり歪の反転箇所が同じタイミングでテープ化装置33に供給されるように、4台のファイバ供給部31のトルク付与部材(第1ガイドローラー315A)を同期制御させている。
【0079】
第2実施形態では、テープ化装置33は、SZ方向にねじり力の付与された複数の光ファイバ13が幅方向に並ぶ状態で、隣接する光ファイバ13との間に連結部17(及び非連結部19)を形成し、シート状の間欠連結型の光ファイバテープ12を構成する。引き取り装置37は、光ファイバ13に付与されたねじり歪の復元に抗うように光ファイバテープ12をテープ化装置33から引き取るとともに、光ファイバ13に付与されているねじり力(ねじり歪)を解放しながら光ファイバテープ12をテープ用ドラム38に送り出す。このため、引き取り装置37の下流側(引き取り装置37とテープ用ドラム38との間)では、光ファイバテープ12は、
図8に示す状態(光ファイバテープ12がSZ撚りされた状態、光ファイバテープ12にねじり力を加えていない自然状態)となる。なお、第2実施形態では、ねじり歪は交互に反転しながら光ファイバ13に付与されているとともに、それぞれの光ファイバ13に付与されたねじり歪は長手方向の同じ位置で方向を反転させているため、テープ用ドラム38が長手方向を軸にして回転しなくても、それぞれの光ファイバ13に付与されていたねじり力(ねじり歪)を一緒に解放することができ、この結果、
図9に示すようにSZ撚りされた光ファイバテープ12がテープ用ドラム38に巻き回されることになる。このように、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、光ファイバ13に付与されたねじり力(ねじり歪)の解放が容易になる。
【0080】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態で説明したように、光ファイバ13の長手方向を軸としてプリフォーム311を回転させることによって、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪を付与しても良い。また、紡糸工程(線引き工程)において光ファイバ13にねじり歪を付与するのではなく、ファイバ用ドラム31Aを回転させることによって、光ファイバ13にねじり力(ねじり歪)を付与しても良い。
【0081】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。