(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて実施形態の燃料電池装置について説明する。
図1〜
図3は、実施形態の燃料電池装置の概略構成を説明する図である。なお、
図2は、
図1のF部を拡大して示す、改質水タンク周りの概略構成である。
【0014】
実施形態の燃料電池装置100は、天然ガス,LPガス等の原燃料と空気とを使用して発電を行なう燃料電池モジュール1(燃料電池)の稼動による電力供給と、熱交換器3、ラジエータ4、熱媒循環ポンプP3および蓄熱タンク5等からなる排熱回収システム(図中のヒートサイクルHS系)を利用した温水の供給とを行うものである。なお、温水の供給を行なわない、いわゆるモノジェネレーションシステムとすることもできる。また、ラジエータ4を設けない構成としてもよい。
【0015】
また、燃料電池装置100は、前述の燃料電池モジュール1等の他、補機として、改質水タンク6、パワーコンディショナ20、制御装置30、記憶装置40等を備えている。さらに、燃料電池装置100は、改質水ポンプP1を含む改質水流路R、および、排水ポンプP2を含む排水流路Dと、電気伝導率計WC
1,WC
2と、水検知器WL
1,WL
2等の水位センサとを、少なくとも備える。
【0016】
燃料電池モジュール1は、収納容器10に収容されており、その内部に、複数の燃料電池セルが積層されたセルスタック11と、水蒸気を用いて原燃料の水蒸気改質を行う改質器12と、余剰の燃料ガスに点火するための着火ヒータ(図示省略)、および、触媒容器2に充填された排ガス触媒等を備える。そして、燃料電池モジュール1は、
図3に示すように、各フレーム51と外装パネル(図示省略)とからなるケース50の中に配設されている。
【0017】
なお、
図3では図示していないが、ケース50内には、
図1に例示するような、天然ガス等の原燃料を改質器に送給するガスポンプB1、空気(外気)等の酸素含有ガスをセルスタックに送給する空気ブロワB2、改質水タンク5内の改質水を、水蒸気改質用の原料水として改質器12に供給する改質水ポンプP1、改質水タンク6で余剰となった余剰水を機外に排出するための排水ポンプP2、改質水タンク6内の余剰水を排出するための排水流路D等が、配設されている。さらに、ケース50内には、先に述べたような、系統電源と連係するパワーコンディショナ20、装置全体をコントロールする制御基板を含む制御装置30、記憶装置40等や、燃料電池の運転を制御するために用いる各種センサ類も、配置されている。
【0018】
上述のような構成の燃料電池装置100においては、燃料電池モジュール1に隣接して配置された熱交換器3で、燃料電池モジュール1より排出された排ガスと、熱交換器3内を流れる水等の熱媒(冷媒)との間で熱交換が行われ、排ガスに含まれる水分が結露して凝縮水が生じる。生じた凝縮水は、気液分離器等により分離され、凝縮水流路Cを経由して、凝縮水を回収・貯留する改質水タンク6に導入される。
【0019】
なお、水分が取り除かれた排ガスは、排ガス流路Eを介して、燃料電池装置の外に排気される。また、改質水タンク6に貯水された改質水は、改質水流路Rおよび改質水ポンプP1を介して、燃料電池モジュール1内の改質器12に供給され、改質水を用いた原燃料の水蒸気改質に利用される。
【0020】
図2は、燃料電池装置100の構成の中で、燃料電池の水自立運転およびそれに用いられる改質水に関連する部分(
図1の二点鎖線F内)を拡大して示したものである。
【0021】
凝縮水を浄化して貯留する改質水タンク6は、浄化処理用途の第1改質水タンク61と、貯留用途の第2改質水タンク62と、で構成されている。なお、これら第1改質水タンク61と第2改質水タンク62との間は、下側の通水管65および上側の通気管66で接続され、連通している。なお、改質水タンク6の構成は、上記構成に限られるものではなく、たとえば第1改質水タンク61と第2改質水タンク62とを一体型としてもよい。
【0022】
生成された改質水を貯留する第2改質水タンク62の下部または底部には、改質水ポンプP1の吸引口に繋がる改質水導出口62aが設けられている。また、第2改質水タンク62の上部側面には、排水ポンプP2の吸引口に繋がる余剰水導出口62bが設けられている。そして、この余剰水導出口62bより上側の位置には、貯留された改質水の水位(上水面)が、上限水位である満水位に達したことを検出する水検知器WL
2が配設されている。なお、第2改質水タンク62に、下限水位を検出する水検知器を設けてもよい。また、図中の各センサの黒丸は、センサの配設位置、またはプローブ等の先端の検出位置を示すものである(以下同じ)。
【0023】
凝縮水を回収・精製して改質水を作製する第1改質水タンク61の中には、熱交換器3から回収された凝縮水を浄化処理するためのイオン交換樹脂が充填された第1のイオン交換樹脂容器63と、改質水の不足時に、外部から補給される水道水等(以下、補水)を浄化するためのイオン交換樹脂が充填された第2のイオン交換樹脂容器64とが、配設されている。また、第1改質水タンク61の下部には、貯留された改質水の水位(上水面)が、下限水位である渇水位に達したことを検出する水検知器WL
1が配設されている。
【0024】
そして、第1改質水タンク61には、改質水タンク6に流入する凝縮水の導電率(μS/cm)を測定するための電気伝導率計WC
1と、外部から補給され、浄化処理された後の補水の導電率(μS/cm)を測定するための電気伝導率計WC
2とが、配設されている。
【0025】
本実施形態の燃料電池装置100において、前述の電気伝導率計WC
1は、熱交換器3と改質水タンク6との間の、凝縮水流路Cに配設されている。すなわち、この電気伝導率計WC
1は、従来公知の電気伝導率計のように、改質水タンク6に貯水された水の電気伝導率を測定するのではなく、改質水タンク6に貯水される前の時点で導電率を測定可能な位置に配設されている。具体的には、電気伝導率計WC
1は、凝縮水流路Cにおける熱交換器3から第1イオン交換樹脂容器63の出口までの間に、配設すればよい。
【0026】
この構成により、本実施形態の燃料電池装置100は、熱交換器3の熱媒(冷媒)として用いられている、不純物の多い水道水等の水が、配管の腐食等により漏れ出して、凝縮水または凝縮水流路Cに混入した場合でも、電気伝導率計WC
1で測定した導電率の上昇によって、この電気伝導率計WC
1より上流側で発生した熱媒の漏出や混入を、即座に検出することができる。
【0027】
なお、第2のイオン交換樹脂容器64側の電気伝導率計WC
2は、イオン交換樹脂を通過した後の脱イオン水である補水の導電率(μS/cm)を測定できるように、補水が滞留する第2のイオン交換樹脂容器64の上部に配設されている。これにより、第2イオン交換樹脂容器64の交換時期を、容易に判定することができる。また、第1改質水タンク61内の貯留水の導電率を測定する場合は、これら2つの電気伝導率計とは別の、新たな電気伝導率計を、第1改質水タンク61内の貯水部に設けてもよい。
【0028】
また、電気伝導率計WC
1は、凝縮水流路Cにおける熱交換器3から第1イオン交換樹脂容器63の入口までの間に、設けることができる。この場合、第1イオン交換樹脂容器63での浄化処理前に、早期に熱媒の漏出や混入を、即座に検出することができる。さらに加えて、電気伝導率計WC
1により測定された値に基づいて、適宜、燃料電池装置の動作を制御することができる。それにともない、不純物の多い水道水等の水を第1イオン交換樹脂63にて処理することを抑制できることから、第1イオン交換樹脂容器63に充填されたイオン交換樹脂の劣化を、抑制することができる。
【0029】
これにより、たとえば、電気伝導率計WC
1により測定された導電率が、所定の値を超えたことを所定時間継続した場合には、燃料電池装置100の制御装置30は、燃料電池モジュール1のセルスタック11等に、障害または損傷が発生する可能性が高いと判断して、その発電運転および稼動を停止することができる。
【0030】
つぎに、改質水タンク6の具体的な構成例について説明する。
図4は、実施形態の燃料電池装置に用いられる改質水タンク6の分解斜視図であり、
図5はその断面図である。なお、
図4,
図5においては、凝縮水を回収・精製して改質水を作製する第1改質水タンク61側のみを記載しており、第2改質水タンク62の記載を省略している。
【0031】
第1改質水タンク61は、
図4の分解斜視図に示すように、タンク本体である槽状の貯水部71と、先にも述べた第1のイオン交換樹脂容器63と第2のイオン交換樹脂容器64とを一体に成形したイオン交換樹脂カートリッジ72と、槽状の貯水部71を覆う蓋部73と、を備えている。なお、
図4においては、イオン交換樹脂カートリッジ72の中に充填された、凝縮水処理用および外部水(水道水)浄化用の各イオン交換樹脂の図示を省略している。
【0032】
貯水部71は、分解斜視図に示すように、上面が、開口71aとして大きく開口する有底の箱状容器である。その内部の凹状空間は、処理・浄化後の改質水を貯留する箱状部71bになっており、
図5の断面図に示すように、イオン交換樹脂カートリッジ72を内部に嵌め入れて取り付けた場合、このイオン交換樹脂カートリッジ72と貯水部71との間の隙間は、浄化処理後の改質水を貯めることができる空間になっている。
【0033】
そして、イオン交換樹脂カートリッジ72は、前述の貯水部71に対して、上面開口71aから、簡単に取り外すことができるようになっている。すなわち、この構成により、本実施形態の燃料電池装置は、イオン交換樹脂が充填されたイオン交換樹脂カートリッジ72を、容易に着脱することが可能である。したがって、本実施形態の燃料電池装置を、メンテナンス性に優れたものとすることができる。
【0034】
また、貯水部71の前面側には、上水道等から送給される水道水等を容器内に受け入れるための外部水受水口71cが設けられている。そして、その内部の奥側には、この外部水受水口71cと、第2のイオン交換樹脂容器64の底部に設けられた外部水導入口72bとの間を連絡するための延設管71dが配設されている。なお、図中の符号71eは通水管65の開口を、符号71fは通気管66の開口を示す。
【0035】
本実施形態において、イオン交換樹脂カートリッジ72は、その中寄りの仕切り部(仕切り壁)で2つのブロックに分画されている。
図4,
図5における図示左側の比較的大きく深い分画が、第1のイオン交換樹脂容器63であり、図示右側の比較的小さく浅い分画が、第2のイオン交換樹脂容器64である。なお、イオン交換樹脂カートリッジ72は、樹脂等を用いて一体に成形されている。また、イオン交換樹脂カートリッジ72を一体とせず、容器63と容器64とを、個別に着脱可能な別体としてもよい。
【0036】
図示左側の第1のイオン交換樹脂容器63は、燃料電池モジュール100の熱交換器3から回収された「凝縮水」が主に流過する部分である。内部には、凝縮水処理用のイオン交換樹脂(21A,
図4では図示省略)が充填されている。なお、第1のイオン交換樹脂容器63の底部(下面)には、イオン交換樹脂21Aにより処理された浄水(改質水)を、貯水部71に向けて流下させる処理水導出口72aが、設けられている。
【0037】
また、図示右側の第2のイオン交換樹脂容器64は、先に述べた、底部の外部水導入口72bから導入された水道水等の外部水を浄化処理するためのものである。内部には、外部水浄化用のイオン交換樹脂(21B,
図4では図示省略)が充填されている。また、この第2のイオン交換樹脂容器64は、下から流入した水道水が上に向けて流過し、処理済みの浄水である補水が、上部に設けられた浄化水流出口72cから溢れて、貯水部71に向けて流下または滴下するようになっている。
【0038】
第1改質水タンク61の蓋部73は、大きく開口する貯水部71の上面開口71aの全面を覆うサイズに形成されている。蓋部73には、熱交換器3から回収された凝縮水が流入する凝縮水導入口74と、蓋部73のねじ止め等に用いられる各穿孔73aと、先述の電気伝導率計WC
1および電気伝導率計WC
2を取り付けるための取付穴75A,75Bとが、それぞれ設けられている。なお、蓋部73は、ねじ止め等の締結であるため、メンテナンス時は、簡単に取り外すことができる。
【0039】
そして、これらの図に示すように、本実施形態の燃料電池装置の改質水タンク6は、第1のイオン交換樹脂容器63の内側で、かつ、熱交換器3から回収された凝縮水が流下する凝縮水導入口74と、凝縮水処理用のイオン交換樹脂21A(
図4では図示省略)との間の位置、すなわち、凝縮水導入口74の直下で、浄化処理前の凝縮水を受け止めることができる位置に、受け皿状の凝縮水貯留部76が配設されている。これにより、第1のイオン交換樹脂容器63に流入した凝縮水を、浄化処理前に一旦、溜めることができるようになっている。
【0040】
なお、先述の電気伝導率計WC
1は、
図5の断面図に示すように、その測定部位であるプローブの先端が、凝縮水貯留部76内の未処理の凝縮水の導電率を測定可能なように、この凝縮水貯留部76内の凝縮水中に浸漬されている。
【0041】
また、凝縮水貯留部76の側面には、凝縮水貯留部76にて一定水量溜めた凝縮水をオーバーフローさせて、下方にあるイオン交換樹脂21Aに向けて流下させる凝縮水流出口76aが設けられている。この構成により、浄化処理前に一旦、凝縮水貯留部76に溜めた凝縮水を、導電率の測定が終わった後すぐに、イオン交換樹脂21Aに流下させ、浄化処理を行うことができる。
【0042】
さらに、受け皿状の凝縮水貯留部76は、貯水部71の上面の開口71aから、第1のイオン交換樹脂容器63の上方に嵌め入れられており、第1のイオン交換樹脂容器63に対して容易に着脱することが可能である。さらに、イオン交換樹脂が充填されたイオンカートリッジ72の着脱容易性も妨げない。
【0043】
以上の構成によっても、凝縮水貯留部76に配設した電気伝導率計WC
1で測定した導電率の上昇により、この電気伝導率計WC
1より凝縮水流れの上流側、すなわち、凝縮水流路C側または熱交換器3側で発生した熱媒の漏出や混入を、即座に検出することができる。したがって、熱交換器3の熱媒(冷媒)として用いられている、不純物の多い水道水等の水が、配管の腐食等により漏れ出して、凝縮水または凝縮水流路Cに混入した場合でも、素早く対策を講じることが可能になる。
【0044】
なお、第1改質水タンク61は、たとえば、外部水を必要としない場合は、その内部に第2のイオン交換樹脂容器64を備える必要はなく、第1改質水タンク61の内部には、第1のイオン交換樹脂容器63のみを備えた構造としてもよい。また、外部水を必要とする場合であっても、第2のイオン交換樹脂容器64は、第1改質水タンク61の外部に設けてもよい。
【0045】
つぎに、上述の、熱交換器3から漏れた熱媒の改質水への混入を検出可能な電気伝導率計WC
1を用いた燃料電池装置の運転制御について説明する。
【0046】
本実施形態の燃料電池装置100は、燃料電池モジュール1と、以下に詳細に述べるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む制御装置30を備える。
【0047】
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路として、または、複数の通信可能に接続された集積回路および/もしくはディスクリート回路として、実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術にしたがって実行されることが可能である。
【0048】
1つの実施形態において、プロセッサは、たとえば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続または処理を実行するように構成された、1以上の回路またはユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続きまたは処理を実行するように構成された、ファームウェア(たとえば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
【0049】
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号処理部、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、これらのデバイスもしくは構成の任意の組み合わせ、または、他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせ、を含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0050】
制御装置30は、記憶装置40と、パワーコンディショナ20と、燃料電池モジュール1と、原燃料供給装置(ガスポンプB1)と、酸素含有ガス供給装置(空気ブロワB2)と、水供給用装置(改質水ポンプP1)、水補給装置(止水弁を含む水補給流路)、および、水位検出装置(水検知器WL
1,WL
2)、水質測定装置(電気伝導率計WC
1,WC
2)等の各種センサ等と接続され、これらの各機能部をはじめとして、燃料電池装置100の全体を制御および管理する。
【0051】
また、制御装置30は、記憶装置40に記憶されているプログラムを取得して、このプログラムを実行することにより、燃料電池装置100の各部にかかる、種々の機能を実現する。なお、制御装置30から、他の機能部(装置)に制御信号または各種の情報などを送信する場合、制御装置30と他の機能部とは、有線または無線により接続されていればよい。
【0052】
記憶装置40は、プログラムおよびデータを記憶できる。記憶装置40は、処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用してもよい。記憶装置40は、記録媒体を含む。記録媒体は、半導体記憶媒体、および磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。また、記憶装置40は、複数の種類の記憶媒体を含んでいてもよい。記憶装置40は、メモリカード、光ディスク、または光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶の読み取り装置との組合せを含んでいてもよい。記憶装置40は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでいてもよい。
【0053】
以上の構成を有する燃料電池装置100は、稼動(発電動作)中、常に電気伝導率計WC
1による凝縮水の導電率を測定し、その数値に異常がないかどうかを常時監視するようプログラムされている。
【0054】
具体的には、通常、燃料電池装置100は、その稼働(発電動作)中において、熱交換器3で生じた凝縮水が凝縮水流路Cを介して改質水タンク6に回収される際に、凝縮水流路C中に設けられた凝縮水貯留部76に浄化処理前の凝縮水を一旦溜め、この凝縮水貯留部76に配設した電気伝導率計WC
1によって、凝縮水の導電率(μS/cm)を測定する。
【0055】
このとき、凝縮水の導電率が所定の値を超えていなければ、制御装置30は、燃料電池装置100が正常な稼働状態であると判断して、その発電運転および稼動を継続する。一方、導電率が所定の値を超えたことを、所定時間継続して検知した場合、制御装置30は、熱交換器3からの熱媒の漏出や凝縮水流路Cでの凝縮水への熱媒の混入が発生している異常状態であると判断して、その発電運転および稼動を停止する。
【0056】
ところで、燃料電池装置100の製造完了後の最初の起動時は、燃料電池モジュール1中または熱交換器3中に元々存在していた不純物が、凝縮水の「初溜」と一緒に流れ出してくる場合があり、導電率が上昇する可能性がある。そこで、制御装置30は、燃料電池装置100の製造完了後の最初の起動時に、予め決められた第1所定時間経過してから、電気伝導率計WC
1による凝縮水の導電率の測定を開始する制御を実行する。これにより、上記初溜による導電率の異常な数値の測定を避けて、上記初溜による燃料電池装置100の異常停止を、回避することができる。また、燃料電池装置100は、凝縮水の導電率の異常数値に起因する燃料電池装置の停止の回数を、低減することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0058】
たとえば、セルスタック11は、SOFCに限定されず、固体高分子形燃料電池〔Polymer Electrolyte Fuel Cell(PEFC)〕、リン酸形燃料電池〔Phosphoric Acid Fuel Cell(PAFC)〕、および、溶融炭酸塩形燃料電池〔Molten Carbonate Fuel Cell(MCFC)〕などのような燃料電池で構成してもよい。
【0059】
また、燃料電池装置の制御装置および記憶装置は、燃料電池装置の外部に有する構成として実現することもできる。さらに、本開示に係る制御装置における特徴的な制御工程を含む制御方法として実現したり、上記工程をコンピュータに実行させるための制御プログラムとして実現したりすることも可能である。