【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、均質化したたばこ材料のキャストウェブの製造のための装置に関し、該装置は、該均質化したたばこ材料のスラリーを保持するように適合される、そこから該スラリーのキャストウェブをキャストすることができるキャスティングボックス、該キャストウェブを乾燥させるように適合される第1の乾燥部、該キャスティングボックスの該スラリーをキャストすることによって形成されたキャストウェブを受容し、そのキャストウェブを該第1の乾燥部へ移送する可動支持体、および該可動支持体を移動するように適合されるドラムを備える。本発明によれば、このドラムは、該ドラムと該可動支持体との間の熱交換を可能にするように適合され、この装置は、第1の温度制御手段をさらに含んで、該キャストウェブを該キャスティングボックスから該支持体上に受容する位置の該可動支持体の温度と該キャスティングボックス内の該スラリーの温度との間の温度差が約0℃〜約30℃であるように該ドラムを冷却する。
【0009】
均質化したたばこ材料は、スラリーを取得するため様々な成分を水と混合することによって形成される。その後の工程では、均質化した材料のウェブが、スラリーを支持体上にキャスティングすることによって連続して支持体上に生成される。結果として得られる均質化したたばこ材料は、引張強さが比較的高く、かつ均質性が良好であることが望ましい。
【0010】
均質化したたばこ材料のキャストウェブの引張強さおよび均質性に影響を与えるスラリーの重要なパラメータは、スラリーの粘度であり、特にスラリーをキャストするときの粘度である。さらにまた、スラリーの密度は、特にキャスティング前に、キャストウェブの最終品質を決定するために重要である。適切なスラリー密度および均質性は、欠陥の数を最小化し、またキャストウェブの引張強さを増加させる。
【0011】
均質化したたばこ材料の製造の他の関連する工程は、キャストウェブの乾燥であり、そこでは、均質化したたばこ材料の水分のレベルが、スラリーの水分から、最初の物よりずっと低い最終キャストウェブの水分に代わる。この乾燥工程は、キャストされた均質化したたばこ材料の中の気泡または凝集体などの欠陥の形成を最小化するために最適化されるのが好ましい。さらに、乾燥工程が早すぎる、またはキャストウェブが高温勾配にさらされる場合、キャストウェブの上に望ましくないクラストが形成されることがある。このクラストは、キャストウェブの最表面の薄く硬くなった層であり、クラストの下からキャストウェブの水分が逃げようとするのを妨げるものである。クラストが形成される、またはあまりに早く形成されると、多くの場合クラストの下に気泡が出現するようになる。この気泡は、望ましくない不均質性の源である。
【0012】
このスラリーは、複数の様々な構成成分すなわち成分を含む。これらの構成成分は均質化したたばこ材料の特性に影響を与える。第1の成分はたばこ粉末ブレンドであり、これはスラリー中に存在するたばこの大半を含有することが好ましい。たばこ粉末ブレンドは均質化したたばこ材料中のたばこの大半の供給源であり、それゆえ例えば、均質化したたばこ材料を加熱すると生成されるエアロゾルなどの最終製品に風味を与える。たばこ材料ウェブの引張強さを増加するために、強化剤として作用する、セルロース繊維を含有するセルロースパルプが、スラリーに添加されるのが好ましい。均質化したシートの引張特性を強化するため、およびエアロゾルの形成を促進するために、結合剤およびエアロゾル形成体も添加されるのが好ましい。さらに、均質化したたばこ材料のウェブをキャスティングするために最適なある一定の粘性および水分に達するために、スラリーに水が添加される場合がある。スラリーは、可能な限り均質にするために混合される。
【0013】
スラリーは、キャスティングボックスに収集され、そのなかに所定の量のスラリー、例えば、キャスティングボックス内の所定のレベルのスラリーを、維持するのが好ましい。このスラリーが可動支持体上にキャストされ、均質化したたばこ材料の連続したウェブを形成する間、スラリーが連続してキャスティングボックスに供給されるのが、好ましい。
【0014】
本発明によれば、このスラリーは、移動支持体とキャスティングブレードとの間に形成されるキャスティングボックスの出口を通って、移動支持体の幅にわたってキャストされる。この支持体は、キャスティングボックスからスラリーを除去するために、長手方向に沿って移動する。この支持体は、例えば、ステンレス鋼可動ベルトを含んでもよい。この支持体は、可動支持体を前進させるように適合されるドラムによって移動される。このドラムは、キャストウェブ用可動支持体と熱接触するようにさらに適合される。このドラムの温度は、移動支持体の所望の温度が、移動支持体とドラムとの間の熱交換を介して得られるように調整されるのが好ましい。温度の調整は、キャスティングボックス内のスラリーの温度と支持体の温度との間の差が、0℃〜約30℃であるようなものである。キャスティングボックス内のスラリーの温度と支持体の温度との間の差は、0℃〜約15℃であるのが好ましい。このように温度差の範囲が狭いことにより、スラリーが支持体上に置かれたときに、スラリーの熱衝撃が防がれる。熱衝撃は、スラリー材料の突然の膨張または収縮を引き起こす可能性がある。これにより、不均質性または気泡などの欠陥が引き起こされる場合がある。さらに、支持体の温度を制御することにより、支持体自体の温度の分散さえも得ることが可能になる。こうした能動制御なしでは、支持体の両側の温度は、支持体の中央の温度より低くなる傾向がある。これにより、可動支持体に置かれるキャストウェブの不均質性を引き起こす。
【0015】
「均質化したたばこ材料」という用語は、本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、例えば、たばこ葉ラミナまたはたばこ葉茎またはそれらのブレンドなどを粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成される。
【0016】
さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および移送中に形成されたたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの1つ以上の一定量を含んでもよい。
【0017】
本発明では、スラリーは、適切にブレンドされた異なるたばこタイプのたばこラミナおよびたばこ茎によって形成されるのが好ましい。ここでは、「たばこタイプ」という用語は、たばこの異なる品種のうちの1つを指す。本発明に関しては、これらの異なるたばこタイプは、ブライトたばこ、ダークたばこおよびアロマティックたばこの3つの主な群に区別される。これらの3つの群間の区別は、たばこがたばこ製品中でさらに加工される前に受ける乾燥処理プロセスに基づく。
【0018】
上述のように、スラリーは可能な限り均質であるべきであり、これによってその粘性が可能な限り均一でキャスティングに最適である標的値に近づく。均一な粘性を得るために、キャスティング前にスラリーの全量を混合することが好ましい。
【0019】
そして、スラリーは、キャスティングボックスに移送されて、所定のレベルまでキャスティングボックスを満たすのが好ましい。キャスティングボックスのスラリーの充填レベルは、実質的に、キャスティングボックス内で一定に維持されるのが好ましい。スラリーは、キャスティングボックスの底部に実現された開口から、例えば、重力の影響の下、キャスティングボックスを流れ出る。さらに、キャスティングボックス内の能動輸送の手段は、プッシャまたはプロペラなどにより提供可能である。このキャスティングボックスは、加圧容器を形成するのが好ましい。キャスティングボックス内の圧力を制御することを可能にする制御手段が、設けられているのが好ましい。こうした実施形態では、キャスティングボックスから流出するスラリーは、さらに、キャスティングボックスの内部圧力のレベルを設定し維持することによって制御される。キャスティング装置は、混合装置を備えて、キャスティングボックス内部のスラリーを混合するのが好ましい。そして、このスラリーは、キャスティングブレードと移動支持体との間に形成された間隙を貫通して、移動支持体上に送出される。
【0020】
この移動支持体は、エンドレスベルト、すなわち、製造中のある時点ではキャスティングボックスの下に配置され、スラリーを乾燥ステーションに移送し、その後スラリーが移動支持体に置かれるキャスティング位置に戻る、移動支持体の各部であることが好ましい。この支持体は、幅を規定するが、その幅は、一般に移動支持体上に置かれるキャストウェブの幅より大きいまたは同様である。
【0021】
乾燥ステーションでは、好ましくは、キャストウェブの温度が上昇し、それにより、キャストウェブ内部の水分を減らすことができる。キャスティングにおいて該キャストたばこ材料ウェブの水分、すなわち、スラリーの水分は、約60パーセント〜約80パーセントであることが好ましい。乾燥終了時の該キャストたばこウェブの水分はたばこ材料ウェブの乾燥質量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。乾燥終了時の該均質化したたばこウェブの水分は、均質化したたばこウェブの乾燥質量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。キャスティング時および乾燥工程終了時のスラリーの水分は、その後の製造工程において、均質化したたばこウェブの均質性および均質化したたばこウェブの製造性に影響を与えるので、制御するべき別の重要なパラメータである。
【0022】
スラリーの水分の理想的なレベルは、約60パーセント〜約80パーセントであることが分かっている。この好ましい範囲未満では、キャスティング時のスラリーの密度は、キャストウェブ内に欠陥の出現を頻繁に引き起こすようなものである。また、この範囲外の水分レベルでは、その後の処理工程で均質化したたばこ材料のウェブの効率的な取り扱いを複雑にする可能性があるキャストウェブの引張強さの減少をもたらす恐れがある。したがって、乾燥工程中にキャストウェブから除去される必要がある過剰水分は、かなり多い。水分の除去は、乾燥空気が、キャストウェブの温度より高温である、乾燥気流にさらすことにより実施されるのが好ましい。キャストウェブの周囲の温度を上げることにより、可動支持体の温度の上昇も引き起こす。周囲との熱伝達により、可動支持体の側縁部を含む境界の温度は、可動支持体の他の部分より低くなる傾向がある。実際、補正無しの場合、支持体の境界の温度は、可動支持体の中央の温度より約5℃〜約15℃まで低くなる可能性があることがわかっている。したがって、可動支持体が、乾燥ステーションからキャスティングボックスに戻って、さらに、スラリーを収集する際、可動支持体は、スラリーの温度を超える温度を有している可能性がある。キャスティングボックス内部のスラリーは、およそ周囲温度、すなわち、約15℃〜約30℃に維持されるのが好ましい。さらに、能動的な補正の無い場合、この可動支持体は、その幅に沿って温度の非均質な分布を頻繁に示す場合があり、それにより、可動支持体は、可動支持体の境界で低温を有し、可動支持体の中央で高温を有する傾向がある。
【0023】
上述のように、非均一な温度分布を有する可動支持体にスラリーをキャストすることにより、キャストウェブ中に欠陥の出現をもたらす可能性がある。非均一高温勾配を受けるスラリーは、可動支持体に不規則な厚さを形成する可能性がある。気泡などの欠陥は、こうした条件で起こる場合がある。可動支持体の中央がより厚くなる可能性がある。さらに、支持体とスラリーとの間の高い温度差は、キャストウェブ上に乾燥した薄い層を形成するトリガとなる可能性がある。その下のキャストウェブより固く、透湿性の低い、この乾燥層またはクラストは、この乾燥層の下のキャストウェブを形成する材料の乾燥を妨げるものである。この妨げは、水がクラストを通って適切に蒸発できないような、クラストの水分トラッピング効果によるものである。したがって、このキャストウェブは、最適に乾燥できない。これにより、無駄につながる可能性があるさらに、この乾燥層は、キャストウェブにひび割れ、したがって、欠陥を形成しやすくする。クラストのひび割れは、例えば、その後の製造工程中の、意図しないウェブの引張強さの減少につながり、均質化したたばこ材料のウェブの引き裂きの可能性を増加させる可能性がある。
【0024】
本発明によれば、欠陥の形成が最小化される均質なキャストウェブを得るために、プロセスパラメータにしたがった、好ましい密度および水分を有するスラリーが、キャスティングボックスを介してキャストされる。可動支持体を移動するために使用される同じドラムによって、所定の温度に維持される可動支持体上に、このスラリーは、キャストされる。スラリー堆積位置の可動支持体の温度とキャスティングボックスのスラリーの温度との間の温度差が、第1の温度制御手段によって、約0℃〜約30℃であるような温度で、このドラムを維持する。温度差が、0℃〜約15℃であることが好ましく、0℃〜約7℃であることがより好ましい。わずかな温度差により、欠陥の出現が減少する。さらに、過度な温度勾配により引き起こされた「クラスト」またはキャストウェブ上の乾燥層は、より遅く形成される、または形成されない。キャスティングボックスでの可動支持体の温度は、スラリー堆積位置で約15℃〜約50℃であることが好ましい。キャスティングボックスのスラリーの温度は、約15℃〜35℃であることが好ましく、約20℃〜約28℃であることがより好ましい。
【0025】
さらに、ドラムの温度調整による能動的な温度制御は、ドラムと支持体との間の熱交換によって、可動支持体の全幅に沿った均一な温度分布が可能になる。全幅に沿った温度は、実質的に同一であり、約2℃〜約15℃の公差を有する。可動支持体にキャストされたスラリーは、均一な温度にさらされるのが好ましい。これにより、最終製品における不均質性の形成リスクの低減が可能になる。
【0026】
好ましい実施形態によれば、ドラムの温度、ひいては可動支持体の温度は、水冷分配器によって調整される。好ましくは、水がドラムを冷却するために使用される。というのも、支持体は、支持体とキャストウェブが、キャストウェブから水分を除去するために加熱される、乾燥部から戻ってくるため、支持体の温度は、一般にキャスティングでの所望の温度より高いためである。水は、水の入手可能性と高い熱容量によって所定の範囲内で制御される対象物、この場合はドラム、の温度を維持するための優れた費用対効果の高い手段である。
【0027】
有利なことに、可動支持体は、エンドレスステンレス鋼コンベヤーベルトを含む。ステンレス鋼は、優れた熱導体なので、熱伝達を容易に可能にする材料である。同時に、ステンレス鋼ベルトは、均質化したたばこ材料が支持体にしっかり固定するリスクを低減し、したがって、第1の乾燥部の後、均質化したたばこのキャストウェブを完全に連続して除去することを可能にする。キャストウェブの製造プロセスの間、キャストウェブは少なくとも部分的に乾燥した後、さらに加工されるために可動支持体から除去される。その後、均質化したたばこのキャストウェブは、さらに乾燥されて、冷却され、次に、ボビンに巻き取られる。エンドレス可動支持体は、さらにスラリーを可動支持体にキャストできるようにキャスティングボックスの位置に戻る。支持体からのキャストウェブの除去は、ドクタリングブレードと呼ばれるブレードによって行われるのが好ましい。キャストウェブが支持体にしっかり「接着されている」場合、ドクタリングブレードの作動が、キャストウェブの破損および機械停止を引き起こす可能性がある。したがって、支持体からのキャストウェブの除去は、できるだけ簡単であることが好ましく、支持体の材料としてステンレス鋼を使用することは、好ましい解決策であることが分かっている。また、均質化したたばこ材料のウェブのキャスティング用に要求される低い公差に、ステンレス鋼は、機械加工可能である。これにより、ステンレス鋼は、可動支持体として費用対効果の高い材料になる。
【0028】
好ましい実施形態では、この装置は、該第1の乾燥部に第2の温度制御手段を備える。さらに、この可動支持体は、第1および第2の反対表面を規定し、該スラリーを第1の表面にキャストする。この第2の温度制御手段は、蒸気発生器を備えて、可動支持体の第2の表面に向けて蒸気を噴出する。キャストの乾燥は、遅く、キャストウェブの温度および水分を継続的に制御しながら行われることが好ましい。有利なことには、これにより、均質化したたばこ材料のキャストウェブの欠陥および不均質性の出現を最小化することができる。キャストウェブの乾燥は、第1の乾燥部で行われる。2つ以上の乾燥部が存在するのが好ましい。乾燥部それぞれは、独立して制御され、それにより、各乾燥部では、プロセスパラメータが、他の部から独立して設定可能であることが好ましい。この第1の乾燥部は、キャストウェブが形成される可動支持体の表面と反対の表面である、支持体の第2の表面に向けて蒸気を噴出するよう適合される蒸気発生器を含む第2の温度制御手段を含むのが好ましい。このように、第2の表面の温度を、実質的に一定に維持することができる。有利なことには、噴出した流れの流量を測定し、調整することができる。過熱蒸気が、キャストウェブの水分を低減するために使用されるのが好ましい。
【0029】
さらに、該第2の温度制御手段は、該第1の乾燥部中に、乾燥空気発生器を備えて、該第1の表面に向けて乾燥空気を噴出することができる。2つ以上の乾燥部が存在する場合、第1の乾燥部に、および好ましくはすべての他の部分にも乾燥空気発生器を提供することにより、キャストウェブ自体のパラメータに対するプロセスを最適化するために、キャストウェブに直接向けられた乾燥空気の流量および温度の両方を変更することが可能になる。さらに、乾燥空気発生器から噴出される乾燥空気の流量、温度、または両方が、第1の乾燥部のキャストウェブの温度および水分の値によって変更可能なように、連続したフィードバック制御が存在することが好ましい。
【0030】
このキャストウェブの自由表面温度、すなわち、支持体と接触していないキャストウェブの表面は、約20℃〜約99℃である第1の乾燥部の値を有するのが好ましい。この第1の乾燥部の蒸気流量は、約80kg/h〜約300kg/hであることが好ましく、乾燥空気温度は、約100℃〜約140℃であることが好ましい。
【0031】
該第1の乾燥部から出る該キャストウェブの水分は、約15パーセント〜約25パーセントであることが好ましい。
【0032】
該可動支持体上に形成される該キャストウェブは、中央部および2つの側部を規定し、該側部は該キャストウェブの縁それぞれを含み、該第1の乾燥部の該乾燥空気発生器は、不規則な乾燥空気流が該キャストウェブの方に噴出されるように構成され、該乾燥気流は、該キャストウェブの該側部を含む領域より中央部を含む領域に、より速い流量またはより高い温度またはその両方を有することが、より好ましい。上述の通り、キャストウェブの側部の水分または温度、またはその両方は、一般に、キャストウェブの中央の水分および温度より低い。というのも、熱交換および空気対流の両方が、キャストウェブの両側部で高まるからである。実質的に同じレベルの水分または温度またはその両方を有する均一なキャストウェブを得るために、最終製品の欠陥の数を低減することができる条件である、乾燥空気の非均質乾燥気流分布または非均質温度分布もしくはその両方を発生させる。
【0033】
有利なことには、キャスティング装置は、以下のセンサーの1つ以上によって送信される信号を受信するよう適合される制御装置を備える。センサーとして、該第1の乾燥部の該キャストウェブの水分値を判定するよう適合される水分センサー、該第1の乾燥部の出口の該キャストウェブの水分値を判定するよう適合される水分センサー、該第1の乾燥部の前、乾燥部の中、または乾燥部の出口の該キャストウェブの厚さまたは厚さの変化を判定するよう適合される厚みセンサー、該第1の乾燥部の該キャストウェブの温度を判定するよう適合される温度センサー、該キャスティングボックスの該スラリーの温度を判定するよう適合される温度センサー、キャスティングボックスの該可動支持体の温度を判定するよう適合される温度センサー、該キャスティングボックスへの該スラリーの流量を判定する流量センサーが挙げられる。キャストウェブの形成は、最終製品の品質を決定する繊細なプロセスである。スラリーをキャスティングすることによって得られた均質化したたばこウェブの拒絶のリスクを最小化するために、いくつかのパラメータを制御してもよい。例えば、欠陥または引張強さの低さに起因して、仕様を逸脱する材料が形成される可能性がある。これらのプロセスパラメータは、他のパラメータの中でも、特にスラリーの温度、水分、滞留時間、および粘性である。さらに、キャストウェブの温度および水分は、適切な最終水分を得ることに関連するパラメータである。粘性は、実際にスラリーの温度、水分および滞留時間の関数であることが既知である。従って、スラリーの粘性、温度、および含水量のうちの少なくとも1つ、ならびにキャストウェブの水分、温度、厚さのうちの少なくとも1つを適切なセンサーを用いてモニターすることが好ましい。パラメータを一連の所定の範囲内に維持するために、オンライン信号処理および制御のためのフィードバックループとともにセンサー信号を使用することが好ましい。例えば、プロセス制御は、適切なプロセスパラメータの変更に影響される可能性があり、プロセスパラメータの例として、冷却量、温度、移動支持体の速度、スラリーに導入される水の量、スラリーを形成する他の成分の量、乾燥ステーションの乾燥空気の温度または乾燥空気の流量、および上述のプロセスパラメータの変更およびその他の組み合わせが挙げられる。これらのパラメータは、第1の乾燥部内、同出口、またはその両方いずれかのセンサーによってチェックされるのが好ましい。乾燥部の出口は、第1の乾燥部の外側であって、可動支持体の運動方向の同乾燥部に近接した位置にある。
【0034】
該制御装置は、該1つ以上のセンサーが受信する信号に応じて、その動作条件を変更するために、次のうちの1つ以上に命令するように適合されていることが、より好ましく、それは、該キャスティングボックスへの該スラリーの流量を変更するポンプ、該ドラムの温度を変更する第1の温度手段、該第1の乾燥部の該乾燥空気の温度を変更する、または該第1の乾燥部の該乾燥空気の流量を変更する、または該第1の乾燥部の該乾燥空気の温度分布もしくは乾燥流量分布もしくは両方を変更する、または蒸気の流量を変更する第2の温度手段、該スラリーの温度を変更する該キャスティングボックスの温度を変更するキャスティングボックスの温度手段が挙げられる。本発明の装置には、1つ以上のフィードバックループが存在するのが好ましい。センサー(複数可)によって報告可能な、均質化したたばこ材料のキャストウェブの厚さまたは水分の不均質性の存在により、最適化でないキャスティング条件の存在が暗示される。これらの最適でないキャスティング条件は、いくつかの要因による場合があり、例として、好ましい範囲外のスラリーの密度、好ましい水分の範囲外のスラリーの水分のレベル等、第1の乾燥部の乾燥空気の不適切な温度、乾燥部の乾燥空気の不適切な流量、乾燥部の乾燥空気の温度または流量の不適切な分布、キャスティングボックスの可動支持体の不適切な温度等が挙げられる。したがって、キャスティングおよび乾燥工程で役割を果たすパラメータ値を取得するために複数のセンサーを使用するのが有利である。そして、これらの値は、例えば、キャスティング条件または乾燥条件により、キャストウェブの製造が、所望の仕様の範囲外にされる場合に、フィードバックループを用いて調整可能である。欠陥の出現またはパラメータの不均一もしくは標準規定範囲外へのパラメータのシフトは、1つ以上のセンサーによって検出され、対応する信号が中央制御装置へ送信される。この中央制御装置は、偏向するプロセスパラメータを変更するまたは1つ以上の追加の別のパラメータを変更するために、アクチュエータもしくはモータもしくは温度制御手段を操作またはそれに命令して、検出された問題を訂正することができる。
【0035】
好ましいフィードバックループは、例えば、第1の乾燥部または第1の乾燥部の出口のキャストウェブの水分の測定法であり、該水分の値に応じて、該乾燥空気の温度、該乾燥空気の流量、または両方を変化させるために、該水分値に応じて、該乾燥空気発生器に制御信号を送信するものである。
【0036】
有利なことには、キャスティング装置は、該第1の乾燥部の出口で該可動支持体から該キャストウェブを除去するよう適合されるドクタリングブレードを備えている。この第1の乾燥部の出口の可動支持体は、キャスティングボックスの方へドラムシステムの周囲を回って戻り、それにより、スラリーがさらに、連続してキャスト可能になる。第1の乾燥部の端部のキャストウェブの含水量は、支持体からキャストウェブを除去し、他の支持体のキャストウェブの乾燥を継続することが可能なほど十分低い。
【0037】
好ましい実施形態では、キャスティング装置は、該第2の乾燥部の乾燥空気の温度、流量、温度分布、流量分布、または上記の任意の組み合わせを制御するよう適合される独立して制御される第3の温度制御手段を有する、第2の乾燥部を備える。乾燥は、所与の仕様の範囲の最終製品の品質を得るために非常に重要である。特に、キャストウェブの乾燥は、ゆっくりと、比較的高い温度差無く、行われることが好ましい。したがって、第2の乾燥部は、第1の乾燥部に続くことが好ましい。キャストウェブは、ドクタリングブレードによって第1の乾燥部の可動支持体から除去されて、第2の乾燥部を貫通する第2の可動支持体に配置されることが好ましい。有利なことには、第2の可動支持体は、メッシュである。メッシュの支持体により、以前第1の可動支持体に接触していた均質化したたばこのキャストウェブの第2の表面に乾燥媒体が障害なく接近することが可能になる。第2の乾燥部は、第1の乾燥部から独立して制御されるのが好ましく、そうして、例えば、乾燥空気の温度、乾燥空気の流量、または両方が独立して調整可能になる。一実施形態では、第2の乾燥部は、乾燥空気発生器を備えて、第2の可動支持体の第1および第2の表面の両方に乾燥空気を噴出する第3の温度制御手段を含む。したがって、第2の乾燥部では、蒸気が生成されない。有利なことには、第2の乾燥部の空気の温度は、第1の乾燥部の空気の温度より低い。第2の可動支持体の第1および第2の表面両方に向けられる、第2の乾燥部の乾燥空気の温度は、約75℃〜約105℃であることが好ましい。該第1および第2の乾燥段階は、該キャストウェブの移動方向に該第2の段階の上流の該第1の段階に、前後に連続して配置されることが好ましい。
【0038】
一実施形態では、該第1の乾燥部は、複数の第1の乾燥段階に分割され、乾燥空気の温度、流量、感動空気の温度分布および流量分布は、第1および第2の乾燥段階それぞれにおいて、独立して制御される。工程でのキャストウェブの水分を低減するために、湿気を徐々に放出する。第1の乾燥部が、乾燥部の全長を通して、一定の温度の乾燥空気、または一定の流量の乾燥空気もしくは蒸気を有しないのが好ましい。さらにまた、温度および流量の分布は、第1の乾燥器の段階の間で変化してもよい。このように、キャストウェブに過度な温度差または水分差を受けさせることなく非常に制御された手法で、水分をキャストウェブから除去することができる。さらに、乾燥部は、必要に応じて、提供されてもよい。
【0039】
有利なことには、キャスティング装置はさらに、該キャストウェブをボビンに巻き取る巻取り部ならびに該第1または第2の乾燥部の下流および該巻取り部の上流の冷却部を備える。上述の通り、適切にキャストウェブを乾燥するために、乾燥は、比較的「ゆっくりした」速度で、可能な限り均質にする。第1および第2の乾燥部により実施される乾燥プロセスの終了時に、キャストウェブが、1つ以上のボビンを形成するために巻き取られることが好ましい。巻き取りの前に、第2の乾燥部から出るキャストウェブは、第4の温度制御手段によって、周囲温度近くまで、例えば、約15℃〜約30℃の温度まで、冷却される。冷却は、例えば、冷却気流によって実行可能である。例えば、キャストウェブの幅にわたり、その非均一温度分布を補正するために、この冷却気流をウェブを横切って不規則に誘導してもよい。その後、ボビンは、ストッキング場所またはキャストウェブがより小さい寸法の部分で切断される切断部のいずれかに移動される。
【0040】
本発明がさらに有利な点は、添付の図面を参照しながら、これに限定されるものではない、本発明の発明を実施するための形態より明らかになろう。