特許第6981883号(P6981883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981883
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】燃料電池のエージング方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/043 20160101AFI20211206BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20211206BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20211206BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20211206BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20211206BHJP
【FI】
   H01M8/043
   H01M8/04746
   H01M8/04858
   H01M8/04 Z
   !H01M8/10 101
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-7534(P2018-7534)
(22)【出願日】2018年1月19日
(65)【公開番号】特開2019-128976(P2019-128976A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角谷 聡
(72)【発明者】
【氏名】野本 重光
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 健作
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−340022(JP,A)
【文献】 特開2014−220094(JP,A)
【文献】 特開2006−019279(JP,A)
【文献】 特開2005−268091(JP,A)
【文献】 特開2005−302495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードと、カソードと、前記アノードおよび前記カソードに挟持される電解質膜とを含む燃料電池のエージング方法であって、
前記カソードに供給する酸化剤ガスに混合される不活性ガスの流量を周期的に変化させることによって、前記燃料電池の電位を0.4V以下の範囲で周期的に変化させることを特徴とする燃料電池のエージング方法。
【請求項2】
前記不活性ガスの流量を鋸歯状の流量パターンで周期的に変化させることによって、前記燃料電池の電位を波状の電位パターンで周期的に変化させる、請求項1に記載の燃料電池のエージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池のエージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、燃料ガス(例えば水素)および酸化剤ガス(例えば空気)をアノード側電極(以下、単にアノードということがある)およびカソード側電極(以下、単にカソードということがある)に供給して電気化学的に反応させることにより、電気エネルギー(起電力)を得るシステムである。
【0003】
例えば、固体高分子型燃料電池のセル(燃料電池セルや単セルということもある)は、イオン伝導性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側触媒層(電極層)およびカソード側触媒層(電極層)とからなる膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備えている。MEAの両側には、燃料ガスもしくは酸化剤ガスを提供するとともに電気化学反応によって生じた電気を集電するためのガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)が形成されている。GDLが両側に配置されたMEAは、MEGA(Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)と称され、MEGAは、一対のセパレータにより挟持されている。ここで、MEGAが燃料電池の発電部であり、ガス拡散層がない場合には、MEAが燃料電池の発電部となる。
【0004】
燃料電池(燃料電池スタックということもある)は、前記した如くの構成を有するセルを複数枚重ね合わせて積層し、例えば、自動車等の車両に搭載して使用されている。
【0005】
この種の固体高分子型燃料電池では、組み立て直後の電解質膜の含水量が十分でない等の理由により、初期発電性能が低くなっている。そこで、通常、燃料電池の組み立て後に所望の発電性能を引き出すため、燃料電池のエージング運転(単に、エージングともいうこともある)と称される予備運転(ならし運転)が行われている。このエージング運転は、燃料電池の組み立て後に予備的に発電することで、セルの性能が所望の能力を発揮できるようにするものである。また、製造した後だけではなく、例えば、燃料電池を休止した後(特に、長期間休止した後)に再発電させる際(再起動時)や、長期間の発電によって起電力などの出力特性が低下した際などにも、前記したエージング運転を行うことによって、燃料電池の出力特性を回復する場合もある。
【0006】
このような固体高分子型燃料電池のエージング(ならし運転)においてエージング時間を短縮させるための方法として、燃料電池に強制通電したり、周期的に変動する電気的負荷を印加したり、あるいは、負荷電流を周期的に変動させる方法などが知られている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−040869号公報
【特許文献2】特開2005−340022号公報
【特許文献3】特開2007−066666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、エージング時間短縮に繋がるエージング促進に必要な要件としては、膜電極接合体の触媒表面の被毒物(コンタミ物質)の除去、触媒表面の酸化被膜の除去、電解質膜や触媒層中の電解質樹脂の湿潤が挙げられる。ここで、一般に、触媒表面の酸化被膜除去や電解質樹脂の湿潤は、被毒物除去よりも短い時間で行われるため、エージング時間短縮(エージング促進)のためには、被毒物を如何に効率的に除去するかが重要である。
【0009】
しかしながら、例えば上記特許文献3に所載の従来技術では、負荷電流により低電位を実現するために、高電流(高電流密度)を掃引する必要がある。この場合、高電流の掃引によって生成水量は多くなるが、一方で、発熱量が多くなるため、液水量(触媒表面の被毒物を洗い流して排出するための液水量)が減少してしまい、エージング促進に対して必要な湿潤を阻害する恐れがある。すなわち、前記のように負荷電流を制御することは、エージングに対して背反する作用をもたらすことになる。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エージング時間を効果的に短縮することのできる燃料電池のエージング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決すべく、本発明による燃料電池のエージング方法は、アノードと、カソードと、前記アノードおよび前記カソードに挟持される電解質膜とを含む燃料電池のエージング方法であって、前記カソードに供給する酸化剤ガスに混合される不活性ガスの流量を周期的に変化させることによって、前記燃料電池の電位を0.4V以下の範囲で周期的に変化させることを特徴としている。
【0012】
前記不活性ガスの流量を鋸歯状の流量パターンで周期的に変化させることによって、前記燃料電池の電位を波状の電位パターンで周期的に変化させることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料電池の電位を0.4V以下の範囲とすることで、エージング中で最も時間の要する被毒物除去を効率的に行うことができるとともに、不活性ガスの流量調整による燃料電池の電位制御を行うことで、液水量の低減を防止し、エージング促進に対して必要な湿潤を確保できるので、エージング時間を効果的に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による燃焼電池のエージング方法の適用対象となる燃料電池(燃料電池スタック)の一例を示す図であり、(A)は要部断面図、(B)は全体外観図である。
図2】エージングメカニズムを説明する模式図である。
図3】エージング時の窒素ガスの流量と燃料電池の電位との関係を示すタイムチャートである。
図4】(A)は実施例の発電パターン、(B)は比較例の発電パターンを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態の一例に基づいて詳細に説明する。以下では、一例として、燃料電池車に搭載される燃料電池またはこれを含む燃料電池システムに本発明を適用した場合を例示して説明するが、適用範囲がこのような例に限られることはない。
【0016】
[燃料電池(燃料電池スタック)の構成]
図1は、本発明による燃焼電池のエージング方法の適用対象となる燃料電池(燃料電池スタック)の一例を示す図であり、図1(A)は要部断面図、図1(B)は全体外観図である。
【0017】
まず、図1(A)を参照して燃料電池(固体高分子型燃料電池)の内部構成を概説すると、燃料電池(燃料電池スタック)10には、基本単位であるセル(単電池)1が複数積層されている。各セル1は、酸化剤ガス(例えば空気)と、燃料ガス(例えば水素)と、の電気化学反応により起電力を発生する固体高分子型燃料電池である。セル1は、MEGA2と、MEGA2を区画するように、MEGA2に接触するセパレータ(燃料電池用セパレータ)3とを備えている。なお、本実施形態では、MEGA2は、一対のセパレータ3、3により、挟持されている。
【0018】
MEGA2は、膜電極接合体(MEA)4と、この両面に配置されたガス拡散層7、7とが、一体化されたものである。膜電極接合体4は、電解質膜5と、電解質膜5を挟むように接合された一対の電極6、6と、からなる。電解質膜5は、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜からなり、電極6は、たとえば、白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材により形成される。電解質膜5の一方側に配置された電極6がアノードとなり、他方側の電極6がカソードとなる。ガス拡散層7は、例えばカーボンペーパ若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、または、金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体などのガス透過性を有する導電性部材によって形成される。
【0019】
本実施形態では、MEGA2が、燃料電池10の発電部であり、セパレータ3は、MEGA2のガス拡散層7に接触している。また、ガス拡散層7が省略されている場合には、膜電極接合体4が発電部であり、この場合には、セパレータ3は、膜電極接合体4に接触している。したがって、燃料電池10の発電部は、膜電極接合体4を含むものであり、セパレータ3に接触する。
【0020】
セパレータ3は、導電性やガス不透過性などに優れた金属を基材とする板状の部材であって、その一面側がMEGA2のガス拡散層7と当接し、他面側が隣接する他のセパレータ3の他面側と当接している。
【0021】
本実施形態では、各セパレータ3は、波形状ないし凹凸状に形成されている。セパレータ3の形状は、波の形状が等脚台形をなし、かつ波の頂部が平坦で、この頂部の両端が等しい角度をなして角張っている。つまり、各セパレータ3は、表側から見ても裏側から見ても、ほぼ同じ形状である。MEGA2の一方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触し、MEGA2の他方のガス拡散層7には、セパレータ3の頂部が面接触している。
【0022】
一方の電極(すなわちアノード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路21は、燃料ガスが流通する流路であり、他方の電極(すなわちカソード)6側のガス拡散層7とセパレータ3との間に画成されるガス流路22は、酸化剤ガスが流通する流路である。セル1を介して対向する一方のガス流路21に燃料ガスが供給され、ガス流路22に酸化剤ガスが供給されると、セル1内で電気化学反応が生じて起電力が生じる。
【0023】
さらに、あるセル1と、それに隣接するもうひとつのセル1とは、アノードとなる電極6とカソードとなる電極6とを向き合わせて配置されている。また、あるセル1のアノードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部と、もうひとつのセル1のカソードとなる電極6に沿って配置されたセパレータ3の背面側の頂部とが、面接触している。隣接する2つのセル1間で面接触するセパレータ3、3の間に画成される空間23には、セル1を冷却する冷媒としての水が流通する。
【0024】
また、隣接する2つのセル1の端部間には、燃料ガス(例えば水素)または酸化剤ガス(例えば空気)や冷却用の水をシールするシール部材としてのガスケット(図示省略)が挟圧保持されている。
【0025】
また、前記した燃料電池10は、図1(B)に示すように、各1セル間の電圧(セル電圧)を監視するためのセルモニタ用ケーブル(図示省略)、電極(アノード)6側のガス流路21に燃料ガスを供給・排出するためのガス配管11、電極(カソード)6側のガス流路22に酸化剤ガスを供給・排出するためのガス配管12、空間23に冷媒としての水(冷却水)を供給・排出するための冷却水配管13等が接続されて構成されている。
【0026】
[燃料電池(燃料電池スタック)のエージング方法]
前記した如くの構成を有する燃料電池10では、発電性能(出力特性)を安定させるために、例えば当該燃料電池10の組み立て後などにエージング(ならし運転)が行われる。
【0027】
ここで、前記したエージングでは、主に、図2に示す過程1〜3を経て膜電極接合体4の触媒表面が洗浄(被毒物(コンタミ物質)除去)される。
<過程1>:触媒表面に被毒物が付着した状態。
<過程2>:触媒表面に付着している被毒物を触媒表面から浮かせる(離す)。
<過程3>:触媒表面から浮かせた被毒物を燃料電池の電気化学的反応で生成した液水などで洗い流し、セル内部から排出させる。
【0028】
触媒表面に付着している被毒物は、電極工程やセル化工程などで使用した低分子量から高分子量までを有する様々な種類の有機物であり、これらの有機物を効率よく除去する必要がある。つまり、液水で洗い流す過程3より前の過程2を効率よく行うことが必要不可欠である。
【0029】
そこで、本実施形態では、前記エージングを促進・加速する0V〜0.4Vの間で燃料電池の電位を変動させることで、様々な種類の被毒物を短時間で除去する。具体的には、例えばガス配管12に配設された流量調整弁などを用いて、ガス配管12から電極(カソード)6に供給する酸化剤ガスに混合される不活性ガス(例えば、窒素N2ガス)の流量を周期的に変化させることによって、燃料電池10の電位を0.4V以下の範囲で周期的に変化させて、前記エージングを実施する。
【0030】
より詳しくは、図3に示すように、電極(カソード)6に供給する酸化剤ガスに混合される不活性ガス(例えば、窒素N2ガス)の流量を鋸歯状の流量パターンで周期的に変化させることによって、燃料電池10の電位(セル平均電圧)を0.1V〜0.4Vの範囲内の波状(サイン波状)の電位パターンで周期的に変化させて、前記エージングを実施する。
【0031】
以下、前記した本実施形態のエージング(における電位制御)の作用効果について説明する。
【0032】
<燃料電池のエージング時間短縮のための発電を行う作用効果>
例えば、非発電で温水等を流して洗浄する手法では、触媒表面に付着している被毒物を除去する効果が小さく、十分なエージング効果を得ることはできない。
【0033】
発電での電位付与や電極内環境によって、触媒種特有の表面電位(表面エネルギー)を有し、表面エネルギーと被毒物の相互作用によって、被毒物を乖離したり、結合させたりすることができるため、触媒表面の被毒物を効果的に除去できるようになる。
【0034】
<燃料電池を構成する各セルの電位を0〜0.4Vの間で(0.4V→0V→0.4Vのサイクルとなるように)サイクリックに変動させる作用効果>
触媒表面に付着している被毒物はアニオン系が多く、電位を0V〜0.4Vにすることで、触媒表面から効果的に被毒物を乖離させることができる。
【0035】
さらに、被毒物種(被毒物の種類)は複数種あることが多く、被毒物種によって効果的に触媒表面から乖離させられる電位は異なるため、電位を0.4V→0V→0.4Vでサイクル変動させることによって、あらゆる被毒物種を効率よく除去することができる。
【0036】
また、電位をサイクル変動させることによって、被毒物が触媒表面から乖離しやすくなる作用が増大する。なお、この場合、一定電位と組み合わせても良い。
【0037】
<燃料電池の電位の変動制御を、カソードへの不活性ガス(例えば、窒素N2ガス)の混合流量を変化させることによって行う作用効果>
各セル内の発電環境(温度や生成水量)によってエージング効果に違いが生じるが、不活性ガスを混合することは、各セル内の発電環境にほとんど変化をもたらすことなく、エージングを促進させることができる。
【0038】
以上で説明したように、本実施形態では、燃料電池10の電位を0.4V以下の範囲とすることで、エージング中で最も時間の要する被毒物除去を効率的に行うことができるとともに、不活性ガスの流量調整による燃料電池10の電位制御を行うことで、液水量の低減を防止し、エージング促進に対して必要な湿潤を確保できるので、エージング時間を効果的に短縮することができる。
【0039】
[燃料電池(燃料電池スタック)の発電性能およびエージング時間を評価した実験とその結果]
本発明者等は、図1に基づき説明した如くの燃料電池(燃料電池スタック)を作製し、燃料ガス用のガス配管および酸化剤ガス用のガス配管を介して、燃料ガスとしての水素および酸化剤ガスとしての空気をアノード側電極およびカソード側電極に供給してエージング発電を実施し(実施例、比較例)、そのときの発電性能(出力特性)およびエージング時間を評価した。
【0040】
<実施例および比較例のエージング方法>
エージング発電中の実施例および比較例のそれぞれの発電パターンは、図4(A)、(B)に示すように、0→600Aまでの階段状パターン(詳しくは、電流が0→150A→300A→450A→600Aとステップ状に漸次増加するパターン)で同じであるが、実施例では、600Aに到達後、一定時間後に酸化剤ガスとしての空気に窒素ガスを混合し始めた。実施例の窒素ガス量は、電圧がほぼ0Vに達するときの量を上限として、ゼロ(このときの電位は約0.4Vに相当)から上限の間を複数回変動させた。
【0041】
一方、比較例では、窒素ガスを混合しなかった。
【0042】
なお、実施例および比較例において、酸化剤ガスとしての空気の流量は、それぞれの電流値に対してストイキ1.2で実施した。
【0043】
また、ここでは、実施例および比較例のエージング時間は同じ(エージング時間T)とした。
【0044】
<エージング後の出力の評価結果>
前記したエージング後の実施例および比較例の出力を測定した結果、以下の表1で示すように、実施例および比較例の出力はそれぞれ、エージングを十分に実施した後の燃料電池の出力(つまり、目標となる出力)に対して、96%および93%であった。
〈表1〉
【0045】
この実験結果より、実施例では、比較例よりも短いエージング時間で同等の発電性能を得ることができる、言い換えれば、エージング時間を短縮できることが実証された。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1…セル(燃料電池セル)、2…MEGA、3…セパレータ、4…膜電極接合体(MEA)、5…電解質膜、6…電極(アノード、カソード)、7…ガス拡散層、10…燃料電池(燃料電池スタック)、11,12…ガス配管、13…冷却水配管、21,22…ガス流路、23…水が流通する空間
図1
図2
図3
図4