(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981886
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】枠材及び枠材の取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/62 20060101AFI20211206BHJP
E06B 1/56 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
E06B1/62 Z
E06B1/56 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-9638(P2018-9638)
(22)【出願日】2018年1月24日
(65)【公開番号】特開2019-127739(P2019-127739A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 涼
(72)【発明者】
【氏名】荒川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】西塔 都志雄
【審査官】
芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−147123(JP,A)
【文献】
特開2003−166379(JP,A)
【文献】
特開平10−184200(JP,A)
【文献】
特開2010−270541(JP,A)
【文献】
実開平2−20684(JP,U)
【文献】
特開昭58−7078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00− 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に固定される固定用フィン部と、前記固定用フィン部よりも室外側に配置した防水用フィン部とを有し、前記防水用フィン部の室外側表面と、前記躯体の室外側に設けられた断熱材の室外側表面とにわたって防水部材が設けられる枠材であって、
前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間には、前記断熱材に対して見付け方向に並設される補助断熱材が装着され、
前記固定用フィン部は、前記防水用フィン部よりも突出長さが大きく構成され、前記補助断熱材は前記断熱材側に位置する端面が前記固定用フィン部の延在端面から突出した状態で前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間に装着されていることを特徴とする枠材。
【請求項2】
前記補助断熱材は、前記固定用フィン部の延在端面に接触していることを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項3】
前記固定用フィン部において前記防水用フィン部よりも突出した部分には、ネジ挿通孔が形成され、
前記補助断熱材には、前記ネジ挿通孔に対向する部位にネジ貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項4】
躯体に固定される固定用フィン部と、前記固定用フィン部よりも室外側に配置した防水用フィン部とを有し、前記防水用フィン部の室外側表面と、前記躯体の室外側に設けられた断熱材の室外側表面とにわたって防水部材を設けるようにした枠材の取付構造であって、
前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間には、前記断熱材に対して見付け方向に並設される補助断熱材が装着されており、
前記固定用フィン部は、前記防水用フィン部よりも突出長さが大きく構成され、前記補助断熱材は前記断熱材側に位置する端面が前記固定用フィン部の延在端面から突出した状態で前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間に装着され、
前記断熱材及び前記補助断熱材が並設された状態で前記防水用フィン部の室外側表面と前記断熱材の室外側表面とにわたって前記防水部材が設けられていることを特徴とする枠材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠材及び枠材の取付構造に関するもので、特に、室外側表面に断熱材が設けられる躯体を取付対象とした枠材及び枠材の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
躯体に対して枠材を取り付ける場合には、枠材に設けられた固定用のフィン部を躯体の室外側表面に当接させた状態でフィン部を介して躯体にネジを螺合するようにしている。躯体の室外側表面に設けられる断熱材は、枠材が取り付けられた後、フィン部の室外側表面を覆った状態となる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、一般的な家屋においては、外壁材と躯体との間に通気層が確保されている。この通気層には、雨水等の水が浸入する場合がある。上述の建具では、外壁材と躯体との間に浸入した水が直接断熱材に触れることになるため、断熱材の劣化が促進されて建物の断熱性に支障を来すおそれがある。
【0004】
こうした事情に鑑みて本件出願人は、特許文献2において、躯体に固定される固定用フィン部と、固定用フィン部よりも室外側に配置した防水用フィン部とを有し、防水用フィン部の室外側表面と、躯体の室外側に設けられた断熱材の室外側表面とにわたって防水部材が設けられるものを提供している。この特許文献2によれば、防水用フィン部と断熱材とにわたって防水部材が設けられるため、外壁材と断熱材との間の通気層に雨水等の水が浸入した場合にも断熱材が水に濡れるおそれがなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平7−16876号公報
【特許文献2】特願2017−116860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、固定用フィン部及び防水用フィン部を有した枠材にあっては、予め躯体の表面に断熱材が取り付けられていた場合、固定用フィン部が断熱材に干渉することになり、固定用フィン部を躯体に取り付けることが困難となる。一方、固定用フィン部との干渉を避けるように躯体に断熱材を配置した場合には、固定用フィン部が取り付けられる部分を断熱材で覆うことができず、断熱性の点で問題を生じるおそれがある。従って、枠材の躯体への取り付けは、躯体に断熱材を取り付ける以前に行うことが好ましい。
【0007】
しかしながら、躯体に枠材を取り付けた後にあっては、躯体の室外側表面に対して防水用フィン部が突出した状態となる。このため、躯体の表面に断熱材を配置するには、防水用フィン部との接触を避けるように、側方から固定用フィン部と防水用フィン部との間に縁部を挿入しながら断熱材を躯体の表面に配置しなければならず、作業性を考慮した場合、特に断熱材の取り扱い性の観点からすれば、必ずしも好ましいとはいえない。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、躯体の室外側表面に設けられる断熱材の断熱性に支障を来すことなく、しかも作業性の向上を図ることのできる枠材及び枠材の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る枠材は、躯体に固定される固定用フィン部と、前記固定用フィン部よりも室外側に配置した防水用フィン部とを有し、前記防水用フィン部の室外側表面と、前記躯体の室外側に設けられた断熱材の室外側表面とにわたって防水部材が設けられる枠材であって、前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間には、前記断熱材に対して見付け方向に並設される補助断熱材が装着され
、前記固定用フィン部は、前記防水用フィン部よりも突出長さが大きく構成され、前記補助断熱材は前記断熱材側に位置する端面が前記固定用フィン部の延在端面から突出した状態で前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間に装着されていることを特徴とする。
また本発明は、上述した枠材において、前記補助断熱材は、前記固定用フィン部の延在端面に接触していることを特徴とする。
また本発明は、上述した枠材において、前記固定用フィン部において前記防水用フィン部よりも突出した部分には、ネジ挿通孔が形成され、前記補助断熱材には、前記ネジ挿通孔に対向する部位にネジ貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、固定用フィン部と防水用フィン部との間に補助断熱材が装着されているため、躯体の室外側に設けられる断熱材をこれら固定用フィン部と防水用フィン部との間に挿入する必要がない。従って、例えば躯体に枠材を取り付けた後においては、単に躯体の室外側に断熱材を配置すれば、見付け方向に隙間無く断熱材と補助断熱材とを並設させることができるようになる。これにより、その後、防水用フィン部の室外側表面と断熱材の室外側表面とにわたって防水部材を設けることで断熱材及び補助断熱材が水に濡れるおそれがなくなり、断熱性に支障を来すことなく、作業性の向上を図ることが可能となる。
【0012】
この発明によれば、固定用フィン部との干渉を避けるように躯体に予め断熱材を配置した場合にも、その後、枠材を取り付けることで、固定用フィン部が取り付けられる部分についても補助断熱材によって覆うことができるようになる。しかも、固定用フィン部及び防水用フィン部が補助断熱材によって覆われるため、枠材を単体で取り扱う場合に固定用フィン部や防水用フィン部が損傷する事態を招来するおそれがない。
【0014】
この発明によれば、補助断熱材が固定用フィン部を超えて突出しないため、外形寸法が増大することがなく、取り扱い性が損なわれるおそれがない。
【0016】
この発明によれば、躯体に枠材を取り付ける際には固定用フィン部の室外側表面が一部露出した状態となるため、例えば固定用フィン部を介して躯体にネジを螺合させる場合に断熱材や補助断熱材にネジを挿通するための孔を設ける必要がなくなる。従って、断熱材や補助断熱材の製造コストを低減することができるとともに、ネジを螺合する作業を容易、かつ正確に行うことができるようになる。
【0017】
また本発明に係る枠材の取付構造は、躯体に固定される固定用フィン部と、前記固定用フィン部よりも室外側に配置した防水用フィン部とを有し、前記防水用フィン部の室外側表面と、前記躯体の室外側に設けられた断熱材の室外側表面とにわたって防水部材を設けるようにした枠材の取付構造であって、前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間には、前記断熱材に対して見付け方向に並設される補助断熱材が装着されており、
前記固定用フィン部は、前記防水用フィン部よりも突出長さが大きく構成され、前記補助断熱材は前記断熱材側に位置する端面が前記固定用フィン部の延在端面から突出した状態で前記固定用フィン部と前記防水用フィン部との間に装着され、前記断熱材及び前記補助断熱材が並設された状態で前記防水用フィン部の室外側表面と前記断熱材の室外側表面とにわたって前記防水部材が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、固定用フィン部と防水用フィン部との間に補助断熱材が装着されているため、躯体の室外側に設けられる断熱材をこれら固定用フィン部と防水用フィン部との間に挿入する必要がない。従って、例えば躯体に枠材を取り付けた後においては、単に躯体の室外側に断熱材を配置すれば、見付け方向に隙間無く断熱材と補助断熱材とを並設させることができるようになる。これにより、防水用フィン部の室外側表面と断熱材の室外側表面とにわたって防水部材を設けることで断熱材及び補助断熱材が水に濡れるおそれがなくなり、断熱性に支障を来すことなく、作業性の向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、固定用フィン部と防水用フィン部との間に補助断熱材が装着されているため、躯体の室外側に設けられる断熱材をこれら固定用フィン部と防水用フィン部との間に挿入する必要がない。従って、例えば躯体に枠材を取り付けた後においては、単に躯体の室外側に断熱材を配置すれば、見付け方向に隙間無く断熱材と補助断熱材とを並設させることができるようになる。これにより、その後、防水用フィン部の室外側表面と断熱材の室外側表面とにわたって防水部材を設けることで断熱材及び補助断熱材が水に濡れるおそれがなくなり、断熱性に支障を来すことなく、作業性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態である枠材を適用した建具の縦断面図である。
【
図3】
図1に示した建具において枠材を躯体に取り付ける直前の状態を示す要部拡大横断面図である。
【
図4】
図1に示した建具に適用する枠材を示すもので、(a)は補助断熱材を装着した状態の断面図、(b)は補助断熱材を装着する以前の状態の断面図である。
【
図5-1】
図3に示した枠材の変形例1を示す要部断面図である。
【
図5-2】
図3に示した枠材の変形例2を示す要部断面図である。
【
図6】
図5−2に示した枠材を躯体に取り付ける第1例を示す要部断面図である。
【
図7】
図5−2に示した枠材を躯体に取り付ける第2例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る枠材及び枠材の取付構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び
図2は、本発明の実施の形態である枠材を適用した建具を示すものである。ここで例示する建具は、開口枠10に障子20を開閉可能に配設することによって構成したものである。この建具が設置される建物には、2つの柱1の間にまぐさ2及び窓台3を設けることによって矩形状の枠状躯体4が構成してある。枠状躯体4を含む建物の主要構造体には、室外側表面4aに断熱材30が配置され、さらに断熱材30との間に通気層Vを確保した状態で外壁材40が設けられることになる。断熱材30は、いわゆる付加断熱材と称されるもので、ウレタンフォーム等、緩衝材としても機能する樹脂によって予め平板状に成形されたものを適用している。
【0022】
建具の障子20は、矩形状を成す面材21の四周に上框22A、下框22B及び左右の縦框22Cを装着することによって構成したものである。面材21としては、2枚のガラスを積層して構成した複層ガラスを適用している。障子20を構成するそれぞれの框材22A,22B,22Cは、アルミニウム合金等の金属、もしくは樹脂によって成形した押し出し形材である。本実施の形態では、上框22A、下框22B及び左右の縦框22Cとして、互いに同一の断面形状を有するものを適用し、相互間を留め継ぎによって接合している。
【0023】
開口枠10は、上枠11A、下枠11B及び左右の縦枠11Cを四周枠組みすることによって構成したものである。開口枠10を構成するそれぞれの枠材11A,11B,11Cは、アルミニウム合金等の金属、もしくは樹脂によって成形した押し出し形材である。開口枠10を構成するそれぞれの枠材11A,11B,11Cとしては、框材22A,22B,22Cと同様、互いに同一の断面形状を有し、相互間を留め継ぎによって接合したものを適用している。
【0024】
以下、枠材11A,11B,11Cの構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について詳述する。なお、以下の説明においては、枠状躯体4に取り付けた状態の姿勢でそれぞれの構成を特定することとする。また、本実施の形態では便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った平面については、見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、上枠11Aや下枠11Bのように左右に沿った部材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向であり、縦枠11Cのように上下に沿った部材の場合、見込み方向に直交した左右に沿う方向である。見付け方向に沿った平面については、見付け面と称する場合がある。
【0025】
開口枠10を構成するそれぞれの枠材11A,11B,11Cは、
図1〜
図3に示すように、基板部12、固定用フィン部13及び防水用フィン部14を有している。基板部12は、見込み方向に沿って延在した平板状を成すものである。固定用フィン部13及び防水用フィン部14は、それぞれ基板部12の外周側となる見込み面から外周に向けてほぼ直角となるように延在した平板状部分である。室内側に位置する固定用フィン部13は、室外側に位置する防水用フィン部14に対してほぼ2倍の寸法を有するように形成してある。固定用フィン部13において防水用フィン部14よりも突出した部分には、長手に沿った複数箇所にネジ挿通孔13aが形成してある。固定用フィン部13の延在端部には、室内に臨む部位の全長に突条13bが設けてあり、防水用フィン部14の延在端縁部には、固定用フィン部13に対向する部位の全長に突条14aが設けてある。
【0026】
また、個々の枠材11A,11B,11Cには、固定用フィン部13と防水用フィン部14との間にそれぞれ補助断熱材15が装着してある。補助断熱材15は、枠状躯体4に配置した断熱材30と同じ材質から成り、かつ同一の板厚を有した平板状を成すもので、図には明示していないが、固定用フィン部13に対して接着材や両面テープ等の接着手段によって接着してある。
【0027】
図3に示すように、枠材11A,11B,11Cに装着された補助断熱材15は、外周側端面15aが固定用フィン部13よりも突出した状態にある。この補助断熱材15は、固定用フィン部13の室外側表面13c、固定用フィン部13の延在端面13d及び基板部12の外周側表面12aに対してはほぼ全面が接触し、かつ防水用フィン部14に対しては突条14aのみが接触している。補助断熱材15において枠材11A,11B,11Cのネジ挿通孔13aに対向する部位には、ネジ貫通孔15bが設けてある。ネジ貫通孔15bは、ネジ16を螺合する際に用いるスクリュードライバー等の工具の先端部が挿入可能となる寸法に形成した貫通孔である。
【0028】
上記のように構成した枠材11A,11B,11Cは、予め四周枠組みして開口枠10を構成し、かつ固定用フィン部13及び防水用フィン部14の間にそれぞれ補助断熱材15を装着した状態で枠状躯体4に取り付けられることになる。具体的に説明すると、まず、枠材11A,11B,11Cは、基板部12が枠状躯体4の内周側見込み面4bに対向した状態で固定用フィン部13が枠状躯体4の室外側表面4aに当接される。
【0029】
次いで、この状態から補助断熱材15のネジ貫通孔15b及び固定用フィン部13のネジ挿通孔13aを介して枠状躯体4にネジ16を螺合し、かつ基板部12の室内側縁部を介して枠状躯体4にネジ16を螺合すれば、
図1及び
図2に示すように、枠状躯体4に対して枠材11A,11B,11Cが固定された状態に維持される。枠状躯体4の内周側見込み面4bと枠材11A,11B,11Cの基板部12との間に生じる隙間には、ネジ16を螺合する以前に適宜スペーサ部材17を配置しておけば良い。
【0030】
ここで、この建具では、
図2の左方部分で示すように、枠状躯体4に対して先に開口枠10を取り付けた後においても、枠状躯体4の室外側に断熱材30を配置する作業が煩雑化することがない。すなわち、開口枠10を構成するそれぞれの枠材11A,11B,11Cには、固定用フィン部13と防水用フィン部14との間に予め補助断熱材15が装着されているため、枠状躯体4の室外側に配置される断熱材30の縁部を固定用フィン部13と防水用フィン部14との間に挿入する必要がない。従って、枠状躯体4に枠材11A,11B,11Cを取り付けた後においては、単に枠状躯体4の室外側に断熱材30を配置すれば、見付け方向に隙間無く断熱材30と補助断熱材15とを並設させることができるようになる。
【0031】
その後、
図2中の右方部分で示すように、防水用フィン部14の室外側表面14bと補助断熱材15の室外側表面15cと断熱材30の室外側表面30aとにわたって防水テープ(防水部材)50を貼り付ける。さらに、防水テープ50を覆い隠すように、防水用フィン部14の室外側表面14bから補助断熱材15の室外側表面15cを経て断熱材30の室外側表面30a全域にわたる部位に防水シート(防水部材)51を配設すれば、開口枠10、断熱材30及び補助断熱材15に対して所望の防水対策を施すことができる。
【0032】
すなわち、この状態においては、防水テープ50によって断熱材30と補助断熱材15との間及び補助断熱材15と防水用フィン部14との間の隙間が塞がれるとともに、防水シート51によって断熱材30及び補助断熱材15の室外側表面15cが完全に覆われた状態となる。従って、その後に配設した外壁材40との間の通気層Vに雨水等の水が浸入して断熱材30及び補助断熱材15に付着したとしても、その水が断熱材30や補助断熱材15の内部に浸入したり、断熱材30と補助断熱材15との隙間や補助断熱材15と防水用フィン部14との隙間から枠状躯体4側に浸入したりするおそれがなくなる。
【0033】
一方、枠状躯体4に対する枠材11A,11B,11Cの取り付けについては、
図3に示すように、固定用フィン部13との干渉を避けるように枠状躯体4に予め断熱材30を配置した後であっても良い。断熱材30を取り付けた後に枠材11A,11B,11Cを取り付ける場合であっても、固定用フィン部13と防水用フィン部14との間には既に補助断熱材15が装着されているため、固定用フィン部13が取り付けられる部分を補助断熱材15によって覆うことができ、建物の断熱性を損なうことがない。
【0034】
以上説明したように、この建具では、開口枠10を構成する枠材11A,11B,11Cに対して、枠状躯体4との取り付けに必要となる固定用フィン部13を設けるとともに、断熱材30の室外側表面30aに当接する防水用フィン部14を設けている。さらには、防水用フィン部14の室外側表面14bと断熱材30の室外側表面30aとにわたって防水テープ50及び防水シート51を設けるようにしている。従って、外壁材40との間の通気層Vに雨水等の水が浸入した場合にも、断熱材30が水に濡れることがなく、その断熱性に支障を来すおそれもない。
【0035】
しかも、固定用フィン部13と防水用フィン部14との間に補助断熱材15を装着しているため、断熱材30を配置する作業が煩雑化することはなく、建物全体を断熱材30及び補助断熱材15によって覆うことで所望の断熱性を確保することが可能となる。
【0036】
なお、上述した実施の形態では、枠状躯体4に配置された断熱材30の端面30bに対向する外周側端面15aが固定用フィン部13の延在端面13dから突出する状態で、枠材11A,11B,11Cに補助断熱材15を装着している。従って、
図4の(a)に示すように、枠状躯体4に取り付ける以前の状態で枠材11A,11B,11Cに異物Fが接近した場合にも、補助断熱材15が先に異物Fに接触することになり、固定用フィン部13や防水用フィン部14が直接異物Fに触れることおそれがない。すなわち、補助断熱材15が装着されていない場合には、
図4の(b)に示すように、固定用フィン部13や防水用フィン部14が直接異物Fに接触することになり、固定用フィン部13や防水用フィン部14に変形等の損傷を来すおそれがある。これに対して実施の形態によれば、補助断熱材15が緩衝材として機能することになり、固定用フィン部13や防水用フィン部14に損傷を来すおそれがなくなる。
【0037】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、
図5−1に示す変形例1のように、断熱材30側に位置する外周側端面115aが固定用フィン部13の延在端面13d以内となるように補助断熱材115を装着しても良いし、
図5−2に示す変形例2のように、断熱材30側に位置する外周側端面215aが防水用フィン部14の延在端面14c以内となるように補助断熱材215を装着することも可能である。
【0038】
すなわち、
図5−1に示した変形例1のように、補助断熱材115の外周側端面115aが固定用フィン部13の延在端面13d以内や
図5−2に示した変形例2のように、補助断熱材215の外周側端面215aが防水用フィン部14の延在端面14c以内となった枠材11A,11B,11Cにおいても、
図6に示すように、後から配置する断熱材30の縁部を固定用フィン部13と防水用フィン部14との間に挿入する作業が不要、もしくは軽減されることになり、補助断熱材115,215を装着していない枠材11A,11B,11Cに比べて作業性の向上を図ることが可能となる。しかも、変形例1によれば、補助断熱材115が枠材11A,11B,11Cから突出しないため、外形寸法が増大することがなく、部品単体としての取り扱い性が損なわれることもない。また、変形例1においては、実施の形態と同様、補助断熱材115にネジ貫通孔115bを設ける必要があるが、変形例2によれば、固定用フィン部13のネジ挿通孔13aが外部に露出した状態となり、補助断熱材215にネジ貫通孔を設ける必要がなくなるばかりでなく、枠材11A,11B,11Cを取り付ける際にネジ16を螺合する作業が容易、かつ正確となる利点もある。
【0039】
なお、変形例2においては、枠状躯体4に予め断熱材30を配置した後に枠材11A,11B,11Cを取り付けた場合、固定用フィン部13に断熱材30及び補助断熱材215のいずれにも覆われない部分が生じる。しかしながら、この場合であっても、
図7に示すように、固定用フィン部13にネジ16を螺合した後、断熱材30と補助断熱材215との間の隙間を埋めるように断熱性を有したスペーサ315を配設すればこれを解消することができ、作業性を損なうことなく建物に所望の断熱性を確保することが可能となる。
【0040】
なお、上述した実施の形態では、開口枠10を構成する上枠11A、下枠11B及び左右の縦枠11Cとして、互いに同一の断面形状を有し、相互間を留め継ぎによって接合したものを適用しているが、本発明はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0041】
4 枠状躯体、11A,11B,11C 枠材、13 固定用フィン部、13d 延在端面、14 防水用フィン部、14b 室外側表面、15,115,215 補助断熱材、15a,115a,215a 外周側端面、30 断熱材、30a 室外側表面、50 防水テープ、51 防水シート