特許第6981904号(P6981904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981904
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/08 20060101AFI20211206BHJP
   F24C 3/00 20060101ALI20211206BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   F24C3/08 Q
   F24C3/00 J
   F24C15/10 F
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-58000(P2018-58000)
(22)【出願日】2018年3月26日
(65)【公開番号】特開2019-168195(P2019-168195A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】青木 将二
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀幸
【審査官】 川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−249178(JP,A)
【文献】 特開2010−216775(JP,A)
【文献】 実開昭64−54608(JP,U)
【文献】 特開平10−205779(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0073730(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/08
F24C 3/00
F24C 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に開設したバーナ用開口を通して天板上に露出するコンロバーナを備えるガスコンロであって、天板のバーナ用開口の周縁部上面に、バーナ用開口の周縁とコンロバーナのバーナ用開口に挿通される部分との間の隙間を覆うように、環状のパッキンを介して載置される環状のバーナリングと、天板の下面に、天板のバーナ用開口の周縁部をバーナリングとの間で上下から狭圧するように配置される下リングとを備えるものにおいて、
バーナリングは、天板の上面に当接する外周縁部下端の天板当接部と、天板当接部よりも径方向内方部分で上方に窪む、パッキンが収納される凹部と、凹部の外周壁部から径方向内方に突出してパッキンの外周面に当接する位置決め部とを有し、位置決め部の径方向内方端寄りの部分の下面は、天板当接部よりも上方に位置することを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
請求項1記載のガスコンロであって、前記天板上に、前記バーナリングを囲う環状の五徳枠を有する五徳が載置され、バーナリングの外周縁部の周方向複数個所に、五徳枠から径方向内方に突出する周方向複数個所の突起部が係合する径方向内方に凹入した凹入部が設けられるものにおいて、前記凹部の外周壁部の各凹入部の周方向両側に位置する部分から径方向内方に突出するように前記位置決め部が設けられ、位置決め部の径方向内方端は、凹入部の径方向内方端よりも径方向内方に位置することを特徴とするガスコンロ。
【請求項3】
請求項1記載のガスコンロであって、前記天板上に、前記バーナリングを囲う環状の五徳枠を有する五徳が載置され、バーナリングの外周縁部の周方向複数個所に、五徳枠から径方向内方に突出する周方向複数個所の突起部が係合する径方向内方に凹入した凹入部が設けられるものにおいて、前記凹部の外周壁部の各凹入部に合致する部分から径方向内方に突出するように前記位置決め部が設けられることを特徴とするガスコンロ。
【請求項4】
前記パッキンの外周面に環状の溝が形成され、前記位置決め部の径方向内方端は、パッキンの外周面の溝に係合するように形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板に開設したバーナ用開口を通して天板上に露出するコンロバーナを備えるガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスコンロとして、天板のバーナ用開口の周縁部上面に、バーナ用開口の周縁とコンロバーナのバーナ用開口に挿通される部分との間の隙間を覆うように、環状のパッキンを介して載置される環状のバーナリングと、天板の下面に、天板のバーナ用開口の周縁部をバーナリングとの間で上下から狭圧するように配置される下リングとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このもので、バーナリングは、天板の上面に当接する外周縁部下端の天板当接部と、天板当接部よりも径方向内方部分で上方に窪む凹部とを有しており、この凹部にパッキンが収納されるようにしている。
【0003】
然し、上記従来例のものでは、パッキンの位置ずれで、パッキンの一部がバーナリングの天板当接部と天板との間に入り込み、バーナリングが天板上に浮いた状態で装着されてしまうことがある。この場合、バーナリングがコンロバーナの炎孔に近づいて、炎孔に形成される火炎からの熱を受けやすくなり、バーナリング上面の塗装劣化が促進されたり、バーナリングへの煮こぼれ汁の焦げ付きが促進される等の不具合が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−249178号公報(図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、バーナリングが天板上に浮いた状態で装着されることを防止できるようにしたガスコンロを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、コンロ本体と、コンロ本体の上面を覆う天板と、天板に開設したバーナ用開口を通して天板上に露出するコンロバーナとを備えるガスコンロであって、天板のバーナ用開口の周縁部上面に、バーナ用開口の周縁とコンロバーナのバーナ用開口に挿通される部分との間の隙間を覆うように、環状のパッキンを介して載置される環状のバーナリングと、天板の下面に、天板のバーナ用開口の周縁部をバーナリングとの間で上下から狭圧するように配置される下リングとを備えるものにおいて、バーナリングは、天板の上面に当接する外周縁部下端の天板当接部と、天板当接部よりも径方向内方部分で上方に窪む、パッキンが収納される凹部と、凹部の外周壁部から径方向内方に突出してパッキンの外周面に当接する位置決め部とを有し、位置決め部の径方向内方端寄りの部分の下面は、天板当接部よりも上方に位置することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、パッキンの外周面に位置決め部が当接することにより、パッキンがバーナリングの天板当接部から径方向内方に離れた状態で位置決めされる。そのため、天板当接部と天板との間にパッキンの一部が入り込むことを防止できる。但し、位置決め部の下面が天板に接していると、パッキンの圧縮で径方向外方に張り出そうとするパッキンの部分が位置決め部の下面と天板との間に食い込んで、バーナリングが押し上げられてしまうことがある。これに対し、本発明では、位置決め部の径方向内方端寄りの部分の下面が天板当接部よりも上方に位置するため、位置決め部の径方向内方端寄りの部分の下面と天板との間に、パッキンの圧縮で径方向外方に張り出すパッキン下部の張り出し部を受け入れる空隙が確保される。その結果、パッキン下部の張り出し部によってバーナリングが強く押し上げられることはなく、天板当接部と天板との間にパッキンの一部が入り込むことを防止できることと相俟って、バーナリングが天板上に浮いた状態で装着されることを防止できる。
【0008】
ところで、ガスコンロでは、一般的に、天板上に、バーナリングを囲う環状の五徳枠を有する五徳を載置し、バーナリングの外周縁部の周方向複数個所に、五徳枠から径方向内方に突出する周方向複数個所の突起部が係合する径方向内方に凹入した凹入部を設けて、五徳を所定位相で位置決めできるようにしている。このものでは、凹入部がパッキンに近づいて、凹入部の径方向内方端と天板との間にパッキンが入り込みやすくなる。
【0009】
そのため、上記凹部の外周壁部の各凹入部の周方向両側に位置する部分から径方向内方に突出するように上記位置決め部を設け、位置決め部の径方向内方端を、凹入部の径方向内方端よりも径方向内方に位置させるか、または、凹部の外周壁部の各凹入部に合致する部分から径方向内方に突出するように位置決め部を設けることが望ましい。これによれば、凹入部の近傍で、凹入部の径方向内方端よりも径方向内方に位置するようにパッキンを位置決めでき、凹入部の径方向内方端と天板との間にパッキンが入り込むことを確実に防止できる。
【0010】
また、本発明においては、パッキンの外周面に環状の溝が形成され、位置決め部の径方向内方端は、パッキンの外周面の溝に係合するように形成されることが望ましい。これによれば、バーナリングをその上面が下を向く反転姿勢にした状態で凹部へのパッキンのセット作業を行う際に、パッキンの溝に位置決め部の径方向内方端を係合させることにより、バーナリングをその上面が上方を向く正規姿勢にしてもパッキンが脱落せず、組付け作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態のガスコンロの要部の斜視図。
図2図1のII−II線で切断した切断側面図。
図3】実施形態のガスコンロに設けられたバーナリング、パッキン及び下リングの分離状態の斜め下方から見た斜視図。
図4図3のIV−IV線で切断した組み立て状態の拡大断面図。
図5】他の実施形態のバーナリング及びパッキンの斜め下方から見た斜視図。
図6図5のVI−VI線で切断した組み立て状態の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図2を参照して、1は、本発明の実施形態のガスコンロに設けられる天板を示している。天板1は、ガラス製の天板本体1aと、天板本体1aの下面に取り付けた板金製の裏板1bとで構成されている。また、ガスコンロは、天板1に開設したバーナ用開口11を通して天板1上に露出するコンロバーナ2と、天板1上にバーナ用開口11を囲うようにして載置される五徳3とを備えている。
【0013】
コンロバーナ2は、混合管21と、混合管21の下流端から上方に立ち上がってバーナ用開口11に挿通される内外2重の筒状のバーナボディ22と、バーナボディ22上に載置される環状のバーナヘッド23とを備えており、混合管21で生成された混合気(燃料ガスと一次空気の混合ガス)がバーナヘッド23の外周部に形成した多数の炎孔24から噴出して燃焼する。また、各コンロバーナ2には、五徳3に載置する調理容器の底面に当接する鍋底温度センサ25と、点火電極26と、火炎検知素子たる熱電対27とが付設されている。
【0014】
天板1の各バーナ用開口11の周縁部上面には、バーナ用開口11の周縁とコンロバーナ2のバーナ用開口11に挿通される部分であるバーナボディ22との間の隙間を覆うように環状のバーナリング4が環状のパッキン5を介して載置されている。また、天板1の下面には、天板1のバーナ用開口11の周縁部をバーナリング4との間で上下から狭圧するように下リング6が配置されている。
【0015】
図3図4を参照して、バーナリング4の内周縁の周方向複数個所には、下方にのびる垂下片部41が設けられ、下リング6の内周縁の周方向複数個所には、上方にのびる起立片部61が設けられている。垂下片部41には、係合孔41aが形成され、起立片部61には、径方向内方に張り出す凸部61aが形成されており、係合孔41aに径方向外方から凸部61aを係合させることで、バーナリング4と下リング6が連結される。また、下リング6の複数個所には、斜め上方に傾斜した板バネ部62が設けられている。そして、バーナリング4と下リング6を上記の如く連結した状態では、板バネ部62が天板1の下面に圧接して撓み、板バネ部62の撓み反力によりバーナリング4が下リング6を介して下方に引っ張られ、天板1のバーナ用開口11の周縁部がバーナリング4と下リング6とで上下から狭圧されて、パッキン5が圧縮される。
【0016】
バーナリング4は、天板1の上面に当接する外周縁部下端の天板当接部42と、天板当接部42よりも径方向内方部分で上方に窪む、パッキン5が収納される凹部43を有している。本実施形態では、バーナリング4が板金製であって、天板当接部42から径方向内方に折返した折返し部を有しており、この折返し部が凹部43の外周壁部43aとなっている。
【0017】
五徳3は、バーナリング4を囲う環状の五徳枠31と、五徳枠31に放射状に固定された複数の五徳爪32とを有している。また、五徳枠31から径方向内方に突出する周方向2箇所の突起部33が当該箇所の五徳爪32と一体に形成されている。また、バーナリング4の外周縁部の周方向2箇所に、径方向内方に凹入した凹入部44が設けられている。そして、五徳3の突起部33をバーナリング4の凹入部44に係合させることで、五徳3を所定の正規位相に位置決めできるようにしている。尚、五徳3が正規位相であれば、バーナヘッド23の大きな炎孔24が存在しない部分と同一方位に五徳爪32が存在して、大きな炎孔24に形成される火炎が五徳爪32に触れない。
【0018】
ところで、パッキン5の位置ずれで、パッキン5の一部がバーナリング4の天板当接部42と天板1との間に入り込んでしまうことがある。この場合、バーナリング4が天板1上に浮いた状態で装着され、バーナリング4がコンロバーナ2の炎孔24に近づいて、炎孔24に形成される火炎からの熱を受けやすくなり、バーナリング4の上面の塗装劣化が促進されたり、バーナリング4への煮こぼれ汁の焦げ付きが促進される等の不具合が発生する。
【0019】
そこで、バーナリング4に、凹部43の外周壁部43aから径方向内方に突出してパッキン5の外周面に当接する位置決め部45を設けている。これによれば、パッキン5がバーナリング4の天板当接部42から径方向内方に離れた状態で位置決めされる。そのため、天板当接部42と天板1との間にパッキン5の一部が入り込むことを防止できる。但し、位置決め部45の下面が天板1に接していると、パッキン5の圧縮で径方向外方に張り出そうとするパッキン5の部分が位置決め部45の下面と天板1との間に食い込んで、バーナリング4が押し上げられてしまうことがある。そこで、位置決め部45の少なくとも径方向内方端寄りの部分の下面を、天板当接部42よりも上方に位置させている。そのため、位置決め部45の径方向内方端寄りの部分の下面と天板1との間に、パッキン5の圧縮で径方向外方に張り出すパッキン下部の張り出し部5aを受け入れる空隙が確保される。その結果、パッキン下部の張り出し部5aによってバーナリング4が強く押し上げられることはなく、天板当接部42と天板1との間にパッキン5の一部が入り込むことを防止できることと相俟って、バーナリング4が天板1上に浮いた状態で装着されることを防止できる。
【0020】
ここで、位置決め部45を凹部43の外周壁部43aの全周に亘って設けることも可能である。但し、バーナリング4に上記の如く凹入部44を設けると、凹入部44がパッキン5に近づいて、凹入部44の径方向内方端と天板1との間にパッキンが入り込みやすくなる。そこで、本実施形態では、凹部43の外周壁部43aの各凹入部44の周方向両側に位置する部分から径方向内方に突出する舌片状の位置決め部45を設けている。位置決め部45の径方向内方端は、凹入部44の径方向内方端よりも径方向内方に位置している。これによれば、凹入部44の近傍で、凹入部44の径方向内方端よりも径方向内方に位置するようにパッキン5を位置決めでき、凹入部44の径方向内方端と天板1との間にパッキン5が入り込むことを確実に防止できる。
【0021】
また、図5図6に示す実施形態の如く、凹部43の外周壁部43aの凹入部44に合致する部分から径方向内方に突出するように位置決め部45を設けてもよい。このものでも、凹入部44の近傍で、凹入部44の径方向内方端よりも径方向内方に位置するようにパッキン5を位置決めでき、凹入部44の径方向内方端と天板1との間にパッキン5が入り込むことを確実に防止できる。
【0022】
また、上記実施形態では、パッキン5の外周面と内周面に環状の溝51が形成されている。そして、位置決め部45の径方向内方端を、パッキン5の外周面の溝51に係合するように形成している。これによれば、バーナリング4をその上面が下を向く反転姿勢にした状態で凹部43へのパッキン5のセット作業を行う際に、パッキン5の外周面の溝51に位置決め部45の径方向内方端を係合させることにより、バーナリング4をその上面が上方を向く正規姿勢にしてもパッキン5が脱落せず、組付け作業性が向上する。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、バーナリング4を板金製としているが、これを鋳造品や鍛造品とすることも可能である。この場合、位置決め部45を、舌片状ではなく、凹部43の上面に達するリブ状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1…天板、11…バーナ用開口、2…コンロバーナ、3…五徳、31…五徳枠、33…突起部、4…バーナリング、42…天板当接部、43…凹部、43a…凹部の外周壁部、44…凹入部、45…位置決め部、5…パッキン、51…溝、6…下リング。
図1
図2
図3
図4
図5
図6