(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981911
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】バーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置
(51)【国際特許分類】
B60T 11/18 20060101AFI20211206BHJP
B62L 3/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B60T11/18
B62L3/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-70989(P2018-70989)
(22)【出願日】2018年4月2日
(65)【公開番号】特開2019-181987(P2019-181987A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2020年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】酒井 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】傳田 昌弘
【審査官】
保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭58−163387(JP,U)
【文献】
特表2012−513927(JP,A)
【文献】
実開昭58−149274(JP,U)
【文献】
特開昭62−152993(JP,A)
【文献】
特表2003−535758(JP,A)
【文献】
特開2007−145320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T1/00−7/10
10/00−11/34
B62L1/00−5/20
G05G1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧マスタシリンダと、該液圧マスタシリンダのシリンダボディに形成されたレバーブラケットに回動可能に設けられる操作レバーと、該操作レバーと前記液圧マスタシリンダのピストンとの間に介装されるプッシュロッドとを備え、前記液圧マスタシリンダは、有底のシリンダ孔を備え、該シリンダ孔に内挿したピストンと前記シリンダ孔の底部との間に液圧室を画成したバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置において、
前記操作レバーと前記プッシュロッドとの間に、前記ピストンを作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークを調整する無効ストローク調整部材を設けるとともに、該無効ストローク調整部材は、無効ストロークの最大量と最小量とを規制する規制機構を備え、
前記無効ストローク調整部材は、
前記操作レバーの反液圧室側から前記液圧マスタシリンダに向けて貫通形成され、反液圧室側に大径挿通部を、液圧室側に雌ねじ部をそれぞれ備えた調整孔と、
前記雌ねじ部に螺合するとともに、該雌ねじ部から、先端側が反液圧室側に、基端側が液圧室側にそれぞれ突出可能な雄ねじ部と、
該雄ねじ部の基端に一体に連結され、前記プッシュロッドに当接する前記雌ねじ部よりも大径のプッシュロッド当接部とを備えたアジャスト部材と、
前記雌ねじ部から反液圧室側に突出する前記雄ねじ部の先端側に装着され、前記雄ねじ部を回動させる操作部材とを備え、
前記大径挿通部と前記雌ねじ部との間に段部を形成し、
前記規制機構は、
前記操作部材の基端と前記段部との当接にて無効ストロークの最小量を規制する第1規制構造と、
前記プッシュロッド当接部の反液圧室側面と前記操作レバーの液圧室側面との当接にて無効ストロークの最大量を規制する第2規制構造と
を備えていることを特徴とするバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置。
【請求項2】
前記操作レバーを、ハンドルバーのグリップ前方に配置されるレバー本体と、前記プッシュロッドを押動するノッカーとに分割し、前記レバー本体に前記大径挿通部を、前記ノッカーに前記雌ねじ部をそれぞれ形成し、
前記規制機構は、前記操作部材の基端部と前記ノッカーの反液圧室側面との当接にて前記第1規制構造が形成され、前記プッシュロッド当接部の反液圧室側面と前記ノッカーの液圧室側面との当接にて前記第2規制構造が形成されることを特徴とする請求項1記載のバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーハンドル車両のブレーキやクラッチに作動液を供給する液圧マスタシリンダと、該液圧マスタシリンダのシリンダボディに回動可能に設けられる操作レバーと、操作レバーと液圧マスタシリンダのピストンとの間に介装されるプッシュロッドとを備えたバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置に関し、詳しくは、ピストンを作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークを調整可能としたバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車等のバーハンドル車両に用いられる液圧マスタシリンダ装置では、操作レバーを、ハンドルバーのグリップ前方に配置されるレバー本体と、プッシュロッドを押動するノッカーとに分割し、該ノッカーにプッシュロッドに当接する調整ねじを螺合し、該調整ねじの先端に設けたヘッドにプッシュロッドを連結し、調整ねじを回動させることにより調整ねじのヘッドをノッカーから突出させ、プッシュロッドがピストンを作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークを調整できるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5071841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1のものでは、調整ねじを回動し、プッシュロッドに当接するヘッドがノッカーに当接することで、無効ストロークの最大量を規制することができるが、無効ストロークの最小量を規制することができないことから、運転者が過度な調整をしてしまう虞があった。
【0005】
そこで本発明は、操作レバーを操作によりピストンを作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークの調整を適正な範囲で行うことができるバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、液圧マスタシリンダと、該液圧マスタシリンダのシリンダボディに形成されたレバーブラケットに回動可能に設けられる操作レバーと、該操作レバーと前記液圧マスタシリンダのピストンとの間に介装されるプッシュロッドとを備え、前記液圧マスタシリンダは、有底のシリンダ孔を備え、該シリンダ孔に内挿したピストンと前記シリンダ孔の底部との間に液圧室を画成したバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置において、前記操作レバーと前記プッシュロッドとの間に、前記ピストンを作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークを調整する無効ストローク調整部材を設けるとともに、該無効ストローク調整部材は、無効ストロークの最大量と最小量とを規制する規制機構を備え
、前記無効ストローク調整部材は、前記操作レバーの反液圧室側から前記液圧マスタシリンダに向けて貫通形成され、反液圧室側に大径挿通部を、液圧室側に雌ねじ部をそれぞれ備えた調整孔と、前記雌ねじ部に螺合するとともに、該雌ねじ部から、先端側が反液圧室側に、基端側が液圧室側にそれぞれ突出可能な雄ねじ部と、該雄ねじ部の基端に一体に連結され、前記プッシュロッドに当接する前記雌ねじ部よりも大径のプッシュロッド当接部とを備えたアジャスト部材と、前記雌ねじ部から反液圧室側に突出する前記雄ねじ部の先端側に装着され、前記雄ねじ部を回動させる操作部材とを備え、前記大径挿通部と前記雌ねじ部との間に段部を形成し、前記規制機構は、前記操作部材の基端と前記段部との当接にて無効ストロークの最小量を規制する第1規制構造と、前記プッシュロッド当接部の反液圧室側面と前記操作レバーの液圧室側面との当接にて無効ストロークの最大量を規制する第2規制構造とを備えていることを特徴としている。
【0008】
さらに、前記操作レバーを、ハンドルバーのグリップ前方に配置されるレバー本体と、前記プッシュロッドを押動するノッカーとに分割し、前記レバー本体に前記大径挿通部を、前記ノッカーに前記雌ねじ部をそれぞれ形成し、前記規制機構は、前記操作部材の基端部と前記ノッカーの反液圧室側面との当接にて前記第1規制構造が形成され、前記プッシュロッド当接部の反液圧室側面と前記ノッカーの液圧室側面との当接にて前記第2規制構造が形成されると好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置によれば、無効ストローク調整部材に、無効ストロークの最大量と最小量とを規制する規制機構を設けたことにより、無効ストロークの調整を適正な範囲で行うことができる。
【0010】
さらに、請求項2の構造によれば、操作部材を回動させることにより、アジャスト部材のプッシュロッド当接部を介してプッシュロッドの初期位置が決定され、無効ストロークを無段階で容易に調整することができる。また、無効ストローク調整部材の構成部品のみで、無効ストロークの最大量と最小量とを規制する第1規制構造と第2規制構造とを形成することができ、別途に規制部品等を設ける必要がないことからコストが嵩む虞がない。
【0011】
また、請求項3の構造によれば、操作レバーをレバー本体とノッカーとに分割したタイプのバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の一形態例を示す車両用液圧マスタシリンダ装置の要部断面図である。
【
図3】同じく車両用液圧マスタシリンダ装置の正面図である。
【
図4】無効ストロークを調整した状態の断面図である。
【
図5】無効ストロークを調整した状態の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至
図5は、本発明のバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置の一形態例を示す図である。液圧マスタシリンダ装置1は、車体前部で図示しない前輪を操向するハンドルバー2のグリップ3近傍に取り付けられる液圧マスタシリンダ4と、該液圧マスタシリンダ4に敷設される操作レバー5と、該操作レバー5と液圧マスタシリンダ4のピストン6と間に介装されるプッシュロッド7とを備えている。
【0014】
液圧マスタシリンダ4は周知の縦置き型で、液圧マスタシリンダ4の縦長のシリンダボディ4aは、車体前部側に開口する有底のシリンダ孔4bを備え、該シリンダ孔4bの底部側にシリンダボディ4aと一体に形成されたブラケット半体4cと、別体の半割体ブラケット8とでグリップ3近傍のハンドルバー2を包持し、ブラケット半体4cと半割体ブラケット8をボルト9で締結することによって、ハンドルバー2の車体前部側に取り付けられる。
【0015】
シリンダ孔4bには、ピストン6がプライマリカップ10とセカンダリカップ11とを外嵌した状態で内挿され、該ピストン6とシリンダ孔4bの底部との間に液圧室12が画成され、シリンダ孔の底部には、液圧室12に連通する出力ポート13が設けられている。シリンダ孔4bの底部とピストン6との間にはリターンスプリング14が縮設され、該リターンスプリング14の弾発力によってピストン6が常時、シリンダ孔4bの開口方向に付勢され、プッシュロッド7との当接により後退限が規制されている。また、シリンダボディ4aの上部にはリリーフポート15とサプライポート16とを備えたリザーバ取付部4dが突設され、該リザーバ取付部4dにリザーバ(図示せず)が組み付けられる。さらに シリンダボディ4aの前端には、上下一対のレバーブラケット4e,4eが所定の間隙をおいて突設され、該レバーブラケット4e,4eに操作レバー5が回動可能に取り付けられる。
【0016】
操作レバー5は、グリップ3の車体前方に配設されるレバー本体17と、該レバー本体17の内側とシリンダボディ4aとの間に配設されるノッカー18とで構成され、操作レバー5とノッカー18とプッシュロッド7とに亘って、ピストン6を作動して液圧を発生させるまでの無効ストロークを調整する無効ストローク調整部材19が取り付けられている。
【0017】
レバー本体17は、前記レバーブラケット4e,4eに、ピボット20にて回動可能に軸支される回動基部17aと、グリップ3の車体前方に略沿って配設される操作部17bとを有し、回動基部17aの内側には、ノッカー18を収納する収容凹部17cが形成されている。回動基部17aは、上下に二股状に離間した板状の一対の腕部17d,17dと、これらの反液圧室側を連結する連結部17eとによって液圧室側が開口した断面コ字状に形成され、腕部17d,17dの内側に、前記収容凹部17cが形成されている。また、連結部17eには、液圧マスタシリンダ4に向けて、大径挿通部17fが貫通形成されている。
【0018】
ノッカー18は、ピボット20に回動可能に軸支される回動基部18aと、該回動基部18aからシリンダボディ4aの上方に延出される作用腕18bと、前記回動基部18aから液圧室側に突出し、ノッカー18の回動量を規制する回動規制片18cとを有している。作用腕18bは、大径挿通部17fに対応する位置の反液圧室側に雌ねじ部18dが、液圧室側に雌ねじ部18dよりも大径の大径収容部18eがそれぞれ同軸に連接され、作用腕18bの反液圧室側面18fには、雌ねじ部18dの開口周囲に凹部18g(本発明の段部)が形成されている。さらに、回動基部18aの反液圧室側とレバー本体17の車体内側部との間には、レバー本体17をピボット20を中心にグリップ側に付勢するスプリング部材21が介装されている。
【0019】
レバー本体17とノッカー18とは、レバー本体17の腕部17d,17dの間に形成された収容凹部17cにノッカー18の回動基部18aを差し込んで、カラー20aを挿通することで仮組みされた後、レバーブラケット4e,4eの間に挿入してカラー20aにピボット20を挿通することにより、レバー本体17とノッカー18とがピボット20回りに回動可能に軸支される。
【0020】
無効ストローク調整部材19は、大径挿通部17fと雌ねじ部18dと大径収容部18eとから成る調整孔19aと、雌ねじ部18dに螺合するアジャスト部材19bと、該アジャスト部材19bを作動させる操作部材19cとで構成されている。アジャスト部材19bは、先端側が雌ねじ部18dから反液圧室側に、基端側が雌ねじ部18dから液圧室側にそれぞれ突出可能に設けられる雄ねじ部19dと、該雄ねじ部19dの基端に一体に連結され、前記大径収容部18eに収容される雄ねじ部19dよりも大径のプッシュロッド当接部19eとを備え、プッシュロッド当接部19eの基端には、プッシュロッド7の半球状に形成された先端部7aを収容する半球状収容部19fが形成されている。また、プッシュロッド当接部19eの先端側外周には、大径収容部18eに摺接するシール部材22が嵌着されている。
【0021】
操作部材19cは、雌ねじ部18dから
反液圧室側に突出する雄ねじ部19dに装着される筒状部19gと、該筒状部19gの先端に設けられた大径の操作部19hとを備え、操作部19hを一方に回動させることにより、雄ねじ部19dが雌ねじ部18dから液圧室側に突出する突出量が調整され、プッシュロッド当接部19eを介してプッシュロッド7の初期位置が決定される。
【0022】
また、無効ストローク調整部材19は、無効ストロークの最大量と最小量とを規制する規制機構を備えており、該規制機構は、前記操作部材19cの基端部19iとノッカー18の反液圧室側面18fに形成した凹部18gとの当接にて無効ストロークの最小量を規制する第1規制構造が、プッシュロッド当接部19eの反液圧室側面19jと大径収容部18eの液圧室側面19kとの当接にて無効ストロークの最大量を規制する第2規制構造が形成されている。
【0023】
プッシュロッド7は、それぞれ半球状に形成された前記先端部7aと基端部7bとを有し、前記先端部7aをプッシュロッド当接部19eの半球状収容部19fに、基端部7bをピストン6の端部に形成した半球状係合部6aにそれぞれ揺動可能に連結させる。また、プッシュロッド7の中間部とシリンダ孔開口部との間にはダストブーツ23が配設されている。
【0024】
上述のように形成された液圧マスタシリンダ装置1は、例えば、
図1乃至
図3に示されるように、無効ストローク調整部材19の操作部材19cを回動して、プッシュロッド当接部19eの反液圧室側面19jと大径収容部18eの液圧室側面19kとを当接させることにより、最大の無効ストロークS1が設定される(第2規制機構)。この状態で、操作レバー5が操作されると、プッシュロッド7が無効ストローク調整部材19を介してピストン6を押動し、ピストン6は、リリーフポート15との間の設定された最大の無効ストロークS1を埋めながらシリンダ孔4bの底部側に押し込まれ、プライマリカップ10がリリーフポート15を閉塞した後に、液圧室12の作動液が徐々に昇圧され、昇圧された作動液が出力ポート13を介してブレーキに供給される。
【0025】
また、例えば、
図4及び
図5に示されるように、無効ストローク調整部材19の操作部材19cを回動して、操作部材19cの基端部19iとノッカー18の反液圧室側面18fに形成した凹部18gとを当接させることにより、最小の無効ストロークS2が設定される(第1規制機構)。この状態で、操作レバーが操作されると、プッシュロッド7が無効ストローク調整部材19を介してピストン6を押動し、ピストン6は、リリーフポート15との間の設定された最小の無効ストロークS2を埋めながらシリンダ孔4bの底部側に押し込まれ、プライマリカップ10がリリーフポート15を閉塞した後に、液圧室12の作動液が徐々に昇圧され、昇圧された作動液が出力ポート13を介してブレーキに供給される。
【0026】
本形態例は、上述のように第1規制機構及び第2規制機構によって規制された無効ストロークの適正な範囲で、操作部材19cを回動することにより、運転者が無効ストロークを無段階で最適な状態に調整することができる。また、第1規制機構及び第2規制機構は、無効ストローク調整部材19の構成部品のみで形成することができることから、別途に規制部品等を設ける必要がないことからコストが嵩む虞がない。
【0027】
なお、本発明は、上述の形態例に限るものではなく、ノッカーの反液圧室側面に凹部を設けていなくてもよい。また、ノッカーに大径収容部を設けていなくてもよく、プッシュロッド当接部の反液圧室側面とノッカーの液圧室側面との当接にて無効ストロークの最小量を規制するものでもよい。
【0028】
さらに、本発明は、レバー本体とノッカーとに分割されていない一体型の操作レバーを備えた液圧マスタシリンダ装置にも適用でき、操作レバーに大径挿通部と雌ねじ部とを備えた調整孔を形成し、大径挿通部と雌ねじ部との間に段部が設けらていれば差し支えない。この場合、第1規制構造は、操作部材の基端と段部との当接によるものとなり、第2規制構造は、プッシュロッド当接部の反液圧室側面と操作レバーの液圧室側面との当接によるものとなる。また、本発明は横型の液圧マスタシリンダを備えた液圧マスタシリンダ装置にも適用でき、液圧マスタシリンダの内部構造は任意である。さらに、本発明は、クラッチ用の液圧マスタシリンダ装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1…液圧マスタシリンダ装置、2…ハンドルバー、3…グリップ、4…液圧マスタシリンダ、4a…シリンダボディ、4b…シリンダ孔、4c…ブラケット半体、4d…リザーバ取付部、4e…レバーブラケット、5…操作レバー、6…ピストン、6a…半球状係合部、7…プッシュロッド、7a…先端部、7b…基端部、8…半割体ブラケット、9…ボルト、10…プライマリカップ、11…セカンダリカップ、12…液圧室、13…出力ポート、14…リターンスプリング、15…リリーフポート、16…サプライポート、17…レバー本体、17a…回動基部、17b…操作部、17c…収容凹部、17d…腕部、17e…連結部、17f…大径挿通部、18…ノッカー、18a…回動基部、18b…作用腕、18c…回動規制片、18d…雌ねじ部、18e…大径収容部、18f…反液圧室側面、18g…凹部、19…無効ストローク調整部材、19a…調整孔、19b…アジャスト部材、19c…操作部材、19d…雄ねじ部、19e…プッシュロッド当接部、19f…半球状収容部、19g…筒状部、19h…操作部、19i…基端部、19j…反液圧室側面、19k…液圧室側面、20…ピボット、20a…カラー、21…スプリング部材、22…シール部材、23…ダストブーツ