特許第6981941号(P6981941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6981941走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981941
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20211206BHJP
   B60W 30/00 20060101ALI20211206BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20211206BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   G08G1/16 E
   B60W30/00
   B60W40/04
   G08G1/00 X
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-160675(P2018-160675)
(22)【出願日】2018年8月29日
(65)【公開番号】特開2020-35155(P2020-35155A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 真由美
【審査官】 上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−030748(JP,A)
【文献】 特開2018−116409(JP,A)
【文献】 特開2017−182278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/00
B60W 40/04
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車の周囲に存在する手動運転車を検出する検出部と、
前記検出部によって前記手動運転車が検出された場合、当該手動運転車の走行を支援するように、前記自動運転車の走行を制御する走行制御部と
備え
前記走行制御部は、
複数の車線を有する道路において、前記手動運転車の車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御し、
前記検出部は、
前記複数の車線のうち、一の前記車線を走行する他の自動運転車である周辺自動運転車であって、目的地までの到着時間が予定よりも遅れている他の自動運転車である周辺自動運転車をさらに検出し、
前記走行制御部は、
前記周辺自動運転車が走行する前記一の車線への前記手動運転車の前記車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御すること
を特徴とする走行制御装置。
【請求項2】
前記走行制御部は、
前記自動運転車が走行する車線と、前記手動運転車が走行する車線とを、他の自動運転車との隊列走行によって区画する制御を行うこと
を特徴とする請求項に記載の走行制御装置。
【請求項3】
前記走行制御部は、
前記手動運転車の走行を支援するように、複数の前記自動運転車の走行を制御すること
を特徴とする請求項1または2に記載の走行制御装置。
【請求項4】
前記走行制御部は、
前記複数の自動運転車の走行を制御することで、当該複数の自動運転車を隊列走行させること
を特徴とする請求項に記載の走行制御装置。
【請求項5】
前記走行制御部の制御によって支援を受ける前記手動運転車に対して当該支援に関する支援情報を通知する通知部をさらに備えること
を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の走行制御装置。
【請求項6】
前記走行制御部は、
第1進行方向および第2進行方向の車線を複数含む道路において、当該道路の混雑特性に応じて前記自動運転車の走行を制御することで、前記第1進行方向の車線数および前記第2進行方向の車線数を制御すること
を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の走行制御装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する走行制御方法であって、
自動運転車の周囲に存在する手動運転車を検出する検出工程と、
前記検出工程によって前記手動運転車が検出された場合、当該手動運転車の走行を支援するように、前記自動運転車の走行を制御する走行制御工程と
を含み、
前記走行制御工程は、
複数の車線を有する道路において、前記手動運転車の車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御し、
前記検出工程は、
前記複数の車線のうち、一の前記車線を走行する他の自動運転車である周辺自動運転車であって、目的地までの到着時間が予定よりも遅れている他の自動運転車である周辺自動運転車をさらに検出し、
前記走行制御工程は、
前記周辺自動運転車が走行する前記一の車線への前記手動運転車の前記車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御すること
を特徴とする走行制御方法。
【請求項8】
自動運転車の周囲に存在する手動運転車を検出する検出手順と、
前記検出手順によって前記手動運転車が検出された場合、当該手動運転車の走行を支援するように、前記自動運転車の走行を制御する走行制御手順と
をコンピュータに実行させ
前記走行制御手順は、
複数の車線を有する道路において、前記手動運転車の車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御し、
前記検出手順は、
前記複数の車線のうち、一の前記車線を走行する他の自動運転車である周辺自動運転車であって、目的地までの到着時間が予定よりも遅れている他の自動運転車である周辺自動運転車をさらに検出し、
前記走行制御手順は、
前記周辺自動運転車が走行する前記一の車線への前記手動運転車の前記車線変更を制限する支援を行うように、前記自動運転車の走行を制御すること
を特徴とする走行制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一部または全部の運転操作を人が行わなくとも自動制御により車両を走行させる自動運転システムを搭載した自動運転車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6155973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の自動運転車が道路を走行する場合、自動運転車と手動運転車とが混走する状況が想定される。かかる場合、自動運転車は、他の自動運転車や手動運転車を検出して状況に合わせて適切に自動走行するが、手動運転車は、運転者の運転操作に委ねられるため、状況に合わせて適切な走行を行えないおそれがある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、手動運転車が状況に合わせて適切に走行することができる走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る走行制御装置は、検出部と、走行制御部とを備える。前記検出部は、自動運転車の周囲に存在する手動運転車を検出する。前記走行制御部は、前記検出部によって前記手動運転車が検出された場合、当該手動運転車を支援するように、前記自動運転車の走行を制御する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、手動運転車が状況に合わせて適切に走行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る走行制御処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る走行制御システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る走行制御装置の構成例を示す図である。
図4図4は、走行制御部の処理内容を示す図である。
図5図5は、走行制御部の処理内容を示す図である。
図6図6は、走行制御部の処理内容を示す図である。
図7図7は、通知部の処理内容を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る走行制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る走行制御装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る走行制御装置、走行制御方法および走行制御プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る走行制御装置が行う走行制御処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る走行制御処理の一例を示す図である。図1では、道路上を自動運転車CA1〜CA4および手動運転車CMが走行している場合を示す。また、図1では、自動運転車CA4が高速で道路を通過する状況を示している。なお、以下では、自動運転車CA1〜CA4を特に区別しない場合、単に自動運転車CAと記載する場合がある。
【0011】
自動運転車CAとは、人が行う運転操作の一部または全部を自動制御により実現する車両である。具体的には、自動運転車CAとは、走行環境の認識や周辺状況の監視、ならびに、発進・加速、操舵、および、制動・停止等の一部または全部の運転操作を、制御システムが自動で行う車両である。
【0012】
自動運転車CAは、例えば、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が策定した自動化レベルにおける「レベル4」、あるいは、米国のSAE(Society of Automotive Engineers)が策定した自動化レベルにおける「レベル4」および「レベル5」に該当する高度自動運転もしくは完全自動運転が可能な車両である。したがって、自動運転車CAの運転者は、自動運転中である場合、手動運転時に比べて、周囲に意識を集中しなくてよい。なお、自動運転車CAは、上記した高度自動運転あるいは完全自動運転に限定されるものではなく、運転操作の一部を自動制御する半自動運転が可能な車両であってもよい。
【0013】
また、手動運転車CMとは、非自動運転車であり、人が運転操作を全部行う車両である。具体的には、手動運転車CMとは、車両の発進・加速、操舵、および、制動・停止等の全部の運転操作を人が行う車両である。なお、自動運転車CAが上記した高度自動運転や完全自動運転である場合、手動運転車CMが、上記した半自動運転の車両であってもよい。
【0014】
また、図1では、1台の自動運転車CA1に実施形態に係る走行制御装置1が搭載されていることとするが、他の自動運転車CA2〜CA4にも走行制御装置1が搭載されてもよい。
【0015】
実施形態に係る走行制御方法は、走行制御装置1によって実行される。具体的には、実施形態に係る走行制御方法では、自動運転車CAの周辺に存在する手動運転車CMを検出した場合に、手動運転車CMを支援(サポート)するように、自動運転車CAの走行を制御する。
【0016】
ここで、図1に示すような状況、すなわち、自動運転車と手動運転車とが混走する状況が生じた場合、従来は、自動運転車が手動運転車を検出して危険回避行動等の制御を自動運転車側が行う場合がある。一方で、手動運転車側は、運転者の運転操作に委ねられるため、運転者が周囲に存在する自動運転車の状況を正確に把握し、状況に合わせて適切に走行することは容易ではない。
【0017】
例えば、図1に示すような状況において、手動運転車の運転者は、自動運転車(自動運転車CA4)が高速で走行することを把握していない場合、車線変更により自動運転車の進路を妨害してしまうおそれがあり、かつ、手動運転車の運転者は、自動運転車の高速走行に驚いてしまうおそれがある。つまり、従来は、自動運転車ではない車両である手動運転車が邪魔になったり、手動運転車が危険な状態になるおそれがある。
【0018】
また、仮に、自動運転車が普及して車線の概念が無くなる場合には、手動運転車の運転者は、どの位置を走行すべきかを把握することが難しくなる。
【0019】
そこで、実施形態に係る走行制御方法では、自動運転車CAの走行を制御することで、手動運転車CMの走行を積極的に支援する。具体的には、まず、実施形態に係る走行制御方法では、自動運転車CA1の周辺に存在する手動運転車CMを検出する(ステップS1)。
【0020】
手動運転車CMの検出は、例えば、自動運転車CA1に搭載された各種物標検出センサ(カメラや、レーダ装置等)により検出してもよく、周囲の他の自動運転車CA2〜CA4の物標検出センサによる検出結果を車車間通信により取得してもよく、手動運転車CMから車車間通信により手動運転車CMである旨を示す情報を取得してもよい。あるいは、手動運転車CMの検出は、自動運転車CAの乗員が携帯電話等の端末装置を操作して、手動運転車CMが周囲に存在する旨を走行制御装置1へ送信してもよい。
【0021】
つづいて、実施形態に係る走行制御方法では、手動運転車CMを検出した場合、手動運転車CMの走行を支援するように、自動運転車CA1〜CA4の走行を制御する(ステップS2)。図1に示す例では、実施形態に係る走行制御装置1は、自動運転車CA1の走行を制御するとともに、車車間通信により他の自動運転車CA2,CA3の走行を制御して、自動運転車CA1〜CA3を隊列走行させる。これにより、手動運転車CMが自動運転車CA4の進路へ車線変更できないようにする。換言すれば、複数の自動運転車CA1〜CA3の隊列走行により、手動運転車CMが走行可能な車線を制限し、特定の車線でしか走行できないようにする。
【0022】
これにより、手動運転車CMが自動運転車CA4の進路を妨害することを無くすことができる。また、自動運転車CA4の進路への車線変更をできないようにするため、手動運転車CMが高速走行する自動運転車CA4に驚くこともない。つまり、複数の自動運転車CAが協調することで、積極的に手動運転車CMの安全を守ることができる。
【0023】
また、仮に、車線の概念が無くなったとしても、自動運転車CA1〜CA3が隊列走行することで、隊列走行のラインを車線と見立てることができるため、手動運転車CMの運転者にとってどの位置を走行すべきかを容易に把握できる。
【0024】
このように、実施形態に係る走行制御方法によれば、自動運転車CAが積極的に手動運転車CMの走行を誘導することで、手動運転車CMが状況に合わせて適切に走行することができる。
【0025】
なお、図1では、実施形態に係る走行制御装置1は、自動運転車CAに搭載される車載装置として実現する場合を示したが、例えば、外部に設置されるサーバ装置として実現されてもよい。サーバ装置としての走行制御装置1は、各自動運転車CAの物標検出センサのセンサ値を取得することで手動運転車CMを検出し、ネットワークを介した通信により各自動運転車CAの走行を制御する。
【0026】
次に、図2を用いて、実施形態に係る走行制御システムSの構成について説明する。図2は、実施形態に係る走行制御システムSの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る走行制御システムSは、各自動運転車CA1〜CAnに搭載された走行制御装置1−1〜1−nと、各手動運転車CM1〜CMnに搭載されたナビゲーション装置50−1〜50−nと、サーバ装置SVとを含む。複数の走行制御装置1−1〜1−n、複数のナビゲーション装置50−1〜50−nおよびサーバ装置SVは、ネットワークNを介して接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。なお、複数の走行制御装置1−1〜1−nおよび複数のナビゲーション装置50−1〜50−nについて、特に区別しない場合、走行制御装置1およびナビゲーション装置50と記載する場合がある。
【0027】
走行制御装置1は、自動運転車CAの走行を自動で制御する制御装置である。走行制御装置1は、自動運転車CAの制御システムに組み込まれてもよく、あるは、ナビゲーション装置等のような車載装置に組み込まれてよい。あるいは、走行制御装置1は、上記した制御システムや車載装置等とは独立した装置として設けられてもよい。
【0028】
ナビゲーション装置50は、ユーザによって指定された目的地までの経路を設定するとともに、音声等により経路案内を行う車載装置である。なお、手動運転車CMに搭載される車載装置はナビゲーション装置50に限定されるものではなく、走行制御装置1やサーバ装置SVと通信可能な車載装置であれば任意の装置であってよい。つまり、ナビゲーション装置50に代えて、走行制御装置1が搭載されてもよい。かかる場合、走行制御装置1は、手動運転車CMが手動運転モードから自動運転モードに切り替わる、つまり、手動運転車CMから自動運転車CAに切り替わる場合に、走行を制御する。
【0029】
サーバ装置SVは、各種情報を自動運転車CAや手動運転車CMへ提供する情報提供装置である。サーバ装置SVは、例えば、走行制御装置1によって自動運転車CAの走行が制御され、手動運転車CMを支援している場合、支援に関する支援情報を走行制御装置1から取得し、ナビゲーション装置50へ支援情報を提供する。
【0030】
なお、図2では、自動運転車CAおよび手動運転車CMは、走行制御装置1およびナビゲーション装置50により車車間通信を行う場合を示したが、車車間通信が可能な装置はこれらに限定されるものではない。具体的には、車車間通信は、自動運転車CAおよび手動運転車CMに搭載された各種車載の端末装置や、搭乗者の携帯端末等の他の通信機器を用いて行われてもよい。あるいは、車車間通信は、通信機能を備えた車両、いわゆるコネクティッドカーとして構成された自動運転車CAおよび手動運転車CMにより行われてもよい。
【0031】
また、図2では、サーバ装置SVを含む走行制御システムSの場合を示したが、例えば、サーバ装置SVを含まない走行制御システムSであってもよい。つまり、図2では、自動運転車CAおよび手動運転車CMは、サーバ装置SVを経由して通信を行う走行制御システムS(C2S方式とも呼ばれる)を示したが、自動運転車CAおよび手動運転車CMは、サーバ装置SVを経由せずに通信を行う走行制御システム(P2P方式)であってよい。あるいは、C2S方式およびP2P方式の走行制御システムが混在してもよい。
【0032】
次に、図3を用いて、実施形態に係る走行制御装置1の構成について説明する。図3は、実施形態に係る走行制御装置1の構成例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、走行制御装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを備える。制御部3は、検出部31と、走行制御部32と、通知部33とを備える。
【0034】
通信部2は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、ナビゲーション装置50およびサーバ装置SVとの間で情報の送受信を行う。
【0035】
記憶部4は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部4は、上記した走行制御処理を実行するための各種プログラムの情報を記憶する。
【0036】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、走行制御装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0037】
なお、検出部31、走行制御部32および通知部33は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0038】
制御部3は、自動運転車CAの周囲に存在する手動運転車CMを検出し、手動運転車CMの走行を支援するように、自動運転車CAの走行を制御する。また、制御部3は、支援を受けている手動運転車CMに対して支援に関する支援情報を通知する。
【0039】
検出部31は、自動運転車CAの周囲に存在する手動運転車CMを検出する。例えば、検出部31は、手動運転車CMのナビゲーション装置50と通信することにより、手動運転車CMであることを示す情報を検出する。検出部31が検出する手動運転車CMの数は、1台でもあってもよく、複数台であってもよい。
【0040】
また、例えば、検出部31は、自車両である自動運転車CAの物標検出センサのセンサ値を取得し、かかるセンサ値に基づいて手動運転車CMを検出してもよい。なお、物標検出センサとは、例えば、自動運転車CAの周囲を撮像するカメラや、電波やレーザー光により周囲の物標を検出するレーダ装置等である。例えば、カメラの場合、カメラ画像に基づいて車両内に運転者がいることを検出することで手動運転車CMであることを検出する。また、レーダ装置の場合、車両の走行の不安定さ(車速がばらつくことや、走行位置がばらつくこと等)を検出することで手動運転車CMであることを検出する。
【0041】
また、検出部31は、上記した車車間通信や、物標検出センサ等により、手動運転車CMの走行位置や、走行速度、車両形状、目的地までの走行経路等の情報を検出してもよい。
【0042】
また、検出部31は、他の自動運転車CAの走行制御装置1が検出した手動運転車CMに関する情報を車車間通信により取得することで、手動運転車CMを検出してもよい。
【0043】
あるいは、検出部31による手動運転車CMの検出は、手動運転車CMと直接通信して行う場合に限定されず、例えば、手動運転車CMに関する車両情報を記憶したサーバ装置を介して行ってもよい。具体的には、かかるサーバ装置が車両情報として、手動運転車CMであるか否かの情報や、手動運転車CMの車種や、形状、色、ナンバー等といった車両の特徴に関する情報を記憶しておき、検出部31は、サーバ装置に記憶された車両情報に基づいて周囲に存在する車両が手動運転車CMであるか否かを判定してもよい。
【0044】
また、検出部31は、自車両の周辺を走行する他の自動運転車CAである周辺自動運転車を検出する。検出部31は、上記した車車間通信や、物標検出センサ等により、周辺自動運転車の走行位置や、走行速度、車両形状、目的地までの走行経路等の情報を検出する。
【0045】
走行制御部32は、検出部31によって手動運転車CMが検出された場合、手動運転車CMの走行を支援するように、自動運転車CAの走行を制御する。走行制御部32の制御対象は、自車両である自動運転車CAに限らず、他の自動運転車CAであってもよい。走行制御部32は、他の自動運転車CAの走行を制御する場合、車車間通信により他の自動運転車CAの走行制御装置1に制御内容を指示する。
【0046】
つまり、走行制御部32は、自車両や他の自動運転車CAを含めた複数の自動運転車CAの走行を制御する。例えば、走行制御部32は、複数の自動運転車CAの走行を制御することで、複数の自動運転車CAを隊列走行(図1参照)させる。このように、走行制御部32は、複数の自動運転車CAの走行を制御することで、複数の自動運転車CAによりフォーメーションを組んで手動運転車CMを支援することができる。
【0047】
また、走行制御部32は、手動運転車CMの走行を物理的に支援するように、自動運転車CAの走行を制御する。具体的には、走行制御部32は、上記したように、複数の自動運転車CAの隊列走行により、車線数を制御したり、手動運転車CMの車線変更ができないようにしたり、特定の車線あるいは特定の経路を走行するように誘導する。かかる点について、図4図6を用いて説明する。
【0048】
図4図6は、走行制御部32の処理内容を示す図である。まず、図4を用いて、走行制御部32の処理内容について説明する。図4では、自動運転車CA4が高速で通過する場合に、手動運転車CMの車線変更を制限する支援を示す。
【0049】
かかる場合に、まず、検出部31は、手動運転車CMを検出するとともに、周辺自動運転車である自動運転車CA4を検出する(以下、周辺自動運転車CA4)。例えば、検出部31は、複数の車線のうち、一の車線を走行する周辺自動運転車CA4を検出する。
【0050】
また、検出部31が検出する周辺自動運転車CA4とは、手動運転車CMの走行によって、自動運転の制御に支障がでる車両である。より具体的には、周辺自動運転車CA4とは、手動運転車CMによって進路が妨げられた場合に、急減速や、衝突回避行動等の走行制御を大幅に変更する必要がある車両である。
【0051】
例えば、検出部31は、手動運転車CMと自動運転車CAとの速度差が所定値以上、かつ、手動運転車CMと自動運転車CAとの距離が所定値以内である場合に、かかる自動運転車CAを周辺自動運転車として検出する。あるいは、検出部31は、目的地までの到着時刻が予定よりも大幅に遅れている自動運転車CAや、緊急を要する自動運転車CA等を周辺自動運転車として検出してもよい。
【0052】
つづいて、走行制御部32は、周辺自動運転車が走行する一の車線への手動運転車CMの車線変更を制限する支援を行うように、自動運転車CAの走行を制御する。具体的には、走行制御部32は、まず、手動運転車CMの車線L2と、周辺自動運転車の車線L1との間隔Dを算出する。
【0053】
つづいて、走行制御部32は、算出した間隔Dが自動運転車CA1〜CA3の車幅を超えている場合、手動運転車CMおよび周辺自動運転車CA4の間に、複数の自動運転車CA1〜CA3を隊列走行させる。つまり、走行制御部32は、手動運転車CMと、周辺自動運転車CA4との間に物理的な壁を作り、手動運転車CMが車線変更を行えないようにする。なお、図4では、複数の自動運転車CA1〜CA3により物理的な壁を作ったが、例えば、1台の自動運転車CAが手動運転車CMの真横につけることで、車線変更を制限してもよい。
【0054】
このように、走行制御部32は、複数の車線を有する道路において、手動運転車CMの車線変更を制限する支援を行うことで、自動運転車CAの自動走行が妨げられることを防ぎ、かつ、手動運転車CMの安全性を高めることができる。
【0055】
なお、走行制御部32は、算出した間隔Dが自動運転車CA1〜CA3の車幅以下であった場合、周辺自動運転車CA4に対して、間隔Dが車幅を超える距離まで右方向へ移動する制御を指示してもよい。
【0056】
また、走行制御部32は、手動運転車CMの車線変更を制限する支援を行ったが、例えば、隊列走行中の自動運転車CAの中に手動運転車CMを入れてあげる、すなわち、手動運転車CMの車線変更を促進する支援を行ってもよい。かかる場合、手動運転車CM側から金銭や所定の特典を受け取ってもよく、あるいは受け取らなくてもよい。
【0057】
また、走行制御部32は、車線変更を制限する支援に限らず、例えば、手動運転車CMを特定の車線へ誘導する支援や、特定の車線のみで走行させる支援、高速道路等において出口へ誘導する支援等を行ってもよい。
【0058】
あるいは、走行制御部32は、事故車である手動運転車CMを取り囲んで、所定の場所まで移動する間に手動運転車CMに他の車両が近づかないようにする支援を行ってもよい。
【0059】
また、例えば、走行制御部32は、自動運転車CAの隊列走行により、車線数を動的に制御してもよい。かかる点について、図5を用いて説明する。図5では、通常時の時間帯において上り車線(第1進行方向の一例)および下り車線(第2進行方向の一例)が共に2車線の道路について、車線数を動的に制御する場合について説明する。走行制御部32は、第1進行方向および第2進行方向の車線を複数含む道路において、当該道路の混雑特性に応じて自動運転車CAの走行を制御することで、第1進行方向の車線数および前記第2進行方向の車線数を制御する。
【0060】
例えば、図5に示すように、走行制御部32は、出勤時の時間帯と帰宅時の時間帯との混雑特性に応じて車線数を変更する制御を行う。なお、図5では、出勤時は上り車線が混雑し、下り車線が閑散とする状況であり、反対に、帰宅時は上り車線が閑散とし、下り車線が混雑する状況であることとする。
【0061】
図5に示すように、走行制御部32は、出勤時の時間帯において、通常時の下り車線の1つを上り方向へ走行する自動運転車CAの隊列走行により占領する。これにより、4車線の道路は、実質、上り車線が3車線となり、下り車線が1車線となる。これにより、出勤時における混雑の解消を容易にすることができる。
【0062】
また、図5に示すように、走行制御部32は、帰宅時の時間帯において、通常時の上り車線の1つを下り方向へ走行する自動運転車CAの隊列走行により占領する。これにより、4車線の道路は、実質、上り車線が1車線となり、下り車線が3車線となる。これにより、帰宅時における混雑の解消を容易にすることができる。
【0063】
このように、走行制御部32は、進行方向が異なる車線の車線数を混雑特性の応じて動的に制御することで、混雑時における周辺車両のスムーズな走行を可能とすることができる。
【0064】
なお、図5では、出勤時および帰宅時における車線数の制御、すなわち、1日の中での車線数の動的制御について説明したが、例えば、帰省ラッシュおよびUターンラッシュのように、日付毎に混雑状況が変わる場合には、日付毎に車線数を動的に制御してもよい。つまり、走行制御部32は、道路の混在特性に応じた車線数制御を行うことができる。
【0065】
また、車線数を動的に変更する他の例について図6を用いて説明する。図6は、走行制御部32の処理内容を示す図である。図6では、一の道路において、自動運転車用の車線と、手動運転車用の車線との車線数とを動的に変更する場合について説明する。
【0066】
例えば、走行制御部32は、一の道路において、手動運転車CMよりも自動運転車CAの交通量が多い場合(自動運転車>手動運転車)、自動運転車用の車線が手動運転車用の車線よりも車線数が多くなるように道路を区画する。
【0067】
換言すれば、走行制御部32は、手動運転車CMが走行する車線を、自動運転車CAの走行位置によって区画する制御を行う。これにより、手動運転車CMの運転者は、手動運転車用の車線を走行することで、自動運転車CAの走行を把握することなくスムーズな運転を行うことができ、また、自動運転車CAも手動運転車CMによる急激な制御の変更を行う必要がなくなるため、安定した自動走行を実現できる。
【0068】
また、走行制御部32は、一の道路において、手動運転車CMよりも自動運転車CAの交通量が少ない場合(自動運転車<手動運転車)、自動運転車用の車線が手動運転車用の車線よりも車線数が少なくなるように道路を区画する。
【0069】
このように、走行制御部32は、自動運転車CAの走行位置を制御することで、一の道路において車線数の増減が可能となるため、自動運転車CAおよび手動運転車CM双方がスムーズな走行を実現できる。
【0070】
なお、図6では、走行制御部32は、自動運転車用と手動運転車用とを区画したが、例えば、手動運転車用の車線を自動運転車CAによりさらに区画する制御を行ってもよい。
【0071】
また、図6では、走行する方向が同じ車線を動的に変更する場合について示したが、例えば走行する方向が逆向きの車線を動的に変更してもよい。
【0072】
例えば、走行制御部32は、出勤ラッシュ時には、混雑する上り車線の車線数を下り車線よりも多くし、帰宅ラッシュ時には、混雑する下り車線の車線数を上り車線よりも多くする制御を行ってもよい。
【0073】
あるいは、走行制御部32は、通常時は、走行する方向が一方向のみである道路において、逆走する手動運転車CMを検出した場合には、かかる手動運転車CMを退避させる区間においては、逆走を可能とする車線を区画する制御を行ってもよい。
【0074】
通知部33は、走行制御部32の制御によって支援を受ける手動運転車CMに対して支援に関する支援情報を通知する。かかる点について、図7を用いて説明する。
【0075】
図7は、通知部33の処理内容を示す図である。図7では、高速走行する自動運転車CA4の進路を妨げないように、自動運転車CA1〜CA3により手動運転車CMを囲むことで手動運転車CMの車線変更を制限する状況を示している。
【0076】
かかる場合において、手動運転車CMの運転者は、自動運転車CA1〜CA3に囲まれることに対して戸惑うおそれがある。そこで、通知部33は、手動運転車CMに対して支援情報を通知する。
【0077】
図7に示す例では、通知部33は、手動運転車CMのナビゲーション装置50の画面に「自動運転車が高速で通過するため、他の自動運転車により取り囲んでいます」といった支援情報を通知する。具体的には、支援情報には、支援を行った理由や、実際の支援の内容などが含まれる。なお、支援情報には、支援の期間(例えば、「自動運転車が通過するまで取り囲んでいます」)等の情報が含まれてもよい。
【0078】
このように、通知部33は、手動運転車CMに対して支援情報を通知することで、手動運転車CMの運転者が支援に対して戸惑うことを低減できる。
【0079】
なお、図7では、通知部33による通知タイミングは、支援を開始したタイミングである場合を示したが、例えば、支援前に予め支援情報を通知してもよい。例えば、通知部33は、「もうすぐ自動運転車が高速で通過しますので、○分後に他の自動運転車で取り囲みます」といった支援を行った理由や、実際の支援の内容に加え、支援開始タイミング(○分後)に関する情報を含む支援情報を通知してもよい。
【0080】
次に、図8を用いて、実施形態に係る走行制御装置1が実行する処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る走行制御装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0081】
図8に示すように、まず、検出部31は、自動運転車CAの周囲に存在する手動運転車CMを検出する(ステップS101)。
【0082】
つづいて、検出部31は、他の自動運転車CAの状況を検出する(ステップS102)。
【0083】
つづいて、走行制御部32は、検出部31による検出結果に基づいて、手動運転車CMの支援が必要か否かを判定する(ステップS103)。例えば、走行制御部32は、手動運転車CMと、自動運転車CAである周辺自動運転車との距離が所定距離以内、かつ、速度差が所定値以上であるかで判定する。
【0084】
走行制御部32は、手動運転車CMの支援が必要である場合(ステップS103,Yes)、手動運転車CMの走行を支援するように、自動運転車CAの走行を制御する(ステップS104)。なお、走行制御部32は、手動運転車CMの支援が必要でない場合(ステップS103,No)、処理を終了する。
【0085】
つづいて、通知部33は、走行制御部32の制御によって支援を受ける手動運転車CMに対して支援に関する支援情報を通知し(ステップS105)、処理を終了する。
【0086】
また、上述してきた実施形態にかかる走行制御装置1は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、実施形態に係る走行制御装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0087】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0088】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0089】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0090】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0091】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる走行制御装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部4内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0092】
上述してきたように、実施形態に係る走行制御装置1は、検出部31と、走行制御部32とを備える。検出部31は、自動運転車CAの周囲に存在する手動運転車CMを検出する。走行制御部32は、検出部31によって手動運転車CMが検出された場合、手動運転車CMの走行を支援するように、自動運転車CAの走行を制御する。
【0093】
これにより、手動運転車CMが状況に合わせて適切に走行することができる。
【0094】
また、走行制御部32は、手動運転車CMの走行を物理的に支援するように、自動運転車CAの走行を制御する。
【0095】
このように、手動運転車CMを物理的に支援することで、例えば、自動運転車CAとの接触等の物理的な安全性を高めることができる。
【0096】
また、走行制御部32は、手動運転車CMが走行する車線を、自動運転車CAの走行位置によって区画する制御を行う。
【0097】
これにより、手動運転車CMの運転者は、手動運転車用の車線を走行することで、自動運転車CAの走行を把握することなくスムーズな運転を行うことができ、また、自動運転車CAも手動運転車CMによる急激な制御の変更を行う必要がなくなるため、安定した自動走行を実現できる。
【0098】
また、走行制御部32は、複数の車線を有する道路において、手動運転車CMの車線変更を制限する支援を行うように、自動運転車CAの走行を制御する。
【0099】
これにより、自動運転車CAの自動走行が妨げられることを防ぎ、かつ、手動運転車CMの安全性を高めることができる。
【0100】
また、検出部31は、複数の車線のうち、一の車線を走行する他の自動運転車CAである周辺自動運転車をさらに検出する。走行制御部32は、周辺自動運転車が走行する一の車線への手動運転車CMの車線変更を制限する支援を行うように、自動運転車CAの走行を制御する。
【0101】
これにより、自動運転車CAの自動走行が妨げられることを防ぎ、かつ、手動運転車CMの安全性を高めることができる。
【0102】
また、走行制御部32は、手動運転車CMの走行を支援するように、複数の自動運転車CAの走行を制御する。
【0103】
これにより、複数の自動運転車CAによりフォーメーションを組んで手動運転車CMを支援することができるため、より柔軟な支援を行うことができる。
【0104】
また、走行制御部32は、複数の自動運転車の走行を制御することで、複数の自動運転車を隊列走行させる。
【0105】
これにより、例えば、手動運転車用の車線と、自動運転車用の車線とを区画する等の支援を行うことができるため、より適切な支援を行うことができる。
【0106】
また、実施形態に係る走行制御装置1は、通知部33をさらに備える。通知部33は、走行制御部32の制御によって支援を受ける手動運転車CMに対して支援に関する支援情報を通知する。
【0107】
これにより、手動運転車CMの運転者が支援に対して戸惑うことを低減できる。
【0108】
また、実施形態に係る走行制御部32は、第1進行方向および第2進行方向の車線を複数含む道路において、当該道路の混雑特性に応じて自動運転車CAの走行を制御することで、第1進行方向の車線数および第2進行方向の車線数を制御する。
【0109】
これにより、進行方向が異なる車線の車線数を混雑特性の応じて動的に制御することで、混雑時における周辺車両のスムーズな走行を可能とすることができる。
【0110】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0111】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0112】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0113】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0114】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、検出部31は、検出手段や検出回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 走行制御装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 検出部
32 走行制御部
33 通知部
50 ナビゲーション装置
CA 自動運転車
CM 手動運転車
SV サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9