特許第6981944号(P6981944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6981944人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981944
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システム
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20211206BHJP
【FI】
   B62M6/45
【請求項の数】39
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-161669(P2018-161669)
(22)【出願日】2018年8月30日
(65)【公開番号】特開2020-32899(P2020-32899A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高山 仁志
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
【審査官】 福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−072080(JP,A)
【文献】 特開2017−043322(JP,A)
【文献】 特開2017−226296(JP,A)
【文献】 特開2016−088374(JP,A)
【文献】 特開2006−151289(JP,A)
【文献】 特開2015−020482(JP,A)
【文献】 特開2017−013524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト比で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト比で前記モータを制御し、
前記第1アシスト比は、前記第2アシスト比よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項2】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト力で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト力で前記モータを制御し、
前記第1アシスト力は、前記第2アシスト力よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項3】
前記傾斜状態は、前記人力駆動車の角度、前記人力駆動車の角速度、前記人力駆動車の操舵角、前記操舵角の角速度、および、前記人力駆動車に搭乗する搭乗者に関する角度の少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項4】
前記人力駆動車の角速度は、前記人力駆動車のヨーレートを含み、
前記第1傾斜状態の前記ヨーレートは、前記第2傾斜状態の前記ヨーレートよりも大きい、請求項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項5】
前記第1傾斜状態は、第1傾斜角度を含み、
前記第2傾斜状態は、第2傾斜角度を含み、
前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度と同じである、請求項1から4のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項6】
前記第1傾斜状態は、第1傾斜角度を含み、
前記第2傾斜状態は、第2傾斜角度を含み、
前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度とは異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記傾斜状態が前記第1傾斜角度以上になると、前記第1アシストモードに切り替えて前記モータを制御し、
前記第1アシストモードにおいて前記傾斜状態が前記第2傾斜角度以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記第2アシストモードに切り替えて前記モータを制御する、請求項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項8】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1傾斜状態は、第1傾斜角度を含み、
前記第2傾斜状態は、第2傾斜角度を含み、
前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度とは異なり、
前記制御部は、
前記傾斜状態が前記第1傾斜角度以上になると、前記第1アシストモードに切り替えて前記モータを制御し、
前記第1アシストモードにおいて前記傾斜状態が前記第2傾斜角度以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記第2アシストモードに切り替えて前記モータを制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項9】
前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度よりも大きい、請求項6から8のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項10】
前記第1傾斜角度および前記第2傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角、前記人力駆動車のピッチ角、前記人力駆動車のヨー角、前記人力駆動車の操舵角の少なくとも1つを含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項11】
前記第1傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角を含む、請求項6から10のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項12】
前記第1傾斜角度は、10度以上である、請求項6から11のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項13】
前記第2傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角を含む、請求項6から12のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項14】
前記第2傾斜角度は、5度以下である、請求項6から13のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記傾斜状態が第1閾値以上になると、前記モータを前記第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2閾値以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記モータを前記第2アシストモードで制御する、請求項1から14のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項16】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第1閾値以上になると、前記モータを前記第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2閾値以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記モータを前記第2アシストモードで制御する、人力駆動車用制御装置。
【請求項17】
前記第1閾値は、前記第2閾値と同じである、請求項15または16に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項18】
前記第1閾値は、前記第2閾値とは異なる、請求項15または16に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト比で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト比で前記モータを制御し、
前記第1アシスト比は、前記第2アシスト比よりも小さい、請求項8または16に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト力で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト力で前記モータを制御し、
前記第1アシスト力は、前記第2アシスト力よりも小さい、請求項8または16に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項21】
前記所定条件は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、前記クランクの回転量、および、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の少なくとも1つに基づいて規定される、請求項1から20のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項22】
前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する、請求項21に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後、前記所定条件が成立する前に前記第1傾斜状態になると前記経過時間をリセットする、請求項22に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項24】
前記制御部は、
前記第1アシストモードにおいて、前記人力駆動車に入力される人力駆動力が第1人力閾値になると、前記モータによる前記人力駆動車の推進のアシストを開始し、
前記第2アシストモードにおいて、前記人力駆動力が第2人力閾値になると、前記モータによる前記人力駆動車の推進のアシストを開始し、
前記第1人力閾値は、前記第2人力閾値よりも大きい、請求項1から23のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項25】
前記傾斜状態を検出する第1検出部をさらに備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項26】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト比で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト比で前記モータを制御し、
前記第1アシスト比は、前記第2アシスト比よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項27】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト力で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト力で前記モータを制御し、
前記第1アシスト力は、前記第2アシスト力よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項28】
前記所定条件は、前記入力状態が前記所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、および、前記クランクの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される、請求項26または27に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項29】
前記入力状態が前記所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する、請求項28に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項30】
前記制御部は、前記入力状態が前記所定入力状態になった後、前記所定条件が成立する前に前記入力状態が前記所定入力状態から外れ、かつ、前記傾斜状態が前記第1傾斜状態になると前記経過時間をリセットする、請求項29に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項31】
前記入力状態は、前記人力駆動車のクランクアームに関するケイデンスを含む、請求項26から30のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項32】
前記入力状態は、前記人力駆動車に入力されるトルクを含む、請求項26から31のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項33】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト比で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト比で前記モータを制御し、
前記第1アシスト比は、前記第2アシスト比よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項34】
人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、
前記傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御し、
前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト力で前記モータを制御し、
前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト力で前記モータを制御し、
前記第1アシスト力は、前記第2アシスト力よりも小さい、人力駆動車用制御装置。
【請求項35】
前記所定条件は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になり、かつ、前記人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、および、前記クランクの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される、請求項33または34に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項36】
前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になり、かつ、前記入力状態が所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する、請求項35に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項37】
前記傾斜状態を検出する第1検出部をさらに備える、請求項26から36のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項38】
前記入力状態を検出する第2検出部をさらに備える、請求項26から37のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項39】
請求項1から38のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置と、
前記モータと、を備える人力駆動車用駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車に搭載される各種のコンポーネントを制御する人力駆動車用制御装置が知られている。従来の人力駆動車用制御装置は、人力駆動車の推進をアシストするモータを、人力駆動車のクランクに入力される人力駆動力に応じて制御する。特許文献1は、従来の人力駆動車用制御装置の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−24416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車に搭乗する搭乗者が快適に走行できることが望ましい。
本発明の目的は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、前記制御部は、人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、前記傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。
前記第1側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の人力駆動車用制御装置において、前記所定条件は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、前記クランクの回転量、および、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の少なくとも1つに基づいて規定される。
前記第2側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の人力駆動車用制御装置において、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する。
前記第3側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になった後、前記所定条件が成立する前に前記第1傾斜状態になると前記経過時間をリセットする。
前記第4側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。また、第1アシストモードと第2アシストモードとを切り替える頻度を低減できる。
【0009】
前記第1〜第4側面のいずれか1つに従う第5側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト比で前記モータを制御し、前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト比で前記モータを制御し、前記第1アシスト比は、前記第2アシスト比よりも小さい。
前記第5側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態に応じたアシスト比でモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0010】
前記第1〜第4側面のいずれか1つに従う第6側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1アシストモードにおいて、第1アシスト力で前記モータを制御し、前記第2アシストモードにおいて、第2アシスト力で前記モータを制御し、前記第1アシスト力は、前記第2アシスト力よりも小さい。
前記第6側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態に応じたアシスト力でモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0011】
前記第1〜第6側面のいずれか1つに従う第7側面の人力駆動車用制御装置において、前記傾斜状態は、前記人力駆動車の角度、前記人力駆動車の角速度、前記人力駆動車の操舵角、前記操舵角の角速度、および、前記人力駆動車に搭乗する搭乗者に関する角度の少なくとも1つを含む。
前記第7側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の各種の傾斜状態に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の人力駆動車用制御装置において、前記人力駆動車の角速度は、前記人力駆動車のヨーレートを含み、前記第1傾斜状態の前記ヨーレートは、前記第2傾斜状態の前記ヨーレートよりも大きい。
前記第8側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車のヨーレートに応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0013】
前記第1〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜状態は、第1傾斜角度を含み、前記第2傾斜状態は、第2傾斜角度を含み、前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度と同じである。
前記第9側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜角度に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0014】
前記第1〜第8側面のいずれか1つに従う第10側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜状態は、第1傾斜角度を含み、前記第2傾斜状態は、第2傾斜角度を含み、前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度とは異なる。
前記第10側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜角度に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。また、第1傾斜角度および第2傾斜角度がヒステリシス特性を有するため、第1アシストモードと第2アシストモードとを切り替える頻度が過剰に高くなることを抑制できる。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜角度は、前記第2傾斜角度よりも大きい。
前記第11側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜角度に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。具体的には、人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜角度以上の場合に人力駆動車の推進力が小さくなると、人力駆動車に搭乗する搭乗者がコーナーを安定して走行できる。また、人力駆動車の傾斜状態が第2傾斜角度以下になった後に所定条件が成立するまで人力駆動車の推進力が小さい状態が維持されると、人力駆動車に搭乗する搭乗者がコーナーを安定して走行できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0016】
前記第10または第11側面に従う第12側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記傾斜状態が前記第1傾斜角度以上になると、前記第1アシストモードに切り替えて前記モータを制御し、前記第1アシストモードにおいて前記傾斜状態が前記第2傾斜角度以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記第2アシストモードに切り替えて前記モータを制御する。
前記第12側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜角度に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0017】
前記第10〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜角度および前記第2傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角、前記人力駆動車のピッチ角、前記人力駆動車のヨー角、前記人力駆動車の操舵角の少なくとも1つを含む。
前記第13側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の各種の傾斜角度に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0018】
前記第10〜第13側面のいずれか1つに従う第14側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角を含む。
前記第14側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車のロール角に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0019】
前記第10〜第14側面のいずれか1つに従う第15側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1傾斜角度は、10度以上である。
前記第15側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0020】
前記第10〜第15側面のいずれか1つに従う第16側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2傾斜角度は、前記人力駆動車のロール角を含む。
前記第16側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車のロール角に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0021】
前記第10〜第16側面のいずれか1つに従う第17側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2傾斜角度は、5度以下である。
前記第17側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0022】
前記第1〜第6側面のいずれか1つに従う第18側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記傾斜状態が第1閾値以上になると、前記モータを前記第1アシストモードで制御し、前記傾斜状態が第2閾値以下になった後に前記所定条件が成立すると、前記モータを前記第2アシストモードで制御する。
前記第18側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0023】
前記第18側面に従う第19側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1閾値は、前記第2閾値と同じである。
前記第19側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の好適な走行に貢献できる。
【0024】
前記第18側面に従う第20側面の人力駆動車用制御装置において、前記第1閾値は、前記第2閾値とは異なる。
前記第20側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の好適な走行に貢献できる。また、第1閾値および第2閾値がヒステリシス特性を有するため、第1アシストモードと第2アシストモードとを切り替える頻度が過剰に高くなることを抑制できる。
【0025】
前記第1〜第20側面のいずれか1つに従う第21側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1アシストモードにおいて、前記人力駆動車に入力される人力駆動力が第1人力閾値になると、前記モータによる前記人力駆動車の推進のアシストを開始し、前記第2アシストモードにおいて、前記人力駆動力が第2人力閾値になると、前記モータによる前記人力駆動車の推進のアシストを開始し、前記第1人力閾値は、前記第2人力閾値よりも大きい。
前記第21側面の人力駆動車用制御装置によれば、モータの駆動を開始するための人力駆動力の閾値がアシストモードに応じて変更されるため、傾斜状態に応じた好適なタイミングでモータの駆動が開始される。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0026】
前記第1〜第21側面のいずれか1つに従う第22側面の人力駆動車用制御装置において、前記傾斜状態を検出する第1検出部をさらに備える。
前記第22側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態が好適に検出されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0027】
本発明の第23側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。
前記第23側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態および人力駆動力に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0028】
前記第23側面に従う第24側面の人力駆動車用制御装置において、前記所定条件は、前記入力状態が前記所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、および、前記クランクの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される。
前記第24側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0029】
前記第24側面に従う第25側面の人力駆動車用制御装置において、前記入力状態が前記所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する。
前記第25側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0030】
前記第25側面に従う第26側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記入力状態が前記所定入力状態になった後、前記所定条件が成立する前に前記入力状態が前記所定入力状態から外れ、かつ、前記傾斜状態が前記第1傾斜状態になると前記経過時間をリセットする。
前記第26側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。また、第1アシストモードと第2アシストモードとを切り替える頻度を低減できる。
【0031】
前記第23〜第26側面のいずれか1つに従う第27側面の人力駆動車用制御装置において、前記入力状態は、前記人力駆動車のクランクアームに関するケイデンスを含む。
前記第27側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0032】
前記第23〜第27側面のいずれか1つに従う第28側面の人力駆動車用制御装置において、前記入力状態は、前記人力駆動車に入力されるトルクを含む。
前記第28側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0033】
本発明の第29側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車の推進をアシストするモータを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車の傾斜状態が第1傾斜状態になると、前記モータを第1アシストモードで制御し、前記傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、前記人力駆動車に入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、前記モータを前記第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。
前記第29側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態および人力駆動力に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0034】
前記第29側面に従う第30側面の人力駆動車用制御装置において、前記所定条件は、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になり、かつ、前記人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、前記人力駆動車のクランクの回転角度、および、前記クランクの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される。
前記第30側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0035】
前記第30側面に従う第31側面の人力駆動車用制御装置において、前記傾斜状態が前記第2傾斜状態になり、かつ、前記入力状態が所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、前記所定条件が成立する。
前記第31側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2アシストモードに関する制御が好適なタイミングで実行されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0036】
前記第23〜第31側面のいずれか1つに従う第32側面の人力駆動車用制御装置において、前記傾斜状態を検出する第1検出部をさらに備える。
前記第32側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動車の傾斜状態が好適に検出されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0037】
前記第23〜第32側面のいずれか1つに従う第33側面の人力駆動車用制御装置において、前記入力状態を検出する第2検出部をさらに備える。
前記第33側面の人力駆動車用制御装置によれば、人力駆動力の入力状態が好適に検出されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0038】
本発明の第34側面に従う人力駆動車用駆動システムは、前記人力駆動車用制御装置と、前記モータと、を備える。
前記第34側面の人力駆動車用駆動システムによれば、人力駆動車の傾斜状態に応じたアシストモードでモータが制御されるため、人力駆動車の推進が好適にアシストされる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システムによれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】第1実施形態の人力駆動車用駆動システムを含む人力駆動車の側面図。
図2図1の人力駆動車用駆動システムの構成を示すブロック図。
図3】人力駆動車の傾斜状態とアシストモードとの関係の一例を示すマップ。
図4】人力駆動力とモータ出力との関係の一例を示すグラフ。
図5図1の人力駆動車用制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図6】第2実施形態の人力駆動車用駆動システムの構成を示すブロック図。
図7図6の人力駆動車用制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図8】第3実施形態の人力駆動車用駆動システムにおいて、人力駆動車用制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
図9】変形例の人力駆動車用駆動システムにおいて、人力駆動車の傾斜状態とアシストモードとの関係の一例を示すマップ。
【発明を実施するための形態】
【0041】
<第1実施形態>
図1を参照して、人力駆動車用駆動システム1を含む人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する電動補助ユニットEを含む自転車である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、トレッキングバイクである。人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、前輪WF、後輪WR、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。
【0042】
ドライブトレインBは、例えばチェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットD1、リアスプロケットD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に回転可能に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。なお、ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0043】
フロントスプロケットD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクCに設けられる。リアスプロケットD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。チェーンD3は、フロントスプロケットD1およびリアスプロケットD2に巻き掛けられる。人力駆動車Aに搭乗する搭乗者によってペダルPDに加えられる人力駆動力は、フロントスプロケットD1、チェーンD3、および、リアスプロケットD2を介して後輪WRに伝達される。
【0044】
電動補助ユニットEは、人力駆動車Aの推進をアシストするように動作する。電動補助ユニットEは、例えばペダルPDに加えられる人力駆動力に応じて動作する。人力駆動力は、クランクCに与えられる回転トルク、クランクCの回転速度、および、クランクCの回転トルクとクランクCの回転速度との積である仕事率の少なくとも1つで示される。クランクCの回転トルクは、クランク軸C1に作用する回転トルク、および、クランクアームC2またはペダルPDに入力される人力トルクの少なくとも一方を含む。人力トルクは、クランク軸C1まわりの回転トルクである。クランクCの回転速度は、ケイデンスと同義である。一例では、人力駆動力を検出するためのセンサが人力駆動車Aに搭載される。電動補助ユニットEは、モータE1を含む。モータE1は、例えば減速機構を介してクランクCに接続される。電動補助ユニットEは、人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力によって動作する。なお、電動補助ユニットEは、人力駆動車Aの走行速度に応じて動作してもよい。
【0045】
図2を参照して、人力駆動車用駆動システム1の構成について説明する。
人力駆動車用駆動システム1は、人力駆動車用制御装置10と、モータE1とを備える。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの推進をアシストするモータE1を制御する制御部12を備える。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。制御部12は、例えば電動補助ユニットEのハウジングE2内に収容される。制御部12は、人力駆動車Aの推進をアシストするモータE1とは別に、人力駆動車Aに搭載される各種のコンポーネントを制御してもよい。人力駆動車用制御装置10は、各種の情報を記憶する記憶部14をさらに備える。記憶部14は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部14は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0046】
制御部12は、例えば人力駆動車Aの傾斜状態に応じた各種のアシストモードでモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると、モータE1を第1アシストモードで制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。本実施形態では、第2アシストモードは、人力駆動力に応じて動作する通常のアシストモードである。
【0047】
所定条件は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の経過時間、走行距離、人力駆動車AのクランクCの回転角度、クランクCの回転量、および、人力駆動車Aに入力される人力駆動力の少なくとも1つに基づいて規定される。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定時間が経過すると、所定条件が成立する。所定時間は、例えば人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを安定して走行させることが可能な状態になるまでに要する経過時間に基づいて予め設定される。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の経過時間が所定時間になると、所定条件が成立したと判定する。
【0048】
一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後に人力駆動車Aが所定距離走行すると、所定条件が成立する。所定距離は、例えば人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを安定して走行させることが可能な状態になるまでに要する走行距離に基づいて予め設定される。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の走行距離が所定距離になると、所定条件が成立したと判定する。
【0049】
クランクCの回転角度は、クランクCが回転した角度を示す。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後にクランクCが所定角度回転すると、所定条件が成立する。所定角度は、例えば人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを安定して走行させることが可能な状態になるまでに要するクランクCの回転角度に基づいて予め設定される。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後のクランクCの回転角度が所定角度になると、所定条件が成立したと判定する。
【0050】
クランクCの回転量は、クランクCが回転した回数を示す。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後にクランクCが所定回転量回転すると、所定条件が成立する。所定回転量は、例えば人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを安定して走行させることが可能な状態になるまでに要するクランクCの回転量に基づいて予め設定される。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後のクランクCの回転量が所定回転量になると、所定条件が成立したと判定する。
【0051】
一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後に人力駆動力が所定人力駆動力以上になると、所定条件が成立する。所定人力駆動力は、例えば人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを安定して走行させることが可能な状態になるまでに要する人力駆動力に基づいて予め設定される。所定人力駆動力は、人力駆動車Aに搭乗する搭乗者が人力駆動車Aを再加速させるために要する人力駆動力に基づいて予め設定されてもよい。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の人力駆動力が所定人力駆動力以上になると、所定条件が成立したと判定する。
【0052】
制御部12は、例えば第1リセット条件が成立すると、所定条件の判定に用いられる各種の要素を含む第1判定情報をリセットする。第1判定情報は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の経過時間、走行距離、クランクCの回転角度、クランクCの回転量、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。一例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると第1リセット条件が成立したと判定する。
【0053】
経過時間が第1判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の経過時間をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になると経過時間を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐに経過時間を再度カウントしてもよい。走行距離が第1判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の走行距離をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になると走行距離を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐに走行距離を再度カウントしてもよい。クランクCの回転角度が第1判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後のクランクCの回転角度をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になるとクランクCの回転角度を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐにクランクCの回転角度を再度カウントしてもよい。クランクCの回転量が第1判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後のクランクCの回転量をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になるとクランクCの回転量を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐにクランクCの回転量を再度カウントしてもよい。人力駆動力が第1判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後、所定条件が成立する前に第1傾斜状態になると、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の人力駆動力をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になると人力駆動力を再度演算してもよく、リセットされた後すぐに人力駆動力を再度演算してもよい。
【0054】
人力駆動車Aの傾斜状態は、人力駆動車Aの角度、人力駆動車Aの角速度、人力駆動車Aの操舵角、人力駆動車Aの操舵角の角速度、および、人力駆動車Aに搭乗する搭乗者に関する角度の少なくとも1つを含む。人力駆動車Aの角度は、人力駆動車Aのロール角、人力駆動車Aのピッチ角、および、人力駆動車Aのヨー角の少なくとも1つを含む。人力駆動車Aのロール角は、例えば鉛直面に対する人力駆動車Aの左右方向の傾きを規定する。一例では、人力駆動車Aのロール角が大きくなるにつれて鉛直面に対する人力駆動車Aの傾きが大きくなり、人力駆動車Aのロール角が小さくなるにつれて鉛直面に対する人力駆動車Aの傾きが小さくなる。人力駆動車Aのロール角は、水平面に対する人力駆動車Aの左右方向の傾きを規定してもよい。この場合、人力駆動車Aのロール角が大きくなるにつれて水平面に対する人力駆動車Aの傾きが大きくなり、人力駆動車Aのロール角が小さくなるにつれて水平面に対する人力駆動車Aの傾きが小さくなる。人力駆動車Aのピッチ角は、例えば水平面に対する人力駆動車Aの前後方向の傾きを規定する。一例では、人力駆動車Aのピッチ角が大きくなるにつれて前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して高くなり、人力駆動車Aのピッチ角が小さくなるにつれて前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して低くなる。別の一例では、人力駆動車Aのピッチ角が大きくなるにつれて前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して低くなり、人力駆動車Aのピッチ角が小さくなるにつれて前輪WFの高さ位置が後輪WRの高さ位置に対して高くなる。人力駆動車Aのヨー角は、例えば鉛直軸まわりの人力駆動車Aの回転を規定する。
【0055】
人力駆動車Aの角速度は、人力駆動車Aのヨーレートを含む。人力駆動車Aの角速度は、人力駆動車Aのヨーレートに代えてまたは加えて、人力駆動車Aのロー角速度および人力駆動車Aのピッチ角速度の少なくとも一方を含んでいてもよい。人力駆動車Aの操舵角は、例えばハンドルHの回転角度である。人力駆動車Aの操舵角の角速度は、例えばハンドルHの回転角速度である。人力駆動車Aに搭乗する搭乗者に関する角度は、人力駆動車Aに対する搭乗者の姿勢が反映された角度を含む。一例では、人力駆動車Aに搭乗する搭乗者に関する角度は、人力駆動車Aの角度と人力駆動車Aに対する搭乗者の姿勢との関係に基づいて規定される。
【0056】
本実施形態では、第1傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態は、第2傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態よりも大きい。第1傾斜状態は、例えば人力駆動車Aの傾斜量が相対的に大きい状態を示す。一例では、第1傾斜状態は、人力駆動車Aが傾斜している状態を示す。第1傾斜状態は、例えば人力駆動車Aの傾斜状態が大きくなる方向を規定する。一例では、第1傾斜状態は、人力駆動車Aの傾斜状態が大きくなるように、人力駆動車Aの傾斜状態が変化した状態を示す。第2傾斜状態は、例えば人力駆動車Aの傾斜量が相対的に小さい状態を示す。一例では、第2傾斜状態は、人力駆動車Aが実質的に傾斜していない状態を示す。人力駆動車Aが実質的に傾斜していない状態は、人力駆動車Aの傾きが復帰した状態、および、人力駆動車Aの傾きが復帰しそうな状態を含む。人力駆動車Aの傾きが復帰した状態は、人力駆動車Aが水平面に対して直立した状態を含む。第2傾斜状態は、例えば人力駆動車Aの傾斜状態が小さくなる方向を規定する。一例では、第2傾斜状態は、人力駆動車Aの傾斜状態が小さくなるように、人力駆動車Aの傾斜状態が変化した状態を示す。
【0057】
第1傾斜状態における各種の傾斜状態と、第2傾斜状態における各種の傾斜状態との関係は以下のとおりである。第1傾斜状態のロール角は、第2傾斜状態のロール角よりも大きい。第1傾斜状態のピッチ角は、第2傾斜状態のピッチ角よりも大きい。第1傾斜状態のヨー角は、第2傾斜状態のヨー角よりも大きい。第1傾斜状態のヨーレートは、第2傾斜状態のヨーレートよりも大きい。第1傾斜状態のロール角速度は、第2傾斜状態のロール角速度よりも大きい。第1傾斜状態のピッチ角速度は、第2傾斜状態のピッチ角速度よりも大きい。第1傾斜状態の操舵角は、第2傾斜状態の操舵角よりも大きい。第1傾斜状態の操舵角の角速度は、第2傾斜状態の操舵角の角速度よりも大きい。第1傾斜状態の搭乗者に関する角度は、第2傾斜状態の搭乗者に関する角度よりも大きい。
【0058】
図3は、人力駆動車Aの傾斜状態とアシストモードとの関係の一例を示す。
第1傾斜状態は、第1傾斜角度IA1を含む。第2傾斜状態は、第2傾斜角度IA2を含む。第1傾斜角度IA1は、第2傾斜角度IA2とは異なる。一例では、第1傾斜角度IA1は、第2傾斜角度IA2よりも大きい。
【0059】
第1傾斜角度IA1および第2傾斜角度IA2は、人力駆動車Aのロール角、人力駆動車Aのピッチ角、人力駆動車Aのヨー角、人力駆動車Aの操舵角の少なくとも1つを含む。本実施形態では、第1傾斜角度IA1は、人力駆動車Aのロール角を含む。第1傾斜角度IA1の大きさは、第1傾斜角度IA1の種類に基づいて予め設定される。好ましい例では、第1傾斜角度IA1は、5度以上である。さらに好ましい例では、第1傾斜角度IA1は、8度以上である。一例では、第1傾斜角度IA1は、10度以上である。本実施形態では、第2傾斜角度IA2は、人力駆動車Aのロール角を含む。第2傾斜角度IA2の大きさは、第2傾斜角度IA2の種類に基づいて予め設定される。好ましい例では、第2傾斜角度IA2は、10度以下である。さらに好ましい例では、第2傾斜角度IA2は、8度以下である。一例では、第2傾斜角度IA2は、5度以下である。
【0060】
制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。本実施形態では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態に応じて第1アシストモードと第2アシストモードとを交互に切り替えてモータE1を制御する。一例では、制御部12は、第2アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、第1アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜角度IA2以下になった後に所定条件が成立すると、第2アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。
【0061】
制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1閾値TI1以上になると、モータE1を第1アシストモードで制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2閾値TI2以下になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第2アシストモードで制御する。第1閾値TI1は、第2閾値TI2とは異なる。一例では、第1閾値TI1は、第2閾値TI2よりも大きい。第1閾値TI1は、例えば第1傾斜角度IA1を規定した閾値である。第2閾値TI2は、例えば第2傾斜角度IA2を規定した閾値である。制御部12は、人力駆動車Aの走行速度に応じて閾値TI1、TI2を変更してもよい。
【0062】
図4に示されるように、制御部12は、人力駆動力に応じてモータE1の出力が変化するようにモータE1を制御する。以下では、モータE1の出力をモータ出力と称する。モータ出力は、減速機構を介したモータE1の出力である。モータ出力は、モータE1の出力軸の出力であってもよい。モータ出力は、クランクCの回転トルク、クランクCの回転速度、および、仕事率の少なくとも1つで示される。モータ出力は、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力と同義である。
【0063】
制御部12は、第1アシストモードにおいて、人力駆動車Aに入力される人力駆動力が第1人力閾値TP1になると、モータE1による人力駆動車Aの推進のアシストを開始する。一例では、制御部12は、第1アシストモードにおいて、人力駆動力が第1人力閾値TP1未満の状態から第1人力閾値TP1以上の状態になるとモータE1の駆動を開始する。第1人力閾値TP1は、0よりも大きい。制御部12は、例えば第1アシストモードにおいて以下のとおりモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動力が大きくなるにつれてモータ出力が比例して大きくなるようにモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動力が第1所定閾値TH1以上になると、モータ出力が第1所定値VP1を維持するようにモータE1を制御する。第1所定閾値TH1は、第1人力閾値TP1よりも大きい。第1所定値VP1は、第1アシストモードにおけるモータ出力の上限値を規定している。制御部12は、例えば人力駆動力が第1人力閾値TP1以上かつ第1所定閾値TH1未満の範囲に含まれる場合、アシスト比が第1比率になるようにモータE1を制御する。アシスト比は、人力駆動力とモータ出力との比率である。図4の実線で示されるグラフは、第1アシストモードにおける人力駆動力とモータ出力との関係を示す。
【0064】
制御部12は、第2アシストモードにおいて、人力駆動車Aに入力される人力駆動力が第2人力閾値TP2になると、モータE1による人力駆動車Aの推進のアシストを開始する。一例では、制御部12は、第2アシストモードにおいて、人力駆動力が第2人力閾値TP2未満の状態から第2人力閾値TP2以上の状態になるとモータE1の駆動を開始する。第2人力閾値TP2は、0よりも大きい。第1人力閾値TP1は、第2人力閾値TP2よりも大きい。この場合、第1アシストモードにおける人力駆動車Aの推進のアシストを開始するタイミングが、第2アシストモードにおける人力駆動車Aの推進のアシストを開始するタイミングよりも遅い。なお、第2人力閾値TP2は、0であってもよい。
【0065】
制御部12は、例えば第2アシストモードにおいて以下のとおりモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動力が大きくなるにつれてモータ出力が比例して大きくなるようにモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動力が第2所定閾値TH2以上になると、モータ出力が第2所定値VP2を維持するようにモータE1を制御する。第2所定閾値TH2は、第2人力閾値TP2よりも大きい。第2所定値VP2は、第2アシストモードにおけるモータ出力の上限値を規定している。第2所定値VP2は、モータE1の出力上限値を規定している。一例では、第2所定値VP2は、第1所定値VP1よりも大きい。制御部12は、例えば人力駆動力が第2人力閾値TP2以上かつ第2所定閾値TH2未満の範囲に含まれる場合、アシスト比が第2比率になるようにモータE1を制御する。一例では、第2比率は、第1比率よりも大きい。図4に示される二点鎖線のグラフは、第2アシストモードにおける人力駆動力とモータ出力との関係を示す。なお、人力駆動力とモータ出力との関係は、道路交通法を基準に人力駆動車Aの走行速度に応じて規定される。
【0066】
制御部12は、例えば以下の第1例および第2例のいずれか一方に従ってモータE1を制御する。第1例では、制御部12は、第1アシストモードにおいて、第1アシスト比でモータE1を制御する。制御部12は、第2アシストモードにおいて、第2アシスト比でモータE1を制御する。第1アシスト比は、第2アシスト比よりも小さい。第2例では、制御部12は、第1アシストモードにおいて、第1アシスト力でモータE1を制御する。制御部12は、第2アシストモードにおいて、第2アシスト力でモータE1を制御する。第1アシスト力は、第2アシスト力よりも小さい。
【0067】
図2に示されるように、人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの傾斜状態を検出する第1検出部16をさらに備える。第1検出部16は、人力駆動車Aの角度、人力駆動車Aの角速度、人力駆動車Aの操舵角、人力駆動車Aの操舵角の角速度、および、人力駆動車Aに搭乗する搭乗者に関する角度の少なくとも1つを検出する。一例では、第1検出部16は、加速度センサ、角速度センサ、傾斜角センサ、磁気センサ、および、気圧センサの少なくとも1つを含む。第1検出部16は、例えば検出した各種の情報を制御部12に出力する。
【0068】
人力駆動車Aは、所定条件の判定に用いられる各種の要素を検出する検出部20をさらに含む。検出部20は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の経過時間、走行距離、クランクCの回転角度、クランクCの回転量、および、人力駆動力の少なくとも1つを検出する。一例では、検出部20は、所定条件の判定に用いられる各種の要素と対応する少なくとも1つのセンサを含む。検出部20は、例えば検出した各種の情報を制御部12に出力する。なお、所定条件の判定に用いられる各種の要素が第1検出部16によって検出可能である場合、検出部20を省略してもよい。
【0069】
図5を参照して、人力駆動車用制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、通常のアシストモードとして第2アシストモードでモータE1を制御する。制御部12は、ステップS11において、第1検出部16から取得した情報に基づいて、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS11において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になっていないと判定した場合、ステップS11の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS11において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったと判定した場合、ステップS12の処理に移行する。制御部12は、ステップS12において、第2アシストモードから第1アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第1アシストモードで制御し始める。
【0070】
制御部12は、ステップS13において、第1検出部16から取得した情報に基づいて、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS13において、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になっていないと判定した場合、ステップS13の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS13において、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になったと判定した場合、ステップS14の処理に移行する。
【0071】
制御部12は、ステップS14において、検出部20から取得した情報に基づいて、所定条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS14において、所定条件が成立していないと判定した場合、ステップS15の処理に移行する。制御部12は、ステップS15において、第1検出部16および検出部20から取得した各種の情報に基づいて、第1リセット条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS15において、第1リセット条件が成立していないと判定した場合、ステップS14に処理を戻す。一方、制御部12は、ステップS15において、第1リセット条件が成立したと判定した場合、ステップS16の処理に移行する。制御部12は、ステップS16において、第1判定情報をリセットする。制御部12は、ステップS16の処理を終えると、ステップS13に処理を戻す。制御部12は、ステップS16の処理を終えた後、ステップS14に処理を戻してもよい。
【0072】
制御部12は、ステップS14において、所定条件が成立したと判定した場合、ステップS17の処理に移行する。制御部12は、ステップS17において、第1アシストモードから第2アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第2アシストモードで制御し始める。以上の処理を経て、ステップS11〜ステップS17の処理を終了する。制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、ステップS11〜ステップS17の処理を繰り返す。
【0073】
人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になった場合に人力駆動車Aの推進が過剰にアシストされると、人力駆動車Aのコーナリングが安定しないことが想定される。また、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後すぐに人力駆動車Aの推進力が大きくなると、人力駆動車Aのコーナリングからの立ち上がりが安定しないことが想定される。人力駆動車用制御装置10はこの点を踏まえ、上述のとおりステップS11〜ステップS17の処理を実行する。この場合、人力駆動車Aの傾斜状態に応じたアシストモードでモータE1が制御されるため、人力駆動車Aの推進が好適にアシストされる。具体的には、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると第1アシストモードでモータE1が制御されるため、人力駆動車Aのコーナリングが安定しやすい。また、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後に所定条件が成立するまで第1アシストモードが継続され、所定条件が成立してから第2アシストモードに切り替えられるため、人力駆動車Aのコーナリングからの立ち上がりが安定しやすい。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0074】
<第2実施形態>
図6および図7を参照して、第2実施形態の人力駆動車用駆動システム1について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0075】
図6に示されるように、人力駆動車用駆動システム1は、人力駆動車用制御装置10と、モータE1とを備える。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの推進をアシストするモータE1を制御する制御部12を備える。人力駆動車用制御装置10は、各種の情報を記憶する記憶部14をさらに備える。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると、モータE1を第1アシストモードで制御する。制御部12は、人力駆動車Aに入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。
【0076】
所定条件は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、人力駆動車AのクランクCの回転角度、および、クランクCの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される。一例では、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間が所定時間になると、所定条件が成立したと判定する。一例では、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に人力駆動車Aが所定距離走行すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の走行距離が所定距離になると、所定条件が成立したと判定する。一例では、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後にクランクCが所定角度回転すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後のクランクCの回転角度が所定角度になると、所定条件が成立すると判定する。一例では、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後にクランクCが所定回転量回転すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後のクランクCの回転量が所定回転量になると、所定条件が成立したと判定する。
【0077】
制御部12は、例えば第2リセット条件が成立すると、所定条件の判定に用いられる各種の要素を含む第2判定情報をリセットする。第2判定情報は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、クランクCの回転角度、および、クランクCの回転量の少なくとも1つを含む。一例では、制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると第2リセット条件が成立したと判定する。
【0078】
経過時間が第2判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると経過時間をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動力の入力状態が所定入力状態になると経過時間を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐに経過時間を再度カウントしてもよい。走行距離が第2判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると走行距離をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動力の入力状態が所定入力状態になると走行距離を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐに走行距離を再度カウントしてもよい。クランクCの回転角度が第2判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になるとクランクCの回転角度をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動力の入力状態が所定入力状態になるとクランクCの回転角度を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐにクランクCの回転角度を再度カウントしてもよい。クランクCの回転量が第2判定情報に含まれる例では、制御部12は、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になるとクランクCの回転量をリセットする。この場合、制御部12は、リセットされた後に人力駆動力の入力状態が所定入力状態になるとクランクCの回転量を再度カウントしてもよく、リセットされた後すぐにクランクCの回転量を再度カウントしてもよい。
【0079】
人力駆動力の入力状態は、第1入力状態、第2入力状態、および、第3入力状態の少なくとも1つを含む。第1入力状態は、人力駆動車AのクランクアームC2に関するケイデンスを含む。第2入力状態は、人力駆動車Aに入力されるトルクを含む。人力駆動車Aに入力されるトルクは、クランクCの回転トルクと同義である。第3入力状態は、仕事率を含む。所定入力状態は、人力駆動車Aの傾きが復帰したことが想定される入力状態、または、人力駆動車Aの傾きが復帰しそうなことが想定される入力状態を基準に規定される。所定入力状態は、例えば第2傾斜状態において想定される人力駆動力の入力状態に基づいて規定される。一例では、所定入力状態は、第1傾斜状態において想定される人力駆動力の入力状態よりも大きい入力状態に設定される。
【0080】
本実施形態では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態および人力駆動力の入力状態に応じて、第1アシストモードと第2アシストモードとを交互に切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、例えば第2アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、例えば第1アシストモードにおいて人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、第2アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。
【0081】
人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの傾斜状態を検出する第1検出部16をさらに備える。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動力の入力状態を検出する第2検出部18をさらに備える。第2検出部18は、クランクCの回転トルク、クランクCの回転速度、および、仕事率の少なくとも1つを検出する。一例では、第2検出部18は、トルクセンサおよび磁気センサの少なくとも一方を含む。第2検出部18は、例えば検出した各種の情報を制御部12に出力する。なお、人力駆動力を検出するためのセンサの検出対象が第2検出部18の検出対象と同じである場合、第2検出部18を省略してもよい。
【0082】
図7を参照して、人力駆動車用制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、通常のアシストモードとして第2アシストモードでモータE1を制御する。制御部12は、ステップS21において、第1検出部16から取得した情報に基づいて、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS21において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になっていないと判定した場合、ステップS21の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS21において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったと判定した場合、ステップS22の処理に移行する。制御部12は、ステップS22において、第2アシストモードから第1アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第1アシストモードで制御し始める。
【0083】
制御部12は、ステップS23において、第2検出部18から取得した情報に基づいて、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS23において、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になっていないと判定した場合、ステップS23の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS23において、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になったと判定した場合、ステップS24の処理に移行する。
【0084】
制御部12は、ステップS24において、検出部20から取得した情報に基づいて、所定条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS24において、所定条件が成立していないと判定した場合、ステップS25の処理に移行する。制御部12は、ステップS25において、各検出部16、18、20から取得した各種の情報に基づいて、第2リセット条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS25において、第2リセット条件が成立していないと判定した場合、ステップS24に処理を戻す。一方、制御部12は、ステップS25において、第2リセット条件が成立したと判定した場合、ステップS26の処理に移行する。制御部12は、ステップS26において、第2判定情報をリセットする。制御部12は、ステップS26の処理を終えると、ステップS23に処理を戻す。制御部12は、ステップS26の処理を終えた後、ステップS24に処理を戻してもよい。
【0085】
制御部12は、ステップS24において、所定条件が成立したと判定した場合、ステップS27の処理に移行する。制御部12は、ステップS27において、第1アシストモードから第2アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第2アシストモードで制御し始める。以上の処理を経て、ステップS21〜ステップS27の処理を終了する。制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、ステップS21〜ステップS27の処理を繰り返す。なお、制御部12は、人力駆動車Aに搭載される操作装置の操作に応じて、図5に示されるステップS11〜ステップS17の処理と、図7に示されるステップS21〜ステップS27の処理とを切り替えて実行してもよい。
【0086】
<第3実施形態>
図6および図8を参照して、第3実施形態の人力駆動車用駆動システム1について説明する。第1実施形態および第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0087】
図6に示されるように、人力駆動車用駆動システム1は、人力駆動車用制御装置10と、モータE1とを備える。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの推進をアシストするモータE1を制御する制御部12を備える。人力駆動車用制御装置10は、各種の情報を記憶する記憶部14をさらに備える。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると、モータE1を第1アシストモードで制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動車Aに入力される人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第1アシストモードとは異なる第2アシストモードで制御する。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動車Aの傾斜状態を検出する第1検出部16をさらに備える。人力駆動車用制御装置10は、人力駆動力の入力状態を検出する第2検出部18をさらに備える。
【0088】
所定条件は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、人力駆動車AのクランクCの回転角度、および、クランクCの回転量の少なくとも1つに基づいて規定される。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定時間が経過すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間が所定時間になると、所定条件が成立したと判定する。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に人力駆動車Aが所定距離走行すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の走行距離が所定距離になると、所定条件が成立したと判定する。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後にクランクCが所定角度回転すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後のクランクCの回転角度が所定角度になると、所定条件が成立すると判定する。一例では、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後にクランクCが所定回転量回転すると、所定条件が成立する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後のクランクCの回転量が所定回転量になると、所定条件が成立したと判定する。
【0089】
制御部12は、例えば第3リセット条件が成立すると、所定条件の判定に用いられる各種の要素を含む第3判定情報をリセットする。第3判定情報は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後の経過時間、走行距離、クランクCの回転角度、および、クランクCの回転量の少なくとも1つを含む。一例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れ、かつ、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると第3リセット条件が成立したと判定する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後において、所定条件が成立する前に人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になると第3リセット条件が成立したと判定してもよく、所定条件が成立する前に人力駆動力の入力状態が所定入力状態から外れると第3リセット条件が成立したと判定してもよい。
【0090】
本実施形態では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態および人力駆動力の入力状態に応じて、第1アシストモードと第2アシストモードとを交互に切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、例えば第2アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、例えば第1アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になり、かつ、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になった後に所定条件が成立すると、第2アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。
【0091】
図8を参照して、人力駆動車用制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、通常のアシストモードとして第2アシストモードでモータE1を制御する。制御部12は、ステップS31において、第1検出部16から取得した情報に基づいて、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS31において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になっていないと判定した場合、ステップS31の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS31において、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜状態になったと判定した場合、ステップS32の処理に移行する。制御部12は、ステップS32において、第2アシストモードから第1アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第1アシストモードで制御し始める。
【0092】
制御部12は、ステップS33において、第1検出部16から取得した情報に基づいて、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS33において、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になっていないと判定した場合、ステップS33の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS33において、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になったと判定した場合、ステップS34の処理に移行する。
【0093】
制御部12は、ステップS34において、第2検出部18から取得した情報に基づいて、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になったか否かを判定する。制御部12は、ステップS34において、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になっていないと判定した場合、ステップS34の処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS34において、人力駆動力の入力状態が所定入力状態になったと判定した場合、ステップS35の処理に移行する。なお、制御部12は、ステップS34の処理を、ステップS33の処理よりも前に実行してもよい。
【0094】
制御部12は、ステップS35において、検出部20から取得した情報に基づいて、所定条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS35において、所定条件が成立していないと判定した場合、ステップS36の処理に移行する。制御部12は、ステップS36において、各検出部16、18、20から取得した各種の情報に基づいて、第3リセット条件が成立したか否かを判定する。制御部12は、ステップS36において、第3リセット条件が成立していないと判定した場合、ステップS35に処理を戻す。一方、制御部12は、ステップS36において、第3リセット条件が成立したと判定した場合、ステップS37の処理に移行する。制御部12は、ステップS37において、第3判定情報をリセットする。制御部12は、ステップS37の処理を終えると、ステップS33に処理を戻す。制御部12は、ステップS37の処理を終えた後、ステップS34またはステップS35に処理を戻してもよい。
【0095】
制御部12は、ステップS35において、所定条件が成立したと判定した場合、ステップS38の処理に移行する。制御部12は、ステップS38において、第1アシストモードから第2アシストモードに切り替える。すなわち、制御部12は、モータE1を第2アシストモードで制御し始める。以上の処理を経て、ステップS31〜ステップS38の処理を終了する。制御部12は、例えば人力駆動車Aの走行中において、ステップS31〜ステップS38の処理を繰り返す。なお、制御部12は、人力駆動車Aに搭載される操作装置の操作に応じて、図5に示されるステップS11〜ステップS17の処理、図7に示されるステップS21〜ステップS27の処理、および、図8に示されるステップS31〜ステップS38の処理を切り替えて実行してもよい。
【0096】
<変形例>
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う人力駆動車用制御装置および人力駆動車用駆動システムは、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0097】
・第1実施形態において、人力駆動車Aの傾斜状態とアシストモードとの関係は、任意に変更可能である。一例では、図9に示されるように、第1傾斜角度IA1は、第2傾斜角度IA2と同じである。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、第1アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜角度IA2未満になった後に所定条件が成立すると、第2アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1よりも大きくなると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御し、第1アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜角度IA2以下になった後に所定条件が成立すると、第2アシストモードに切り替えてモータE1を制御してもよい。第1閾値TI1は、第2閾値TI2と同じである。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1閾値TI1以上になると、モータE1を第1アシストモードで制御し、人力駆動車Aの傾斜状態が第2閾値TI2未満になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第2アシストモードで制御する。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第1閾値TI1よりも大きくなると、モータE1を第1アシストモードで制御し、人力駆動車Aの傾斜状態が第2閾値TI2以下になった後に所定条件が成立すると、モータE1を第2アシストモードで制御してもよい。
【0098】
・第1人力閾値TP1と第2人力閾値TP2との関係は、任意に変更可能である。第1例では、第1人力閾値TP1は、第2人力閾値TP2と同じである。第2例では、第1人力閾値TP1は、第2人力閾値TP2よりも小さい。この場合、第1人力閾値TP1は、0であってもよい。
【0099】
・モータE1の制御に関するアシストモードの種類は、任意に変更可能である。
第1例では、アシストモードは、第1アシストモード、第2アシストモード、および、第3アシストモードを含む。制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第3傾斜状態になると、モータE1を第3アシストモードで制御する。第3傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態は、第1傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態、および、第2傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態よりも大きい。第3傾斜状態は、第3傾斜角度を含む。第3傾斜角度は、第1傾斜角度IA1および第2傾斜角度IA2よりも大きい。第3傾斜角度は、人力駆動車Aのロール角、人力駆動車Aのピッチ角、人力駆動車Aのヨー角、人力駆動車Aの操舵角の少なくとも1つを含む。本変形例では、第3傾斜角度は、人力駆動車Aのロール角を含む。第3傾斜角度の大きさは、第3傾斜角度の種類に基づいて予め設定される。好ましい例では、第3傾斜角度は、10度以上である。さらに好ましい例では、第3傾斜角度は、15度以上である。一例では、第3傾斜角度は、20度以上である。制御部12は、第1アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第3傾斜角度以上になると、第3アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。
【0100】
制御部12は、第3アシストモードにおいて、人力駆動車Aに入力される人力駆動力が第3人力閾値になると、モータE1による人力駆動車Aの推進のアシストを開始する。一例では、制御部12は、第3アシストモードにおいて、人力駆動力が第3人力閾値未満の状態から第3人力閾値以上の状態になるとモータE1の駆動を開始する。第3人力閾値は、第1人力閾値TP1および第2人力閾値TP2よりも大きい。この場合、第3アシストモードにおける人力駆動車Aの推進のアシストを開始するタイミングが、第1アシストモードおよび第2アシストモードにおける人力駆動車Aの推進のアシストを開始するタイミングよりも遅い。第3人力閾値は、第1人力閾値TP1と同じであってもよい。制御部12は、第3アシストモードにおいて、第3アシスト比でモータE1を制御してもよく、第3アシスト力でモータE1を制御してもよい。第3アシスト比は、第1アシスト比および第2アシスト比よりも小さい。第3アシスト力は、第1アシスト力および第2アシスト力よりも小さい。
【0101】
第2例では、アシストモードは、第1アシストモード、第2アシストモード、および、第4アシストモードを含む。第4アシストモードは、第1アシストモードおよび第2アシストモードとは異なる。第4アシストモードは、人力駆動力に応じて動作する通常のアシストモードである。制御部12は、第2アシストモードにおいて切替条件が成立すると、第4アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。切替条件は、例えば第2アシストモードに切り替えられた後の経過時間、走行距離、クランクCの回転角度、クランクCの回転量、および、人力駆動力の少なくとも1つに基づいて規定される。制御部12は、第2アシストモードまたは第4アシストモードにおいて人力駆動車Aの傾斜状態が第1傾斜角度IA1以上になると、第1アシストモードに切り替えてモータE1を制御する。アシストモードは、上述の第3アシストモードをさらに含んでいてもよい。
【0102】
・第1傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態と、第2傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態との関係は、任意に変更可能である。一例では、第1傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態は、第2傾斜状態における人力駆動車Aの傾斜状態よりも小さい。この場合、第1傾斜状態における各種の傾斜状態と、第2傾斜状態における各種の傾斜状態との関係は以下のとおりである。第1傾斜状態のロール角は、第2傾斜状態のロール角よりも小さい。第1傾斜状態のピッチ角は、第2傾斜状態のピッチ角よりも小さい。第1傾斜状態のヨー角は、第2傾斜状態のヨー角よりも小さい。第1傾斜状態のヨーレートは、第2傾斜状態のヨーレートよりも小さい。第1傾斜状態のロール角速度は、第2傾斜状態のロール角速度よりも小さい。第1傾斜状態のピッチ角速度は、第2傾斜状態のピッチ角速度よりも小さい。第1傾斜状態の操舵角は、第2傾斜状態の操舵角よりも小さい。第1傾斜状態の操舵角の角速度は、第2傾斜状態の操舵角の角速度よりも小さい。第1傾斜状態の搭乗者に関する角度は、第2傾斜状態の搭乗者に関する角度よりも小さい。
【0103】
・制御部12の制御内容は、任意に変更可能である。第1例では、制御部12は、第1実施形態に関する制御において、第1リセット条件の成立の有無にかかわらず、第1判定情報をリセットしない。第2例では、制御部12は、第2実施形態に関する制御において、第2リセット条件の成立の有無にかかわらず、第2判定情報をリセットしない。第3例では、制御部12は、第3実施形態に関する制御において、第3リセット条件の成立の有無にかかわらず、第3判定情報をリセットしない。第4例では、制御部12は、人力駆動車Aの傾斜状態が第2傾斜状態になった後の所定条件が成立するまでに、第1アシストモードにおける第1アシスト比または第1アシスト力が第2アシストモードにおける第2アシスト比または第2アシスト力に近づけられるように、フィルタを用いてモータE1を制御してもよい。フィルタは、アクティブフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、平滑化フィルタ、移動平均フィルタ、デジタルフィルタ、および、アナログフィルタの少なくとも1つを含む。
【0104】
・人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、シティサイクル、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、人力駆動車Aは、キックスケータである。
【符号の説明】
【0105】
1…人力駆動車用駆動システム、10…人力駆動車用制御装置、12…制御部、16…第1検出部、18…第2検出部、A…人力駆動車、C…クランク、C2…クランクアーム、E1…モータ、IA1…第1傾斜角度、IA2…第2傾斜角度、TI1…第1閾値、TI2…第2閾値、TP1…第1人力閾値、TP2…第2人力閾値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9