(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981947
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】気泡発生装置及び気泡発生方法
(51)【国際特許分類】
B01F 5/06 20060101AFI20211206BHJP
B01F 3/04 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B01F5/06
B01F3/04 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-174957(P2018-174957)
(22)【出願日】2018年9月19日
(62)【分割の表示】特願2017-137063(P2017-137063)の分割
【原出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2019-18203(P2019-18203A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】510043205
【氏名又は名称】環境技術サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100209059
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 恵一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恭一
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−066285(JP,A)
【文献】
特開平08−281087(JP,A)
【文献】
特開2014−024039(JP,A)
【文献】
特開平2−279158(JP,A)
【文献】
特開平6−78963(JP,A)
【文献】
特開平7−779(JP,A)
【文献】
特開平10−277121(JP,A)
【文献】
特開2001−8854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00 − 15/06
B01D 61/00 − 71/82
C02F 1/66 − 1/68、
1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れ、かつ第1の穴が形成されている管部と、
前記管部の外側で、かつ前記第1の穴を覆うように設けられており、第2の穴が形成されている逆浸透膜により構成された膜と、
前記第2の穴の外側から加圧することにより前記第2の穴から気体を注入する気体注入部と、
を有し、
前記管部は、
前記第1の穴が形成されている中央管部と、
前記液体が流れる方向における前記中央管部の第1の側に設けられており、前記中央管部に向けて前記液体を流す、前記中央管部の内径よりも大きい内径を有する第1管部と、
前記液体が流れる方向における前記中央管部の第2の側に設けられており、前記中央管部から排出された前記液体を流す、前記中央管部の内径よりも大きい内径を有する第2管部と、
前記第1管部と前記中央管部との間に位置し、かつ、前記第1管部の内径から前記中央管部の内径に縮径する縮径部と、
前記中央管部と前記第2管部との間に位置し、かつ、前記中央管部の内径から前記第2管部の内径に拡径する拡径部と、
をさらに有することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
前記縮径部は、前記第1管部の内径から前記中央管部の内径に徐々に縮径する円錐形状を有することを特徴とする、
請求項1に記載の気泡発生装置。
【請求項3】
前記拡径部は、前記中央管部の内径から前記第2管部の内径に徐々に拡径する円錐形状を有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の気泡発生装置。
【請求項4】
前記第1の穴は、前記液体が流れる方向が長手方向の長方形であることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の気泡発生装置。
【請求項5】
液体が流れ、かつ第1の穴が形成されている管部を準備する工程と、
前記第1の穴を覆うように、前記管部の外側に第2の穴が形成されている逆浸透膜により構成された膜を装着させる工程と、
前記管部に前記液体を流す工程と、
前記液体を流している間に、前記第2の穴の外側から加圧することにより気体を注入する工程と、
を有し、
前記管部は、
前記第1の穴が形成されている中央管部と、
前記液体が流れる方向における前記中央管部の第1の側に設けられており、前記中央管部に向けて前記液体を流す、前記中央管部の内径よりも大きい内径を有する第1管部と、
前記液体が流れる方向における前記中央管部の第2の側に設けられており、前記中央管部から排出された前記液体を流す、前記中央管部の内径よりも大きい内径を有する第2管部と、
前記第1管部と前記中央管部との間に位置し、かつ、前記第1管部の内径から前記中央管部の内径に縮径する縮径部と、
前記中央管部と前記第2管部との間に位置し、かつ、前記中央管部の内径から前記第2管部の内径に拡径する拡径部と、
をさらに有する気泡発生方法。
【請求項6】
前記気体を注入する工程において、
密閉容器で前記膜を覆う工程と、
前記密閉容器に前記気体を注入する工程と、
前記気体が前記密閉容器に入った状態で、前記密閉容器内を加圧する工程と、
を有することを特徴とする、
請求項5に記載の気泡発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡発生装置及び気泡発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気泡発生装置が利用されている。特許文献1には、縮流部、スロート部、及び拡散部を有する空間において、当該空間を流れる液体の圧力変化を利用して液体中に気体を混合させて、微細気泡を発生させる気液混合装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4619316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で示す気液混合装置を用いて微細気泡を生成する場合、発生する気泡はマイクロサイズ(例えば直径数十μm程度)である。しかしながら、気泡の滞留時間を長くするために気泡のサイズをさらに小さくすることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、発生する気泡の大きさを小さくすることができる気泡発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、液体が流れ、かつ第1の穴が形成されている管部と、前記管部の外側で、かつ前記第1の穴を覆うように設けられており、第2の穴が形成されている膜と、前記第2の穴の外側から加圧することにより前記第2の穴から気体を注入する気体注入部と、を有することを特徴とする気泡発生装置を提供する。
【0007】
また、前記管部は、第1の内径を有する第1管部と、前記第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2管部と、前記第1管部と前記第2管部との間に位置し、かつ、前記第1の内径から前記第2の内径に拡径する拡径部と、を有し、前記第1の穴は、前記拡径部に形成されていてもよい。
【0008】
また、前記膜は、逆浸透膜であってもよい。また、前記気体注入部は、前記膜の外側に設けられており、かつ前記気体で満たされている密閉容器と、前記密閉容器の内側に前記気体を流す気体圧送部と、を有していてもよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、液体が流れ、かつ第1の穴が形成されている管部を準備する工程と、前記第1の穴を覆うように、前記管部の外側に第2の穴が形成されている膜を装着させる工程と、前記管部に前記液体を流す工程と、前記液体を流している間に、前記第2の穴の外側から加圧することにより気体を注入する工程と、を有する気泡発生方法を提供する。
【0010】
また、前記気体を注入する工程において、密閉容器で前記膜を覆う工程と、前記密閉容器に前記気体を注入する工程と、前記気体が前記密閉容器に入った状態で、前記密閉容器内を加圧する工程と、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発生する気泡の大きさを小さくし、超微細な気泡(例えば、ナノサイズ)を発生させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る気泡発生装置の構成を示す。
【
図3】第2の実施形態に係る気泡発生装置の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
[気泡発生装置Sの構成]
気泡発生装置Sは、ファインバブルを含む液体を発生させる装置である。ファインバブルは、例えば直径100μm以下の気泡であり、気泡の直径によって、マイクロバブル(直径1〜100μm)又はウルトラファインバブル(直径1μm以下)の気泡に分類される。
【0014】
ファインバブルは、例えば、気泡体積が微細であるため、上昇速度が遅く、長い間液体中に滞在することができる。ファインバブルは、複数の特異な性質を有するため、様々な産業分野での利用が期待されている。また、気泡径が小さくなるほど、持続時間の増加、浮力の減少、表面積増加、自己加圧効果の向上等が期待されるため、マイクロサイズよりも小さいナノサイズの気泡(ウルトラファインバブル)を生成することが求められている。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る気泡発生装置Sの構成を示す図である。
気泡発生装置Sは、管部1、膜2、及び気体注入部3を有する。管部1は、液体が流れる管である。液体は、例えば水である。膜2は、管部1において穴が形成されている領域を覆うように設けられている。膜2には、微細な穴が形成されており、気体注入部3から膜2を介して気体を管部1に注入することにより、管部1を流れる液体にナノサイズの気泡を発生させることができる。
【0016】
管部1は、第1管部12、第2管部13、及び拡径部14を有する。第1管部12は、第1の内径(R1)を有する。第2管部13は、第1の内径(R1)よりも大きい第2の内径(R2)を有する。第1管部12、第2管部13、及び拡径部14は、一体で成形されていてもよく、それぞれ独立した部材であってもよい。
【0017】
拡径部14は、第1管部12と第2管部13との間に位置し、かつ、第1の内径(R1)から第2の内径(R2)に拡径する部分である。拡径部14には、第1の穴11が形成されている。第1の穴11は、例えば細長いスリットであるが、第1の穴11の形状は任意である。また、第1の穴11の数は任意であり、拡径部14が網状の部材により形成されていてもよい。ただし、第1の穴11の大きさは、膜2の伸縮性に基づいて定められており、膜2に圧力が加わったとしても、膜2が拡径部14の内側にまで達しない大きさであることが好ましい。
【0018】
拡径部14は、第1の内径(R1)から第2の内径(R2)に徐々に拡径する円錐形状を有している。よって、拡径部14の内側を流れる水は、拡径部14の出口付近では、拡径部14の入口付近よりも流速が減少し、圧力が増加するので、拡径部14において圧力勾配が生じる。第1の穴11は、拡径部14に形成されている。拡径部14において圧力が高くなることにより、拡径部14に気体を注入することで発生した気泡が拡径部14の内側において粉砕されて微細な気泡に変化することが期待できる。
【0019】
膜2は、管部1の外側で、かつ第1の穴11を覆うように設けられている。具体的には、膜2は、円筒状に形成されており、第1の穴11を有する拡径部14の外側面に接着されている。膜2には、第2の穴21が形成されている。第2の穴21は、例えばナノサイズ(例えば数百ナノメートル以下)の穴である。第2の穴21の数は任意である。
【0020】
膜2は、例えば逆浸透膜(ROフィルム(Reverse Osmosis Membrane))である。逆浸透膜は、ろ過膜の一種であり、孔の大きさは概ね数ナノメートル以下である。
【0021】
気体注入部3は、第2の穴21の外側から、拡径部14の内部の圧力(例えば、拡径部14の第2管部13との境界位置での内部圧力)よりも高い圧力に加圧することにより第2の穴21から気体を注入する機能を有する。気体注入部3は、密閉容器31と気体圧送部32とを有する。密閉容器31は、膜2の外側に設けられており、かつ気体で満たされている容器である。気体圧送部32は、密閉容器31の内側に気体を流す機能を有する。気体圧送部32は、例えばコンプレッサである。
【0022】
気体圧送部32は、例えば空気を圧送するが、気体圧送部32が圧送する気体は、空気だけに限定されず任意である。気体圧送部32は、例えばオゾンや水素を圧送してもよい。
【0023】
第1の実施形態に係る気泡発生装置Sは、第1の穴11が形成されている管部1の外側を囲む、第2の穴21が形成されている膜2と、膜2の外側から加圧された気体を注入する気体注入部3とを有する。この結果、管部1内において、超微細(例えば、ナノサイズ)な気泡を発生させることができる。
【0024】
発生したナノサイズの超微細な気泡は、ブラウン運動で浮上することはなく長期間、水の中に留まることができる。よって、第1の実施形態に係る気泡発生装置Sは、バブルを含んだ状態を長時間継続させることができる。また、気泡発生装置Sは、当該気泡が破裂するときに発生するエネルギーで、膜2に形成されている第2の穴21の目詰まりが解消されることで、膜2の詰まりのサイクルが伸びることが期待できる。
【0025】
なお、上記実施形態では、第1の穴11は、拡径部14に形成されているとしたが、第1の穴11は、拡径部14以外の第1管部12又は第2管部13に形成されていてもよい。また、第2の内径(R2)は、第1の内径(R1)よりも大きいとしたが、第2の内径(R2)は、第1の内径(R1)と同じ長さであってもよい。
【0026】
[第1の実施形態に係る気泡発生方法]
次に、第1の実施形態に係る気泡発生装置Sによって気泡を発生させる方法を説明する。
図2は、第1の実施形態に係る気泡発生方法を示す図である。
まず、液体が流れ、かつ第1の穴11が形成されている管部1を準備する(ステップS1)。次に、第1の穴11を覆うように、管部1の外側に第2の穴21が形成されている膜2を装着させる(ステップS2)。次に、管部1に液体を流す(ステップS3)。
【0027】
次に、管部1に液体を流している間に、第2の穴21の外側から加圧することにより気体を注入する。気体を注入する工程では、密閉容器31で膜2を覆い(ステップS4)、密閉容器31に気体を注入し(ステップS5)、気体が密閉容器31に入った状態で、密閉容器31内を加圧する(ステップS6)。このようにして、気泡発生装置Sによって、超微細な気泡(例えばナノサイズ)を発生させることができる。
【0028】
[第1の実施形態に係る気泡発生装置Sによる効果]
気泡発生装置Sは、液体が流れ、かつ第1の穴11が形成されている管部1と、管部1の外側で、かつ第1の穴11を覆うように設けられており、第2の穴21が形成されている膜2と、第2の穴21の外側から加圧することにより第2の穴21から気体を注入する気体注入部3と、を有する。よって、第1の実施形態に係る気泡発生装置Sは、超微細な気泡を発生させることができる。
【0029】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る気泡発生装置Saの構成を示す図である。
第2の実施形態に係る気泡発生装置Saは、第1の実施形態に係る気泡発生装置Sと比べて、気泡発生装置Saが管部1aを有し、管部1aが第1管部12a、第2管部13a、縮径部15a、第3管部16a、及び拡径部17aを有する点が異なる。
【0030】
管部1aは、管部1と同様に、液体が流れる管である。管部1aは、第1管部12a、第2管部13a、縮径部15a、第3管部16a、及び拡径部17aを有する。第1管部12aは、第3の内径(R3)を有する管である。第2管部13aは、第4の内径(R4)を有する管である。第4の内径(R4)は、第3の内径(R3)と同じ長さであるが、第4の内径(R4)は、第3の内径(R3)と異なる長さであってもよい。
【0031】
縮径部15aは、第1管部12aと第2管部13aとの間に位置し、かつ、第3の内径(R3)から第5の内径(R5)に縮径する部分である。第5の内径(R5)は、第3の内径(R3)及び第4の内径(R4)よりも小さい。また、第3管部16aは、縮径部15aと拡径部17aとの間に位置し、かつ、第5の内径(R5)を有する管である。拡径部17aは、第3管部16aと第2管部13aとの間に位置し、かつ、第5の内径(R5)から第4の内径(R4)に拡径する部分である。
【0032】
第3管部16aには、第1の穴11aが形成されている。第1の穴11aは、第1の穴11と同様である。膜2は、円筒状に形成されており、第1の穴11aを有する第3管部16aの外側面に接着されている。
【0033】
縮径部15aは、第3の内径(R3)から第5の内径(R5)に徐々に縮径する円錐形状を有している。また、拡径部17aは、第5の内径(R5)から第4の内径(R4)に徐々に拡径する円錐形状を有している。
【0034】
よって、縮径部15aの内側を流れる水は、縮径部15aの出口付近では、縮径部15aの入口付近よりも流速が増大し、圧力が減少する。そして、拡径部17aの内側を流れる水は、拡径部17aの出口付近では、拡径部17aの入口付近よりも流速が減少し、圧力が増加する。この結果、第3管部16aの内側は減圧されているので、第3管部16aに形成されている第1の穴11aから気体が吸入されやすくなる。
【0035】
第2の実施形態に係る気泡発生装置Saは、このように縮径部15a、第3管部16a、及び拡径部17aを有し、第3管部16aに第1の穴11aが形成されているので、第1の穴11aから気体が吸入されやすくなる。
【0036】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0037】
S、Sa・・・気泡発生装置
1、1a・・・管部
11、11a・・・第1の穴
12、12a・・・第1管部
13、13a・・・第2管部
14・・・拡径部
15a・・・縮径部
16a・・・第3管部
17a・・・拡径部
2・・・膜
21・・・第2の穴
3・・・気体注入部
31・・・密閉容器
32・・・気体圧送部