(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電流検出回路部は、電流駆動能力が異なる点を除き前記出力回路部と同じ構成を含む回路であり、前記誤差増幅回路部の出力に応じて、出力電流の大きさに比例する検出電流を出力する
請求項1乃至7のいずれか1項記載のレギュレータ回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した、レギュレータ回路に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0012】
図13は、
図12Aに示された従来のレギュレータ回路の特性例を示す図である。同図上段は、従来のレギュレータ回路の負荷電流と出力電圧との関係を示す。同図下段は、負荷電流と出力バイアス電流との関係を示す図である。
【0013】
図13上段において、実線はNMOSトランジスタ204により、出力VREGから一定の出力バイアス電流Ibiasを流した場合(つまりIbias=IL0)の特性を示す。一方、破線はNMOSトランジスタ204により、出力VREGから出力バイアス電流Ibiasを流さない場合(つまりIbias=0)の特性を示している。
【0014】
PMOSトランジスタ202に流れる出力電流Ioutは、下記(1)式となる。ただし、抵抗R1および抵抗R2に流れる電流をIrdiv、出力VREGに接続された負荷に流れる負荷電流をIloadとする。
【0015】
Iout=Irdiv+Ibias+Iload ・・・(1)
PMOSトランジスタ202は、式(1)で表される出力電流Ioutが最大の時にも電流が供給できるサイズに設定される。
【0016】
図12Aのレギュレータ回路は、オペアンプの出力電圧で、PMOSトランジスタ202の出力電流Ioutを制御し、出力電圧の変動を抑制するように動作する。一般にPMOSトランジスタ202の電流供給能力は、電源ノードVDDの電圧とオペアンプの出力電圧の差の2乗に比例する。その為、
図13に示すように、PMOSトランジスタ202の出力電流の最大値と最小値の差(変化量)が大きく、この時の最小値が小さいほど、PMOSトランジスタ202の出力電圧の変動は大きくなる。
【0017】
上記(1)式からも明らかなように、電流Ioutの一部として、負荷電流Iloadに加えて、出力バイアス電流Ibiasを流すことは、出力バイアス電流Ibiasを流さない場合(Ibias=0)において負荷電流Iloadを増加させることと実質的に等価である。その為、出力バイアス電流Ibiasを流した場合の特性(b)は、出力バイアス電流Ibiasを流さない場合の特性(a)を負荷電流Iloadの軸に対して左方向に、流した出力バイアス電流Ibias(=IL0)の分だけ平行シフトした特性になる。また、出力バイアス電流Ibiasを流した場合の出力電圧変動幅(B)は、出力バイアス電流Ibiasを流さない場合の出力電圧変動幅(A)よりも小さくなる。
【0018】
従来のレギュレータ回路では、負荷電流Iloadに依らず、一定の出力バイアス電流Ibiasを流す為、
図13から分かるように、負荷電流Iloadが大きくなると、出力バイアス電流Ibiasを流さない場合に比べて、出力電圧の低下が大きくなるという課題がある。
【0019】
このような問題を解決するために、本開示の一態様に係るレギュレータ回路は、出力ノードの出力電圧の大きさを検出し、検出結果を示すフィードバック電圧を出力する電圧検出回路部と、基準電圧と前記フィードバック電圧とを比較して比較結果の電圧を出力する誤差増幅回路部と、前記誤差増幅回路部の出力に応じて前記出力ノードに出力電流を供給する出力回路部と、前記出力電流の大きさを検出する電流検出回路部と、前記出力ノードに出力バイアス電流を供給し、前記電流検出回路部の検出結果に基づき、前記出力バイアス電流を増加または減少させる電流バイアス回路部とを備える。
【0020】
これにより、負荷電流の変化に対する出力電圧の変動を抑制すると共に、負荷電流が大きい場合にも、出力電圧の低下を抑制することができる。
【0021】
例えば、レギュレータ回路は、出力回路部に流れる出力電流の大きさを電流検出回路部で検出し、検出結果に基づいて、検出電流の増加に応じて出力バイアス電流を減少させ、検出電流の減少に応じて出力バイアス電流を増加させるように制御する。これにより、出力回路部に流れる出力電流の変動を抑制できる。その結果、負荷電流の変動に対する出力電圧の変動を小さくすることができると共に、負荷電流が大きくなった場合は出力バイアス電流を流さないようにできる為、出力電圧の低下を抑制することができる。
【0022】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のレギュレータ回路200の構成例および周辺の回路を示す図である。
【0024】
同図のレギュレータ回路200は、電圧検出回路部10、誤差増幅回路部11、出力回路部12、電流バイアス回路部15、および電流検出回路部16を備える。また、同図には周辺回路として容量部13および負荷回路部14を記載してある。容量部13は容量C1から構成され、出力ノードVOUTのAC変動を抑制する為に設けられるものである。負荷回路部14は負荷回路L1から構成され、出力ノードVOUTから流れ出す方向に負荷電流Iloadが流れる。
【0025】
出力ノードVOUTの出力電圧VOUTに応じてフィードバック電圧VFBを出力する電圧検出回路部10と、基準電圧VREFと電圧検出回路部10のフィードバック電圧VFBとの比較結果の電圧VPを出力する誤差増幅回路部11と、誤差増幅回路部11の出力電圧VPに応じて出力ノードVOUTに出力電流Ioutを供給する出力回路部12と、出力回路部12の出力電流Ioutをモニタし、出力電流Ioutに応じた検出電流Idetを出力する電流検出回路部16と、電流検出回路部16の検出電流Idetに応じて出力バイアス電流Ibiasを増加または減少させる電流バイアス回路部15とを備えている。
【0026】
電圧検出回路部10は、出力ノードVOUTと接地ノードとの間に直列に接続された抵抗R1及びR2で構成され、出力ノードの出力電圧VOUTの大きさを検出し、検出結果を示すフィードバック電圧VFBを出力する。フィードバック電圧VFBは抵抗R1とR2の接続点から取り出される。
【0027】
誤差増幅回路部11は、反転入力端子に基準電圧VREFが、非反転入力端子にフィードバック電圧VFBが入力され、基準電圧VREFとフィードバック電圧VFBとを比較して比較結果の電圧VPを出力する。また、電源ノードVDDの電圧によって駆動される。
【0028】
出力回路部12は、PMOSトランジスタP1から構成され、誤差増幅回路部11の出力に応じて前記出力ノードに出力電流を供給する。PMOSトランジスタP1のゲートは誤差増幅回路部11の出力VPに、ソースは電源ノードVDDに、ドレインは出力ノードVOUTに接続される。PMOSトランジスタP1は、誤差増幅回路部11の出力である電圧VPに応じて出力ノードVOUTに出力電流Ioutを供給する。すなわち、出力回路部12は、電圧検出回路部10の出力であるフィードバック電圧VFBが基準電圧VREFよりも高い場合、誤差増幅回路部11の出力電圧VPが高くなる。出力電圧VPが高くなると出力回路部12のPMOSトランジスタP1のゲート電圧が高くなる。これにより、出力回路部12は、PMOSトランジスタP1の駆動能力が減少し、出力電圧VOUTが低くなるように動作する。一方、フィードバック電圧VFBが基準電圧VREFよりも低い場合、上記と逆の動作により、出力電圧VOUTは高くなるように動作する。したがって、出力回路部12は、出力電圧VOUTが一定になるように、より正確には出力電圧VOUTの変動を抑制するように動作する。
【0029】
電流検出回路部16は、PMOSトランジスタP2から構成され、出力回路部12による出力電流の大きさを検出する。PMOSトランジスタP2のゲートは誤差増幅回路部11の出力VPに、ソースは電源ノードVDDに、ドレインはノードVMに接続される。これにより、電流検出回路部16は、出力回路部12の出力電流Ioutに応じた検出電流Idetを出力する。ここで、出力回路部12のPMOSトランジスタP1と電流検出回路部16のPMOSトランジスタP2のサイズ比を、k:1とすると、PMOSトランジスタP1、P2が飽和領域で動作する時、検出電流Idetと出力電流Ioutの関係は下記(2)式となる。
【0030】
Idet=(1/k)×Iout ・・・(2)
つまり、検出電流Idetは、出力電流Ioutに比例し、出力電流Ioutの(1/k)倍である。
【0031】
電流バイアス回路部15は、出力ノードVOUTから可変の出力バイアス電流Ibiasを流し、電流検出回路部16の検出結果に基づき、出力バイアス電流Ibiasを増加または減少させる。たとえば、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出結果が出力電流Ioutの増加を示すと、出力バイアス電流Ibiasを減少させ、電流検出回路部16の検出結果が出力電流Ioutの減少を示すと、出力バイアス電流Ibiasを増加させる。
【0032】
具体的には、電流バイアス回路部15は、第1の電流源I1、第1のカレントミラー部100、及び、第2のカレントミラー部101から構成される。第1の電流源I1の第1の端子は電源ノードVDDに、第2の端子はノードVSに接続されている。第1のカレントミラー部100の入力はノードVMに、出力はノードVSに接続されている。第2のカレントミラー部101の入力はノードVSに、出力は出力ノードVOUTに接続されている。
【0033】
したがって、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出電流IdetがノードVMを介して電流バイアス回路部15に入力され、出力ノードVOUTに出力バイアス電流Ibiasをシンク電流として出力する。
【0034】
ここでは第1の電流源I1の第1の端子は電源ノードVDDに接続されているが、誤差増幅回路部11、出力回路部12、及び、電流検出回路部16で使用される電源ノードVDDと必ずしも同一である必要はなく、異なる電圧の電源ノードに接続されてもよい。誤差増幅回路部11、出力回路部12、及び、電流検出回路部16で使用される電源ノードVDDの電圧が比較的高い場合、第1の電流源I1の第1の端子に接続される電源ノードに、電源ノードVDDより低い電圧を用いることで、レギュレータ回路200の消費電力を減らすことができる。
【0035】
第1のカレントミラー部100は、NMOSトランジスタN1とN2から構成され、NMOSトランジスタN1は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVM(入力)に接続され、ソースは接地ノードに接続される。一方、NMOSトランジスタN2は、ゲートをNMOSトランジスタN1のゲートと共通であるノードVMに接続され、ドレインはノードVS(出力)に、ソースは接地ノードに接続される。ここで、NMOSトランジスタN1とN2のサイズ比を、1:mとすると、NMOSトランジスタN2が飽和領域で動作する時、NMOSトランジスタN2に流れる電流IN2と検出電流Idetの関係は下記(3)式となる。
【0036】
IN2=m×Idet ・・・(3)
このように、第1のカレントミラー部100は、検出電流Idetを入力し、検出電流Idetに比例する第1の電流IN2を出力する。
【0037】
第2のカレントミラー部101は、NMOSトランジスタN3とN4から構成され、NMOSトランジスタN3は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVS(入力)に接続され、ソースは接地ノードに接続される。一方、NMOSトランジスタN4は、ゲートをNMOSトランジスタN3のゲートと共通であるノードVSに接続され、ドレインは出力ノードVOUT(出力)に、ソースは接地ノードに接続される。ここで、NMOSトランジスタN3とN4のサイズ比を、1:nとすると、NMOSトランジスタN4が飽和領域で動作する時、NMOSトランジスタN3に流れる電流IN3と出力バイアス電流Ibiasの関係は下記(4)式となる。
【0038】
Ibias=n×IN3 ・・・(4)
このように、第2のカレントミラー部101は、第2の電流IN3を入力し、出力バイアス電流Ibiasを出力する。上記(4)式に示すように、第2の電流IN3と出力バイアス電流Ibiasは比例関係にある。
【0039】
また、ノードVSにおける電流の関係は、第1の電流源I1に流れる電流をI1とすると、下記(5)式となる。
【0040】
I1=IN2+IN3 ・・・(5)
上記(3)式〜(5)式より、下記(6)式を得る。
【0041】
I1=m×Idet+(1/n)×Ibias ・・・(6)
上記(6)式は、左辺は、第1の電流源I1の電流I1であり、右辺は、検出電流Idetに比例する第1の電流と出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和である。つまり、電流バイアス回路部15は、第1の電流源I1の電流I1が任意の一定値において、検出電流Idetに比例する第1の電流と出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和が等しくなるように動作する。その結果、検出電流Idetが増加すると、出力バイアス電流Ibiasは減少し、検出電流Idetが減少すると、出力バイアス電流Ibiasは増加する。
【0042】
ここでは第1の電流源I1の電流I1を任意の一定値としているが、レギュレータ回路200の動作モード(電源電圧、負荷電流、出力電圧等の切り替え等)に応じて、異なる任意の一定値に設定してもよい。こうすれば、レギュレータ回路200の仕様、用途に応じて、不要な電流消費を削減することが可能である。
【0043】
レギュレータ回路200は、上記のように構成される為、PMOSトランジスタP1、P2及びNMOSトランジスタN1、N2、N3、N4が飽和領域で動作する範囲において、上記(1)式〜(6)式を満たす。
【0044】
上記(1)式〜(6)式から出力バイアス電流Ibiasは下記(7)式で表すことができ、したがって、出力バイアス電流Ibiasの負荷電流Iload依存性は、トランジスタサイズ比(k,m,n)、第1の電流源I1の電流I1、電圧検出回路部10に流れる電流Irdivによって調整可能である。
【0045】
Ibias=(n×(I1−(m/k)×(Iload+Irdiv)))/(1+(m×n)/k) ・・・(7)
次に、レギュレータ回路200の動作について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、第1の実施形態のレギュレータ回路200の特性例を示す図であり、
図3は、その別例を示す図である。
【0046】
図2及び
図3において、実線で示した特性例1、2は、第1の実施形態に示すレギュレータ回路200の電流バイアス回路部15により、出力ノードVOUTから出力バイアス電流Ibiasを流した場合の出力電圧および出力バイアス電流の特性を示す。一方、破線は前述の従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204により、出力VREGから一定の出力バイアス電流Ibiasを流した場合の出力電圧および出力バイアス電流の特性を示している。
【0047】
なお、
図2及び
図3における実線の特性例1、2は、上記(7)式における設計パラメータであるトランジスタサイズ比(k,m,n)、第1の電流源I1の電流I1、及び、電圧検出回路部10に流れる電流Irdivを異なる設定とした特性例を示す。破線は、
図2及び
図3共に、比較の為、同じ従来のレギュレータ回路の特性を示している。
【0048】
図2は無負荷時(Iload=0)の時の出力バイアス電流Ibiasを従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204の出力バイアス電流Ibiasと一致させた場合の特性を示している。したがって、無負荷時(Iload=0)の出力電圧VOUTは、従来のレギュレータ回路と同等のレベルとなる。負荷電流Iloadが増加すると、出力回路部12のPMOSトランジスタP1に流れる電流Ioutが増加する為、これに応じて、上記(2)式に示すように、電流検出回路部16のPMOSトランジスタP2に流れる検出電流Idetも増加する。
【0049】
検出電流Idetは、電流バイアス回路部15に入力され、第1のカレントミラー部100において、NMOSトランジスタN2が飽和領域で動作するノードVSの電圧範囲では、上記(3)式に示すように、NMOSトランジスタN2に流れる電流IN2が生成される。第1の電流源I1によってノードVSに流入する電流I1のうち、NMOSトランジスタN2によって電流IN2がノードVSから流出し、上記(5)式を満たすように、残りが第2のカレントミラー部101に入力され、NMOSトランジスタN3に流れる電流IN3としてノードVSから流出する。第2のカレントミラー部101において、電流IN3は、上記(4)式に示す出力バイアス電流Ibiasを生成し、出力ノードVOUTに対するシンク電流となる。
【0050】
したがって、負荷電流Iloadが増加し、検出電流Idetを介して、電流IN2が増加すると、上記(5)式に示すように、ノードVSにおいて、第1の電流源I1の電流I1による流入量に対して、電流IN2による流出量の割合が増加し、電流IN3による流出量が減少する為、上記(4)式に示すように、出力バイアス電流Ibiasも合わせて減少する。ノードVSの電圧は、電流IN2の増加で低下し、ノードVSの電圧がNMOSトランジスタN3及びN4の閾値電圧以下になると、NMOSトランジスタN3及びN4はサブスレッショルド領域で動作し、電流IN3及び出力バイアス電流Ibiasが減少する。ノードVSの電圧の低下でNMOSトランジスタN2が線形領域で動作するようになると、ノードVSの電圧は接地電圧に近づいていき、電流IN3及び出力バイアス電流Ibiasは、ほぼゼロとなる為、出力電圧VOUTの低下を回避することができる。
【0051】
なお、電流IN2の増加によるノードVSの電圧の低下で、NMOSトランジスタN2が線形領域に入ると、電流IN2は上記(3)式を満たさなくなり、ノードVSと接地ノードとの間を、ノードVMの電圧のゲート−ソース間電圧及びノードVSの電圧のドレイン−ソース間電圧でバイアスされたNMOSトランジスタN2のオン抵抗を介して流れる電流と等しく、前述の通り、ノードVSの電圧の低下で、NMOSトランジスタN3はサブスレッショルド領域で動作するようになり、NMOSトランジスタN3に流れる電流が減少する為、NMOSトランジスタN2が線形領域で動作するようになると、電流IN2は、第1の電流源I1の電流I1とほぼ等しくなる。
【0052】
図2において、出力バイアス電流Ibiasがほぼゼロとなる負荷電流Iload(=IL1)より大きな負荷電流Iloadでは、出力バイアス電流Ibiasはゼロであり、出力電圧VOUTと負荷電流Iloadの関係は、従来のレギュレータ回路の出力バイアス電流Ibiasがゼロの時の特性と同等になる。
【0053】
前述の動作は、上記(1)式の右辺に示す負荷電流Iloadが増加すると、出力バイアス電流Ibiasが減少する為、上記(1)式の左辺の出力電流Ioutの変化が抑制される為、出力電圧VOUTの変動を小さくできる。
【0054】
一方、負荷電流Iloadが大きい状態から減少すると、出力回路部12のPMOSトランジスタP1に流れる出力電流Ioutが減少することで、上記(2)式に応じ、電流検出回路部16のPMOSトランジスタP2に流れる検出電流Idetが減少する。つまり、電流バイアス回路部15の第1のカレントミラー部100のNMOSトランジスタN1に入力される電流が減少する為、ノードVMの電圧が低下し、これに伴い、NMOSトランジスタN2のオン抵抗が上昇する。NMOSトランジスタN2のオン抵抗の上昇は、ノードVSの電圧を上昇させる。ノードVSの電圧が、NMOSトランジスタN2が飽和領域で動作する電圧に到達すると、電流IN2は上記(3)式を満たす。電流バイアス回路部15の第2のカレントミラー部101のNMOSトランジスタN3及びN4の閾値電圧よりもノードVSの電圧が高くなると、NMOSトランジスタN3に流れる電流IN3が徐々に大きくなる。電流IN2の減少に応じて、上記(5)式を満たすように、電流IN3が増加し、上記(4)式を満たすように、出力バイアス電流Ibiasが増加する。
【0055】
負荷電流Iloadがゼロになると、
図2に示す無負荷時(Iload=0)の出力バイアス電流Ibiasを従来のレギュレータ回路の出力バイアス電流Ibias(=IL0)と同等に設定している場合、レギュレータ回路200の出力電圧VOUTは、従来のレギュレータ回路と同等のレベルとなる。
【0056】
図3は、無負荷時(Iload=0)の時の出力バイアス電流Ibiasを従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204の出力バイアス電流Ibias(=IL0)よりも大きくなるように設定し、負荷電流Iloadが最大(=IL3)となる時に出力バイアス電流Ibiasがゼロになるように設定した場合の特性例である。
【0057】
上記(7)式からも明らかなように前述の設計パラメータ(k,m,n,I1,Irdiv)を変更することで、無負荷時の出力バイアス電流Ibias、負荷電流Iload変化に対する出力バイアス電流Ibiasの変化量(出力バイアス電流―負荷電流特性における傾き)、出力バイアス電流Ibiasがゼロとなる負荷電流Iloadを調整することができる。なお、出力バイアス電流―負荷電流特性の調整に際して、必ずしも上記(7)式における前述の設計パラメータ(k,m,n,I1,Irdiv)のすべてを変更する必要はない。
【0058】
図3の出力電圧VOUTと負荷電流Iloadの関係に示すように、無負荷時(Iload=0)の時の出力バイアス電流Ibiasを電流IL0よりも大きくすることで、無負荷時の出力電圧VOUTは、従来のレギュレータ回路の出力電圧のレベルよりも低い値に設定できる。一方、負荷電流Iloadが最大(=IL3)となる時の出力バイアス電流Ibiasをゼロとすることで、出力バイアス電流Ibiasによる出力電圧VOUTの低下を回避できる為、負荷電流Iloadの変化に対する出力電圧VOUTの変動は
図2の特性例に比べ、更に小さくすることができる。
【0059】
なお、出力バイアス電流Ibiasが電流IL0となる負荷電流Iload(=IL2)において、出力電圧VOUTは従来のレギュレータ回路の出力電圧と同等のレベルになる。
【0060】
なお、負荷電流Iloadの増減に伴うレギュレータ回路200の動作は
図2の場合と同様である為、省略する。
【0061】
前述の通り、負荷電流Iloadの変化に対して、出力電圧VOUTの変動を抑制することができると共に、負荷電流Iloadが大きい時にも出力電圧VOUTの低下を回避することができる。
【0062】
以上説明してきたように第1の実施形態におけるレギュレータ回路200は、出力ノードの出力電圧の大きさを検出し、検出結果を示すフィードバック電圧を出力する電圧検出回路部10と、基準電圧とフィードバック電圧とを比較して比較結果の電圧を出力する誤差増幅回路部11と、誤差増幅回路部11の出力に応じて出力ノードに出力電流を供給する出力回路部12と、出力電流の大きさを検出する電流検出回路部16と、出力ノードに出力バイアス電流を供給し、電流検出回路部16の検出結果に基づき、出力バイアス電流を増加または減少させる電流バイアス回路部15とを備える。
【0063】
これによれば、負荷電流の変化に対する出力電圧の変動を抑制すると共に、負荷電流が大きい場合にも、出力電圧の低下を抑制することができる。
【0064】
ここで、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出結果が出力電流の増加を示すと、出力バイアス電流を減少させ、電流検出回路部16の検出結果が出力電流の減少を示すと、出力バイアス電流を増加させてもよい。
【0065】
出力電流の増減に応じて出力バイアス電流を減増させることによって、負荷電流の変化に対する出力電圧の変動を抑制すると共に、負荷電流が大きい場合にも、出力電圧の低下を抑制することができる。
【0066】
ここで、電流検出回路部16は、出力電流に比例する検出電流を出力し、電流バイアス回路部15は、定電流を流す電流源I1を有し、電流源I1を流れる定電流は、検出電流又は検出電流に比例する第1の電流と、出力バイアス電流又は出力バイアス電流に比例する第2の電流との和であってもよい。
【0067】
これによれば、定電流を流す電流源を用いた簡単な回路によって、出力バイアス電流の増減を容易に制御することができる。
【0068】
ここで、電流源I1を流れる定電流は、第1の電流と第2の電流との和であり、電流バイアス回路部15は、検出電流が入力され第1の電流を出力する第1のカレントミラー部100と、第2の電流が入力され出力バイアス電流を出力する第2のカレントミラー部101とを備えてもよい。
【0069】
これによれば、電流源、第1および第2のカレントミラー部の組み合わせにより、電流バイアス回路部15が構成される。電流バイアス回路部15に接続される電源ノードの電圧を適切に設定することによって、レギュレータ回路の消費電力を抑制することができる。
【0070】
ここで、電流バイアス回路部15は、任意の電源ノード又は接地ノードが接続される第1の端子と第2の端子を有する第1の電流源I1と、入力に電流検出回路部16の出力が接続され、出力に第1の電流源I1の第2の端子が接続される第1のカレントミラー部100と、入力に第1の電流源I1の第2の端子が接続され、出力に出力ノードが接続される第2のカレントミラー部101とを備えてもよい。
【0071】
これによれば、電流バイアス回路部15に接続される電源ノードの電圧を適切に設定することによって、レギュレータ回路の消費電力を抑制することができる。
【0072】
ここで、電流検出回路部16は、電流駆動能力が異なる点を除き出力回路部12と同じ構成を含む回路であり、誤差増幅回路部11の出力に応じて、出力電流の大きさに比例する検出電流を出力してもよい。
【0073】
これによれば、電流検出回路部16は、式(2)に示したように、出力電流と比例する検出電流を容易に生成することができる。また、電流検出回路部16を、出力回路部12に直列に接続された電流検出用の抵抗として構成する場合と比べて、動作下限電圧の上昇を抑えることができる。
【0074】
ここで、電流検出回路部16は、出力回路部12と並列に設けてもよい。
【0075】
これによれば、電流検出回路部16を、出力回路部12に直列に接続された電流検出用の抵抗として構成する場合と比べて、動作下限電圧の上昇を抑えることができる。
【0076】
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態のレギュレータ回路200の構成例および周辺の回路を示す図である。
図4において、前述した第1の実施形態のレギュレータ回路200と同一機能の構成要素には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。ここでは構成の異なる部分のみを説明する。
【0077】
図4に示すレギュレータ回路200は、
図1に示すレギュレータ回路200の電流バイアス回路部15を
図4に示す電流バイアス回路部15に置き換えたものであり、これ以外は同一の構成である。
【0078】
第2の実施形態における電流バイアス回路部15は、第2の電流源I2及び第3のカレントミラー部102から構成され、入力は電流検出回路部16の出力であるノードVMに接続され、出力は出力ノードVOUTに接続される。
【0079】
電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出電流IdetがノードVMを介して電流バイアス回路部15に入力され、出力ノードVOUTにシンク電流として出力バイアス電流Ibiasを出力する。
【0080】
第2の電流源I2は、第3の端子が接地ノードに、第4の端子が電流検出回路部16の出力であるノードVMに接続され、第3のカレントミラー部102は、入力がノードVMに、出力が接地ノードに接続され、ソースが出力ノードVOUTに接続される。
【0081】
第3のカレントミラー部102は、PMOSトランジスタP3とP4から構成され、PMOSトランジスタP3は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVM(入力)に接続され、ソースは出力ノードVOUT(ソース)に接続される。一方、PMOSトランジスタP4は、ゲートをPMOSトランジスタP3のゲートと共通であるノードVMに接続されドレインは接地ノード(出力)に、ソースは出力ノードVOUT(ソース)に接続される。
【0082】
なお、PMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードの電圧は、出力電圧VOUT以上、電源ノードVDDの電圧以下の範囲で、ノードVMの電圧よりも低くならない電圧に設定することが好ましい。また、特に、出力電圧VOUTが広範囲において可変である場合、PMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードの電圧は、出力電圧VOUTのレベルに応じて、出力電圧VOUTが低い時は低い電圧に、出力電圧VOUTが高い時は高い電圧に切り換えて動作させることが好ましい。また、PMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードの接続は、電源ノードVDD又は出力ノードVOUTとしてもよい。
【0083】
ここで、PMOSトランジスタP3とP4のサイズ比を、1:pとすると、PMOSトランジスタP4が飽和領域で動作する時、PMOSトランジスタP3に流れる電流IP3とPMOSトランジスタP4に流れる電流IP4の関係は下記(8)式となる。
【0084】
IP4=p×IP3 ・・・(8)
また、出力バイアス電流Ibiasは、PMOSトランジスタP3とPMOSトランジスタP4に流れる電流の和である為、下記(9)式を得る。
【0085】
Ibias=IP3+IP4 ・・・(9)
また、ノードVMにおける電流の関係から、検出電流Idetと第2の電流源I2に流れる電流I2とPMOSトランジスタP3に流れる電流IP3の関係は下記(10)式となる。
【0086】
I2=Idet+IP3 ・・・(10)
したがって、上記(8)〜(10)式より、検出電流Idetと出力バイアス電流Ibiasとの関係は下記(11)式となる。
【0087】
I2=Idet+Ibias/(1+p) ・・・(11)
上記(11)式は、左辺は、第2の電流源I2の電流I2であり、右辺は、検出電流Idetと出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和である。つまり、電流バイアス回路部15は、第2の電流源I2の電流I2が任意の一定値において、検出電流Idetと出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和が等しくなるように動作する。
【0088】
なお、ここでは第2の電流源I2の電流I2を任意の一定値としているが、レギュレータ回路200の動作モード(電源電圧、負荷電流、出力電圧等の切り替え等)に応じて、異なる任意の一定値に設定することで、レギュレータ回路200の仕様、用途に応じて、不要な電流消費を削減することが可能である。
【0089】
レギュレータ回路200は、上記のように構成される為、上記(1)式、(2)式、及び、(8)式〜(11)式を満たす。
【0090】
したがって、上記(1)式、(2)式、及び、(8)式〜(11)式から、出力バイアス電流Ibiasは下記(12)式で表すことができ、出力バイアス電流Ibiasの負荷電流Iload依存性は、トランジスタサイズ比(k,p)、第2の電流源I2の電流I2、電圧検出回路部10に流れる電流Irdivによって調整可能である。
【0091】
Ibias=((1+p)/(1+k+p))×(k×I2−Irdiv−Iload) ・・・(12)
次に、レギュレータ回路200の動作について、電流バイアス回路部15以外については第1の実施形態と同様である為、電流バイアス回路部15の動作を中心に説明する。
【0092】
負荷電流Iloadの増加に伴い、検出電流Idetが増加すると、第2の電流源I2の電流I2は任意の一定値である為、上記(10)式を満たすように、ノードVMの電圧が上昇することで、PMOSトランジスタP3のゲート−ソース間電圧が減少し、PMOSトランジスタP3に流れる電流IP3が減少する。出力バイアス電流Ibiasは、上記(9)式に示すように、PMOSトランジスタP4のゲートがPMOSトランジスタP3と共通である為、トランジスタサイズ比に応じた電流(IP4=p×IP3)をPMOSトランジスタP3に流れる電流IP3と合わせて出力ノードVOUTからシンク電流として流す。検出電流Idetがさらに増加し、出力電圧VOUTとノードVMの電圧との差がPMOSトランジスタP3及びP4の閾値電圧以下になると、PMOSトランジスタP3及びP4はサブスレッショルド領域で動作する為、ほぼオフ状態となり、出力バイアス電流Ibiasはほぼゼロとなる。ノードVMの電圧が出力電圧VOUTに到達すると、PMOSトランジスタP3及びP4はオフし、出力バイアス電流Ibiasはゼロとなる。一方、負荷電流Iloadが減少していくと、検出電流Idetが減少する為、ノードVMの電圧が低下していく。これに伴い、PMOSトランジスタP3のゲート−ソース間電圧が大きくなり、電流IP3及び電流IP4の増加で出力バイアス電流Ibiasが増加する。
【0093】
無負荷時の出力電圧VOUTのレベルは、負荷電流Iloadがゼロの時の出力バイアス電流Ibiasの設定に応じて決まる為、無負荷時(Iload=0)の出力バイアス電流Ibiasを第1の実施形態と同様に設定し、負荷電流が最大となる時の出力バイアス電流をゼロに設定すれば、第1の実施形態と同様の出力電圧VOUTの変動を得ることができる。
【0094】
したがって、第1の実施形態と同様に、負荷電流Iloadの変化に対して、出力電圧VOUTの変動を抑制することができると共に、負荷電流Iloadが大きい時にも出力電圧VOUTの低下を回避することができる。
【0095】
また更に、前述の通り、電流バイアス回路部15を第2の電流源I2及び第3のカレントミラー部102で構成している為、第1の実施形態の構成に対して、素子数を削減でき、面積の削減が可能である。
【0096】
また、第3のカレントミラー部102のソースを出力ノードVOUTとしている為、検出電流Idet以外の不要な電流消費がなく、第1の実施形態の構成に対して、消費電流の削減が可能である。
【0097】
以上説明してきたように、第2の実施形態におけるレギュレータ回路200において電流検出回路部16は、電流検出回路部16は、出力電流に比例する検出電流を出力し、電流バイアス回路部15は、定電流を流す電流源I2を有し、電流源I2を流れる定電流は、検出電流又は検出電流に比例する第1の電流と、出力バイアス電流又は出力バイアス電流に比例する第2の電流との和である。
【0098】
ここで、電流源を流れる定電流は、検出電流と第2の電流との和であり、電流バイアス回路部15は、第2の電流を入力し、第2の電流に比例するミラー電流を出力し、出力ノードに接続され、第2の電流とミラー電流との和を出力バイアス電流として出力ノードに供給するカレントミラー部102を備えてもよい。
【0099】
これによれば、電流バイアス回路部15は、電流源とカレントミラー部の組み合わせにより構成される。この電流バイアス回路部15は、第1の実施形態と比べて、素子数を削減でき、IC内での回路面積の削減が可能である。
【0100】
ここで、電流バイアス回路部15は、任意の電源ノード又は接地ノードが接続される第3の端子と電流検出回路部の出力が接続される第4の端子を有する第2の電流源I2と、入力に第2の電流源の第4の端子が接続され、出力に任意の電源ノード又は接地ノードが接続され、ソースに出力ノードが接続されるカレントミラー部102と、を備えてもよい。
【0101】
これによれば、電流バイアス回路部15は、第1の実施形態と比べて、素子数を削減でき、IC内での回路面積の削減が可能である。
【0102】
(第3の実施形態)
図5は第3の実施形態のレギュレータ回路200の構成例および周辺の回路を示す図である。
図4において、前述した第2の実施形態のレギュレータ回路200と同一機能の構成要素には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。ここでは構成の異なる部分のみを説明する。
【0103】
図5に示すレギュレータ回路200は、
図4に示すレギュレータ回路200の電流バイアス回路部15を
図5に示す電流バイアス回路部15に置き換えたものであり、これ以外は同一の構成である。
【0104】
第3の実施形態における電流バイアス回路部15は、第2の電流源I2、第3のカレントミラー部102、及び、クランプ回路部17から構成され、第2の実施形態における電流バイアス回路部15に対して、更にクランプ回路部17を設けた構成である。入力は電流検出回路部16の出力であるノードVMに接続され、出力は出力ノードVOUTに接続される。
【0105】
電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出電流IdetがノードVMを介して電流バイアス回路部15に入力され、出力ノードVOUTにシンク電流として出力バイアス電流Ibiasを出力する。
【0106】
第2の電流源I2は、第3の端子が接地ノードに、第4の端子がノードVCに接続され、第3のカレントミラー部102は、入力がノードVCに、出力が接地ノードに接続され、ソースが出力ノードVOUTに接続される。クランプ回路部17は、第1の入力が電流検出回路部16の出力であるノードVMに接続され、第2の入力が出力ノードVOUTに接続され、第1の出力がノードVCに接続される。
【0107】
第3のカレントミラー部102は、PMOSトランジスタP3とP4から構成され、PMOSトランジスタP3は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVC(入力)に接続され、ソースは出力ノードVOUT(ソース)に接続される。一方、PMOSトランジスタP4は、ゲートをPMOSトランジスタP3のゲートと共通であるノードVCに接続され、ドレインは接地ノード(出力)に、ソースは出力ノードVOUT(ソース)に接続される。
【0108】
クランプ回路部17は、NMOSトランジスタN5から構成され、第1の入力はNMOSトランジスタN5のドレインに、第2の入力はNMOSトランジスタN5のゲートに、第1の出力はNMOSトランジスタN5のソースに接続される。
【0109】
電源ノードVDDの電圧と出力電圧VOUTとの差が大きい場合、又は、出力電圧VOUTが可変であり、低い電圧から高い電圧までを出力する場合(電源ノードVDDの電圧と出力電圧VOUTとの差が小さい場合と大きい場合が混在する場合)に、第3のカレントミラー部102のPMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードを電源ノードVDDに接続すると、基板バイアス効果による閾値電圧の上昇で、電流バイアス回路部15が動作可能な出力電圧VOUTのレベルが上がってしまい、出力電圧VOUTの下限電圧が制限されるという問題がある。一方、第3のカレントミラー部102のPMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードを出力ノードVOUTに接続した場合、検出電流Idetの増加でPMOSトランジスタP3のドレイン電圧が上昇し、出力ノードVOUTの出力電圧VOUTを超えると、PMOSトランジスタP3のドレイン−基板ノード間で順バイアスが発生し、出力ノードVOUTに電流が流入する。PMOSトランジスタP3がP型基板上のN型ウェル内に形成されている場合、PMOSトランジスタP3のドレイン−基板ノード(N型ウェル)−P型基板で寄生バイポーラトランジスタが形成される。寄生バイポーラトランジスタが動作すると、P型基板に電流が流入する為、P型基板電位の上昇によるラッチアップ等が懸念され、レイアウトでのケアが必要となるという問題がある。
【0110】
クランプ回路部17は、上記の課題を解決するために設けられるものであり、第3のカレントミラー部102のPMOSトランジスタP3及びP4の基板ノードを出力ノードVOUTに接続し、出力電圧VOUTに設定した場合でもノードVCの電圧(PMOSトランジスタP3のドレイン電圧)が出力電圧VOUTを超えないように制限する。
【0111】
レギュレータ回路200は、上記のように構成される為、NMOSトランジスタN5に流れる電流IN5は、検出電流Idetと等しく、第2の実施形態と同様に、上記(1)式、(2)式、及び、(8)式〜(12)式を満たし、出力バイアス電流Ibiasの負荷電流Iload依存性は、トランジスタサイズ比(k,p)、第2の電流源I2の電流I2、電圧検出回路部10に流れる電流Irdivによって調整可能である。
【0112】
次に、レギュレータ回路200の動作について、電流バイアス回路部15のクランプ回路部17以外については第2の実施形態と同様である為、電流バイアス回路部15におけるクランプ回路部17の動作、作用を中心に説明する。
【0113】
図6は、第3の実施形態のレギュレータ回路200の特性例を示す図である。
図6において、実線は第3の実施形態に示すレギュレータ回路200の電流バイアス回路部15により、出力ノードVOUTから出力バイアス電流Ibiasを流した場合の特性を示しており、一方、破線は前述の従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204により、出力VREGから一定の出力バイアス電流Ibias(=IL0)を流した場合の特性を示している。
【0114】
負荷電流Iloadの増加に伴い、検出電流Idetが増加すると、ノードVM及びノードVCの電圧が上昇する。ノードVCの上昇により、PMOSトランジスタP3及びP4のゲート−ソース間電圧(出力電圧VOUTとノードVCの電圧との差)が小さくなり、PMOSトランジスタP3に流れる電流IP3が減少する。これに応じて、PMOSトランジスタP4に流れる電流IP4も減少し、出力バイアス電流Ibiasが減少する。ノードVCの電圧の上昇は、同時にNMOSトランジスタN5のゲート−ソース電圧も減少させる。ノードVCの電圧は、NMOSトランジスタN5のゲート電圧である出力電圧VOUT−Vt(NMOSトランジスタN5の閾値電圧)で制限され、上記(10)式を満たす最大電圧で制限される。したがって、これ以上(負荷電流Iload=IL4)に負荷電流Iloadが増加しても、ノードVCの電圧は上昇せず、検出電流Idetは飽和する。検出電流Idetが飽和し、一定となる為、上記(11)式に示すように、第2の電流源I2の電流I2、飽和した検出電流Idet、及び、トランジスタサイズ比(p)によって決まる一定の出力バイアス電流Ibiasが流れることになる。また、以後の負荷電流Iloadの増加で出力電圧VOUTが低下すると、NMOSトランジスタN5のゲート−ソース間電圧を保つように、ノードVCの電圧は合わせて低下するが、この時、同時に、PMOSトランジスタP3及びP4のゲート−ソース間電圧も保たれる為、出力バイアス電流Ibiasは一定のままとなる。
【0115】
ノードVCの電圧は、クランプ回路部17のNMOSトランジスタN5で電圧が制限された状態において、出力電圧VOUTまで到達しない為、
図6に示すように、無負荷時の出力バイアス電流Ibias(=IL0)より小さいが、負荷電流Iloadが大きい時にも一定の出力バイアス電流Ibiasを流すことになり、出力電圧VOUTの低下が生じる。
【0116】
一方、負荷電流Iloadが減少する場合は、上記と逆の動作となり、検出電流Idetが検出可能なレベルまで低下するまでは、出力バイアス電流Ibiasは一定のままであり、検出可能なレベルに到達すると、検出電流Idetの減少に伴い、ノードVM及びノードVCの電圧が低下し、ノードVCの電圧の低下に伴って、PMOSトランジスタP3及びP4のゲート−ソース間電圧が大きくなり、出力バイアス電流Ibiasが増加する。
【0117】
無負荷時の出力電圧VOUTのレベルは、負荷電流Iloadがゼロの時の出力バイアス電流Ibiasの設定に応じて決まる為、無負荷時(Iload=0)の出力バイアス電流Ibiasを第1の実施形態と同様に設定すれば、第1の実施形態と同様の出力電圧VOUTを得ることができる。一方、負荷電流が最大となる時の出力バイアス電流は、前述の通り、上記(11)式に示す飽和した検出電流Idet、第2の電流源I2の電流I2、及び、トランジスタサイズ比(p)に応じた一定の電流が流れる為、出力バイアス電流値に応じた出力電圧VOUTの低下が発生するが、従来のレギュレータ回路に比べ、出力電圧の低下を抑制することができる。
【0118】
したがって、負荷電流Iloadの変化に対して、出力電圧VOUTの変動を抑制することができると共に、負荷電流が大きい時にも出力電圧VOUTの低下を抑制することができる。
【0119】
なお、上記ではクランプ回路部17は、NMOSトランジスタN5を用いた構成で説明したが、ノードVCの制限電圧をPMOSトランジスタP3及びP4がサブスレッショルド領域で動作する電圧レベル又は出力電圧VOUTとする回路をクランプ回路部17に用いることで、負荷電流Iloadが大きい時の出力バイアス電流Ibiasをほぼゼロ又はゼロとすることができ、出力電圧VOUTの低下を回避することが可能である。
【0120】
図7はクランプ回路部17に適用可能である別の回路構成例である。
図7に示すクランプ回路部17の構成を用いることで、負荷電流が大きい時に出力バイアス電流をゼロとすることができ、このように構成してもよい。
【0121】
図7のクランプ回路部17の構成及び動作は一般的な技術である為、詳細な説明は省略するが、第3の実施形態に適用した場合の接続構成及び利点についてのみ以下に説明する。
【0122】
図7に示すクランプ回路部17は、NMOSトランジスタN5とオペアンプOP1から構成され、第1の入力(ノードVM)にNMOSトランジスタN5のドレインを、第2の入力(出力ノードVOUT)にオペアンプOP1の非反転入力端子を、第1の出力(ノードVC)にオペアンプの反転入力端子及びNMOSトランジスタN5のソースを接続する。上記の構成により、ノードVCの電圧を出力ノードVOUTの出力電圧VOUTで制限することができる為、負荷電流Iloadが大きくなった時に出力バイアス電流Ibiasをゼロにすることができ、出力電圧VOUTの低下を回避することができる。
【0123】
以上説明してきたように、第3の実施形態におけるレギュレータ回路200において電流検出回路部16は、出力電流に比例する検出電流を出力し、電流バイアス回路部15は、定電流を流す電流源I2を有し、電流源I2を流れる定電流は、検出電流又は検出電流に比例する第1の電流と、出力バイアス電流又は出力バイアス電流に比例する第2の電流との和である。
【0124】
ここで、電流源を流れる定電流は、検出電流と第2の電流との和であり、電流バイアス回路部15は、第2の電流を入力し、第2の電流に比例するミラー電流を出力し、出力ノードに接続され、第2の電流とミラー電流との和を出力バイアス電流として出力ノードに供給するカレントミラー部102を備えてもよい。
【0125】
ここで、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16から電流源に検出電流を伝達する配線に挿入され、出力電圧を超えないように、配線のうち電流源側の配線部分の電圧を制限するクランプ回路部17を備えてもよい。
【0126】
これによれば、出力電圧VOUTの下限電圧の制限を緩和することができる。また、ノードVCの電圧が出力電圧VOUTを超えないようにすることができる為、寄生バイポーラトランジスタに起因するラッチアップによる誤動作を防ぐことができる。
【0127】
ここで、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の出力が接続される第1の入力と、出力ノードが接続される第2の入力と、第2の電流源の第4の端子及びカレントミラー部102の入力が接続される第1の出力とを有し、第1の出力の電位を制限するクランプ回路部17をさらに備えてもよい。
【0128】
これによれば、出力電圧VOUTの下限電圧の制限を緩和することができる。また、ノードVCの電圧が出力電圧VOUTを超えないようにすることができる為、寄生バイポーラトランジスタに起因するラッチアップによる誤動作を防ぐことができる。
【0129】
なお、上記では、電流バイアス回路部15の第3のカレントミラー部102がPMOSトランジスタで構成され、クランプ回路部17がNMOSトランジスタで構成される場合を説明したが、後述の第5の実施形態で示すように、本実施形態においても同様に、PMOSトランジスタをNMOSトランジスタで、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタで置き換えた形で構成することもできる。この場合、第3のカレントミラー部102を構成するNMOSトランジスタのソースは出力ノードVOUTに接続され、基板ノードも同様に出力ノードVOUTに接続することが可能である。クランプ回路部17を構成するPMOSトランジスタのゲートをVOUTに接続することで、第3のカレントミラー部102の入力と共通ノードとなるPMOSトランジスタのソースを出力電圧VOUT+Vt(PMOSトランジスタの閾値電圧)に制限することができ、NMOSトランジスタのドレイン−基板ノード間の順バイアスを防ぐことができる。つまり、クランプ回路部17は第1の出力の電位が出力電圧VOUTを下回らないように制御するように動作し、PMOSトランジスタをNMOSトランジスタで、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタで置き換えた形で構成した場合には、出力電圧を超えないとは、出力電圧を下回らないということを意味している。
【0130】
(第4の実施形態)
図8は第4の実施形態のレギュレータ回路200の構成例および周辺の回路を示す図である。
図1において、前述した第1の実施形態のレギュレータ回路200と同一機能の構成要素には同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。ここでは構成の異なる部分のみを説明する。
【0131】
図8に示すレギュレータ回路200は、
図1に示すレギュレータ回路200の電流バイアス回路部15を
図8に示す電流バイアス回路部15に置き換え、
図1に示すレギュレータ回路200の電流検出回路部16を
図8に示す電流検出回路部16に置き換えたものであり、これ以外は同一の構成である。
【0132】
第4の実施形態における電流バイアス回路部15は、n個(nは1以上の整数)のバイアスパス19から構成され、入力は電流検出回路部16の出力に接続され、n個のバイアスパス19の各々のオン、オフを切り換えるnビットの信号Sigが入力され、nビットの信号Sigはn個のバイアスパスに対して1対1で割り当てられ、出力はn個のバイアスパス19の第1の端子が出力ノードVOUTに接続され、n個のバイアスパス19の第2の端子は接地ノードに接続される。
【0133】
バイアスパス19は、第1の端子にスイッチSWn(nは1以上の整数)が接続され、スイッチSWnと直列に所定の電流値に設定された電流源IBn(nは1以上の整数)が接続され、第2の端子に電流源IBnの他方の端子が接続され、接地される。スイッチSWnはnビットの入力信号Sigの内のいずれかの1ビットによって制御され、"L"でオンし、"H"でオフするように構成される。電流源IBnに設定される所定の電流値は、無負荷時に設定する出力バイアス電流Ibias(=IL0)に対して、1/nの電流値に設定される。したがって、バイアスパス19は、入力信号Sigの対応するビットが"L"状態になると、スイッチSWnがオンし、出力ノードVOUTから(IL0/n)に相当する出力バイアス電流を流す、また、入力信号Sigの対応するビットが"H"状態になると、スイッチSWnはオフし、出力ノードVOUTから出力バイアス電流を流さなくなるように動作する。
【0134】
第4の実施形態における電流検出回路部16は、PMOSトランジスタP2及びAD変換回路部18から構成される。
【0135】
PMOSトランジスタP2は、ゲートに誤差増幅回路部11の出力VPが接続され、ソースに電源ノードVDDが接続され、ドレインにAD変換回路部18の入力(ノードVM)が接続され、PMOSトランジスタP2に流れる検出電流IdetをAD変換回路部18へ出力する。ここで、PMOSトランジスタP2と出力回路部12のPMOSトランジスタP1のトランジスタサイズ比を、第1の実施形態と同様であるとすると、上記(2)式を満足する。
【0136】
AD変換回路部18は、入力にPMOSトランジスタP2のドレイン(ノードVM)が接続され、入力された検出電流Idetの電流量に対して、AD変換を行い、検出電流Idetの電流値が大きいほど、"H"出力の数が多くなるnビットの信号Sigを電流バイアス回路部15へ出力する。
【0137】
図9は、AD変換回路部18の回路構成例である。
図9に示すようにAD変換回路部18の入力(ノードVM)から接地ノード間に(n+1)個の直列接続した抵抗Rd1〜Rd(N+1)とn個のコンパレータ300で構成することができる。(n+1)個の抵抗間のn個の接続点に対して、n個のコンパレータ300を用いて基準電圧VREFAとの電圧比較を行うことで検出電流Idetの大小をnビットのデジタル信号で表現することが可能である。抵抗間の接続点の電位が基準電圧VREFAより高い場合に、コンパレータ300が"H"出力するものとすると、検出電流Idetの電流値が大きいほど、nビットの信号Sigの"H"状態の数が多くなる。逆に検出電流Idetの電流値が小さいほど、nビットの信号Sigの"H"状態の数が少なくなる。AD変換回路部18については、一般的な技術である為、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0138】
次に、第4の実施形態におけるレギュレータ回路200の動作について説明する。
図10は、第4の実施形態のレギュレータ回路200の特性例を示す図である。
【0139】
図10において、実線は第4の実施形態に示すレギュレータ回路200の特性例を示しており、一方、破線は前述の従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204により、出力VREGから一定の出力バイアス電流Ibias(=IL0)を流した場合の特性例を示している。
【0140】
なお、電流バイアス回路部15及び電流検出回路部16以外は、前述の他の実施形態と同様である為、説明を省略する。
【0141】
図8に示すレギュレータ回路200は、前述のように構成される為、負荷電流Iloadが増加すると、上記(2)式に応じて、検出電流Idetが増加する。検出電流Idetの増加に伴い、AD変換回路部18から出力されるnビットの信号Sigの"H"出力ビットが増加する。信号Sigが電流バイアス回路部15に入力され、"H"状態のビット数に応じた数のバイアスパス19がオフし、出力バイアス電流Ibiasが減少する。この時の出力バイアス電流Ibiasは、"L"状態のビット数をqとすると、(q/n)×IL0となる。負荷電流Iloadの増加による検出電流Idetの増加に伴い、AD変換回路部18からの"H"出力のビット数が増加すると、
図10の出力バイアス電流と負荷電流の関係に示すように、出力バイアス電流は1個のバイアスパスの電流値(IL0/n)毎の階段状に減少していく。一方、負荷電流Iloadが減少すると、検出電流Idetも減少し、これに応じて、AD変換回路部18からの"H"出力のビット数が減少すると、出力バイアス電流は1個のバイアスパスの電流値(IL0/n)毎に階段状に増加するように動作する。AD変換回路部18の分解能が大きいほど、出力バイアス電流のステップ段差は小さくなる。
【0142】
上記は、無負荷時の出力バイアス電流を従来のレギュレータ回路のNMOSトランジスタ204により、出力VREGから一定の出力バイアス電流(=IL0)と合わせた場合について説明をしているが、無負荷時の出力バイアス電流は、任意に設定可能である。
【0143】
前述の通り、無負荷時には、従来同様の出力バイアス電流(=IL0)とすることで、従来同様の出力電圧を得ることができ、負荷電流が大きい場合には、すべてのバイアスパス19をオフすることで、出力バイアス電流をゼロにすることができる為、負荷電流の変化に対する出力電圧VOUTの変動を抑制することができると共に、負荷電流が大きい時にも出力電圧の低下を回避することができる。
【0144】
なお、電流源IB1〜IBnに設定される電流値は、必ずしも無負荷時に設定する出力バイアス電流の1/nに限定するものではなく、要求される仕様・特性に応じて、適宜、ステップ間に重み付けをするなど自由に設定してもよい。
【0145】
以上説明してきたように、第4の実施形態において電流検出回路部16は、出力電流の大きさを示すデジタル検出信号を出力し、電流バイアス回路部15は、少なくとも1つのバイアスパス19を有し、少なくとも1つのバイアスパス19のそれぞれは、所定の電流値に設定された電流源と、電流源に直列に接続されたスイッチとを有し、電流バイアス回路部15は、デジタル検出信号の変化に応じて、オン状態のスイッチの数を変えることで、出力電流が増加すると、出力バイアス電流を減少させ、出力電流が減少すると、出力バイアス電流を増加させてもよい。
【0146】
これによれば、デジタル検出信号の変化に応じて出力バイアス電流を減少または増加させる。出力バイアス電流の大きさと精度は、バイアスパス19の電流源IBnの電流値、AD変換回路部18の分解能、及び、オン状態のスイッチの数に応じて定まるので、電流値の設計を容易にし、容易に出力バイアス電流の制御の精度を高めることができ、出力電圧精度を向上できる。
【0147】
(第5の実施形態)
図11は第5の実施形態のレギュレータ回路200の構成例および周辺の回路を示す図である。
【0148】
図11に示すレギュレータ回路200は、出力ノードVOUTの出力電圧VOUTに応じてフィードバック電圧VFBを出力する電圧検出回路部10と、基準電圧VREFと電圧検出回路部10の出力電圧VFBとの比較結果の電圧VPを出力する誤差増幅回路部11と、誤差増幅回路部11の出力電圧VPに応じて出力ノードVOUTに出力電流Ioutを供給する出力回路部12と、出力回路部12の出力電流Ioutをモニタし、出力電流Ioutに応じた検出電流Idetを出力する電流検出回路部16と、電流検出回路部16の検出電流Idetに応じて出力バイアス電流Ibiasを制御する電流バイアス回路部15とを備えている。
【0149】
第5の実施形態は、第1の実施形態のPMOSトランジスタをNMOSトランジスタで、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタで置き換えた形で構成したものであり、出力電流Ioutは出力ノードVOUTに対してシンク電流となり、出力バイアス電流はソース電流となる。
【0150】
電圧検出回路部10及び誤差増幅回路部11については、前述した従来のレギュレータ回路と同一機能の構成要素である為、詳細な説明を省略する。
【0151】
出力回路部12は、NMOSトランジスタN11から構成され、NMOSトランジスタN11のゲートは誤差増幅回路部11の出力VPに、ソースは接地ノードに、ドレインは出力ノードVOUTに接続され、誤差増幅回路部11の出力電圧VPに応じて出力ノードVOUTに電流Ioutをシンク電流として供給する。
【0152】
電流検出回路部16は、NMOSトランジスタN12から構成され、NMOSトランジスタN12のゲートは誤差増幅回路部11の出力VPに、ソースは接地ノードに、ドレインはノードVMに接続され、出力回路部12の出力電流Ioutに応じた検出電流Idetを出力する。ここで、出力回路部12のNMOSトランジスタN11と電流検出回路部16のNMOSトランジスタN12のサイズ比を、k:1とすると、NMOSトランジスタN11、N12が飽和領域で動作する時、検出電流Idetと出力電流Ioutの関係は上記(2)式を満足する。
【0153】
電流バイアス回路部15は、第1の電流源I11、第1のカレントミラー部103、及び、第2のカレントミラー部104から構成される。第1の電流源I11は、第1の端子が接地ノードに、第2の端子がノードVSに接続され、第1のカレントミラー部103は、入力がノードVMに、出力がノードVSに接続され、第2のカレントミラー部104は、入力がノードVSに、出力が出力ノードVOUTに接続される。
【0154】
したがって、電流バイアス回路部15は、電流検出回路部16の検出電流IdetがノードVMを介して電流バイアス回路部15に入力され、出力ノードVOUTにソース電流として出力バイアス電流Ibiasを出力する。
【0155】
第1のカレントミラー部103は、PMOSトランジスタP11とP12から構成され、PMOSトランジスタP11は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVM(入力)に接続され、ソースは電源ノードVDDに接続される。一方、PMOSトランジスタP12は、ゲートをPMOSトランジスタP11のゲートと共通であるノードVMに接続され、ドレインはノードVS(出力)に、ソースは電源ノードVDDに接続される。ここで、PMOSトランジスタP11とP12のサイズ比を、1:mとすると、PMOSトランジスタP12が飽和領域で動作する時、PMOSトランジスタP12に流れる電流IP12と検出電流Idetの関係は下記(13)式となる。これは第1の実施形態における上記(3)式に相当する。
【0156】
IP12=m×Idet ・・・(13)
第2のカレントミラー部104は、PMOSトランジスタP13とP14から構成され、PMOSトランジスタP13は、ゲートとドレインを共通とし、ノードVS(入力)に接続され、ソースは電源ノードVDDに接続される。一方、PMOSトランジスタP14は、ゲートをPMOSトランジスタP13のゲートと共通であるノードVSに接続され、ドレインは出力ノードVOUT(出力)に、ソースは電源ノードVDDに接続される。ここで、PMOSトランジスタP13とP14のサイズ比を、1:nとすると、PMOSトランジスタP14が飽和領域で動作する時、PMOSトランジスタP13に流れる電流IP13と出力バイアス電流Ibiasの関係は下記(14)式となる。これは第1の実施形態における上記(4)式に相当する。
【0157】
Ibias=n×IP13 ・・・(14)
また、ノードVSにおける電流の関係は、第1の電流源I11に流れる電流をI11とすると、下記(15)式となる。これは第1の実施形態における上記(5)式に相当する。
【0158】
I11=IP12+IP13 ・・・(15)
上記(13)式〜(15)式より、下記(16)式を得る。これは第1の実施形態における上記(6)式に相当する。
【0159】
I11=m×Idet+(1/n)×Ibias ・・・(16)
上記(16)式は、左辺は、第1の電流源I11の電流I11であり、右辺は、検出電流Idetに比例する第1の電流と出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和である。つまり、電流バイアス回路部15は、第1の電流源I11の電流I11が任意の一定値において、検出電流Idetに比例する第1の電流と出力バイアス電流Ibiasに比例する第2の電流の和が等しくなるように動作する。
【0160】
また、レギュレータ回路200の出力ノードVOUTには、容量部13と負荷回路部14とが接続されている。容量部13は容量C1から構成され、出力ノードVOUTのAC変動を抑制する為に設けられるものである。負荷回路部14は負荷回路L11から構成され、出力ノードVOUTに流れ込む向きに負荷電流Iloadが流れる。
【0161】
なお、ここでは第1の電流源I11の電流I11を任意の一定値としているが、レギュレータ回路200の動作モード(電源電圧、負荷電流、出力電圧等の切り替え等)に応じて、異なる任意の一定値に設定することで、レギュレータ回路200の仕様、用途に応じて、不要な電流消費を削減することが可能である。
【0162】
なお、ここでは第1のカレントミラー部103及び第2のカレントミラー部104のPMOSトランジスタP11〜P14のソースを電源ノードVDDとしているが、誤差増幅回路部11で使用される電源ノードVDDと必ずしも同一である必要はなく、異なる電圧の電源ノードに接続してもよい。出力電圧VOUTに応じて、誤差増幅回路部11で使用される電源ノードVDDの電圧を低く設定し、第1のカレントミラー部103及び第2のカレントミラー部104のPMOSトランジスタP11〜P14のソースに接続される電源ノードに高い電圧を用いる、又は、電源ノードを逆の電圧関係にすることで、レギュレータ回路200の消費電力を減らすことができる。
【0163】
なお、
図11に示す負荷回路部14の負荷回路L11に接続されている電源ノードVDDは、必ずしも第1のカレントミラー部103及び第2のカレントミラー部104のPMOSトランジスタP11〜P14のソースに接続されている電源ノードVDD及び誤差増幅回路部11で使用される電源ノードVDDと同じ電源ノードである必要はなく、異なる電源ノード及び電圧でもよい。
【0164】
レギュレータ回路200は、上記のように構成される為、出力ノードVOUTにおける電流の関係から下記(17)式であり、NMOSトランジスタN11、N12及びPMOSトランジスタP11、P12、P13、P14が飽和領域で動作する範囲において、上記(2)式及び上記(13)式〜(17)式を満たす。なお、下記(17)式は、第1の実施形態における上記(1)式に相当する。
【0165】
Iout=Ibias+Iload−Irdiv ・・・(17)
したがって、上記(2)式及び上記(13)式〜(17)式から出力バイアス電流Ibiasは下記(18)式で表すことができ、出力バイアス電流Ibiasの負荷電流Iload依存性は、トランジスタサイズ比(k,m,n)、第1の電流源I11の電流I11、及び、電圧検出回路部10に流れる電流Irdivによって調整可能である。これは第1の実施形態における上記(7)式に相当する。上記(7)式と比較すると分かるように、電流Irdivの符号が反転している。これは第1の実施形態において、出力バイアス電流Ibias、電流Irdiv、及び、負荷電流Iloadは、いずれも出力ノードVOUTに対して、シンク電流として働き、出力電流Ioutは、出力ノードVOUTに対して、ソース電流として働いていたのに対して、第5の実施形態においては、出力電流Iout、出力電流Ibias、負荷電流Iloadは、いずれも第1の実施形態に対して、電流の向きが逆になっている(つまり、シンク電流及びソース電流として働くものが入れ替わっている)が、電流Irdivは第1の実施形態と同様にシンク電流として働く為、符号の反転が生じている。しかし、負荷電流Iloadの変化に対して出力バイアス電流Ibiasが変化する方向は変わらず、負荷電流Iloadが増加すると、出力バイアス電流Ibiasが減少するように動作する。本質的に、第1の実施形態と同様の動作をすることが分かる。
【0166】
Ibias=(n×(I11−(m/k)×(Iload−Irdiv)))/(1+(m×n)/k) ・・・(18)
レギュレータ回路200の動作は、前述の通り、電流の向きに違いがあるが、第1の実施形態と本質的に同様である為、動作に差がある点のみに着目し、説明する。
【0167】
負荷電流Iloadが増加すると、出力回路部12のNMOSトランジスタN11に流れる電流Ioutが増加する為、これに応じて、上記(2)式に示すように、電流検出回路部16のNMOSトランジスタN12に流れる検出電流Idetも増加する。検出電流Idetは、電流バイアス回路部15に入力され、第1のカレントミラー部103において、PMOSトランジスタP12が飽和領域で動作するノードVSの電圧範囲では、上記(13)式に示すように、PMOSトランジスタP12に流れる電流IP12が生成される。第1の電流源I11によってノードVSから流出する電流I11のうち、PMOSトランジスタP12によって電流IP12がノードVSに流入し、上記(15)式を満たすように、残りが第2のカレントミラー部104に入力され、PMOSトランジスタP13に流れる電流IP13としてノードVSに流入する。第2のカレントミラー部103において、電流IP13により、上記(14)式に示すように出力バイアス電流Ibiasが生成され、出力ノードVOUTに対するソース電流となる。
【0168】
したがって、負荷電流Iloadが増加し、検出電流Idetを介して、電流IP12が増加すると、上記(15)式に示すように、ノードVSにおいて、第1の電流源I11の電流I11による流出量に対して、電流IP12による流入量の割合が増加し、電流IP13による流入量が減少する為、上記(14)式に示すように、出力バイアス電流Ibiasも合わせて減少する。ノードVSの電圧は、電流IP12の増加で上昇し、ノードVSの電圧と電源ノードVDDの電圧の差がPMOSトランジスタP13及びP14の閾値電圧以下になると、PMOSトランジスタP13及びP14はサブスレッショルド領域で動作し、電流IP13及び出力バイアス電流Ibiasが減少する。ノードVSの電圧の上昇でPMOSトランジスタP12が線形領域で動作するようになると、ノードVSの電圧は電源ノードVDDの電圧に近づいていき、電流IP13及び出力バイアス電流Ibiasは、ほぼゼロとなる為、負荷電流Iloadが大きい時、出力電圧VOUTの上昇を回避することができる。
【0169】
ここで、出力電圧VOUTの上昇と記述したが、第5の実施形態では、前述の通り、出力電流Ioutと負荷電流Iloadの電流の向きが第1の実施形態とは逆の関係である為、出力電圧VOUTの変動の方向も逆となり、低下ではなく、上昇となる。本質的には、負荷電流Iloadが大きい時に、出力バイアス電流Ibiasによる出力回路部12での損失を低減することであり、同様である。
【0170】
なお、電流IP12の増加によるノードVSの電圧の上昇で、PMOSトランジスタP12が線形領域に入ると、電流IP12は上記(13)式を満たさなくなり、ノードVSと電源ノードVDDとの間を、ノードVMの電圧と電源ノードVDDの電圧との差のゲート−ソース間電圧及びノードVSの電圧と電源ノードVDDの電圧との差のドレイン−ソース間電圧でバイアスされたPMOSトランジスタP12のオン抵抗を介して流れる電流と等しく、前述の通り、ノードVSの電圧の上昇で、PMOSトランジスタP13はサブスレッショルド領域で動作するようになり、PMOSトランジスタP13に流れる電流が減少する為、PMOSトランジスタP12が線形領域で動作するようになると、電流IP12は、第1の電流源I11の電流I11とほぼ等しくなる。
【0171】
前述の動作は、上記(17)式の右辺に示す負荷電流Iloadが増加すると、出力バイアス電流Ibiasが減少する為、上記(17)式の左辺の出力電流Ioutの変化が抑制される。したがって、出力電圧VOUTの変動が小さくできる。
【0172】
一方、負荷電流Iloadが大きい状態から減少すると、出力回路部12のNMOSトランジスタN11に流れる出力電流Ioutが減少することで、上記(2)式に応じ、電流検出回路部16のNMOSトランジスタN12に流れる検出電流Idetが減少する。つまり、電流バイアス回路部15の第1のカレントミラー部103のPMOSトランジスタP11に入力される電流が減少する為、ノードVMの電圧が上昇し、これに伴い、PMOSトランジスタP12のオン抵抗が上昇する。PMOSトランジスタP12のオン抵抗の上昇は、ノードVSの電圧を低下させる。ノードVSの電圧が、PMOSトランジスタP12が飽和領域で動作する電圧に到達すると、電流IP12は上記(13)式を満たす。電流バイアス回路部15の第2のカレントミラー部104のPMOSトランジスタP13及びP14の閾値電圧よりもノードVSの電圧と電源ノードVDDの電圧との差が高くなると、PMOSトランジスタP13に流れる電流IP13が徐々に大きくなる。電流IP12の減少に応じて、上記(15)式を満たすように、電流IP13が増加し、上記(14)式を満たすように、出力バイアス電流Ibiasが増加する。
【0173】
上記(18)式からも明らかなように前述の設計パラメータ(k,m,n,I11,Irdiv)を変更することで、無負荷時の出力バイアス電流Ibias、負荷電流Iload変化に対する出力バイアス電流Ibiasの変化量(出力バイアス電流―負荷電流特性における傾き)、出力バイアス電流Ibiasがゼロとなる負荷電流Iloadを調整することができる。なお、出力バイアス電流―負荷電流特性の調整に際して、必ずしも上記(18)式における前述の設計パラメータ(k,m,n,I1,Irdiv)のすべてを変更する必要はない。
【0174】
前述の説明の通り、第5の実施形態では、電流の向きや電圧の変化方向等に違いがあるものの、本質的には第1の実施形態と同様であり、負荷電流Iloadに対する出力バイアス電流Ibiasの関係からも明らかであるが、負荷電流Iloadの変化による出力電圧VOUTの変動を抑制すると共に、負荷電流Iloadが大きい場合でも出力電圧VOUTの上昇を回避することが可能である。
【0175】
なお、第2、第3、及び、第4の実施形態に対しても、前述の第1の実施形態と第5の実施形態との関係と同様に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを置き換えた回路構成で同様の効果を実現することが可能である。
【0176】
前述の各実施形態において、電流検出回路部16は、例えば、出力回路部12に対して直列に抵抗を接続し、その両端の電位差をトランジスタで受けて、検出電流に変換する構成でも実現は可能であるが、電源ノードVDDの電圧と出力電圧VOUTの電位差が小さい場合、負荷電流が大きくなると、レギュレータ回路200の電圧出力経路(具体的には、出力回路部12に対して直列に接続した抵抗)での電圧降下によって動作下限電圧が上がるという問題がある。
【0177】
上記各実施形態において電流検出回路部16は、電流駆動能力が異なる点を除き出力回路部12と同じ構成を含む回路であり、誤差増幅回路部11の出力に応じて、出力電流の大きさに比例する検出電流を出力する。電流検出回路部16は、例えば、電源ノードVDDに対して、出力回路部12のPMOSトランジスタP1と並列に接続するPMOSトランジスタP2により構成される。電流バイアス回路部15で負荷電流が大きい時に出力バイアス電流をゼロとすることで、電源ノードVDDの電圧と出力電圧VOUTの電位差が小さい時にも、出力電圧の変動を抑制し、出力電圧の低下を回避すると共に、不要な出力トランジスタサイズの増加なく、動作下限電圧の上昇を回避できる。
【0178】
前述の通り、負荷電流が小さい時に、出力バイアス電流を流し、負荷電流が大きくなると、出力バイアス電流を減少させ、出力電流の変動を抑制するように制御することで、負荷電流の変化に対する出力電圧の変動を抑制することができる為、出力電圧の変動を抑制する他に、従来技術に比べ、以下の利点がある。
【0179】
負荷電流が最大となる時に出力バイアス電流を減少させる為、負荷電流による出力電圧の低下を抑制すると共に、最大消費電流を抑制することができる。
【0180】
負荷電流が最大となる時の出力電圧の低下量を従来技術と同等にする場合、出力トランジスタサイズを小さくすることができ、面積を削減することができる。
【0181】
出力トランジスタサイズを小さくすることで、寄生容量を削減でき、かつ、負荷電流の変化に対して出力電流の変動が小さくなるように制御する為、負荷電流の変化に対する出力トランジスタのゲート電圧の変化を抑制することができ、応答速度を改善できる。
【0182】
なお、前述の各実施形態における回路構成、信号論理、及び、所定の電流値の設定は、あくまで一例を示すものであり、これに限定するものではない。
【0183】
以上、本開示に係るレギュレータ回路について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態及び変形例における一部の構成要素を任意に組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲内に含まれる。