【実施例】
【0060】
Dreamweaver Silverセパレータは、米国特許第8936878号明細書(特許文献4)に記載されている方法に従って作製され、参照により本明細書に組み込まれる。これらの試験において使用される実施例は、長さ5mm及び0.3デニール/フィラメントでの、EFTec A−010−04ナノフィブリル化ポリアクリルニトリル繊維、EFTec L−010−04ナノフィブリル化アセテート繊維、及びポリエチレンテレフタラート繊維を含む、Dreamweaver Silver25であった。このセパレータの特性は、以下の表2に示される。
【0061】
【表2】
【0062】
生地は、厚みの測定がされ、それから、リチウムイオン充電式電池セル内への導入に好適な大きさ及び形状に切断された。しかしながら、そのような導入の前に、電池セパレータの生地のサンプルは分析され、適切な電池セパレータとしてそれらの能力に関するさまざまな特性の検査がなされた。その上、米国特許第7112389号明細書(特許文献5)による電池セパレータナノファイバ膜の比較実施例は、参照として本明細書に組み込まれ、同様にCELGARD製の電池セパレータフィルムは、当該特許における試験、及びCELGARD製品の文献から報告されている。
【0063】
[バッテリセパレータ基材分析及び試験]
試験プロトコルは以下の通りである。
【0064】
多孔率は、参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第7112389号明細書(特許文献5)における方法に従って算出された。結果は%で報告され、電池内にあるときの電解質のように、空気又は非固体物質によって充填されているセパレータのバルク部分と関連づけられている。
【0065】
参照として本明細書に組み込まれるTAPPI試験法T460に従って、ガーレー透気度の試験を行った。この試験に使用する機器は、ガーレー透気度試験機モデル4110である。試験を行うために、試料を挿入し、透気度試験機内に固定する。シリンダ勾配を100cc(100ml)ラインまで上げて、それ自体の重量で降下することができる。100ccの空気がサンプルを通過する時間(秒単位)が記録される。結果は、秒/100ccで知らされ、これは100立方センチメートルの空気がセパレータを通過するのに必要とする時間である。
【0066】
ASTM E−1294「自動液体多孔率計を用いたメンブランフィルタの孔径特性標準試験法」に従って平均流量孔径の試験を行ったが、それは毛管流多孔率計を用いたASTM F 316による自動バブルポイント法を使用する。試験は、ニューヨーク州イサカにあるPorous Materials社で実施した。
【0067】
セパレータの空気透過性とは、一定の空気量が弱い圧力下で標準領域中を通過するのに要する時間の測定により表される。その手順はASTM D−726−58に記載されている。
【0068】
[実験:セル製造業者A]
製品のリン酸鉄リチウム電極は、2つの製造業者から得られ、均一の圧力を与える2個のプレキシグラス間に固定された単層パウチセルで試験された。上記セルにおいて、自己放電以外の電気的性質が非常に安定していたが、より完全に他の文献で報告されるだろう。
【0069】
単層パウチセルは、50mm×50mmの大きさで作製された。電極(アノード及びカソードの組合せを整合させている)が、中国のバッテリ製造業者によって商業的に製造された。セルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、及び炭酸ジエチルが4:3:3の容積の混合物に、1モルのLiPF6を含むリチウムイオン電池電解質で充填され、以下で見出される表4の変数(具体的には、SEI層形成のためのチャージ率、電圧、カットオフ電流、及びサイクル数、並びに各セルのセパレータに対する乾燥温度)を使用して、表3の手順及び試験パラメータに従って封止され、形成され、試験された。試験は、下記手順を用いたNeware電池テスタで行われた。
【0070】
セル構築プロセスは、セパレータの乾燥、セルの組み立て及び乾燥、電解質の充填及び形成、続いて、30%の充電状態(SoC)での自己放電試験、並びに、完全な充電及び完全な放電を含む最終的な容量試験が含まれる。この試験結果は、以下の表3及び表4に示される。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
製造業者A製の電極から作製されるセルの形成結果(上記で見られる)は、表5において以下に示される。各セルの条件は、2つのセルの平均値であることに注意されたい。
【0074】
【表5】
【0075】
これらの結果から、いくつかの見解を得ることができる。第1のチャージサイクル間のクーロン効率は比較的低く、条件A2の45%から条件A3及びA6の84%の範囲であり、条件A5、A9、及びA12はすべて80%を超えている。充電サイクル時間はクーロン効率と相関し、時間が8:02〜42:55と大きな範囲となっている。極めて長い時間はすべて、1回だけ充電を行ったセル(A2、A8、A11)で生じた。これらの組のセル間の変化は非常に大きく、潜在的な実験誤差を示唆している。実施された第2のサイクルのクーロン効率は、全てのセルに対してまさに100%近くにあり、97.6%〜102.7%の範囲にある。セルの組間の平均差は、0.75%であった。また、第2のサイクルの充電時間は比較的均等であり、5:42〜7:09の時間範囲にある。セルの組間の平均変動は0:30の時間であり、平均について非常にタイトな相関を示している。
【0076】
自己放電試験の結果は、自己放電の後放電を含んでおり、
図6と同様に以下に示される表6に挙げられる。ここでも、各セルの条件は、2つのセルの平均値であることに注意されたい。
【0077】
【表6】
【0078】
さらにまた、いくつかの見解を得ることができる。自己放電損失の範囲は、電圧及び容量において非常に大きい。電圧に関しては、14mV〜40mVの損失範囲があり、容量では、0.2mAh〜5.8mAhの範囲がある。
図6からは、最終的な自己放電電圧、自己放電上の電圧損失、及び自己放電上の容量損失間の緩やかな相関しかないと推定することができる。その上、最終的な放電容量の範囲は大きいが、プロセスパラメータとの相関は、ほんのわずかである。電極の大きさが小さいことと、誤整列の可能性の両方があるため、大きな実験誤差が存在する可能性がある。組間の高い相関性はなく、組の平均変動は2mAhを超える。
【0079】
[データ分析:セル製造業者A]
データセットは準実験計画法で設計され、部分集合の平均算出が単一変数の分離を可能にし、その変数と関連した各種の測定値における変化を得ることができる。これらの平均及び分離される変数は、表7において以下に示される。
【0080】
【表7】
【0081】
各これらのグループの中のデータを平均することによって、変数がサンプルで最も多数のグループの中で分離されることができ、実験誤差に平均化して、更には第1水準の相互相関を特定する。いずれの場合においても、平均したセルの最小数は、8である(定電圧電流カットオフ及び放電圧カットオフに対して)。測定ごとに得られた平均は、表8において以下に示される。
【0082】
【表8】
【0083】
このデータが、変数(表の最も左の列)によって、結果(表のセル)が変化するかどうか、個々に示すことができる。結果の中で、性能基準としてセルの使用者に重要なことが2つある。これらのうち第1は、自己放電であり、我々が自己放電損失mAhで確認しており、実容量は14日のホールド期間の間に失われる。第2は、最終的な放電容量であり、セルは販売される準備ができているため、セルの初期容量として測れることができる。電荷容量に対して、いくらかの結論を出すことができる。
【0084】
最終的な放電容量は、明らかに低い乾燥温度及び大きな充電カットオフ電圧によって影響を受け、各々3〜4mAh、又は5〜7%だけ容量に影響を及ぼす。これらの関係は
図7に示される。その上、自己放電損失(mAh)は、
図8に示すように、多くの変数によって明らかに(小さな)影響を受け、その変数は、低い乾燥温度、低い定電流充電レート、小さな定電流カットオフ電流、大きな充電電圧、及び少ないサイクルを含む(これは、これらのセルのクーロン効率が、2つのサイクルを経てセルの第1のサイクルのクーロン効率と相関しないので、実験的な異常であるように思われる)。これらの結果は、本発明の1つの基準であり、小さな定電流カットオフ電流に対応するこの場合では、弱電流、高電圧、及び高電圧での長期の浸漬を用いた形成サイクルを含む。
【0085】
図9は、リチウムイオン電池における最初の充電時間と自己放電との間の相互相関を表示している表である。最も強い相関は、第1の充電サイクルに費やされる総時間と、開放セルで14日後の自己放電残留容量との間にあり、右にチャートで示される。形成条件に基づき、容量損失は、5mV〜2.5mV未満で50%以上減少することができる(セルは、18mV又は自己放電前の30%のSOCまで充電された)。一般的に、より長い充電時間を達成するために用いる変数とは関係なく、形成終了後の自己放電を減らすために、長い初期充電時間を用いることと強い相関があるように見えることが理解できる。
【0086】
[実験:セル製造業者B]
製造業者B製の電極から作製されるセルの形成結果は、表9において以下に示される。各セルの条件は、2つのセルの平均値である。
【0087】
【表9】
【0088】
これらの結果から、いくつかの見解が得られ、製造業者Aのものと非常に類似している。第1の充電サイクル間のクーロン効率は比較的低く、条件B8の13%から条件B12の85%の範囲であり、条件B2、B6、及びB11はすべて80%を超えている。充電サイクル時間はクーロン効率と相関し、8:02〜45:29と大きな時間範囲となっている。製造業者Aと異なり、そこに長い充電時間と形成条件との間に相関があるように思えない。組のいくつかには、良好な整合性があり、他には、幅広い変動と共に、断続的な実験誤差を示している。実施された第2のサイクルのクーロン効率は、2つ(B7−2、B10−2)以外の全てのセルに対してまさに100%近くあり、98.8%〜100.7%の範囲にある。また、第2のサイクルの充電時間は比較的均等であり、6:34〜13:33の時間範囲にある。
【0089】
自己放電試験の結果は、自己放電の後放電を含んでおり、表10に挙げられる。また、各セルの条件は、2つのセルの平均値である。
【0090】
【表10】
【0091】
さらにまた、いくつかの見解を得ることができる。自己放電損失の範囲は、電圧及び容量において非常に大きい。電圧に関しては、37mV〜86mVの損失範囲があり、容量では、2.9mAh〜7.7mAhの範囲がある。最終的な自己放電電圧、自己放電上の電圧損失、及び自己放電上の容量損失間の良好な相関がある。最終的な放電容量の範囲は大きいが、プロセスパラメータとの相関は、ほんのわずかである。ここには、電極の大きさが小さいことと、誤整列の可能性の両方があるため、大きな実験誤差が存在する可能性がある。組間の高い相関性はなく、組の平均変動は2mAhを超える。
【0092】
[データ分析:セル製造業者B]
データは、製造業者Bに関しては同じグループ間で平均化された。測定ごとに得られた平均は、表11において以下に示される。
【0093】
【表11】
【0094】
製造業者Aに関して同一のデータに注目すると、いくつかの結論を出すことができる。最終的な放電容量は非常に安定しており、実際は充電電圧にのみ影響を受ける。これらの関係は
図11に示される。自己放電損失(mAh)は、
図12に示すように、多くの変数によって明らかに(小さな)影響を受け、これは、 低い乾燥温度、低い定電流充電レート、小さな定電流カットオフ電流、大きな充電電圧、及び多くのサイクルを含む。また、これらの結果によって、高電圧での長時間の浸漬による高電圧でゆっくりとした充電は、優れた特性を有するバッテリを提供するといった結論が支持される。
【0095】
特に自己放電に関しては、相関は、サイクル数を除いて製造業者Aに関するかぎり同一であり、製造業者Aに関して、1サイクル形成対2サイクルとのセル間の第1のサイクルクーロン効率の不整合による、実験上の異常であるように思える。製造業者Bのセルには、この不整合はなかった、結論は、より多くサイクルが自己放電を減らすということであるように、複数の他のセル構築において見られた一般的な挙動と一致する。
【0096】
製造業者Aと同様に、C1時間と自己放電損失との間に、1つの重要な相互相関があり、
図13において以下に示される。理解されているように、より長い充電時間を達成するために用いる変数とは関係なく、形成終了後の自己放電を減らすために、より長い初期充電時間を用いることと強い相関があるように見える。
【0097】
形成パラメータと、自己放電と、達成されたセル容量との間には、いくつかのつよい相関が示された。あらゆるセルが単独で最適化されなければならず、これらの結果が他のセルと相関しない場合がある一方で、これらの結果に基づいて、以下の推奨事項により、おそらく結果として最大5%のセル容量の改善と、最大50%の自己放電レートの減少にいたる。
【0098】
結果に基づいて、特定の実施形態では、Dreamweaver Silverセパレータは、最大摂氏110度のセパレータ乾燥温度で乾燥させることが推奨される。更に、SEI層の形成は、セルが部分的に充電されるまで、最大C/6までの小さな初期充電サイクル電流を利用し、セルが部分的に充電された後、より大きなC/6での充電を利用することが推奨される。更に、形成は、いくつかのカソードシステムのために、少なくとも3.6ボルト、又は、4.0ボルトと同程度の安定した高さ、若しくはそれ以上高さで進行することが推奨される。更に、形成には、弱電流(C/60未満)が達成されるか、又は特定の期間(6時間超)の間のいずれかまで、高電圧CV(定電圧)充電が含まれることが推奨される。
【0099】
図22は、外筐体12を含む典型的な電池10の構造を示し、その外筐体12は他の全ての構成要素を包含し、セルからの電解質の漏れだけでなくセル環境の汚染を防ぐよう確実に封止される。このように、アノード14は、カソード16と直列に提供され、その2つの間に少なくとも1つの電池セパレータ18が提供される。電解質20は封止前にセルに加えられて、必要なイオン発生を提供する。このように、セパレータ18は、アノード14及びカソード16の接触を防止するのを助け、同様にセパレータ18によって電解質20から選択されたイオン移動を可能にするのを助ける。電池セルの汎用形態は、この構造表現に従い、内部要素ごとに構造の大きさ及び構成が異なっているにもかかわらず、電池セル自体の大きさ及び構造よって決まる。この状況で、実質的に円形の固体構成要素のボタン電池が、このようなセルの範囲内でセパレータの効果を適切に試験するために作り出された。
【0100】
それから、その目的で、電池の分解後にセパレータの分解及び測定を可能にするために、コイン電池が作り出された。CR2032コイン電池が組み立てられた。LFP及び黒鉛電極は、上記の製造業者Bから使用された市販の電極であり、炭酸エチレン及び炭酸ジエチル(EC/DEC、1:1の体積)の混合物の1.0MのLiPF
6溶液が、電解質として用いられた。CELGARD2400セパレータが、60℃で乾燥の後に用いられた。DWI Silverセパレータに関しては、セルは、90℃及び120℃で4時間乾燥させたセパレータだけでなく、未乾燥セパレータによっても作製された。セルの組み立ての後、セルは、安定化のため50℃の真空下で終夜保持し続けられた。安定化の後、セルは、Toyo battery cyclerでサイクルさせた(CCCV)。最初に、セルは、2回の形成サイクルの間サイクルさせた後に、1C、2C、4C、2C(各3サイクル)でレート性能試験が続いた。レート性能の後、セルは、1Cレートで50サイクルの間サイクルさせた。これらのサイクル試験の結果は、
図19の充電放電曲線、
図20のサイクル寿命、及び
図21のレート性能として示される。
【0101】
図20に示すように、このような電池は、網目状に絡ませたマイクロファイバ/ナノファイバセパレータ(例えば、DWI Silver 25)によって、その中に予め形成されたSEI層を有して、このようなSEIの形成の全体にわたって存在し、その中に炭酸エチレン/炭酸ジエチレン、及びLiPF6電解質を有する電池は、1C、2C、4C、2C、及び1Cのサイクルの全体にわたって、少なくとも38mAh/gの比容量をサイクルリングさせた後に示す。比較して、CELGARD2500セパレータ型電池(同一の電解質及び全体構造を有する)は、同一サイクル上で、はるかに低い比容量の測定値を示した。同様に、
図21は、本発明の電池、及び比較したCELGARD型の比容量の異なった測定値を示している。初期充電から50連続サイクル亘って、予め形成されたSEI層の電池は、全く異なる結果を示した。本発明の電池は、上記のように同じ電解質を有し、このような連続50サイクルに亘って100mAh/gを上回る比容量を示した。顕著に、比較したバッテリは、このような数以下で十分であったが、本発明のタイプに対してより大きな信頼性を示し、おそらく電池セパレータだけでなくアノード上のSEI層の効果的な予備形成に起因する。
【0102】
それから、目的の電池(発明及び比較の)の範囲内で、予め形成されたSEI層の全体の結果を示すために、特定の実施例は、事実上、分解を前提として、セパレータ自体のその中の及びその上のSEI層全体の被覆範囲を決定していた。このように、サイクルリングの完了の後、実施例のコイン電池は、アルゴンに満ちたグローブボックス内で折り曲げられ、SEM及びEDX分析前に真空下で乾燥させた。SEM及びEDX分析の試料は準備され、金/パラジウムでコーティングした。SEM分析には、Carl Zeiss Auriga−BU FIB FESEM顕微鏡が用いられた。EDX分析には、エネルギー分散型分光計(Bruker Nano with XFlash Detector 5030)を有する走査型電子顕微鏡が用いられた。セパレータに実施されたEDXは、結果として表12に示すような原子ピークになった。
【0103】
【表12】
【0104】
これらの測定は、SEI層が、比較のフィルムセパレータ上よりも本発明のセパレータ上のほうがはるかに多く成長した場合を示す。したがって、多くても70の炭素原子ピークの測定値の場合、少なくとも8の酸素原子ピーク、少なくとも5のフッ素原子ピーク、及び少なくとも1.5のリン原子ピークは、この状態おいて重要であり、電池内で成熟したSEI層を提供する。上記のように、このようなSEI層は、特にアノード及びセパレータ上に共に存在する層内に、初期充電及びサイクルリングに対するより大きな信頼性を与える。したがって、このような効果的なSEI層の結果と、サイクリングと初期充電の間、このように被覆しやすいセパレータによって、少なくとも、そこから作製される電池は、上記のように、優れた初期容量を示し、同様に、目的のデバイス(実施例のような携帯電話など)内でこのような初期充電を待つと共に、使用中の大きな信頼性及び潜在的により長い保存寿命を提供する。
【0105】
実施例の方法は、アノード、カソード、及びセパレータを備える内部容積を含むセルを組み立てる工程と、セルの内部容積に電解質を充填する工程と;アノード及びカソードを充電装置に接続する工程と;セルが電圧容量に到達するまで、C/6以下のレートでセルに充電する工程と;6時間超の間に設定された電圧より高い電圧でセルに充電する工程とを含む。更に、本発明は、低いレートの充電工程の最終電圧が、3.4ボルト以上であるような方法を包含する。更に、本発明は、高電圧の充電工程の電圧が、3.4ボルトを超えるような方法を包含する。
【0106】
実施形態は、充分な固体電解質中間層を提供し、印加される理想的な電流は、C/4より速くなく、好ましくはC/6より速くなく、及び、より好ましくはC/10より速くないように(Cは1時間で全容量をセルに充電するのに必要とされるレートである)、特定のパラメータを含んでもよい。更に、理想的な電圧が3.3ボルトより大きく、好ましくは3.6ボルトより大きく、及びより好ましくは3.9ボルトより大きい電圧で得られるように、特定のパラメータが充分な固体電解質中間層を提供するような、電圧の使用が非常に重要である。その上、電流を印加する充分な時間が、一度に6時間より長く、好ましくは一度に9時間より長く、より好ましくは一度に12時間より長く実施されるように、3.6ボルト以上の電圧を保ち電流を使用する。このプロセスによって、SEI層が電流(セパレータの孔径でない)によって制限され、更に高電圧で緩やかなプロセスを可能にするレートで形成することができ、いかなる隙間も満たし続けて、アノードに均一で完全な被覆を与える。上記のように、このようなアノードの被覆範囲は、バッテリ全体の信頼性にとって重要である(そして、おそらく、初期充電前よりも、保存寿命を延ばす)。
【0107】
本開示は、特にその好ましい実施形態及び添付の図面に関して、図と共に説明されてきたが、当業者であれば、形状及び細部の様々な変更が、本開示の趣旨を逸脱することなく、その分野においてなされ得ることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は、詳細な説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。