(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981980
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】家電機器
(51)【国際特許分類】
B26B 19/48 20060101AFI20211206BHJP
B26B 19/46 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
B26B19/48 C
B26B19/46
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-532602(P2018-532602)
(86)(22)【出願日】2016年12月29日
(65)【公表番号】特表2019-505274(P2019-505274A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】EP2016082796
(87)【国際公開番号】WO2017121623
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】16150829.6
(32)【優先日】2016年1月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ダールウィンケル ヘールト ヤン
【審査官】
須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02236054(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0276041(US,A1)
【文献】
実開昭50−009195(JP,U)
【文献】
特開2010−172980(JP,A)
【文献】
特表2015−535481(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第02645912(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B19/00−19/48
B26B1/00−11/00
B26B23/00−29/06
B25F1/00−5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器であって、可動部材を持つ機械的機能ユニットと、前記家電機器の一次機能を実行するために前記可動部材を動作させるためのモータを収容する筐体と、前記機械的機能ユニットによって実行される前記一次機能をサポートする前記家電機器の二次機能を実行するために電気的動作部材を持つ電気的機能ユニットと、を有し、前記電気的機能ユニットは、前記機械的機能ユニットと前記筐体との間に配置される取り外し可能なモジュールに収容され、前記電気的機能ユニットは、前記電気的動作部材に給電するために、前記モータによって生成される機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するジェネレータを有する、家電機器。
【請求項2】
前記モジュールが、前記筐体における前記モータを前記機械的機能ユニットにおける前記可動部材に結合するとともに、前記ジェネレータを駆動するトランスミッションを有する、請求項1記載の家電機器。
【請求項3】
前記モジュールが、前記モジュールを前記筐体にマウントするために前記筐体と協働する第1のインタフェースと、前記機械的機能ユニットを前記モジュールにマウントするとともに前記筐体における前記モータを前記機械的機能ユニットにおける前記可動部材に結合するために前記機械的機能ユニットと協働する第2のインタフェースと、を持つエンクロージャを有する、請求項2記載の家電機器。
【請求項4】
前記トランスミッション及び前記第1のインタフェースが、前記モジュールが前記筐体にマウントされた場合に、前記トランスミッションと前記モータとが結合されるように構成され、前記トランスミッション及び前記第2のインタフェースが、前記機械的機能ユニットが前記モジュールにマウントされた場合に、前記トランスミッションと前記可動部材とが結合されるように構成される、請求項3記載の家電機器。
【請求項5】
前記トランスミッションが、前記ジェネレータを駆動するために、前記モータの動作に応じて回転する駆動ギアを含む、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項6】
前記ジェネレータが、前記駆動ギアが回転した場合に前記ジェネレータが電気的エネルギーを生成するように動作されるように、前記トランスミッションの前記駆動ギアと係合する駆動ピニオンを有する、請求項5記載の家電機器。
【請求項7】
前記トランスミッションが、前記機械的機能ユニットの前記可動部材と係合する駆動シャフトを有し、前記駆動シャフトは、前記モータの動作に応じて回転する、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項8】
前記機械的機能ユニットが、前記駆動シャフトを前記可動部材に結合する作動機構を有する、請求項7記載の家電機器。
【請求項9】
それぞれ異なる二次機能を実行するための異なる電気的機能ユニットをそれぞれ含む複数のモジュールを有し、前記複数のモジュールは、互いに取付けられるとともに、前記機械的機能ユニットと前記筐体との間に配置される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項10】
前記機械的機能ユニットが、毛除去装置であり、前記可動部材が、切断ブレードである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項11】
前記電気的動作部材が、レーザ線ジェネレータ、LED、又は、センサである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項12】
家電機器との使用のための電気的機能ユニットを有するモジュールであって、前記モジュールは、可動部材と、モータを収容する筐体と、を持つ機械的機能ユニットに対して取り外し可能にマウント可能であり、前記モジュールは、前記機械的機能ユニットと前記筐体との間に延在するとともに、前記可動部材が前記家電機器の一次機能を実行するために前記モータと駆動的に係合され、前記電気的機能ユニットは、前記機械的機能ユニットによって実行される前記一次機能をサポートするための二次機能を実行する電気的動作部材を持ち、
前記電気的機能ユニットは、使用時に前記筐体に装着されたときに、前記電気的動作部材に供電するために、前記モータにより生成される機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するジェネレータを有する、モジュール。
【請求項13】
前記筐体及び前記機械的機能ユニットに装着されたときに、前記筐体における前記モータを前記機械的機能ユニットにおける前記可動部材に結合するとともに、前記ジェネレータを駆動するトランスミッションを更に有する、請求項12に記載のモジュール。
【請求項14】
前記トランスミッションが、前記ジェネレータを駆動するために、前記モータの動作に応いて回転する駆動ギアを含む、請求項13記載のモジュール。
【請求項15】
前記電気的動作部材は、レーザ線ジェネレータ、LED、又は、センサである、請求項12乃至14のいずれか1項に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電化製品に関する。特に、シェーバ、ヘアクリッパ、トリマ等の毛髪切断用機器に関する。本発明は、また、機器によって実行される機械的に操作される主機能をサポートする電気的に操作される第2の機能を実行する機器のための電気機能ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
シェーバ又はヘアトリマの一次機能は、毛を切断することであり、通常、それらは、この目的のための可動切断ブレードを備えている。より最近では、シェーバ、クリッパ、又は、ヘアトリマには、一次的な毛切断機能を強化又は補完する二次機能を実行するための二次的な電気的に動作される装置が付加的に装備されている。例えば、レーザ線を皮膚上に投影するためのレーザ線ジェネレータを有するシェーバが知られている。ユーザは、切断されるべき毛に対して切断ブレードを位置決め又はガイドするのを助けるために、この線に頼ることができる。また、皮膚に物質を噴霧するためのシェービング又は超音波ミストジェネレータの他に、皮膚を照らすために、シェーバ又は他の毛切断装置にLEDを提供することも知られている。経皮水分損失、湿度、及び、温度を検出するための画像捕捉装置、顔面輪郭走査装置、又は、センサを組み込んだシェーバもまた想定されており、これらの全てが動作するための電力源を必要とする。
【0003】
一次機能としてシェービング処理を実行するように適合されるとともに、二次機能を実行するために電気エネルギーを生成する手段も有する機器などの家電機器は、国際公開第2009/147561号から公知である。
【0004】
欧州特許出願公開第2236054号明細書は、ヘッド部、ハンドピース部、及び、アタッチメント部を有するボディグルーミング装置を開示している。アタッチメント部は、ヘッド部とハンドピース部との間に取り外し可能に配置される。アタッチメント部は、ハンドピース部から独立したエネルギー源により駆動されるか、ハンドピースの駆動によって駆動されるパワー出力によって機械的に駆動されるか、又は、ハンドピースにおける電気的エネルギー源によって供給される電気的エネルギーによって駆動される。
【0005】
米国特許出願公開第2243483号は、電気かみそり用の取り外し可能な光アタッチメントユニットを開示している。軽量アタッチメントユニット及びカミソリは、電気かみそりの本体内の電源からアタッチメント内の電球に電力を供給するためのプラグ及びソケット構成を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、機械的切断機能及び二次的電気機能に関連する構成要素は、二次的電気機能のための電気エネルギーが主電源又は電池のなどの、装置の一次機能を実行するための切断ブレードを駆動するモータに供給されるのと同じ電源から直接供給される装置の筐体内に一体化されている。この構成は、ユーザが必要とする異なるタイプの二次的電気機能のために追加の装置を購入することを余儀なくされるため、ユーザの視点から装置の柔軟性を制限する。また、製造業者は、異なる二次的電気機能を有する各装置を別々に設計及び製造する必要があり、それによってコスト及び複雑性が増大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上述の問題の1又は複数を実質的に緩和又は克服する、シェーバ、ヘアトリマ、又は、ヘアクリッパなどの家電機器を提供することである。
【0008】
本発明は、独立請求項によって規定される。従属請求項は、好適な実施形態を規定している。
【0009】
本発明によれば、家電機器であって、可動部材を持つ機械的機能ユニットと、前記家電機器の一次機能を実行するために前記可動部材を動作させるためのモータを収容する筐体と、前記機械的機能ユニットによって実行される前記一次機能をサポートする前記家電機器の二次機能を実行するために電気的動作部材を持つ電気的機能ユニットと、を有し、前記電気的機能ユニットは、前記機械的機能ユニットと前記筐体との間に配置される取り外し可能なモジュールに収容される、家電機器が提供される。
【0010】
取り外し可能なモジュールにおいて電気的機能ユニットを供給することによって、筐体及び機械的機能ユニットが異なるモジュールとともに使用され得るため、即ち、モジュールが様々な二次機能を実行するための電気的機能ユニットを収容するため、機器の柔軟性が増大する。あるいは、モジュールは、必要とされる二次機能がない場合、除去されてもよい。機械的機能ユニット及び筐体は、様々な電気的機能を実行するための異なるモジュールが取付けられ得る共通のプラットフォームである。
【0011】
電気的機能ユニットは、モータによって生成された機械的エネルギーを、電気的動作部材に給電するための電気的エネルギーに変換するジェネレータを有する。
【0012】
電気的機能ユニットを機械的機能ユニットと筐体との間に配置されるモジュールとして構成するとともに、電気的機能ユニットがモータによって生成された機械的エネルギーを電気的動作部材を動作させるための電気的エネルギーに変換するように構成することによって、モジュールと筐体及び/又は機械的機能ユニットとの間に電気的な接続を必要とすることがなくなり、これによって、設計を単純化するとともに、モジュールと筐体との間、及び、モジュールと機械的機能ユニットとの間に機械的な接続のみが存在することを保証することができる。さらに、必要に応じて、異なるタイプの電気的機能ユニットを同一の筐体及び機械的機能ユニットに関連付けることが可能になる。筐体及び機械的機能ユニットは、異なるタイプの電気的機能ユニットが製造中に取り付けられ、それによって、異なる電気的機能ユニットに適合するように、機器の複雑な再設計を回避する標準プラットフォームとなる。
【0013】
好適には、モジュールは、モータを機械的機能ユニットにおける可動部材にを結合するとともに、ジェネレータを駆動するトランスミッションを有する。
【0014】
筐体と機械的機能ユニットとの間のトランスミッション又は駆動トレインは、モジュールの一部であるため、故障の場合には筐体又は機械的機能ユニットのいずれかに手を加えることとなくモジュールを交換することによってトランスミッションを容易に交換することができる。
【0015】
好ましくは、モジュールは、モジュールを筐体に取り付けるために筐体と協働する第1のインターフェースと、機械的機能ユニットをモジュールに取付けるとともに、筐体におけるモータを機械的機能ユニットにおける可動部材に結合するために機械的機能ユニットと協働する第2のインタフェースと、を有する。
【0016】
筐体及び機械的機能ユニットの各々とインタフェースすることを可能にする部分を持つエンクロージャを供給することによって、モジュールは、二次的な電気的機能を提供することに加えて、モータを機械的機能ユニットの可動部材に結合する自己完結型の、独立した、又は、別個のユニットとなる。
【0017】
トランスミッション及び第1のインターフェースは、好ましくは、モジュールが筐体に取り付けられたときにトランスミッションがモータと結合するように構成される。
【0018】
第1のインターフェースを筐体に取り付ける行為がトランスミッションをモータに連結する場合、モジュールを筐体に取り付ける作業は非常に簡単になる。
【0019】
トランスミッション及び第2のインターフェースは、また、機械的機能ユニットがモジュールに取り付けられたときに、トランスミッションが可動部材と結合するように構成されてもよい。
【0020】
機械的機能ユニットをモジュールに取付ける行為がトランスミッションを可動部材に結合する場合、機械的機能ユニットを筐体に取付ける作業は非常に簡単になる。また、モジュールがない場合、ユーザは機械的機能ユニットを筐体に直接結合して、モータが可動部材を駆動し、追加の二次的電気的機能なしにその一次機能を実行することが想定される。
【0021】
好ましい実施形態では、トランスミッションは、ジェネレータを駆動するためにモータの動作に応答して回転する駆動ギアを含む。
【0022】
モジュールにジェネレータを設けることによって、モジュールは、モータと可動部材との間のトランスミッションにおける機械的エネルギーから利用される自身の電気的エネルギーを生成し、これにより、筐体におけるバッテリなどの電源と電気的機能ユニットとの間の電気的接続を設けることの必要性を回避することができる。
【0023】
好ましくは、ジェネレータは、駆動ギアが回転した場合にジェネレータが電気的エネルギーを性絵師するように動作されるように、トランスミッションの駆動ギアと係合する駆動ピニオンを有する。
【0024】
駆動ギア及び駆動ピニオンを介してトランスミッションをジェネレータに結合することによって、トランスミッションの速度が、駆動ピニオン及び駆動ギアの関連サイズを然るべく選択することによって、ジェネレータモータの速度に対して制御され得る。
【0025】
好適には、トランスミッションは、エンクロージャから突き出る駆動シャフトを有する。駆動シャフトは、機械的機能ユニットの可動部材と係合し、モータの動作に応答して回転する。
【0026】
駆動シャフトは、モータの駆動がモジュールを通じて機械的機能ユニットに伝達されることを可能にする。
【0027】
好ましい実施形態では、機械的機能ユニットは、可動部材に駆動シャフトを結合する作動機構を有する。
【0028】
作動機構は、シャフトの回転が、所望の速度で、可動部材の所望の運動に変換されることを可能にする。例えば、可動部材が往復運動する切断ブレードである場合、作動機構は、所定の周期でブレードを往復運動させてもよい。
【0029】
電気的機能ユニットは、それぞれ異なる二次機能を実行するための異なる電気的動作部材をそれぞれ有する複数のモジュールが互いに取り付けられ、機械的機能ユニットと筐体との間に配置された複数のモジュールを有していてもよいことも想定される。
【0030】
複数のモジュールを供給することによって、2以上の電気的機能が同時に実行され得る。
【0031】
好ましい実施形態では、機械的機能ユニットが毛除去装置であってもよく、可動部材が切断ブレードであってもよい。
【0032】
本発明は、毛を切断するために機械的に動作される装置が組み込まれ、機械的に操作される装置の動作を補うために、レーザ線ジェネレータ、LED、又は、センサなどの二次的電動装置を有し得る、毛除去装置に特に適用される。
【0033】
本発明の他の態様によれば、本発明に係る家電機器のための電気的機能ユニットを収容するモジュールであって、前記モジュールは、可動部材と、モータを収容する筐体と、を持つ機械的機能ユニットに対して取り外し可能にマウント可能であり、前記モジュールは、前記機械的機能ユニットと前記筐体との間に延在するとともに、前記可動部材が前記家電機器の一次機能を実行するために前記モータと駆動的に係合され、前記電気的機能ユニットは、前記機械的機能ユニットによって実行される前記一次機能をサポートするための二次機能を実行する電気的動作部材を含む、モジュールが提供される。
【0034】
本発明に係る家電機器を既に所有しており、その機器のモジュールによって実行される電気的機能以外の電気機能を使用することを望むエンドユーザは、その装置の筐体及び機械的機能ユニットとともに用いるための他の電気的機能を実行可能な追加のモジュールを購入することができる。
【0035】
本発明の他の態様によれば、毛を切断するための可動ブレードを持つ毛切断ユニットと、可動ブレードを往復運動させるためのモータを収容する筐体と、毛切断ユニットと筐体との間に延在するために毛切断ユニット及び筐体に取り外し可能にマウント可能なモジュールと、を有するシェーバが提供される。
【0036】
本発明の当該態様の好ましい実施形態では、モジュールは、レーザ線ジェネレータを有する。
【0037】
本発明のこれらの態様及び他の態様が、以下に説明される実施形態を参照して、明確且つ明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、一例として、以下説明される。
【
図1】
図1は、筐体と機械的機能ユニットとの間にモジュールが配置されていない、本発明の一実施形態に係る組み立てられた毛除去装置の斜視図を示している。
【
図2】
図2は、
図1に示される装置の部分的な断面側面図を示している。
【
図3】
図3は、機械的機能ユニットが筐体から取り外された、
図1の斜視図を示している。
【
図4】
図4は、モジュールが筐体と機械的機能ユニットとの間に配置された、
図3の斜視図を示している。
【
図5】
図5は、
図4に示される装置の部分的な断面側面図を示している。
【
図7】
図7は、
図6に示されるモジュールの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面によれば、可動部材3を持つ機械的機能ユニット2と、毛を切断する一次機能を実行するための可動部材3を動作させるためのモータ5を収容する筐体4と、機械的機能ユニット2によって実行される毛切断機能をサポートする又は補う二次機能を実行するための電気的動作部材7を持つ電気的機能ユニット6と、を有する、シェーバ、トリマ、又は、ヘアクリッパなどの毛除去装置1の形式の家電機器が提供される。電気的機能ユニット6は、モータ5によって生成された機械的エネルギーを、電気的動作部材7を給電するための電気的エネルギーに変換するように構成される。電気的機能ユニット6は、機械的機能ユニット2と筐体4との間に配置されるモジュール8の内部に全体が収容される。
【0040】
図1は、機械的機能ユニット2が筐体4に取付けられている一方、モジュール8は取付けられていない、本発明の一実施形態に係る毛除去装置1を示している。この構成では、装置1は、その一次機能、即ち毛の切断のみを実行可能である。
【0041】
図2は、
図1に示されるのと同一の装置を示しているが、機械的機能ユニット2が筐体4から取り外されている。機械的機能ユニット2は、筐体4にプッシュフィットされていてもよいし、機械的機能ユニット2を筐体4に取り付ける既知のタイプのツイストロック構成であってもよい。
【0042】
筐体4の内部に収容されたモータ5は、一次駆動シャフト9(
図2及び
図5参照)を持つ。結合部材10が、一次駆動シャフト9の自由端に取付けられている。
図1乃至
図3に示されるように、結合部材10は、一次駆動シャフト9ひいてはモータ5を、機械的機能ユニット2における作動機構11を介して、可動部材3に結合する。作動機構11は、毛を切断する目的のために、固定部材12に対して可動部材3の往復運動を生じさせるため、モータ5からの駆動を可動部材3に伝達する。
【0043】
図4乃至
図7によれば、モジュール8が、筐体4と機械的機能ユニット2との間に配置可能である。モジュール8は、モジュール8が機械的機能ユニット2と筐体4との間に延在し、それらを互いに離間するように、モジュール8を筐体4に接続する第1のインタフェース14と機械的機能ユニット2をモジュール8に接続する第2のインタフェース15とを持つエンクロージャ13を有する。インタフェース14は、筐体4へのプッシュフィットであってもよく、インタフェース15は、機械的機能ユニット2へのプッシュフィットであってもよい。あるいは、既知のタイプのツイストロック又はバヨネットタイプの接続が採用されてもよい。エンクロージャ13は、可動部材3に向かう方向に機械的機能ユニット2と並行して延在するとともに、可動部材3に向かう方向において対向する遠端に開口又は透明領域17を持つ脚部16を有する。
図6及び
図7によって最も明確に示されるように、エンクロージャは、シェルを形成するように組み立てられたときに、互いにしっかりと取り付けられる2つの部分又は半端13a,13bの形式で形成されてもよい。
【0044】
モジュール8は、駆動ギア19を含むトランスミッション又は駆動トレイン18を含む。インタフェース14が筐体4に取付けられる場合、結合部材10は、駆動ギア19が結合部材10とともに回転するように、駆動ギア19内に受け入れられて結合する。結合部材10と駆動ギア19との間の結合は、筐体4にインタフェース14を取付けた直接的な結果として生じる。駆動ギア19は、モータ5が動作された場合に電気的エネルギーを生成すべく、ジェネレータ22が駆動ギア19及びピニオン21により駆動されるように、電気的機能ユニット6のモータなどのジェネレータ22に取り付けられたピニオン21の対応する歯に噛み合う歯20を担持する。
【0045】
また、電気的機能ユニット6は、本実施形態においてはレーザ線ジェネレータである、電気的動作部材7を有する。レーザ線ジェネレータ7は、その上端近くにおいて、エンクロージャ13の脚部16内に取付けられる。結果、レーザ線ジェネレータ7によって生成されたレーザL(
図4参照)は、可動部材3近くの、又は、可動部材3と位置合わせされる、ユーザの皮膚(図示省略)上に線Sを形成するために、エンクロージャ13の開口17を通じて、可動部材3に向かう方向において投射される。電気的機能ユニット6は、ジェネレータ22をモジュール8内のレーザ線ジェネレータ7に電気的に接続する導電性配線23を含む。
【0046】
さらに、モジュール8のトランスミッション又は駆動トレイン18は、駆動シャフト24が駆動ギア19とともに回転するように、駆動ギア19から延在するとともに駆動ギア19にしっかりと取付けられた二次駆動シャフト24を有する。結合部材10と同一の二次結合部材26が、二次駆動シャフト24の自由端に取付けられ、穴25を通じてエンクロージャ13から突出する。モジュール8が省略された場合に、
図1乃至
図3において結合部材10が一次駆動シャフト9を機械的機能ユニット2に結合したのと同じ方法で、二次結合部材26は、可動部材3が、一次駆動シャフト9、結合部材10、モジュール8のトランスミッション18の二次駆動シャフト24及び二次結合部材26、並びに、作動機構11を介してなお駆動され得るように、トランスミッション18の二次駆動シャフト24を機械的機能ユニット2に結合する。モジュール8のインタフェース15が機械的機能ユニット2に取付けられると、結合部材26が機械的機能ユニット2に結合されることが理解されよう。
【0047】
使用時には、筐体4に内蔵されたバッテリ27によりモータ5に通電されると、可動部材3が固定部材12に対して往復運動して毛を切断する一次機能が実施される。同時に、ジェネレータ22は、ジェネレータ22を駆動するために回転する駆動ギア19及びピニオン21を介した機械的接続のために作動可能である。駆動ギア19及びピニオン21の歯車は、ジェネレータ22を、レーザ線ジェネレータ7を動作させるための電力を生成するのに十分な速度で駆動し、レーザ線を可動部材3に隣接するユーザの皮膚上に投影する。
【0048】
レーザ線ジェネレータ7を動作させるのに必要な電気エネルギーは、ジェネレータ22によってモジュール8の内部で生成されるため、モータ5を駆動するために使用される電力源、即ちバッテリ27とモジュール8内の電気的機能ユニット6との間には電気的な接続がないことが理解されよう。従って、モジュール8を筐体4から取り外すことが容易であり、電気的端子又は接続を形成又は破壊することを心配することなく、機械的機能ユニット2をモジュール8から取り外して取り外すことが容易である。
【0049】
好ましい実施形態は、レーザ線Sを生成するための電気的機能ユニット6を参照して説明されているが、他の電気的機能を実行するとともに、照明(例えば、LED)や、湿度又は温度、あるいは、経表皮水分損失などの他の何らかの皮膚特性を検出するためのセンサなどの異なる電気的動作部材7を含むモジュール8を代替的に設けることができることが理解されよう。また、電気的動作部材7は、デジタル拡張現実ソリューションを可能にする小型のビデオカメラなどの画像取り込み装置又はレーザ走査装置や、あるいは、超音波ミストジェネレータユニット、又は、パルス圧電ジェットジェネレータであってもよい。これらの電気的動作部材7の全てに、ジェネレータ22によってモジュール内で生成された電力を供給することができる。
【0050】
モジュール8は、筐体4及び機械的機能ユニット2から容易に取り外し可能であるため、エンドユーザは、同じ筐体4及び機械的機能ユニット2を使用しながら、同じ二次機能を実行するための他のモジュール8、又は、異なる二次機能を実行するための他のモジュール8と交換するために、モジュール8を容易に除去することができる。あるいは、
図1に示されるように、二次的な電気的機能が要求されない状況では、モジュール8を完全に省略し、機械的機能ユニット2を筐体4に直接取り付けることができる。図示されていない別の実施形態では、異なる電気的機能ユニット6をそれぞれ含む複数のモジュール8を、スタックされた関係で筐体4と機械的機能ユニット2との間に互いに取り付けることができる。結果、異なる電気的動作機能が各モジュール8によって同時に実行され得る。
【0051】
上述の実施形態では、ジェネレータ22が機械的機能ユニット2が動作している間のみ駆動されるため、電気的機能ユニット6は、機械的機能ユニット2が動作している間のみ動作することが理解されよう。しかしながら、修正された実施形態では、モジュール8は、機械的機能ユニット2の動作の間にジェネレータ22によって充電される再充電可能なバッテリを含んでもよい。このバッテリは、ジェネレータ22が停止している間、電気的機能ユニット6に電力を供給するために使用されてもよい。例えば、ユーザは、機械的機能ユニット2を動作させる前に、皮膚上にレーザ線Sを投射することを望む場合がある。他の実施形態では、ジェネレータは、駆動ギア19及びピニオン21とともに省略されてもよい。代わりに、電気的機能ユニットが、電気的動作部材に給電するために、モジュールにおいて受けられるバッテリを含んでいてもよい。かかるバッテリは、必要に応じて、再充電可能及び/又はリプレース可能であってもよい。例えば、バッテリは、再充電又はリプレースのためにモジュールから取り外されてもよい。あるいは、モジュール全体が、バッテリを充電するためにモジュールが機器から取り外される場合、充電ステーションの端子に接続する端子を有していてもよい。
【0052】
本発明の各実施形態は、個々のユーザの要求に対して非常に柔軟性があり、且つ、より簡単で製造が容易な装置を提供することが理解されよう。
【0053】
上述の実施形態は、例示目的でしかなく、本発明の技術アプローチを限定する意図はない。本発明が、好適な実施形態を参照して詳述されているが、当該技術分野における当業者は、本発明の特許請求の範囲の保護範囲内である本発明の技術アプローチが、本発明の技術アプローチの概念及び範囲を逸脱することなく、修正され、又は、等しく置き換えられ得ることを理解する。請求項において、「有する」なる用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数あることを除外しない。請求項中の任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。