(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カートリッジ(21)は、前記カートリッジ(21)に関連する情報及び/またはパラメータの記憶のための、情報記憶装置(53)を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の電子たばこ製品。
前記添加装置(20)の領域内における、基本的にロッド形状の前記ハウジング(11)の平均的な直径に対する、前記マイクロシステム技術的なユニット(45)の最大の延在の比率は、0.5よりも小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の電子たばこ製品。
前記噴霧器(48)は、前記液体タンク(18)から前記添加装置(20)内へと流入する液体の予熱のための、電気的な予加熱要素(46)と予熱チャンバー(47)とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子たばこ製品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、安全で、高品質で、且つ、認証可能な、電子たばこ製品およびカートリッジを提供することであり、これら電子たばこ製品およびカートリッジにおいて、潜在的な過熱の危険、および、これと関連する有害物質の放出の上記された欠点が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、この課題を、独立請求項の特徴によって解決する。
マイクロシステム技術的なユニットとしての添加装置の少なくとも重要な部分の構成は、本発明に従い、この添加装置の蒸発の目的での加熱からの、液体搬送もしくは液体配量の完全な分離を可能にする。液体は、微細配量装置によって、有利にはインクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器を用いて、添加装置の内側における蒸気チャンバー内へと搬送もしくは噴射される。
微細配量装置から離間された状態で、および、機能的に分離された状態で、有利には、蒸発器の一部としての、正確に温度調節可能な加熱要素が設けられている。加熱要素の温度は、その際、完全に、液体の容積流量に依存せずに調節または制御され得る。確実に調節された温度において、搬送された液体量、および、これに伴って、蒸気/エアロゾルの量は、所望されたように調節され得る。
蒸発器−加熱要素の正確な温度制御/調節によって、過熱、および、このことにより生成する有害物質、例えばアクリル化合物は、完全に回避され得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従い使用されるマイクロシステムテクノロジーは、その際、センサーシステムおよびアクチュエータをも含めた異なる電気機械的な機能グループの、マイクロメートル的に精確な、および、正確に再現可能な製造を、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、半金属、例えば、ケイ素、ケイ素化合物、または、金属酸化物化合物から成る基板の上で、単一の製造工程内において可能にする。このようにして、本発明に従い、大量生産および認証可能性のために必要な製品品質は保障され得る。
有利には、添加装置の、少なくとも噴霧器は、更に有利には同様に蒸発器も、マイクロシステム技術的なユニットとして形成されている。特に蒸発器が、しかしながら、選択的にコストの安い材料から製造されていることは可能である。
【0008】
有利には、液体タンクと添加装置とは、交換可能なユニット
(カートリッジ)内において配設されている。液体タンクが空にされた場合、これに伴って、全てのたばこ製品が廃棄物処理される必要はなく、むしろ、ただ空のカートリッジだけが、充填されたカートリッジと交換されるべきである。エネルギー貯蔵部をも含めた、たばこ製品の重要な部分は、これに伴って、再利用され得る。
カートリッジの一部としての添加装置は、このことによって、カートリッジの漏洩の無い交換を手間暇がかかる密閉構成無しに可能にする、所定の接続部が形成されることの重要な利点を有している。何故ならば、マイクロシステム技術的なユニットの微細構造が、より容易に密閉され得、または、しかもその上、表面張力に基づいて自己密閉的であるからである。
【0009】
カートリッジが、有利には、カートリッジに関連する情報及び/またはパラメータの記憶のための、データ記憶装置もしくは情報記憶装置を備えていることは可能である。
【0010】
有利には、添加装置の領域内における、基本的にロッド形状のハウジングの平均的な直径に対する、マイクロシステム技術的なユニットの最大の延在の比率は、0.5よりも小さい、および更に有利には0.4よりも小さい、およびその上更に有利には0.3よりも小さい、および特に有利には0.2よりも小さい。
マイクロシステム技術的なユニットのコンパクトな構造様式は、たばこ製品もしくはカートリッジ内における、マイクロシステム技術的なユニットの可能な使用に関するフレキシビリティを増大する。
【0011】
噴霧器は、有利には、熱アクチュエータまたはピエゾアクチュエータと後続して配設されたノズルとを有する、自由噴流噴霧器である。本発明の有利な実施形態において、噴霧器は、液体タンクから添加装置内へと流入する液体の予熱のための、電気的な予加熱要素と予熱チャンバーとを有している。噴霧された液体のイオン化を生起するために、液体と接触する噴霧器の金属の部分には、電気的な直流電圧がかけられていることは有利であり得る。
【0012】
有利には、蒸発器−加熱要素の加熱出力は、所定の目標温度へと制御可能及び/または調節可能である。
有利な実施形態において、蒸発器は、電気的な加熱要素と連結されたピエゾ素子を備えている。ピエゾ励起に基づいて振動する加熱要素が、蒸発作用の改善、及び/または、自己洗浄効果の達成、即ち、焦げ付きまたは付着の回避を誘起することは可能である。
【0013】
本発明有利な実施形態において、複数の液体タンクからの、異なる液体が、複数の噴霧器によって噴霧されることは可能であり、その際、これら噴霧器に、有利には、加熱要素を有する相応する複数の蒸発器が所属して設けられている。
このようにして、例えば、作用物質は、合目的に、基礎液体へと追加配量され得る。この状況において、加熱要素の加熱出力が、個々に、所定の目標温度へと制御可能及び/または調節可能である場合、特に有利である。何故ならば、このことが、それぞれの液体の、それぞれの加熱温度の適合および最適な選択を可能にするからである。
【0014】
特に有利には、液体タンクは、可撓的な袋である。このことによって、簡単な手段によって、液体タンクが、姿勢に依存せずに、および、漏洩無く、完全に荷空け可能であることは達成される。
【0015】
本発明の有利な更なる構成において、リキッドオンチップ装置(Liquid−on−Chip−Vorrichtung)の様式の、少なくとも1つの液体貯蔵部ユニットが設けられている。
同様に、このマイクロシステム技術に基づくテクノロジーにおいて、液滴に匹敵する少ない量の液体を、直接的に、チップの上で貯蔵することの可能性があり、この液滴が、一種のブリスターにおいて収納されており、且つ、合目的な作動によって解放され得る。
例えば、基礎液体の噴霧のための自由噴流噴霧器が設けられていることは可能であり、且つ、芳香剤及び/または作用物質の本来の追加配量が、リキッドオンチップ装置を介して行われ得る。
【0016】
本発明の実用的な実施形態において、複数の噴霧器は、特にマトリックス形状またはアレイ形状において、添加装置内に配設されている。
複数の噴霧器に、相応する複数の蒸発器が、例えば、同様に、マトリックス形状において、所属して設けられていることは可能である。より多くの蒸気量の生成のために、複数の添加装置もしくはマイクロシステム技術的なユニットが、たばこ製品内に配設されていることは可能である。
【0017】
本発明を、以下で有利な実施形態に基づいて、添付された図に関連して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
電子たばこ製品10は、基本的にロッド形状または円筒形状のハウジング11を備えており、このハウジングが、横断面において円形、長円形、楕円形、正方形、矩形、多角形、または、他の形状で成形されていることは可能である。ハウジング11内において、空気通路30が、たばこ製品の少なくとも1つの空気流入開口部31と吸い口端部32との間に設けられている。このたばこ製品10の吸い口端部32は、その際、消費者が吸入の目的で吸引し、且つ、このことによって、たばこ製品10が負圧でもって作用を受け、且つ、空気流34が空気通路30内において発生する端部を意味する。
少なくとも1つの空気流入開口部31がハウジング11の外套側面に配設されていることは可能である。付加的または選択的に、少なくとも1つの空気流入開口部31Aが、たばこ製品10の隔たった端部33に配設されていることは可能である。このたばこ製品10の隔たった端部33は、たばこ製品10の吸い口端部32に対して反対の端部を意味する。
【0020】
空気流入開口部31、31Aを通っての空気供給は、特に変化可能な流動抵抗によって、例えば位置調節可能な空気スリットまたは回転可能な、調節開口部を有するリングを用いて、調節可能であることは可能である。
更に、(微細)フィルターが、空気流入開口部31、31Aにおいて、吸入された空気の浄化のために設けられていることは可能である。同様に吸入された空気のイオン化のためのイオン化装置も可能であり、このことは、より良好な小滴収容、および、より良好な生物学的な適合性を生起可能である。要するに、吸入された空気の予熱もしくは予調温のための装置は、考慮可能である。
【0021】
たばこ製品10は、有利には、吸い口端部32における吸い込み抵抗が、有利には50と130水柱mmとの間、更に有利には80と120水柱mmとの間、なお更に有利には90と110水柱mmとの間、および、最適には95と105水柱mmとの間の範囲内にあるように構成されている。
この吸い込み抵抗は、その際、空気をたばこ製品10の全長さを通って、22℃、および、101kPa(760Torr)において、17.5ml/sのレートでもって吸引するために必要とされる圧力を意味し、且つ、この圧力が、ISO6565:2011と合致して測定される。
【0022】
たばこ製品10は、第1の(軸線方向)部分13を、有利にはたばこ製品10の隔たった端部33において備えており、この第1の(軸線方向)部分内において、電気的なエネルギー貯蔵部14と、電気的/電子的なユニット15を有する、電子的のエネルギー供給ユニット12が配設されている。
エネルギー貯蔵部14は、有利には、たばこ製品10の軸線方向に延在している。電気的/電子的なユニット15は、有利には、エネルギー貯蔵部14と側方で並んで配設されている。エネルギー貯蔵部14が、電気化学的な使い捨てバッテリー、再充電可能な電気化学的な蓄電池、例えばリチウムイオン電池、または、燃料電池であることは可能である。
【0023】
たばこ製品10は、更に、第2の(軸線方向)部分16を、有利にはたばこ製品10の吸い口端部32において備えており、この第2の(軸線方向)部分内において、液体タンク18、電気的なユニット19、および、添加装置20を有する、消費ユニット17が配設されている。液体タンク18は、有利には、たばこ製品10の軸線方向に延在している。
【0024】
分離された電気的/電子的なユニット15、19の代わりに、同様に、単一の電気的/電子的なユニットが設けられていることも可能であり、このユニットは、エネルギー供給ユニット12内においてか、それとも消費ユニット17内において配設されていることは可能である。たばこ製品10の電気的/電子的なユニットの全体は、以下で、制御装置29と称される。
【0025】
ハウジング11内において、有利には、センサー、例えば圧力センサーまたは圧力スイッチが配設されており、その際、制御装置は、センサーから出力されたセンサー信号に基づいて、消費者が、吸入するためにたばこ製品10の吸い口端部32において吸引する、たばこ製品10の作動状態を確認可能である。この作動状態において、液体50を、液体タンク18から、霧/エアロゾルのように小さな液滴の様式における添加物40として及び/またはガス状の蒸気として空気流34内へと添加するために、制御装置29は、添加装置20を制御する。
液体タンク18内において貯蔵された、配量されるべき液体は、例えば、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、および、水の混合物であり、この液体に、1つまたは複数の芳香剤、及び/または、例えばニコチンのような作用物質が混合されていることは可能である。
【0026】
液体タンク18を備える部分16または消費ユニット17は、有利には、消費者によって交換可能なカートリッジ21として、即ち、使い捨て部分として構成されている。たばこ製品10の残余分、特に電気的なエネルギー貯蔵部14を備える部分13は、有利には、消費者によって再利用可能な基礎部分56、即ち、複数回使用部分として構成されている。
カートリッジ21は、消費者によって、基礎部分56と結合可能に、且つ、この基礎部分56から解離可能に形成されている。カートリッジ21と再利用可能な基礎部分56との間に、これに伴って、分離面もしくは接続部57が形成されている。カートリッジハウジング58がたばこ製品10のハウジング11の一部を形成していることは可能である。
【0027】
他の実施形態において(
図2を参照)、消費ユニット17は、カートリッジ21として構成されており、このカートリッジが、たばこ製品10の再利用可能な基礎部分56内へと、消費者によって装入可能であり、且つ、この再利用可能な基礎部分から取出し可能である。カートリッジハウジング58は、この場合、たばこ製品10のハウジング11と別個のハウジングである。
【0028】
カートリッジ21は、少なくとも1つの液体タンク18、および、添加装置20を備えている。カートリッジ21は、
図2内において示されているように、電気的/電子的なユニット19を備えていることは可能である。
他の実施形態において、電気的/電子的なユニット19は、基礎部分56の、全体的または部分的に強固な構成要素である。カートリッジ21は、ロッド形状のたばこ製品10内における使用と並んで、同様に、他の製品内において、例えば電子パイプ内においても装入され得る。エネルギー貯蔵部14は、通常、カートリッジ21の一部ではなく、むしろ、再利用可能な基礎部分56の一部である。
【0029】
液体タンク18は、漏洩の回避のために、有利には、液密に閉鎖されており、且つ、この特性を、全ての生起する周囲環境条件のもとで、即ち、広い温度範囲および周囲環境圧力範囲にわたって保持する。有利には、これに伴って、液体タンク18内への周囲空気の流入は回避され、従って、液体タンク18から、液体だけが取り出される。
更に、液体タンク18は、姿勢に依存せずに、可能な限り完全に荷空け可能であるべきである。有利には、乱用および不正操作を確実に防止するために、液体タンク18は、証明された状態で充填されており、且つ、補充不能に形成されている。
【0030】
液体タンク18は、先に言及された要求の実現のために、有利には、粘性に依存する毛管構造を有していることは可能であり、及び/または、マイクロ流体力学(Mikro−Fluidik)の生成のために設備されていることは可能である。有利には円筒形のタンク内におけるピストンを使用のもとでの、例えば電気的に、例えばスピンドル駆動装置を用いて駆動されたディスプレーサを介しての荷空けは可能である。
【0031】
有利な実施形態において、液体タンク18は、可撓的の袋である。
このことによって、液体タンク18が姿勢に依存せず且つ漏洩無しに、完全に荷空け可能であることは、簡単な手段によって達成される。
【0032】
液体タンク18が、容器、保持体、または、立体構造構成要素を備えていることは可能であり、この立体構造構成要素内へと、上述の毛管構造、及び/または、袋が挿入されている。液体タンク18の典型的なタンク容積は、0.5mlと2mlとの間の範囲にある。
たばこ製品10は、有利には、液体タンク18のための充填状態コントロール装置を備えており、この充填状態コントロール装置が、例えば、吸込み回数に連関されていることは可能である。液体タンク18は、有利には、不活性の、及び/または、食品に適合したもしくは医薬品に適合した(pharmatauglichen)材料、特に合成物質から製造されており、その際、この材料が、視覚的に透明または不透明であることは可能である。
【0033】
液体タンク18が、添加装置20に機械的に連結されるか、または、この添加装置から分離されることは可能である。機械的な連結の状態において、添加装置20は、有利には、液体タンク18の蓋または流出保護装置として利用される。分離の状態において、特に、液体導管、即ち、液体タンク18と添加装置20との間の毛管の結合が提供される。
液体タンク18が添加装置20から分離可能に構成されている限りは、このことは、漏洩無しに可能であるべきであり、即ち、液体タンク18が1つの閉鎖機構を有しており、この閉鎖機構が、添加装置20からの液体タンク18の分離の結果として、自動的に、例えば、ばね負荷された球体、逆止弁、またはその種の他のものを用いて、この液体タンク18の引渡し開口部を液密に閉鎖する。
【0034】
添加装置20の領域内における、基本的にロッド形状のハウジング11の平均的な直径D(
図12を参照)に対する、マイクロシステム技術的なユニット45の最大の延在a(
図3を参照)の比率は、有利には、0.5よりも小さい。
【0035】
本発明に従う添加装置20の有利な実施形態は、
図3内において示されている。
添加装置20は、噴霧器48を有する噴霧器構造部材22と、蒸発器49を有する蒸発器構造部材23とを備えており、これらが、添加装置20の内側のチャンバー24に対して配設されている。
【0036】
噴霧器48は、有利には、液体通路27内において配設されたアクチュエータ25と、後に続いて配設された、チャンバー24内へと開口しているノズル26とを有する、インクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器である。適当な制御周波数によって、典型的にkHzの範囲内において電気的に制御されるアクチュエータ25が、ピエゾ圧電素子または加熱要素であることは可能である。
空気通路30を通る、消費者の吸引によって誘起される空気流34の確認の際に、制御装置29はアクチュエータ25を制御し、その際、(加熱要素の場合における)即座の加熱、または、(ピエゾ圧電素子の場合における)振動によって、液体通路27内において存在する液体が、小さな小滴の様式において、ノズル26からチャンバー24内へと飛散される。
【0037】
インクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器に対して選択的に、他の噴霧器タイプ、例えば、空気通路30自体からか、それとも、液体タンク18内におけるまたは上での予圧を用いて駆動される圧力差噴霧器、または、超音波噴霧器が使用され得る。
【0038】
噴霧器48は、インクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器としての構成において、同時に、液体通路27を通っての、液体タンク18からの液体50の搬送のため、並びに、チャンバー24内へのこの液体の配量のために利用される。噴霧器48は、従って、同様に自由噴流配量器とも称され得る。
付加的及び/または選択的に、液体の搬送及び/または配量のために、同様に、マイクロポンプおよびマイクロ弁、統合された液体(予)温度調節装置を有する更に以下で再度説明される搬送装置、及び/または、空気通路30自体からか、それとも、液体タンク18内におけるまたは上での予圧を用いて駆動される圧力差噴霧器も使用され得る。
【0039】
噴霧器/配量器48は、消費者の一服当たり1μlから10μlに至るまでの範囲内における、典型的には4μlの有利な液体量が配量されるように調節される。有利には、噴霧器/配量器48は、(配量)リザーバが存在するように構成されている。有利には、噴霧器/配量器48が一服毎の液体量に関して、調節可能であることは可能である。
【0040】
噴霧器/配量器48に対して付加的または選択的に、例えば少なくとも1つのポンプ、例えばダイヤフラムポンプ、または、ぜん動ポンプ、例示的にスピンドル駆動装置を有する容積形ポンプ、または、歯車ポンプの様式における、液体タンク18から噴霧器48への、液体50の供給のために他の手段が使用され得る。選択的に、消費者によって生成される空気流34内における負圧は、例えば結合管を介しての、液体50の搬送のために使用され得る。
【0041】
制御装置29が、異なる消費特性の調節のために設備されていることは可能である。特に、有利には、蒸気−配量レートが、消費者のための特定の範囲内において、調節可能であることは可能である。例えば、多くの、並みの、および、少しの蒸気を有する3つの蒸気出力段が、相応して例えば、2mlのカートリッジ21毎に、400、500、および、600回の吸い込みが、選択可能であることは可能である。
このことは、例えば、噴霧器48の制御の周波数を介して実現され得る。加熱要素36の寸法設定は、そのような実施形態において、最大に選択可能な蒸気出力に対して構成されている。
【0042】
別個の液体タンク18に対して選択的に、いわゆるリキッドオンチップシステム(Liquid−on−Chip−System)の様式の、単一の貯蔵/噴霧器ユニットが使用され得る。
その際、ここで扱われているのは複数の個々の液体リザーバであり、これら液体リザーバ内に貯蔵された液体を解放するために、これら液体リザーバが、基板の上に統合された状態で配設されおり、且つ、個々に電気的に制御もしくは「射出(geschossen)」され得る。典型的なブリスターサイズは、150μlと5mlとの間の範囲内にある。リキッドオンチップシステムが、同様に作用物質の配量のためにも、基礎液体の添加のための液体タンクに対して平行に設けられていることは可能である。
【0043】
有利には、噴霧された液体のイオン化を生起するために、液体と接触する噴霧器48の金属の部分、例えば加熱要素25及び/またはノズル26には、電気的な直流電圧がかけられていることは可能である。このことによって、より微細な液滴、噴霧された液体のより良好な空間的な分布、及び/または、噴霧器48の加熱要素36への方向における液滴の引力(下記を参照)は、有利に達成され得る。このことは、特に薬品の使用のために有利であり得る。
【0044】
蒸発器49は、加熱要素36を有しており、この加熱要素が、空気通路30を通る消費者の吸引によって誘起される空気流34の確認の際に、エネルギー供給源からの電流によって加熱されるため、および、ノズル26から流出する小滴を蒸発させるため、即ちガス状もしくは蒸気状の状態に置くために、制御装置29によって制御される。
最適な蒸発の達成のために、加熱要素36は、有利には、ノズル26と向かい合って位置して配設されている。この電気的な加熱要素36が、特に、平らなまたは立体構造の表面を有する加熱プレートとして構成されていることは可能である。加熱要素36のサイズ、表面性状もしくは立体構造は、有利には、液体の粘性、表面張力もしくは湿潤性に適合されている。同様に極性コーティングも可能である。
【0045】
加熱要素36は、制御装置29によって、特に電気的/電子的なユニット19によって、この加熱要素が、基本的に、特に100℃と400℃との間の範囲内における一定の蒸発温度を有するように制御される。このことは、有利には、加熱出力の制御によって行われ得る。有利には、加熱要素36のための出力リザーバが設けられている。蒸発出力は、有利には、1Wから20Wの間の範囲内に、更に有利には2Wから10Wの間の範囲内にある。
【0046】
複数の液体50、50Aの蒸発のための、複数の加熱要素36、36Aの場合において(
図7から
図9を参照)、それぞれの構成要素に関して最適な蒸発温度を保障可能とするために、加熱要素36、36Aは、有利には分離された状態で制御される。同様に異なる液体50、50Aの時系列的にずらされた蒸発も考慮可能であり、その際、小滴は、交互にもしくは交番して周期的に、異なるノズルから、加熱要素36、36Aへと発射される。このことは、より均等な蒸発を誘起可能である。更に、そのような構成において、適合された蒸発温度を、同様にただ1つの加熱要素によって達成することも可能である。
【0047】
噴霧器/配量器−組み合わせは、有利には、主として、液体微粒子が、0.25μmから10μmに至るまでの範囲内において生成し、これら液体微粒子に関して、最適な作用物質摂取もしくは肺呼吸可能性(Lungengaengigkeit)が与えられているように、調節され得る。
【0048】
チャンバー24が、特に、ノズル26から流出する小滴の蒸発のために利用されるので、このチャンバー24は、同様に蒸発器チャンバーとも称され得る。チャンバー24は、横断面内において、例えば
図3内において示されているように、有利には長めであり、その際、ノズル26および加熱要素36が、有利には、向かい合って位置する長手方向側面において配設されている。
有利には、ノズル26からの液体噴流の噴出方向に対して垂直または側方に、噴出穿孔37が設けられており、この噴出穿孔を通って、蒸発器49によって生成された蒸気は、蒸気チャンバー24から噴出し、ここで、この蒸気が、有利には、この穿孔37に対して垂直に進行する空気流34よって連行および収容される。
【0049】
加熱要素36が、有利な実施形態において、ピエゾ素子を備え付けられていることは可能である。ピエゾ励起に基づいて振動する加熱要素36は、蒸発作用の改善、及び/または、自己洗浄効果の達成、即ち焦げ付きまたは付着の回避を誘起可能である。
【0050】
選択的に、所望された温度、例えば体温(37℃)への、蒸気の温度調節または予熱が行われることは可能である。このことは、有利には、適当な加熱要素または熱交換器を用いて行われ得る。
同様に、選択的に、蒸気の渦形成が、例えば周囲空気との混合チャンバー内において、または、たばこ製品10の吸い口片の適当なデザイン、例えば、45°以下の穿孔、ヘリカル立体構造、ラバルノズル、およびその種の他のものによって行われ得る。
【0051】
噴霧器48のアクチュエータ25と、蒸発器49の加熱要素36とが、別個に、電気的に制御装置29と結合されており、且つ、別個に、相互に制御されるので、一方では搬送/配量/噴霧と、他方では蒸発との間の有利な機能的な分離が実現されている。
【0052】
液体通路27は、有利には、添加装置20と液体タンク18との間に配設された、液体通路27の開口部を外方へと囲繞する密閉材28を用いて密閉されている。
【0053】
以下で、センサー的な監視及び/または制御のための、たばこ製品10内における種々のセンサーシステムを説明する。
【0054】
有利には、加熱要素36の温度の測定及び/または制御のためのセンサーシステムが設けられている。このことは、例えば、温度感知器、加熱要素36の抵抗可変な導電性の被覆部、または、衝突する液体による加熱要素36の冷却の後のエネルギー損失の測定装置を介して行われ得る。
更に、有利には、吸気、即ち添加装置20によっての液体の添加の前の空気流34の温度の測定及び/または制御のためのセンサーシステムが設けられている。同様に、有利には、蒸気もしくはエアロゾル40の温度測定及び/または温度制御は、特にチャンバー24内において、及び/または、添加装置20によっての液体の添加の後の空気流34内において行われる。同様にpHセンサーの使用も考慮可能である。
【0055】
流入開口部31を通って吸気された空気は、空気通路30内において、場合によっては、接続部もしくは分離面57を通って添加装置20へと導かれる。空気通路30内において、フィルター、特に、吸気された空気から塵埃微粒子をろ過する微細フィルターが配設されていることは可能である。
空気通路30内において、更に、消費者による空気流34の生成の結果として噴霧器48および蒸発器49を作動するための、圧力または流動スイッチ44が、この空気流34がこの圧力または流動スイッチの傍らを通り過ぎて流れるように、配設されている。
流動スイッチ44は、貫通流動の変形例において、蒸気チャンバー24内において配設されていることは可能である(例えば
図5および
図6を参照)。選択的に、流動スイッチ44が、蒸気チャンバー24の外側で、空気通路30内における適当な位置に配設されていることは可能である。流動スイッチ44が、有利には、電気的/電子的なユニット19内に統合されていることは可能であり、この場合、空気通路30が、有利には、空気流34が電気的/電子的なユニット19の傍らを通り過ぎて流れるように、配設されている。
流動スイッチ44が、例示的にコンデンサーマイクロフォンの原理による、例えば負圧スイッチであることは可能である。流動スイッチ44に対して付加的または選択的に、たばこ製品が、機械的なスイッチ、消費者によるハウジング11または吸い口端部32の接触に対して感応性のある容量型のスイッチ、または、タッチスクリーンを用いて、作動もしくは遮断可能であることは可能である。
【0056】
蒸気もしくはエアロゾル40は、空気流が蒸気チャンバー24の流出開口部43の外側で傍らを通り過ぎて流れるというやり方で、この空気流34に供給される(
図1、
図3、
図4、
図7、
図8、
図9、
図11、および、
図12を参照)。選択的な実施形態において、空気流34は、添加装置20を貫通流動し、且つ、蒸気もしくはエアロゾル40が、蒸気チャンバー24内において、空気流動34によって連行および収容される(
図5、
図6、および、
図10を参照)。
図1に従う実施形態において、蒸気もしくはエアロゾル40は、偏心的におよびたばこ製品10の軸線方向に流動する空気流動34に対して、垂直に添加される。
図10に従う実施形態において、空気流動34は、添加装置20を、たばこ製品10の軸線方向に対して垂直に貫通流動する。
図11に従う実施形態において、蒸気もしくはエアロゾル40は、軸線方向に中央で、たばこ製品10を通って流動する空気流動34の軸線方向の主流動方向に対して、反対方向に添加される。
図12に従う実施形態において、蒸気もしくはエアロゾル40は、軸線方向に中央で、たばこ製品10を通って流動する空気流動34の軸線方向の主流動方向に添加される。
【0057】
添加装置20が、
図1、
図10、および、
図11に従う実施例のように、たばこ製品10の吸い口端部32から遠くに、特にカートリッジ21と基礎部分56との間の接続部57の領域内において配設されていることは可能である。添加装置20が、選択的に、
図12に従う実施例のように、たばこ製品10の吸い口端部32の近傍に配設されていることは可能である。同様に、特に電気的/電子的なユニット19の領域内における、液体タンク18に対して側方の配設も可能である。
【0058】
有利には、液体容積流量、もしくは、異なる液体、もしくは、液状の成分(下記を参照)の測定及び/または制御のためのセンサーシステムが設けられている。このことは、例えば、小滴数の計数、及び/または、アクチュエータ25の作動周波数の評価によって、または、加熱要素36の加熱出力もしくは温度変化を介して行われ得る。
【0059】
同様に、有利には、添加装置20による液体の添加の前または後の、空気流34の容積流量の測定のためのセンサーシステムが設けられている。このことは、例えば、流動幾何学的形状の顧慮のもとで、圧力スイッチの作動時間の評価によって行われ得る。
【0060】
有利には、たばこ製品10は、蒸気チャンバー24内における圧力もしくは蒸気圧力、空気通路30内における圧力の測定及び/または制御のため、例えば、添加装置20の作動もしくは切り換えのため、及び/または、添加装置20と液体タンク18との間の密閉性検査のための、1つまたは複数の圧力センサーを備えている。
【0061】
図3に従う実施形態において、噴霧器構造部材22および蒸発器構造部材23は、マイクロシステム技術において、基板の上で、例えば、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、半金属、例えば、ケイ素、ケイ素化合物、または、金属酸化物化合物から構成されている。マイクロシステム技術的なユニットは、マイクロメートルもしくはサブマイクロメートルの範囲内における寸法を有する、電気的及び/または機械的な立体構造を有しており、これら立体構造が、単一の加工工程において、1つの基板内へと組み込まれる。
噴霧器構造部材22の場合、特に、液体通路27、電気的なアクチュエータ25、および、場合によってはこの噴霧器構造部材22内に設けられたセンサーシステムは、マイクロシステムテクノロジーの単一の加工工程において、基板38内へと組み込まれる。蒸発器構造部材23の場合、特に、加熱要素36、および、場合によってはこの加熱要素の振動のためのピエゾ素子、および、この蒸発器構造部材23内に設けられたセンサーシステムは、マイクロシステムテクノロジーの単一の加工工程において、基板38内へと組み込まれる。
図3に従う実施形態において、従って、全ての添加装置20は、単一の、マイクロシステム技術的なユニット45として構成されている。
【0062】
図3に従う実施形態において、加熱要素36は、基板39の表面に対して、平らに且つ平行に、即ち、ほぼ「横たわって」配設されている。
【0063】
図4に従う実施形態において、ここで、加熱要素36が、基板39の相応する表面から垂直に突出する、複数の加熱ロッド41、即ち、ほぼ「立っている」三次元的な加熱要素立体構造から成っているという趣旨で、
図3に従う実施形態と異なっている。
【0064】
図5および
図6に従う実施形態において、添加装置20は、消費者によって生成された空気流34によって貫通流動され、且つ、このことによって、蒸気チャンバー24内において生成された蒸気もしくはエアロゾルを連行する。この目的のために、空気流入開口部42と空気流出開口部43とが、添加装置20内において設けられている。
消費者による空気流34の生成の結果として噴霧器48および蒸発器49を作動するための、流動スイッチ44、例えばコンデンサースイッチは、有利にはマイクロシステム技術的なユニット45内へと、例えば、蒸発器構造部材23内へと(
図5を参照)、選択的に、噴霧器構造部材22内へと(
図6を参照)統合されている。
【0065】
例示的に
図5および
図6に従う実施形態において示されているように、液体通路27内において、有利には、電気的な予加熱要素46と予熱チャンバー47とを有する予加熱装置が配設されていることは可能である。
【0066】
図6に従う実施形態において、ただ噴霧器構造部材22だけが、マイクロシステム技術的なユニット45として形成されており、これに対して、蒸発器構造部材23の基板39が、絶縁体の材料、特にガラス、セラミック、または、合成物質から製造されている。この構造は、よりコストが安く、且つ、これに伴って有利であり得る。蒸発器構造部材23は、有利には、噴霧器構造部材22に結合もしくはボンディング(gebondet)されている。
有利には、合成物質、例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxan))から成る液体タンク18は、有利には、同様に、噴霧器構造部材22もしくはマイクロシステム技術的なユニット45に対して、強固に、且つ、液密に、結合もしくはボンディング、例えば接着または溶接されている。
【0067】
図7および
図8に従う実施形態は、本発明の有利な変形例に関しており、この変形例において、異なる液体50、50A、例えば、液体50と別個の液状の作用物質50Aとが、複数の液体タンク18、18Aから、アクチュエータ25、25Aを有する複数の噴霧器48、48A、ここでインクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器によって噴霧され、且つ、相応する複数の蒸発器49、49Aもしくは加熱要素36、36Aによって蒸発される。
噴霧器構造部材22と蒸発器構造部材23とは、
図7の場合において、単一のマイクロシステム技術的なユニットもしくは構造部品群45として形成されている。
図8の場合において、この構造は、
図6の構造に匹敵し、即ち、ただ噴霧器構造部材22だけが、マイクロシステム技術的なユニットとして形成されており、これに対して、蒸発器構造部材23の基板39が、絶縁体の材料、特にガラス、セラミック、または、合成物質から製造されている。
【0068】
作用物質の供給のための選択的な変形例は、この作用物質を、均一の混合物として液体50内へと混入することにある。
【0069】
図9に従う実施形態は、同じ液体50または異なる液体50、50Aの供給のために使用され得る。
ここで、噴霧器48、48Aおよび蒸発器49、49Aは、同じマイクロシステム技術的なユニット45の上に配設されており、蒸気チャンバー24が、このマイクロシステム技術的なユニット45の反対側で、適当な材料から成る蓋51によって閉鎖されている。加熱要素36、36Aは、この場合に、垂直に蒸気チャンバー24内へと突出する中間壁部52の、向かい合って位置する側面に配設されており、且つ、これに伴って、「立っている」加熱要素立体構造を形成している。
【0070】
図内において示された全ての実施形態は、1つまたは複数の蒸発器49を有している。しかしながら、例えば医療の使用のために、蒸発器無しの実施形態は考慮可能である。ここで、噴霧器48を用いて、エアロゾルを生成すること、および、空気通路30に供給することは十分であり得る。
インクジェットまたはバブルジェット原理による自由噴流噴霧器によって、例えば、10μmと50μmとの間の、有利には20μmと40μmとの間の範囲内における、典型的にほぼ30μmの、平均的な大きさを有する小滴が生成され得る。配量周波数は、典型的にkHzの範囲内にある。
【0071】
実用的な実施形態において、有利には、複数の噴霧器48が、例えば、マトリックス形状において、添加装置20内において配設されていることは可能である。複数の噴霧器48に、相応する複数の蒸発器49が、例えば同様にマトリックス形状において、所属して設けられている。添加装置20は、従って、同様にアレイとも、マイクロシステム技術的な構造様式のMST−アレイとも称され得る。噴霧器48の数は、有利には、2個と20個の間、有利には3個と10個との間の値である。
【0072】
より多くの蒸気量の生成のために、複数の添加装置20もしくはマイクロシステム技術的なユニット45が、たばこ製品内において配設されていることは可能である。
【0073】
消費ユニット17もしくはカートリッジ21は、有利には、例えばEEPROM、RFID、または、他の適当な様式としての構成における、消費ユニット17もしくはカートリッジ21に関する情報もしくはパラメータの記憶のための不揮発性の情報記憶装置53(
図1を参照)備えている。情報記憶装置53が、電気的/電子的なユニット19の一部として、または、この電気的/電子的なユニットから別個に形成されていることは可能である。
情報記憶装置53内において、有利には、内容物質、即ち液体タンク18内において貯蔵された液体の組成のための情報;プロセス特性、特に出力制御/温度制御のための情報;状態監視もしくはシステム検査、例えば密閉性検査のためのデータ;特に消費ユニット17もしくはカートリッジ21の一義的な情報のための1つのIDを含む、複製防止および偽造信頼性に関するデータ;シリアルナンバー、製造データ、及び/または、有効期限データ;及び/または、吸込み回数(消費者による吸入呼吸の数)もしくは利用時間が、記憶されている。
【0074】
消費ユニット17もしくはカートリッジ21と、エネルギー供給ユニット12との間に、有利には、電気的な結合部54が、カートリッジ21の交換を可能にする相応する電気的な接続部55を介して設けられている。
この電気的な結合部54は、一方では、消費ユニット17もしくはカートリッジ21と、エネルギー供給ユニット12との間のデータ交換に、他方では、電気的なエネルギー貯蔵部14による、消費ユニット17もしくはカートリッジ21の電力供給に利用される。
データ交換は、例えばばね接点要素を用いての直接的な電気的な連結、無線結合、または、光学的な結合を介して行われ得る。
【0075】
エネルギー供給のため、場合によってはデータ伝送のための、カートリッジ21の全ての電気的な接触は、有利には、単一の電気的な接続部55の様式、例えば接点−アレイの様式において、外方へと案内され、その際、基礎部分56に対する確実な電気的な結合が、有利には、ばね接点要素を用いて形成される。
電力供給は、例えばばね接点要素を用いての、直接的な電気的な連結に対して選択的に、例えば、同様に誘導的にも行われ得る。カートリッジ21と基礎部分56との間の機械的な結合は、適当な方法、例えば、ねじ山、差込み結合部、バヨネット結合部を用いて、磁気的に、または他の方法で形成され得る。記載された方法で、標準規格カートリッジ21のフレキシブルな結合は、個々に構成された基礎部分56に対して行われ得る。
【0076】
エネルギー供給ユニット12もしくは基礎部分56は、有利には、外部の通信機器、例えば携帯電話との外部の通信のための通信接続部59(
図1を参照)を備えている。
通信接続部59は、有利には、例えば近距離無線通信規格(Near Field Communication(NFC))、ブルートゥース(Bluetooth)、WiFi、またはANT+のために形成された、無線モジュールを有している。付加的または選択的に、外部の差込み結合部、例えば、USB結合のためのUSB差込みソケットは可能である。通信接続部59が、電気的/電子的なユニット15の一部として、または、この電気的/電子的なユニットから別個に形成されていることは可能である。
【0077】
エネルギー供給ユニット12もしくは基礎部分56が、有利には、エネルギー貯蔵部14の充電のための充電接続部60を有していることは可能である。充電接続部60が、例えば誘導による充電を可能にすることは可能である。選択的に、ここで扱われているのが、差込み結合または他の直接的な電気的な連結、例えばUSB結合であることは可能である。
充電接続部の代わり、エネルギー貯蔵部が、同様に、交換蓄電池、または交換バッテリーとして形成されていることは可能であり、その際、放電されたエネルギー貯蔵部14が、消費者によって、たばこ製品10から取り出し可能であり、且つ、充電されたエネルギー貯蔵部14が、再び、挿入可能である。
充電接続部60の無い、使い捨てエネルギー貯蔵部14、特にバッテリーを有する実施形態も考慮可能であり、その際、基礎部分は、エネルギー貯蔵部14の放電の後、廃棄物処理される。
【0078】
基礎部分56の電気的/電子的なユニット15は、有利には、特にソフトウェアによる診断機能の実施のため、例えば不正機能の認識、例えばノズル26、37の検査、及び/または、蒸発器出力の妥当性をも含めての蒸発器49の検査;及び/または、エネルギー貯蔵部14の充電状態の検査のために設備されている。
電気的/電子的なユニット15は、更に、安全装置、例えば短絡保護のためのヒューズ、及び/または、不正使用防止装置、例えば指紋センサーを有している。
【0079】
基礎部分56の電気的/電子的なユニット15は、有利には、特にソフトウェアによる統計的な評価の実施のために設備されている。このことは、例えば消費者特性、例示的に時間にわたっての吸込み回数、一般的な及び/またはカートリッジ当たり液体消費量、ニコチン摂取もしくは作用物質摂取、液体組成、およびその種の他のものに関係可能である。
統計的な評価の更に別の観点は、市場発展および傾向に関係可能である。同様にアプリケーションプログラミングのためのAPI−接続部も設けられていることは可能であり、このAPI−接続部が、例えば、適宜の組み合わせにおける、全てのセンサー情報の表示可能性を可能にする。
【0080】
基礎部分56の電気的/電子的なユニット15は、有利には、特にソフトウェアによる、表示機器の上での、データもしくは情報の視覚化ために設備されている。その際、ここで扱われているのが、内部の表示機器、特に、基礎部分56のハウジング11内における、ディスプレイ、画像スクリーン、タッチスクリーン、または、LED表示器、であることは可能である。付加的または選択的に、この視覚化は、外部の表示機器、例えば携帯電話の上で行われ得る。
この視覚化された情報は、統計的な評価の表示、時系列的な傾向、及び/または、例えばシステム状態(エネルギー貯蔵部14の充電状態)、蒸気容積、カートリッジ内容物、等に関係する現在の消費特性に関しての情報を含んでいる。
【0081】
図13内において、可能な、温度制御もしくは調節および加熱出力制御もしくは調節の説明のためのグラフが示されている。その際、上方に空気流34の吸い込み抵抗、中央に液体50の容積流量、下方に加熱要素36の温度が、それぞれに、時間に関して記されている。
温度は、その際、例えば、液体でもっての湿潤の際の冷却による、抵抗変化を介して検出され、且つ、出力がそれに応じて後調整される。その際、特にサブミリセカンドの範囲内における、「小滴状の」電圧パルスを有する熱エネルギーのパルス化された供給が、有利であり得る。
【0082】
挿入された参照符号の利用のもとで、前記の説明に基づいて、基本的に自ら説明する状態の、本発明に従うたばこ製品10の機能ダイアグラムが、
図14内において示されている。
【0083】
図内において示された全ての実施形態において、消費ユニット17もしくはカートリッジ21は、電気的な制御ユニット19と、更に別の電気的な構成要素、特にアクチュエータ25および加熱要素36とを有している。
電気的な制御ユニット19及び/または更に別の電気的な構成要素が、完全に、再利用可能な基礎部分56内において配設されており、従って、複数の電気的な構成要素が、消費ユニット17もしくはカートリッジ21内において低減されているか、または、消費ユニット17もしくはカートリッジ21が、最大限、受動的な電気的な構成要素(RFIDのような受動的な情報記憶装置53、トランスポンダー、またはその種の他のもの)を備えているか、または、電気的な構成要素が無い実施形態も、しかしながら可能である。
これら実施形態は、電気的な接続部55を介しての、カートリッジ21の電気的な接触が、有利には省略可能であることの利点を有している。