特許第6981999号(P6981999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6981999硝子体網膜手術における自動化された粘性流体制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981999
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】硝子体網膜手術における自動化された粘性流体制御
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   A61F9/007 130D
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-555896(P2018-555896)
(86)(22)【出願日】2017年5月10日
(65)【公表番号】特表2019-516451(P2019-516451A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】IB2017052738
(87)【国際公開番号】WO2017199135
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2020年4月17日
(31)【優先権主張番号】62/337,681
(32)【優先日】2016年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】タンモ ヘーレン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー デイビッド ジョンソン
【審査官】 土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−504349(JP,A)
【文献】 特表2010−524593(JP,A)
【文献】 特表2003−502111(JP,A)
【文献】 特表2015−536168(JP,A)
【文献】 特表2015−536758(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0194834(US,A1)
【文献】 特表2014−507972(JP,A)
【文献】 特表2011−512165(JP,A)
【文献】 特表2013−513427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61M 5/142
A61B 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術システムであって、
駆動ラインと接続されたンプであって、前記ンプが、患者の目の硝子体腔における粘性流体注入/抽出のための注入圧力または抽出圧力を提供するように構成されたンプと、
前記目内の前記粘性流体の注入または抽出を制御するためのユーザ入力を受信するように構成された足踏みペダルシステムと、
コントローラであって、
下側圧力閾値および上側圧力閾値を設定し、
前記目の眼圧(IOP)に関連するセンサデータを受信し、
粘性流体注入増を求めるユーザ要求または粘性流体抽出増を求めるユーザ要求を示す前記足踏みペダルシステムからのユーザ入力を受信し、
前記IOPを前記下側圧力閾値または前記上側圧力閾値と比較し、
前記ユーザ入力が粘性流体注入増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記上側圧力閾値を超えない場合、粘性流体注入増を求める前記ユーザ要求に応じて、粘性流体注入を調整し、
前記ユーザ入力が粘性流体注入増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記上側圧力閾値を超える場合、前記ユーザ要求を無効にし、粘性流体注入を増加させないように、
前記ユーザ入力が粘性流体抽出増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記下側圧力閾値未満でない場合、粘性流体抽出増を求める前記ユーザ要求に応じて、粘性流体抽出を調整し、
前記ユーザ入力が粘性流体抽出増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記下側圧力閾値未満である場合、前記ユーザ要求を無効にし、粘性流体抽出を増加させない
ように構成されたコントローラと
を含む眼科手術システム。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記IOPが前記上側圧力閾値より上であるかどうかを判定し、
前記IOPが前記上側圧力閾値より上であることに応答して前記注入圧力を低下させるか止めるように前記ンプを制御する
ようにさらに構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記IOPが前記下側圧力閾値未満であるかどうかを判定し、
前記IOPが前記下側圧力閾値未満であることに応答して、前記抽出圧力を低下させるか止めるように前記ンプを制御する
ようにさらに構成される、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項4】
低粘度流体を前記目の前記硝子体腔に注入するように構成された輸液ラインと、
前記輸液ラインの先端部に隣接して配置されたセンサであって、前記センサが、
前記目の前記IOPを検出し、
出された前記IOPに基づきセンサデータを生じ、
前記センサデータを前記コントローラに提供する
ように構成されるセンサと
をさらに含む請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項5】
前記粘性流体が、シリコーン油、パーフルオロン溶液、幹細胞溶液、および接着剤の1つまたは複数を含む、請求項1に記載の眼科手術システム。
【請求項6】
眼科手術システムであって、
輸液ラインであって、基端部と、先端部と、前記輸液ラインを貫通する輸液通路とを有し、前記輸液ラインの前記先端部が、患者の目の硝子体腔内に入るように構成された輸液ラインと、
基端部と先端部とを有する駆動ラインと、
前記駆動ラインの前記先端部に結合された動力注射器と、
前記輸液ラインの前記基端部および前記駆動ラインの前記基端部に結合されたコンソールであって、前記コンソールが、
前記硝子体腔における粘性流体注入または抽出のための圧力を提供するように構成された注射器ポンプと、
前記輸液通路と流体連通している輸液室と、
前記輸液通路を通して前記輸液室から前記硝子体腔へ低粘度流体輸液を提供するように構成された輸液ポンプと、
前記目内の粘性流体の注入または抽出を制御するためのユーザ入力を受信するように構成された足踏みペダルシステムと、
コントローラであって、
下側圧力閾値および上側圧力閾値を設定し、
前記目の眼圧(IOP)に関連するセンサデータを受信し、前記センサデータが前記目に隣接するか前記目における位置で求められ、
粘性流体注入増を求めるユーザの要求または粘性流体抽出増を求めるユーザの要求を示す前記足踏みペダルシステムからのユーザ入力を受信し、
前記IOPを前記下側圧力閾値または前記上側圧力閾値と比較し、
前記ユーザ入力が粘性流体注入増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記上側圧力閾値を超えない場合、粘性流体注入増を求める前記ユーザ要求に応じて、粘性流体注入を調整し、
前記ユーザ入力が粘性流体注入増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記上側圧力閾値を超える場合、前記ユーザ要求を無効にし、粘性流体注入を増加させないように、
前記ユーザ入力が粘性流体抽出増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記下側圧力閾値未満でない場合、粘性流体抽出増を求める前記ユーザ要求に応じて、粘性流体抽出を調整し、
前記ユーザ入力が粘性流体抽出増を求めるユーザ要求を示し、前記IOPが前記下側圧力閾値未満である場合、前記ユーザ要求を無効にし、粘性流体抽出を増加させない
ように構成されたコントローラと
を含むコンソールと
を含む眼科手術システム。
【請求項7】
前記眼科手術システムが、前記輸液ラインの前記先端部に隣接して配置されたセンサをさらに含み、前記センサが、
前記患者の前記目に隣接した位置での圧力を検出し、
前記検出された圧力に基づきセンサデータを生じ、
前記センサデータを前記コントローラに提供する
ように構成される、請求項に記載の眼科手術システム。
【請求項8】
前記眼科手術システムが、前記輸液ラインの先端部に配置されたセンサをさらに含み、前記センサが、
前記患者の前記硝子体腔における圧力を検出し、
前記検出された圧力に基づきセンサデータを生じ、
前記センサデータを前記コントローラに提供する
ように構成される、請求項に記載の眼科手術システム。
【請求項9】
前記コントローラが、
前記IOPが前記上側圧力閾値より上であるかどうかを判定し、
前記IOPが前記上側圧力閾値より上であることに応答して注入圧力を低下させるか止めるように前記注射器ポンプを制御する
ようにさらに構成される、請求項に記載の眼科手術システム。
【請求項10】
前記コントローラが、
前記IOPが前記下側圧力閾値未満であるかどうかを判定し、
前記IOPが前記下側圧力閾値未満であることに応答して抽出圧力を低下させるか止めるように前記注射器ポンプを制御する
ようにさらに構成される、請求項に記載の眼科手術システム。
【請求項11】
前記コントローラが、前記目における前記IOPを調整するために、前記注射器ポンプおよび前記輸液ポンプを同時に制御するように構成される、請求項に記載の眼科手術システム。
【請求項12】
前記粘性流体が、シリコーン油、パーフルオロン溶液、幹細胞溶液、および接着剤の1つまたは複数を含む、請求項に記載の眼科手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼科手術デバイス、システム、および方法に関する。より詳細には、限定するものではないが、本開示は、眼科外科手術中の患者の目における液体タンポナーデの充填および除去のための粘性流体制御を自動化するためのデバイス、システム、ならびに、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微手術は、様々な体内組織の精度の高い切断および/または除去を必要とする場合が多い。例えば、特定の眼科外科手術は、硝子体液の一部、目の後区を満たす透明なゼリー状物質を切断および除去することを必要とする。硝子体液、または硝子体は、網膜に付いていることが多い数多くの微視的な原線維からなる。したがって、硝子体の切断および除去は、網膜の牽引、脈絡膜からの網膜の分離、網膜裂傷、または、最悪の場合、網膜自体の切断または除去を回避するために、細心の注意を払って行われなければならない。特に、難しい手術、例えば可動性組織管理(例えば網膜の分離部分または網膜裂傷の近くの硝子体の切断および除去)、硝子体基部切開、ならびに膜の切断および除去は特に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
硝子体網膜手術中、粘性流体、例えば液体タンポナーデ(例えばシリコーン油またはパーフルオロン)が網膜裂傷を密封し瘢痕形成を可能にするために使用されてもよい。ユーザ/外科医は、液体タンポナーデの注入を足踏みペダルを介して制御し得るとともに、比較的粘性の液体タンポナーデ(例えば約5,000cPのシリコーン油)をトロカールカニューレを通じて硝子体腔へ押し込むために必要とされる圧力を提供し得る。ユーザ/外科医が充填プロセス中に気を逸らした場合、液体タンポナーデは硝子体腔を過充填することがあり、硝子体腔において容認できない高い眼圧(IOP:intraocular pressure)を生じることがある。同様に、液体タンポナーデ抽出手術において、液体タンポナーデが高粘度であることは抽出を困難にし得る。これは、望ましくない方法で、目における高い眼圧が維持されるか長引く原因となり得る。したがって、改良された眼科手術デバイス、システム、および方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの例示的態様において、本開示は、眼科外科手術中の患者の目における液体タンポナーデの注入および抽出を自動化するための粘性流体制御システムを含む眼科手術システムを対象とする。システムは、駆動ラインに接続された注射器ポンプを含み得る。注射器ポンプは、駆動ラインを通じた、患者の目の硝子体腔への粘性流体注入または患者の目の硝子体腔からの粘性流体抽出のための圧力を提供し得る。本システムはまた、コントローラであって、目のIOPに関連するセンサデータを受信するとともに、圧力閾値に対するIOPの比較に基づき、粘性流体注入または抽出を調整するように注射器ポンプを制御するコントローラを含み得る。
【0005】
いくつかの実装形態において、コントローラはまた、IOPが上側閾値より上であるかどうかを判定し得るとともに、IOPが上側閾値より上であることに応答して注入圧力を低下させるか止めるように注射器ポンプを制御し得る。コントローラはさらに、IOPが下側閾値未満であるかどうかを判定し得るとともに、IOPが下側閾値未満であることに応答して抽出圧力を低下させるか止めるように注射器ポンプを制御し得る。
【0006】
いくつかの実装形態は、目における粘性流体の注入/抽出を制御するためにユーザ入力を受信する足踏みペダルシステムを含む。このコントローラは、IOPが上側閾値未満、および下側閾値より上であるときに、足踏みペダルシステムで受信したユーザ入力に基づき注射器ポンプを制御し得る。IOPが上側閾値より上、または下側閾値未満であるとき、コントローラは、足踏みペダルシステムから受信したユーザ入力を無効にし得る。
【0007】
追加的な例示的態様において、本開示は、眼科手術システムであって、駆動ライン、輸液ライン、動力注射器、および眼科外科手術中の患者の目への粘性流体の注入または抽出を調整するためのコンソールを含み得る眼科手術システムを対象とする。輸液ラインは、基端部、先端部、および輸液ラインを貫通する輸液通路を有することができ、輸液ラインの先端部は、患者の目の硝子体腔に入るように構成され得る。駆動ラインは、基端部と先端部とを有し得る。動力注射器は、駆動ラインの先端部に結合され得る。コンソールは、輸液ラインの基端部および駆動ラインの基端部に結合され得るとともに、注射器ポンプ、輸液室、輸液ポンプ、およびコントローラを含み得る。注射器ポンプは、硝子体腔における粘性流体注入または抽出のための圧力を提供するように構成され得る。輸液室は、輸液通路と流体連通していてもよく、輸液ポンプは、輸液通路を通して輸液室から硝子体腔へ低粘度流体輸液を提供するように構成され得る。コントローラは、患者の目のIOPに関連するセンサデータを受信するとともに、圧力閾値に対するIOPの比較に基づき粘性流体注入/抽出を調整するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実装形態において、システムは、患者の目に隣接して、および/または患者の目において配置された1つまたは複数のセンサをさらに含み得る。1つまたは複数のセンサは、患者の目、IOPに隣接する、および/または患者の目、IOPにおける位置で検出するとともにセンサデータを生成してコントローラへ提供するように構成されてもよい。例えば、1つまたは複数のセンサは、輸液ラインの先端部に隣接して、および/または輸液ラインの先端部に配置され得る。
【0009】
別の例示的態様において、本開示は、眼の疾患を治療する方法を対象とする。本方法は、患者の目に隣接するか患者の目におけるセンサからセンサデータを受信することと、センサデータに基づき目の眼圧(IOP)を監視することとを含み得る。本方法は、IOPが上側閾値より上であるか下側閾値未満であるかを判定することをさらに含み得る。方法はまた、IOPが上側閾値より上であると判定することに応答して、粘性流体注入を止めるか低減させることと、IOPが下側閾値未満であると判定することに応答して、粘性流体抽出を止めるか低減させることとを含み得る。
【0010】
前述の概要および以下の図面および詳細な説明はいずれも、本質的に例示的で説明のためのものであり、本開示の範囲を限定すること無しに本開示の理解を提供することを意図されていることを理解されたい。この点において、本開示の追加的な態様、特徴、および利点は、以下から当業者には明らかとなる。
【0011】
添付図面は、本明細書において開示されたデバイス、システム、および方法の実施形態を示し、説明と併せて、本開示の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の例示的態様による手術システムの図である。
図2】本開示の例示的態様による様々なサブシステムを示す、図1の手術システムのブロック図である。
図3】本開示の例示的態様による目における原位置でのハンドピースおよび輸液ラインの図である。
図4】本開示の例示的態様による、眼科外科手術中の眼圧(IOP)の変化に応答して粘性流体注入/抽出を自動化するための図1および2の手術システムにより実施されるプロセスを示すフローチャートである。
図5】本開示の例示的態様による、眼科外科手術中に粘性流体を目に注入または送達するための図1および2の手術システムにより実施されるプロセスを示すフローチャートである。
図6】本開示の例示的態様による、IOPの変化に応答して眼科外科手術中に粘性流体を目から抽出または除去するための図1および2の手術システムにより実施されるプロセスを示すフローチャートである。
図7】本開示の例示的態様による、眼科外科手術中に図1および2の手術システムを作動させるためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらの図は、以下の詳細な説明を参照することにより、より良好に理解されることになる。
【0014】
本開示の原理の理解を促すことを目的として、図示された実施形態がここで参照され、それらを説明するために特定の言語が使用されることになる。それにも関わらず、本開示の範囲の限定は意図されていないことが理解される。説明されたデバイス、機器、システム、方法に対する任意の変更形態およびさらなる修正形態、ならびに本開示の原理の任意のさらなる適用形態は、本開示が関連する当業者が通常想到するだろうとおり完全に想定される。特に、一実施形態に関して説明された特徴、コンポーネント、および/またはステップは、本開示の他の実施形態に関して説明された特徴、コンポーネント、および/またはステップと組み合わされ得ることは完全に想定される。分かりやすくするために、場合により、同じまたは同様の部分を指すために、同じ参照符号が図面全体にわたって使用される。
【0015】
本開示は、概して、眼科外科手術中に患者の目に隣接するか患者の目における位置で検出された眼圧(IOP)に基づき、患者の目における液体タンポナーデの注入および除去を自動化するためのデバイス、システム、および方法に関する。圧力変化および過度に低いまたは高い圧力は、そのような手術の出来を複雑化する可能性があり、患者を危険にさらす。本明細書において説明されたいくつかの態様において、輸液ラインは、患者の目の硝子体腔に入る先端部に隣接してまたは先端部に配置されたセンサ、例えば圧力センサおよび/または流量センサを含み得る。本明細書において開示されたデバイス、システム、および方法は、外科医が、重要な圧力をより良好に監視するとともに、眼科外科手術中に生じる圧力急上昇または低下に迅速に反応することを可能にし得る。さらに、システムは、検出されたIOPに応答して液体タンポナーデの注入/抽出を自動的に調節し得る。外科医が眼科外科手術中の圧力条件に応答する能力を向上することにより、または、システムが眼科外科手術中の圧力条件に応答することを可能にすることにより、患者にとっての結果が向上し得る。
【0016】
図1は、例示的実施形態による眼科手術システム100を示す。手術システム100は、可動ベースハウジング103を有するコンソール102と、眼科外科手術中にシステム作動および性能に関連するデータを示し得る関連するディスプレイ画面104、ならびにコンソール102と連通している足踏みペダル108を含み得る。手術システム100はまた、眼科外科手術中に用いられ得るハンドピース110を含み得る。実装形態に依存して、ハンドピース110は、例えば硝子体切除術カッターハンドピース、超音波ハンドピース、吸引ハンドピース、動力/能動型注射器または他のハンドピースであり得る。手術システム100はまた、コンソール102に結合された基端部とハンドピース110に結合された先端部とを有する駆動ライン112、および、コンソール102に結合された基端部と患者の目の硝子体腔に入るように構成された輸液先端部121を有する先端部120とを有する輸液ライン114を含み得る。手術システム100はまた、少なくとも1つのIOPセンサ124を含んでもよく、IOPセンサ124は、例えば非限定的に、圧力センサおよび/または流量センサを含み得る。IOPセンサ124は、図1に示されるとおり、輸液ライン114の先端部120に隣接して配置され得る。代替的に、または加えて、IOPセンサ124は、輸液ライン114の先端部120および/またはハンドピース110の先端部に配置されてもよく、図3に示されるとおり、患者の目の硝子体腔に入るように構成されてもよい。
【0017】
手術システム100のコンソール102は、ハンドピース110の制御を可能にする特徴を含む。例えば、駆動ライン112は、ハンドピース110をコンソール102に結合するための空気圧式および/または電気供給ラインを含み得る。駆動ライン112は、ハンドピース110とコンソール102との間でデータを送ることにより、ハンドピース110の制御および監視を円滑にし得る。
【0018】
手術システム100のコンソール102は、IOPセンサ124とコンソール102との間でのセンサデータの通信を可能にする特徴をさらに含む。例えば、輸液ライン114は、IOPセンサ124をコンソール102に結合するために電気供給ラインを含み得る。輸液ライン114は、IOPセンサ124とコンソール102との間でデータを送ることにより、IOPセンサ124での測定を円滑にし得る。
【0019】
コンソール102は、コンピュータシステム(図2)であって、ハンドピース110を制御し、情報を画面104に表示し、プロセス入力命令およびデータを受信および処理するためにコンピュータ命令を有するメモリと通信する1つまたは複数のプロセッサを含み得るコンピュータシステムをさらに含む。手術システム100は、ネットワークと通信するためのネットワークインターフェイスを含み得る。これらの特徴は、作動中のハンドピース110の制御および監視を円滑にする。追加的に、これらの特徴は、IOPセンサ124にとって監視、データ処理、および制御を円滑にし得る。手術システム100のいくつかの実施形態は、環境気圧を検知するために可動ベースハウジング103にまたは可動ベースハウジング103付近に配置された圧力センサ106をさらに含む。この環境気圧は大気圧力であってもよい。
【0020】
手術システム100のいくつかの態様、例えばハンドピース110、輸液ライン114、およびIOPセンサ124は、「Pressure−Sensing Vitrectomy Surgical Systems and Methods」と題された、その全体が参照により本明細書に援用される、2013年11月26日に出願された米国特許出願第14/090,360号明細書においてさらに詳細に説明されている。
【0021】
図2は、様々なサブシステムを示す図1の手術システム100のブロック図である。コンソール102は、コントローラ204とメモリ206とを含むコンピュータシステム202を含む。コンソール102は、センサインターフェイス208、注射器ポンプ210、ハンドピースサブシステム212、輸液室214、輸液ポンプ215など輸液駆動機構、および足踏みペダルサブシステム216をさらに含む。輸液ポンプ215は輸液室214の一部であってもよく、または、輸液室214に結合された個別のコンポーネントとして提供されてもよい。
【0022】
コントローラ204は、1つまたは複数のプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ、ロジックデバイス、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASICs:application specific integrated circuits)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:programmable logic devices)、または他の好適な処理システムであってもよいとともに、作動システムおよびアプリケーションを作動させるように構成され得る。コントローラ204は、メモリ206に格納されたコンピュータ命令およびメモリ206に格納されたアクセスデータを実行するように構成される。さらに、コントローラ204は、パネルディスプレイ画面104に情報を表示するように構成される。
【0023】
コントローラ204は、IOPセンサ124、輸液センサ226、および/または吸引センサ228から、センサインターフェイス208を通じて、患者の目のIOPに関連するセンサデータを受信するように構成される。IOPセンサ124は、眼科外科手術中、患者の目に隣接して配置され得る。IOPセンサ124は、患者の目に隣接する位置で、センサデータを求め、センサデータをコントローラ204に提供するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態において、IOPセンサ124は、眼科外科手術中、IOPセンサ124が目のちょうど外側、輸液ライン114のちょうど上流にあるように、輸液ライン114の先端部120に隣接して配置され得る。IOPセンサ124は、圧力(例えば目のちょうど外側の圧力低下、これは、コンソール内部に位置する圧力センサによっては正確に測定され得ない場合がある)を測定する圧力センサ218(例えば光ファイバーの圧力センサ、電気圧力センサ、例えば圧電性圧力センサ、微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)圧力センサ、または他の圧力センサ)、および/または、輸液ライン114など導管を通る流体の流量を測定する流量センサ220を含み得る。コントローラ204は、圧力データおよび流量データの一方または両方を含み得るセンサデータに基づきIOP値、例えば予測IOP値を算出し得る。
【0024】
代替的に、または加えて、IOPセンサ124は、眼科外科手術中、患者の目の内部に配置されてもよい。IOPセンサ124は、硝子体腔における位置で、センサデータを求め、センサデータをコントローラ204に提供するように構成され得る。例えば、IOPセンサ124は、IOPセンサ124が眼科外科手術中に患者の目の硝子体腔にあるように、輸液ライン114の先端部120に配置されてもよい。IOPセンサ124は、圧力データを測定する圧力センサ218を含み得る。コントローラ204は、圧力データを含むセンサデータに基づき、IOP値を算出することができ、このIOP値は、IOPセンサ124が患者の目に位置するときに実際のIOP値であり得る。
【0025】
輸液センサ226または吸引センサ228を含む実装形態は、患者の目を出入りする流体の流量を監視または検出する。例えば、輸液センサ226は、それが輸液ラインにおける圧力、輸液ラインを通るフロー、または圧力またはフローを示すいくつかの他のパラメータを監視または検出することを可能にするやり方で、輸液ライン114と関連し得る。いくつかの実装形態において、輸液センサ226は、輸液ポンプ215のポンプ速度を監視する。いくつかのそのような実装形態において、輸液センサは、ポンプ速度を示す輸液ポンプ215のプロセッサまたはモータから単純にフィードバックする。いくつかの実装形態において、輸液センサ226は、IOPセンサを参照して上述のとおり、圧力センサまたは流量センサを含み得る。
【0026】
駆動ライン112は、粘性流体(例えば液体タンポナーデ)を硝子体腔に注入する、または粘性流体を硝子体腔から取り除くために使用され得る。注射器ポンプ210は、駆動ライン112内へ圧力を供給し得る。駆動ライン112は、コンソール102に結合された基端部、ハンドピース110に結合された先端部を有する。いくつかの実装形態において、ハンドピース110は、粘性流体を目に注入するか粘性流体を目から抽出するように構成された動力注射器を含み得る。注射器ポンプ210は、動力注射器における粘性流体を目に注入するか、目から離れるように抽出する正圧または負圧を提供し得る。注射器ポンプ210は、駆動ライン112およびハンドピース110と接続される。注射器ポンプ210は、ハンドピース110による粘性流体注入および/または硝子体腔からの抽出のための正または負圧を提供し得る。
【0027】
ハンドピース110は、駆動ライン112に提供された空気圧式または電気ラインを介してハンドピースサブシステム212と連通し得る。ハンドピースサブシステム212と連通しているコントローラ204は、ハンドピース110の1つまたは複数の態様、例えばハンドピース110のオンまたはオフ状態または切断速度を制御し得る。
【0028】
輸液ライン114は、低粘度流体(例えば平衡塩類溶液(BSS(登録商標)などの液体)、空気などの気体、または他の流体)、例えば補液または洗浄液を輸液室214から硝子体腔内へ送達するために使用される。輸液室214は、輸液ライン114と流体連通している。輸液ライン114は、コンソール102に結合された基端部、患者の目の硝子体腔に入るように構成された先端部(例えば係合部材)120、および輸液ラインを貫通する輸液通路を有し得る。輸液室214は、輸液ライン114を通じて輸液通路と流体連通していてもよく、輸液通路は、患者の目の硝子体腔と流体連通している。
【0029】
輸液室214は、低粘度流体を格納してもよく、輸液ライン114の輸液通路を通じて流体輸液を硝子体腔内へ提供するように構成される。いくつかの実装形態は、流体を手術部位へ輸液する、またはそうでなければ手術部位を洗浄するために輸液ポンプ215を用いる。輸液ポンプ215は、蠕動ポンプ、注射器ポンプ、加圧流体ポンプ、またはいくつかの他の輸液ポンプを含む様々なタイプのポンプの任意のものであってもよい。ポンプの制御は、コンピュータシステム202が、輸液センサ226、足踏みペダルサブシステムから受信した情報、または他の情報に基づき、ポンプを通じたフローを増やす、減らす、または一定に保持することを可能にし得る。いくつかの実装形態において、コンピュータシステム202は、輸液ラインを通じて手術部位へ導入される流体流量または圧力のための上限として機能する予め保存された閾値を含み得る。そのような実装形態において、求められた流体量が閾値を超えると、輸液ポンプ215は、患者の目における感受性の高い組織への損傷を回避するために、作動しなくなり得るか、その速度が制限され得る。
【0030】
足踏みペダル108は、ユーザの脚部からの駆動を受信するとともに、駆動データを足踏みペダルサブシステム216へ送信する。足踏みペダルサブシステム216は、足踏みペダル108とコントローラ204との間のインターフェイスを含み、足踏みペダル108からの駆動データを受信、駆動データを処理、駆動データをコントローラ204へ伝達することができる。本明細書においてさらに説明されるとおり、コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム216からの駆動データを受信し、それに応答して、駆動データに基づき、注射器ポンプ210、輸液ライン114を通じた流体輸液、および/またはハンドピース110の1つまたは複数の態様を調整し得る。足踏みペダル108は、図1に示されるとおり有線足踏みペダルであっても、無線足踏みペダル(図示せず)であってもよい。
【0031】
コントローラ204は、センサデータに基づきIOPの変化について監視するとともに、IOPの変化に基づきハンドピース110により粘性流体の送達および/または患者の目の硝子体腔からの除去を調整する。いくつかの実装形態において、コントローラ204は、粘性流体の送達/硝子体腔からの除去を調整するように注射器ポンプ210を制御し得る。例えば、コントローラ204は、閾値IOPレベル(例えば閾値)を超えるIOP(例えばIOP値、例えば予測IOP値または実際のIOP値)に応答して、注射器ポンプ210により生じた圧力を低下させることにより注射器ポンプ210を制御し得る。別の例において、コントローラ204は、閾値より上に上がったIOPおよび/または足踏みペダル108の駆動に応答して、注射器ポンプ210により生じた負圧をオンにし得る。したがって、コントローラ204は、ハンドピース110による粘性流体の送達/除去の自動的制動を実施し得る。さらなる例において、コントローラ204は、IOPおよび標的IOPレベル(例えば標的値または範囲)の差に基づき注射器ポンプ210を制御してIOPおよび標的IOPレベルの差を減少させ得る。
【0032】
図3は、ハンドピース310(例えば図1および2におけるハンドピース110)ならびに輸液ラインまたは輸液カニューレ320(例えば図1および2における輸液ライン114)が関与する手術を受けている目300の断面図を示す。ハンドピース310および輸液ライン320の両方は、コンソール(例えば図1および2におけるコンソール102)に結合され得る。図3において、ハンドピース310および輸液ライン320はそれぞれ、強膜302を通じて目300の硝子体腔304へ挿入される。輸液ライン320は、眼科外科手術(例えば硝子体切除術、流体/空気交換、空気/気体交換、シリコーン油注入、および/または他の眼科外科手術)中に、低粘度流体、例えば補液または洗浄液を硝子体腔304へ送達するために使用される。流体輸液は、手術システム(例えば図1および2の手術システム100)により、洗浄液の圧力レベルを上昇または低下させることにより調整され得る。ハンドピース310は、動力/能動的注射器(例えば空気圧式、油圧式、電気など)であってもよい。
【0033】
輸液ライン320は可撓性長尺状部材322を含む。いくつかの実装形態は、先端部に固定された剛性係合部材324(例えば図1における先端部)を含む。剛性係合部材324は、可撓性長尺状部材322より剛性であり得る。可撓性長尺状部材322および剛性係合部材324は、それを通って延びる中央ルーメン(例えば輸液通路)を有する。輸液ライン320は、硝子体腔304における硝子体液の一部および/または流体が除去される際に適切なIOPを維持するために、流体源(例えば図1および2における輸液室214)から中央ルーメンを通じて運ばれる硝子体腔304への低粘度流体を提供し得る。
【0034】
いくつかの実装形態において、輸液ライン320は、1つまたは複数の圧力センサ、例えば圧力センサ326、圧力センサ328、または両方を含み得る。いくつかの実装形態において、圧力センサ326および328の1つまたは複数はIOPセンサ124と対応していてもよく、いくつかの実装形態において、圧力センサ326および328の1つまたは複数は輸液センサ226と対応していてもよい。圧力センサ326は、それが外側に残るが眼科外科手術中には目300に極近接しているように、輸液ライン320上に、輸液ライン320の先端部に隣接して配置され得る。いくつかの実装形態において、圧力センサ328は、目300のちょうど外側の圧力を検知することができ、この圧力は、外科手術中にIOP(例えば実際のIOP値、またはコンソールに位置するセンサを使用したときに可能であるよりも実際のIOP値に近い予測IOP値)を求めるために使用され得る。いくつかの実装形態において、圧力センサ328は、それが眼科外科手術中に硝子体腔304に入るように、剛性係合部材324(例えば剛性係合部材324の先端部分)に配置される。圧力センサ328は硝子体腔304における眼圧を検知することができ、この眼圧は、外科手術中にIOP(例えば実際のIOP値)を求めるために使用され得る。
【0035】
実装形態に依存して、ハンドピース310は、1つまたは複数の圧力センサ、例えば圧力センサ312、圧力センサ314、および/または圧力センサ316を含み得る。圧力センサ312、314、および316の各々は、異なる位置で圧力を測定し得る。いくつかの実装形態において、圧力センサ312、314、および316の1つまたは複数はIOPセンサ124に対応していてもよく、いくつかの実装形態において、圧力センサ326および328の1つまたは複数は、吸引センサ228と対応し得る。実装形態に依存して、圧力センサ312は、ハンドピース310のハウジングに配置されてもよいとともに、環境気圧、例えば気圧を測定してもよい。いくつかの例において、環境気圧センサ312が、図1に示されるとおり、コンソール102の外面に圧力センサ106として提供される。圧力センサ314および316は、ハンドピース310の先端(例えばカッター)に配置されてもよい。圧力センサ314はハンドピース310に配置されてもよいとともに、カッターの外側の硝子体腔304における眼圧を測定してもよく、この眼圧は、眼科外科手術中にIOP(例えば実際のIOP値)を求めるために使用されてもよい。圧力センサ316は、ハンドピースの内部の内圧を測定するために先端内に配置されてもよく、この内圧は、駆動ライン318(例えば図1および2における駆動ライン112)を通じてハンドピース310へ供給される圧力を特徴付けるために使用され得る。
【0036】
それらのそれぞれ検知された圧力に加えて、圧力センサ312、314、316、326、および/または328は、差圧、例えば目300のIOPを表す圧力を提供するために併せて使用されてもよい。概して、IOPは、(目における圧力センサ、例えば圧力センサ314および/または328により測定される)目における絶対的圧と(図1における圧力センサ312および/または圧力センサ106により測定される)気圧との差により求められるゲージ圧測定値である。したがって、いくつかの例示的実施形態において、実際のIOPが測定された圧力の関数として算出され得るように、圧力センサ314および/または328の圧力測定値が気圧センサ312および/または106の圧力測定値と同時にまたはほぼ同時に測定される。
【0037】
圧力センサ312、314、316、326、および328は各々、光ファイバーの圧力センサ、電気圧力センサ、例えば圧電性圧力センサ、MEMS圧力センサ、または別の圧力センサであり得る。圧力センサ314、316、および328は、小さいオリフィスであって、それを通じてハンドピース310のカッターまたは係合部材324が目300に入る小さいオリフィスに入ることができる小型圧力センサであり得る。圧力センサ312および326は目の外側に配置され小さいオリフィスを通じて目に入らないため、圧力センサ312および326はサイズの制限を有さず、したがって、そのような小型圧力センサに限定されない。したがって、圧力センサ312および326は任意の適切なタイプの圧力センサであり得る。
【0038】
ハンドピース310および/または輸液ライン320により検知され得る圧力は、手術システムにより処理され得るとともに自動化されたフローおよび圧力制御のために使用され得る追加的な情報を提供することにより、手術システムによる制御の向上を円滑にする。例えば目300のIOPを測定する、および求めることにより、手術システムは、供給される注入/抽出圧力を自動的に調節することにより、眼科外科手術中のハンドピース310による粘性流体の過剰な送達または過剰な除去を原因とした目300の崩壊または圧力急上昇を回避可能となり得る。
【0039】
図3に示されるとおり、いくつかの実施形態は、冗長圧力センサを含み得る。例えば320の輸液ラインの圧力センサ328は、ハンドピース310の圧力センサ314の存在を原因として冗長とみなされ得る。いくつかの実施形態において、ハンドピース310または輸液ライン320のいずれかが硝子体腔304内に圧力センサを含むように、ハンドピース310と輸液ライン320との組み合わされた使用により、眼圧を測定するために1つのみの圧力センサが提供され得る。同様に、いくつかの実施形態において、1つのみの環境気圧センサが存在する。他の実施形態において、複数の圧力センサを使用して単一の圧力のためのデータが得られる。各圧力センサからのデータが直接提供されてもよく、または圧力センサの数学的組合せが単一の値を提供するために使用されてもよい。図3に示された圧力センサから得られた圧力測定値を使用して、手術システムは、粘性流体注入/抽出を自動的に制御してもよく、さらに、外科医が外科手術中に向上したハンドピース310および輸液ライン320の制御を実施可能となり得る。
【0040】
図4は、眼科外科手術中に患者の目における粘性流体の送達/除去を自動化するための図1および2の手術システム100により実施されるプロセス400を示すフローチャートである。
【0041】
ブロック402で、コントローラ、例えば手術システム100のコントローラ204は、1つまたは複数のセンサ、例えば患者の目に隣接してまたは患者の目において配置されたIOPセンサ124からセンサデータを受信する。
【0042】
ブロック404で、コントローラ204はIOPの変化について監視する。コントローラ204は、センサデータに基づきIOP(例えばIOP値、例えば予測IOP値または実際のIOP値)を求め得るとともにIOPの変化を検出し得る。
【0043】
ブロック406で、コントローラ204はIOPの変化に応答して粘性流体の送達/除去を調整する。コントローラ204は、IOPの変化に応答して粘性流体の送達/除去を調整するために、注射器ポンプ210を制御し得る。注射器ポンプ210は、注入/抽出圧力を、粘性流体注入または患者の目の硝子体腔からの抽出を実施するハンドピース110へ提供し得る。
【0044】
例えば、コントローラ204は、閾値未満のIOP、例えば閾値IOPレベル(例えば閾値)に応答して、コントローラ204が注射器ポンプ210により生じた負圧を自動的に低下させる、および/または注射器ポンプ210により生じた正圧を自動的に上昇させるように、注射器ポンプ210の閾値制御を提供し得る。さらに、コントローラ204は、閾値を超えて上昇するIOPに応答して、注射器ポンプ210により生じる負圧を自動的に上昇させることができ、および/または注射器ポンプ210により生じる正圧を低下させることができる。
【0045】
別の例において、コントローラ204は、閾値未満になるまたは閾値を超えて上昇するIOPに応答して、コントローラ204が注射器ポンプ210を自動的にオン/オフするように、注射器ポンプ210のオン/オフ制御を提供し得る。さらなる例において、コントローラ204は、注射器ポンプ210の制御−ループフィードバック制御、例えば比例・積分・微分(PID:proportional−integral−derivative)制御を提供し得る。コントローラ204は、IOPと標的IOPレベル(例えば標的値または範囲)との差を求めることができ、それに応答して、IOPおよび標的IOPレベルの差を減少させるように注射器ポンプ210を自動的に調節する。有利には、手術システム100は、低または高IOPから保護するとともに、目の崩壊または過充填を防ぐ。
【0046】
いくつかの実装形態において、注射器ポンプ210などの制御による粘性流体注入/吸引の調整は、低粘度流体輸液/吸引の調整と連携し得る。コントローラ204は粘性流体注入/抽出を調整することを優先させてもよく、低粘度流体輸液/吸引を調整することを優先させてもよく、または粘性および低粘度流体輸液/吸引を同時に調整してもよい。
【0047】
ブロック408で、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動を検出し得る。例えば、コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム、例えば足踏みペダルサブシステム216を介して足踏みペダル108の駆動を検出し得る。コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム216を通じて足踏みペダル108からの駆動データを受信し得る。駆動データは、例えば足踏みペダル108が駆動されているか、足踏みペダル108がどのくらい押圧されているか、および/または足踏みペダル108がどのくらい速く押圧されるかを示し得る。
【0048】
ブロック410で、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に基づき、粘性流体注入または抽出を制御し得る。例えば、ユーザによる足踏みペダル108の駆動に基づき、コントローラ204は、粘性流体注入または抽出圧力を維持、上昇または低下させるために注射器ポンプ210を制御し得る。
【0049】
図5は、IOPの変化に応答した粘性流体注入/送達制御の例示的実装形態を示す。図6は、IOPの変化に応答した粘性流体抽出/除去制御の例示的実装形態を示す。したがって、図5および6は、各々、図4におけるブロック406〜410の一部を構成し得る異なる実装形態を示す。
【0050】
図5に示されるとおり、粘性流体注入/送達プロセス中、コントローラ204は、IOPの変化に応答して粘性流体の注入/送達を調整し得る。硝子体網膜手術中、硝子体が切断され除去(例えば吸引)された後で、目は食塩水(例えばBSS)で充填されてもよく、修復手術が実施され得る(例えば網膜を修復する)。修復手術が完了した後で、目における食塩水は空気と交換され得る。空気を置き換えるために、粘性流体、例えば液体タンポナーデ(例えばシリコーン油またはパーフルオロン溶液)が、次いでハンドピース110により目に注入され得る。液体タンポナーデは、網膜裂傷を密封して瘢痕形成を可能にするために目を充填し得る。粘性流体注入プロセス中、空気または空気圧は、輸液ライン114または320を介して送達され得る。いくつかの実施形態において、空気を置き換え目を充填するために粘性流体が導入されると、輸液ライン114または320からの空気圧は、一定レベルで維持され得る。
【0051】
ブロック502で、コントローラ204は、粘性流体を目に注入/送達するために、制御信号を受信し得る。制御信号は、足踏みペダル108で、ユーザ/外科医により入力され得る。例えば、ユーザ/外科医は、注入信号を発生させてハンドピース110または310を介して、粘性流体を目に注入または圧送するようにコントローラ204に指示するために足踏みペダル108を踏み得る。
【0052】
ブロック504で、コントローラ204は、目におけるIOPを検出し得る。上記のとおり、IOPは、1つまたは複数のセンサから受信されたセンサ信号に基づき検出または予測され得る。いくつかの例において、IOPまたはIOPの変化は、センサから出力された信号データに基づき測定または算出され得る。
【0053】
ブロック506で、コントローラ204は、IOPが許容可能な上側閾値より上であるかどうか判定し得る。許容可能な上側閾値は、IOPのための安全性勧告に基づき、コントローラにより初期値に自動的に設定され得る。いくつかの実施形態において、ユーザ/外科医は、目を過圧することを回避するためにIOPのための上限を入力し得る。コントローラ204は、検出または算出されたIOPを上側閾値と比較し、IOPが上側閾値を超えたかどうか判定する。超えた場合、コントローラ204は、ブロック508で粘性流体注入フローを自動的に減少させるか止めることができる。例えば、コントローラ204は、例えば注射器ポンプ210を止めることにより、ハンドピース110での粘性流体の注入圧力を止めるか低下させることができる。別の例において、コントローラ204は、注入圧力を解放するために圧力解放弁(図示せず)を開き得る。したがって、ユーザ/外科医がより多くの粘性流体注入を求めて足踏みペダル108を踏み続ける場合であっても、コントローラ204は、目を過充填または過圧することを回避するために、粘性流体フロー/圧力を止めるか低下させ得る。したがって、コントローラ204は、IOPが安全性限界を既に超えている場合は注入圧力を上昇させるためにユーザ入力を無効にし得る。
【0054】
コントローラ204が、IOPは上側閾値を超えていないと判定する場合、コントローラ204は、ブロック510でユーザ/外科医(例えば足踏みペダル108を介した)から入力された粘性流体注入信号に基づき粘性流体注入を増加または維持し得る。例えば、コントローラ204は、ユーザによる足踏みペダル、例えば足踏みペダル108の駆動を検出する。コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム、例えば足踏みペダルサブシステム216を通じて足踏みペダル108の駆動を検出し得る。コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム216を通じて足踏みペダル108からの駆動データを受信し得る。駆動データは、例えば足踏みペダル108が駆動されているか、足踏みペダル108がどのくらい押圧されているか、および/または足踏みペダル108はどのくらいの速さで押圧されているかを示し得る。
【0055】
コントローラ204が、IOPは上側閾値を超えていないと判定する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して粘性流体注入/送達を調整する。コントローラ204は、患者の目の硝子体腔への粘性流体注入を調整するよう注射器ポンプをさらに制御し得る。例えば、コントローラ204がオン/オフ制御を提供する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して、注射器ポンプ210をオンにし得る。別の例において、コントローラ204が制御−ループフィードバック制御を提供する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して、例えば注射器ポンプにより生じる正圧を調節することにより、注射器ポンプ210を調節し得る。したがって、コントローラ204は、目への粘性流体注入を維持または増加させるために正圧を維持または上昇させるように、注射器ポンプを制御し得る。したがって、コントローラ204は、IOPを連続的に監視することができるとともに、粘性流体注入/送達プロセス中に目を過充填または過圧することを回避するために、IOPに基づき粘性流体注入を自動的に制御することができる。
【0056】
ここで図6を参照すると、粘性流体抽出/除去プロセス中、コントローラ204は、IOPの変化に応答して粘性流体の抽出/除去を調整し得る。網膜裂傷が密封され瘢痕が形成された後で、患者は、粘性流体(液体タンポナーデ)を目から取り除くためにフォローアップの手術に戻され得る。典型的には、フォローアップの手術において、粘性流体(液体タンポナーデ)は、除去されるとともに低粘度流体、例えば食塩水で置き換えられ得る。粘性流体は、食塩水が輸液ライン114により目に輸液されると同時に、ハンドピース110により抽出され得る。
【0057】
ブロック602で、コントローラ204は、粘性流体を目から取り除くための制御信号を受信し得る。制御信号は、足踏みペダル108でユーザ/外科医により入力され得る。例えば、ユーザ/外科医は、コントローラ204への抽出信号を発生させるために足踏みペダル108を踏み、ハンドピース110または310を介して粘性流体を目から取り除くか吸引するようにコントローラ204に指示し得る。
【0058】
ブロック604で、コントローラ204は、目におけるIOPを検出し得る。上記のとおり、IOPは、1つまたは複数のセンサから受信されたセンサ信号に基づき検出または予測され得る。いくつかの例において、IOPまたはIOPの変化は、センサから出力された信号データに基づき測定または算出され得る。
【0059】
ブロック606で、コントローラ204は、IOPが許容可能な下側閾値未満であるかどうか判定し得る。許容可能な下側閾値は、IOPについての一般的な安全性勧告に基づき、コントローラ204により初期値として自動的に設定され得る。いくつかの実施形態において、ユーザ/外科医は、目に過小圧力をかけるか崩壊させることを回避するために、IOPの下限値を入力し得る。コントローラ204は、IOPが下側閾値未満に低下したかどうか判定するために、検出または算出されたIOPを下側閾値と比較し得る。下側閾値未満に低下した場合、コントローラ204は、ブロック608で粘性流体除去/抽出フローを自動的に減少させるか止めることができる。例えば、コントローラ204は、ハンドピース110での粘性流体の抽出フローを減少させるために、注射器ポンプ210により生じる負圧を止めるか低下させ得る。したがって、ユーザ/外科医が足踏みペダル108を踏み続けてより多くの粘性流体除去を求めたとしても、コントローラ204は、目が崩壊するか目に過小圧力をかけることを回避するために、粘性流体抽出圧力を止めるか低下させ得る。したがって、IOPが既に安全性限界未満に低下している場合、コントローラ204は真空圧を上昇させるためにユーザ入力を無効にし得る。
【0060】
コントローラ204が、IOPは下側閾値未満に低下していないと判定する場合、コントローラ204は、ブロック610で、ユーザ/外科医から(例えば足踏みペダル108を介して)入力された粘性流体抽出信号に基づき、粘性流体抽出/除去を増加または維持し得る。例えば、コントローラ204は、ユーザによる足踏みペダル、例えば足踏みペダル108の駆動を検出する。コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動を、足踏みペダルサブシステム、例えば足踏みペダルサブシステム216を通じて検出し得る。コントローラ204は、足踏みペダルサブシステム216を通じて、足踏みペダル108から駆動データを受信し得る。駆動データは、例えば足踏みペダル108が駆動されているか、足踏みペダル108がどのくらい押圧されているか、および/または足踏みペダル108はどのくらいの速さで押圧されているかを示し得る。
【0061】
コントローラ204が、IOPは下側閾値未満に低下していないと判定する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して粘性流体抽出/除去を調整する。コントローラ204は、患者の目の硝子体腔からの粘性流体抽出/除去を調整するように、注射器ポンプ210をさらに制御し得る。例えば、コントローラ204がオン/オフ制御を提供する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して、注射器ポンプ210をオンにし得る。別の例において、コントローラ204が制御−ループフィードバック制御を提供する場合、コントローラ204は、足踏みペダル108の駆動に応答して、例えば注射器ポンプ210により生じる負圧を調節することにより、注射器ポンプ210を調節し得る。したがって、コントローラ204は、目からの粘性流体抽出/除去を維持または増加させるために、注射器ポンプ210を、負圧を維持または増加させるように、制御し得る。したがって、コントローラ204は、粘性流体抽出/除去プロセス中、目が崩壊するか目に過小圧力をかけることを回避するために、IOPを連続的に監視し得るとともに、IOPに基づき粘性流体抽出を自動的に制御し得る。
【0062】
さらなる例において、コントローラ204は、粘性流体の除去および食塩水の輸液を同時に調整する。IOPが閾値IOPレベル未満であることに応答して、コントローラ204は、輸液(例えば輸液ライン114での圧力を制御することにより)および抽出(例えば駆動ライン112での負圧を制御することにより)の両方を調和した方式で調節することにより、輸液および抽出を同時に調整する。代替的に、粘性流体抽出の調整および低粘度流体輸液の調整は、別個に制御され、各々それ自体のパラメータ、閾値、および/または制御操作または機序を有する。
【0063】
図7は、眼科外科手術中に図1の手術システム100を作動させるためのプロセス700を示すフローチャートである。
【0064】
ブロック702で、ユーザ、例えば眼科外科手術を行っている外科医は、輸液ラインの先端部、例えば輸液ライン114の先端部(例えば係合部材)120を患者の目の硝子体腔へ挿入し得る。
【0065】
ブロック704で、ユーザは、センサ、例えばIOPセンサ124を、患者の目に隣接して(例えば極近接して)または患者の目の内部に位置付け得る。IOPセンサ124が、輸液ライン114の先端部120(例えば図3におけるセンサ326および/または328)に隣接して、および/または輸液ライン114の先端部120に配置される実施形態において、ブロック706は、ブロック702を実施することにより達成される。IOPセンサ124がハンドピース110の先端(例えば図3におけるセンサ314)に配置される実施形態において、ブロック706は、ブロック704を実施することにより達成される。他の実施形態において、IOPセンサ124は、駆動ライン112および輸液ライン114からの個別のラインに結合され、ユーザは、IOPセンサ124を、駆動ライン112および輸液ライン114から分離して、患者の目に隣接して、および/または患者の目に置く。
【0066】
ブロック706で、ユーザは、ハンドピース、例えばハンドピース110の先端を患者の目の硝子体腔に挿入する。ハンドピース110は駆動ライン112の先端部に結合される。
【0067】
ブロック708で、ユーザは、コンソール102における注射器ポンプ210により動力供給されたハンドピース110を使用して粘性流体を注入または患者の目の硝子体腔から抽出し得る。
【0068】
ブロック710で、ユーザは、IOPセンサ124により測定されたセンサデータに基づき、粘性流体を自動でスロットルで調整可能にする。図2のコントローラ204および図4のブロック406との関連でさらに上述されたとおり、手術システム100は(例えばコントローラ204により)IOPセンサ124により測定されたセンサデータに基づき粘性流体注入/抽出を自動的に調整する。例えば、手術システム100は、IOPが閾値IOPレベル(例えば閾値)未満である(または以下である)ことに応答して、注射器ポンプ210により生じた負圧を自動的にオフにするか低下させることができる。別の例において、手術システム100は、IOPが閾値IOPレベル(例えば閾値)より大きい(または以下である)ことに応答して、注射器ポンプ210により生じた正圧を自動的にオフにするか低下させることができる。
【0069】
ブロック712で、ユーザは、粘性流体注入/抽出を制御するために、足踏みペダル、例えば足踏みペダル108を駆動する。例えば、ユーザは、患者の目の硝子体腔からの粘性流体抽出を再び始めるか注射器ポンプ210により生じる負圧を上昇させるために、足踏みペダル108を駆動し得る。別の例において、ユーザは、患者の目の硝子体腔への粘性流体注入を再び始めるか注射器ポンプ210により生じる正圧を上昇させるために、足踏みペダル108を駆動し得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、空気圧式動力注射器に加えて他のタイプの動力注射器が使用されてもよい。例えば油圧式動力または電動注射器が粘性流体注入/抽出のために使用されてもよい。コントローラ204は、これらの他のタイプの動力/能動的注射器により、粘性流体の注入/抽出を同様に制御し得る。液体タンポナーデに加えて、システムはまた、幹細胞、接着など目の外科手術のために、他のタイプの粘性流体の注入/抽出を自動的に調整し得る。
【0071】
本開示により包含される実施形態は上述の特定の例示的実施形態に限定されないことを当業者は理解するだろう。この点において、例示的実施形態が図示されるとともに説明されたが、幅広い修正形態、変更形態、組合せ、および置換形態が前述の開示において想定される。そのような変更は、本開示の範囲を逸脱することなく前述のものになされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は幅広く、本開示と一致するやり方で解釈されることが適切である。
本願発明の参考実施形態として、以下の参考例17ないし20も含まれる。
〔参考例17〕
方法であって、
患者の目に隣接するか患者の目におけるセンサからセンサデータを受信することと、
前記センサデータに基づき前記目の眼圧(IOP)を監視することと、
前記IOPが上側閾値より上であるか下側閾値未満であるかを判定することと、
前記IOPが上側閾値より上であると判定することに応答して、前記目における粘性流体注入を止めるか低減させることと、
前記IOPが前記下側閾値未満であると判定することに応答して、前記目における粘性流体抽出を止めるか低減させることと
を含む方法。
〔参考例18〕
前記目における前記粘性流体注入または抽出を制御するためのユーザ入力を受信することと、
前記IOPが上側閾値未満、および前記下側閾値より上であるときに、前記ユーザ入力に基づき粘性流体注入または抽出を制御することと
をさらに含む、参考例17に記載の方法。
〔参考例19〕
前記IOPが前記上側閾値より上、または前記下側閾値未満であるときに、前記ユーザ入力を無効にすることをさらに含む、参考例18に記載の方法。
〔参考例20〕
センサデータに基づき前記IOPを算出することをさらに含み、前記センサデータが、圧力、流量、または両方に関するデータを含む、参考例17に記載の方法。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7