(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定部は、前記運転者に関する条件情報を満たす対象売出車両として、前記運転者の運転態様に応じた売出車両、または、前記運転者の車両に対する嗜好性に応じた売出車両を対象売出車両として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記提示部は、前記金額情報として、前記買取価格を利用して車両に関する保険に加入したうえで買い替えた場合に前記運転者が支払べき差額を示す金額情報、または、前記買取価格を利用して車両に関する保険に加入したうえで買い替えた場合に前記運転者に返金される返金金額を示す金額情報を提示する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
前記提示部は、前記運転者の車両の買取価格と、前記車両情報と、前記販売価格と、前記運転情報と、前記金額情報とが表示されるページであって、1の操作で買い替え申込および買い替えに伴う保険への加入申込を可能とするページを前記運転者に提示する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
前記決定部は、前記運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、シェアされる候補車両のうち、前記運転者に関する条件情報を満たす車両であるシェア対象車両を決定し、
前記提示部は、前記シェア対象車両を示すシェア情報を前記運転者に提示する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の情報処理装置。
前記決定部は、前記運転者に関する条件情報を満たす車両として、前記運転者の運転態様に応じた車両、または、前記運転者の車両に対する嗜好性に応じた車両をシェア対象車両として決定する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
前記算出部は、前記運転履歴として、前記車両の加速度の変化を示す加速度履歴、前記車両の位置情報の変化を示す位置履歴、または、前記車両の位置情報の変化に応じた気圧変化を示す気圧履歴のうち少なくともいずれか1つに基づいて、前記安全スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.算出処理の一例〕
実施形態に情報処理装置100は、後述する第1の情報処理、または、第2の情報処理を行う。また、実施形態に情報処理装置100は、後述する第1の情報処理、または、第2の情報処理を行う前段階の情報処理として算出処理を行う。このようなことから、情報処理装置100は、実施形態にかかる情報処理として、算出処理および第1の情報処理を含む一連の情報処理、あるいは、算出処理および第2の情報処理を含む一連の情報処理を行う。したがって、
図1を用いて、まず、この算出処理について説明する。
図1は、実施形態にかかる算出処理の一例を示す図である。また、第1の情報処理は、所定の車両取り引きを「中古車売買サービス」での取り引きとした場合の情報処理である。以下では、実施形態にかかる中古車売買サービスを「中古車売買サービスSA1」とする。一方、第2の情報処理は、所定の車両取り引きを「カーシェアリングサービス」での取り引きとした場合の情報処理である。以下では、実施形態にかかるカーシェアリングサービスを「シェアサービスSA2」とする。
【0012】
図1の説明に先立って、
図8を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。
図8は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、
図8に示すように、運転者端末装置10−xと、利用者端末装置TMnと、情報処理装置100とを含む。運転者端末装置10−x、利用者端末装置TMn、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図8に示す情報処理システム1には、複数台の運転者端末装置10−xや、複数台の利用者端末装置TMnや、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。また、後述する第2の情報処理も、
図8に示す情報処理システム1が適用される。
【0013】
運転者端末装置10−xは、運転者Dxによって利用される端末装置である。運転者端末装置10−xは、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。本実施形態では、運転者端末装置10−xは、所定のカーナビゲーションシステム(以下、「カーナビ」と略す)に対応するアプリケーション(「ナビアプリAP」とする)が予めインストールされており、運転者Dxは、例えば、運転者端末装置10−xを車両のダッシュボード等に設置して用いる。すなわち、本実施形態では、運転者端末装置10−xは、カーナビ専用の端末装置の如く扱われるため、スマートフォンやタブレット型端末であることが好ましい。なお、運転者Dxは、例えば、運転時以外には、運転者端末装置10−xを自身が携帯して利用する。
【0014】
本実施形態では、運転者端末装置10−xを特にスマートフォンであるものとする。運転者端末装置10−xは、各種のセンサ(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ)を備えており、このセンサを用いて、車両がどの位置をどのような挙動で走行しているか、あるいは、車両がどのような操作をされたかことに応じて走行しているかといった車両の挙動を検出する。そして、運転者端末装置10−xは、検出した挙動を示す挙動情報を情報処理装置100に送信する。また、運転者端末装置10−xは、情報処理装置100から受信した各種情報を自装置の表示画面に表示させる。
【0015】
また、運転者端末装置10−x、および、運転者Dxの「x」には、共通の任意の数字が適用され、例えば、運転者Dxのうち特定の一の運転者として、運転者D1が居たとすると、運転者D1の運転者端末装置10−xは、運転者端末装置10−1として区別される。このため、運転者D2あるいは運転者D3の運転者端末装置10−xについても同様の例に倣って区別することができるものとする。一方、運転者および運転者端末装置を区別する必要がない場合、あるいは、一度に複数の運転者を説明したい場合には、そのまま運転者Dx、運転者端末装置10−xと表記する。
【0016】
また、運転者Dxが運転する車両Cxの「x」にも、上記と共通の任意の数字が適用され、例えば、運転者D1の車両Cxは、車両C1として区別される。このため、運転者D2あるいは運転者D3の車両Cxについても同様の例に倣って区別することができるものとする。一方、車両Cxを区別する必要がない場合、あるいは、一度に複数の車両を説明したい場合には、そのまま車両Cxと表記する。また、本実施形態では、車両Cxは一般自動車であるものとするが、車両Cxは、例えば、自転車やバイク等であってもよい。つまり、車両Cxの車種は限定されない。
【0017】
利用者端末装置TMnは、車両取り引きに関するサービスを利用する利用者Rnの端末装置である。利用者端末装置TMnは、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等である。
【0018】
本実施形態では、利用者端末装置TMnを特にスマートフォンであるものとする。利用者端末装置TMnは、利用者Rnの操作に応じて、情報処理装置100に各種情報を送信する。また、利用者端末装置TMnは、情報処理装置100から受信した各種情報を自装置の表示画面に表示させる。
【0019】
また、利用者端末装置TMn、および、利用者Rnの「n」には、共通の任意の数字が適用され、例えば、利用者Rnのうち特定の一の利用者として、利用者R1が居たとすると、利用者R1の利用者端末装置TMnは、利用者端末装置TM1として区別される。このため、利用者R2あるいは利用者R3の利用者端末装置TMnについても同様の例に倣って区別することができるものとする。一方、利用者および利用者端末装置を区別する必要がない場合、あるいは、一度に複数の利用者を説明したい場合には、そのまま利用者Rn、利用者端末装置TMnと表記する。
【0020】
なお、
図8の例では、運転者端末装置10−xと、利用者端末装置TMnとが区別されているが、運転者Dxも当然ながら車両取り引きに関するサービスを利用する場合があり、この場合には、運転者Dxは利用者Rnと言い換えることができるし、運転者端末装置10−xは利用者端末装置TMnと言い換えることができる。
【0021】
以下では、
図1を用いて、情報処理装置100が、前段階の処理として行う算出処理について説明する。例えば、情報処理装置100は、運転者により運転される車両に対応する運転履歴に基づいて、車両がどの程度安全に運転されてきたかを指標する指標値である安全スコアを算出する算出処理を行う。例えば、情報処理装置100は、運転履歴として、運転者が運転する車両の加速度の変化を示す加速度履歴、運転者が運転する車両の位置情報の変化を示す位置履歴、または、運転者が運転する車両の位置情報の変化に応じた気圧変化を示す気圧履歴のうち少なくともいずれか1つに基づいて、安全スコアを算出する。より具体的には、情報処理装置100は、運転履歴に基づき特定された傾向であって、運転者の運転態様の傾向に基づいて、安全スコアを算出する。また、情報処理装置100は、運転態様の傾向として、運転者のアクセル操作、ブレーキ操作操作、ハンドル操作の傾向のうち少なくともいずれか1つに基づいて、安全スコアを算出することもできる。そして、情報処理装置100は、算出した安全スコアを特徴情報として取得する。
【0022】
まず、各車両Cxに設置された運転者端末装置10−xは、当該車両Cxの挙動である運転挙動を検出し、検出した挙動を示す挙動情報と、検出した日時を示す日時情報とを対応付けて、情報処理装置100に送信する(ステップS11)。例えば、運転者端末装置10−xは、内蔵された各種センサのうち、加速度センサを用いて、車両Cxの現在の加速度を検出し、検出した加速度を示す加速度情報を情報処理装置100に送信する。また、例えば、運転者端末装置10−xは、内蔵された各種センサのうち、GPS(Global Positioning System)センサを用いて、車両Cxの現在位置を検出し、検出した位置を示す位置情報を情報処理装置100に送信する。また、例えば、運転者端末装置10−xは、内蔵された各種センサのうち、気圧センサを用いて、車両Cx周辺の現在の気圧を検出し、検出した気圧を示す気圧情報を情報処理装置100に送信する。
【0023】
また、例えば、運転者端末装置10−xは、内蔵された各種センサのうち、ジャイロセンサを用いて、車両Cxの傾き、すなわちハンドル操作(例えば、どのような角度でハンドル操作されたか)を検出し、検出したハンドル操作(例えば、ハンドル操作角度)を示すハンドル操作情報を情報処理装置100に送信する。なお、情報処理装置100が、例えば、加速度や位置情報の変化から、どのようなハンドル操作が行われたかを推定することによりハンドル操作情報を取得してもよい。
【0024】
また、例えば、運転者端末装置10−xは、内蔵された各種センサのうち、加速度センサを用いて、車両Cxの加速度を検出し、検出した加速度に基づいて、ブレーキ操作(例えばブレーキ操作角度)を検出し、検出したブレーキ操作(例えば、どのような角度でブレーキが押し込まれたか)を示すブレーキ操作情報を情報処理装置100に送信する。なお、情報処理装置100が、例えば、加速度や位置情報の変化から、どのようなブレーキ操作が行われたかを推定することによりブレーキ操作情報を取得してもよい。
【0025】
次に、情報処理装置100は、運転者端末装置10−xから挙動情報を受信することにより、運転者端末装置10−xから取得した挙動情報を運転履歴として、運転履歴記憶部121に格納する(ステップS12)。ここで、運転履歴記憶部121について説明する。運転履歴記憶部121は、各車両Cxに対応する運転履歴を記憶する。
図1の例では、運転履歴記憶部121は、「車両ID」、「運転者ID」、「日時情報」、「加速度情報」、「位置情報」、「気圧情報」といった項目を有する。なお、不図示であるが運転履歴記憶部121は、「ハンドル操作情報」、「ブレーキ操作情報」といった項目も有してよい。
【0026】
「車両ID」は、車両Cxを識別する識別情報である。「車両ID」は、例えば、その車両のナンバーであってもよい。「運転者ID」は、運転者を識別する識別情報である。「日時情報」は、運転挙動が検出された検出日時である。「加速度情報」は、対応する「車両ID」で識別される車両について、対応する「日時情報」が示す日時に検出された加速度を示す。「位置情報」は、対応する「車両ID」で識別される車両について、対応する「日時情報」が示す日時に検出された位置を示す。「気圧情報」は、対応する「車両ID」で識別される車両について、対応する「日時情報」が示す日時に検出された気圧を示す。
【0027】
すなわち、
図1に示す運転履歴記憶部121の例では、運転者D1が運転する車両C1について、日時「DT11」では、加速度が「AC11」、位置が「PT11」、車両C1周辺の気圧が「PR11」であった例を示す。なお、
図1の例では、「日時情報」、「加速度情報」、「位置情報」、「気圧情報」として概念的記号が用いられているが、本来は実際の情報が入力される。また、本実施形態では、各車両Cxは、一の運転者によって運転されるものとして説明するが、例えば、車両Cxには場合によっては複数の運転者が存在する場合がある。かかる例としては、1台の車両Cxが家族間で利用されるといったシチュエーションが挙げられる。こういった場合、運転履歴記憶部121は、1つの「車両ID」に対して、複数の「運転者ID」を対応付けて、それぞれの運転者での挙動情報を運転履歴として記憶することができる。
【0028】
次に、情報処理装置100は、運転履歴に基づき運転態様の傾向を特定し、特定した運転態様の傾向を運転特性として、運転特性に基づき安全スコアを算出する(ステップS13)。安全スコアは、運転者Dxの運転態様の安全性を示す指標値である。なお、安全スコアは、運転者Dxの運転態様の危険性を示す指標値である危険スコア、と言い換えることができる。
【0029】
ここで、安全スコアを算出する算出処理の一例を示す。なお、ここで示す算出処理は一例に過ぎず、情報処理装置100は、任意の手法を用いて安全スコアを算出することができる。
【0030】
例えば、情報処理装置100は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxに対応する運転履歴(車両Cxに対応する運転履歴、ともいえる)に基づいて、運転者Dxの運転態様の傾向として、法定速度と比較した場合の走行速度の傾向(所定期間での走行速度の傾向)を特定することで、特定した走行速度の傾向を運転者Dxの一つの運転特性と判断する。また、この場合、情報処理装置100は、走行速度が速い程、安全性が低くなるとの観点から、走行速度がより速い傾向である程、最終的に安全スコアが低く算出されるようなスコアであって、走行速度の傾向を安全性から評価するスコアである第1速度評価スコアを算出する。
【0031】
また、例えば、情報処理装置100は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxに対応する運転履歴に基づいて、運転者Dxの運転態様の傾向として、カーブする際の走行速度の傾向(所定期間での走行速度の傾向)を特定することで、特定した走行速度の傾向を運転者Dxの一つの運転特性と判断する。また、この場合、情報処理装置100は、カーブする際の走行速度が速い程、安全性が低くなるとの観点から、カーブ時走行速度がより速い傾向である程、最終的に安全スコアが低く算出されるようなスコアであって、カーブ時走行速度の傾向を安全性から評価するスコアである第2速度評価スコアを算出する。
【0032】
また、例えば、情報処理装置100は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxに対応する運転履歴に基づいて、運転者Dxの運転態様の傾向として、直線道路(または、カーブ)でのハンドル操作の挙動傾向を特定する。例えば、情報処理装置100は、直線道路での所定角度以上でのハンドル操作回数、直線道路での急ハンドル操作回数に基づいて、ハンドル操作の挙動傾向を特定することで、特定したハンドル操作の挙動傾向を運転者Dxの一つの運転特性と判断する。また、この場合、情報処理装置100は、カーブでもないのに余計なハンドル操作が多い程、安全性が低くなるとの観点から、ハンドル操作回数に応じた危険なハンドル操作の傾向である程、安全スコアが低く算出されるようなスコアであって、ハンドル操作の挙動傾向を安全性から評価するスコアである第1ハンドル評価スコア算出する。
【0033】
なお、情報処理装置100は、カーブでの不安定なハンドル操作(左右にぶれる等)が多い程、安全性が低くなるとの観点から、カーブにおいてハンドル操作回数に応じた危険なハンドル操作の傾向である程、安全スコアが低く算出されるようなスコアであって、ハンドル操作の挙動傾向を安全性から評価するスコアである第2ハンドル評価スコア算出することもできる。
【0034】
また、例えば、情報処理装置100は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxに対応する運転履歴に基づいて、運転者Dxの運転態様の傾向として、直線道路でのブレーキ操作の挙動傾向を特定する。例えば、情報処理装置100は、信号のない区間での所定角度以上のブレーキ押下回数、信号のない区間での急ブレーキ回数に基づいて、ブレーキ操作の挙動傾向を特定することで、特定したブレーキ操作の挙動傾向を運転者Dxの一つの運転特性と判断する。また、この場合、情報処理装置100は、信号も存在もないのに余計なブレーキ操作が多い程、安全性が低くなるとの観点から、ブレーキ操作回数に応じた危険なブレーキ操作の傾向である程、安全スコアが低く算出されるようなスコアであって、ブレーキ操作の挙動傾向を安全性から評価するスコアであるブレーキ評価スコア算出する。
【0035】
また、情報処理装置100は、気圧情報を参照し、気圧変化から坂道運転時の運転履歴を抽出し、抽出した運転履歴に基づいて、坂道でのハンドル操作の挙動傾向、坂道でのブレーキ操作の挙動傾向を特定し、これらの挙動傾向を評価するスコアをさらに算出することができる。
【0036】
図1の例では、情報処理装置100は、第1速度評価スコア、第2速度評価スコア、第1ハンドル評価スコア、第2ハンドル評価スコア、ブレーキ評価スコアを用いるものとすると、これら各スコアを足し合わせることで安全性を総合的に評価する安全スコアを算出する。また、不図示であるが、情報処理装置100は、運転者Dx毎に安全スコアが記憶される記憶部を有することで、この記憶部から安全スコアを取得してもよい。
【0037】
ここで、
図2を用いて、ステップS13で算出された安全スコアが、どのような運転態様を示し、安全レベルとしてどのレベルなのか示す安全スコア対応表TBについて説明する。
図2は、安全スコア対応表TBの一例を示す図である。情報処理装置100は、所定の記憶部に安全スコア対応表TBを記憶することができる。
【0038】
図2の例では、安全スコア対応表TBは、「安全スコア範囲」、「安全スコアが示す運転態様」、「安全レベル」といった項目を有する。「安全スコア範囲」は、安全スコアの範囲(スコア範囲)を示す。
【0039】
「安全スコアが示す運転態様」は、ステップS13で算出された安全スコアがどの「安全スコア範囲」に含まれるかに応じて、その安全スコアがどのような運転態様を示すものであるかを特定可能にする情報である。例えば、運転者D10の安全スコアとして「90」が算出された場合、情報処理装置100は、運転者D10は「安全性が非常に高い運転されている」と判断することができる。より詳細には、情報処理装置100は、運転者D10の運転履歴が示すこれまでの運転状況から鑑みて、運転者D10は「安全性が非常に高い運転されている」と判断することに相当する。
【0040】
「安全レベル」は、ステップS13で算出された安全スコアがどの「安全スコア範囲」に含まれるかに応じて、その安全スコアがどのような安全レベルを示すものであるかを特定可能にする情報である。例えば、運転者D10の安全スコアとして「90」が算出された場合、情報処理装置100は、運転者D10は安全レベル「5」の運転をしてきたと判断することができる。より詳細には、情報処理装置100は、運転者D10の運転履歴が示すこれまでの運転状況から鑑みて、運転者D10は安全レベル「5」と判断することに相当する。
【0041】
〔2.第1の情報処理の一例〕
ここで、第1の実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、一般的に、中古車売買サービスでは、特に年数と走行距離が買取価格の査定に大きく影響する。しかし、例えば、中古車売買サービスに自身の車両を買い取らせることを検討する利用者は、安全運転で大切に乗ってきたため、このような扱い方も査定に考慮し、少しでも買取価格が上がることを望む場合がある。また、一般的に、中古車売買サービスでは、購入を検討する利用者に対しては、販売価格、年数、走行距離、外観(傷の有無等)が大々的に提示されることはあっても、その車両がどのように運転されてきたか、例えば、安全運転されてきたか、といった内面的な情報は可視化されていない。ところが、利用者の中には、どのように運転されてきたかといった内面的な情報の提示を望む場合がある。
【0042】
さらに中古車売買サービスの利用者は、買い替えによって生じる面倒な各種手続き(例えば、保険への加入手続き)がなるべく解消されて、もっと手軽にお安く買い替えができればよいと望む場合がある。
【0043】
このような前提を踏まえて、情報処理装置100は、実施形態にかかる第1の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報を取得し、取得した特徴情報に基づいて、特徴情報が示す特徴に応じた情報であって、中古車売買サービス(所定の車両取り引きの一例)にて利用される情報(の内容)を決定する。そして、情報処理装置100は、特徴情報に基づき決定した情報を、中古車売買サービスに対応する対象者、すなわち中古車売買サービスの利用者に対して提示する。
【0044】
第1の情報処理の1つ目のパターンとしては、例えば、情報処理装置100は、安全スコアに基づいて、当該安全スコアが算出された車両の買取価格と、当該安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報とを決定する。そして、情報処理装置100は、中古車売買サービスに売り出されている車両に対して決定された買取価格に基づく販売価格と、当該車両に対して決定された運転情報とを、中古車売買サービスの利用者に対して提示する。この点について、
図3を用いて説明する。
図3は、第1の情報処理(パターン1)の一例を示す図である。
【0045】
まず、情報処理装置100は、
図1のステップS13で算出した安全スコア(特徴情報)に基づいて、中古車売買サービスSA1に利用される情報として、買取価格、および、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定する(ステップS21)。より詳細には、情報処理装置100は、ステップS13で算出した安全スコア(特徴情報)に基づいて、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定したうえで、この運転情報に基づいて、車両Cxの買取価格を決定(算出)する。例えば、情報処理装置100は、運転情報が安全性がより高い運転態様を示す場合ほど、買取価格を高く算出する。
【0046】
車両C1を例に説明する。例えば、情報処理装置100は、ステップS13において、車両C1を運転する運転者D1の運転に関する特徴を示す特徴情報として、安全スコア「90」を算出したものとする。かかる場合、情報処理装置100は、
図2に示す安全スコア対応表TBを参照し、安全スコア「90」に対応する運転態様が「安全性が非常に高い運転」(安全レベル5の運転)であると決定する。そうすると、情報処理装置100は、「安全性が非常に高い運転」(安全レベル5の運転)であることに応じて、車両C1の買取価格を決定する。なお、情報処理装置100、車両C1の車両タイプ、年数、走行距離、外観状況等も考慮して、総合的に買取価格を算出する。
【0047】
なお、情報処理装置100は、安全スコアが算出された運転者Dxの車両Cx(買取価格を算出された車両Cx、ともいえる)のうち、ある車両Cxが中古車売買サービスSA1に対して売りに出されたことを検知したとする。かかる場合、情報処理装置100は、この売りに出された車両Cxに対応する買取価格に基づいて、販売価格を算出することができる。
【0048】
次に、情報処理装置100は、ステップS21で決定した情報を買取情報記憶部123に格納する(ステップS22)。
図3の例では、買取情報記憶部123は、「車両ID」、「運転者ID」、「安全スコア」、「運転情報」、「買取価格」、「車両タイプ」、「販売価格」といった項目を有する。
【0049】
「車両ID」は、安全スコア(特徴情報)に基づき、中古車売買サービスSA1にて利用される情報が決定された車両Cxを識別する識別情報である。「運転者ID」は、「車両ID」によって識別される車両の運転者Dxを識別する識別情報である。「安全スコア」は、ステップS13で算出された安全スコアを示す。「運転情報」は、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報である。「買取価格」は、「運転情報」(運転態様)に基づき算出された買取価格を示す。「車両タイプ」は、「車両ID」によって識別される車両のタイプを示す。「販売価格」は、「買取価格」に基づき算出された販売価格を示す。
【0050】
すなわち、
図3の例では、車両C1(車両C1を運転する運転者D1)の運転態様は、「安全性が非常に高い運転」であると決定された例を示す。言い換えれば、
図3の例では、車両C1は、これまで「安全性が非常に高い運転」がなされてきた車両であると決定された例を示す。また、
図3の例では、車両C1の中古車売買サービスSA1での買取価格「100万」、販売価格「130万」が算出された例を示す。また、
図3の例では、車両C1、車両C2、車両C3は、中古車売買サービスSA1に対して売りに出されている売出車両である。
【0051】
このような状態において、中古車売買サービスSA1を利用する利用者R1が、利用者端末装置TM1を用いて、情報処理装置100にアクセスしてきたとする(ステップS23)。例えば、情報処理装置100は、利用者R1からのアクセスとして、車両タイプおよび販売価格を指定する指定情報を受信したとする。そうすると、情報処理装置100は、指定情報を条件情報(検索条件)として、買取情報記憶部123に記憶される売出車両毎に、条件情報を満たすか否かを判定する(ステップS24)。次に、情報処理装置100は、条件情報を満たすと判定された売出車両を、提示対象の対象売出車両として決定する(ステップS25)。
【0052】
次に、情報処理装置100は、対象売出車両の運転情報および販売価格を含む販売情報を買取情報記憶部123から抽出する(ステップS26)。販売情報には、対象売出車両の画像、説明文等も含まれる。例えば、対象売出車両の一つが車両C2である場合には、情報処理装置100は、運転情報「安全が高い運転(安全レベル4)」、販売価格「80万」を抽出する。そして、情報処理装置100は、抽出した販売情報に基づき、売出車両毎に販売情報が一覧表示される検索結果ページP1を生成し(ステップS27)、検索結果ページP1を利用者端末装置TM1に送信することにより(ステップS28)、利用者R1に販売情報を提示する。
【0053】
さて、
図3を用いて説明してきたように、情報処理装置100は、運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、特徴情報が示す特徴に応じた情報であって、中古車売買サービスにて利用される情報(の内容)を決定する。そして、情報処理装置100は、特徴情報に基づき決定した情報を中古車売買サービスの利用者に対して提示する。これにより、情報処理装置100は、利用者に対して、中古車売買サービスでの売出車両がこれまで安全運転されてきたのか、あるいは、危険運転されてきたのかといった内面的な情報を可視化することができるため、中古車売買サービスの利便性を高めることができる。この結果、情報処理装置100は、中古車売買サービスにおける車両取り引きの訴求力を高めることができる。また、情報処理装置100は、中古車売買サービスの利用者を増やすことができる。
【0054】
次に、第1の情報処理の2つ目のパターンとしては、情報処理装置100は、運転者に対して、当該運転者により運転される車両に対して決定された買取価格を提示する。
【0055】
また、例えば、情報処理装置100は、運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、中古車売買サービスに売り出されている売出車両のうち、運転者に関する条件情報を満たす売出車両である対象売出車両を決定する。そして、情報処理装置100は、対象売出車両を示す車両情報とともに、当該対象売出車両に対して決定された買取価格を提示することにより、運転者が運転する車両から当該対象売出車両への買い替えをこの運転者に提案する。具体的には、情報処理装置100は、対象売出車両を示す車両情報と、当該対象売出車両に対して決定された販売価格と、当該対象売出車両に対して算出された安全スコアに基づき決定された運転情報と、買い替えに関する金額を示す金額情報とを提示することにより、買い替えを運転者に提案する。例えば、情報処理装置100は、金額情報として、買取価格を利用して車両に関する保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者が支払べき差額を示す金額情報、または、買取価格を利用して車両に関する保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者に返金される返金金額を示す金額情報を提示する。上記の一例として、情報処理装置100は、運転者の車両の買取価格と、車両情報と、買取価格と、運転情報と、金額情報とが表示されるページであって、1の操作で買い替え申込および買い替えに伴う保険への加入申込を可能とするページを運転者に提示する。
【0056】
この点について、
図4を用いて説明する。
図4は、第1の情報処理(パターン2)の一例を示す図である。なお、
図4の例では、情報処理装置100は、
図3で説明したステップS21およびS22を行っていることで、
図3に示すような内部構成の買取情報記憶部123を既に有しているものとする。
【0057】
このような状態において、安全スコアが算出された運転者Dxのうち、運転者D3が運転者端末装置10−3を用いて、情報処理装置100にアクセスしてきたとする(ステップS31)。運転者D3は、任意の情報をきっかけにアクセスすることができる。例えば、運転者D3は、「中古車売買サービスSA1では、あなたにぴったりのお車が見つかるかも」等といった情報処理装置100からのプッシュ通知に応じて、アクセスしてきたものとする。
【0058】
情報処理装置100は、アクセスに応じて、運転者D3の安全スコア(特徴情報)に基づいて、運転者D3の運転態様にはどのような車両が適しているかや、運転者D3はどのような車両タイプの車両が好みであるか嗜好性を推定する(ステップS32)。
図4の買取情報記憶部123の例では、運転者D3の安全スコア「90」であることに応じて、「安全性が低い運転」(安全レベル2の運転)であると決定されている。このため、情報処理装置100は、「安全性が低い運転」(安全レベル2の運転)であることに応じて、セキュリティ機能が完備されたハイブリッド車が適していると推定する。なお、情報処理装置100は、例えば、運転者D3の運転履歴に基づき、運転者D3が「長距離運転の傾向にある」(長距離運転好き)という運転態様の傾向(運転特性)を特定できた場合には、燃費のよいハイブリッド車が適しているといった推定を行うこともできる。結果、
図4の例では、情報処理装置100は、運転者D3の運転態様には「ハイブリッド車」が適していると推定したものとする。
【0059】
次に、情報処理装置100は、ステップS32で推定した内容を示す推定情報「ハイブリッド車」を条件情報として、売出車両(例えば、買取情報記憶部123に記憶される車両のうち、販売価格が算出されている車両)毎に条件情報を満たすか否か判定する(ステップS33)。そして、情報処理装置100は、条件情報を満たすと判定された売出車両を、提示対象の対象売出車両として決定する(ステップS34)。例えば、情報処理装置100は、売出車両のうち、車両タイプ「ハイブリッド」である車両Cxを対象売出車両として決定する。また、情報処理装置100は、対象売出車両に関する情報が一覧表示された一覧ページP2−1を生成し(ステップS35)、生成した一覧ページP2−1を運転者端末装置10−3に配信する(ステップS36)。
【0060】
運転者D3は、一覧ページP2−1の中で紹介されている車両(対象売出車両)のうち、例えば、興味のある車両の情報を指定することができる。例えば、運転者D3は、車両C2に関する情報を指定したとする(ステップS38)。
【0061】
情報処理装置100は、運転者端末装置10−3から、車両C2を指定する指定情報を受け付けると、運転者D3が運転する車両C3の買取価格と、車両C2に関する車両情報(例えば、車両C2の画像や説明文)と、車両C2の運転情報、車両C2の販売価格、および、買い替えに関する金額を示す金額情報とを含む決定結果ページP2−2を生成する(ステップS39)。
図4の例では、車両C3の買取価格は「100万」、車両C2の運転情報は「安全性が高い運転(安全レベル4)」、車両C2の販売価格は「120万」である。また、買い替えに関する金額を示す金額情報とは、買取価格「100万」を利用して自動車保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者D3が支払うべき差額、または、買取価格を利用して自動車保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者D3に返金される返金金額である。ここで、仮に自動車保険を「2万」とし、運転者D3が買取価格「100万」全額利用して、車両C2を購入(買い換え)しようとすると、運転者D3がが支払うべき残り差額は「22万」となる。
【0062】
そうすると、情報処理装置100は、買取価格「100万」と、運転情報「安全性が高い運転(安全レベル4)」と、販売価格「120万」と、金額情報「22万」とが表示されるページであって、1の操作(例えば、ワンタップ、あるいは、ワンクリック)で買い替え申込および買い替えに伴う保険への加入申込を可能とする決定結果ページP2−2を生成する。
【0063】
ここで、
図5に実施形態にかかる決定結果ページP2−2の一例を示す。
図5の例では、決定結果ページP2−2には、車両C3に関する情報として、例えば、車両C3の買取価格「100万」が表示される領域11と、車両C2に関する情報として、例えば、車両C2の運転情報「安全性が高い運転(安全レベル4)」、車両C2の販売価格「120万」、自動車保険に加入する場合の保険料「2万」、購入金額(差額)「22万」が表示される領域12とが含まれる。また、
図5の例では、決定結果ページP2−2には、買い替え申込(車両C3を買い取らせる代わりに、車両C2を購入)と、自動車保険への加入申込とを、1の操作で一度(同時)に行わせることができる一括申込ボタンBTが含まれる。そして、情報処理装置100は、決定結果ページP2−2を運転者端末装置10−3に送信することにより、運転者D3に対して車両C3から車両C2への買い替えを提案する。
【0064】
さて、
図4および
図5を用いて説明してきたように、情報処理装置100は、運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、中古車売買サービスに売り出されている売出車両のうち、運転者に関する条件情報を満たす売出車両である対象売出車両を決定する。そして、情報処理装置100は、対象売出車両を示す車両情報とともに、当該対象売出車両に対して決定された買取価格を提示することにより、運転者が運転する車両から当該対象売出車両への買い替えをこの運転者に提案する。これにより、情報処理装置100は、例えば、運転者に対して買い替えの敷居を下げることができるため、中古車売買サービスにおける車両取り引きの訴求力を高めることができる。
【0065】
なお、情報処理装置100は、車両の駐車場所の状況を示す駐車場所情報を取得し、中古車売買サービスに売り出されている売出車両に対応する駐車場所情報をさらに提示してもよい。車両の駐車場所の状況を示す駐車場所情報とは、例えば、かかる車両が普段どのような場所に駐車されているかを示す情報である。一例としては、駐車場所情報とは、雨ざらしの屋外に駐車されているか、あるいは、車庫内に駐車されているかといったことを示す情報である。情報処理装置100は、例えば、所定の外部サーバを経由して取得した航空写真に基づいて、車両毎に当該車両の駐車場所の状況を判断することで、駐車場所情報を取得することができる。ただし、これは一例であり、情報処理装置100は、任意の手法を用いて、駐車場所情報を取得することができる。
【0066】
この点、
図4の例を用いて説明すると、情報処理装置100は、買取情報記憶部123において、車両Cx毎に、当該車両Cxの駐車場所情報も記憶しておく。そして、情報処理装置100は、ステップS35において、一覧ページP2−1を生成する際に、対象売出車両毎の駐車場所情報も含めた一覧ページP2−1を生成しこれを配信する。あるいは、情報処理装置100は、ステップS39において、決定結果ページP2−2を生成する際に、車両C2の駐車場所情報も含めた決定結果ページP2−2を生成しこれを配信する。
【0067】
〔3.第2の情報処理の一例〕
次に、実施形態にかかる第2の情報処理について説明する。第2の情報処理は、所定の車両取り引きを「カーシェアリングサービス」での取り引きとした場合の情報処理である。カーシェアリングサービスとしては、カーシェア事業者が車両を提供し、カーシェア事業者に対する会員間でこの車両がシェアされるBtoC型カーシェアリング、および、カーシェア事業者はプラットフォーマーとして自動車の貸し借りの場を提供するだけで、実際に車両を提供するのは個人(オーナー)というCtoC型カーシェアリングに分けられる。第2の情報処理では、このいずれの形態のカーシェアリングサービスも対象とすることができるものとする。
【0068】
ここで、第2の実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、シェアさせる車両を提供するカーシェア事業者や個人オーナーは、その車両が安全運転されることを望むし、利用者がどのような運転をするかに応じて貸し出す車両を制御したいと考える場合がある。一例を示すと、カーシェア事業者や個人オーナーは、安全運転してくれる利用者には良い車両を貸してもよいし賃料を安くしてもよいが、荒っぽい運転する利用者にはランクの低い(例えば、古い)車両なら貸してもよい(あるいは、貸したくない)と考える場合がある。このため、利用者がどのような運転態様であるかがわかれば、その運転態様に応じて、貸し出す車や賃料を制御することができるようになる。
【0069】
このような前提を踏まえて、情報処理装置100は、実施形態にかかる第2の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、カーシェアリングサービスを利用する運転者が運転する車両に対応する運転履歴に基づき算出された安全スコアに基づいて、当該安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定する。
【0070】
このような状態において、第2の情報処理の1つ目のパターンとしては、情報処理装置100は、決定した運転情報に基づいて、運転者がカーシェアリングサービスを利用する際の利用料金であって、この運転者の運転態様に応じた利用料金を決定する。そして、情報処理装置100は、この運転者に対して、利用料金を示す料金情報を提示する。また、例えば、情報処理装置100は、運転情報に基づいて、運転者がカーシェアリングサービスで利用可能な車両であって、運転態様に応じた車両を決定する。そして、情報処理装置100は、この運転者に対して、決定した車両を示す利用可能車両情報を提示する。この点について、
図6を用いて説明する。
図6は、第2の情報処理(パターン1)の一例を示す図である。
【0071】
まず、情報処理装置100は、
図1のステップS13で算出した安全スコア(特徴情報)に基づいて、シェアサービスSA2に利用される情報として、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定を決定する(ステップS41)。車両C1を例に説明する。例えば、情報処理装置100は、ステップS13において、車両C1を運転する運転者D1の運転に関する特徴を示す特徴情報として、安全スコア「90」を算出したものとする。かかる場合、情報処理装置100は、
図2に示す安全スコア対応表TBを参照し、安全スコア「90」に対応する運転態様が「安全性が非常に高い運転」(安全レベル5の運転)であると決定する。すなわち、情報処理装置100は、運転者D1について、運転情報「安全性が非常に高い運転」(安全レベル5の運転)を決定する。
【0072】
次に、情報処理装置100は、ステップS41で決定した情報をシェア情報記憶部124に格納する(ステップS42)。
図6の例では、シェア情報記憶部124は、「車両ID」、「運転者ID」、「安全スコア」、「運転情報」といった項目を有する。
【0073】
「車両ID」は、安全スコア(特徴情報)に基づき、シェアサービスSA2にて利用される情報が決定された車両Cxを識別する識別情報である。「運転者ID」は、「車両ID」によって識別される車両の運転者Dxを識別する識別情報である。「安全スコア」は、ステップS13で算出された安全スコアを示す。「運転情報」は、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報である。
【0074】
すなわち、
図6の例では、車両C1(車両C1を運転する運転者D1)の運転態様は、「安全性が非常に高い運転」であると決定された例を示す。言い換えれば、
図6の例では、車両C1は、これまで「安全性が非常に高い運転」がなされてきた車両であると決定された例を示す。
【0075】
このような状態において、運転者D1がシェアサービスSA2を利用する利用者として、運転者端末装置10−1を用いて、情報処理装置100にアクセスしてきたとする(ステップS43)。例えば、情報処理装置100は、運転者D1からのアクセスとして、車両タイプ「セダン」を指定したうえでシェアサービスSA2の利用を希望する希望情報を受信したとする。そうすると、情報処理装置100は、車両タイプ「セダン」を満たす車両のうち、運転者D1の運転態様「安全性が非常に高い運転」に応じた車両を決定するととともに、運転者D1の運転態様「安全性が非常に高い運転」に応じた利用料金を決定する(ステップS44)。例えば、情報処理装置100は、運転者D1が「安全性が非常に高い運転」を行う利用者であることから、シェアされる候補車両のうち、年数が浅い車両や比較的高級な車両をシェア対象車両として決定することができる。シェア対象車両は、運転者D1がシェアサービスSA2において利用することのできる利用可能車両と言い換えることができる。
【0076】
例えば、情報処理装置100は、運転者D1が「安全性が非常に高い運転」を行う利用者であることから、決定したシェア対象車両に対して予め定められた賃料からこの賃料の所定割合を割引いた賃料を利用料金として決定することができる。そして、情報処理装置100は、決定した利用料金を示す料金情報と、シェア対象車両を示す利用可能車両とを運転者端末装置10−1に送信することによりこれらの情報を運転者D1に提示する(ステップS45)。
【0077】
上記例では、ステップS41で情報処理装置100が、各運転者Dxの運転情報を決定した。このため、情報処理装置100は、シェアサービスSA2を管理する管理者(例えば、シェアサービスSA2のカーシェア事業者、あるいは、シェアサービスSA2の個人オーナー))に対して、この決定した運転情報を提示する。例えば、情報処理装置100は、希望情報を送信してきた運転者Dxの運転情報を管理者に対して提示ることにより、提示した運転情報を参考に、利用希望する運転者Dxにシェアさせるか否か、シェアさせる場合どの車両をシェアさせるのか等を決めさせてもよい。
【0078】
さて、
図6を用いて説明してきたように、情報処理装置100は、決定した運転情報に基づいて、運転者がカーシェアリングサービスを利用する際の利用料金であって、この運転者の運転態様に応じた利用料金を決定する。そして、情報処理装置100は、この運転者に対して、利用料金を示す料金情報を提示する。また、例えば、情報処理装置100は、運転情報に基づいて、運転者がカーシェアリングサービスで利用可能な車両であって、運転態様に応じた車両を決定する。そして、情報処理装置100は、この運転者に対して、決定した車両を示す利用可能車両情報を提示する。
【0079】
カーシェアリングサービスでは、1台の車両が複数の利用者間でシェアされるため、カーシェアリングサービスの管理者や個人オーナーは、車両がより大切に扱われることや、車両のランクに応じて貸し出す相手を制御したいと考える。情報処理装置100は、
図6で説明した第2の情報処理によりこのような要望をかなえることができる。また、運転態様に応じて利用料金や利用可能な車両が変わってしまうのでことから、情報処理装置100は、例えば、普段から安全運転を心がけようという意識付けを運転者に対して行うことができる。また、逆にいえば、普段から安全運転を心がけている運転者は、このカーシェアリングサービス利用時には利用料金が安くなるため、例えば、旅先等で車移動が必要となった場合には、積極的にこのカーシェアリングサービスを利用しようと考える可能性がある。このようなことから、情報処理装置100は、このカーシェアリングサービスの訴求力を高めることにも貢献することができる。
【0080】
ここで、
図6の例では、シェアサービスSA2を利用して車両を借りたい運転者D1が、どのような車両を借りたいか指定(
図7の例では、車両タイプ「セダン」を指定)したうえで希望情報を送信している。一方で、情報処理装置100は、例えば、シェア情報記憶部124に記憶される運転者に対して、シェアサービスSA2では当該運転者の運転や嗜好性に合った車両を貸し出し可能である旨を動的に提案することもできる。また、どのような車両を借りたいか特にこだわりはないが、とにかくシェアサービスSA2を利用して車両を借りたいため自分に合った車両を提案して欲しいと望む運転者(利用者)もいるため、情報処理装置100は、このような運転者に対して当該運転者の運転や嗜好性に合った車両を提案することもできる。
【0081】
よって、第2の情報処理の2つ目のパターンとしては、情報処理装置100は、運転者の運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、シェアされる候補の車両のうち、運転者に関する条件情報を満たす車両であるシェア対象車両を決定する。そして、情報処理装置100は、決定したシェア対象車両を示すシェア情報を運転者に提示する。例えば、情報処理装置100は、シェア対象車両を決定された運転者に対してシェア情報を提示することにより、カーシェアリングサービスの利用を提案する。あるいは、情報処理装置100は、自分に合った車両を提案して欲しいとアクセスしてきた運転者(利用者)に対して、この運転者の特徴情報に基づき決定されたシェア情報を提示する。この点について、
図7を用いて説明する。
図7は、第2の情報処理(パターン2)の一例を示す図である。
【0082】
図7の例では、情報処理装置100は、シェア情報記憶部124に記憶される運転者Dxの中からシェアサービスSA2を提案される提案先の運転者を動的に抽出し、抽出したの提案先運転者の特徴情報に基づいて、シェアされる候補の車両のうち、提案先運転者に関する条件情報を満たす車両であるシェア対象車両を決定する。そして、情報処理装置100は、決定したシェア対象車両を示すシェア情報をかかる提案先運転者に提示することにより、シェアサービスSA2の利用を提案(広告)する例を示す。また、
図7の例では、情報処理装置100は、
図6で説明したステップS41を行うことにより、シェアサービスSA2に利用される情報として、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定を決定し、決定した情報をシェア情報記憶部124に格納済みであるものとする。
【0083】
このような状態において、情報処理装置100は、まず、シェア情報記憶部124を参照し、特徴情報(安全スコア)を取得されている運転者のうち、提案先運転者を抽出する(ステップS51)。情報処理装置100どのようにして提案先運転者を抽出してもよい。例えば、情報処理装置100は、シェア情報記憶部124に記憶されている運転者のうち、所定数の運転者を提案先運転者として抽出してもよいし、全ての運転者を提案先運転者として抽出してもよい。
図7の例では説明を簡単にするために、情報処理装置100は、運転者D3を提案先運転者として抽出したものとする。
【0084】
次に、情報処理装置100は、運転者D3の安全スコア(特徴情報)に基づいて、運転者D3の運転態様にはどのような車両が適しているかや、運転者D3はどのような車両タイプの車両が好みであるか嗜好性を推定する(ステップS52)。
図7のシェア情報記憶部124の例では、運転者D3の安全スコア「30」であることに応じて、「安全性が低い運転」(安全レベル2の運転)であると決定されている。このため、情報処理装置100は、「安全性が低い運転」(安全レベル2の運転)であることに応じて、セキュリティ機能が完備されたハイブリッド車が適していると推定する。なお、情報処理装置100は、例えば、運転者D3の運転履歴に基づき、運転者D3が「長距離運転の傾向にある」(長距離運転好き)という運転態様の傾向(運転特性)を特定できた場合には、燃費のよいハイブリッド車が適しているといった推定を行うこともできる。結果、
図7の例では、情報処理装置100は、運転者D3の運転態様には「ハイブリッド車」が適していると推定したものとする。
【0085】
次に、情報処理装置100は、ステップS52で推定した内容を示す推定情報「ハイブリッド車」を条件情報として、シェアされる候補車両毎に条件情報を満たすか否か判定する(ステップS53)。そして、情報処理装置100は、条件情報を満たすと判定された候補車両を、シェア対象車両(提案対象車両)として決定する(ステップS54)。例えば、情報処理装置100は、候補車両のうち、車両タイプ「ハイブリッド」である車両Cxをシェア対象車両として決定する。また、情報処理装置100は、シェア対象車両に関するシェア情報が表示されたページP3を生成し(ステップS55)、生成したページP3を運転者端末装置10−3に配信する(ステップS56)。例えば、情報処理装置100は、「シェアサービスSA2では、あなたにぴったりなお車をご用意できます」といった文章とともに、車両タイプ「ハイブリッド」である車両Cxに関する情報が一覧表示されるページP3を生成し、これを配信する。このように、情報処理装置100は、シェアサービスSA2ではパーソナライズ化された車両貸出(シェア)を実現することができる点を広告することができるため、シェアサービスSA2の訴求力を高めることができる。
【0086】
なお、情報処理装置100は、自分に合った車両を提案して欲しいとアクセスしてきた運転者(利用者)にが居た場合、かかる運転者についてステップS52〜S54の処理を行うことで、候補車両のうち、かかる運転者の運転態様や嗜好性に応じた車両であるシェア対象車両を決定してもよい。また、かかる場合には、情報処理装置100は、「あなたに合ったお車は車両Cxです」等といった情報提示により提案することができる。
【0087】
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、
図9を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。
図9は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。
図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、
図1〜
図7で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0088】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、運転者端末装置10−x、利用者端末装置TMnとの間で情報の送受信を行う。
【0089】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、運転履歴記憶部121と、登録情報記憶部122と、買取情報記憶部123と、シェア情報記憶部124とを有する。運転履歴記憶部121、買取情報記憶部123と、シェア情報記憶部124の内部構成については説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
【0090】
(登録情報記憶部122について)
登録情報記憶部122は、運転者Dxが、例えば、情報処理装置100に登録した登録情報を記憶する。ここで、
図10に実施形態にかかる登録情報記憶部122の一例を示す。
図10の例では、登録情報記憶部122は、「運転者ID」、「個人情報」、「車両情報」といった項目を有する。
【0091】
「運転者ID」は、運転者Dxを識別する識別情報である。「個人情報」は、運転者Dxに関する各種属性情報(例えば、運転者Dxの年齢、性別等)、あるいは、住所等の個人情報である。「車両情報」は、運転者Dxの車両に関する情報を示す。例えば、「車両情報」は、運転者Dxの車両の名称、車両タイプ等を示す。車両タイプには、セダン・ハイブリッド・ワゴン・トラック等がある。
【0092】
すなわち、
図10の例では、運転者ID「D1」によって識別される運転者D1の個人情報は「aDA11」であり、車両情報は「cDA11」である例を示す。
【0093】
(制御部130について)
図9に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0094】
図9に示すように、制御部130は、挙動情報取得部131と、スコア算出部132と、特徴情報取得部133と、判定部134と、決定部135と、受付部136、生成部137と、提示部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0095】
(挙動情報取得部131について)
挙動情報取得部131は、車両Cxの挙動である運転挙動を示す挙動情報を取得する。例えば、運転者端末装置10−xは、自装置が設置される車両Cxの挙動である運転挙動を検出し、検出した挙動を示す挙動情報と、検出した日時を示す日時情報とを対応付けて、情報処理装置100に送信する。したがって、挙動情報取得部131は、運転者端末装置10−xから挙動情報と日時情報とを取得する。また、挙動情報取得部131は、取得した挙動情報を運転履歴として運転履歴記憶部121に格納する。
【0096】
(スコア算出部132について)
スコア算出部132は、運転者Dxの運転履歴に基づいて、運転者Dxの運転態様の安全性を示す指標値である安全スコアを算出する。安全スコア算出にあたって、まず、スコア算出部132は、運転履歴に基づき運転態様の傾向を特定する。例えば、スコア算出部132は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxの運転履歴に基づき運転態様の傾向を特定する。例えば、スコア算出部132は、
図1のステップS13で説明した特定処理を行う。
【0097】
そして、スコア算出部132は、特定した運転態様の傾向を運転特性として、運転特性に基づき安全スコアを算出する。例えば、スコア算出部132は、運転者Dx毎に特定した運転特性に基づいて、当該運転者Dxの安全スコアを算出する。
【0098】
例えば、スコア算出部132は、運転履歴として、運転者Dxが運転する車両の加速度の変化を示す加速度履歴、運転者Dxが運転する車両の位置情報の変化を示す位置履歴、または、運転者Dxが運転する車両の位置情報の変化に応じた気圧変化を示す気圧履歴のうち少なくともいずれか1つに基づき特定した運転特性に基づいて、安全スコアを算出する。例えば、スコア算出部132は、運転履歴に基づき特定した傾向であって、運転者Dxの運転態様の傾向に基づいて、安全スコアを算出する。
【0099】
また、例えば、スコア算出部132は、運転態様の傾向として、運転者Dxのアクセル操作、ブレーキ操作操作、ハンドル操作の傾向のうち少なくともいずれか1つに基づいて、安全スコアを算出する。さらに、スコア算出部132は、安全運転を示す運転態様の割合と、危険運転を示す運転態様の割合とに基づいて、安全スコアを算出してもよい。例えば、スコア算出部132は、
図1のステップS13で説明した算出処理を行う。
【0100】
(特徴情報取得部133について)
特徴情報取得部133は、運転者Dxの運転に関する特徴を示す特徴情報を取得する。例えば、特徴情報取得部133は、特徴情報として、スコア算出部132により算出された安全スコアを取得する。例えば、運転者Dx毎に、当該運転者Dxについて算出された安全スコアが所定の記憶部に記憶されている場合には、特徴情報取得部133は、決定部135により決定処理が行われる際に、運転者Dxと安全スコアとの組合せを記憶部から取得する。そして、特徴情報取得部133は、取得した組合せを決定部135に出力する。
【0101】
(判定部134について)
判定部134は、車両Cx毎に、当該車両Cxが所定の条件情報を満たすか否かを判定する判定処理を行う。
図3の例では、判定部134は、例えば、利用者Rnから車両タイプや販売価格を指定する指定情報を受け付けられると、この指定情報を条件情報として、売出車両毎に条件情報を満たすか否かを判定する。
【0102】
また、
図4の例では、判定部134は、例えば、アクセス元の運転者Dxの特徴情報(安全スコア)に基づいて、運転者Dxの運転態様にはどのような車種が適しているかや、運転者Dxはどのような車両タイプの車両が好みであるか車両に関する嗜好性を推定する。このように推定したうえで、判定部134は、推定した推定情報を条件情報として、売出車両毎に条件情報を満たすか否かを判定する。
【0103】
また、
図7の例では、判定部134は、例えば、運転者Dxの特徴情報(安全スコア)に基づいて、運転者Dxの運転態様にはどのような車種が適しているかや、運転者Dxはどのような車両タイプが好みであるか車両に関する嗜好性を推定する。このように推定したうえで、判定部134は、推定した推定情報を条件情報として、シェアされる候補車両毎に条件情報を満たすか否かを判定する。また、判定部134は、判定結果を決定部135に出力する。
【0104】
(決定部135について)
決定部135は、特徴情報取得部133により取得された特徴情報に基づいて、この特徴情報が示す特徴に応じた情報であって、所定の車両取り引きにて利用される情報を決定する。ここで、特徴情報取得部133は、特徴情報として、スコア算出部132により算出された安全スコアを取得する。したがって、決定部135は、安全スコアに基づいて、当該安全スコアが算出された車両の買取価格と、当該安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報とを決定する。
【0105】
所定の車両取り引きが中古車売買サービスである場合、決定部135は、運転者Dxの運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、中古車売買サービスに売り出されている売出車両のうち、運転者Dxに関する条件情報を満たす売出車両である対象売出車両を決定する。例えば、決定部135は、運転者Dxに関する条件情報を満たす対象売出車両として、運転者Dxの運転態様に応じた売出車両、または、運転者Dxの車両に対する嗜好性に応じた売出車両を対象売出車両として決定する。
【0106】
このようなことから、決定部135は、
図3のステップS21およびS25、
図4のステップS34で説明した決定処理を行う。
【0107】
所定の車両取り引きが中古車売買サービスである場合、決定部135は、カーシェアリングサービスを利用する運転者Dxが運転する車両に対応する運転履歴に基づき算出された安全スコアに基づいて、当該安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定する。例えば、決定部135は、運転情報に基づいて、運転者Dxがカーシェアリングサービスを利用する際の利用料金であって、運転態様に応じた利用料金を決定する。また、例えば、決定部135は、運転情報に基づいて、運転者Dxがカーシェアリングサービスで利用可能な車両であって、運転態様に応じた車両を決定する。さらに、決定部135は、例えば、運転者Dxの運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、シェアされる候補車両のうち、運転者Dxに関する条件情報を満たす車両であるシェア対象車両を決定する。この一例として、決定部135は、運転者Dxに関する条件情報を満たす車両として、運転者Dxの運転態様に応じた車両、または、運転者Dxの車両に対する嗜好性に応じた車両をシェア対象車両として決定する。
【0108】
(受付部136について)
受付部136は、運転者Dxや利用者Rnからのアクセスを受け付ける。例えば、受付部136は、運転者Dxや利用者Rnからの配信要求を受け付ける。
【0109】
(生成部137について)
生成部137は、運転者Dxや利用者Rnに提示(配信)されるページ(コンテンツ)を生成する。例えば、生成部137は、決定部135により決定された情報が表示されるようなページを生成する。
図3の例では、生成部137は、ページP1を生成する。また、
図4の例では、生成部137は、ページP2−1およびページP2−2(
図5)を生成する。また、
図7の例では、生成部137は、ページP3を生成する。
【0110】
(提示部138について)
提示部138は、スコア算出部132により算出された安全スコアに基づき決定部135により決定された情報を、所定の車両取り引きに対応する対象者に対して提示する。例えば、提示部138は、所定の車両取り引きとして、所定の中古車売買サービスに売り出されている車両Cxに対して決定部135により決定された買取価格に基づく販売価格と、当該車両Cxに対して決定部135により決定された運転情報とを、当該所定の中古車売買サービスの利用者に対して提示する。
【0111】
また、提示部138は、運転者Dxに対して、当該運転者Dxにより運転される車両Cxに対して決定部135により決定された買取価格を提示する。例えば、決定部135は、運転者Dxの運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、所定の中古車売買サービスに売り出されている売出車両のうち、運転者Dxに関する条件情報を満たす売出車両である対象売出車両を決定する。したがって、この場合、提示部138は、対象売出車両を示す車両情報とともに、当該対象売出車両に対して決定部135により決定された販売価格を提示することにより、運転者Dxが運転する車両から当該対象売出車両への買い替えをこの運転者Dxに提案する。
【0112】
具体的には、提示部138は、決定部135により特定された対象売出車両を示す車両情報と、当該対象売出車両に対して決定部135により決定された販売価格と、当該対象売出車両に対して算出された安全スコアに基づき決定部135により決定された運転情報と、買い換えに関する金額を示す金額情報とを提示することにより、この運転者Dxが運転する車両Cxから当該対象売出車両への買い替えを提案する。この点より詳細には、提示部138は、金額情報として、買取価格を利用して車両Cxに関する保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者Dxが支払べき差額を示す金額情報、または、買取価格を利用して車両Cxに関する保険に加入したうえで買い替えた場合に運転者Dxに返金される返金金額を示す金額情報を提示する。例えば、提示部138は、運転者Dxの車両Cxの買取価格と、車両情報と、販売価格と、運転情報と、金額情報とが表示されるページであって、1の操作(例えば、ワンタッチ)で買い替え申込および買い替えに伴う保険への加入申込を可能とするページ(
図5に示すページP2−2)を運転者Dxに提示する。
【0113】
このようなことから、提示部138は、
図3のステップS26〜S28で説明した配信処理を行う。また、提示部138は、
図4のステップS39〜S40で説明した配信処理を行う。
【0114】
また、特徴情報取得部133は、車両Cxの駐車場所の状況を示す駐車場所情報をさらに取得することができる。この場合、提示部138は、中古車売買サービスに売り出されている売出車両に対応する駐車場所情報も合わせて提示することができる。
【0115】
また、上記の通り、決定部135は、所定のカーシェアリングサービスを利用する運転者Dxが運転する車両Cxに対応する運転履歴に基づき算出された安全スコアに基づいて、当該安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定する。また、決定部135は、運転情報に基づいて、運転者Dxが所定のカーシェアリングサービスを利用する際の利用料金であって、運転態様に応じた利用料金を決定する。したがって、この場合、提示部138は、運転者Dxに対して、決定部135により決定された利用料金を示す料金情報を提示する。
【0116】
また、決定部135は、運転情報に基づいて、運転者Dxが所定のカーシェアリングサービスで利用可能な車両Cxであって、運転態様に応じた車両Cxを決定する。したがって、この場合、提示部138は、運転者Dxに対して、決定部135により決定された車両Cxを示す利用可能車両情報を提示する。
【0117】
また、決定部135は、運転者Dxの運転に関する特徴を示す特徴情報に基づいて、シェアされる候補車両のうち、運転者Dxに関する条件情報を満たす車両であるシェア対象車両を決定する。したがって、この場合、提示部138は、シェア対象車両を示すシェア情報を運転者Dxに提示する。
【0118】
また、提示部138は、所定のカーシェアリングサービスを管理する管理者に対して決定部135により決定された運転情報を提示する。このようなことから、提示部138は、
図3のステップS26〜S28で説明した配信処理を行う。また、提示部138は、
図6のステップS45、
図7のステップS56で説明した配信処理を行う。
【0119】
〔5.処理手順〕
次に、
図11〜
図13を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。
図11では、運転履歴に基づき運転態様を示す運転情報を決定するための情報処理の手順について説明する。
図12では、所定の車両取り引きを中古車売買サービスSA1とした場合における一連の情報処理の手順について説明する。
図13では、所定の車両取り引きをシェアサービスSA2とした場合における一連の情報処理の手順について説明する。
【0120】
〔5−1.処理手順(1)〕
まず、
図11を用いて、運転履歴に基づき運転態様を示す運転情報を決定するための情報処理の手順について説明する。
図11は、運転態様を示す運転情報を決定するための情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図11の例では、情報処理装置100は、各運転者Dxから適宜、挙動情報を取得することにより、
図1に示すような運転履歴記憶部121を有しているものとする。
【0121】
まず、スコア算出部132は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxの運転履歴に基づき当該運転者Dxの安全スコアを算出する(ステップS101)。例えば、スコア算出部132は、運転者Dx毎に、当該運転者Dxの運転履歴に基づき運転態様の傾向を特定する。そして、スコア算出部132は、運転態様の傾向(運転特性)に基づいて、運転者Dx毎に安全スコアを算出する。
【0122】
このような状態において、特徴情報取得部133は、スコア算出部132により算出された安全スコアを特徴情報として取得する(ステップS102)。次に、決定部135は、安全スコアに対応する運転態様を示す運転情報を決定する(ステップS103)。例えば、決定部135は、安全スコアと、
図2に示す安全スコア対応表TBとをつき合せて、安全スコアに対応する運転態様はどのような運転態様であるかを判断することにより、運転情報を決定する。
【0123】
なお、
図11では不図示であるが、決定部135は、ステップS103において、安全スコアに基づいて、売出車両の買取価格および販売価格も決定する。
【0124】
〔5−2.処理手順(2)〕
次に、
図12を用いて、所定の車両取り引きを中古車売買サービスSA1とした場合における一連の情報処理の手順について説明する。
図12は、中古車売買サービスSA1での情報提示にかかる一連の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図12に示すフローチャートは、特に
図4および
図5で説明した内容に対応している。また、
図12の例では、中古車売買サービスSA1を利用して、自身の車両C1から別の車両C1への買い替えを検討している運転者D3を例に説明する。運転者D1の運転態様を示す運転情報、車両C1の買取価格、車両C1の販売価格は、
図11の処理手順に倣って既に決定され、買取情報記憶部123に格納されている。
【0125】
このような状態において、まず、受付部136は、運転者Dxから中古車情報の配信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。受付部136は、運転者Dxから中古車情報の配信要求を受け付けていない場合には(ステップS201;No)、受け付けるまで待機する。一方、判定部134は、受付部136によって運転者Dxから中古車情報の配信要求を受け付けられた場合には(ステップS201;Yes)、要求元の運転者Dxの車両に関する嗜好性を推定する(ステップS202)。ここで、配信要求を送信した要求元の運転者Dxが運転者D3であったとすると、判定部134は、運転者D3の特徴情報(安全スコア)に基づいて、運転者D3の運転態様にはどのような車種が適しているかや、運転者D3はどのような車両タイプの車両が好みであるか車両に関する嗜好性を推定する。なお、このような推定処理は、判定部134以外の処理部(例えば、推定部)によって行われてもよい。
【0126】
次に、判定部134は、ステップS202で推定した推定結果を条件情報として、中古車売買サービスSA1に売りに出されている売出車両毎に、条件情報を満たすか否かを判定する(ステップS203)。そして、決定部135は、条件情報を満たすと判定された売出車両を、提示対象の対象売出車両として決定する(ステップS204)。
【0127】
次に、生成部137は、対象売出車両に関するページを生成し、提示部138は、生成されたページを運転者D3に配信する(ステップS205)。例えば、生成部137は、対象売出車両に関する情報が対象売出車両毎に一覧表示された一覧ページを生成する。また、決定部135は、ステップS205で配信されたページに表示される対象売出車両のいずれか選択されたか否かを判定する(ステップS206)。決定部135は、対象売出車両のいずれか選択されていない場合には(ステップS206;No)、選択されるまで待機する、あるいは、処理を終了させる。一方、生成部137は、対象売出車両のいずれか選択された場合には(ステップS206;Yes)、運転者D3の車両C3について決定部135により決定された情報や、選択された対象売出車両について決定部135により決定された情報が表示されるページであって、一括申込を可能とするページを生成し、提示部138は、生成されたページを運転者D3に配信する(ステップS207)。例えば、生成部137は、
図5のような、買取価格と、運転情報と、販売価格と、金額情報とが表示されるページであって、1の操作で買い替え申込および買い替えに伴う保険への加入申込を可能とするページを生成する。
【0128】
〔5−3.処理手順(3)〕
次に、
図13を用いて、所定の車両取り引きをシェアサービスSA2とした場合における一連の情報処理の手順について説明する。
図13は、シェアサービスSA2での情報提示にかかる一連の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図13に示すフローチャートは、特に
図6で説明した内容に対応している。また、
図13の例では、シェアサービスSA2を利用して、車両レンタルを希望する運転者D1を例に説明する。運転者D1の運転態様を示す運転情報は
図11の処理手順に倣って既に決定され、買取情報記憶部123に格納されている。
【0129】
このような状態において、まず、受付部136は、運転者Dxから利用希望(レンタル希望)を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。受付部136は、運転者Dxから利用希望を受け付けていない場合には(ステップS301;No)、受け付けるまで待機する。一方、決定部135は、利用希望する運転者Dxの運転情報に基づいて、利用料金および利用可能車両を決定する(ステップS302)。ここで、利用希望を送信した運転者Dxが運転者D1であったとすると、決定部135は、運転者D1について決定部135により決定された運転情報に基づいて、利用料金および利用可能車両を決定する。
【0130】
そして、生成部137は、利用料金および利用可能車両を示す情報が表示されるページを生成し、提示部138は、生成されたページを運転者D1に配信する(ステップS303)。
【0131】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図14は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0132】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0133】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0134】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0135】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0136】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0137】
〔7.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0138】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0139】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。