特許第6982034号(P6982034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982034
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】往復動圧縮機のためのシール組立体
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20211206BHJP
【FI】
   F04B39/00 104C
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-169214(P2019-169214)
(22)【出願日】2019年9月18日
(65)【公開番号】特開2020-76399(P2020-76399A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】16/145,437
(32)【優先日】2018年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジョナサン チョーク
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−116680(JP,U)
【文献】 米国特許第03216651(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復動圧縮機の往復動ロッドのためのシール組立体であって、前記シール組立体が、第1の端部と、第2の端部と、を有し、前記シール組立体の前記第1の端部が、前記往復動ロッドのシリンダ端部に向かって配設され、前記シール組立体の前記第2の端部が、前記往復動ロッドのクランクケース端部に向かって配設され、前記往復動ロッドが、長手方向軸を有し、前記シール組立体が、
1つ以上のパッキンリテーナであって、各々が、前記往復動ロッドと接触するように構成された第1のパッキンを含む、1つ以上のパッキンリテーナと、
前記往復動ロッドとのシール界面を形成するように構成された分割されていないシールであって、前記分割されていないシールが、前記1つ以上のパッキンリテーナの軸方向位置に対して、前記シール組立体の前記第2の端部により近い軸方向位置に配置され、前記軸方向位置が、前記往復動ロッドの前記長手方向軸に対して画定されている、分割されていないシールと、
第1の端部と、第2の端部と、を有する流体通路であって、前記第1の端部が、前記分割されていないシールと1つ以上のパッキンリテーナのうちの前記第1のパッキンとの間の軸方向位置に位置付けられ、前記流体通路の前記第1の端部の前記軸方向位置が、前記往復動ロッドの前記長手方向軸に対して画定され、前記流体通路が、前記第1のパッキンを越えて漏れる流体を排出するように動作可能に構成されている、流体通路と、
前記流体通路の前記第2の端部と流体連通する弁と、
排出部材であって、前記流体通路が前記排出部材を通過し、第2のパッキンが、前記排出部材中に、前記排出部材が前記第2のパッキンを含むように配置された、排出部材、を備え、
前記弁が、前記往復動圧縮機が動作しているときに開いており、
前記弁が、前記往復動圧縮機が停止されているときに閉じている、
シール組立体。
【請求項2】
前記分割されていないシールの内径が、前記往復動ロッドの外径と同じである、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項3】
前記排出部材が、前記排出部材を通過する前記流体通路の一部を画定する、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項4】
前記排出部材が、前記第2のパッキンを含む排出カップであり、そして前記排出部材を通過する前記流体通路の部分を画定する、請求項3に記載のシール組立体。
【請求項5】
前記1つ以上のパッキンリテーナの各々内の前記第1のパッキンが、分割されたパッキンである、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項6】
前記1つ以上のパッキンリテーナの各々に含まれる前記パッキンが、ロープパッキンである、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項7】
往復動ロッドのためのブッシュをさらに備え、前記ブッシュが、前記分割されていないシールへの圧縮荷重を低減するのに有効な位置にある、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項8】
前記1つ以上のパッキンリテーナに対して間隔を空けて固定された関係にあるシールキャリアをさらに備え、前記シールキャリアが、前記分割されていないシールを保持するためのものである、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項9】
前記シールキャリアが、前記分割されていないシールが半径方向に移動することを可能にするように構成されている、請求項8に記載のシール組立体。
【請求項10】
前記流体通路の前記第2の端部と前記弁との間の移送ライン内の圧力を感知するように動作可能に配設された圧力変換器をさらに備える請求項1に記載のシール組立体、ならびに往復動ロッドを含む往復動圧縮機の操作方法。
【請求項11】
往復動圧縮機であって、
往復動ロッドと、
請求項1に記載のシール組立体と、を備える、往復動圧縮機。
【請求項12】
請求項11に記載の往復動圧縮機を動作させる方法であって、
前記第1のパッキンを越えて漏れる任意の流体が、前記往復動圧縮機が動作しているときに、前記弁を通って排出される、方法。
【請求項13】
前記分割されていないシールが、Oリングならびに、前記往復動ロッドおよび前記Oリングの間に配置されたプラスチックキャップを含み、前記プラスチックキャップが前記往復動ロッドに接触する、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項14】
前記プラスチックキャップが、前記流体と適合するプラスチックで構成される、請求項13に記載のシール組立体。
【請求項15】
前記分割されていないシールが、Uカップシールとして構成されている、請求項13に記載のシール組立体。
【請求項16】
前記分割されていないシールが、Uカップシールとして構成されている、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項17】
前記分割されていないシールが、単一なシール体として形成された、前記往復動ロッドの円周の周りの連続的なシールである、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項18】
前記往復動ロッドと前記単一のシール体との間に配置されたプラスチックキャップを含み、前記単一のシール体が前記往復動ロッドと直接には接触しないように、前記プラスチックキャップが前記往復動ロッドと接触するように配置される、請求項17記載のシール組立体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
圧縮機および他の往復動ポンプは、一般に、高圧(または低圧)システムの内部および外部へ移動するピストンロッドを有する。ピストンロッドがたどる経路は、シリンダの内部または外部への流体(気体または液体)の自然な漏れ経路を提供する。従来、ロッドパッキンは、圧縮機の高圧室をシールするように設計されているが、これらのシールシステムの分割された設計に起因して、いくらかの漏出が生じる。
【0002】
しかしながら、圧縮機またはポンプが動作していないとき、ピストンロッドは静止しているか、または移動していない。ロッドパッキンは、特定の実施形態では、圧縮機、ポンプ、または弁がシャットダウンしているが動作圧力にあるときに、適切にシールされないことがある。例えば、空気または天然ガスのような流体は、ロッドパッキンのパッキンリングを越えて大気中に漏れることがある。良くても、漏出によってシステム損失が生じ、それを交換しなければならず、非効率的になる。最悪の場合、漏出は、政府機関によって規制されている環境汚染の危険をもたらす。
【0003】
圧縮機がシャットダウン後に大気への漏れを許容することに関して、多くの問題がある。1つの問題は、機械内のガス圧が大気圧まで低下した後の、空気侵入の可能性に関するものである。機械内に圧力がないと、小さな漏出経路は、空気が圧縮機内に入り、かつプロセス流内に入ることを許容し、圧縮機内または圧縮機の下流に、爆発性雰囲気を潜在的に生成する可能性を有する。シャットダウン中に機械に入る可能性のある水は、プロセスフロー内に汚染物質を生成する可能性がある別の問題である。生成物の損失は、一般に、小さいが、特に漏出するガスが引火性であり、腐食性であり、またはそれ以外の様態で大気に放出される問題である場合には、別の問題である。一般に、シャットダウン後にガスが圧縮機から漏れることを許容することは、そのガスが空気である場合にのみ許容できる。
【0004】
シャットダウン中に大気への漏出を防止することができるいくつかの種類のシールを有することに関する問題は、解決するのがより難しい問題のうちの1つである。通常、プロセスガスの大気への漏出を防止するパッキンは、それらがそれらの分割部間のいくらかの少量の漏出を許容する多数の分割部分から作られているので、通常の動作においていくらかの程度漏れるであろう。それらは、動作寿命にわたってかなりの量の摩耗を許容する分割部分から作られている。互いに対して移動することができる分割部分がないと、「摩滅する(wearing out)」まで、シールが耐え得る磨耗の量は非常に少ない。しかしながら、漏出を完全に止めるためには、シールは、Oリングのように単一の部品から作られていなければならない。しかし、この構成は、通常の動作においてパッキンを通過するであろう全ての漏出を止めるという問題を提示し、シールは急速に摩滅するであろう。
【0005】
これらの問題を克服するために、一般的な概念は、シャフトが移動を停止するまで、シャットダウンシールがシャフトと接触することを防止することであり、それにより摩耗を回避することができる。
【0006】
シャットダウン中の圧縮機シャフトからの漏出を防止するための解決策として、圧縮機を隔離し、かつ圧力をゼロになるまで漏らすことを許容すること、およびシステムのシャットダウン中にのみ使用されるタイプのシールを提供することが挙げられる。
【0007】
静止型シール組立体は、例えば米国特許第4,469,017号および欧州特許第3330538A1号に記載されている。
【0008】
産業界は、改良された静止型シール組立体を望んでいる。
【0009】
産業界は、圧縮機がシャットダウンした後に、漏れ止めシールを提供しながら、簡単でコストを最小化する静止型シール組立体を望んでいる。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、往復動圧縮機の往復動ロッドのためのシール組立体、シール組立体を有する往復動圧縮機、およびシール組立体を有する往復動圧縮機を動作させる方法に関する。
【0011】
以下に概説するように、本発明のいくつかの態様がある。括弧内に示された参照番号および表現は、図面を参照しながら以下でさらに説明される実施形態の一例を参照している。しかしながら、参照番号および表現は、例示的なものにすぎず、実施形態の例の任意の指定された構成要素または特徴部に態様を限定するものではない。これらの態様は、括弧内に示された参照番号および表現が適宜省略されるか、または他のものに置き換えられている特許請求の範囲として定式化され得る。
【0012】
態様1往復動圧縮機の往復動ロッド(20)のためのシール組立体(10)であって、シール組立体が、第1の端部(11)と、第2の端部(12)と、を有し、シール組立体の第1の端部(11)が、往復動ロッドのシリンダ端部に向かって配設され、シール組立体の第2の端部(12)が、往復動ロッド(20)のクランクケース端部に向かって配設され、往復動ロッド(20)が、長手方向軸(21)を有し、シール組立体が、
1つ以上のパッキンリテーナ(30)(別名「パッキンカップ」)であって、各々が、往復動ロッド(20)と接触するように構成されたそれぞれのパッキン(32)を含む、1つ以上のパッキンリテーナ(30)と、
往復動ロッド(20)とのシール界面を形成するように構成された分割されていないシール(40)であって、分割されていないシール(40)が、1つ以上のパッキンリテーナ(30)の軸方向位置に対して、シール組立体の第2の端部(12)により近い軸方向位置に配置され、軸方向位置が、往復動ロッド(20)の長手方向軸(21)に対して画定されている、分割されていないシール(40)と、
第1の端部(51)と、第2の端部(52)と、を有する流体通路(50)であって、第1の端部(51)が、分割されていないシール(40)と1つ以上のパッキンリテーナ(30)のうちの少なくとも1つのそれぞれのパッキン(32)との間の軸方向位置に位置付けられ、流体通路(50)の第1の端部(51)の軸方向位置が、往復動ロッド(20)の長手方向軸(21)に対して画定され、流体通路(50)が、少なくとも1つのそれぞれのパッキン(32)を越えて漏れる流体を排出するように動作可能に構成されている、流体通路と、
流体通路(50)の第2の端部(52)と流体連通する弁(60)と、を備える、シール組立体(10)。
【0013】
態様2分割されていないシール(40)の内径が、往復動ロッド(20)の外径と同じである、態様1に記載のシール組立体。
【0014】
態様3排出部材(70)(別名「排出カップ」)をさらに備え、流体通路(50)が排出部材(70)を通過する、態様1または態様2に記載のシール組立体。
【0015】
態様4排出部材(70)が、それぞれのパッキン(72)を含む、態様3に記載のシール組立体。
【0016】
態様51つ以上のパッキンリテーナ(30)の各々に含まれるパッキン(32)が、分割されたパッキンである、態様1〜4のいずれか1つに記載のシール組立体。
【0017】
態様61つ以上のパッキンリテーナ(30)の各々に含まれるパッキン(32)が、ロープパッキンである、態様1〜4のいずれか1つに記載のシール組立体。
【0018】
態様7往復動ロッド(20)のためのブッシュ(80)をさらに備え、ブッシュ(80)が、分割されていないシール(40)への圧縮荷重を低減するのに有効な位置にある、態様1〜6のいずれか1つに記載のシール組立体。
【0019】
態様81つ以上のパッキンリテーナ(30)に対して間隔を空けて固定された関係にあるシールキャリア(45)をさらに備え、シールキャリア(45)が、分割されていないシール(40)を保持するためのものである、態様1〜7のいずれか1つに記載のシール組立体。
【0020】
態様9シールキャリア(45)が、(往復動ロッド(20)の半径方向の移動に応じて)分割されていないシール(40)が半径方向に移動することを可能にするように構成されている、態様8に記載のシール組立体。
【0021】
態様10流体通路(50)の第2の端部(52)と弁(60)との間の移送ライン内の圧力を感知するように動作可能に配設された圧力変換器(100)をさらに備える、態様1〜9のいずれか1つに記載のシール組立体。
【0022】
態様11往復動圧縮機であって、
往復動ロッド(20)と、
態様1〜10のいずれか1つに記載のシール組立体(10)と、を備える、往復動圧縮機。
【0023】
態様12態様11に記載の往復動圧縮機を動作させる方法であって、少なくとも1つのそれぞれのパッキン(32)を越えて漏れる任意の流体が、往復動圧縮機が動作しているときに弁(60)を通って排出され、弁(60)が、往復動圧縮機が停止されているときに閉じている、方法。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、ブッシュと、ポートがフランジに組み込まれている、漏れガスを排出するためのポートを有する流体通路と、を有する、シール組立体を示す。
【0025】
図2図2は、ブッシュと、ポートが排出カップに組み込まれている、漏れガスを排出するためのポートを有する流体通路と、を有する、シール組立体を示す。
【0026】
図3図3は、フローティングタイプのシールを有するシールキャリアと、ポートが排出カップに組み込まれている、漏れガスを排出するためのポートを有する流体通路と、を有する、シール組立体を示す。
【0027】
図4a図4aは、分割されていないシール40が、ばね付勢されるUカップシールである、シール組立体を示す。
【0028】
図4b図4bは、分割されていないシール40が、ばね付勢されないUカップシールである、シール組立体を示す。
【0029】
図5図5は、分割されていないシール40が、プラスチックキャップ40bを有するOリング40aを含む二部分シールである、シール組立体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明は、好ましい例示的な実施形態のみを提供し、かつ本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図しない。むしろ、以下の好ましい例示的実施形態の詳細な説明は、本発明の好ましい例示的な実施形態を実施するための実施可能な説明を当業者に提供するものであり、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において様々な変更がなされ得ることは理解される。
【0031】
本明細書で使用される冠詞「a」および「an」は、本明細書および特許請求の範囲に記載される本発明の実施形態における任意の特徴部に適用されるときに、1つ以上を意味する。「a」および「an」の使用は、そのような限定が具体的に述べられていない限り、意味を単一の特徴部に限定しない。単数形または複数形の名詞または名詞句に先行する冠詞「その(the)」は、1つの特定の指定された特徴部または複数の特定の指定された特徴部を示し、それが使用される文脈に応じて単数または複数の含意を有することがある。
【0032】
形容詞「任意の(any)」とは、何らかの量を無差別に1つ、いくつか、またはすべてを意味する。
【0033】
第1の存在物と第2の存在物との間に配置される用語「および/または(and/or)」は、(1)第1の存在物のみ、(2)第2の存在物のみ、ならびに(3)第1の存在物および第2の存在物の意味うちのいずれかを含む。3つ以上の存在物のリストの最後の2つの存在物の間に配置される用語「および/または」は、このリスト内の存在物の任意の指定された組み合わせを含む、リスト内の存在物のうちの少なくとも1つを意味する。例えば、「A、B、および/またはC(A,B and/or C)」は、「Aおよび/またはBおよび/またはC(A and/or B and/or C)」と同じ意味を有し、A、B、およびCの以下の組み合わせを含む。(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、かつCではない、(5)AおよびC、かつBではない、(6)BおよびC、かつAではない、ならびに(7)AおよびBおよびC。
【0034】
特徴部または存在物のリストに先行する句「少なくとも1つ(at least one of)」は、存在物のリスト内の特徴部または存在物のうちの1つ以上を意味するが、存在物のリスト内に具体的に列挙された各存在物およびすべての存在物のうちの少なくとも1つを必ずしも含まないことを意味し、存在物のリスト内の存在物の任意の組み合わせを排除するものではない。例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ(at least one of A,B,or C)」(または同等に「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ(at least one of A,B,and C)」、または同等に「A、B、および/またはCのうちの少なくとも1つ(A and/or B and/or C)」)は、「Aおよび/またはB、および/またはC」を意味し、A、B、およびCの以下の組み合わせを含む。(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、かつCではない、(5)AおよびC、かつBではない、(6)BおよびC、かつAではない、ならびに(7)AおよびBおよびC。
【0035】
用語「複数(plurality)」は、「2つ以上(two or more than two)」を意味する。
【0036】
本開示は、往復動圧縮機の往復動ロッドのためのシール組立体、シール組立体を有する往復動圧縮機、およびシール組立体を有する往復動圧縮機を動作させる方法に関する。
【0037】
シール組立体は、図面を参照して説明され、図面において、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【0038】
図1図3に示されるように、往復動圧縮機の往復動ロッド20のためのシール組立体10は、第1の端部11と、第2の端部12と、を有する。シール組立体の第1の端部11は、往復動ロッドのシリンダ端部に向かって配設され、シール組立体の第2の端部12は、往復動ロッド20のクランクケース端部に向かって配設される。往復動ロッド20は、長手方向軸21を有する。
【0039】
シール組立体は、当業者にはいわゆる「パッキンカップ」と呼ばれる1つ以上のパッキンリテーナ30を含む。1つ以上のパッキンリテーナ30の各々は、往復動ロッド20と接触し、かつ流体の漏出を防止するためのシールを提供するように構成されたそれぞれのパッキン32を含む。1つ以上のパッキンリテーナ30の各々に含まれるパッキン32は、分割されたパッキン、ロープパッキン、または当技術分野で知られている任意の他のタイプのパッキンであってもよい。
【0040】
パッキンリテーナ30は、フランジ110に取り付けられている。パッキンリテーナ30とフランジとの間には、Oリングシール90によってシールが提供されてもよい。
【0041】
それぞれのOリングシール90は、パッキンリテーナ30の各々の間にシールを提供してもよい。
【0042】
シール組立体は、往復動ロッド20との連続的なシール界面を形成するように構成された分割されていないシール40を含む。分割されていないシール40は、1つ以上のパッキンリテーナ30の軸方向位置に対して、シール組立体の第2の端部12により近い軸方向位置に配置されている。軸方向位置は、往復動ロッド20の長手方向軸21に対して画定される。分割されていないシール40は、往復動ロッド20の外径と同じであってもよい。分割されていないシールは、往復動ロッド20の円周の周りの連続的なシールであり、円周の周りの複数の分割部分によって形成されていない。
【0043】
分割されていないシール40は、図4aに示されるように、バネ付勢されてもよいか、または図4bに示されるように、バネ付勢されなくてもよいUカップシールであってもよい。
【0044】
分割されていないシールは、Oリングシールであってもよい。
【0045】
分割されていないシール40は、図5に示されるように、プラスチックキャップ40bを有するOリング40aを含む二部分シールであってもよい。プラスチックキャップは、シールの寿命を延ばす。プラスチックキャップ40bは、摺動面(すなわち往復動ロッド20)に対して位置決めされており、そのため摩耗するのはプラスチックキャップ40bであり、Oリング40aではない。
【0046】
分割されていないシール40は、任意の所望のプラスチックまたはエラストマーから作られていてもよい。プラスチックシールはバネ付勢され、エラストマーシールはバネ付勢されないことがより一般的である。
【0047】
プラスチックまたはエラストマーは、圧縮機内での圧縮について意図された流体と適合性があるように選択されてもよい。
【0048】
分割されていないシール40は、漏れ経路を提供するであろうチャネルを有さない。
【0049】
分割されていないシール40は、チャネル貫通孔を有さない。
【0050】
分割されていないシール40は、ロープパッキンではない。
【0051】
シール組立体は、第1の端部51と、第2の端部52と、を有する流体通路50を含む。第1の端部51は、分割されていないシール40と1つ以上のパッキンリテーナ30の少なくとも1つのそれぞれのパッキン32との間の軸方向位置に位置付けられている。流体通路50の第1の端部51の軸方向位置は、往復動ロッド20の長手方向軸21に対して画定されている。流体通路50は、少なくとも1つのそれぞれのパッキン32を越えて漏れる流体を排出するように動作可能に構成されている。
【0052】
図1は、フランジ110内に画定された流体通路50の第1の端部51のポートを示す。
【0053】
シール組立体は、流体通路50の第2の端部52と流体連通する弁60を含む。弁60は、流体通路50を通る流れを許容または防止するために、流体通路50の第2の端部52に動作可能に接続されている。
【0054】
シール組立体は、流体通路50が排出部材70を通過する、通気部材70、いわゆる「排出カップ(vent cup)」を含んでもよい。流体通路の少なくとも一部分は、排出部材内に画定されている。排出部材は、それぞれのパッキン72を含んでもよい。
【0055】
図2および図3は、排出部材70内に画定された流体通路50の第1の端部51におけるポートを示している。
【0056】
流体通路50および弁60を使用することにより、分割されていないシール40の両側の圧力差は小さい。往復動ロッド20が常に分割されていないシール40の上に乗っている間、低い圧力差のために、接触圧力は比較的低く、その運動は、非常に低い接触圧力に起因して急速な摩耗を引き起こさない。
【0057】
往復動圧縮機の往復動ロッド20は、通常、主軸方向に加えて半径方向にごくわずかに移動する。この半径方向の運動は、分割されていないシール40を一方の側で優先的に圧縮する傾向があり、増大した接触荷重に起因して分割されていないシール40に摩耗を引き起こす可能性がある。
【0058】
図1および図2に示されるように、シール組立体は、往復動ロッド20のためのブッシュ80を含んでもよい。ブッシュ80は、存在する場合、分割されていないシール40への圧縮荷重を低減するのに有効な位置にある。ブッシュ80は、存在する場合、往復動ロッド20を中心に保ち、かつ分割されていないシール40に過度の圧縮荷重がかかるのを防止するために、分割されていないシール40の隣に位置決めされている。
【0059】
シール組立体は、1つ以上のパッキンリテーナ30に対して間隔を空けて固定された関係でシールキャリア45を含んでもよい。シールキャリア45は、分割されていないシール40を保持する。シールキャリア45は、取り付けフランジ110に固定可能に取り付けられてもよい。
【0060】
図3に示されるシールキャリア45は、往復動ロッド20の半径方向の移動に応じて、分割されていないシール40が半径方向に移動することを可能にするように構成されている。分割されていないシール40は、往復動ロッド20の半径方向の移動と共に、分割されていないシール40が半径方向に移動することが許容されるように、シールキャリア45内に保持されてもよい。
【0061】
シール組立体は、流体通路50の第2の端部52と弁60との間の移送ライン内の圧力を感知するように動作可能に配設された圧力変換器100を含んでもよい。圧力変換器100を用いて移送ライン内の圧力を監視することによって、シールの適切な動作を確認することができ、パッキンを通る漏出を監視することができ、そのためパッキンが摩滅したときに交換することができる。
【0062】
本開示はまた、上述のようなシール組立体を有する往復動圧縮機に関する。往復動圧縮機は、上述のように、往復動ロッド20と、シール組立体10と、を含む。往復動圧縮機の他の構成要素は、当技術分野で知られているとおりであり得る。
【0063】
本開示はまた、上述のシール組立体を有する往復動圧縮機を動作させる方法に関する。方法は、往復動圧縮機が動作しているときに、パッキン32を越えて弁60を通って漏れるあらゆる流体を排出することと、往復動圧縮機が停止されているときに弁を閉じ、かつ弁を閉じた状態に保つことと、を含む。
【0064】
実施例
【0065】
シールは、それらの耐用年数の過程で磨耗し、過多の材料が失われると、最終的に漏れ始める。動作中に失われる材料の量は、接触圧力とシールが進行した総距離の両方の関数である。接触圧力が高く、総摺動距離が大きいほど、材料の総損失は大きくなる。この材料の損失は、最終的に、シールの「摩滅」をもたらす。摺動距離は、摺動の速度に総時間を乗じたものに等しく、そのため単位時間当たりの動作中に失われる材料の総量は、接触圧力(P)および速度(V)に線形的に関連する。PVが高いほど、シールは早く摩滅することになる。
【0066】
シールを使用し続けることができる時間の量を増やすために、速度を下げることができ(これは所定の用途では不可能であり得る)、または接触圧力を下げることができる。接触圧力は、主に、シールを横切る圧力差の関数であり、そのため圧力差が大きいほど、シールは早く摩滅する。
【0067】
本発明では、シールが摺動にさらされているときに、通常の動作中に最小の接触圧力を提供することによって、分割されていないシールの寿命が延ばされる。
【0068】
本開示に記載のもののような分割されていないシールは、一般に、耐摩耗性材料で作られており、690kPa(100psi)の差の圧力下で、かつ通常の速度で動作しながら、約1,000時間持続することができる。しかしながら、690kPa(100psi)の差は、水素燃料補給のために水素を圧縮するためなど、このシール組立体に対して考えられる用途よりもはるかに低い。
【0069】
シールの差圧を6,900kPa(1,000psi)に上げると、摩耗寿命は10分の1に短縮され、シール寿命は約100時間になる。
【0070】
100時間のシール寿命は、実用的には短すぎる。しかしながら、シールから圧力差を除去することによって、シャフト上でのシールの伸張によってのみ引き起こされる残りのシール圧力は非常に低い。シールを横切る圧力差がなく、シャフト上でシールが伸張することによって生じる圧力のみが既知のシールよりも5〜10倍低く、そのためシールの寿命はその量だけ長くなる。
【0071】
動作中に除去されるシール材料の割合は、接触圧力と摺動速度に線形比例する。動作中にシールを横切る圧力差を本質的に排除することによって接触圧力を下げることは、シールの有効寿命を5,000〜10,000時間延ばすと予想される。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5