特許第6982065号(P6982065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6982065-食品包装の自動プラント 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982065
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】食品包装の自動プラント
(51)【国際特許分類】
   B65B 59/04 20060101AFI20211206BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20211206BHJP
   B67C 3/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   B65B59/04
   G05B19/418 P
   B67C3/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-515411(P2019-515411)
(86)(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公表番号】特表2019-534210(P2019-534210A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(86)【国際出願番号】IB2017055708
(87)【国際公開番号】WO2018055531
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2020年7月31日
(31)【優先権主張番号】102016000094153
(32)【優先日】2016年9月20日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ ギガンテ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ チェラーティ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーア ビオンディ
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−510472(JP,A)
【文献】 米国特許第09358975(US,B1)
【文献】 米国特許第05545967(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/04
G05B 19/418
B67C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品(P)の包装の自動プラント(1)であって、
前記食品(P)の包装の自動プラント(1)は、
複数の第1の接続領域(3)を備える少なくとも1つの第1の食品(P)の搬送ライン(2)と、
複数の操作ユニット(4)であって、それぞれが、
前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)の前記第1の接続領域(3)にて移動可能な可動ベース(40)と、
前記可動ベース(40)上に載置され、前記第1の接続領域(3)にて前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)に接続可能な処理手段(41)と、
複数のセンサと、
無線通信手段とを備える、複数の操作ユニット(4)と、
前記操作ユニット(4)の少なくとも1つの保守ステーション(5)と、
前記操作ユニット(4)の少なくとも1つの準備ステーション(6)と、
前記操作ユニット(4)との間で情報を送受信する無線通信手段と、所定の情報が保存される内部メモリとを備える制御及び管理中央ユニットとを具備し、
前記制御及び管理中央ユニットは、前記操作ユニット(4)との間で送受信される前記情報及び前記内部メモリに保存される前記所定の情報に基づいて、前記操作ユニット(4)が前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)との間及び前記操作ユニット(4)の保守ステーション(5)及び準備ステーション(6)との間を移動するように前記操作ユニット(4)に命令することができ、
前記複数の操作ユニット(4)の各々の操作ユニット(4)の前記処理手段(41)が、前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)上を搬送される前記食品(P)を処理するように配置されており、
前記処理手段(41)によって行われる処理は、前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)で搬送される前記食品(P)を充填、蓋付け、封止を備え、
前記処理手段(41)の各々は、単一の作業を実施するために専用であり、
前記複数の操作ユニット(4)の各々は、様々な状況での前記複数の操作ユニット(4)の適切な移動及び正確な位置決めを可能にするために、ナビゲーション手段と、位置合わせ手段と、係合手段とを備えることを特徴とする、食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項2】
前記準備ステーション(6)は、前記操作ユニット(4)の前記処理手段(41)を洗浄する洗浄アセンブリ(600)を具備する、請求項1に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項3】
前記準備ステーション(6)は、材料を前記操作ユニット(4)に積み込み、前記操作ユニット(4)から積み降ろす、積み込み及び積み降ろしアセンブリ(601)を具備する、請求項1又は2に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項4】
前記積み込み及び積み降ろしアセンブリ(601)は充填ステーションを具備する、請求項3に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項5】
各可動ベース(40)は、前記処理手段(41)が第1の接続領域(3)にて接続される場合でも、対応する前記処理手段(41)を支持するために配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項6】
各可動ベース(40)は、対応する前記処理手段(41)が第1の接続領域(3)にて接続される場合に、前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)から離れるように移動するように配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項7】
前記第1の接続領域(3)は、前記処理手段(41)を前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)に接続する手段を具備する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項8】
前記処理手段(41)を前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)に接続する手段は、電気式及び空気圧式接続手段と、前記操作ユニット(4)のための基準を特定するセンタリング手段とを具備する、請求項7に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項9】
前記制御及び管理中央ユニットは、前記食品(P)の包装の自動プラント(1)の外部のユニットとの間で情報を送受信する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項10】
複数の第2の接続領域(8)を備える少なくとも1つの第2の食品(P)の搬送ライン(7)をさらに具備し、前記操作ユニット(4)の前記処理手段(41)は、前記第2の接続領域(8)にて前記第2の食品(P)の搬送ライン(7)にも接続可能であり、前記第2の食品(P)の搬送ライン(7)上を搬送される前記食品(P)も処理でき、前記制御及び管理中央ユニットは、前記操作ユニット(4)が前記第2の食品(P)の搬送ライン(7)との間も移動するように、前記操作ユニット(4)に命令することができる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【請求項11】
前記処理手段(41)によって実施される前記処理は、前記第1の食品(P)の搬送ライン(2)上を搬送される前記食品(P)の充填、蓋付け又は、封止を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の食品(P)の包装の自動プラント(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品包装の技術分野に含まれる。詳細には、本発明は食品包装の自動プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
包装分野、さらに具体的には食品包装の分野では、生産的多様化の必要性がますます感じられている。例えば、ヨーグルト、コーヒーカプセルなどの製品を考慮すると、包装の観点からも、含まれる製品の多様性の点からも、市場でさまざまな種類を見つけることが可能である。これにより、この多様化を可能にするために利用可能な手段を有することが必要になる。例えば、ヨーグルトの場合、異なる形状を有することがある容器(カップ)及び/又はそれらの内容物を交換する必要がある可能性がある。
【0003】
さらに、この生産の多様化は通常、かなり小さい特定の製造バッチに関連しているため、包装プラントを迅速に変更することがさらに必要とされる。今日では、上記の要求を満たすことは特に困難である。実際、包装プラントを変更するのに必要な時間は長くなる。さらに、多数のオペレータ、特に選ばれたオペレータが介入することを要求される。
【0004】
現在、特定の種類の製品を、複数のステーションがカスケード状に配置されている包装ライン(装填、投与、密封など)で処理する。
【0005】
包装される製品を変える必要がある場合には、例えば包装工程での製品の充填に寄与するステーションの洗浄のほか、製品に作用する加工手段の適合などの作業を調整することによってプラントに介入する必要がある。
【0006】
特に、投与手段の洗浄は、ライン上(「定位置での洗浄」)又はライン外(「定位置外での洗浄」)にて実施することができる。第1の場合には、プラントには、自動的に作動する投与アセンブリ内にシャワーシステムが設けられる。洗浄サイクル(平均約1時間)の終わりに、汚染を避けるために、その有効性を検査することが必要である。検査にて不合格であった場合には、洗浄サイクルを繰り返す必要がある。
【0007】
第2の場合には、投与手段は、分解されて特定の領域に運搬されるように設計されている。特定の領域では、投与手段は、通常は手動で洗浄され、次にライン上で再度組み立てられる。この場合にはこのほか、洗浄の効果を検査することができる。
【0008】
このような操作はいずれも複雑で、かなりの停止時間が必要なことは明らかである。
【0009】
プラントの個々のステーションの機能不全及び/又は保守の場合にも同じことが起こる。このような場合にはこのほか、実際には、全体的な生産性を犠牲にして、プラントはかなりの時間停止したままである。
【0010】
さらに、既存のライン上にオペレータが存在することにより、オペレータの安全のために機械に保護具を付与する必要がある。この保護具は、高価であり、大きな表面積を有することが多く、衛生上の理由から頻繁に洗浄する必要がある。
【0011】
既知の技術の解決策は、それほど柔軟なものではない。このため、生産的な多様化には不適切である。
【0012】
ある特許文献には、食品又は非食料品がロボットアームによって、水平コンベヤにより前進する対応トレイに自動的に供給される可撓性包装ラインが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
また、別の特許文献には、食品又は飲料が、水平コンベヤにより前進する対応するトレイに供給される包装ラインが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2013/105900号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/251101号明細書
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、上記の欠点を克服することである。
【0016】
この目的は、添付の特許請求の範囲による食品包装の自動プラントを提案することによって達成される。
【0017】
有利なことには、本発明によって提案される食品包装の自動プラントは、既知の技術に対して迅速な時間での生産の多様化を可能にする。さらに、この多様化に対するプラントの事前配置を実施するために、特に選ばれた多数のオペレータを介入させることは必要ではない。
【0018】
さらに、本発明によれば、プラントの部品の保守/交換作業に必要な停止時間が大幅に短縮される。
【0019】
さらに、本発明によって提案された自動プラントでは、オペレータにとっての保護具は、公知技術では、頻繁に洗浄する必要があるほか、多く空間を占有するため、高価で非生産的であることから、不要である。
【0020】
このため、本発明による包装自動プラントは特に柔軟であり、特に、あらゆる必要性に応じて迅速に構成することができる。
添付の図面を用いて、以下の説明でこのほかの利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の好ましい実施形態による食品包装の自動プラントの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照すると、参照番号1は、全体として、本発明による食品包装の自動プラントを示す。プラント1は、複数の第1の接続領域3を含む少なくとも第1の食品P搬送ライン2を備える。自動プラント1は複数の操作ユニット4をさらに備える。各操作ユニットは、第1の食品P搬送ライン2の第1の接続領域3で移動することができる可動ベース40と、可動ベース40上に配置され、第1の接続領域3で第1の搬送ライン2に接続可能な処理手段41と、を備える。処理手段41は、第1の搬送ライン2を通過する食品Pに処理(例えば、充填、蓋付け、封止など)を実施するように構成される。各可動ユニット4は、複数の(図示しない)センサと、無線通信手段とをさらに備える。
【0023】
さらに、プラント1は、操作ユニット4の少なくとも保守ステーション5と、操作ユニット4の少なくとも1つの準備ステーション6と、(図示しない)制御及び管理中央ユニットと、をさらに備える。次に、制御及び管理中央ユニットは、操作ユニット4との間で情報を送受信するための無線通信手段と、所定の情報が記憶される内部メモリと、を備える。
【0024】
詳細には、制御及び管理中央ユニットは、操作ユニットとの間で送受信される情報及び内部メモリに記憶された所定の情報に基づいて、操作ユニット4に命令して、操作ユニット4がそれぞれの可動ベース40によって、第1の食品P搬送ライン2との間と、操作ユニット4、保守ステーション5及び準備ステーション6との間とを移動するようにする。
【0025】
有利なことには、上記のように構成された操作ユニット4は、制御及び管理中央ユニットにより、第1の食品P搬送ライン2との間を個別に移動することができる。
【0026】
さらに、操作ユニット4はこのほか、保守ステーション5及び準備ステーション6との間を個別に移動することができる。
【0027】
このようにして、プラント1に対する生産又は保守の多様性及び/又は他の介入が必要とされる場合、特に選ばれたオペレータが必要とされないだけでなく、さらにプラント1自体が突然介入して操作ユニット4を交換することができる。例えば、ある種の処理のために提供される操作ユニット4を他のものと交換し、あるいは誤動作している操作ユニット4を、正常動作している操作ユニット4と交換する。さらに、それぞれの材料(充填剤製品、容器、蓋など)を使い果たした操作ユニット4を、対応する材料を有する他の搭載物と交換する。操作ユニット4は各接続領域3に設けることができる。これは、処理手段41を第1の搬送ライン2の任意の有用な点(厳密には対応する接続領域3によって定義される)に設けることができることを意味する。
【0028】
有利なことには、この態様はプラント1に高い柔軟性を提供する。
【0029】
一例として、1つの製品(例えばヨーグルト)だけを包装に充填することから、2つの異なる製品(例えばヨーグルト及びフルーツ及び/又はシリアル)を同一の包装に充填することに切り替える必要がある場合、第1の食品P搬送ライン2に沿って第2の製品を包装内に充填するための専用の処理手段41を追加することによって、プラント1のレイアウトを変更する必要がある。
【0030】
(任意の数を所定の距離だけ離して配置することができる)第1の接続領域3の領域では、処理手段の接続に必要な全手段(例えば、電気式、空気圧式又は他の電源接続など)が第1の搬送ライン2に設けられる。
【0031】
第1の接続領域3には、操作ユニット4のための位置決め基準を充分な精度で表すセンタリング手段も設けられ、それによって処理手段41の正常な機能を保証する。
【0032】
第1の接続領域3は、操作ユニット4に対する基準を表す。操作ユニット4(及び特にそれぞれの可動ベース40)がセンサ、例えば光学センサを備えているという事実は、操作ユニットがプラント1内で移動することを可能にし、ひいては接続領域3にて適切に移動することも可能にする。
【0033】
操作ユニット4はこのほか、製品に対する位置決めシステムを有することができる。実際、コンベヤには摩耗のために、処理を実施する休止位置の変化が経時的に発生していることが知られている。製品が理論上の位置に対してわずかにずれた位置で停止すると、スクラップが発生する可能性がある。コンベアの機械的構造が不完全な場合にも同一の欠点が発生する可能性がある。各操作ユニット4が製品との不正確な相対的位置決めによるスクラップを回避できるようにするために、製品の位置を検出するセンサのほか、ユニット自体の操作手段のための位置補正システムを(リアルタイムでも)備えることができる。
【0034】
例えば、操作ユニット4は、さまざまな状況での操作ユニットの適切な移動及び正確な位置決めを可能にするためにさまざまな手段を備える。さまざまなレベルの精度に対応するこのような手段には、ナビゲーション手段、すなわち、障害物を回避し、システム内の可動ベース40の移動を可能にするのに充分な精度を有するナビゲーション補助装置と、位置合わせ手段、即ち、それぞれの処理手段41が第1の接続領域3と位置合わせされるように、可動ベース40を位置決めする補助装置(例えば光学的手段)と、係合手段、即ち、処理手段41が第1の接続領域3を機械的に接続することを可能にする機械的補助装置(例えば処理手段41を第1の搬送ライン2と接続するまで処理手段41に付随する機械的ガイド)と、が挙げられる。センサ及び無線通信手段はこのほか、その後中央ユニットに通信される状況及び/又は状態(例えば故障)の検出を可能にする。
【0035】
特に、センサは次の2つのタイプであり得る。
生産機能(製品の存在、計数、詰まり検出)に必要なセンサ。これらのセンサは処理手段41上に位置決めされる。
プラントの運営に必要なセンサ(スキャナ、障害物検出、バンパ)。これらのセンサは可動ベース40上に位置決めされる。
【0036】
可動ベース40は、例えば処理手段41が配置されるカートである。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、各可動ベース40は、対応する処理手段41が第1の接続領域3で接続されている場合でも対応する処理手段41を支持するために設けられる。この場合、各可動ベース40及び対応する処理手段41は単一のユニットを形成する。
【0038】
一代替形態によれば、各可動ベース40は、それぞれの処理手段41が第1の接続領域3で接続されたときに、第1の搬送ライン2から離れるように移動するように構成される。このため、この場合、各可動ベース40は、処理手段41の搬送のためだけに使用され、有利なことには、この操作の後、別の操作を実施するために利用可能である。このため、この解決策は、以前の場合に比べてプラント1の機能のために提供し使用する可動ベース40の数を少なくすることができる。
【0039】
好ましくは、本発明による自動プラント1は、複数の第2の接続領域8を含む少なくとも第2の食品P搬送ライン7をさらに備える。特に、操作ユニット4の処理手段41はこのほか、第2の接続領域8の領域で第2の搬送ライン7に接続することができ、第2の搬送ライン7を通過する食品Pも処理するために設けられる。この場合、制御及び管理中央ユニットは、操作ユニット4が(操作ユニットとの間で送受信される情報及び内部メモリに保存されている所定の情報に常に基づいて)第2の食品P搬送ライン7との間で移動もするように、操作ユニット4に命令する。
【0040】
有利なことには、各操作ユニット4の処理手段41は、同等の方法で、第1の食品P搬送ライン2の第1の接続領域3と第2の食品P搬送ライン7の第2の接続領域8の両方に接続することができる。
【0041】
これは、第1の食品P搬送ライン2と第2の食品P搬送ライン7とが同じ処理手段41を共有することができ、プラント1の柔軟性をさらに最適化することを意味する。
【0042】
明らかに、プラント1は、図1に示されている場合のように、3つ以上の製品搬送ラインを備えることができ、追加の搬送ライン71、72、73、74、75には同数の(図示しない)接続領域が設けられる。
【0043】
いずれにせよ、操作ユニット4の処理手段41は、製品搬送ラインの各接続領域に接続するために設けられる。処理手段41は、多機能ロボットとは異なり、単一の作業を(高効率に)実施するための専用の手段である。一般に、自動機械処理ユニットの方が擬人化ロボットよりも高効率である。即ち、特定の操作では、自動機械の処理ユニットは、生産される製品の単位当たりの平均コストが擬人化ロボットよりも低い(すなわち、擬人化ロボットより短時間でいっそう複雑な処理を実行できる)。
【0044】
好ましくは、準備ステーション6は、操作ユニット4、特に処理手段41を洗浄する洗浄アセンブリ600を備える。洗浄操作は食品業界ではきわめて重要であり、(この考察の導入部分で説明したように)処理手段41の的確な衛生状態を保証するために、最初の洗浄サイクルが充分に効果的でない場合、数回の連続洗浄サイクルを必要とすることもある。
【0045】
例えば包装対象の食品を変更する必要があるために処理手段41(投与アセンブリ)を洗浄する必要がある場合には、処理手段は供給ライン2、7から個別に切り離され、(対応する可動ベース40によって)洗浄アセンブリ600に誘導させる。同時に、適切な処理手段41を備える別の操作ユニット4を、例えば前述のユニットの代わりに、接続領域3、8に(可動ベース40によって)設けることができ、その結果、(この場合は別の製品の投与のために)それぞれの処理手段41は食品Pに作用する。このように、生産中断が不適切であることは明らかである。実際、処理(投与)手段の洗浄及び洗浄の確認は、投与アセンブリを操作ユニットから切り離すことを必要とせずに、自動的に準備ステーション6で実施される。一方、別の操作ユニット4を個別に第1又は第2の供給ライン2、7に接続することができるため、プラント1は生産を停止しない。必要であれば追加の投与装置を連結することができる。
【0046】
好ましくは、投与すべき製品を入れたタンクは、ラインの領域にて製品を給送する従来のプラントに通常設けられている管、バルブ及び空中支持具を準備する必要なしに、準備ステーション6の特定の領域にて充填される。
【0047】
例えば、準備ステーション6はこのほか、操作ユニットに材料を積み込み、積み降ろすための積み込み及び積み降ろしアセンブリ601を備えることができる。例えば、積み込まれた材料及び/又は積み降ろされた材料は、ヨーグルトカップ、蓋/容器閉鎖要素、あるいは容器内に導入される食品から構成されることがある。
【0048】
例えば、積み込み及び積み降ろしアセンブリ601は、容器内に導入される食品を供給する投与ユニットの充填ステーションを備える。
【0049】
積み込み及び積み降ろしアセンブリ601が存在すると特に有利である。実際、既知の技術では、積み込まれる材料は積み込み領域近傍のパレットに載せられていた。実際の積み込み作業は、ほとんどをオペレータが実施していたが、退屈な作業であるため作業に時間がかかっていた。積み込み作業を、擬人化ロボットをはじめとする自動装置の助けを借りて実施することもあった。さらに、例えばサイズ変更のために、長期間の停止中に、材料をプラントから積み降ろしする必要があることが多かった。しかし、自動プラント1では、いかなるオペレータも必要とすることなく、材料の積み込み/積み降ろしを完全に自動化された方法で実施することができる。
【0050】
さらに、この材料の積み込み/積み降ろしシステムは集中化されているため、個々の自動化システムとは異なり、自動化及び/又は労力のコストを削減することができる。
【0051】
制御及び管理中央ユニットの存在は、プラント1の全情報を一元化する、即ち、状況の全体像を把握し、それに応じてプラント1を管理する(例えば、操作ユニット4を起動する)ことを可能にするため、基本的なものである。
【0052】
以下のようなさまざまな情報を中央管理制御装置の内部メモリに保管することができる。
プラント1のレイアウトと、
操作ユニット4の総数と、
特定の種類の製品の包装に必要な処理手段41の種類。
【0053】
また、制御及び管理中央ユニットは、外部ユニット(例えば、ロジスティックチェーン)との間で情報を送受信することができる。必要な情報を抽出するために、全データを収集し、保存し、処理して、適切なアルゴリズムによって分析する。
【0054】
言い換えれば、制御及び管理中央ユニットは次に、自動プラント1の外部のデータ処理及び格納インフラストラクチャと接続されて、単一プラントでは利用できないリソースの使用を可能にする(すなわち、いわゆる「クラウドコンピューティング」を提供する)。
【0055】
生産プラントを適合させるためにこのデータを使用する可能性は、生産プラントの構造的剛性によって制限されることから、提案された自動プラント1は最適なものである。実際、プラント1の管理では物流に関連する外部変数データを入力することによって、全体的品質の向上が保証される。
【0056】
本発明の自動プラント1の目的はこのほか、ヨーグルト瓶及びコーヒーカプセルのような互いにきわめて異なる製品を包装することを可能にすることである。この種の「製品変更」は、1種類の製品のみの包装のために提供される既知の機械の構造的設計と両立しない。このため、既知の機械にてこの製品の変更が実施されることになる場合、機械を柔軟に再構成する可能性がない状態で、プラント全体に対する侵襲的な構造変更をきわめて高いコストと時間で実施する必要がある。
【0057】
包装される製品をヨーグルト瓶からコーヒーカプセルへ変更するために(例として)実行されることになる操作に関して、最初に既存の搬送ラインを再構成することが必要である。実際、プレートを搬送ライン上に設け、搬送ラインには搬送される容器(瓶又はカプセル)に応じたサイズのハウジングを設ける。この目的のために、プラント1は、(図示しない)プレート交換アセンブリを備える。プレート交換アセンブリは、自律的に(1つ以上の)搬送ラインに近接して位置決めされ、ヨーグルト瓶用ハウジングを備えるプレートを取り外し、コーヒーカプセル用ハウジングを備えるプレートに交換する。プレート交換アセンブリは、例えば停止ステーション700から到来する。
【0058】
このため、プレート交換アセンブリのほか、ヨーグルト専用の処理手段41は、対応する可動ベース40によって準備ステーション6内の洗浄アセンブリ600に移動する。同時に、コーヒーカプセルを包装するための処理手段41(例えば、粉末コーヒーホッパー送りねじ、コーヒーカプセルの直径を有する丸い蓋を封止する手段など)は、搬送ライン2、7と係合する。
【0059】
図1の例を参照すると、自動プラント1は、材料の貯蔵領域800であって、この領域から材料(製品又は製品の一部)が準備ステーション6の積み込み/積み降ろしアセンブリ601に向かって搬送される領域と、オフィス領域900と、搬入される材料と出力される食品Pがそれぞれ停止している2つの領域300、400、例えば、出力食品Pとともにトラックを載置することができる領域と、包装食品Pのパレット載置領域500と、をさらに備える。
【0060】
ほかにも、搬送ライン2、7、71、72、73、74、75を洗浄する装置100を設けることができる。この装置は、添付の図1に概略的に示すように、ラインに沿って移動可能である。
【0061】
このため、提案された自動プラント1は、主にプラント1を特に柔軟なものにする自動再構成の可能性に関して、いくつかの態様で従来のプラントと比較して特に有利なものである。好ましくは、各搬送ラインの終端に、製品を拾い上げてパレット上に置くか(例えば、プロセスの後続のステップのために)異なるラインに送ることができる、ロボットによって管理される積み降ろしシステムを提供する。
【0062】
さらに、プラント1は、必要な清掃作業及び保守作業中の停止時間を短縮/排除する。実際、上記のように、このような作業はプラント1の特定の領域で自律的に実施され、他の操作ユニットは給送ラインと係合する。これはいずれも、操作ユニットが互いに独立しており、給送ライン上で交換可能であるという事実によって保証される。
【0063】
工場内の物流業務(資材の積み込み/積み降ろし/輸送)も最適化されており、オペレータの介入は不要である。このため、プラント1の内部に必要とされるオペレータの総数は、既知の技術と比較して大幅に減少する。
【0064】
さらに、外部ユニットと接続すると、制御及び管理中央装置によってプラント1の最適管理が可能になる。
図1