(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982066
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す結合装置
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20211206BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20211206BHJP
E03C 1/02 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
E03B7/07 A
F16L55/00 G
E03C1/02
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-517751(P2019-517751)
(86)(22)【出願日】2017年6月9日
(65)【公表番号】特表2019-525041(P2019-525041A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】NL2017050384
(87)【国際公開番号】WO2017213507
(87)【国際公開日】20171214
【審査請求日】2020年4月7日
(31)【優先権主張番号】2016939
(32)【優先日】2016年6月10日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521403878
【氏名又は名称】セナジスト・スペイン・エスエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ステイン・ファン・デル・ウプウィッヒ
【審査官】
松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/069114(WO,A2)
【文献】
特開2007−078442(JP,A)
【文献】
特開2006−194367(JP,A)
【文献】
特開2005−282162(JP,A)
【文献】
特表2004−528958(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0104906(US,A1)
【文献】
米国特許第03202175(US,A)
【文献】
実開昭53−046017(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0192440(US,A1)
【文献】
特開2006−342598(JP,A)
【文献】
特開平07−082768(JP,A)
【文献】
特開2003−213743(JP,A)
【文献】
特開平09−316943(JP,A)
【文献】
特開2004−169481(JP,A)
【文献】
特開平09−014562(JP,A)
【文献】
特開2000−104885(JP,A)
【文献】
特開2000−297887(JP,A)
【文献】
特開2005−083073(JP,A)
【文献】
特表2002−530769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
F16L 55/00
E03C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す結合装置であって、前記配管系統の配管に接続されるようにそれぞれ配置された入口および出口と、前記流れ調整装置を保持するために前記入口と前記出口との間に配置されたホルダとを備え、前記結合装置が、ロック解除位置とロック位置との間で前記ホルダから且つ前記ホルダに向かって移動可能なロック装置をさらに備え、前記ロック位置では、前記ロック装置が、前記ホルダ内に保持された前記流れ調整装置を係合してロックするように構成され、前記流れ調整装置が前記入口および前記出口に結合され、前記ロック解除位置では、前記ロック装置が、前記流れ調整装置を前記結合装置から取り外すために前記流れ調整装置から離れるように移動され、
前記結合装置は、前記ロック装置を移動させるための回転部材を更に備え、前記回転部材の移動は前記回転部材のみの回転に制限される、結合装置。
【請求項2】
前記入口および前記出口が、前記入口から前記出口への流れ方向に沿って流れ軸に平行に少なくとも実質的に整列しており、前記ロック装置が、前記流れ軸に沿って移動可能である、請求項1に記載の結合装置。
【請求項3】
前記ホルダが、前記流れ調整装置の第1の端部を受け入れるように配置されたベースを備え、前記ロック装置が、前記流れ調整装置の前記第1の端部と反対側の第2の端部と係合するように構成され、前記ロック装置が、前記ベースに対して移動可能である、請求項1または2に記載の結合装置。
【請求項4】
前記ロック装置および前記ベースが前記ホルダ内に保持された前記流れ調整装置の送り込み部および送り出し部と協働するように構成されている、請求項2または3に記載の結合装置。
【請求項5】
前記ロック装置および前記ベースが、前記結合装置の前記入口、前記出口にそれぞれ流れ出る導管を備える、請求項4に記載の結合装置。
【請求項6】
前記ロック装置が、少なくとも前記ロック位置で前記結合装置の前記入口および前記出口のうちの少なくとも一方に流れ出る管状部材を備える、請求項4または5に記載の結合装置。
【請求項7】
前記入口または前記出口が、供給管を備え、前記ロック装置の前記管状部材が、前記管状部材が前記ロック位置と前記ロック解除位置との間を移動するために前記供給管に沿って移動可能であるように、前記供給管に対して同軸に配置されている、請求項6に記載の結合装置。
【請求項8】
前記管状部材が、前記供給管の周りに同軸に配置され、前記ロック装置の前記管状部材が、前記ロック装置を移動させるためのねじを備えている、請求項7に記載の結合装置。
【請求項9】
前記ロック装置の前記管状部材が雄ねじまたはラックを備え、前記結合装置が、前記管状部材を移動させるために前記管状部材の前記雄ねじまたは前記ラックと係合するように構成された回転部材をさらに備える、請求項8に記載の結合装置。
【請求項10】
前記回転部材が、前記ロック装置の前記管状部材の周りに同軸に配置され、前記回転部材が、前記管状部材の前記雄ねじと協働する雌ねじを備え、前記回転部材が、前記結合装置のフレームに回転可能に取り付けられる、請求項9に記載の結合装置。
【請求項11】
前記フレームおよび前記回転部材が、好ましくは、ピンを受け入れるための一致孔を備えている、請求項10に記載の結合装置。
【請求項12】
流路内に減衰手段をさらに備えた、請求項1から11のいずれか一項に記載の結合装置。
【請求項13】
前記減衰手段が前記供給管内に設けられている、請求項7または12に記載の結合装置。
【請求項14】
流れ調整装置を備えた請求項1から13のいずれか一項に記載の結合装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の結合装置を備えた水配管系統を備えた建物。
【請求項16】
前記ロック装置を前記ロック解除位置に移動させ、前記流れ調整装置を前記結合装置から取り外すステップを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の結合装置を備えた水配管系統から流れ調整装置を切り離す方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す結合装置に関する。本発明は、さらに、流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
きれいな飲料水を節約するために、例えば、シャワーをするまたは入浴するときに、水の使用を減らすために水配管系統に流れ制限装置とも呼ばれる流れ調整装置を含むことが知られている。圧力に依存しない流れ調整装置は、出願人によって非常に成功裏に販売されている。そのような流れ制限装置は、欧州特許出願公開第1.131.687号およびオランダ特許出願公開第1010592号に記載されている。
【0003】
これらの流れ調整装置/制限装置は、典型的には、水圧にかかわらず水の流れを略一定に保つために、タップまたはシャワーヘッドまたはそれに関連する配管に挿入される。例えば、ホテル、クルーズ船および(石油化学)産業において、より大きい規模で液体の流れを制限および/または一定に保つために、前室と後室とを備えるハウジングと、ハウジング内に配置され且つ2つ以上の開口を備えた隔壁と、一方または双方の開口に配置された流れ制限装置とを備える、そこを流れる流体の量を制限または調整するための装置を提供することが知られている。そのような装置は、国際公開第2015/069114号に記載されている。装置のハウジング内の流れ制限装置の数および/または種類を変更することによって、装置を通る水の流れは、特定の必要性に正確に調整されることができる。
【0004】
そのような装置は、典型的には、適切な入口および出口を備えたハウジングを、例えばカプラー、継手または任意の他のねじ接続を用いて配管系統のワイパー配管に接続することによって水配管系統に含まれる。しかしながら、これらの装置は、例えば保守または交換のために、効率的にまたは容易にアクセス可能でないという欠点がある。例えば、水配管系統からの装置の切り離しは、専門の人員によって行われる必要があり、配管系統を通る水の流れが中断される必要がある時間を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1.131.687号
【特許文献2】オランダ特許出願公開第1010592号
【特許文献3】国際公開第2015/069114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した欠点を少なくとも部分的に軽減しおよび/または流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す結合装置の効率的で迅速な使用および/または容易な使用を提供することが他の目的に続く本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、他の目的の中でも、添付の請求項1に記載された方法によって満たされる。より具体的には、この目的は、他の目的の中でも、流れ調整装置を水配管系統に対して結合および切り離す結合装置であって、配管系統の配管に接続されるようにそれぞれ配置された入口および出口と、流れ調整装置を保持するために入口と出口との間に配置されたホルダとを備え、結合装置が、ロック解除位置とロック位置との間でホルダから且つホルダに向かって移動可能なロック装置をさらに備え、ロック位置では、ロック装置が、ホルダ内に保持された流れ調整装置を係合してロックするように構成され、装置が入口および出口に結合され、ロック解除位置では、ロック装置が、流れ調整装置を結合装置から取り外すために流れ調整装置から離れるように移動される、結合装置によって満たされる。
【0008】
結合装置は、これにより、入口および配管系統の各配管を接続することによって配管系統に組み込まれ、そのホルダ内に流れ調整装置を取り外し可能に受けるように配置されている。使用時には、流れ調整装置の位置は、ロック装置の係合によって固定される。このロック装置は、流れ調整装置と係合し、好ましくは流れ調整装置と結合装置との間の相対運動を防止する。前記ロック位置において、入口から到来する水は、ホルダ内に保持された流れ調整装置を通り且つ出口を通って流れることができる。少なくともロック位置では、それゆえに、流路は、入口から流れ調整装置を有するホルダを通って出口に向かって形成される。
【0009】
例えば流れ調整装置が保守を必要とするとき、ロック装置は、ロック位置からロック解除位置に向かって移動する。ロック装置は、ロック装置がもはや制限装置上にクランプ係合を生じさせないようにホルダ内の流れ調整装置から離れるように移動する。そして、結合装置は、ロック解除位置において、流れ調整装置が結合装置から取り外されることができ、それによって流れ調整装置を配管系統から切り離すことができるように配置されている。
【0010】
入口および出口は、例えば、管状部材によって形成されることができる。これらの管は、公知の方法で配管系統に接続されることができる。好ましくは、管状入口および出口には、配管系統に接続するためのねじ、好ましくは雄ねじが設けられる。さらに好ましい実施形態によれば、入口および出口の少なくとも一方、好ましくは双方には、液体の流れを遮断することを可能にする流れ遮断手段が設けられる。これは、システム全体の水の流れを中断する必要なく流れ調整装置の容易な取り外しを可能にする。流れ遮断装置は、例えば蛇口が設けられているものであり、そのため、公知であり、例えばねじを備えた入口または出口を用いて結合装置に接続されることができる。
【0011】
ホルダ内に保持された装置に対して移動可能なロック装置を提供することにより、一方では、ロック装置が装置と係合するときにしっかりとした相互接続が得られ、他方では、装置から離れるようにロック装置を移動させることにより、装置は、効率的に取り外されることができる。
【0012】
配管系統のコンパクトさおよび設置の容易さのために、入口および出口が実質的に整列されている場合が好ましい。入口および出口は、好ましくは、配管系統に接続するように配置された管状部分の形態である。そして、入口および出口の管、すなわちその長手方向または流れ軸は、結合装置が配管系統の直線部分に容易に組み込まれることができるように好ましくは整列される。したがって、入口および出口は、入口から出口への流れ方向に沿って流れ軸に平行に少なくとも実質的に整列していることが好ましい。そして、ロック装置が流れ軸に沿って、より好ましくは流れ軸のみに沿って移動可能である場合、効率的なロック機構が得られる。これにより、ホルダ内に保持された装置は、方向の力が作用する傾向にある流れの方向にロックされる。最も好ましくは、ロック位置は、ロック解除位置に対する流れの方向にある。
【0013】
さらに好ましい実施形態によれば、ホルダは、流れ調整装置の第1の端部を受け入れるように配置されたベースを備え、ロック装置は、流れ調整装置の第1の端部と反対側の第2の端部と係合するように構成され、ロック装置は、前記ベースに対して移動可能である。これにより、ホルダおよびロック装置は、両側において流れ調整装置と係合し、それにより、効率的なロック動作を得る。特に、ロック装置が上述したように流れの方向に沿って移動可能であるとき、ロック位置において信頼性の高いロック動作が得られる。
【0014】
ホルダは、流れ調整装置を受け入れて保持するように構成され、流れ調整装置は、好ましくは、送り込み部および送り出し部も備えている。好ましくは、結合装置は、少なくとも1つの流れ制限装置/調整装置を内部に備えた略円筒形状のハウジングを受け入れるように構成されている。そのような装置は、参照することによって本明細書に組み込まれる国際公開第2015/069114号に記載されている。送り込み部および送り出し部は、好ましくは、円筒の上面および下面に配置される。
【0015】
少なくともロック位置では、入口から流れ調整装置を通って出口に向かう流れを可能にするように、流れ調整装置の送り込み部または入口は、結合装置の入口に結合される必要があり、流れ調整装置の送り出し部または出口は、結合装置の出口に結合される必要がある。
【0016】
そして、上述したようなロック装置およびホルダのベースのうちの少なくとも一方が、流れ調整装置の送り込み部または送り出し部と協働するように構成されていることが好ましい。ロック装置またはそのベースは、好ましくは、前記送り込み部または送り出し部と結合する導管を備える。そして、前記導管は、好ましくは、結合装置の入口または出口に結合されるかまたは流れ出る。
【0017】
ロック装置およびベースの双方がホルダ内に保持された流れ調整装置の送り込み部および送り出し部と協働するように構成されている場合が好ましい。特に、ベースおよびロック装置がその間に流れ調整装置を受け入れるように配置されている場合、コンパクトで効率的な結合装置が得られる。そして、ロック装置が上述したようにこの流れ軸に沿って移動可能である場合がさらに好ましく、それぞれ送り込み部および送り出し部を備えた流れ調整装置の端面における、流れ調整装置と結合装置、特にロック装置とそのベースとの間の締め付け接続を可能にする。
【0018】
ロック装置の導管は、例えば、管状部材によって画定されてもよく、前記管状部材は、少なくともロック位置で入口または出口に流れ出るかまたは結合される。より一般的には、それゆえに、ロック装置が少なくともロック位置で結合装置の入口および出口のうちの少なくとも一方に流れ出る管状部材を備えることが好ましい。ロック位置では、管状部材は、好ましくはクランプ作用で流れ調整装置の送り込み部または送り出し部のうちの一方と協働し、それによって、管状ロック装置と流れ調整装置との間にしっかりとした確実な接続を達成する。そして、管状ロック装置の反対側の端部は、結合装置の入口または出口に流れ出るかまたは結合され、それにより、入口と送り込み部、または出口もしくは送り出し部との間にそれぞれ導管を形成する。
【0019】
さらに好ましい実施形態によれば、入口または出口、好ましくは入口は、供給管を備え、ロック装置の管状部材は、管状部材がロック位置とロック解除位置との間を移動するために供給管に沿って移動可能であるように、供給管に対して同軸に配置されている。そして、管状ロック装置は、管状入口または出口内またはそれらの周囲に受け入れられ、前記管状入口または出口、すなわち供給管に対して移動することが可能にされる。供給管は、好ましくは、流れ調整装置に接触しないように寸法決めされており、したがって、流れ調整装置から所定距離だけ延伸し、管状ロック装置は、ロック位置で供給管と流れ調整装置との間の所定距離をブリッジするように構成されている。したがって、少なくともロック位置では、ロック装置の管状部材は、供給管を流れ調整装置、特にその送り込み部または送り出し部に結合するように供給管から突出している。
【0020】
一般に、結合装置、特に上述したようなそのホルダに対するロック装置の移動は、好ましくは手動でロック手段を移動させるように構成された適切な移動手段によって達成されることができる。例えば、ロック装置を移動させるためのロック可能ハンドルが設けられることができる。他の線形移動手段もまた想定される。
【0021】
ロック装置の管状部材がロック装置を移動させるためのねじを備えているとき、効率的な移動が達成される。そして、回転は、ロック装置の移動を可能にするが、ねじは、好ましくはロック装置の移動方向に平行であるねじ方向に沿った意図しない移動に対して良好な抵抗を提供する。
【0022】
例えば、ロック装置の管状部材および供給管が協働するねじによって係合することが可能である。そして、供給管に対する管状部材の回転は、ロック装置の管状部材の移動をもたらす。また、ここでは、回転を可能にするのに適したハンドルを設けることができる。
【0023】
ロック装置の管状部材を効率的に移動させることができるように、管状部材が供給管の周りに同軸に配置されていることが好ましい。そして、結合装置は、好ましくは、ロック装置の管状部材を供給管に対して移動させるための適切な移動手段を備えている。
【0024】
ロック装置の管状部材が雄ねじまたはラックを備えている場合、効率的な移動が可能であり、結合装置は、前記管状部材を移動させるために管状部材のねじと係合するように構成された回転部材をさらに備える。このねじを歯車、ピニオンまたはスプロケットなどの回転部材に係合させることによって、管状部材は、効率的に移動されることができる。回転部材の移動は、好ましくは、前記部材のみの回転に制限される。回転部材は、結合装置のフレームによって支持されることが好ましい。そのようなフレームは、例えば、入口と出口とを相互接続することができ、ロック解除位置に流れ調整装置を通過させることができる相互距離に延在する接続ビームを備えることができる。
【0025】
さらに好ましい実施形態によれば、回転部材は、ロック装置の管状部材の周りに同軸に配置され、回転部材は、管状部材の雄ねじと協働する雌ねじを備え、回転部材は、結合装置のフレームに回転可能に取り付けられる。そして、回転部材の回転は、ロック装置の管状部材の移動をもたらす。回転部材は、例えば、上述した回転部材の回転以外の変位が防止されるように、フレーム内の対応する形状の溝に受け入れられてもよい。
【0026】
回転部材をロックするために、フレームおよび回転部材は、好ましくは、ピンを受け入れるための一致孔を備えている。好ましくは、回転部材は、その周囲に複数の前記孔を備えている。
【0027】
例えば上流の圧力調整装置に起因する流線内の変動する圧力のいかなる悪影響も低減するために、結合装置が流路内に減衰手段を備えることが好ましい。減衰手段またはダンパは、例えば、管の1つに含まれる弾性材料の管状部分を備えることができる。好ましくは、減衰手段は、好ましくは流れ調整装置の上流に配置される入口または供給管に設けられる。
【0028】
本明細書で使用される流れ調整装置という用語では、装置は、例えば流速または圧力の観点で流れを何らかの方法で調整することを意味することに留意されたい。好ましくは、流れ調整装置は、流れ制限装置を備える。本発明は、さらに、配管系統から流れ調整装置を結合および切り離す装置に特に限定されない。本発明の装置は、ふるい、センサなどの配管系統での使用のために他の装置を結合および切り離すために使用されることができる。また、結合装置は、水配管系統以外の配管系統から装置を結合および切り離すために使用されることも可能である。装置は、液体さらには流体を搬送する任意の配管または管状系統に適用されることができる。
【0029】
本発明は、さらに、流れ調整装置を備えた本発明にかかる結合装置と、本発明にかかる結合装置を備えた水配管系統を備えた建物とに関する。
【0030】
本発明は、さらにまた、ロック装置をロック解除位置に移動させ、流れ調整装置を結合装置から取り外すステップを備える、本発明にかかる結合装置を備えた水配管系統から流れ調整装置を切り離す方法に関する。
【0031】
本発明は、本発明にかかる装置の好ましい実施形態を示すが本発明の範囲を限定するものではない。以下の図によりさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1b】
図1bは、流れ調整装置を備えた結合装置を示している。
【
図3a】
図3aは、ロック解除位置にある結合装置の断面図を示している。
【
図3b】
図3bは、ロック解除位置にある結合装置の側面図を示している。
【
図4】
図4は、結合装置からの流れ調整装置の取り外しを示している。
【
図5a】
図5aは、流れ遮断装置を備えた結合装置の別の流れ調整装置の斜視図を示している。
【
図5b】
図5bは、流れ遮断装置を備えた結合装置の別の流れ調整装置の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1aにおいて、入口管2に設けられたねじ21と出口管3に設けられたねじ31とを用いて水配管系統に結合されるように構成された結合装置1が示されている。結合装置1は、
図1bおよび
図2も参照すると、流れ調整装置8を受け入れるように配置されたホルダ4を備えている。
【0034】
そのような流れ調整装置8は、送り込み部84を備えた第1の面81と送り出し部83を備えた第2の面82とを有する円筒形状を有する。この例では、送り込み部84は、ふるい85を備えている。調整装置8のハウジング89には、隔壁88が送り込み部84と送り出し部83との間に設けられ、隔壁88は、開口86を備えている。1つの開口86には、流れ調整要素9が受け入れられている。流れ調整および制限要素9は、流れ調整装置8の送り込み部84と送り出し部83との間の流れを制限する。
【0035】
結合装置1に戻ると、結合装置1は、2つの端板61および62を備え、その間に構造的な方法で入口2と出口3とを相互接続するビーム63が延在している。
図1aおよび
図2から最もよくわかるように、ビームは、流れ調整装置8のハウジング89を受け入れるための凹部43を備えている。
【0036】
端板61は、ホルダ4のベース41を形成し、出口管3への導管を形成する突出リング42を備えている。送り出し部83を有する端面82は、リング42を密着させるように配置された凹溝82aを備えている。液密接続を保証するために、その間にガスケットまたはOリング42aが設けられている。
【0037】
入口管2は、入口管2および出口管3の双方の長手方向軸と一致する流れ軸Aに沿って見たときに端板を越えて延在し、供給管22を形成する。供給管22は、可撓性材料のダンパ24が受け入れられる凹溝23を備えている。
【0038】
図2では、供給管22の外側端部が、流れ調整装置8の送り込み部84から距離dだけ延在していることがわかる。この距離dは、供給管22の周りに同軸に配置されたロック管5によってブリッジされる。ロック管5の外側端部52は、流れ調整装置8の表面81と係合し、ロック管5と送り込み部84との間の液密接続を得るためにその送り込み部84と協働する。これにガスケットまたはOリング84aがさらに設けられている。
【0039】
ロック管5のロック位置では、流れ調整装置8は、ロック管5の外側端部52およびベース41によって密閉されている。したがって、流れ方向Aに沿った方向への流れ調整装置8のいかなる移動も防止される。対応する形状の溝82aに受け入れられたリング42と、送り込み部84の突出リングの周りに係合する外側端部52は、流れ方向Aに垂直な方向への移動を制限する。また、ビーム63は、この移動を制限するのを助ける。
【0040】
例えば、保守のためにまたはハウジング89内の制限要素9の量および/または種類を変更することによって流れ制限特性を変更するために流れ調整装置8が取り外される必要がある場合、ロック管5は、ロック解除位置に移動される必要がある。したがって、流れ調整装置8をロック解除するために、ロック管5は、ホルダ4、特にそのベース41から離れるように移動可能である。調整装置8を再びロックするために、管5はまた、調整装置8の端面81に再び係合するように前記ベース41に向かって移動可能である。
【0041】
ホルダ4、それによりその内部に保持された調整装置8に対するロック管5の移動を可能にするために、管5は、ロック管5がその上を摺動することが可能にされるように供給管22の周りに同軸に配置されている。ロック管5の内径は、供給管22の外径に対応している。
【0042】
ロック管5の外周面の一部は、回転ディスク7の雌ねじ71と協働するように配置されたねじ51を備えている。回転ディスク7は、結合装置1に対して回転可能であり、ビーム63の溝64に受け入れられて保持される。したがって、ディスク7の流れ方向Aへの移動が防止される。使用時において、結合装置1から調整装置8を取り外すことが望まれない場合には、ビーム63に設けられた孔およびディスク7の周面における孔74を介してピン73を挿入することにより、ディスク7の回転が防止されることができる。
【0043】
この例では流れ軸Aと一致する回転軸に沿ってディスク7が回転すると、ねじ71、51が協働し、それにより、ロック管5を流れ軸Aに沿って移動させる。
図3aおよび
図3bにおいて、ロック管5は、ロック管5の外側端部52が供給管22の外側端部と一致するようにディスク7の回転によって移動している。外側端部52とベース41との間の距離は、ここで調整装置8が流れ軸Aに沿って移動可能であるように増加している。この点で、調整装置の端面82とベース41との間の距離も参照されたい。リング42は、
図4における矢印IIによって示すように、調整装置8が結合装置から離れるように半径方向に移動されることができるように、ここでは溝82aを有していない。
【0044】
ステップを逆の順序で繰り返すことにより、調整装置8を結合装置1に挿入してロックすることができる。
【0045】
図5aおよび
図5bから、異なるサイズの調整装置8aもまた効率的に受け入れられることができることになる。この例では、単一の制限要素9のみが調整装置8のハウジング89の開口86に保持されている。送り出し部83および送り込み部84は、第1の例の調整装置にしたがって成形される。大型の調整装置の場合、結合装置1は、例えば端板61および62を直径に関して拡大しおよび/または前記端板61および62の間の距離を増大させることによってカスタマイズされることができる。
【0046】
図5aおよび
図5bには、入口2および出口3にそれぞれ設けられた閉鎖要素9aおよび9bも示されている。閉鎖要素9aおよび9bは、閉鎖要素9aおよび9bを通る液体の流れを閉じるためにノブ94を回すことによって操作されることができる蛇口91を備えている。閉鎖要素9aおよび9bは、対応するねじ92を使用して入口2および出口3に接続される。他端はまた、水系統の配管に接続するためのねじ93を備えている。
【0047】
本発明は、示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれる他の実施形態にも拡張される。