【実施例】
【0121】
実施例1
本実施例は、化合物ABX196および腫瘍抗原を含むワクチン組成物がドキソルビシンなどの化学療法剤または抗PD−1抗体などの免疫療法剤の抗がん効果を高めることを示す。
【0122】
1.材料および方法
1.1.化合物
用いたワクチン組成物は、ペプチドCl II−TRP2
180−188およびABX196アジュバントを含む。
【0123】
配列KFGWTGPDCNRKKPA GG NCSVYDFFVWLHYY(配列番号1)のペプチドCl II−TRP2
180−188は、メラニン細胞内で過剰発現される腫瘍関連抗原のチロシナーゼ関連タンパク質2からの免疫優性ペプチド(SVYDFFVWL(配列番号3))と融合されたクラスIIエピトープ(KFGWTGPDCNRKKPA(配列番号2))からなる。
【0124】
アジュバントABX196は、NKT細胞を活性化する特性を有する。
【0125】
用いた化学療法剤は、ドキソルビシンであった(DOXO CELL,Cell Pharm)。
【0126】
用いた免疫療法剤は、抗PD−1抗体であった(参照:BE0146,BioXcell;クローン:RMP1−14、反応性:マウス;アイソタイプ:ラットIgG2a;貯蔵条件:+4℃)。
【0127】
1.2.化合物媒体
ドキソルビシンをNaCl0.9%で希釈した。
【0128】
製造業者の推奨に従い、抗PD−1抗体をリン酸緩衝食塩水(PBS)または他の好適な溶媒で調製した。
【0129】
Cl II−TRP2ペプチド(5mg/チューブ)を50mg/mLの濃度でDMSOに再懸濁した。
【0130】
アジュバントABX196を250μg/mLの溶液として準備した。
【0131】
Cl II−TRP2ペプチドおよびABX196を含有するワクチンの最終製剤をリン酸緩衝食塩水(PBS)中で調製した。
【0132】
3日目に群1で用いた媒体溶液(セクション2.1.2.を参照されたい)は、CL II−TRP2/ABX196ワクチンに関して同じ最終濃度においてリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈したDMSOを含有した。
【0133】
1.3.治療用量
ペプチドCl II−TRP2は、1μgのアジュバントABX196とともに50μg/マウスの用量で投与した。
【0134】
抗PD−1抗体は、10mg/kgの用量で投与した。
【0135】
ドキソルビシンは、12mg/kgの用量で投与した。
【0136】
1.4.投与経路
ワクチン組成物は、静脈内経路によりマウスの尾側静脈に注射した(IV、ボーラス)。
【0137】
抗PD−1抗体は、マウスの腹膜腔に注射した(腹腔内、IP)。
【0138】
ドキソルビシンは、マウスの尾側静脈に静脈内注射した(IV、ボーラス)。
【0139】
すべての群において、ワクチン組成物は、マウスの直近体重に応じて、10mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した(すなわち体重が20gのマウス1匹に対してワクチン組成物200μLを投与した)。
【0140】
1.5.がん細胞株および培養条件
1.5.1.がん細胞株
用いた細胞株は、下の表1に詳細に示す。
【0141】
【表2】
【0142】
B16−F10細胞株は、C57BL/6Jマウスにおいて自然発生するメラノーマに起因する肺転移から樹立した。
【0143】
1.5.2.細胞培養条件
細胞を、それら各々の培地において、加湿雰囲気中(5%CO
2、95%空気)、37℃、単層で増殖させた(下表を参照されたい)。培地は、10%ウシ胎仔血清(参照:3302,Lonza)を添加した、2mMのL−グルタミン(参照:BE12−702F,Lonza,Verviers,Belgium)を含有するDMEMであった。腫瘍細胞は、プラスチックフラスコに接着する。実験使用のため、腫瘍細胞を、カルシウムまたはマグネシウムを含まないハンクス培地(参照:BE10−543F,Lonza)中、トリプシン−バーゼン液(参照:BE17−161E,Lonza)で5分間処理することにより培養フラスコから剥離し、完全培地の添加により中和した。細胞を血球計数器で計数し、それらの生存度を0.25%トリパンブルー排除アッセイにより評価した。
【0144】
1.6.動物の使用
1.6.1.動物
6〜7週齢の健常な雌C57BL/6(C57BL/6J)マウス95匹をJANVIER LABS(Le Genest−Saint−Isle,France)から入手した。動物は、FELASAガイドラインに従い、SPF健康状態で維持した。
【0145】
動物収容および実験手順は、French and European RegulationsおよびNRC Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに準じて実現した。
【0146】
1.6.2.収容条件
動物は、次の制御された環境条件下において収容室内で維持した。
− 温度:22±2℃、
− 湿度55±10%、
− 光周期(12時間明/12時間暗)、
− HEPA濾過空気、
− 再循環なしで空気交換15回/時間
【0147】
動物収容では、下記の通り、ベッディング材料、食料および水、環境および社会エンリッチメントを有する滅菌された十分なスペースを提供した(グループ収容)。
− 上面フィルター、ポリカーボネート製Eurostandard Type IIIまたはIVケージ、
− トウモロコシ穂軸のベッディング(参照:LAB COB12,SERLAB,France)、
− 25kGyの照射食餌(Ssniff(登録商標)Soest,Germany)、
− 免疫担当齧歯類用の完全食物−R/M−H Extrudate、
− 水0.2μmで滅菌濾過、
− 環境エンリッチメント(SIZZLE−dri kraft−D20004 SERLAB,France)
【0148】
2.治療
2.1.皮下B16−F10メラノーマ保有マウスにおけるPD−1標的化抗体またはドキソルビシンと組み合わせた新規ワクチンの抗腫瘍活性試験
2.1.1.動物におけるB16−F10腫瘍の誘発
PBS緩衝液200μL中、1×10
6個のB16−F10細胞のC57BL/6雌動物95匹の右側腹部への皮下注射により、腫瘍を誘導した。右側腹部への腫瘍細胞注射の日をD0とみなした。
【0149】
2.1.2.治療スケジュール
次にD3に95匹中90匹を、それらの体重に従い、各群が動物15匹からなる6群(群1〜6)に無作為化した。
【0150】
統計学的試験(分散の分析、ANOVA)を実施し、Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて群間の均一性について試験した。
・群1からの動物は、3日目にワクチン組成物用に用いる媒体の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体用に用いる媒体の4回のIP投与とを受けた。
・群2からの動物は、3日目に1μgのABX196とともに50μgのCl II−TRP2の1回のIV注射を受けた。
・群3からの動物は、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与を受けた。
・群4からの動物は、3日目に1μgのABX196とともに50μgのCL II−TRP2の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与とを受けた。
・群5からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射を受けた。
・群6からの動物は、3日目に1μgのABX196とともに50μgのCL II−TRP2の1回のIV注射と、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射とを受けた。
【0151】
治療スケジュールを下の表2にまとめる。
【0152】
【表3】
【0153】
2.2セクションに記載のように動物の監視を実施した。
【0154】
2.2.動物の監視
2.2.1.臨床的監視
生存度および挙動を毎日記録した。体重は、腫瘍細胞の注射まで週2回、次に週3回測定した。腫瘍の長さおよび幅をノギスで週3回測定し、腫瘍の体積を式:
【数1】
により評価した。
【0155】
2.2.2.人道的エンドポイント
− 疼痛、苦痛または窮迫の徴候:痛み姿勢、痛みフェイスマスク(pain face mask)、挙動、
− 正常体重の10%を超える(個別腫瘍を考慮)が、1,500mm
3を超えない(右側腹部の腫瘍体積/MFPと左側腹部の腫瘍体積/MFPとの和を考慮)腫瘍、
− 異所運動または栄養に干渉する腫瘍、
− 潰瘍化腫瘍または組織侵食、
− 2連続日での20%の体重減少状態、
− 身体状態不良、るいそう、悪液質、脱水、
− 外部刺激に対する自発的応答不在の遷延、
− 迅速な努力性呼吸、貧血、有意な出血、
− 神経性徴候:旋回、痙攣、麻痺、
− 持続的な体温低下、
− 腹部膨満。
【0156】
2.2.3.剖検
実験を終了したすべての動物、可能であれば、すべての安楽死・瀕死動物または死亡が認められた動物に対して剖検(肉眼検査)を実施した。
【0157】
2.3.動物手順
2.3.1.麻酔
腫瘍接種および静脈内注射においてイソフルランガス麻酔を用いた。
【0158】
2.3.2.安楽死
動物の安楽死は、過剰用量(イソフルラン)によるガス麻酔、その後の頸部脱臼または全採血により実施した。
【0159】
3.データ処理
3.1.健康パラメータ
Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて以下の健康評価基準を決定した。
− 動物の各体重および平均体重を準備した。
− 平均体重変化(MBWC):パーセントでの治療動物の平均体重変化(B日目の体重からA日目の体重を引いてA日目の体重で除したもの)を算出した。MBWCを算出した区間を体重曲線および体重測定日の関数として選択した。
【0160】
3.2.有効性パラメータ
対照動物と比べた治療動物の腫瘍体積に対するワクチン組成物の効果の観点で治療有効性を評価した。Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて、抗腫瘍有効性の以下の評価基準を決定した。
− 個別の腫瘍体積の平均および中央値を準備した。
− 腫瘍を有しないマウスの数を準備した。
マウスの生存をさらに監視し、有効性パラメータとして用いた。生存曲線を描いた。
【0161】
治療/対照パーセント(T/C(%)指数)は、14日目に治療腫瘍体積中央値を対照腫瘍体積中央値で除し、100を掛けることにより算出する。42%以下のT/C%は、がん治療部の薬剤評価部門(NCI)により、有意な抗腫瘍活性とみなされる。
【数2】
腫瘍増殖阻害は、同様に抗腫瘍有効性を反映したものであり、式:
【数3】
に従って算出する。50%を超える%TGIは、活性型とみなされる。
【0162】
3.3.統計分析
規定の時点での平均腫瘍体積は、すべての治療において、クラスカル・ウォリス検定を用いるGrapadPrismソフトウェア(バージョン6.07)で分析した。すべての治療間の有意差(P<0.05)に続き、ダンの多重比較検定を用いてペアワイズ比較を行った。GrapadPrismソフトウェア(バージョン6.07)でのログランク(マンテル・コックス)検定を用いて、生存を分析した。すべての治療間の有意差(P<0.05)に続き、ログランク(マンテル・コックス)検定を用いてペアワイズ比較を行った。
【0163】
4.結果
4.1.皮下B16−F10メラノーマ保有マウスにおけるPD−1標的化抗体またはドキソルビシンと組み合わせた本発明のワクチン組成物(TRP2−ABX196)の抗腫瘍活性試験
4.1.1.毒性パラメータ
平均体重曲線を決定し、マウス個別体重に対する治療の効果を試験した。
【0164】
全身状態における悪化は認められず、臨床状態は、治療動物において、治療群を問わず試験中に良好なままであった。
【0165】
TRP2−ABX196で免疫したマウスの3群において、免疫後2日目に重要な体重減少、すなわち約10%を測定した。体重減少は、すべてのマウスにおいて一過性であり、5日目にそれらは迅速に体重が回復した。
【0166】
治療期間中に体重が安定化した、TRP2−ABX196とドキソルビシンとの組み合わせで治療したマウスを除いて、他のすべての治療群において体重進化が同様であった。
【0167】
したがって、ワクチンTRP2−ABX196の単独または組み合わせ投与後の一過性の体重減少を除いて、すべての治療は、B16−F10腫瘍を有するC57BL/6Jマウスで十分に耐容性があった。
【0168】
4.1.2.抗腫瘍活性分析
個別の腫瘍体積の平均および中央値曲線を
図1および3に示す。
【0169】
マウス生存曲線を
図2および4に示す。
【0170】
日数における生存時間中央値の概要を下の表3に示す。
【0171】
【表4】
【0172】
D17での腫瘍体積の統計分析を下の表4に示す。
【0173】
【表5】
【0174】
D19での腫瘍体積の統計分析を下の表5に示す。
【0175】
【表6】
【0176】
3つの亜群内のD17およびD19での腫瘍体積の統計分析を下の表6に示す。
【0177】
【表7】
【0178】
マウス生存の統計分析を下の表7に示す。
【0179】
【表8】
【0180】
【表9】
【0181】
抗PD−1抗体と組み合わせたTRP2−ABX196の抗腫瘍活性分析
B16−F10腫瘍保有マウスをD3にTRP2−ABX196ワクチン、D10、D14、D17およびD21に抗PD−1抗体または両方の組み合わせで治療した。腫瘍増殖の動力学を
図1に示す。
【0182】
予想通り、媒体治療群と比べて抗PD−1抗体治療に関連した抗腫瘍活性は認められなかった。それらの観察結果は、T/CおよびTGI値により支持され、それは、抗PD−1が任意の活性を示す(表8;T/C>42%およびTGI<50%)ことを示す。それに対し、マウスのTRP2−ABX196での治療の結果、B16−F10腫瘍の増殖が媒体治療群の場合と比べて緩徐化した。T/CおよびTGI値は、TRP2/ABX196活性の抗腫瘍活性を示す(表8;T/C<42%およびTGI>50%)。TRP2/ABX196の抗腫瘍活性は、抗PD−1抗体と組み合わせてさらに改善され、後者の群では最大14日の腫瘍増殖の完全な安定化が認められたが、それは、T/CおよびTGI値(表8)の各々が15%未満および90%超であることからも示される。それらの値は、NCIガイドラインによると、15%未満のT/Cが治療の効力が高いことを示すことから、非常に有効な治療であることを示す。
【0183】
D17での腫瘍増殖の厳密で徹底的な統計分析(表5)は、すべての群間の腫瘍体積の有意差、ならびにTRP2−ABX196ワクチンおよび抗PD−1のみで治療したマウスの群における腫瘍体積の媒体治療群と比べて高度に有意な減少を示した。
【0184】
統計分析の検出力を増強することを目的として、かつ組み合わせ群対ワクチン治療群における差異が証明されたことから、続いて3つの群、すなわちTRP2−ABX196、TRP2−ABX196+抗PD−1抗体およびTRP2−ABX196+ドキソルビシンの場合に統計分析を実施した(表6)。この分析によると、TRP2−ABX196と、抗PD−1抗体と組み合わせたTRP2−ABX196との間でD17に腫瘍体積の有意な減少が示された一方、この差異は、19日目に有意性に達しなかった。
【0185】
マウス生存について
図2に図示する。TRP2−ABX196で治療したマウスおよび抗PD−1抗体と組み合わせたTRP2−ABX196で治療したマウスの生存は、媒体治療群の場合と比べて有意に改善された一方(表7)、その増加は、組み合わせ治療では、TRP2−ABX196ワクチン単独と比べて有意性に接近した(P=0.0710)。
【0186】
ドキソルビシンと組み合わせたTRP2−ABX196の抗腫瘍活性分析
B16−F10腫瘍保有マウスをD3にTRP2−ABX196ワクチン、D7にドキソルビシンまたは両方の組み合わせで治療した。腫瘍増殖の動力学を
図3に示す。
【0187】
ドキソルビシン単独で治療したマウスは、媒体治療群と比べて、腫瘍増殖の弱くて非有意な(表4および5)減少を示した。たとえTGIが50%よりやや高くても、T/C値は、42%より高いままであり、これは、ドキソルビシンの抗腫瘍効力の欠如を示す。ドキソルビシンと組み合わせたTRP2−ABX196の組み合わせで治療したマウスは、最大14日の腫瘍増殖の完全な安定化を示し、実験の完全な統計分析時、D17およびD19での腫瘍体積における減少は、媒体治療群に対して有意性に達した(表4および5)。TRP2/ABX196およびドキソルビシンの相乗効果についても、T/CおよびTGI値の各々が<42%および>50%であることにより示される(表8)。
【0188】
3群でのその後の統計分析(表6)によると、D17およびD19において、TRP2−ABX196と、ドキソルビシンと組み合わせたTRP2−ABX196との間に腫瘍体積の有意な減少が見出された。
【0189】
マウス生存について
図4に図示する。ドキソルビシンと組み合わせたTRP2−ABX196で治療したマウスの生存は、媒体治療群の場合と比べて有意に改善された一方(表7)、生存の増加は、各治療様式単独と比べて有意性に達しなかった。
【0190】
すべての実験群における生存中央値の合成を表3に示す。
【0191】
5.結論
本実施例の目的は、TRP2−ABX196ワクチンと抗PD−1抗体または化学療法剤ドキソルビシン(免疫原性細胞死を誘導することで知られる)のいずれかとを組み合わせることであった。
【0192】
試験化合物は、単独または組み合わせのいずれかであり、動物で十分に耐容性があり、薬物に関連した重篤な毒性も死亡も記録されなかった。
【0193】
TRP2−ABX196ワクチンを受けたすべての群において、10%に近い一過性の体重減少が認められたが、すべてのマウスは、迅速に、すなわち単回ワクチン注射から2〜5日後にそれらの正常体重に回復した。
【0194】
TRP2−ABX196ワクチンで治療したマウスの生存は、媒体治療群と比べて有意に改善された。両方の組み合わせ群において、抗腫瘍活性は、ワクチン単独と比べてさらに改善され、21日の生存中央値は、抗PD−1抗体またはドキソルビシンと組み合わせると、各々が28および26日に増加した。TRP2−ABX196ワクチンと抗PD−1抗体との組み合わせの場合でのワクチン単独に対する生存の増加は、ほぼ有意であった(P=0.071)。たとえTRP2/ABX196およびドキソルビシン治療が抗腫瘍効果を示しても、それらの治療は、本発明の組み合わせ(ABX196+抗PD−1または+ドキソルビシン)により改善されるが、それは、マウスが組み合わせを用いて治療されるときにT/C比が16%より低いことから示される(表8を参照されたい)。NCIガイドラインによると、15%未満では、治療は、非常に有効とみなされる。同様に、TGI(腫瘍増殖阻害)は、組み合わせ治療の存在下で最大78%であり、組み合わせ治療が非常に有効であることが示される。
【0195】
これらの結果は、B16−F10モデルの強力な攻撃性およびそのそれほど顕著でない免疫原性との関連で注目に値する。特に、実験は、多回注射される腫瘍細胞(すなわち百万回/動物)を用いて実施していることから、それは、腫瘍の完全退縮が認められなかった理由を潜在的に説明し得る。
【0196】
実施例2
本実施例は、アジュバントとして他のα−ガラクトシルセラミド誘導体を含む他のワクチン組成物と比べた、アジュバントとしてABX196を含む本発明のワクチン組成物を用いて得られる具体的効果を説明する。
【0197】
材料および方法
実験は、マウスに5×10
5個のB16−F10細胞を投与した以外、実施例1に記載のように実施した。
【0198】
用いた他のα−ガラクトシルセラミド誘導体は、以下の式:
【化17】
のα−GalCerであった。
【0199】
第1の実験の治療スケジュールは、次の通りであった。
【0200】
【表10】
【0201】
第2の実験の治療スケジュールは、次の通りであった。
【0202】
【表11】
【0203】
第3の実験の治療スケジュールは、次の通りであった。
【0204】
【表12】
【0205】
第4の実験の治療スケジュールは、次の通りであった。
【0206】
【表13】
【0207】
1群あたりマウス5匹を屠殺し、D12およびD16に剖検した。腫瘍を収集し、以下の集団のフローサイトメトリー分析を実施した。
・T細胞傷害性集団:CD45+/CD3+/CD8+/TNFα/パーフォリン/グランザイム
・Treg集団:CD45+/CD3+/CD4+/CD8−/FoxP3+
【0208】
実施例3
1.試験目的
異所性B16−F10メラノーマモデルにおけるABX196および実施例2に定義のようなα−Gal−Cerの抗腫瘍活性を評価する。異所性B16−F10メラノーマモデルにおけるドキソルビシン治療と組み合わせたABX196およびα−Gal−Cerの抗腫瘍活性を評価する。
【0209】
2.材料および方法
実験は、以下を除いて実施例1と同様である。
【0210】
試験および参照物質媒体
ドキソルビシンをNaCl0.9%で希釈した。ABX196を250μg/mLの溶液として提供した。α−Gal−Cerを1mg/mLの溶液として提供した。ABX196またはαGalCerの希釈をPBS緩衝液で実施した。7日目に群1で用いる媒体溶液は、ABX196試験アイテムと同じ最終濃度においてリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈したDMSOを含有した。
【0211】
治療用量
ABX196およびα−Gal−Cer化合物を10または100ng/マウスの用量で投与した。ドキソルビシンを12mg/kgの用量で投与した。
【0212】
投与経路
試験物質は、静脈内経路によりマウスの尾側静脈に注射した(IV、ボーラス)。ドキソルビシンは、マウスの尾側静脈に静脈内注射した(IV、ボーラス)。
【0213】
すべての群において、試験物質(ABX196およびα−Gal−Cer)は、マウスの直近体重に従い、5mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した(すなわち体重が20gのマウス1匹に対して100μLの試験物質を投与した)。ドキソルビシンを10mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した。
【0214】
3.実験設計および治療
3.1.1.動物におけるB16−F10腫瘍の誘導
PBS緩衝液200μL中、5×10
5個のB16−F10細胞の195匹のC57BL/6雌動物の右側腹部への皮下注射により、腫瘍を誘導した。右側腹部への腫瘍細胞注射の日をD0とみなした。
【0215】
3.1.2.治療スケジュール
次に、D7において、195匹中150匹の動物を、それらの腫瘍体積に従い、各群が動物15匹からなる10群(群1〜10)に無作為化した。D7の体積が小さすぎる場合、特にマウスが測定可能な腫瘍を示さない場合、それらの体重に従い、無作為化を実施した。
【0216】
群間の均一性について試験するため、Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて統計学的試験(分散分析)を実施した。
【0217】
治療スケジュールを下表にまとめる。
【0218】
【表14】
【0219】
・群1からの動物は、7および10日目に試験物質媒体の1回のIV注射を受けた。
・群2からの動物は、10日目に10ngのABX196の1回のIV注射を受けた。
・群3からの動物は、10日目に10ngのα−Gal−Cerの1回のIV注射を受けた。
・群4からの動物は、10日目に100ngのABX196の1回のIV注射を受けた。
・群5からの動物は、10日目に100ngのα−Gal−Cerの1回のIV注射を受けた。
・群6からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射を受けた。
・群7からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射と、10日目に10ngのABX196の1回のIV注射とを受けた。
・群8からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射と、10日目に100ngのABX196の1回のIV注射とを受けた。
・群9からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射と、10日目に10ngのα−Gal−Cerの1回のIV注射とを受けた。
・群10からの動物は、7日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射と、10日目に100ngのα−Gal−Cerの1回のIV注射とを受けた。
【0220】
実施例4
1.試験目的
パート1:異所性B16−F10メラノーマモデルにおけるワクチンCL II−TRP2/ABX196またはCL II−TRP2/α−Gal−Cerと抗PD−1抗体との組み合わせの抗腫瘍活性を評価する。
パート2:CL II−TRP2/ABX196ワクチンの単独または抗PD−1抗体治療との組み合わせで治療したマウスからのB16−F10腫瘍における免疫浸潤物の特徴付け。
【0221】
2.材料および方法
実験のパート1は、以下を除き、実施例1と同様である。
【0222】
試験および参照物質媒体
製造業者の推奨に従い、抗PD−1抗体をリン酸緩衝食塩水(PBS)または他の好適な媒体中で調製した。Cl II−TRP2ペプチド(5mg/チューブ)を50mg/mLの濃度でDMSOに再懸濁した。アジュバントABX196を250μg/mLの溶液として準備した。アジュバントα−Gal−Cerを1mg/mLの溶液として準備した。Cl II−TRP2ペプチドおよびABX196を含有するワクチンの最終製剤をリン酸緩衝食塩水(PBS)中で調製した。3日目に群1で用いた媒体溶液は、CL II−TRP2/ABX196ワクチンについて同じ最終濃度においてリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈したDMSOを含有した。
【0223】
治療用量
ペプチドCl II−TRP2を100ngのアジュバントABX196またはα−Gal−Cerとともに50μg/マウスの用量で投与した。抗PD−1抗体を10mg/kgの用量で投与した。
【0224】
投与経路
試験物質は、静脈内経路によりマウスの尾側静脈に注射した(IV、ボーラス)。抗PD−1抗体は、マウスの腹膜腔に注射した(腹腔内、IP)。
【0225】
すべての群において、試験物質は、マウスの直近体重に従い、5mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した(すなわち体重が20gのマウス1匹に対して100μLの試験物質を投与した)。抗PD−1抗体を10mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した。
【0226】
3.実験設計および治療
パートI:皮下B16−F10メラノーマ保有マウスにおけるPD−1標的化抗体と組み合わせたワクチンの抗腫瘍活性試験
i.動物におけるB16−F10腫瘍の誘導
PBS緩衝液200μL中、5×10
5個のB16−F10細胞の156匹のC57BL/6雌動物の右側腹部への皮下注射により、腫瘍を誘導した。右側腹部への腫瘍細胞注射の日をD0とみなした。
【0227】
ii.治療スケジュール
次に、D3において、156匹中120匹の動物を、それらの体積に従い、動物15匹からなる6群(群1〜6のACT2)および動物10匹からなる3群(群1〜3のACT3)の9群に無作為化した。
【0228】
群間の均一性について試験するため、Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて統計学的試験(分散分析)を実施した。
・群1からの動物は、3日目に試験物質媒体の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に試験参照媒体(抗体)の4回のIP投与とを受けた。
・群2からの動物は、3日目に100ngのABX196とともに50μgのCl II−TRP2の1回のIV注射を受けた。
・群3からの動物は、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与を受けた。
・群4からの動物は、3日目に100ngのABX196とともに50μgのCL II−TRP2の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与とを受けた。
・群5からの動物は、3日目に100ngのα−Gal−Cerとともに50μgのCl II−TRP2の1回のIV注射を受けた。
・群6からの動物は、3日目に100ngのα−Gal−Cerとともに50μgのCL II−TRP2の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与とを受けた。
【0229】
治療スケジュールを下表にまとめる。
【0230】
【表15】
【0231】
パートII:PD−1標的化抗体と組み合わせたワクチンで治療したマウスからのB16−F10メラノーマ腫瘍における免疫T細胞浸潤物の特徴付け
・群1からの動物は、3日目に試験物質媒体の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に試験参照媒体(抗体)の4回のIP投与とを受けた。
・群2からの動物は、3日目に100ngのABX196とともに50μgのCl II−TRP2の1回のIV注射を受けた。
・群3からの動物は、3日目に100ngのABX196とともに50μgのCL II−TRP2の1回のIV注射と、10、14、17および21日目に抗PD−1抗体の4回のIP投与とを受けた。
【0232】
治療スケジュールを下表にまとめる。
【0233】
【表16】
【0234】
D13およびD17において、腫瘍における免疫T細胞浸潤物を評価した。終了時、各群のマウス5匹から腫瘍を収集した。群2および3において、各収集日、すなわちD13およびD17において、応答および非応答マウス間でのバランス良い割合を収集した。
【0235】
各腫瘍をマウスからの除去後に秤量し、RPMI培地を有するチューブに移した。腫瘍を数mmサイズの小片に小刀で機械的に破壊し、最後に70μmの篩上で1mLのシリンジプランジャーを用いて粉砕した(参照:352350,FALCON)。次に、細胞をトリパンブルー染色後に計数し、百万個の細胞を遠心分離し、染色緩衝液(PBS(参照:17−516F,Lonza)、0.2%BSA(参照:A7030,Sigma,Saint−Quentin−Fallavier,France)、0.02%NaN
3(参照:S2002,Sigma))に再懸濁した。
【0236】
選択されたマーカーに特異的な抗体を、各抗体における供給業者によって記載される条件に従い、腫瘍細胞懸濁液に添加した。マーカーCD45、CD3、CD4、CD8を細胞表面上で検出した。細胞透過処理後、マーカーFoxP3、TNFα、パーフォリン、グランザイムを細胞内で検出した。各場合に陰性対照としてアイソタイプ対照抗体を用いた。2つの以下の集団を測定するために用いる抗体パネルを下表に列挙する。
・Treg細胞集団:CD45+/CD3+/CD4+/CD8−/FoxP3+
・T細胞傷害性集団:CD45+/CD3+/CD8+/TNFa/パーフォリン/グランザイム
【0237】
【表17】
【0238】
細胞および抗体の混合物を暗所、室温で20〜30分間インキュベートし、洗浄し、染色緩衝液200μLに再懸濁した。すべての試料をフローサイトメトリー分析まで氷上で貯蔵し、光から保護した。波長405、488および633nmでの3つの励起レーザーを備えたCyFlow(登録商標)spaceフローサイトメーター(LSR II,BD Biosciences)を用いて染色細胞を分析した。各試料について10,000のmCD45+事象のいずれかが記録されるまで、または2分間の最大持続時間にわたり、フローサイトメトリーデータを取得した。
【0239】
実施例5:抗PD−1抗体と組み合わせて静脈内または腫瘍内に投与したABX196の試験
1.試験目的
試験は、同系インビボメラノーマB16F10腫瘍保有マウスモデルで実施した。B16F10腫瘍細胞を免疫担当C57BL/6マウスに皮下接種した。
【0240】
0日目、メラノーマB16F10腫瘍細胞を、細胞を8〜10週齢雌C57BL/6マウスの側腹部に細胞を注射することにより皮下接種し、次に動物を対照(媒体としてPBS処理)群および治療群に無作為に割り当てた。
【0241】
抗PD−1抗体治療では、6、9、12、15および21日目、マウスに抗PD−1抗体を腹腔内(IP)注射した。さらに、ABX196を1用量で静脈内または腫瘍内に投与し、腫瘍サイズの平均が100mm
3に達する10日目に1回投与した。
【0242】
抗腫瘍有効性評価のための動物の薬理学的群を以下のように組織化した。
1群あたりマウス14〜15匹
インビボ有効性評価において全部でマウス90匹の場合、
− 対照媒体治療群(抗PD−1治療スケジュールに基づくPBS)
− 抗PD−1治療群(1用量での腹腔内投与)
− ABX196治療群(10日目に1用量での静脈内(iv)投与)
− 組み合わせ治療群(抗PD−1抗体の1用量での腹腔内(ip)投与と組み合わせた10日目にABX196の1用量での静脈内(iv)投与)
− ABX196治療群(10日目に1用量での腫瘍内(it)投与)
− 組み合わせ治療群(抗PD−1抗体の1用量での腹腔内(ip)投与と組み合わせた10日目にABX196の1用量での腫瘍内(it)投与)
【0243】
2.実験手順
2.1 動物
マウス(Mus musculus)、C57BL/6株、雌
提供者:Charles River Laboratories−BP0109−F69592 L’Arbresle Cedex。
【0244】
動物は、8〜10週で用いた。6週齢マウスを約14日間順化させた(8週齢時にB16F10腫瘍細胞の移植)。動物90匹を本試験に用いた。
【0245】
換気および空気処理は、頻繁なターンオーバー(収容される動物の密度に応じて8〜20体積/時間)および22〜25℃の制御温度を通じて実施した。湿度は、40〜70%に維持した。人工照明は、1日12時間維持した。食料(固形飼料)および飲料(水道水)に対する量およびアクセスを毎日点検した。マウスは、動物10匹/ケージ(820cm2のケージ)で集合ケージに収容した。ケージは、動物管理人により週1回更新した。
【0246】
2.2 動物監視
動物の腫瘍体積および体重は、週3回、測定し、記録した。2000mm
3を超える腫瘍体積または動物の初期体重と比べて15%を超える体重減少をエンドポイントとみなした。
【0247】
同様に、マウスが(i)疲弊した場合または(ii)その外皮がもはやきれいでなくなった(毛が逆立ち、艶がない)場合、(iii)可動性が低下した場合、これもエンドポイントとみなした。これらの条件の少なくとも1つが満たされたとき、マウスを頸部脱臼により屠殺した。
【0248】
このモデルに関する疼痛、苦痛および不安を最小化するため、動物は、2日毎に監視された。観察は、体重減少(15%)および姿勢の変化などの信頼できる判断基準を含んだ。不安を最小化するため、環境エンリッチメントを行った(プラスチックチューブ)。
【0249】
疼痛処置:
手術ステップ(腫瘍細胞の皮下注射)では、麻酔は、腹腔内注射により、ケタミン(0.33mg/ml)およびキシラジン(33.6μg/ml)を用いて行った。
【0250】
2.3 メラノーマがん細胞の移植手順
− がん細胞株:
メラノーマB16F10細胞を、提供者の仕様に従い、10%の最終濃度のFBSを添加したRPMI1640でインビトロ培養した。マウスへの移植前、トリパンブルー排除を用いて細胞生存度を評価し、細胞懸濁物を生菌数に従って調製した。
− マウスにおけるメラノーマB16F10腫瘍の誘導:
B16F10細胞をC57BL/6免疫担当マウス(8週齢雌)の右側腹部に皮下移植した。移植手順は以下の通りであった(すべてのステップを無菌層流条件下で実施した):マウス(約20gの体重)を90μLの麻酔剤(すなわち1.5mg/kgのケタミンおよび150μg/Kgのキシラジン)の腹腔内注射で麻酔した。移植される細胞を滅菌PBSに再懸濁し、移植に必要な量を25G針で1mlのシリンジに充填した(1000,000細胞/100μL)。
【0251】
2.4 薬理学的治療
− 抗PD−1抗体治療
腹腔内注射による100μgでの抗PD−1モノクローナル抗体(a−PD−1)治療スケジュールを適用した。治療は、6、9、12、15および18日目に4回反復した。腹腔内注射用に27Gゲージ針を用いた。
材料:
− 抗PD−L1モノクローナル抗体(a−PD−1)−(クローンRMP1−14)
− 腹腔内投与用の抗PD−1モノクローナル抗体製剤
− リン酸緩衝食塩水(PBS)溶液に溶解した抗PD−1 mAb
ダルベッコPBSを用いて、抗PD−1抗体を1,0mg/mLの濃度(100uLの体積)で溶解した。次に、保存液をアリコートし(1日治療用分量)、−20℃で貯蔵した。
− ABX196治療
10日目にABX196を、
− 100ng/マウスの用量での静脈内(i.v)注射により;または
− 10ng/マウスの用量での腫瘍内(i.t)注射により
投与した。
材料:
i.v投与用のABX196
ABX196は、PBS中、250μg/mLの溶液として準備した。1μg/mLのABX196溶液を調製し、4℃で貯蔵した。10日目、1μg/mLのABX196溶液100μLを3および4群からのマウスの尾静脈に注射した。
i.t投与用のABX196
ABX196は、PBS中、250μg/mLの溶液として準備した。0,4μg/mLのABX196溶液を調製し、4℃で貯蔵した。10日目、5および6群からの動物を麻酔し、0,4μg/mLのABX196溶液25μLを腫瘍に注射した。
【0252】
【表18】
【0253】
3.結果
すべての実験動物群は、以下のパラメータについて、B16F10細胞接種後6日目から4週間にわたり週に3回監視した。
− 腫瘍サイズ:身体検査により週に3回測定、
− 体重:週に3回監視、および
− 生存:週に3回、カプラン・マイヤープロットで表現
【0254】
抗腫瘍活性指数の計算は、T/C(%)指数およびTGI(%)について実施例1と同様であった。
【0255】
1.抗腫瘍応答評価
a)腫瘍体積
結果は、腫瘍負荷後、異なる治療に曝露されたB16F10保有マウスの平均腫瘍体積(mm
3)を示す
図5および6に示す。
【0256】
特に、結果によると、抗PD−1抗体と本発明に従うABX196との組み合わせは、ABX196単独または抗PD−1抗体単独よりも腫瘍体積の低減に有効であることが示される(静脈内または腫瘍内のいずれかに投与)。
【0257】
結果を下表にも示す。
【0258】
【表19】
【0259】
b)生存
結果は、腫瘍負荷後、異なる治療に曝露されたB16F10保有マウスの生存を示す
図7および8に示す。
【0260】
特に、結果によると、抗PD−1抗体と本発明に従うABX196との組み合わせは、ABX196単独または抗PD−1抗体単独よりも高い生存の百分率をもたらすことが示される(静脈内または腫瘍内のいずれかに投与)。
【0261】
c)抗腫瘍活性指数
【0262】
【表20】
【0263】
結論:
本試験は、メラノーマの同系マウスモデルにおけるPD−1の遮断と組み合わせたABX196の利益を評価することを目的とする。
【0264】
たとえ18日目に追加用量を投与していても、抗PD−1抗体の効果は認められなかった。腫瘍体積(
図5および6)と生存レベル(
図7および8)との両方で効果の欠如が認められた。
【0265】
また、ABX196の一過性効果がその投与(静脈内または腫瘍内のいずれか)後の早い時点で認められたが、それは、有意な効果に至らなかった。
【0266】
しかし、ABX196と抗PD1 Abとの間に相乗効果が認められることは興味深かった。当然ながら、ABX196は、抗PD−1効果(全く有効でなかった)を増強することができた。この相乗効果は、ABX196のivおよびit投与の両方で観察可能であった。特に、それは、腫瘍体積レベルで(
図5および6)、抗PD−1と抗PD−1+ABX196(ivまたはit)との間の有意差(それぞれp=0,012および0,0245)で観察可能であった。生存データは、媒体に対するABX196と抗PD−1抗体との組み合わせの利益を明示した。
【0267】
実施例6:結腸および膀胱がんにおける単独でまたは抗PD−1抗体と組み合わせて全身投与されるABX196の抗腫瘍活性の判定
1.材料および方法
1.1.試験および参照物質
1.1.1.試験物質
ABX196。
【0268】
1.1.2.参照物質
抗PD−1抗体(参照:BE0146,BioXcell;クローン:RMP1−14、反応性:マウス;アイソタイプ:ラットIgG2a;貯蔵条件:+4℃)。
【0269】
1.1.3.試験および参照物質媒体
製造業者の推奨に従い、抗PD−1抗体をリン酸緩衝食塩水(PBS)または他の好適な媒体中で調製した。ABX196を250μg/mLの溶液として準備した。
【0270】
1.2.治療用量
ABX196を100ng/マウスの用量で投与した。抗PD−1抗体を10mg/kgの用量で投与した。
【0271】
1.3.投与経路
試験物質は、静脈内経路によりマウスの尾側静脈に注射した(IV、ボーラス)。抗PD−1抗体は、マウスの腹膜腔に注射した(腹腔内、IP)。すべての群において、ABX196は、100μLの一定用量ボリューム(すなわち体重が20gのマウス1匹に対して約5mL/kg/投与)で投与した。抗PD−1抗体は、10mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した。
【0272】
1.4.がん細胞株および培養条件
1.4.1.がん細胞株
用いた細胞株を下表に詳細に示す。
【0273】
【表21】
【0274】
・CT−26細胞株は、N−ニトロソ−N−メチルウレタン−(NNMU)誘導性のBALB/Cマウスの未分化結腸がん細胞株である。
・マウスMBT−2細胞株は、C3H/HeJマウスにおける発がん物質誘導性膀胱腫瘍に由来した。MBT−2細胞株は、Dr Cozzi,Memorial Sloan Kettering Cancer Center(New York,USA)から入手した。
【0275】
1.4.2.細胞培養条件
腫瘍細胞は、加湿雰囲気下(5%CO2、95%空気)において37℃で単層として増殖させた。培地は、10%ウシ胎仔血清(参照:3302,Lonza)を添加した、2mMのL−グルタミン(参照:BE12−702F,Lonza,Verviers,Belgium)を含有するRPMI1640であった。腫瘍細胞は、プラスチックフラスコに接着した。実験使用のため、腫瘍細胞を、カルシウムまたはマグネシウムを含まないハンクス培地(参照:BE10−543F,Lonza)中、トリプシン−バーゼン液(参照:BE02−007E,Lonza)で5分間処理することにより培養フラスコから剥離し、完全培地の添加により中和した。
【0276】
細胞を計数し、それらの生存度を0.25%トリパンブルー排除アッセイにより評価した。
【0277】
1.5.動物
6〜7週齢の健常雌BALB/cマウス63匹を、マウスのこの株(すなわちCT−26)に同系の各モデルについてCHARLES RIVER(L’Arbresles)から入手し、6〜7週齢の健常雌C3H/HeJ(C3H/HeOuJ)マウス68匹をMBT−2モデルについてThe Jackson Laboratory(Bar Harbor,Maine)から入手した。
【0278】
動物は、FELASAガイドラインに従い、SPF健康状態で維持した。動物収容および実験手順は、French and European RegulationsおよびNRC Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに準じて実現した。動物の収容条件は、実施例1などと同じであった。
【0279】
2.実験設計および治療
2.1.動物におけるCT−26およびMBT−2腫瘍の誘導
RPMI1640の200μL中、1×10
6個のCT−26細胞の63匹の雌BALB/Cマウスの右側腹部への皮下注射により、腫瘍を誘導した。MBT−2腫瘍は、RPMI1640の200μL中、1×10
6個の細胞の68匹の雌動物の右側腹部への皮下注射により誘導した。
【0280】
2.2.治療スケジュール
腫瘍が80〜120mm
3の平均体積に達した時、治療を開始した。Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて、CT−26モデルにおける63匹またはMBT−2モデルにおける68匹からの48匹の動物を、それら個別の腫瘍体積に従い、各群が動物12匹からなる4群に無作為化した。統計学的試験(分散の分析、ANOVA)を実施し、群間の均一性について試験した。治療スケジュールは以下の通りであった。
− 群1からの動物は、ABX196媒体のIV注射および抗PD−1抗体媒体のIP注射を受けた。
− 群2からの動物は、100ngのABX196のIV注射を受けた。
− 群3からの動物は、抗PD−1抗体の週2回投与を受けた。
− 群4からの動物は、100ngのABX196のIV注射および抗PD−1抗体の週2回投与を受けた。
【0281】
治療スケジュールを下表にまとめる。
【0282】
【表22】
【0283】
2.3.動物の監視
2.3.1.臨床的監視
動物の体重測定値、腫瘍体積、臨床および死亡率記録ならびに治療を含むすべての試験データをスケジュール化し、Vivo Manager(登録商標)データベース(Biosystemes,Dijon,France)に記録した。
【0284】
生存度および挙動を毎日記録した。体重を週2回測定した。腫瘍の長さおよび幅をノギスで週2回測定し、腫瘍の体積を式:
【数4】
により評価した。
【0285】
抗腫瘍活性指数の計算は、T/C(%)指数およびTGI(%)について実施例1と同様であった。
【0286】
2.4.統計学的試験
すべての統計学的解析は、Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて実施した。ANOVAを用いて、平均体重、MBWC、無作為化時の平均腫瘍体積、平均腫瘍体積V、Vに達するための平均時間および平均腫瘍倍加時間の統計分析を実施した。有意なANOVA結果の場合、ボンフェローニ/ダン補正を用いてペアワイズ検定を実施した。ログランク(カプラン・マイヤー)検定を用いて生存曲線を比較した。P値<0.05を有意とみなした。
【0287】
2.5.人道的エンドポイント
人道的エンドポイントは、実施例1と同様であった。
【0288】
2.6.剖検
試験において終了したすべての動物、可能であれば、すべての安楽死・瀕死動物または死亡が認められた動物に対して剖検(肉眼検査)を実施した。
【0289】
2.7.麻酔
すべての手順:腫瘍接種および静脈内注射において、イソフルランガス麻酔を用いた。
【0290】
2.8.鎮痛
すべての痛みを伴う処置に対して、非薬理学的ケアを準備した。加えて、主治獣医師の推奨により、試験(局所治療)に干渉しない薬理学的ケアを準備することができた。
【0291】
2.9.安楽死
ガス麻酔の過剰用量(イソフルラン)、その後の頸部脱臼または全採血により、動物の安楽死を実施した。
【0292】
3.結果
3.1.皮下CT−26結腸直腸がんを有するマウスにおける試験治療の抗腫瘍活性
結果は、腫瘍負荷後、異なる治療に曝露されたCT−26保有マウスの平均腫瘍体積(mm
3)を示す
図9に示す。特に、結果によると、抗PD−1抗体と本発明に従うABX196との組み合わせは、ABX196単独または抗PD−1抗体単独よりも腫瘍体積の低減に有効であることが示される。
【0293】
抗腫瘍活性指数を下表に示す。
【0294】
【表23】
【0295】
3.2.皮下MBT−2膀胱がんを有するマウスにおける試験治療の抗腫瘍活性
結果は、腫瘍負荷後、異なる治療に曝露されたMBT−2保有マウスの平均腫瘍体積(mm
3)を示す
図10に示す。特に、結果によると、抗PD−1抗体と本発明に従うABX196との組み合わせは、ABX196単独または抗PD−1抗体単独よりも腫瘍体積の低減に有効であることが示される。
【0296】
抗腫瘍活性指数を下表に示す。
【0297】
【表24】
【0298】
3.3.生存
結果は、腫瘍負荷後、異なる治療に曝露されたMBT−2保有マウスの生存を示す
図11、および下表に示す。
【0299】
【表25】
【0300】
ABX196と抗PD−1抗体との組み合わせは、ABX196または抗PD−1抗体単独による治療と比べてマウスの生存を有意に改善する。
【0301】
【表26】
【0302】
4.結論
試験治療は、単独または組み合わせのいずれかであり、動物で十分に耐容性があり、薬物に関連した重篤な毒性も死亡も記録されなかった。
【0303】
結腸直腸がんに対するABX196+抗PD−1の抗腫瘍活性
ABX196+抗PD−1で治療したマウスの腫瘍増殖遅延は、媒体治療群と比べて有意に改善される(
図9を参照されたい)。T/CおよびTGI比は、ABX196と抗PD−1抗体との間の相乗効果を明示する。ABX196+抗PD−1治療を有する群のみがT/C<42%を示す。
【0304】
膀胱がんに対する抗腫瘍効果
ABX196+抗PD−1抗体の組み合わせは、腫瘍増殖を有意に低減する(
図10を参照されたい)。T/CおよびTGI比は、ABX196と抗PD−1抗体との間の相乗作用を明示する。ABX196+抗PD−1で治療したマウスの生存は、媒体治療群と比べて有意に改善される(
図11を参照されたい)。組み合わせ群では、抗腫瘍活性は、ABX196単独または抗PD−1単独と比べてさらに改善され、抗PD−1抗体と組み合わせるとき、27または28日の生存中央値は、34日まで増加する。
【0305】
実施例7:同所性Hepa1−6肝細胞がんモデルにおけるドキソルビシンもしくはソラフェニブまたは抗PD−1抗体と組み合わせたABX196の抗腫瘍活性の評価
1.材料および方法
1.1 試験および参照物質
1.1.1 試験物質
ABX196。
【0306】
1.1.2 参照物質
ドキソルビシン:DOXO CELL,Cell Pharm
ソラフェニブ(Nexavar(登録商標),Bayer Pharma,200mg/丸薬)。
抗PD−1抗体(参照:BE0146,BioXcell;クローン:RMP1−14、反応性:マウス;アイソタイプ:ラットIgG2a;貯蔵条件:+4℃)。
【0307】
1.2.試験および参照物質媒体
ドキソルビシンをNaCl0.9%で希釈した。
【0308】
製造業者の推奨に従い、抗PD−1抗体をリン酸緩衝食塩水(PBS)または他の好適な媒体中で調製した。
【0309】
マウスへの投与の各日においてソラフェニブ丸薬を粉砕し、最初にDMSO(参照:41640,Fluka,Sigma,Saint Quentin Fallavier,France)に、次にツイーン20(参照:P9416,Sigma)に溶解し、その後、10mg/mLの適切な濃度に達するようにNaCl(0.9%)を添加した(DMSO/ツイーン20/NaCl(0.9%)の最終比:5/5/90v/v)。
【0310】
ABX196を250μg/mLの溶液として準備した。ABX196の希釈をPBS緩衝液で実施した。
【0311】
5日目に群1で用いた媒体溶液は、ABX196試験アイテムと同じ最終濃度においてリン酸緩衝食塩水(PBS)で希釈したDMSOを含有した。
【0312】
1.3.治療用量
ABX196を100ng/マウスの用量で投与した。ドキソルビシンを12mg/kgの用量で投与した。抗PD−1抗体を10mg/kgの用量で投与した。ソラフェニブを100mg/kgの用量で投与した。
【0313】
1.4.投与経路
ABX196は、静脈内経路によりマウスの尾側静脈に注射した(IV、ボーラス)。ドキソルビシンは、マウスの尾側静脈に静脈内投与した(IV、ボーラス)。抗PD−1抗体は、マウスの腹膜腔に注射した(腹腔内、IP)。ソラフェニブは、カニューレを介した経口経管栄養により投与した(経口、PO)。
【0314】
すべての群において、ABX196は、100μLの一定用量ボリューム(体重が20gのマウスに対して約5mL/kg/投与)で投与した。ドキソルビシン、抗PD−1抗体およびソラフェニブは、マウスの直近体重に応じて10mL/kg/投与の用量ボリュームで投与した。
【0315】
1.5.がん細胞株および培養条件
1.5.1.がん細胞株
用いた細胞株を下表に詳細に示す。
【0316】
【表27】
【0317】
1.5.2.細胞培養条件
腫瘍細胞は、加湿雰囲気下(5%CO2、95%空気)において37℃で単層として増殖させた。培地は、10%ウシ胎仔血清(参照:3302,Lonza)を添加した、4mMのLグルタミン(参照:BE12−604F,Lonza,Verviers,Belgium)、4.5g/lのグルコースおよび1mMのNaPyrを含有するDMEMであった。この細胞は、プラスチックフラスコに接着した。
【0318】
実験使用のため、腫瘍細胞を、カルシウムまたはマグネシウムを含まないハンクス培地(参照:BE10−543F,Lonza)中、トリプシン−バーゼン液(参照:BE17−161E,Lonza)で5分間処理することにより培養フラスコから剥離し、完全培地の添加により中和した。細胞を血球計数器で計数し、それらの生存度を0.25%トリパンブルー排除アッセイにより評価した。
【0319】
1.5.3.動物
5〜6週齢の健常雌C57BL/6(C57BLl6J)マウス100匹をJANVIER LABS(Le Genest−Saint−Isle)から入手した。
【0320】
動物は、FELASAガイドラインに従い、SPF健康状態で維持した。動物収容および実験手順は、French and European RegulationsおよびNRC Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに準じて実現した。収容条件は、実施例1などと同じであった。
【0321】
1.6.磁気共鳴画像法
すべての画像化実験は、能動的遮蔽勾配システムを備えた4.7Tの水平磁気(PharmaScan,Bruker Biospin GmbH,Germany)上で実施した。すべてのMR画像は、ParaVision(PV5.1,Bruker Biospin)下で取得した。
【0322】
1.6.1.コイルおよびクレイドル
マウスは、Pharmascan内部のボリュームコイル(38mmの内直)内をスライドする専用のマウス身体用クレイドル内に腹臥位にした。
【0323】
1.6.2.麻酔および生理学的監視
すべてを取得する間、マウスは、鼻部分を介し、空気の混合物中のイソフルラン(Minerve,Bondoufle,France)を用いて継続的に麻酔した。マウスの呼吸速度は、その腹部にテープ固定した圧力センサを用いて継続的に監視した。生理学的シグナルは、MRIワークステーションに併置され、光ファイバケーブルによりセンサに接続されたラップトップを介して監視した(SA Instruments,USA)。
【0324】
1.6.3.MRイメージングシーケンス
較正および位置決め
磁気における動物の位置決め後、スカウト画像を較正目的に取得した。矢状、冠状および軸スライスを取得した。この取得の開始時、自動調節を実施し、シム、RF力およびMRシグナルの増幅を最適化した。
【0325】
【表28】
【0326】
1.6.4.T2加重(T2w)解剖学的イメージング − 軸方向
T2w RAREシーケンスを用いて解剖学的画像を取得した。この工程間に用いたシーケンスは、以下の特徴を有する。
【0327】
【表29】
【0328】
1.6.5.画像プロセシング
すべてのMR画像は、ImageJ下で分析するため、Windows(登録商標)に基づくワークステーションに移した。腫瘍浸潤は、全肝臓における腫瘍の百分率の目視評価により半定量的に評価した。
【0329】
2.実験設計および治療
2.1.脾臓内注射による動物におけるHepa1−6腫瘍の誘導
RPMI1640培地50μL中の100万(1×10
6)個の腫瘍細胞を、脾臓内注射を通じて100C57BL/6マウスに移植した。すなわち、左肋骨下側腹部を少し切開した。脾臓を露出させた。脾臓を滅菌ガーゼパッド上に曝露し、視覚制御下で細胞懸濁液ともに27ゲージ針を用いて注射した。細胞接種後、脾臓を切除した。腫瘍細胞注射日をD0とみなした。
【0330】
2.2.治療スケジュール
治療はD5に開始した。Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて、100匹中99匹の動物を、それら個別の体重に従い、動物13匹での3群および動物12匹での5群に無作為化した。統計学的試験(分散の分析、ANOVA)を実施し、群間の均一性について試験した。治療スケジュールは以下の通りであった。
− 群1からの動物は、5日目にABX196媒体の1回のIV注射を受けた。
− 群2からの動物は、5日目から21連続日、100mg/kg/投与のソラフェニブの1日1回のPO投与を受けた。
− 群3からの動物は、5日目に100ngのABX196の1回のIV注射と、および5日目から21連続日、100mg/kg/投与のソラフェニブの1日1回のPO投与とを受けた。
− 群4からの動物は、5日目に12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射を受けた。
− 群5からの動物は、5日目に100ngのABX196の1回のIV注射と、12mg/kgのドキソルビシンの1回のIV注射とを受けた。
− 群6からの動物は、7、10、14および17日目(週2回×2)に抗PD−1抗体の4回のIP投与を受けた。
− 群7からの動物は、5日目に100ngのABX196の1回のIV注射と、7、10、14および17日目(週2回×2)に抗PD−1抗体の4回のIP投与とを受けた。
【0331】
治療スケジュールを下表にまとめる。
【0332】
【表30】
【0333】
2.3.採血
D7およびD22において、約120μLの血液を、頸静脈穿刺により、血餅アクチベーターを有する血液捕集管に収集した。室温、1,300gで10分間のサンプリングから30分後、チューブを遠心分離し、血清を得た。血清試料をプロピレンチューブ内、−80℃で貯蔵した。D22において、すべての収集した血清試料を、ELISA分析により、循環するAFPレベルの判定のために分析した(Dosage Mouse a−フェトプロテイン/AFP,参照:MAFP00,RD Systems)。
【0334】
2.4.MRI画像化の時点
D19およびD20において群1〜8からのマウス5匹/群を画像化した(動物40匹/日)。次に、半定量分析を実施した。
【0335】
2.5.マウスの終了
最終のマウス終了の時点で(D60頃)、肝臓を秤量した。転移の数を肉眼で評価し、限局化、外観(形状、色、一貫性)およびそれら各々の大きさを記録した。肝臓の肉眼写真を撮った。
【0336】
倫理的理由のためまたは最終の終了時のいずれかから屠殺したすべての動物からの肝臓/腫瘍を4mm厚切片に切断し、4%中性緩衝ホルマリンで24時間〜48時間固定し、次にパラフィンで包埋した(Histosec(登録商標)、Merck,Darmstadt,Germany)。
【0337】
2.6.動物の監視
2.6.1.臨床的監視
動物の体重測定値、腫瘍体積、臨床および死亡率記録ならびに治療を含むすべての試験データをスケジュール化し、Vivo Manager(登録商標)データベース(Biosystemes,Dijon,France)に記録した。
【0338】
生存度および挙動を毎日記録した。体重を週3回測定した。
【0339】
2.6.2.人道的エンドポイント
25mmを上回る腹部直径、
疼痛、苦痛または窮迫の徴候:痛み姿勢、痛みフェイスマスク、挙動、
異所運動または栄養に干渉する腫瘍、
3連続日での20%の体重減少状態、
身体状態不良、るいそう、悪液質、脱水、
外部刺激に対する自発的応答不在の遷延、
迅速な努力性呼吸、貧血、有意な出血、
神経性徴候:旋回、痙攣、麻痺、
持続的な体温低下、
腹部膨満。
【0340】
2.6.3.剖検
試験におけるすべての終了した動物、可能であれば、すべての安楽死・瀕死動物または死亡が認められた動物に対して剖検(肉眼検査)を実施した。
【0341】
2.6.4.手術
手術方法は、IACUCによって認可された手術法に記載された。
【0342】
2.6.5.麻酔
すべての処置:手術および採血においてイソフルランガス麻酔を用いた。
【0343】
2.6.6.鎮痛
マルチモーダルなカプロフェン/ブプレノルフィンまたはキシロカイン/ブプレノルフィン鎮痛プロトコルは、外科手技の厳密さに適応した。すべての痛みを伴う処置に対して、非薬理学的ケアを施した。加えて、主治獣医師の推奨により、試験(局所治療)に干渉しない薬理学的ケアを施すことができた。
【0344】
2.6.7.安楽死
動物の安楽死は、過剰用量(イソフルラン)によるガス麻酔、その後の頸部脱臼または全採血により実施した。
【0345】
3.データの提示
4.1.健康パラメータ
Vivo Manager(登録商標)ソフトウェア(Biosystemes,Couternon,France)を用いて以下の健康評価基準を決定した。
− 動物の個別および/または平均(または中央値)体重、
− 平均体重変化(MBWC):パーセントでの治療動物の平均体重変化(B日目の体重からA日目の体重を引いてA日目の体重で除したもの)を算出した。MBWCを算出した区間を体重曲線および体重測定日の関数として選択した。
【0346】
3.2.有効性パラメータ
対照動物と比べた治療動物の腫瘍体積に対する試験物質の効果の観点で治療有効性を評価した。抗腫瘍有効性の以下の評価基準を決定した。
− D19〜20、MRI画像化を用いた肝臓内部の腫瘍浸潤の個別および/または平均(または中央値)測定、
− D22、血漿中の循環するa−フェトプロテインの測定、
− 終了時の肝臓重量測定、
− 生存曲線、
− 生存時間中央値。
【0347】
結果
腫瘍浸潤
結果は、20日目の各治療群からの肝臓の腫瘍浸潤の百分率を示す
図12に示す。
【0348】
【表31】
【0349】
【表32】
【0350】
結論
この実験は、化学療法剤または免疫療法剤およびABX196を含む組み合わせが単独に摂取される組み合わせの各成分よりも強力であることを示す。
【0351】
図12に示すように、ABX196を含む組み合わせ治療は、腫瘍浸潤の低下を呈する。腫瘍浸潤の低下は、より良好な生存につながる。